JP2002000237A - 魚落し身と眼窩脂肪組織を用いたサラミ風味食品及びその製造方法 - Google Patents

魚落し身と眼窩脂肪組織を用いたサラミ風味食品及びその製造方法

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JP2002000237A
JP2002000237A JP2000232297A JP2000232297A JP2002000237A JP 2002000237 A JP2002000237 A JP 2002000237A JP 2000232297 A JP2000232297 A JP 2000232297A JP 2000232297 A JP2000232297 A JP 2000232297A JP 2002000237 A JP2002000237 A JP 2002000237A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カジキ類、マグロ類、マイワシを用いて、E
PAおよびDHAを強化して、脂肪酸組成バランスを良
好なものとし、魚固有のうま味とサラミ風味を有する水
産加工食品を提供する。 【解決手段】 魚肉すり身と、高度不飽和脂肪酸を多量
に含有するカジキ類、マグロ類、マイワシの落とし身、
あるいは、これらにカジキ類、マグロ類の眼窩脂肪組織
を配合したものを主原料とし、畜肉の脂身、固体脂、繊
維状大豆蛋白、デンプン、調味料、香辛料、着色料を副
原料として加えて混捏し、蒸煮したものをスライスする
ことにより、あるいはスライスしたものを植物油で短時
間フライ加工することにより、あるいは焼成することに
より目的を達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカジキ類、マグロ
類、マイワシから選ばれた少なくとも1種の擂潰した魚
の落し身に魚肉すり身を加えたもの、あるいは擂潰した
魚の落し身に、カジキ類、マグロ類から選ばれた少なく
とも1種の眼窩脂肪組織を配合したものに魚肉すり身を
加えたものを主原料とし、デンプン、食塩、調味料、香
辛料、着色料を副原料として加え、混捏、蒸煮したもの
を細断した後、魚肉すり身、畜肉の脂身、固形油、繊維
状大豆蛋白、デンプン、食塩、調味料、香辛料、着色料
を加えて混捏したものを生地とし、これを蒸煮したもの
をスライスすることにより、あるいはスライスしたもの
を植物油で短時間フライ加工することにより、あるいは
焼成することによって得られる、EPAおよびDHAに
富み、魚固有のうま味とサラミ風味を有する食品及びそ
の製造方法に関するものであって、食生活を豊かにする
とともに、健康の増進に役立てることを目的とするもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、食生活のグルメ志向と健康志向の
拡がりにともなって、水産ねり製品においても畜肉、
卵、チーズ等の畜産物を魚肉に混合した複合食品、ある
いはキトサン、DHA(ドコサヘキサエン酸)等の機能
性食品素材を加えた食品が数多く見られるようになって
きた。
【0003】この流れの中で、畜肉複合食品の分野で
も、高級イメージに乏しい魚肉ハムや魚肉ソーセージに
代わって、豚脂と繊維状大豆蛋白を魚肉に混捏したもの
を加熱処理したサラミ風味を有する食品があり、特開昭
58−141763あるいは特開平1−58946が開
示されている。
【0004】また、機能性食品の分野では、特定保健用
食品あるいは健康食品の開発が進められている。油脂の
機能性に関してはn−3系列脂肪酸に属する高度不飽和
脂肪酸のEPA(イコサペンタエン酸)およびDHA
(ドコサヘキサエン酸)が、コレステロール値の低減、
血栓形成の抑制、健脳機能さらには抗ガン機能等の面か
ら注目を集めている。しかしながら、n−6系列脂肪酸
に属するリノール酸、あるいは動物性の脂肪酸も必要で
あって、n−3系列脂肪酸:n−6系列脂肪酸=1:3
〜5が最良であり、また、n−3系列脂肪酸:動物性脂
