JP2777611B2 - 無晒ねり状蛋白食品素材の製造方法及びその方法によって得られた蛋白食品素材及びそれを用いた蛋白食品 - Google Patents

無晒ねり状蛋白食品素材の製造方法及びその方法によって得られた蛋白食品素材及びそれを用いた蛋白食品

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JP2777611B2 JP8512467A JP51246796A JP2777611B2 JP 2777611 B2 JP2777611 B2 JP 2777611B2 JP 8512467 A JP8512467 A JP 8512467A JP 51246796 A JP51246796 A JP 51246796A JP 2777611 B2 JP2777611 B2 JP 2777611B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、淡水・海水産の無晒の魚介類その他鯨や海
豚等の海産動物及び畜類の魚肉や精肉のみならず、これ
らの固くて利用し難い肉の屑肉等のゲル形成力を与え、
保存性に優れるとともに栄養価に優れた無晒ねり状蛋白
食品素材の製造方法及びその方法で得られた蛋白食品素
材及びそれを用いた蛋白食品に関するものである。
背景技術 一般に白身や赤身、青味の魚類や甲殻類、沖アミ類、
軟体動物類は魚体処理後に鮮魚や塩蔵品、乾物品等とし
て利用する他は主に白身魚を採肉した魚肉を水晒し、予
備脱水、小骨、筋、皮の除去、本脱水、肉挽きの各工程
を経てスリ身原料を製造してカマボコやハンペン等の練
り製品に利用されているにすぎない。また、畜類肉は精
肉の他、ハム,缶詰,燻製等にしか利用されているにす
ぎない。
特に魚介類の水晒法による加工方法では、陸上では廃
水浄化に莫大な施設を要し、大量の水を使い水質処理保
全に多大の設備や労力を要している。また洋上では大量
に晒用水を使い低分子蛋白栄養成分、脂肪など有益な栄
養成分を海上廃棄し、おびただしい海上汚染を引き起こ
しているのが現状である。それら廃棄されたエキス等の
低分子栄養成分は一例をあげるならば、スケトウダラに
おいては42%前後の採肉歩留りがあるのに、水晒法によ
って低分子栄養分を取り除き18〜25%の筋原繊維蛋白質
のみを回収利用しているにすぎない。また多獲性魚介類
(赤身魚、青身魚、沖アミ類)は採肉率が約55%あるの
に脂肪や脂質,低分子有機物の含有率が高いので、水晒
しによって10〜15%の筋原繊維蛋白質しか利用されてい
るに過ぎない。21世紀に向けて人口の急増問題などで、
動物性蛋白の高度利用が叫ばれている。また、筋原繊維
蛋白質の集積体であるスリ身原料は一般に糖類、リン酸
塩等の薬物を利用し、冷凍変性を防止して利用されてい
るが、利用者の健康問題等に問題点を有している。
更に、畜類肉は高脂肪、高カロリーで肉が硬い等の性
質上高齢者等には種々の制約があり利用され難いという
問題点があった。また、畜類肉はすり身を直接利用した
加工方法が開発されていないため利用方法が限られてい
るという問題点があった。特に、栄養価の高い畜類肉の
有効利用方法や畜肉の味を活かした低脂肪でピュアーは
高蛋白の食品が望まれているが、加工方法が未だ開発さ
れていないという問題点があった。
発明の開示 本発明は上記従来の問題点を解決するもので、無晒魚
介類全般の肉を使い、鮮度低下魚や肉質軟弱なものや畜
類の肉や屑肉を使って原料をねり状肉に加工して、しな
やかで弾力のある加工性が自在で利用効率の高い栄養価
に優れ、塩分濃度も極めて低く、リン酸塩、亜硝酸等を
使用しない蛋白食品素材の製造方法を提供すること、及
び低分子有効栄養成分、筋原繊維蛋白質などを変性、損
失させることなく高歩留りで高度に利用した極めて栄養
価の高い蛋白食品素材を提供すること、また、栄養価の
高い加工自在な蛋白食品素材と他の食品素材等とを組み
合わせた新規な蛋白食品を提供すること、を目的とす
る。
この目的を達成するために本発明の無晒ねり状蛋白食
品素材の製造方法及びその方法によって得られた蛋白食
品素材及びそれを用いた蛋白食品は、次の構成からな
る。すなわち、 請求項1に記載の無晒ねり状蛋白食品素材の製造方法
は、無晒しの魚介類の魚肉又は畜類肉若しくは鯨肉等又
はこれらの混合物からなる蛋白原料100wt部に、3〜35w
t%濃度のNaCl、KCl、CaCl2、MgCl2の1種以上からなる
塩類水溶液を3〜22wt部を添加し、微粒化を行うゲル化
能付与工程と、次いで、3〜25wt%濃度のアルカリ剤水
溶液を1〜19wt部を添加し微粒化又は混練混和するアル
カリ含浸工程と、を備えている構成を有している。
請求項2に記載の無晒ねり状蛋白食品素材の製造方法
は、無晒しの魚介類の魚肉又は畜類肉若しくは鯨肉等又
はこれらの混合物からなる蛋白原料100wt部に、3〜25w
t%濃度のアルカリ剤水溶液を1〜19wt部を添加し微粒
化又は混練混和するアルカリ含浸工程と、次いで3〜35
wt%濃度のNaCl、KCl、CaCl2、MgCl2等の1種以上から
なる塩類水溶液を3〜22wt部を加えて微粒化を行うゲル
化能付与工程と、を備えている構成を有している。
請求項3に記載の無晒ねり状蛋白食品素材の製造方法
は、請求項1又は2の内いずれか1において、アルカリ
含浸工程及び/又はゲル化能付与工程後に、糖類、ビタ
ミンC剤、ビタミンE剤、卵白粉末、酸化防止剤の1種
以上を溶解した水溶液を原料精肉に加え微粒化又は混練
混和する添加剤溶液添加工程を備えている構成を有して
いる。
請求項4に記載の無晒ねり状蛋白食品素材の製造方法
は、請求項3において、前記添加剤溶液添加工程後に、
前記工程で得られた蛋白原料100wt部に対し1〜80wt部
の水を加水混和する加水混和工程を備えている構成を有
している。
請求項5に記載の無晒ねり状蛋白食品素材の製造方法
は、無晒しの魚介類の魚肉又は畜類肉若しくは鯨肉等又
はこれらの混合物を、肉粒の粒度が0.2〜5mmに調整する
前処理工程と、前記前処理工程で得られた1種または2
種以上の原料精肉100wt部に対し、3〜25wt%濃度のア
ルカリ剤水溶液1〜19wt部を添加し微粒化又は混練混和
するアルカリ液含浸工程と、糖類、ビタミンC剤、ビタ
ミンE剤、卵白粉末、酸化防止剤の1種以上を溶解した
添加剤溶液を、前記原料精肉に加え微粒化又は混練混和
する添加剤溶液添加工程と、前記添加剤溶液添加工程で
得られた中間加工品を凍結する凍結工程と、前記凍結工
程で凍結された前記中間加工品を解凍又は冷凍粉砕する
解凍・粉砕工程と、前記解凍・粉砕工程で得られた解凍
・粉砕物100wt部に、3〜35wt%濃度のNaCl、KCl、CaCl
2、MgCl2等の1種以上からなる塩類水溶液を3〜22wt部
添加し高塩類濃度溶液下で微粒化し蛋白原料を塩溶ゲル
化能付与させ、ねり状肉に加工するねり状肉加工工程
と、必要に応じて前記ねり状肉加工工程で得られたねり
状肉100wt部に対し、調味料や澱粉等の結着補助剤や必
要により血漿粉末の0.05〜15wt%濃度の水溶液1〜80wt
部を加水混和する加水混和工程と、を備えている構成を
有している。
請求項6に記載の無晒ねり状蛋白食品素材の製造方法
は、無晒しの魚介類、畜類肉の夾雑物を取り除き難い蛋
白原料100wt部に対し、水を5〜25wt部を加えながら、
粒度を0.2〜5mmに調整し、裏漉した後必要に応じて脱水
する前処理工程と、前記前処理工程で得られた1種又は
2種以上の原料精肉に、糖類、ビタミンC剤、ビタミン
E剤、卵白粉末、酸化防止剤の1種以上を溶解した添加
剤溶液を前記原料精肉に加え、微粒化又は混練混和する
添加剤溶液添加工程と、前記添加剤溶液添加工程で得ら
れた中間加工品の1種又は2種以上の混合物を凍結する
凍結工程と、前記凍結工程で凍結された蛋白原料を解凍
又は冷凍粉砕する解凍・粉砕工程と、前記解凍・粉砕工
程で得られた中間加工品100wt部に、3〜25wt%濃度の
アルカリ剤水溶液1〜19wt部を加え微粒化又は混練混和
し、更に中間加工品100wt部に対し3〜35wt%濃度のNaC
l、KCl、CaCl2、MgCl2等の1種以上からなる塩類水溶液
を3〜22wt部を添加し、高塩類濃度溶液下で微粒化しな
