JPH07114651B2 - フレーク状食品の製造法 - Google Patents

フレーク状食品の製造法

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JPH07114651B2
JPH07114651B2 JP3112469A JP11246991A JPH07114651B2 JP H07114651 B2 JPH07114651 B2 JP H07114651B2 JP 3112469 A JP3112469 A JP 3112469A JP 11246991 A JP11246991 A JP 11246991A JP H07114651 B2 JPH07114651 B2 JP H07114651B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フレーク状食品の製造
法、詳しくは、加熱殺菌後保存中に水っぽくなったり、
水が浮いたりせず、優れた保存安定性を有し、また使用
する際に液切りを必要とせず、湿潤性がある本来の旨味
成分を保持し、しかも香味・食感・色調の損なわれてい
ない魚介肉、鳥肉、畜肉又は人造肉のフレーク状食品の
製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】魚介肉、鳥肉、畜肉又は人造肉の容器包
装詰加熱殺菌されたフレーク状食品は、通常、油漬調味
液、塩水漬調味液又は味漬調味液などで味付けされてお
り、そのまま食されたり、或いはサラダやサンドイッチ
の具材など、各種の食品の素材として使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来のフレー
ク状食品は、容器包装詰加熱殺菌されると、加熱ドリッ
プと呼ばれる肉汁がフレークから浸み出し、保存中に水
っぽくなったり、水が浮いたりする現象が生じ、また開
封して使用する際、液だれが生じるなどの問題がある。
また、サラダやサンドイッチの具材として使用する場
合、そのままマヨネーズやソースと混和させると、液が
浸み出してきて全体が水っぽくなったり、水が浮いたり
するため、サラダやサンドイッチの品質を劣化させる問
題がある。例えば、サンドイッチの具材として使用した
場合、浸み出してきた液がサンドイッチのパン部を濡ら
し、サンドイッチ本来の食感や美味しさを損ねていた。
また、このような品質の劣化を防止するために、手間が
掛るが容器からフレークを取り出す前に十分に液切りを
行い、水気の無い状態にしてから使用することが行われ
ているが、この場合には、液切りの際に旨味成分でもあ
る肉汁も同時に廃棄されるとの別の問題が生じる。
【0004】また、澱粉、スターチ、ガムなどの増粘
剤、大豆蛋白、乳化剤などをフレーク状食品に添加する
方法もあるが、これらの方法は、フレーク状の食品の香
味・食感・色調を損ねたり、加熱殺菌後保存中における
離水の発生防止効果が充分でないなどの問題がある。
【0005】従って、本発明の目的は、加熱殺菌後保存
中に水っぽくなったり、水が浮いたりせず、優れた保存
安定性を有し、また使用する際に液切りを必要とせず、
湿潤性がある本来の旨味成分を保持し、しかも香味・食
感・色調の損なわれていない魚介肉、鳥肉、畜肉又は人
造肉のフレーク状食品の製造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、調味液に乾燥
野菜を加え、10〜80℃の温度帯で1〜10分間、1
000〜10000rpm の高速攪拌により乳化後、得ら
れた乳化物と、魚介肉、鳥肉、畜肉又は人造肉とを混和
することを特徴とするフレーク状食品の製造法を提供す
ることにより上記目的を達成したものである。以下、本
発明のフレーク状食品の製造法について詳述する。
【0007】本発明で用いられる乾燥野菜としては、ニ
ンジン、カボチャ、タマネギ、サツマイモもしくはジャ
ガイモなどの野菜を細砕もしくは裏漉しし乾燥したも
の、乾燥リンゴパルプ、又は食物繊維粉末などが好まし