肪酸=1:1が好ましいと考えられている。(矢澤一良
『魚があなたを救う』株式会社法研発行)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のサラミ風味を有
する魚肉ねり製品は、いずれも魚肉すり身に各種の副原
料を加えて混捏したものを蒸煮してゲル化させたものを
小片に切断し、これを豚脂あるいは脂身を含むすり身に
混合した後、蒸煮して得られるものである。この場合、
豚脂を細断して霜降り状の外観を呈するようにして使用
するものの、豚脂には味がないため、牛肉あるいは豚肉
を原料肉とするソフトサラミソーセージに比べて、食味
や食感の点で見劣りすることは避けられない。
【0006】また、使用するスケトウダラをはじめとす
る魚肉すり身は、アルカリ晒し、水晒しを十分に行って
脂質の除去を行っているため、当然のことながら、脂肪
酸とりわけEPAあるいはDHA等のn−3系列の不飽
和脂肪酸の含有量は極めて少なく、その殆どの脂肪酸が
動物性のものである。
【0007】近年、魚介類ごとにそれに適した方法で調
理を行い、魚介類のうま味を封じこんだ魚介類ソーセー
ジが特開平10−42834として開示されているが、
動物性脂肪酸および植物性脂肪酸は含まれていない。
【0008】また、植物油でフライした場合には、n−
6系列脂肪酸を多量に含むことになるため、n−3系列
脂肪酸とn−6系列脂肪酸とのバランスが非常に悪くな
ることは避けられず、健康の維持さらには健康の増進の
ためn−3系列脂肪酸とのバランスが良好な食品を提供
することが必要となってきている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するため、鋭意研究を重ねた結果、EPA、DHA等
のn−3系列脂肪酸を豊富に含んでいるカジキ類、マグ
ロ類、マイワシから選ばれた少なくとも1種の擂潰した
魚の落し身に魚肉すり身を加えたもの、あるいは擂潰し
た魚の落し身に、カジキ類、マグロ類から選ばれた少な
くとも1種の眼窩脂肪組織を配合したものに魚肉すり身
を加えたものを主原料とし、デンプン、食塩、調味料、
香辛料、着色料を副原料として加えて混捏し、形枠中に
均一に拡げて蒸煮したものを細断した後、魚肉すり身、
畜肉の脂身、固形油、繊維状大豆蛋白、デンプン、食
塩、調味料、香辛料、着色料を加えて混捏して生地を調
整した。この生地を形枠に拡げて蒸煮した後スライスす
ることにより、あるいはスライスしたものを植物油で短
時間フライ加工することによって、あるいは焼成するこ
とによって、食味及び食感を向上させ、EPAおよびD
HAに富み、ソフトサラミソーセージにより類似したテ
クスチャーと風味を有する食品を製造することが可能で
あることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、主原料として使用するカジキ類、マ
グロ類は魚肉の締まりがよく、魚肉に含まれているうま
味が加わることによって、食味及び食感を向上させるこ
とができる。また、カジキの脂肪酸組成(%)はEPA
3.4、DHA32.0、キハダマグロはEPA2.
8、DHA29.9、マイワシはEPA13.0、DH
A10.7である(4訂食品成分表)ため、n−3系列
脂肪酸を増強することができる。
【0011】また、魚の眼窩脂肪組織にはEPAおよび
DHAが多量に含まれていることが知られている。眼窩
脂肪組織中のEPAの含有率(%)は、例えばマカジキ
3.9、メバチマグロ7.8、キハダマグロ4.5、マ
イワシ22.6であり、DHAの含有率(%)は例えば
マカジキ28.4、メバチマグロ30.6、キハダマグ
ロ28.9、マイワシ12.1であり(水産学シリーズ
『水産脂質』恒星社厚生閣発行)、擂潰した魚の落し身
に眼窩脂肪組織を加熱溶解して配合することによってn
−3系列脂肪酸をさらに増強することができる。
【0012】また、畜肉の脂身あるいは固形油を加える
ことによって、霜降り状の外観とソフトな食感をもった
食品を得ることが可能となった。
【0013】フライ加工に使用する植物油としては、n