がら前記中間加工品の蛋白質を塩溶させながらゲル化能
を付与させるねり状肉加工工程と、必要に応じて、更に
前記中間加工品100wt部に対し、調味料や澱粉等の結着
補助剤や必要に応じて血漿粉末の0.05〜15wt%濃度の水
溶液1〜80wt部を加水混和する加水混和工程と、を備え
ている構成を有している。
請求項7に記載の無晒ねり状蛋白食品素材の製造方法
は、無晒しの魚介類の夾雑物を取り難い小型魚や高脂肪
のイワシ,サンマ等の魚介類又は鮮度の低下したラウン
ド又はドレス状の魚介類を除鱗機にかけウロコを除去
し、また、頭、内臓を除去し落し身処理した蛋白原料10
0wt部に対して3〜25wt%濃度のアルカリ剤水溶液を1
〜19wt部を加え微粒化しながら、粒度を0.2〜5mmに調整
し、次いで前記微粒化された蛋白原料を裏漉し脱水後、
糖類、ビタミンC剤、ビタミンE剤、卵白粉末、酸化防
止剤の1種以上を溶解した添加剤溶液を、前記蛋白原料
に加え微粒化又は混練混和する添加剤溶液添加工程と、
前記添加剤溶液添加工程で得られた中間加工品の1種又
は2種以上の混合物を凍結する凍結工程と、前記凍結工
程で凍結された前記中間加工品を解凍又は冷凍粉砕する
解凍・粉砕工程と、前記解凍・粉砕工程で得られた前記
中間加工品100wt部に、3〜35wt%濃度のNaCl、KCl、Ca
Cl2、MgCl2等の1種以上からなる塩類水溶液を3〜22wt
部添加し、高塩類濃度溶液下で微粒化しながら前記中間
加工品の蛋白質を塩溶させつつゲル化能を付与させるね
り状肉加工工程と、次いで水を前記中間加工品100wt部
に対し、調味料や澱粉等の結着補助剤や必要に応じて血
漿粉末の0.05〜15wt%濃度の水溶液1〜80wt部加水混和
する加水混和工程と、を備えている構成を有している。
請求項8に記載の無晒ねり状蛋白食品素材の製造方法
は、請求項1乃至5の内いずれか1において、前記アル
カリ剤水溶液に溶解されたアルカリ剤が、Na2CO3,K2C
O3,CaCO3,NaOH,KOH,Ca(OH)2,NaHCO3,KHCO3,Ca(HC
O32,NH4HCO3,リン酸一ナトリウム,リン酸ニナトリウ
ム,リン酸三ナトリウム,ピロリン酸ナトリウム,ポリ
リン酸ナトリウム,ピロリン酸カリウム,ヘキサメタリ
ン酸ナトリウム,メタリン酸カリウム,メタリン酸ナト
リウム,ポリリン酸ナトリウム,ポリリン酸カリウム,
リン酸二カリウム,リン酸三カリウムの内1種又は2種
以上の混合物からなる構成を有している。
請求項9に記載の蛋白食品素材は、請求項1乃至8の
内いずれか1に記載の無晒ねり状蛋白食品素材の製造方
法で製造された構成を有している。
請求項10に記載の蛋白食品は、請求項9の蛋白食品素
材に調味料、結着補助剤、乳化剤、機能剤、粘着補助
剤、保存剤、植物繊維、動植物油脂の1種以上と、及び
/又は、他の食品素材とを、混合してなる構成を有して
いる。
請求項11に記載の蛋白食品は、請求項9の蛋白食品素
材を板状又は棒状に成形した成形物と、前記成形物に他
の食品素材を積層又は巻回した構成を有している。
請求項12に記載の蛋白食品は、請求項9の蛋白食品素
材に他の食品素材を混合し発泡加工して得られた構成を
有している。
尚、請求項1乃至5において、加水混和工程で加水混
和した蛋白原料を、更に擂潰機やサイレントカッター,
高速ミキサー等で練り上げる練り上げ工程を設けてもよ
い。練り上げ工程で練り上げることにより添加物を更に
均一に組織内に分散させることができ、より高いゲル化
能を有した蛋白食品素材を得ることができる。
無晒しの魚介類としては海産、淡水産等を大小を問わ
ず蛋白原料として使用することができる。例えば、スケ
トウダラ、ホキ、白サケ、鯛等の白身魚類、マグロ、カ
ジキ等の赤身魚類、イワシ、サバ、アジ、カンマ等の青
身魚類等の海産魚介類や、エビ、カニ類等の甲殻類、各
種貝類の貝柱や貝や牡蠣のむきみ等、ウナギ、ハモ、タ
チ魚、タコ、イカ等の軟体動物類、南極沖アミ、アミ類
等の沖アミ類、鯨、イルカ、オットセイ等の哺乳類やア
ザラシ等も利用できる。淡水産魚介類としてハコイ,フ
ナ,草魚,エビ,カニ等があげられる。魚類は捕獲直後
のものや冷蔵、冷凍、半冷凍品等が要いられる。
魚の原料形態としては魚の大小や用途によりフィレ
ー,落とし身,むきみ,ラウンド,セミドレス,ドレ
ス,パンドレス,チャンク,ブロック,ステーキ等が利
用できる。特に多獲性魚(イワシ等)、沖アミ、大量に
獲れるサケの採卵カス、脂の少ない赤身魚、サメ類その
他低利用性の魚種も効率よく利用することができるとと
もに、鮮度の低下した魚肉をも利用することができる。
畜類肉としては、家畜の牛、豚、馬、羊、鶏類等の
他、猪、兎等の野性のものも利用できる。原料形態とし
ては家畜の大小や種類、用途にもよるが魚と同様の形態
のものを利用することができる。畜類肉の場合、精肉の
他肉が固くて味のよくないものや屑肉等を用いることに
よりこれらの有効利用化を図ることができる。
魚介類や畜類肉が冷蔵品の場合、品温上昇を防止する
ため少なくとも処理部を氷や冷媒(液体N2,ドライアイ
ス,ブライン)等で冷却するのが好ましい。蛋白質分解
酵素の活性化を抑制するとともにチロシナーゼ等の酸素
の活性による色変を防止し生菌数の上昇を抑止するため
である。
製造温度は蛋白原料が捕獲直後又は冷蔵品の場合は20
℃以下好ましくは13℃以下で行われるのが好ましい。ま
た凍結又は半凍結品の場合は0℃以下で行うのが好まし
い。尚、望ましくは全製造工程が氷点下以下で行われる
のが望ましい。氷点下の温度でありながら、その自由水
等のため内部で塩溶化や、ゲル化能を進行させ乳化させ
た蛋白食品素材を得ることができるからである。魚肉と
低分子旨味成分(エキス)が渾然一体化して自己乳化し
均一分散したゲル形成力を有する無晒しのスリ身を得る
ことができる。
蛋白原料が冷凍品や半冷凍品、及び生鮮魚の冷蔵品で
ある場合は処理温度が5℃以下好ましくは0℃以下で行
うのが望ましい。乳化性や品質維持、坐り防止、雑菌の
増殖防止、肉の変質防止を図るためである。冷蔵品や捕
獲直後のもの、畜類肉等は処理温度が20℃以下好ましく
は13℃以下であることが望ましい。乳化性や品質の維
持、坐り防止、雑菌の増殖防止、肉の変質防止を図るた
めである。
塩類水溶液としては、NaCl、KCl、CaCl2、MgCl2等の
塩類の水溶液が用いられる。塩類水溶液の濃度は3〜35
wt%、好ましくは6〜30wt%の水溶液が用いられる。こ
の範囲以外では食味や足の強度面に欠けるので好ましく
ない。尚、魚介類は塩類の添加量は少なくてもよいが、
畜類肉の場合は多少多めに使用するのが好ましい。畜類
肉の筋原繊維蛋白質の溶解度を向上させ結着性を向上さ
せるためである。
塩類の蛋白原料への添加量は蛋白原料100wt部に対
し、3〜35wt%濃度の塩類水溶液を3〜22wt部、好まし
くは6〜12wt部が用いられる。魚種や畜類の種類やこれ
らの鮮度によるが、6wt部未満になるにつれ、筋原繊維
蛋白質の溶解度を下げる傾向が認められ、特に3wt部未
満ではその傾向が著しく、また12wt部を超えるにつれ塩
分が強く効きだし特に、22wt部を超えると加工方法の種
類にもよるが、食品としての適正を損なうという傾向が
認められる。また、添加量が少ない程味が淡白で素材の
持つ風味を活かしたものが得られ、添加量が多いと半乾
燥品や乾物品の保存性を向上させることができる。
アルカリ剤水溶液としては、アルカリ剤の種類にもよ
るが3〜25wt%濃度、好ましくは5〜20wt%濃度の水溶
液が用いられる。添加量としては、蛋白原料100wt部に
対し、3〜25wt%濃度のアルカリ剤水溶液を1〜19wt
部、好ましくは3〜8wt部が添加される。5wt%未満又は
3wt部未満になるにつれ蛋白原料のpH上昇度が低くゲル
形成力が不安定化する傾向が認められ、特に3wt%未満
又は1wt部未満ではその傾向が著しいので好ましくな
い。20wt%濃度又は8wt部を超えるにつれpHが上がり過
ぎて筋原繊維蛋白質が過度に溶解する傾向があり、その
分肉の結着性が低下する傾向が認められ後工程で加工し
難くなり、特に25wt%又は19wt部を超えるとその傾向が
著しくなるので好ましくない。pHは5〜10好ましくは6.
