JP2000157184A - 食肉臭がマスキングされた食品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】食肉臭が有意にマスキングされた食品の提供。
スクラロースの食肉臭マスキング剤としての新規用途の
提供。 【解決手段】スクラロースを含有することを特徴とする
食肉臭がマスクされた食品、スクラロースを有効成分と
する食肉臭マスキング剤。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、食肉臭がマスクさ
れた食品に関する。さらに本発明は、スクラロースの食
肉製品に対する食肉臭マスキング剤としての新たな用途
に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、食肉またはその加工製品につい
て、固有の動物臭や肉臭が敬遠され、臭いの比較的少な
いものが好まれる傾向にある。このため、食肉臭をマス
クする方法が種々検討されている。

【０００３】しかし、スクラロースを用いることによっ
てかかる食肉臭マスキング効果が得られることは知られ
ていない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、食肉臭が緩
和された食品を提供すること目的とする。また、本発明
は高甘味度甘味料であるスクラロースの新たな用途を提
供することをも目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、意外にも甘味料
の一種であるスクラロースを食肉又は食肉加工食品に含
有させることで、鳥獣肉特有の臭みが有意にマスキング
されることを見いだした。本発明はかかる思わぬ知見に
基づいて完成されたものである。

【０００６】すなわち本発明は、スクラロースを含有す
ることを特徴とする、食肉臭がマスキングされた食品に
関する。更に本発明は、スクラロースを有効成分とする
食肉臭マスキング剤である。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明においてスクラロースと
は、ショ糖分子内のフルクトース残基の１、６位および
グルコース残基の４位の三つの水酸基を塩素分子で置換
した構造をしており、ショ糖の約６００倍の良質の甘味
を示す高甘味度甘味料である（英国特許第１５４３１６
７号）。

【０００８】本発明が対象とする食品には、鳥獣肉特有
の臭みを有する食品が広く包含され、例えば鳥獣肉及び
鳥獣肉を原料として製造される食肉加工品が含まれる。
鳥獣肉としては、例えば牛肉、豚肉、鶏肉をはじめとし
て、羊、ヤギ、ウマ、ウサギ、アヒル、七面鳥、鴨、鳩
等の肉が挙げられ、また食肉加工品としてはこれらの鳥
獣肉を加工して得られる食品、例えばベーコン類、ハム
類、プレスハム、ソーセージ、混合プレスハム、混合ソ
ーセージ、チルドハンバーグステーキ、チルドミートボ
ール、食肉を主原料とする缶詰及び瓶詰製品、食肉を主
原料とする冷凍製品、食肉を主原料とするレトルトパウ
チ食品等、並びにハンバーグ、焼きブタ、豚カツ、餃
子、シュウマイ等の鳥獣肉を含む総菜を挙げることがで
きる。

【０００９】本発明に係る食肉臭が緩和された食品を得
るためには、結果的に食品にスクラロースが含有されて
いればよく、スクラロースの配合の時期や順序等を問わ
ない。また、スクラロースの配合方法も特に制限され
ず、粉末や顆粒状等といった固体状のスクラロースを配
合しても、また溶液状態にしたスクラロースを配合して
もよい。

【００１０】本発明の効果を得るためのスクラロースの
食品への添加割合は、食品の種類又はそれに含まれる食
肉の種類やその量によって異なり、一概に特定できない
が、通常０．００００１〜０.１重量％、好ましくは０.
０００１〜０.１重量％の範囲から適宜選択して用いる
ことができる。なお、スクラロース自体の甘味は０.０
００６％程度以上で明瞭に感じられてくるため、甘味を
控えたい場合にはその濃度未満で使用すればよく、得ら
れる製品の総合的な味バランスを考慮しながら、任意に
調節することができる。

【００１１】本発明によれば、スクラロースの配合によ
って、各種鳥獣の肉特有の風味や臭さが有意に抑制、緩
和され、臭みがマスキングされた食品を調製することが
できる。

【００１２】更に本発明は、高甘味度甘味料であるスク
ラロースを有効成分とする食肉臭マスキング剤である。
当該マスキング剤は、少なくともスクラロースを含有す
るものであればよいが、本発明の効果を損なわないこと
を限度に、例えば防腐剤、安定化剤等といった他の食品
添加物を含んでいてもよい。

【００１３】本発明のマスキング剤は、粉末や顆粒状等
といった固体状また溶液状のいずれの形態を採っていて
も良く、これらの形態で調理用香料又は矯臭料（食肉臭
マスキング剤）として前述する食品の調理の際に用いら
れてもよいし、また前述する食品の加工調製の任意の段
階に添加配合して用いることもできる。かかるマスキン
グ剤の配合により、食肉又は食肉加工品に特有の鳥獣肉
臭さを有意にマスキングすることが可能になり、肉臭さ
の低減された食品を調理乃至は取得することができる。

【００１４】なお、当該マスキング剤の配合時期は特に
制限されない。またマスキング剤の食品への配合割合
は、前述するスクラロースの添加配合割合に基づいて適
宜選択される。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の内容を以下の実施例を用いて
具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定される
ものではない。尚、本発明において部とは、特に記載し
ない限り、重量部を意味するものとする。

【００１６】実施例１ ハンバーグ 合い挽き肉４５部、豚肉９部、ソテーした玉ねぎ１２
部、全卵５部、粒状大豆蛋白９部、カゼインナトリウム
５部、カラギナン１．５部、ローカストビーンガム０．
５部、スパイス０．３部、酵母エキス０．２部、食塩１
部、スクラロース０．００２部、水溶性食物繊維１部、
残部を水として１００部とし、これらを混合後、型で抜
き、１７０℃で片面５分ずつ焼き、嫌な畜肉臭のない、
風味の良いハンバーグを得た。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 美樹 大阪府豊中市三和町１丁目１番11号 三栄 源エフ・エフ・アイ株式会社内 Ｆターム(参考） 4B035 LC02 LG17 LK07 4B036 LC02 LF13 LH09 LK06

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スクラロースを含有することを特徴とす
   る、食肉臭がマスキングされた食品。
2. 【請求項２】スクラロースを有効成分とする食肉臭マス
   キング剤。