−6系列脂肪酸であるリノール酸が21.8%と少な
く、n−3系列脂肪酸であるリノレン酸が10.8%と
多いナタネ油(4訂食品成分表)が好ましく、リノレン
酸からEPAあるいはDHAへの転換は多くを期待でき
ないものの、フライ加工した食品のn−3系列脂肪酸と
n−6系列脂肪酸の比率を好ましいバランスに保持する
ことに役立つ。
【0014】また植物油中で短時間フライ加工した食品
は、成分的にも水分が減少し、脂質が増加するため、ソ
フトサラミソーセージにより類似した食味と食感をも
ち、しかも保存性の高い食品を得ることが可能となっ
た。
【0015】また、カジキ類、マグロ類、マイワシから
選ばれた少なくとも1種の擂潰した魚の落し身に魚肉す
り身を加えたもの、あるいは擂潰した魚の落し身に、カ
ジキ類、マグロ類から選ばれた少なくとも1種の眼窩脂
肪組織を配合したものに魚肉すり身を加えたものを主原
料とし、デンプン、食塩、調味料、香辛料、着色料を副
原料として加えて混捏し、形枠中に均一に拡げて蒸煮し
たものを細断した後、魚肉すり身、畜肉の脂身、固形
油、繊維状大豆蛋白、デンプン、食塩、調味料、香辛
料、着色料を加えて混捏して調整した生地を焼成するこ
とによって、香味の増強が可能になるとともに、ハンバ
ーグ風のテクスチャーを有する食品を得ることが可能と
なった。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明にはカジキ類、マグロ類、
マイワシから選ばれた少なくとも1種の擂潰した魚の落
し身に魚肉すり身を加えたもの、あるいは擂潰した魚の
落し身に、カジキ類、マグロ類から選ばれた少なくとも
1種の眼窩脂肪組織を配合したものに魚肉すり身を加え
たものを主原料として使用する。魚の落し身と魚肉すり
身をの重量比は20〜55:80〜45好ましくは35
〜50:65〜50である。カジキ類としては、カジ
キ、メカジキ、バショウカジキ等が使用でき、マグロ類
としてはキハダマグロ、バチマグロ等が使用できる。魚
肉すり身としてはスケトウダラ、エソ、グチをはじめと
して各魚種のすり身の使用が可能である。
【0017】カジキ類およびマグロ類の落し身は単独で
使用してもよく、あるいは混合して使用してもよい。さ
らには、カジキ類とマイワシ、マグロ類とマイワシある
いはカジキ類、マグロ類とマイワシを混合して使用して
もよい。落し身は水晒しせずにそのまま擂潰して使用し
てもよく、水晒しを行って脱水したものを擂潰して使用
してもよい。カジキ類およびマグロ類は、魚固有のうま
味を有するのみならず、魚肉の締まりを良くする性質が
あり、好ましいテクスチャーをもった食品を得ることが
できるが、必要に応じてマイワシを混合することによっ
てテクスチャーをソフトに保つことができる。
【0018】眼窩脂肪組織としては、カジキ類およびマ
グロ類が使用できる。擂潰した魚の落し身に対する眼窩
脂肪組織の配合割合は2〜8%、好ましくは3〜5%で
あり、加熱溶解して使用することによってEPAおよび
DHAを増強することができる。
【0019】畜肉の脂身としては豚肉あるいは牛肉が、
固形油としては豚脂が好ましく、3〜5mmに細断して
使用する。細断したものを使用することによって、ソフ
トサラミに類似した霜降り状の外観とソフトな食感を与
えることができる。
【0020】フライ加工に使用する植物油としては、ナ
タネ油単独のほか、使用する魚の落し身の脂肪酸組成に
応じて大豆油、コーン油、綿実油をはじめとして各種の
植物油をナタネ油に混合して使用し、適切なn−3系列
脂肪酸とn−6系列脂肪酸のバランスを保持することが
できる。
【0021】また、フライ加工することによって、蒸煮
して得られる魚肉ねり製品独特のプリプリした食感とは
異なり、ソフトサラミソーセージにより類似した、なめ
らかでやわらかな食感を付与することができる。
【0022】また、短時間のフライ加工を行うため、魚
肉ねり製品素材の内部までの植物油の浸透が最小限に押
さえられ、その結果、このようにフライ加工した食品に
は油のベトついた食感がなく、抱水性と保形性に富んだ