5〜8の範囲で行われる。6.5未満では足が弱くなる傾向
が認められ、pHが5未満になると坐り難いという問題点
が生じるので好ましくない。また、pHが8を越えると蛋
白原料の種類にもよるが急激な坐りを起こす傾向が認め
られpHが高くなる程坐り過ぎて蛋白食品素材がボロつき
加工し難いという問題点が顕著になり好ましくない。
アルカリ剤としてはNa2CO3,K2CO3,CaCO3,NaOH,KOH,Ca
(OH)2,NaHCO3,KHCO3,Ca(HCO32,NH4HCO3,リン酸一
ナトリウム,リン酸ニナトリウム,リン酸三ナトリウ
ム,ピロリン酸ナトリウム,ポリリン酸ナトリウム,ピ
ロリン酸カリウム,ヘキサメタリン酸ナトリウム,メタ
リン酸カリウム,メタリン酸ナトリウム,ポリリン酸ナ
トリウム,ポリリン酸カリウム,リン酸二カリウム,リ
ン酸三カリウムの内いずれか1種若しくはこれらの混合
物が用いられる。中でもNaHCO3やKHCO3等が溶解性に多
少難がなるもののpHの調整等が容易なので好ましい。
塩類水溶液やアルカリ剤水溶液,添加剤溶液又はこれ
らの混合溶液の添加は蛋白原料への噴霧や注入等によっ
て行われる。
微粒化はホモジナイザー,MCB(岩井機械工業(株)
製),サイレントカッター,ボールカッター,高速カッ
ター,ミキサー,キートグラインダー,擂潰機等を用い
て行われる。
混練混和や加水混和、ねじ状肉加工工程は、ニーダミ
キサーやバイブレーター,マッサージャ等で捏和、混
練、揉練、混和して行われる。
加水混和工程で添加される水は、処理された蛋白原料
100wt部に1〜80wt部、好ましくは10〜40wt部添加され
る。蛋白原料の種類にもよるが、10wt部未満になるにつ
れ水分の少ない畜肉は粘性が高くなる傾向が認められる
ようになり、特に1wt部未満ではその傾向が著しく、ま
た、40wt部を超えるにつれ水分の多い魚肉はスラリー状
になり成形が困難になる傾向が認められるようになり、
特に80wt部を超えるとその傾向が著しくなるので、いず
れも好ましくない。
加水混和条件は蛋白原料の温度が5℃以下、好ましく
は0℃以下に保つように行われるのが望ましい。加工さ
れた蛋白食品素材の坐りを防止するとともに成型時間が
延長されるので加工時間を確保でき、更に、品質保持や
雑菌の増殖防止を図ることができる。
全処理工程での肉粒の粒度は、0.2〜5mm、好ましくは
0.4〜2mmに調整される。0.4mm未満よりも小さくなるに
つれ、後処理工程で蛋白が熱変性を起こし易い傾向が認
められるようになり、特に0.2mm未満ではその傾向が著
しく、また2mmよりも大きくなるにつれ、夾雑物が混じ
り易くなる傾向が認められ食した場合に口中にザラつき
感を与えるようになり、特に5mmを超えるとその傾向が
著しくなるのでいずれも好ましくない。
糖類としては、キシリット,ソルビット,グルコー
ル,オリゴ糖、ガラクトース,フルクトース,ラクトー
ス,蔗糖,麦芽糖等が用いられる。糖類は甘味を抑え、
かつ光沢感を出すため2種以上混合したものを用いるの
が望ましい。また、糖類を添加することにより冷凍変性
を防止することもできる。添加量は、蛋白原料に対し1
〜13wt%,好ましくは4〜10wt%が用いられる。この範
囲外では、上記効果が得難くなるので好ましくない。
尚、グリセリン,プロピレングリコールを糖類に代
え、または糖類とともに添加してもよい。蛋白食品につ
やを出すことができ、特に油ちょう品の場合にカラメル
状の光沢を与え高級感を与えることができる。
ビタミンC剤やビタミンE剤は、栄養強化の他、酸化
防止等の目的で添加させるもので、アルコルビン酸であ
るビタミンC剤は主に自由水に作用して抗酸化性を呈す
ると共に、ビタミンE剤であるα−,β−,γ−,δ−
トコフェロールやα−,β−,γ−,δ−トコトリエノ
ールは蛋白原料の脂肪分に作用して抗酸化性を維持する
ことができる。添加量としては、蛋白原料100wt部に対
してビタミンC剤が6〜300mg,好ましくは20〜150mgが
用いられ、ビタミンE剤としては1〜100mg,好ましくは
5〜80mgが用いられる。蛋白原料の種類にもよるが、ビ
タミンC剤が20mg未満になるにつれ、肉色が低下し易
く、また、150mgを越えるにつれ肉の種類や新鮮度の程
度により、肉の発色や酸化防止効果に差異が認められな
くなる傾向が現れ、特に6mg未満又は300mgを超えるにつ
れその傾向が顕著になるのでいずれも好ましくない。
また、ビタミンE剤は、5mg未満になるにつれ、発色
や酸化防止効果が少なくなる傾向があり、80mgを越える
と、発色や酸化防止効果への量的効果が得られ難い傾向
が現れ出し、特に1mg未満又は100mgを超えると、その傾
向が顕著になるのでいずれも好ましくない。尚、ビタミ
ンC剤及びビタミンE剤は単独で又は混合物として用い
てもよい。
卵白粉末は、蛋白原料100wt部に対して5wt%以下添加
されるのが望ましい。乳化性、保水性、結着性を向上さ
せることができる。
酸化防止剤としては、市販のものが使用される。褐変
化を防止することができる。
中間加工品の凍結条件としては、無晒動物性蛋白の冷
凍変性防止のために粒度調整をして均一にしたミンチ肉
や落し身に、アルカリ剤や糖分,卵白粉末を水溶液で完
全溶解させ、よく混練混和して急速冷凍を行い、蛋白の
変性を極力防止し耐凍性の優れた処理の必要性がある。
また、解凍条件として冷凍粉砕及び急速解凍が望まし
く、これは肉中の蛋白分解酵素の活性が温度上昇ととも
に自己消化させる傾向が強く、蛋白を効率よく使うには
温度管理が重要である。
発泡加工は、起泡剤(例えば、太陽化学工業(株)製
のサンソフトSP−Aや愛晃薬品(株)製のおかるの素
等)や山芋等を用い、発泡機(例えば、(株)ヤナギヤ
のBM250,BM150等)で各種形状に発泡形成される。
蛋白原料にアルカリ剤と食塩の高濃度溶液で細胞膜や
筋鞘を溶解し、細胞レベルの旨味を溶出させ、それら旨
味成分と動物性蛋白にないコンブなど海草類やシイタケ
から抽出されるエキス、また動物性のペプタイドなどの
エキスを加え複合調味効果を引き出すことができる。こ
のように処理することにより、従来の水晒しのスリ身で
は動物性蛋白本来の旨味を活かしきれなかった欠点を改
良し、上味、中味、底味など幅広い旨味を作り出すこと
が可能になる。
結着補助剤としては、ゲル化補助剤やデンプン等があ
げられる。尚、足の促進剤としてリジン,アルギニン,
オルチニン等の塩基性アミノ酸等を少量加えてもよい。
添加量は蛋白原料100wt部に対し0.1〜25wt部,添加方法
は溶液状やカード状で蛋白原料内に注入又は添加するの
が好ましく、また原料によっては直接これらの粉末を添
加してもよい。添加時期は塩類溶液,又はアルカリ剤溶
液と同時に又は別々に添加してもよい。
又、ゲル化補助剤の混合比は塩類1に対してゲル化補
助剤1〜10wt部好ましくは5〜8wt部が用いられる。ゲ
ル化補助剤の添加量が少なくなるにつれ柔軟で塩味をき
かせたものを得ることができる。添加量が多いと歯ごた
えを増し成型性を向上させることができる。
ゲル化補助剤としては、動物性アルブミンや植物性ア
ルブミン等のアルブミン、小麦粉、グルテン、活性グル
テン、大豆蛋白、卵白及び全卵、ゼラチン、カラギーナ
ン、ペクチン、寒天、グルコマンナン等があげられる。
動物性アルブミンとしては、卵アルブミン、血清アルブ
ミン、乳アルブミン等が利用でき、植物性アルブミンと
しては、澱粉や加工澱粉糖を用いることができる。澱粉
としては、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、
サツマイモ澱粉やこれらの加工澱粉類がある。その他、
小麦、大麦、ライ麦のコイコシン、エンドウ、ソラマ
メ、大豆のレグメリン等が利用できる。
ゲル化補助剤は、スリ身が粘着性に乏しく、成型が困
難である場合に、添加することにより蛋白原料の結着性
を向上させ利用範囲を著しく拡大することができるの
で、ゲル化性の多少劣る蛋白食品素材の場合には、最終
製品に合わせて添加量を適宜選択することにより目的と
する形にスリ身を自由に成型することができる。
血漿粉末としては、例えばプロファインFG(太陽化学
工業(株)製)等が用いられる。血漿粉末を添加するこ
とにより、タンパク質分解酵素の活性を抑制することが
できる。
副資材としては乳化剤、粘着補助剤、植物繊維、機能
剤、動植物性油脂、pH調整剤等があげられる。乳化剤と
しては、全卵、卵黄、卵白、レシチン、脂肪酸エステ
ル、シュガーエステルがあげられる。
粘着補助材としては、カゼイン,大豆蛋白粉,乳蛋
白,コラーゲン等があげられる。
粘着補助剤の添加量は蛋白原料100wt部に対して0.001
〜20wt部、好ましくは0.01〜10wt部、更に好ましくは1
〜8wt部が用いられる。添加量が少ないと触感が柔らか
くて伸びのある素材が得られ、添加量が多いと弾力があ
り歯ごたえのある食感に富んだ素材が得られる。卵白や
全卵は生又は乾燥したものを用いるのが好ましい。製造
工程で加水処理等を行う場合は生の全卵等を用いるのが
好ましいが、素材の含水量を少なくする場合は乾燥全卵
や乾燥黄卵、乾燥卵白が好ましい。
食物繊維としては大豆等から得られる粉末繊維、セル
ロース粉末、植物に多くみられる繊維質性多糖類、粒状
あるいは糸状の組織状大豆蛋白、組織化された澱粉質か
らなる食物繊維などの非溶解性の食物繊維、グアガム、
ポリデキストロース等の溶解性の食物繊維やキチン、動
