JP2003235445A - 乾燥魚肉フレークの製造方法 - Google Patents
乾燥魚肉フレークの製造方法Info
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Abstract
感がよく、しかも加水復元性が良好な乾燥魚肉フレーク
を高価な凍結乾燥でなく経済的な乾燥方法である加熱乾
燥で得ようとするものである。 【解決手段】加熱処理した魚肉フレークの水分含量を4
0〜70重量%に調整し、この魚肉フレークの乾燥重量
に対し5〜40重量%の油脂及び5〜70重量%の乳糖
を加えて攪拌し、その後これを加熱乾燥することを特徴
とする乾燥魚肉フレークの製造方法である。
Description
づけなどの具材に使用される乾燥魚肉フレークの製造方
法に関する。
肉フレークは、食感と加水復元性に優れていることが必
要である。例えば、ふりかけに使用する乾燥魚肉フレー
クは、硬いものは食感として好ましくなく適度の柔らか
さが好まれている。また、お茶づけに使用する場合は加
水復元性が重要でこれが短時間に行われることが必要で
ある。しかしながら、魚肉フレークを熱風乾燥などで加
熱乾燥してお茶づけとすると組織が収縮して硬くなり、
また加水復元性も劣るものとなっていた。こうした問題
を解決する方法として、野菜、肉、魚介類などの細片に
糖類を浸透させてから乾燥処理を行って加水復元性の良
好な魚肉フレークを製造する方法が提案されている(特
開昭51−101145号)。確かに、この方法による
と糖類の含浸処理をしない場合よりは改善がみられる
が、それでも加水復元性が十分に改善されたとはいい難
く、また食感も硬く違和感のあるものであった。
燥方法としては、コストが高いが凍結乾燥が最も効果的
であるとされこれまで広く利用されている。しかし、凍
結乾燥食品は組織がポーラスで崩れやすく、また食感が
軽くて質感に欠けるという欠点が指摘されている。そこ
で、凍結乾燥食品のポーラで崩れ易い点、質感に欠ける
点を改良する方法として、魚介類に所定量の食用油脂を
含有してから凍結乾燥する方法が提案されている(特開
昭63−98346号)。しかしながら、この方法では
その改善のために用いる油脂量が多いために油っぽさが
残る食感となるとともに、ここでの乾燥が凍結乾燥であ
るために製造コストが高いといった問題があった。
魚肉が硬くならないで食感がよく、しかも加水復元性が
良好な乾燥魚肉フレークを高価な凍結乾燥でなく経済的
な乾燥方法である加熱乾燥で得ようとするものである。
た魚肉フレークの水分含量を40〜70重量%に調整
し、この魚肉フレークの乾燥重量に対し5〜40重量%
の油脂及び5〜70重量%の乳糖を加えて攪拌し、その
後これを加熱乾燥することを特徴とする乾燥魚肉フレー
クの製造方法(請求項1)および加熱乾燥が熱風乾燥ま
たは真空乾燥である請求項1記載の乾燥魚肉フレークの
製造方法(請求項2)である。
は、鮭、鱒、鰹、鯛など通常食用に供される魚肉を公知
な方法で加工したものである。一例をあげると、前記し
た魚の頭部、内臓、骨、皮などの非可食部を除去する前
処理工程の後、3重量%の食塩を含有する沸騰水で30
分ボイルして、さらにこれを解砕してフレーク状にした
ものである。また、別の方法としては上記の非可食部を
除去する前処理工程を行わないものを加熱処理し、その
後非可食部分の除去を行うようにしてもよい。加熱工程
はボイル、蒸煮、マイクロ波加熱その他を採用すること
ができる。魚肉フレークの製造方法はこの外にも任意の
方法を採用することが可能である。
乳糖の浸透を確保するために目開き2cmの篩を通過でき
る大きさに解砕することが好ましい。また、目的に応じ
てそれ以下の大きさに解砕することは任意である。この
発明ではこのようにして調整した魚肉フレークを水分含
量が40〜70重量%、好ましくは50〜60重量%と
なるように調整して使用する。水分量の調整は、自然脱
水、遠心脱水、プレス脱水、通風乾燥などで行われる。
この水分調整を行った魚肉フレークに対し、その乾燥重