食品となる。さらに、舌で感じる油の五味と、内鼻孔を
通して感じる好ましい香りを兼ね備えた食品を提供する
ことができる。
【0023】また、本発明に使用する原料中には香辛料
が含まれている。香辛料中には芽胞性細菌が多数存在し
ているため、蒸気加熱を行ったフライ加工前の魚肉ねり
製品素材中にこの芽胞性細菌が残存することは避けられ
ず、保存性を低下させる原因となっている。
【0024】しかし、160℃以上の植物油中でフライ
加工した場合、フライ加工前の魚肉ねり製品素材中の水
分が高いことに加えて、スライスすることによって熱の
伝達が短時間で可能となるため、これら芽胞性細菌は短
時間で容易に殺菌される。例えば、フライ加工前の魚肉
ねり製品素材中の芽胞性細菌数(85℃、20分加熱後
の残存細菌数)が300/gであったものが、160℃
では3分間フライ加工後、190℃では1分間フライ加
工後にいずれも完全に殺菌された。このように本発明に
よる食品は極めて保存性の高いものである。
【0025】以下に魚の落し身に魚肉すり身を加えたも
の、あるいは擂潰した魚の落し身に魚の眼窩脂肪組織を
配合したものに魚肉すり身を加えたものを主原料として
使用して、EPAおよびDHAを強化したサラミ風味食
品の製造方法について記述する。
【0026】カジキ類、マグロ類、マイワシから選ばれ
た少なくとも1種の擂潰した魚の落し身20〜55kg
に魚肉すり身45〜25kg、好ましくはを擂潰した魚
の落し身35〜50kgに魚肉すり身37〜28kgを
加えたもの、あるいは擂潰した魚の落し身に、カジキ
類、マグロ類から選ばれた少なくとも1種の眼窩脂肪組
織の加熱溶解したものを2〜8%好ましくは3〜5%配
合したものに魚肉すり身を加えたものを主原料として使
用する。副原料として魚の落し身と魚肉すり身の総量の
3.5%の食塩のほか、デンプン、調味料、香辛料、着
色料を加えて混捏し、これを厚さ約20mmの板状の形
枠内に均一に拡げ、95℃で30分間蒸煮した後、冷却
し、カッティングミキサーで細断する。
【0027】この細断したものに、擂潰した魚の落し身
に対して10〜50%、好ましくは15〜30%の約3
〜5mmのダイス状に細断した畜肉の脂身または/およ
び固形油ならびに10〜35%、好ましくは15〜25
%の繊維状大豆蛋白をを加え、つなぎ用として魚肉すり
身35〜20kg、好ましくは28〜22kg、魚肉す
り身に対して3.5%の食塩のほか、デンプン、調味
料、香辛料、着色料を加えて混捏して生地を調整する。
生地を厚さ約20mmの板状の形枠内に均一に拡げ、9
5℃で30分間蒸煮し、冷却して原料相互の結着を完全
なものとする。次いで、これを幅2〜40mm、好まし
くは10〜20mm、長さ20〜200mm、好ましく
は50〜100mmのスライス状に切断することによっ
て、EPAおよびDHAに富み、魚固有のうま味とソフ
トサラミソーセージにより類似したテクスチャーと風味
を有する魚肉ねり製品を得ることができる。
【0028】また、前記
【0027】のスライス状に切断した魚肉ねり製品素材
を、160〜190℃好ましくは170〜180℃の植
物油中で、1〜5分間好ましくは2〜3分間フライ加工
し、表面に油を浸透させた後、冷却することによって良
好なn−3系列脂肪酸とn−6系列脂肪酸バランスをも
ち、魚固有のうま味とソフトサラミソーセージにより類
似したテクスチャーと風味を有する魚肉フライ食品を得
ることができる。
【0029】また、前記
【0027】の生地を30〜50gのハンバーグ状に成
型し、オーブンで240〜260℃で8〜15分間焼成
することによって、香味の増強が可能となり、EPAお
よびDHAに富み、ハンバーグ風のテクスチャーと魚固
有のうま味とサラミ風味を有する食品を得ることができ
る。
【0030】以下実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0031】実施例1 擂潰したメカジキ落し身70kgに、スケトウダラすり
身30kg、食塩3.5kg、バレイショデンプン6.