物性蛋白質を主成分とし加熱処理等で成型された紡糸状
の加工品(例えば日本水産(製)の商品名シーグレス
等)も食物繊維として利用できる。
食物繊維を加えることにより、ねり状加工品の色調を
上げ、色の白い蛋白食品を得ることができる。更に、食
物繊維のもつ保水性により肉中の旨味を含んだ水分を保
持し、結果として蛋白原料中の水分分離を防ぐことがで
きる。
機能剤としては、動物製蛋白の様々な性質をもった栄
養素性を基に健康食,医療食と、その用途に併せて各種
のビタミン類や漢方薬エキス,キトサン等の機能性を有
するものが用いられる。
動植物性油脂としては、動物油脂として豚脂,牛脂,
羊脂などやショートニングオイル,マーガリン等、植物
油としてダイズ油,ゴマ油,ナタネ油,綿実油,ヒマワ
リ油,トウモロコシ油,サフラワー油,オリーブ油,パ
ーム油,ラッカセイ油などが用いられる。
調味料として、風味や食感の向上化のため牛乳、生ク
リーム、バター、チーズ等の乳製品類、ミリン、調理
酒、マミノ酸、各種香料、各種エキス類、各塩類、イノ
シン酸塩やグルタミン酸塩等の化学調味料、シイタケ、
コンブ、カツオブシ等の天然調味料、ペプタイト等の魚
種の濃縮エキス、複合調味料、ソルビット等の甘味料、
ソルビン酸等の防腐剤、若しくは必要によりpH降下剤等
を最終加工食品の種類に合わせて適宜添加するとカニ、
エビ風味等蛋白原料に起因した風味を有する美味で新規
な食品を提供できる。
この構成によって、魚類や畜類肉の魚肉や精肉のみな
らず、低利用の蛋白原料や屑肉、固くて食品に利用し難
い各種の蛋白原料をNaCl等の塩類とアルカリ剤の存在下
で微粒化することにより高栄養価でエキス等の低分子旨
味栄養成分や機能性成分,ビタミン類,微量元素等を含
んだ蛋白食品素材を極めて容易に製造することができ
る。少量で高濃度の塩類水溶液とアルカリ剤溶液を用い
ることにより理論的に解明は不可能であったが、電子顕
微鏡写真等からの観察結果から推察すると、少量で高濃
度の塩類水溶液を用いることにより効率的な塩溶化を行
うことができると同時に、アルカリ剤水溶液により脂肪
分その他を乳化活性化させるので、原料中の低分子蛋白
質やミネラル分と相まって強力にゲル化をすすめるので
ゲル化機能を有した蛋白食品素材を得ることができる。
ゲル化機能を有しているので保水性に優れ、冷凍しても
冷凍変性を受けることが少なく、また、解凍してもドリ
ップの生成を防ぎ旨味成分を維持できる。
極めてゲル化度が高いので、解凍時でもドリップの生
成を防ぎ蛋白原料全体を食品化できるので低分子旨味栄
養成分やDHA,EPA等の有効成分も有効に利用できる。
従来、無晒蛋白原料では、ゲル化が不可能であった
が、本構成によりアルカリ剤や塩類の高濃度溶液による
微粒化で、スリ身製造中にアクトミオシンの高度溶出性
を引き出すとともに、ゲル形成能の弱い原料でも卵白な
どの結着補助剤等を加えることにより相乗的な架橋作用
で、網目構造を形成し、ゲル化を促進しゲル強度を引き
出すことができる。
中間加工品については、所定量の糖類、ビタミン類と
酸化防止剤を前処理した原料に添加し、混練混和し均質
化しているので、−25℃で60日間冷凍保存した後でも、
その中間加工品を擂潰等で微粒化し目的のゲル化能を有
した蛋白製品とすることができる。尚、蛋白原料に高濃
度のアルカリ剤水溶液を添加すると中間加工品の品質を
更に向上させることができる。
中間加工品化が可能となったので、中間加工品の冷凍
品を必要な時に取りだし、解凍しこれに高濃度塩類溶液
や調味料、澱粉類、機能剤を所定量の水分に溶解させ、
混練混和するだけで目的の加工食品を製造することがで
きる。尚、中間加工品がアルカリ剤水溶液の添加なしに
製造された際はアルカリ剤水溶液を添加含浸する必要が
ある。
無晒しの原料を使用するので、特に魚肉においては低
分子旨味栄養成分を有効に活用することができ、EPA、D
HAなど優れた栄養機能を有し、水晒しの製品より優れた
製品を得ることができる。また製品歩留りを大幅に向上
させるとともに、高塩溶、高ゲル化能が付与されている
ので、水のばしができるようになった。
一般に、無晒し魚介類の精肉を利用すると、製品の色
が黒ずんで悪くなるが、アルカリ剤,ビタミン類などを
適宜使用することにより理論的に解明できなかったが、
それらの問題点を著しく改善することができる。畜類に
おいても同様の処理を施すことにより同様に著しく効果
を得ることができる。
高濃度の塩類水溶液やアルカリ剤水溶液を用いる高濃
度処理法を採用したので、骨格筋や細胞膜を弛緩作用や
浸透圧などにより細胞レベルまでビタミン剤などが作用
し、極めて高い酸化防止とともに腿色防止及び変色した
肉の再生化等を可能にし、細胞レベルまで塩溶化,乳
化,ゲル化能を及ぼすことができる。更に、酸化防止機
能のある製剤を細胞レベルまで作用させるので、酸素活
性を防ぎ自己消化を著しく遅延させるので、品質の持続
性を向上させることができる。前記高濃度処理法によっ
て魚介類、畜類の種類を問わず油脂、脂肪を含んだ原料
蛋白の細胞膜や骨格筋を高い塩濃度で急速に塩溶・乳化
させるので各種の微粒化機により従来の1/2乃至1/20の
短時間で肉糊を製造することができるようになった。低
分子を取り込み高いゲル化能と乳化作用を構成し、今ま
でと違った相乗効果的な架橋作用で網目構造を形成し、
高いゲル強度を引き出すことにより低分子旨味栄養成分
を活用できるとともに、魚臭や畜臭を完全に消臭した加
工性に優れた食品素材を製造することができる。
ゲル化度の自在性により、ヨーグルト状から天プラ等
のマイルドなものや、ジャーキー状のハードなゲル化食
品を任意に得ることができる。
結着補助剤等を加えているので、加工処理方法との相
状効果で蛋白食品素材が従来にない弾力性や伸張性、保
水性、ソフトな口当たり等を有し、かつ、ペースト状な
ので幅広い加工食品素材として用いることができる。
蛋白食品素材の粘度は水のばしにより自由に調整でき
るので、幅広い加工自在性を有し、他の食品素材と一体
化して、カロリー計算等の元の適切な栄養価の食品を容
易に得ることができる。
図面の簡単な説明 第1図は、折り曲げテストの状態を示す工程図であ
る。
第2(a)図は、実施例1乃至5の油ちょう品の折り
曲げテストと品感試験の結果を示す図である。
第2(b)図は、実施例1乃至5の湯煮品の折り曲げ
テストと品感試験の結果を示す図である。
第3(a)図は、実施例6乃至10の油ちょう品の折り
曲げテストと品感試験の結果を示す図である。
第3(b)図は、実施例6乃至10の湯煮品の折り曲げ
テストと品感試験の結果を示す図である。
第4(a)図は、実施例11,12の油ちょう品の折り曲
げテストと品感試験の結果を示す図である。
第4(b)図は、実施例11,12の湯煮品の折り曲げテ
ストと品感試験の結果を示す図である。
第5(a)図は、実施例13乃至18の油ちょう品の折り
曲げテストと品感試験の結果を示す図である。
第5(b)図は、実施例13乃至18の湯煮品の折り曲げ
テストと品感試験の結果を示す図である。
第6(a)図は、比較例1乃至4の油ちょう品の折り
曲げテストと品感試験の結果を示す図である。
第6(b)図は、比較例1乃至4の湯煮品の折り曲げ
テストと品感試験の結果を示す図である。
第7(a)図は、比較例5乃至8の油ちょう品の折り
曲げテストと品感試験の結果を示す図である。
第7(b)図は、比較例5乃至8の湯煮品の折り曲げ
テストと品感試験の結果を示す図である。
第8図は、比較例9,10の油ちょう品の折り曲げテスト
と品感試験の結果を示す図である。
第9(a)図は、実施例19乃至23の油ちょう品の折り
曲げテストと品感試験の結果を示す図である。
第9(b)図は、実施例19乃至23の湯煮品の折り曲げ
テストと品感試験の結果を示す図である。
第10(a)図は、実施例24乃至26の油ちょう品の折り
曲げテストと品感試験の結果を示す図である。
第10(b)図は、実施例24乃至26の湯煮品の折り曲げ
テストと品感試験の結果を示す図である。
第11図は、比較例11の油ちょう品の折り曲げテストと
品感試験の結果を示す図である。
第12(a)図は、実施例33の油ちょう品の折り曲げテ
ストと品感試験の結果を示す図である。
第12(b)図は、実施例33の湯煮品の折り曲げテスト
と品感試験の結果を示す図である。
第13図は、実施例34の品感試験の結果を示す図であ
る。
第14図は、実施例37の成形した最終加工品の破断強度
を示す図である。
発明の実施するための最良の形態 以下本発明の一実施例について説明する。
(実施例1〜5) 蛋白原料の調整:頭やウロコ,内臓を除去する全処理
加工し−20℃に冷凍されたマイワシ(実施例1),及び
その他原料として、−20℃に冷凍された沖アミのむき身
(実施例2)や鯨肉(実施例3),サケの採卵カス(実
施例4),牛肉の屑肉(実施例5)を各300gづつ50組を
準備した。
食塩水溶液:食塩4gを常温の水25ccに溶解したのもを
50個のフラスコに各々準備した。
アルカリ剤水溶液:アルカリ剤としてNaHCO33gを常温
の水25ccに溶解したものを50個のフラスコに各々準備し
た。
水:50ccずつ50個のフラスコに各々入れて準備した。
調味料:砂糖15g,化学調味料3gを各々秤量したものを
1つのシャーレに入れこれを50個準備した。
以上のように準備された原料を用い、以下の製造方法
で蛋白食品素材を得た。
予備粉砕した各蛋白原料を高速カッターで急速微粒化
開始と同時に食塩水溶液及び調味料を加え、次いでアル