量に対して5〜40重量%の油脂と5〜70重量%の乳
糖を加え、これを攪拌して魚肉フレークに油脂と乳糖を
浸透させる。
量が70重量%を超えると、次の工程で魚肉フレークに
添加する油脂が魚肉フレークに浸透するのを阻害し、ま
た40重量%未満であると同様にこれに添加する乳糖が
十分に溶解することができない。この発明では魚肉フレ
ークに油脂と乳糖を上記の範囲で併用して添加すること
が極めて重要で、この両者が魚肉フレークに十分に浸透
することでこの発明の目的を達成することが可能であ
る。前記した特開昭63−98346号では魚介類に油
脂を添加し、これを凍結乾燥することで柔らかいテクス
チャーの魚肉フレークを製造する技術を開示している
が、この方法は油脂を多く使用しているため食感が好ま
しくなくまた乾燥方法が凍結乾燥に限定されていたが、
本発明は油脂と乳糖とを併用して添加することで油脂の
添加量を少なくして食感の向上を図ることができるよう
にするとともに、乾燥方法をコストの安い通風乾燥や減
圧乾燥などの採用を可能としたものである。
されるものであればよく、例えば菜種油、大豆油、コー
ン油、ごま油、ヤシ油、パーム油などの食用油脂や食用
精製加工油脂で、好ましくは中鎖脂肪酸の含有量の高い
食用精製加工油脂である。これらを1種又は2種以上混
合して使用する。この発明では、さらに油脂の酸化防止
のためにトコフェロールを添加することや乳化剤を添加
することが有効である。油脂は魚肉フレークの乾燥重量
に対して5〜40重量%の範囲で添加し、好ましくは1
0重量%以上で20重量%以下である。油脂の添加が、
水分量を調整した魚肉フレークの乾燥重量に対して40
重量%を超えると、油脂が魚肉フレークに吸収されずに
残存し乾燥後の魚肉フレークが油っポい状態となって好
ましくない。また、油脂が5重量%では油脂添加の効果
が十分でなく、硬い食感の乾燥魚肉フレークとなる。本
発明では魚肉由来の油脂が少ない魚肉フレークを使用す
るのが好ましい。魚肉本来の油脂は不飽和脂肪酸が多
く、酸化しやすいのでその含有量によって保存性に影響
を及ぼすことがある。こうした事態を避けるため、この
発明では保存性を向上させるために予め魚肉由来の油脂
を除去した魚肉フレークを使用するようにしてもよい。
魚肉由来の油脂を除去する方法は一般的に行われている
方法で、例えば前処理工程で油脂分の多い部分を取り除
いたり、加熱工程で油脂を分離するなどの方法が採用さ
れる。
重量に対して5〜70重量%、好ましくは10〜30重
量%添加する。乳糖を魚肉フレークの乾燥重量に対して
70重量%を超えて添加すると浸透圧の関係で魚肉が収
縮し油脂の浸透を阻害する。さらに、乳糖を過剰に添加
した場合は乳糖が溶解しないで魚肉フレークに付着する
ようになって好ましくない。また、乳糖が5重量%未満
では十分な効果が得られず、硬い食感の乾燥フレークと
なる。本発明者は各種糖類の中でも乳糖を上記の範囲で
添加した場合に限って上記のような効果が期待できるこ
とを見出したものである。
るメカニズムは不明であるが、適度な水溶性を有するこ
とが影響しているものと推測される。即ち、魚肉フレー
クに添加した乳糖は魚肉フレークの中の水分に溶解して
内部に浸透する。その後、乾燥工程で浸透した乳糖が蛋
白を保護するとともに、水分の蒸発にともなって魚肉フ
レークの中で析出する。析出した乳糖はフレークの組織
構造を保持して収縮を抑制する効果があると推定され
る。そして、乳糖は他の糖類よりは水溶性が低く析出し
やすいので魚肉フレークの収縮を抑制する効果に優れて
いるものと推測される。
一方を先に添加してもその効果には影響がなく、これら
を魚肉フレークに均一に分散させることが重要である。
そのため、油脂と乳糖を添加した魚肉フレークはこれを
よく攪拌混合する。攪拌混合は通常の方法でよく、例え
ば油脂および乳糖を添加した魚肉フレークをニーダで攪
拌する。添加された油脂および乳糖は、次の乾燥工程で
加熱されて油脂の流動性と乳糖の溶解性が向上し、魚肉