く用いられる。尚、上記の細砕もしくは裏漉しし乾燥し
た野菜としては、細胞組織の形状が完全に破壊されてい
ないものであることが好ましい。粉砕され過ぎると細胞
組織が破壊され、細胞組織に含まれる澱粉が遊離し、加
熱により糊状を呈し、フレークの香味・食感・色調など
を損ねる場合がある。しかし、澱粉が遊離しにくい乾燥
リンゴパルプや食物繊維粉末においてはその限りではな
い。
【0008】また、本発明で用いられる調味液として
は、フレーク状食品の味付けに通常使用されている調味
ブロス液、調味食塩水などが用いられる。また、本発明
で用いられる魚介肉、鳥肉、畜肉及び人造肉としては、
この種のフレーク状食品に通常用いられているものを用
いることができ、具体的には、かつお、まぐろ、さけ、
たら、かに、ほたてなどの魚介肉、にわとり、かもなど
の鳥肉、牛、豚、馬、羊などの畜肉、大豆蛋白人造肉な
どの人造肉が挙げられる。
【0009】これらの肉類はフレーク状に加工して用い
られ、その状態は、サラダやサンドイッチの具材として
使用し易いように2〜5mm大に細かくほぐしたもので
も、10〜30mm大の肉塊の入ったものでも良く、適当
な大きさにほぐしたもので、いわゆるフレーク状食品と
しての概念を満たしていれば良い。
【0010】而して、本発明を実施するに際しては、先
ず、上記調味液に上記乾燥野菜を加え、10〜80℃の
温度帯で1〜10分間、1000〜10000rpm の高
速攪拌、好ましくは、40〜50℃の温度帯で3〜4分
間、2500〜3500rpmの高速攪拌により乳化させ
る。乾燥野菜の調味液に対する配合量は、調味液100
部(重量部)に対して5〜25部が好ましい。乾燥野菜
の配合量が5部未満であると保水力を欠き、25部超で
あると製品が団塊状となり使い易さに難が生じる。ま
た、高速攪拌において、温度が10℃未満であると均一
分散性を欠き、80℃超であると乳化安定性を欠く。ま
た、回転数が1000rpm 未満であると乳化安定性を欠
き、10000rpm 超であると保水力を欠く。更に、攪
拌時間が1分未満であると均一分散性を欠き、10分超
であると保水力を欠く。
【0011】尚、調味液と乾燥野菜との混合物には、必
要に応じて食塩、クエン酸ナトリウムなどの添加物を加
えることができる。次いで、得られた調味液と乾燥野菜
との乳化物と、上記の魚介肉、鳥肉、畜肉又は人造肉と
を混和してフレーク状食品を得る。上記肉類(魚介肉、
鳥肉、畜肉又は人造肉)の配合量は、特に限定されない
が、通常、乳化物と肉類とを混和した混和物の総重量中
60〜95%であることが好ましい。
【0012】また、乳化物と肉類との混和は、混練機な
どを用いて1〜3分間程度攪拌することにより行えば良
い。上記の如くして得られたフレーク状食品は、容器に
充填、密封後、加熱殺菌され、製品とされる。
【0013】
【実施例】以下に実施例を比較例と共に挙げ、本発明を
更に詳しく説明する。
【0014】実施例1 南方巻網法で漁獲した鰹(1尾体重4.1kg)を解凍し
頭・内臓を除去し、クッカーで103℃で蒸煮し魚体の
中心温度が67℃となった段階でクックを中止し、骨・
皮・鰭などを除去し、更に精肉と血合肉とに区分するク
リーニングを行った。クリーニング後の精肉をフレーカ
ーでフレーク状にし、ツナフレーク肉を得た。
【0015】一方、下記表1に示す配合比率で、乾燥オ
ニオンチップ、食塩及びクエン酸ナトリウムを、通常使
用されている調味ブロス液に添加し、45℃の温度で4
分間、3000rpm の高速攪拌を行い、乳化混合ペース
トを得た。次に、下記表1に示す配合比率で、上記ツナ
フレーク肉及び上記ペーストを混練機に投入し、1分間
攪拌して混和した。この混和物をレトルトパウチに10
05g充填し、真空度650mmHgで減圧密封した。包
装された混和物を120℃で40分間、2kg/cm2 の加
圧条件下で加熱殺菌して本発明のフレーク状食品を得
た。
【0016】
【表1】
【0017】得られた本発明のフレーク状食品につい
て、35℃で2週間保存した際の経時変化及び常温で6