カリ剤水溶液を添加した。微粒化開始後2分30秒後に水
50ccを添加した。急速微粒化は30秒間で行った。肉糊状
の蛋白食品素材を得た。特に鯨肉及び牛屑肉は粘稠な団
子状で得られた。蛋白食品素材の肉粒子の粒径を常法に
従い測定したところ平均粒径は0.7〜0.05mmであった。
スリ上がり温度は−4.5〜−3℃、肉糊のpHは7.3〜7.6
であった。得られた蛋白食品素材について、ゲル強度試
験及び弾力性(ソフト感等)、引張性、臭気について品
感試験を行った。
ゲル強度試験:厚さ10mm,直径80mmの型に上記の肉糊
状の蛋白食品素材を均一に入れて成形し、成形物を得
た。この成形物を、a.油浴で裏表2分30秒間、160℃の
油温で油ちょうしたもの、b.坐り工程を経た後ラップ包
装し湯浴で略85℃の温度で20分間湯煮したものを試料と
して用い、第1図に示す折り曲げテストを行った。
第1図は折り曲げテストの状態を示す工程図である。
折り曲げテストは、(株)恒星社厚生閣発行の「新版
魚肉ねり製品」(昭和62年版)の399頁に掲載の方法に
準拠して行った。評価方法は、各試料を折曲げて次の4
段階で評価した。
A:4つに折り曲げて亀裂の生じないもの B:2つに折り曲げて亀裂の生じないもの C:2つに折り曲げて径の半分位生ずるもの D:2つに折り曲げて亀裂が全部に及ぶもの 折り曲げテストは各試料から5サンプルを取り出して
行いその平均を求めた。その結果を第1表に示した。
尚、折り曲げ引張部の強度を苛酷な条件下で評価するた
め試験の厚みを10mmとした。
また、官能試験は上記各試料を2cm角にサイの目状に
切りこれを10人のパネリストに配り色、テクスチャー,
風味,旨味等の試験を行い、5段階評価で行った。
評価は捕獲直後のマイワシを従来の水晒し法で魚肉を
精製したものを微粒化したスリ身を用いて製造した。天
ぷらやカマボコを基準にし、5は優、4は良、3は普通
の天ぷらやカマボコと変わらない、2は少し劣る、1は
劣る、で採点し、その平均を求めた。その結果を第2
(a)図,第2(b)図に示す。
第2(a)図は油ちょう品(天プラ)の折り曲げテス
トと品感試験の結果を示す図であり、第2(b)図は湯
煮品(カマボコ)の折り曲げ試験や品感試験の結果を示
す図である。時中折り曲げテストの〔 〕内はA〜Dの
評価の個数を示し、〔 〕の前の英文字は総合評価を示
す。
第1表及び第2(a),(b)図から明らかなよう
に、油ちょう品,湯煮品ともに、極めて高い評価を得
た。また、鯨や牛肉から旨味,テクスチャーに優れると
ともに、弾力性や引張性が水晒しをして作製していた従
来のカマボコや天プラと同程度のものが得られることが
わかった。更に、本実施例で得られた肉糊状の蛋白食品
素材に、ゴボウ等の野菜を混ぜると旨味,テクスチャー
等に優れるとともに高栄養価の全く新規なゴボ天や特殊
カマボコが得られることがわかった。
(実施例6〜10) 実施例1〜5と同一の原料を用い、食塩水溶液添加の
際に結着補助剤を同時に添加した他は実施例1〜5と同
様にして行い蛋白食品素材を得た。平均粒径は0.7〜0.0
5mmであった。スリ上がり温度は−3.6〜−2.2℃、肉糊
のpHは7.3〜7.6であった。結着補助剤の調整は、馬鈴薯
澱粉の他実施例1〜4では乾燥卵白を4g、実施例5では
生卵白5gを合計18gとしてビーカーに秤量したものを各5
0個準備した。上記製造方法で得られた蛋白食品素材を
用い、ゲル強度試験・品感試験及び官能試験を実施例1
〜5と同様にして行った。その結果を第2表及び第3
(a)図,第3(b)図に示した。
第3(a)図は油ちょう品の折り曲げテストと品感試
験の結果を示す図であり、第3(b)図は湯煮品の折り
曲げテストと品感試験の結果を示す図である。
第2表及び第3(a),(b)図から明らかなように
馬鈴薯澱粉と卵白を添加するだけで、製品のツヤ,テリ
を従来の天プラやかまぼこ以上に向上させることができ
るとともに、口当たりを向上させることがわかった。ま
た、弾力性や引張性を向上させるとともに、特に牛肉の
肉臭を著しく改善することができた。また、鯨やサケの
採卵カス,牛肉は洋風素材として直接オードブルにする
か、または他の食材とともに調理して洋風素材として好
適に利用可能なことがわかった。
(実施例11,12) 蛋白原料として、マイワシと牛肉の屑肉の略−10℃に
冷凍した冷凍品を各150gずつを混合した混合物を用い、
実施例1と同様にして蛋白食品素材を得た(実施例1
1)。実施例11の蛋白食品素材を製造する際に、食塩水
溶液と実施例6の結着補助剤を添加して製造した蛋白食
品素材を得た(実施例12)。これらの試料を用いゲル強
度試験・品感試験及び官能試験を行った。その結果を第
3表及び第4(a)図,第4(b)図に示した。
第4(a)図は油ちょう品の折り曲げテストと品感試
験の結果を示す図であり、第4(b)図は湯煮品の折り
曲げテストと品感試験の結果を示す図である。
第3表及び第4(a),(b)図から明らかなよう
に、イワシと牛肉の混合物で従来の天プラやかまぼこよ
りも弾力性,引張性に優れた天プラやかまぼこが得られ
ることがわかった。また、臭気は結着補助剤を添加する
だけで大幅に改善できることもわかった。
(実施例13〜18) 蛋白原料の調整:捕獲直後に前処理加工で頭,内臓を
除去したマイワシ(実施例13)やイカ(実施例14),タ
チ魚(実施例15),冷蔵したアジ(実施例16)や帆立貝
の貝柱(実施例17)を各300gずつ秤量したものを50組、
及び実施例13のマイワシと馬肉ブロックの冷凍品各150g
ずつを混合した混合物(実施例18)を50組準備した他は
実施例1と同一の食塩水溶液,アルカリ剤水溶液,水,
調味料を準備した。
次いで、上記原料を用い、実施例1と同一の条件で高
速カッターにより急速微粒化し蛋白食品素材を得た。次
に実施例1と同様にして試料を得、ゲル強度試験・品感
試験及び官能試験を行った。平均粒径は0.66〜0.09mmで
あった。スリ上がり温度は8.6〜12℃、pHは略7.5であっ
た。その結果を第4表及び第5(a)図,第5(b)図
に示した。
第5(a)図は油ちょう品の折り曲げテストと品感試
験の結果を示す図であり、第5(b)図は湯煮品の折り
曲げテストと品感試験の結果を示す図である。
第4表及び第5(a),(b)図から明らかなよう
に、従来使用しづらかったこれらの蛋白原料が弾力性や
引張性を著しく向上させるとともに、味覚や旨味、テク
スチャーに優れた食材にできることがわかった。
(比較例1〜4) 実施例1,3,5,11の蛋白原料(各々比較例1〜4とし
た)を用い、食塩水溶液とアルカリ剤水溶液を添加しな
かった他は実施例1と同一の条件で蛋白食品素材を得
た。これを用いて試料を作成し、ゲル強度試験・品感試
験及び官能試験を行った。肉粒子の平均粒径は0.73〜0.
02mm、スリ上がり温度は−4.5〜−3℃、pHは略7.5であ
った。その結果を第5表及び第6(a)図,第6(b)
図に示した。
第6(a)図は油ちょう品の折り曲げテストと品感試
験の結果を示す図であり、第6(b)図は湯煮品の官能
試験の結果を示す図である。
(比較例5〜8) 実施例1において、食塩水溶液の食塩の添加量を蛋白
原料100wt部に対し0.2wt部(比較例5)及び15wt部(比
較例6)とした他は実施例1と同様にして蛋白食品素材
の試料を得た。平均粒径は0.7〜0.05mmであった。スリ
上がり温度は略−3℃、pHは7.5であった。
次に実施例1において、アルカリ剤水溶液の添加量を
蛋白原料100wt部に対し、0.05wt部(比較例7)及び8wt
部(比較例8)とした他は実施例1と同様にして蛋白食
品素材の試料を得た。
スリ上がり温度はいずれも略−33℃で、pHは比較例7
が5.8、比較例8が8であった。上記得られた試料を用
い、ゲル強度試験・品感試験及び官能試験を行った。そ
の結果を第6表及び第7(a)図,第7(b)図に示し
た。
第7(a)図は油ちょう品の折り曲げテストと品感試
験の結果を示す図であり、第7(b)図は湯煮品の折り
曲げテストと品感試験の結果を示す図である。
第1表乃至第4表から明らかなように、本実施例によ
れば、天プラやカマボコ状に調理した試料を2つ折、4
つ折してもひび割れることなく、しなやかで足のある無
晒の蛋白食品を与える蛋白食品素材であることがわかっ
た。
更に各試料について、スリ上げられた直後のスリ身を
急速冷凍し、その後1ヶ月経過したものの解凍テストを
行ったが、スポンジ状などの冷凍変性はほとんど認めら
れなかった。
また、官能テストの結果では、重炭酸ソーダ(タンサ
ン)のアルカリ剤を低温度で使用したため底味性に優
れ、水晒スリ身の製品より上味,中味、底味ともに優
れ、噛めば噛むほど味わい深いもので魚臭や畜臭のない
新規な製品が得られることがわかった。加工食品素材と
しての利用範囲を広げ、更に食べ易い洋風の中華料理や
和食等にも利用できることがわかった。
それに対し、比較例の魚介類の蛋白食品素材は、無晒
魚肉及び畜肉、鯨肉加熱による独特の結果となり、高分
子蛋白繊維を溶解する塩溶効果を低分子が阻害し、粒子
が荒く網目構造を構築する肉糊効果が発揮されていない
と推定される。また、試料を加熱中にもどり現象が起き
ゲル形成力を崩壊させる現象が認められた。従来はその
対策として急速加熱又は血漿粉末プラズマ(太陽化学株
式会社製)を必要により利用していたが、本実施例によ
れば、これらを利用せず、坐り工程なしに所定の急速加