8kg、グルタミン酸ソーダ600g、核酸系調味料
(味の素株式会社製)60g、ホワイトペッパー750
g、にんにく400g、粉末くんえん340g、ココア
色素220gを加えて混捏した。これを厚さ約20mm
の板状の形枠内に均一に拡げ、95℃で30分間蒸煮し
た後、冷却し、カッティングミキサーで細断した。これ
に、約5mmのダイス状に細断した豚脂15kg及び繊
維状大豆蛋白10kgを加え、つなぎ用として、スケト
ウダラすり身30kgに食塩1,050g、バレイショ
デンプン2.5kg、グルタミン酸ソーダ300g、核
酸系調味料(味の素株式会社製)30g、ホワイトペッ
パー165g、にんにく120g、粉末くんえん120
g、紅花黄コチニール8gを加えて混捏して生地を調整
した。生地を厚さ約20mmの板状の形枠内に均一に拡
げ、95℃で30分間蒸煮し、冷却して原料相互の結着
が完全なものを得た。次いで、これを幅15mm、長さ
70mmのスライス状に切断した。得られた食品100
g中のEPAおよびDHA含有量はそれぞれ43および
155mgであり、n−3系列脂肪酸を多く含み、魚固
有のうま味とソフトサラミソーセージにより類似したテ
クスチャーと風味を有していた。
【0032】実施例2 擂潰した落し身として、メカジキ30kg、キハダマグ
ロ25kg、およびマイワシ15kgを使用するほか
は、実施例1に記載したのと同様の配合と製造方法にし
たがってスライス状に切断した。得られた食品100g
中のEPAおよびDHA含有量はそれぞれ115および
405mgであり、n−3系列脂肪酸を多く含み、魚固
有のうま味とソフトな食感をもち、サラミ風味を有して
いた。
【0033】実施例3 実施例1に記載したのと同様の配合と製造方法にしたが
ってスライス状に切断した。スライス状に切断した魚肉
ねり製品素材を、170℃のナタネ油中で、3分間フラ
イ加工し、表面に油を浸透させた後冷却した。得られた
食品100g中のEPAおよびDHA含有量はそれぞれ
95および365mgであり、n−3系列脂肪酸を多く
含んでいた。また、n−6系列脂肪酸に属するリノール
酸は1,260mg含まれており、上記のn−3系列脂
肪酸とn−6系列脂肪酸の比率は、ほぼ1:3となり良
好なバランスとなった。また、得られた魚肉フライ食品
は魚固有のうま味をもち、ソフトサラミソーセージによ
り類似したテクスチャーと風味を有していた。
【0034】実施例4 実施例1に記載したのと同様にして生地を調整した。生
地を50gのハンバーグ状に成型し、オーブンで240
℃で13分間焼成した。得られた食品はEPAおよびD
HAを多く含み、ハンバーグ風のテクスチャーをもち、
サラミ風味と魚固有のうま味を有していた。
【0035】実施例5 擂潰したメカジキ落し身70kgにメカジキの眼窩脂肪
組織3kgを加熱溶解して配合し、これにスケトウダラ
すり身30kg、食塩3.5kg、バレイショデンプン
6.8kg、グルタミン酸ソーダ600g、核酸系調味
料(味の素株式会社製)60g、ホワイトペッパー75
0g、にんにく400g、粉末くんえん340g、ココ
ア色素220gを加えて混捏した。これを厚さ約20m
mの板状の形枠内に均一に拡げ、95℃で30分間蒸煮
した後、冷却し、カッティングミキサーで細断した。こ
れに、約5mmのダイス状に細断した豚脂10kg、豚
の脂身6kg及び繊維状大豆蛋白10kgを加え、つな
ぎ用として、スケトウダラすり身30kgに食塩1,0
50g、バレイショデンプン2.5kg、グルタミン酸
ソーダ300g、核酸系調味料(味の素株式会社製)3
0g、ホワイトペッパー165g、にんにく120g、
粉末くんえん120g、紅花黄コチニール8gを加えて
混捏して生地を調整した。生地を厚さ約20mmの板状
の形枠内に均一に拡げ、95℃で30分間蒸煮し、冷却
して原料相互の結着が完全なものを得た。次いで、これ
を幅15mm、長さ70mmのスライス状に切断した。
得られた食品100g中のEPAおよびDHA含有量は
それぞれ76および432mgであり、n−3系列脂肪
酸を多く含み、魚固有のうま味をもち、ソフトサラミソ
ーセージにより類似したテクスチャーと風味を有してい
た。