ヶ月保存した際の経時変化を観察したところ、何れの場
合も、保存した製品が水っぽくなったり、水が浮いたり
する現象は認められず、保存安定性があり、湿潤性があ
る本来の旨味成分を保持していた。
【0018】また、常温保存6ヶ月後の本発明のフレー
ク状食品をマヨネーズと混合し、ツナサンドを作成した
ところ、サイドイッチのパン部が水っぽくなったりする
現象は認められなかった。
【0019】実施例2〜7 乾燥オニオンチップを、ニンジン、カボチャ、ジャガイ
モ、サツマイモの各乾燥裏漉し野菜、乾燥リンゴパル
プ、又は食物繊維粉末に置き換えた以外は実施例1と同
様にして、本発明のフレーク状食品をそれぞれ得た。
【0020】比較例1及び2 乾燥オニオンチップを、馬鈴薯澱粉又はコーンスターチ
に置き換えた以外は実施例1と同様にして、フレーク状
食品をそれぞれ得た。
【0021】試験例1 上記実施例1〜7のフレーク状食品及び比較例1〜2の
フレーク状食品について、常温保存2週間後の離水の発
生の有無を観察した。また、それらの常温保存2週間後
の香味、食感及び色調を比較評価した。その結果を下記
表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】上記表2に示すように、乾燥野菜を添加し
た実施例1〜7のフレーク状食品は、何れも、加熱殺菌
後保存期間においても吸水性は衰えず、離水の発生が殆
どなく、また糊化してべたつくこともなく、香味、食感
及び色調の良好なものであった。これに対し、馬鈴薯澱
粉又はコーンスターチを添加した比較例1及び2のフレ
ーク状食品は、何れも、澱粉の加熱変性、保存期間中の
老化現象から離水が発生しており、また澱粉の糊化によ
る不快なべたつき感があり、食感の悪いものであった。
【0024】実施例8 米国産冷凍牛肩肉ブロック(1ケース25kg)を解凍
し、3%食塩水に18時間浸漬し、水切り後、クッカー
で103℃で蒸煮し肉塊の中心温度が67℃となった段
階でクックを中止し、肉塊の中心温度が10℃となるよ
うに冷風で急速に冷却した。然る後、この牛肉をフレー
カーでフレーク状にし、牛フレーク肉を得た。また、下
記表3に示す材料(牛フレーク肉を除く)を用い下記表
3に示す配合比率で、実施例1と同様にして乳化混合ペ
ーストを得た。
【0025】次に、下記表3に示す配合比率で、上記牛
フレーク肉及び上記ペーストを混練機に投入し、1分間
攪拌して混和した。この混和物をレトルトパウチに10
05g充填し、真空度650mmHgで減圧密封した。包
装された混和物を120℃で40分間、2kg/cm2 の加
圧条件下で加熱殺菌して本発明のフレーク状食品を得
た。
【0026】
【表3】
【0027】得られた本発明のフレーク状食品につい
て、35℃で2週間保存した際の経時変化及び常温で6
ヶ月保存した際の経時変化を観察したところ、何れの場
合も、保存した製品が水っぽくなったり、水が浮いたり
する現象は認められず、保存安定性があり、湿潤性があ
る本来の旨味成分を保持していた。また、常温保存6ヶ
月後の本発明のフレーク状食品をマヨネーズと混合し、
コンビーフサンドを作成したところ、サイドイッチのパ
ン部が水っぽくなったりする現象は認められなかった。
【0028】実施例9 骨なし鶏もも肉をクッカーで103℃で蒸煮し肉塊の中
心温度が75℃となった段階でクックを中止し、肉塊の
中心温度が10℃となるように冷風で急速に冷却した。
次いで、この鶏肉より表皮を除去した後、該鶏肉を95
℃の熱水で満たされたライスボイラーに30秒間浸漬
し、表面に付着しているコラーゲン質を除去した。然る
後、この鶏肉をフレーカーでフレーク状にし、チキンフ
レーク肉を得た。また、下記表4に示す材料(チキンフ
レーク肉を除く)を用い下記表4に示す配合比率で、実
施例1と同様にして乳化混合ペーストを得た。
【0029】次に、下記表4に示す配合比率で、上記チ
キンフレーク肉及び上記ペーストを混練機に投入し、1
分間攪拌して混和した。この混和物をレトルトパウチに
1005g充填し、真空度650mmHgで減圧密封し