熱ですることなく又原料によって使い分け上記の成果を
得た。また、畜肉類の蛋白食品素材は坐り工程なしにゲ
ル化能が得られた。
(比較例9,10) 実施例1において、加水混和工程での水の添加量を蛋
白原料100wt部当たり3wt部(比較例9)、90wt部(比較
例10)とした他は実施例1と同様にして蛋白食品素材を
得た。これを用いて試料を作成し、ゲル強度試験・品感
試験及び官能試験を行った。その結果を第7表及び第8
図に示した。
第8図は油ちょう品の折り曲げテストと品感試験の結
果を示す図である。
比較例9の蛋白食品素材は、水の添加量が少ないため
練れるが蛋白原料の種類によっては硬めに仕上がるため
加工性や弾力性、結着性、保水性に欠けるという問題点
があることがわかった。比較例10の蛋白食品素材は水の
添加量が多いため、スラリー状になりゲル食品用には不
適なことがわかった。
(実施例19〜23) 実施例1において、結着補助剤として、乾燥卵白の代
わりに大豆蛋白と乳アルブミン(実施例19),大豆蛋白
(実施例20),乳アルブミン(実施例21)を同量用い
又、馬鈴薯デンプンの代わりに小麦デンプン(実施例2
2),トウモロコシデンプン,サツマイモデンプン(実
施例23)を同量用いた他は実施例1と同様にして、蛋白
食品素材の試料を得た。これをゲル強度試験・品感試験
及び官能試験を行った。その結果を第8表及び第9
(a)図,第9(b)図に示した。
第9(a)図は油ちょう品の折り曲げテストと品感試
験の結果を示す図であり、第9(b)図は湯煮品の折り
曲げテストと品感試験の結果を示す図である。
いずれもゲル強度に優れ、弾力性や引き、艶、しなや
かさが良くまた官能試験も良好であった。
食塩及びアルカリ剤水溶液添加による今までにない肉
中のアクトミオシンの急激な溶解に伴い、それらに動植
物アルブミンとデンプン類,卵白などの動物性のものが
互いに相乗効果により網目構造の弾力、粘性を高め架橋
効果等により今までにない結着補助剤特有の効果が認め
られた。
(実施例24〜26) 蛋白原料として略−2℃に冷蔵中のマイワシを用い、
高速カッターの代わりにホモジナイザー(柳屋製)(実
施例24)及びサイレントカッター(柳屋社製)(実施例
25)、MCB(岩井機械工業(株)製)(実施例26)を用
い微粒化を行った他は実施例1と同様にして蛋白食品素
材を得た。尚、実施例1と同様の肉糊状の蛋白食品素材
を得るのに実施例24では3分間、実施例25では20分間、
実施例26では20秒間の微粒化時間を要した。
スリ上がりの品温は実施例24では6℃で、実施例25で
は11℃、実施例26では−0.2℃であった。pHは実施例24
では6.9、実施例25では6.7、実施例26では7.0であっ
た。
得られた蛋白食品素材を用いて、試料を作製し、実施
例1と同様の方法でゲル強度試験,官能試験を行った。
その結果を第9表及び第10(a)図,第10(b)に示し
た。
第10(a)図は油ちょう品の折り曲げテストと品感試
験の結果を示す図であり、第10(b)図は湯煮品の折り
曲げテストと品感試験の結果を示す図である。
ゲル強度は実施例1と略同様で極めて優れたゲル強度
を有する蛋白食品素材であることがわかった。また官能
試験は、極めて底味に優れた特徴を有したものであっ
た。
以上のように実施例24によればほど良い弾力性があり
ソフトであった。実施例25によればpHが低いとやや弾力
性が弱く、実施例26ではpHが高いと弾力性が優れている
ことがわかった。
(実施例27) 実施例6〜10の原料を1Kg準備し加水混和工程の前に
副資材として卵白13g,馬鈴薯デンプン59g,砂糖33g,調味
料10gを添加した他は実施例6〜10と同様にして蛋白食
品素材を作り、これをリンプルケースに入れて、−30℃
で1ヶ月冷凍した後、各々200gずつ取り出し、各実施例
の蛋白食品素材に冷蔵で長期間保存し多少古くなった各
種牛肉,ニワトリ,豚,馬肉を各々200gを平賀ミンチ加
工機で均一に蛋白食品として各種のハンバーグ及び牛ス
テーキ,トリステーキ,ポークステーキ,馬肉ステーキ
を作製した。これを10名のパネリストにより各々官能試
験を行った。その結果、いずれも畜臭や魚臭を有さず、
従来にない旨味や味覚を有し、テクスチャーにも優れた
食品であることがわかった。多少古くなった牛肉等の原
料を用いたにもかかわらず、本実施例によれば畜肉臭が
消臭されるとともに、ミンチが混然一体となりバラける
ことがなく結着性に優れていることがわかった。又加熱
後肉糊より旨味、水分の保水性や口中での油脂感がな
く、口あたりが良く長時間保水性に優れていることもわ
かった。
(実施例28) 実施例27で得られた混合蛋白食品素材を各100gずつ取
りステーキ成型機でステーキを作り、この表裏面に凍結
豚肉ロース肉を3mmにスライスして約30gを被覆圧着し
て、成型し、この成型圧着したものを急速凍結した。1
週間後冷凍庫から取り出したところ被覆されたスライス
肉は最初、冷凍肉特有のやや茶褐色であったものが、凍
結解凍したこのスライスは鮮やかな高鮮度の見た目に美
しい色になり、従来にないステーキが得られた。次い
で、解凍したステーキをホットプレートで200℃で裏表
約3分間で焼きあげ、2分間余熱で中心部まで加熱し
た。
このステーキをフォークとナイフで切ると中から肉汁
が出て、旨味の肉汁の保存性に優れ、畜肉臭や魚臭もな
く程よい噛みごたえもあり、程よく調味され、焼き細り
もなく製品歩留りに優れ、被覆した肉もよく結着した形
崩れも認められなかった。
実施例6〜10で得られた蛋白食品素材を用い1枚50g
のステーキを6枚ずつ作り、実施例6(マイワシ)のス
テーキ2枚で実施例10(牛屑肉)のステーキをサンドイ
ッチ状に積層したもの、実施例7(沖アミ)のステーキ
2枚と実施例8(鯨肉)のステーキをサンドイッチ状に
したもの、実施例9(サケの採卵カス)のもの2枚と実
施例6(マイワシ)のサンドイッチ品を作り、ステーキ
焼きを作成した。いずれも従来にない各素材の旨味がミ
ックスした新規な食欲をそそるステーキ焼きが得られ
た。このことからカロリーの高いものとカロリーの低い
ものを自在に組み合わせ高蛋白で低カロリーのもの等を
自在に作成できることがわかった。
(比較例11) −20℃に冷凍したマイワシを蛋白原料として準備し、
食塩水溶液の代わりに顆粒状の食塩6g(比較例11)、ア
ルカリ剤水溶液の代わりにNaHCO3の粉末を2.5g(比較例
12)を用いた他は実施例1と同様にして試料を作製し、
実施例1と同様の方法でゲル強度試験及び官能試験を行
った。比較例11の結果を第10表及び第11図に示した。
第11図は油ちょう品の折り曲げテストと品感試験の結
果を示す図である。
第10表及び図11から明らかなようにゲル化能を付加で
きず天プラ、カマボコはともに折り曲げテストでは、2
つに折れ、ねり製品としての特徴が全くなく商品価値が
ないものに仕上がった。
(実施例29〜32) NaHCO3の代わりにNaOH0.9g(実施例29)、KOH1.7g
(実施例30)、Ca(OH)22.2g(実施例31)、ピロリン
酸四ナトリウム7.9g(実施例32)を用いた他は実施例1,
5と同様にして試料を作製しゲル強度試験等を行った。
その結果実施例1,5と同様の結果が得られた。
(実施例33) 蛋白原料として、品温0℃に管理された鶏もも肉300g
を前記微粒化工程で食塩7.5gとNa2CO33gをいずれも25cc
の水溶液に完全に溶解させ、カッターミキサーに各々別
々に投入後、2分間高速運転を行った後、更にゲル化補
助剤として澱粉18g、乳化剤として卵白3g、また添加剤
としてミリン5g、調理酒5g、化学調味料としてグルタミ
ン酸ソーダ1g、砂糖15gを水30gに溶解したものを混入し
約1分間の微粒化を行い蛋白食品素材を得、これを用い
て実施例1と同様にしてゲル強度試験及び官能試験を行
った。結果を第11表及び第12(a)図,第12(b)図に
示した。
第12(a)図は油ちょう品の折り曲げテストと品感試
験の結果を示す図であり、第12(b)図は湯煮品の折り
曲げテストと品感試験の結果を示す図である。
(実施例34) 実施例33で得られた鶏すり身300gに対して膨潤大豆50
gを添加し凍結カッターミキサーに入れ冷凍状態で微粒
化を行った。大豆中の乳化成分により自己乳化したペー
ストが得られた。次いで、これを混合混練した。更にこ
れに鶏肉荒挽きミンチ(約5mm)を100g加え練り合わ
せ、これをステーキ状に成型し、加熱してステーキ焼を
作成した。また、食味試験を行った結果、極めて旨味,
テクスチャーに優れたステーキであることがわかった。
このステーキ成型物を実施例1と同様にしてゲル強度試
験及び官能試験を行った。その結果を第11表及び第13図
に示した。
第13図は油ちょう品の折り曲げテストと品が試験の結
果を示す図である。
(実施例35) 実施例33で得られた鶏すり身300gに対して、牛肉ブロ
ック100gを2mmの厚さにスライス、短冊型にカットした
ものを塗り合わせてステーキ状に成型し、加熱してステ
ーキ焼きを作成した。食味試験を行った結果、実施例34
と同様であった。また、このステーキ成型物を実施例1
と同様にして官能試験を行った。その結果を第11表に示
した。
(実施例36) ブロイラー,モモ肉冷凍品40Kgを−5℃で予備解凍を
行い、カッターに入れ高速運転で微粒化開始と同時に、
食塩400gを水1600ccで溶解した水溶液を加えて3分間混
練を行い、次いでNaHCO3280gを1600ccの水に溶解した水