【0036】実施例6 実施例5に記載したのと同様にして生地を調整した。生
地を50gのハンバーグ状に成型し、オーブンで240
℃で13分間焼成した。得られた食品はEPAおよびD
HAを多く含み、ハンバーグ風のテクスチャーを持ち、
サラミ風味と魚固有のうま味を有していた。
【0037】実施例5に記載したのと同様の配合と製造
方法にしたがってスライス状に切断した。スライス状に
切断した魚肉ねり製品素材を、ナタネ油と綿実油を等量
に使用した175℃の植物油中で2分間フライ加工し、
表面に油を浸透させた後冷却した。得られた食品100
g中のEPAおよびDHAの含有量はそれぞれ72およ
び409mgであり、n−3系列脂肪酸を多く含んでい
た。またn−6系列脂肪酸に属するリノール酸は2,1
50mg含まれており、上記のn−3系列脂肪酸とn−
6系列脂肪酸の比率は、ほぼ1:4となり良好なバラン
スとなった。また、得られた魚肉フライ食品は魚固有の
うま味をもち、ソフトサラミソーセージにより類似した
テクスチャーと風味を有していた。
【0038】
【発明の効果】本発明によって得られる食品は、カジキ
類、マグロ類、マイワシから選ばれた少なくとも1種の
落し身、あるいはこれにカジキ類、マグロ類から選ばれ
た少なくとも1種の眼窩脂肪組織を主原料として使用す
るため、健康の維持、増進に優れた効果を有するEPA
およびDHAの摂取に役立つことのほか、魚固有のうま
味をもった食品を提供することができる。また、畜肉の
脂身や固形脂を使用することによって、ソフトサラミソ
ーセージにより類似した風味を併せて付与することがで
きる。さらに、植物油でフライ加工することによって保
存性が向上するとともに、n−3系列脂肪酸に属するE
PAおよびDHAとn−6系列脂肪酸に属するリノール
酸との良好なバランスをもった食品を提供することがで
きる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 擂潰した魚の落し身に魚肉すり身を加え
    たものを主原料とし、デンプン、食塩、調味料、香辛
    料、着色料を副原料として加え、混捏、蒸煮したものを
    細断した後、魚肉すり身、畜肉の脂身、固形油、繊維状
    大豆蛋白、デンプン、食塩、調味料、香辛料、着色料を
    加えて混捏、蒸煮したものをスライスして得られるEP
    AおよびDHAを強化したサラミ風味を有する魚肉ねり
    製品。
  2. 【請求項2】 請求項1によって得られる魚肉ねり製品
    を植物油でフライ加工して得られる脂肪酸バランスを高
    めたサラミ風味を有する魚肉フライ食品。
  3. 【請求項3】 擂潰した魚の落し身に魚肉すり身を加え
    たものを主原料とし、デンプン、食塩、調味料、香辛
    料、着色料を副原料として加え、混捏、蒸煮したものを
    細断した後、魚肉すり身、畜肉の脂身、固形油、繊維状
    大豆蛋白、デンプン、食塩、調味料、香辛料、着色料を
    加えて混捏、焼成して得られるEPAおよびDHAを強
    化したサラミ風味を有するハンバーグ様食品。
  4. 【請求項4】 前記の擂潰した魚の落し身がカジキ類、
    マグロ類、マイワシから選ばれた少なくとも1種である
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載する食品。
  5. 【請求項5】 擂潰した魚の落し身に、カジキ類、マグ
    ロ類から選ばれた少なくとも1種の眼窩脂肪組織が配合
    されている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載す
    る食品。
  6. 【請求項6】 擂潰した魚の落し身と魚肉すり身の重量
    比が80〜45:20〜55である請求項1〜請求項3
    のいずれか1項に記載する食品。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記
    載する食品の製造方法。
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