た。包装された混和物を120℃で40分間、2kg/cm
2 の加圧条件下で加熱殺菌して本発明のフレーク状食品
を得た。
【0030】
【表4】
【0031】得られた本発明のフレーク状食品につい
て、35℃で2週間保存した際の経時変化及び常温で6
ヶ月保存した際の経時変化を観察したところ、何れの場
合も、保存した製品が水っぽくなったり、水が浮いたり
する現象は認められず、保存安定性があり、湿潤性があ
る本来の旨味成分を保持していた。また、常温保存6ヶ
月後の本発明のフレーク状食品をマヨネーズと混合し、
とりささみほぐし肉サンドを作成したところ、サイドイ
ッチのパン部が水っぽくなったりする現象は認められな
かった。
【0032】実施例10 人造肉(繊維状大豆蛋白)をサイレントカッターで細断
し、大豆蛋白フレーク肉を得た。また、下記表5に示す
材料(大豆蛋白フレーク肉を除く)を用い下記表5に示
す配合比率で、実施例1と同様にして乳化混合ペースト
を得た。次に、下記表5に示す配合比率で、上記大豆蛋
白フレーク肉及び上記ペーストを混練機に投入し、1分
間攪拌して混和した。この混和物をレトルトパウチに1
005g充填し、真空度650mmHgで減圧密封した。
包装された混和物を120℃で40分間、2kg/cm2
加圧条件下で加熱殺菌して本発明のフレーク状食品を得
た。
【0033】
【表5】
【0034】得られた本発明のフレーク状食品につい
て、35℃で2週間保存した際の経時変化及び常温で6
ヶ月保存した際の経時変化を観察したところ、何れの場
合も、保存した製品が水っぽくなったり、水が浮いたり
する現象は認められず、保存安定性があり、湿潤性があ
る本来の旨味成分を保持していた。また、常温保存6ヶ
月後の本発明のフレーク状食品をマヨネーズと混合し、
大豆蛋白人造肉のほぐし肉サンドを作成したところ、サ
イドイッチのパン部が水っぽくなったりする現象は認め
られなかった。
【0035】
【発明の効果】本発明のフレーク状食品の製造法によれ
ば、加熱殺菌後保存中に水っぽくなったり、水が浮いた
りせず、優れた保存安定性を有し、また使用する際に液
切りを必要とせず、湿潤性がある本来の旨味成分を保持
し、しかも香味・食感・色調の損なわれていない魚介
肉、鳥肉、畜肉又は人造肉のフレーク状食品が得られ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調味液に乾燥野菜を加え、10〜80℃
    の温度帯で1〜10分間、1000〜10000rpm の
    高速攪拌により乳化後、得られた乳化物と、魚介肉、鳥
    肉、畜肉又は人造肉とを混和することを特徴とするフレ
    ーク状食品の製造法。
  2. 【請求項2】 上記乾燥野菜が、ニンジン、カボチャ、
    タマネギ、サツマイモもしくはジャガイモを細砕もしく
    は裏漉しし乾燥したもの、乾燥リンゴパルプ、又は食物
    繊維粉末である、請求項1記載のフレーク状食品の製造
    法。
  3. 【請求項3】 乾燥野菜を、調味液100部(重量部)
    に対して5〜25部配合する請求項1記載のフレーク状
    食品の製造法。
  4. 【請求項4】 上記の魚介肉、鳥肉、畜肉又は人造肉
    が、フレーク状である、請求項1記載のフレーク状食品
    の製造法。
  5. 【請求項5】 上記乳化物と、上記の魚介肉、鳥肉、畜
    肉又は人造肉とを混和した混和物の総重量中、上記の魚
    介肉、鳥肉、畜肉又は人造肉が、60〜95%となるよ
    うに配合する、請求項1記載のフレーク状食品の製造
    法。
JP3112469A 1991-04-17 1991-04-17 フレーク状食品の製造法 Expired - Lifetime JPH07114651B2 (ja)

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GR (1) GR3017564T3 (ja)
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