溶液に馬鈴薯澱粉1.2Kg,ミリン600cc,蔗糖600g,ビタミ
ンC剤とビタミンE剤との混合物60gを溶解した溶液を
加えて5分間混練を行った。この鶏スリ身肉を1Kgずつ
に分け、凍結した。この鶏スリ身凍結品は必要に応じて
必要量を解凍して多目的な食品加工素材として利用でき
ることがわかった。
(実施例37) チルドのフィレー状スケトウダラを5mmφのプレート
のミートグライターでミンチ肉にした。このミンチ肉40
0g(pH6.8)に、第12表の中間加工品の欄に示すアルカ
リ剤(NaHCO3),ビタミンC剤とビタミンE剤、ソルビ
ット液を溶解した溶液をミキサーで噴霧し、3分間ミキ
サーを運転し、骨格筋を弛緩し乳化・ゲル化能付加前の
熟成促進を行い、これを−25℃で冷凍してすり身の中間
加工品を得た。60日後、冷凍した中間加工品を0.5℃に
解凍し、カッターミキサーに入れ、第12表の最終加工品
の欄に示す食塩、蔗糖、味の素、ミリンを水に溶解した
溶液を噴霧して、高速で3分間微粒化し、塩溶を促進
し、乳化・ゲル化能付与し熟成促進を行い魚肉の蛋白食
品素材(最終加工品)すり身が得られた。中間加工品と
最終加工品の明度を測定した。その結果を第12表に示し
た。また、このすり身を厚さ10mm、径100mmφに成形し
て、165℃の油で3分間油ちょうして天ぷらとした。冷
却した後その破断強度を測定した。その結果を図14に示
した。この図14から明らかなように、破断強度が310g,
窪み巾4.1cm、ジェリー強度が1271g・cmと優れたねり製
品であることがわかった。
この天ぷらをパネリスト5名で官能試験を行った。無
晒しすり身を使用したにもかかわらず、色は白く、柔ら
かく弾力性があり、歯ごたえ良く食べることができた。
第12表から明らかなように、本実施例によればpHを7
に調整し糖類等の水溶液を添加して含浸させた後、冷凍
し、調理時に塩類水溶液を添加して微粒化することによ
り中間加工品よりも色調に優れ、かつ明度の高い蛋白食
品が得られることがわかった。
(実施例38) オーストラリア産牛冷凍モモ肉を細切し、5mmφプレ
ートのミートグライダーに掛けミンチモモ肉を得た。こ
のミンチモモ肉300g(pH5.7)をミキサーに入れ、第13
表の中間加工品欄に示すように19.5wt%濃度の食塩水溶
液31.6gと、10wt%濃度のNaHCO3溶液20gと、ビタミンC
剤とビタミンE剤の混合物をソルビトール溶液に溶解さ
せたものを噴霧し3分間ミキサーを運転し、塩溶を促進
し、ゲル化能付与を行った後、−25℃で冷凍保管をし
て、すり身の中間加工原料とした。60日間冷凍保管の
後、これを−5℃に解凍しカッターミキサーに入れミリ
ンに蔗糖、調味料を加えた混合溶液を添加し3分間高速
運転し擂潰して牛肉のすり身蛋白食品(最終加工品)が
得られた。この処理を終えた牛肉すり身をスタッハーで
羊腸に充填し6〜8cmにヒネリを入れ鎖状に編んだ。こ
れを40〜45℃の薫煙室に入れ30分間乾燥した後 サクラ
チップで40〜45℃で30分間薫煙した。次いで、80℃に温
度調整された加熱水で20分間ボイルし、冷水で冷却した
牛肉のウインナーソーセージを得た。従来畜肉の乳化・
ゲル化能付与は困難で、単に豚肉だけがハム,ソーセー
ジに使用されてきたが、この処理法で牛肉にも優れた結
着性並びにゲル化能を付加させることができ、非常に歯
ごたえのよい、弾力性のあるウインナーソーセージであ
り、美味しく食べることができた。これにより屑肉等を
多目的に活用することができるようになった。
原料ミンチ,中間加工品と最終加工品の明度を測定し
た。その結果を第13表に示した。
この牛肉スリ身は単独でソーセージに加工してもよい
が、同様に処理した魚肉と混ぜてソーセージとしてもよ
い。又同様に処理した牛ミンチ肉や豚ミンチ肉と混ぜて
荒挽きソーセージとすることもできる。
第13表から明らかなように、最終加工品は明度,色調
ともに原料よりも向上していることがわかった。従来、
畜肉の乳化・ゲル化能付与はできなかったが、この方法
により優れた結着性並びにゲル化能を付与させることが
でき、屑肉などを多目的に活用することができることが
わかる。
(実施例39) チルドのフィレー状ホッケを5mmφプレートのチョッ
パーでミンチとした。このミンチ魚肉300g(pH6.7)を
ミキサーに入れ、第14表の中間加工品の欄に示すよう
に、15wt%のNaHCO3の水溶液12gと、10wt%のトリポリ
リン酸ソーダの水溶液10gにソルビトール液、ビタミン
C剤,ビタミンE剤との混合物を溶解した溶液を噴霧し
3分間ミキサーを運転して筋肉を弛緩させ熟成促進を行
った後、急速冷凍してすり身の中間加工原料として冷凍
保管した。60日間冷凍保管の後、これを−5℃にて解凍
して、カッターミキサーに入れ第14表の最終加工品の欄
に示した8.5wt%の食塩水溶液35g、ミリン、蔗糖、調味
料を加えた混合溶液を噴霧し3分間擂潰すると共に塩溶
を促進し、ゲル化能を付与し、ホッケ魚肉のすり身蛋白
素材(最終加工品)が得られた。次いで、これを成形し
蒸煮した。中間加工品と最終加工品及び蒸煮品の明度を
測定した。その結果を第14表に示した。
第14表から明らかなように、最終加工品は中間加工品
に比べ明度と色調ともに著しく向上していることがわか
った。このホッケすり身はそのまま成形して油ちょう
し、天ぷらとしても良く、又同様に処理したスケトウダ
ラのすり身と混ぜ合わせて使用できることもわかった。
このことから、漁期に大量に処理して中間加工原料とし
て冷凍貯蔵し、流通時に解凍してすり身にすり上げ各種
調理加工食品とすることにより、大量に取れた魚を有効
に活用できることがわかった。
(実施例40) ホッケの魚体30Kgを入手し、頭と内臓を取り除き洗浄
した魚体を5mmφの採肉機((株)あぶこ製)で落とし
身とした。これを更に2mmφの採肉機に掛けウロコや小
骨、はらすを取り除いた。
このミンチ状ホッケ魚肉3000gをミキサーに入れNaHCO
3を溶解した15wt%の溶液140gに蔗糖120g、ミリン50c
c、ビタミンC剤とビタミンE剤の混合物5gを溶解した
溶液をミキサーを低速で運転しながら噴霧し、更に5分
間運転を継続して筋肉を弛緩させ、乳化・ゲル化能付加
前の熟成促進処理を行った。
この処理魚肉を二つに分け、片方1650gを冷凍し保存
した。残りの1650gに対して20wt%濃度の食塩水溶液75c
cに日本酒25cc、グルタミン酸ソーダ2.5gを溶解した溶
液をカッターミキサーに入れた上記処理中間加工魚肉に
カッターを低速で運転しながら噴霧し、直ちに高速運転
に切り換えて3分間微粒化し塩溶を促進し、ゲル化能付
加しながら熟成促進を行った。
このホッケ無晒しすり身を厚さ10mm・径100mmφに成
形し165℃の油で3分間油ちょうし天ぷらとした。冷却
した天ぷら5個を折り曲げテストした結果は、Aが3
個、Bが2個であった。
無晒すり身を使用したにもかかわらず魚臭も無く、歯
ごたえも良く美味しく食べることができた。魚肉の歩留
りが約2倍になり、栄養価の優れた新しい練り製品がで
きるようになった。
(実施例41) 実施例40で得られた無晒しホッケ冷凍中間加工魚肉16
50gを、−30℃で冷凍後1ケ月経過したものを−2〜−
5℃に解凍し、細かく砕いてカッターミキサーに入れ、
20wt%濃度の食塩溶液75gに日本酒25cc、味の素2.5gを
溶解した溶液をカッターミキサーを低速で運転しながら
噴霧し、その後直ちに高速回転に切り換え3分間運転し
て、微粒化して塩溶促進と、ゲル化能付加の熟成促進を
行った。更に、その後細かく砕いた氷50gを加えて30秒
高速運転してすり身加工処理を終えた。
このホッケ無晒すり身は実施例40のものに更に水を添
加した分だけ柔らかくなったが、厚さ10mm・径100mmφ
の成形品を成形でき、これを165℃の油で3分間ちょう
し天ぷらとした。冷却した天ぷら5個を折り曲げテスト
した結果は5個ともAであった。試食した結果は柔らか
く、しかも歯ごたえも十分にあり、無晒すり身でありな
がら魚臭もなく、美味しく食べることができた。
無晒であるので原料魚からのすり身の収率が非常に良
く、しかもすり身に水を添加する事もでき最終製品であ
る天ぷらの収率は従来の方法に比べ、著しく向上させる
ことが可能なことがわかった。従来ホッケはその魚臭か
らあまり利用されていなかったが、本発明による処理に
より有効に利用できる、しかも高収率に利用できるよう
になった。
この処理例は落とし身を一度中間加工落とし身に加工
し、冷凍保存してすり身として利用できることから、漁
期に大量に処理して冷凍保存することにより資源の有効
利用に最適である。
産業上の利用可能性 以上のように本発明は構成されているので、以下の優
れた効果を実現することができるものである。すなわ
ち、 無晒の魚介類や畜類肉に高濃度の塩類水溶液やアルカ
リ剤水溶液を添加し微粒化するので、塩溶化と同時にア
ルカリ成分と魚肉や畜類肉中の低分子栄養成分により乳
化・ゲル化能(網状構造化)を促進し、高弾性で色調の
明るいかつ退色のない高栄養価の蛋白食品素材を極めて
高い生産性でかつ高歩留りで得ることができる。
中間製品化が可能となったので、中間製品を冷凍して
運搬し、消費地で最終製品を生産でき多品種少生産性に
も適した蛋白食品素材を実現できる。
更に、得られた蛋白食品素材は従来と異なった特徴的
なゲルを形成するので保水性に優れ冷凍変性を受け難く
保存性を向上させることができる。粘稠性を自在に調整