フレークへの浸透が促進される。さらに、この発明では
調味料、着色料、香料などを添加することもできる。こ
れらの添加は、油脂および乳糖の添加と同時でも別でも
よく、魚肉フレークを作る際の加熱工程でのボイル処理
のときでもよい。
攪拌混合した魚肉フレークは加熱乾燥して乾燥魚肉フレ
ークとする。乾燥魚肉フレークの水分含量は5重量%以
下にすることが好ましい。水分含量が5重量%を超える
と保存性が低下する恐れがある。乾燥方法は凍結乾燥以
外の加熱乾燥で、例えば熱風乾燥や真空乾燥を行う。熱
風乾燥には流動層乾燥なども含まれ、通風しながら行う
乾燥方法の全てが含まれる。真空乾燥には減圧乾燥も含
まれ、減圧乾燥は、減圧条件下で乾燥する方法の全てを
含むが凍結乾燥は除かれる。減圧条件は4.6トール以
上であればよい。加熱はヒータ加熱、マイクロ波加熱、
遠赤外線加熱など通常使用される加熱方法が利用され
る。
蒸し上がった魚肉を2cmにほぐしながら骨を取り除き放
冷して鮭フレークとした。この鮭フレークの水分量を測
定したところ50重量%であった。この鮭フレークに油
脂と乳糖を添加した。油脂は食用パーム油で、添加は鮭
フレーク100gに対し、無添加,2.5g,5.0g,10.0
g,20.0g,35.0gの6種とした。また、乳糖の添加は、
無添加,2.5g,5.0g,15.0g,35.0g,50.0g の6種とし
た。さらに、これ以外に食塩を20g,グルタミン酸ナト
リウムを5g添加し、攪拌して全体が均一になるようにし
た。上記のようにして調整した魚肉フレークをトレーに
厚さ1cmに敷いて、これを10トールの減圧条件で70
℃の加熱を行い、水分含量が5重量%となるまで乾燥し
た。
のパネラーによって官能評価を行った。評価は、乾燥状
態での魚肉フレークの食感と、熱湯を注加して30秒後
の復元性の2項目で下記の基準で行った。10名のパネ
ラーの平均をそれぞれ表1(食感評価)および表2(加
水復元性の評価)に示した。
が5〜40重量%で、乳糖の添加量が5〜70重量%の
乾燥鮭フレークの品質が良好であることが分かる。ま
た、油脂の添加量が10〜20重量%で、乳糖の添加量
が10〜30重量%の乾燥鮭フレークの品質が特に良好
であることが分かる。油脂の添加量が70重量%、乳糖
の添加量100重量%のものは、それぞれ油脂と乳糖が
分離した状態で見た目もよくなく、食味も油脂と乳糖の
味を感じてよくなかった。
品質に与える影響を調べた。予めフイレーに加工した鰹
を沸騰水で30分加熱し、煮し上がった魚肉を約1.5
cmにほぐしながら骨を取り除き鰹フレークを遠心脱水機
で脱水し、鰹フレークの水分含量を50重量%にした。
この鰹フレーク100gに、油脂7.5g,糖類5g、調味料とし
て食塩20g、グルタミン酸ナトリウム5gを添加して混合
した。油脂は市販のサラダ油を使用し、糖類は蔗糖、果
糖、麦芽糖、葡萄糖、トレハロース、デキストリンをそ
れぞれ使用した。こうして調整した鰹フレークをザルに
敷き、これに80℃の熱風を2時間通風して水分を5%
になるまで乾燥した。得られた乾燥鰹フレークを10名
のパネラーにより試験例1と同様の基準で官能評価を行
った。この評価の平均点を表3に示した。
のだけが特異的に食感の評価が高く、それ以外の糖類で
はいずれも評価が低かった。また、デキストリンとコー
ンスターチを添加したものは魚肉フレークの表面に白い
斑点状の粉が付着し外観の悪いものであった。
し、煮上がった魚肉を約1cmにほぐしながら骨を取り除
き鮭フレークとした。この鮭フレークの水分含量は80
重量%であった。この魚肉フレークの水分含量がそれぞ
れ30重量%,40重量%,50重量%,60重量%,
70重量%となるように熱風乾燥機で乾燥してその重量
を調整した。上記のように水分量を調整した鮭フレーク
に、その乾燥重量50gに対し、油脂を7.5g、乳糖を5.0
g,調味料として食塩20g,グルタミン酸ナトリウム5gを
添加し、70℃の熱風乾燥機で2時間通風し水分が5%
になるまで乾燥させた。なお、油脂は食用ヤシ油を使用