できるとともに結着補助剤や糖類及び乳化剤、植物繊
維、動植物性油脂等の副資材を加えることにより更に粘
稠性や結着性をも自由に調整できるので各種形態に容易
に加工できるとともに、他の食品素材とも自由に加工で
き栄養価に富み、かつ自由にカロリー量等の栄養量を調
整できる蛋白食品を与えることができる蛋白食品素材の
製造方法及びその方法によって得られた蛋白食品素材及
びそれを用いた蛋白食品を実現できるものである。

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無晒しの魚介類の魚肉又は畜類肉若しくは
    鯨肉等又はこれらの混合物からなる蛋白原料100wt部
    に、3〜35wt%濃度のNaCl、KCl、CaCl2、MgCl2の1種
    以上からなる塩類水溶液を3〜22wt部を添加し、微粒化
    を行うゲル化能付与工程と、次いで、3〜25wt%濃度の
    アルカリ剤水溶液を1〜19wt部を添加し微粒化又は混練
    混和するアルカリ含浸工程と、を備えていることを特徴
    とする無晒ねり状蛋白食品素材の製造方法。
  2. 【請求項2】無晒しの魚介類の魚肉又は畜類肉若しくは
    鯨肉等又はこれらの混合物からなる蛋白原料100wt部
    に、3〜25wt%濃度のアルカリ剤水溶液を1〜19wt部を
    添加し微粒化又は混練混和するアルカリ含浸工程と、次
    いで3〜35wt%濃度のNaCl、KCl、CaCl2、MgCl2等の1
    種以上からなる塩類水溶液を3〜22wt部を加えて微粒化
    を行うゲル化能付与工程と、を備えていることを特徴と
    する無晒ねり状蛋白食品素材の製造方法。
  3. 【請求項3】アルカリ含浸工程及び/又はゲル化能付与
    工程後に、糖類、ビタミンC剤、ビタミンE剤、卵白粉
    末、酸化防止剤の1種以上を溶解した水溶液を原料精肉
    に加え微粒化又は混練混和する添加剤溶液添加工程を備
    えていることを特徴とする請求項1又は2の内いずれか
    1に記載の無晒ねり状蛋白食品素材の製造方法。
  4. 【請求項4】前記添加剤溶液添加工程後に、前記工程で
    得られた蛋白原料100wt部に対し1〜80wt部の水を加水
    混和する加水混和工程、を備えていることを特徴とする
    請求項3に記載の無晒ねり状蛋白食品素材の製造方法。
  5. 【請求項5】無晒しの魚介類の魚肉又は畜類肉若しくは
    鯨肉等又はこれらの混合物を、肉粒の粒度が0.2〜5mmに
    調整する前処理工程と、前記前処理工程で得られた1種
    または2種以上の原料精肉100wt部に対し、3〜25wt%
    濃度のアルカリ剤水溶液1〜19wt部を添加し微粒化又は
    混練混和するアルカリ液含浸工程と、糖類、ビタミンC
    剤、ビタミンE剤、卵白粉末、酸化防止剤の1種以上を
    溶解した添加剤溶液を、前記原料精肉に加え微粒化又は
    混練混和する添加剤溶液添加工程と、前記添加剤溶液添
    加工程で得られた中間加工品を凍結する凍結工程と、前
    記凍結工程で凍結された前記中間加工品を解凍又は冷凍
    粉砕する解凍・粉砕工程と、前記解凍・粉砕工程で得ら
    れた解凍・粉砕物100wt部に、3〜35wt%濃度のNaCl、K
    Cl、CaCl2、MgCl2等の1種以上からなる塩類水溶液を3
    〜22wt部添加し高塩類濃度溶液下で微粒化し蛋白原料を
    塩溶ゲル化能付与させ、ねり状肉に加工するねり状肉加
    工工程と、必要に応じて前記ねり状肉加工工程で得られ
    たねり状肉100wt部に対し、調味料や澱粉等の結着補助
    剤や必要により血漿粉末の0.05〜15wt%濃度の水溶液1
    〜80wt部を加水混和する加水混和工程と、を備えている
    ことを特徴とする無晒ねり状蛋白食品素材の製造方法。
  6. 【請求項6】無晒しの魚介類、畜類肉の夾雑物を取り除
    き難い蛋白原料100wt部に対し、水を5〜25wt部を加え
    ながら、粒度を0.2〜5mmに調整し、裏漉した後必要に応
    じて脱水する前処理工程と、前記前処理工程で得られた
    1種又は2種以上の原料精肉に、糖類、ビタミンC剤、
    ビタミンE剤、卵白粉末、酸化防止剤の1種以上を溶解
    した添加剤溶液を前記原料精肉に加え、微粒化又は混練
    混和する添加剤溶液添加工程と、前記添加剤溶液添加工
    程で得られた中間加工品の1種又は2種以上の混合物を
    凍結する凍結工程と、前記凍結工程で凍結された蛋白原
    料を解凍又は冷凍粉砕する解凍・粉砕工程と、前記解凍
    ・粉砕工程で得られた中間加工品100wt部に、3〜25wt
    %濃度のアルカリ剤水溶液1〜19wt部を加え微粒化又は
    混練混和し、更に中間加工品100wt部に対し3〜35wt%
    濃度のNaCl、KCl、CaCl2、MgCl2等の1種以上からなる
    塩類水溶液を3〜22wt部を添加し、高塩類濃度溶液下で
    微粒化しながら前記中間加工品の蛋白質を塩溶させなが
    らゲル化能を付与させるねり状肉加工工程と、必要に応
    じて、更に前記中間加工品100wt部に対し、調味料や澱
    粉等の結着補助剤や必要に応じて血漿粉末の0.05〜15wt
    %濃度の水溶液1〜80wt部を加水混和する加水混和工程
    と、を備えていることを特徴とする無晒ねり状蛋白食品
    素材の製造方法。
  7. 【請求項7】無晒しの魚介類の夾雑物を取り難い小型魚
    や高脂肪のイワシ,サンマ等の魚介類又は鮮度の低下し
    たラウンド又はドレス状の魚介類を除鱗機にかけウロコ
    を除去し、また、頭、内臓を除去し落し身処理した蛋白
    原料100wt部に対して3〜25wt%濃度のアルカリ剤水溶
    液を1〜19wt部を加え微粒化しながら、粒度を0.2〜5mm
    に調整し、次いで前記微粒化された蛋白原料を裏漉し脱
    水後、糖類、ビタミンC剤、ビタミンE剤、卵白粉末、
    酸化防止剤の1種以上を溶解した添加剤溶液を、前記蛋
    白原料に加え微粒化又は混練混和する添加剤溶液添加工
    程と、前記添加剤溶液添加工程で得られた中間加工品の
    1種又は2種以上の混合物を凍結する凍結工程と、前記
    凍結工程で凍結された前記中間加工品を解凍又は冷凍粉
    砕する解凍・粉砕工程と、前記解凍・粉砕工程で得られ
    た前記中間加工品100wt部に、3〜35wt%濃度のNaCl、K
    Cl、CaCl2、MgCl2等の1種以上からなる塩類水溶液を3
    〜22wt部添加し、高塩類濃度溶液下で微粒化しながら前
    記中間加工品の蛋白質を塩溶させつつゲル化能を付与さ
    せるねり状肉加工工程と、次いで水を前記中間加工品10
    0wt部に対し、調味料や澱粉等の結着補助剤や必要に応
    じて血漿粉末の0.05〜15wt%濃度の水溶液1〜80wt部加
    水混和する加水混和工程と、を備えていることを特徴と
    する無晒ねり状蛋白食品素材の製造方法。
  8. 【請求項8】前記アルカリ剤水溶液に溶解されたアルカ
    リ剤が、Na2CO3,K2CO3,CaCO3,NaOH,KOH,Ca(OH)2,NaHC
    O3,KHCO3,Ca(HCO32,NH4HCO3,リン酸一ナトリウム,
    リン酸ニナトリウム,リン酸三ナトリウム,ピロリン酸
    ナトリウム,ポリリン酸ナトリウム,ピロリン酸カリウ
    ム,ヘキサメタリン酸ナトリウム,メタリン酸カリウ
    ム,メタリン酸ナトリウム,ポリリン酸ナトリウム,ポ
    リリン酸カリウム,リン酸二カリウム,リン酸三カリウ
    ムの内1種又は2種以上の混合物からなることを特徴と
    する請求項1乃至5の内いずれか1に記載の無晒ねり状
    蛋白食品素材の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8の内いずれか1に記載の無
    晒ねり状蛋白食品素材の製造方法で製造されたことを特
    徴とする蛋白食品素材。
  10. 【請求項10】請求項9の蛋白食品素材に調味料、結着
    補助剤、乳化剤、機能剤、粘着補助剤、保存剤、植物繊
    維、動植物油脂の1種以上と、及び/又は、他の食品素
    材とを、混合してなることを特徴とする蛋白食品。
  11. 【請求項11】請求項9の蛋白食品素材を板状又は棒状
    に成形した成形物と、前記成形物に他の食品素材を積層
    又は巻回したことを特徴とする蛋白食品。
  12. 【請求項12】請求項9の蛋白食品素材に他の食品素材
    を混合し発泡加工して得られたことを特徴とする蛋白食
    品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004081213A (ja) * 2002-06-28 2004-03-18 Sanei Gen Ffi Inc 水産物用処理剤
JP2014050354A (ja) * 2012-09-07 2014-03-20 Wakamatsuya Kk 冷凍赤身魚を原材料とした水産練り製品

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