した。得られた乾燥鮭フレークを10名のパネラーによ
り試験例1と同様の基準で官能評価を行った。評価の平
均点を表4に示した。
分含量が40〜70重量%のものの品質が良好であり、
50〜60重量%で特に評価が高かった。水分含量が8
0重量%のものは魚肉フレークがつぶれ外観が悪かっ
た。
後のものを原料とした。この鮭を3枚に卸し、骨、皮を
除去してフィレーに加工した。これを沸騰水で50分ボ
イルした後、魚肉をほぐしてから小骨を除去してフレー
クとした。このフレークを放冷し余分な水分を除去して
水分量の調整を行った。得られた鮭フレークを16メッ
シュの篩を通過するまで解砕した。
ところ約60重量%であった。この鮭フレーク100Kgに
中鎖脂肪酸を主体とする食用油脂8Kg,乳糖6Kg,食塩25
kg,食用色素0.5Kgを添加し混合した。調味済みの鮭フ
レークをトレーに厚さ3cm程度に充填し、減圧乾燥機で
10トールの減圧条件で20時間乾燥を行った。この際
のヒータの加熱温度は80℃とした。得られた乾燥フレ
ークは、水分含量が1.5重量%であった。これをその
まま食べても良好な食感であった。また、このものの加
水復元性も良好であった。
燥と比べ乾燥コストの低い、量産にさらに適した熱風乾
燥や真空乾燥による乾燥方法を用いて、食感が硬くなく
て柔らかくしかも加水復元性の良好な魚肉フレークを製
造することができるようになったものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 加熱処理した魚肉フレークの水分含量を
40〜70重量%に調整し、この魚肉フレークの乾燥重
量に対し5〜40重量%の油脂及び5〜70重量%の乳
糖を加えて攪拌し、その後これを加熱乾燥することを特
徴とする乾燥魚肉フレークの製造方法。 - 【請求項2】 加熱乾燥が熱風乾燥または真空乾燥であ
る請求項1記載の乾燥魚肉フレークの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2002041982A JP3825335B2 (ja) | 2002-02-19 | 2002-02-19 | 乾燥魚肉フレークの製造方法 |
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JP2003235445A true JP2003235445A (ja) | 2003-08-26 |
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Country Status (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015133935A (ja) * | 2014-01-17 | 2015-07-27 | 広島県 | 乾燥食品素材およびその製造方法 |
JP2021100389A (ja) * | 2019-12-24 | 2021-07-08 | 株式会社Mizkan Holdings | 魚肉フレーク、ふりかけ又は混ぜご飯の素、並びにその製造方法 |
-
2002
- 2002-02-19 JP JP2002041982A patent/JP3825335B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
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JP2021100389A (ja) * | 2019-12-24 | 2021-07-08 | 株式会社Mizkan Holdings | 魚肉フレーク、ふりかけ又は混ぜご飯の素、並びにその製造方法 |
JP7349105B2 (ja) | 2019-12-24 | 2023-09-22 | 株式会社Mizkan Holdings | 魚肉フレーク、ふりかけ又は混ぜご飯の素、並びにその製造方法 |
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