JP3287247B2 - 練り惣菜の製造法 - Google Patents
練り惣菜の製造法Info
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Description
らかでソフト感の良い食感と、テリ(照り)を付与する
製造法に関するものである。
ジョンを含む練り惣菜を滑らかでソフト感の良い食感に
する方法として、豆腐の混入やカルシウム塩等の二価の
金属塩の添加がある。しかし、かまぼこ的な食感の域は
脱しておらず、焼き、フライ等の調理後の表面も大豆た
ん白の強い保水力と保油力の為に乾いてテリ(照り。つ
や、光沢のこと)が無い。
れている。従来、湯葉又はその類似物の製造方法、製造
装置は数多く知られているが湯葉又は湯葉状素材を混合
した練り惣菜の食感やテリの改良については知られてい
ない。
5460公報では膜状たん白質から積層食品を製造する
方法であり、膜状たん白を食塩水浸漬、脱水を2度行
い、チップ状としたものを主原料(例えば68%)に調
味料(例えば4%)、野菜(例えば15%)、魚畜肉
(例えば4%)を加えた膜状たん白を主原料とした積層
食品の製造法である。一方、特開平4−99465公報
では粉末湯葉を含む食品材料であり、湯葉の副産物(粉
末湯葉)の経済性向上と利用(粉末湯葉を50%以上含
むせんぺい、クッキー、スープなど)に関するものであ
る。
のエマルジョンを含む練り惣菜は粘弾性あるかまぼこ的
食感を特長として持ち、又表面が乾くとテリ(つや、光
沢)が低下し外観評価が低下する特徴がある。更にハン
バーグ等の食肉練り惣菜も、つなぎの多少にもよるが生
地の粒状物を小さくする程、上記のかまぼこ的食感の増
大と乾いた表面のテリの低下が現れる。これらの食感を
かまぼこ的から滑らかでソフト感の良い食感へ改変出来
れば、そして更にテリの向上が出来れば練り惣菜の品質
向上と消費者受容度の向上が見込まれ当食品産業に寄与
することが出来る。
有練り生地に湯葉又は湯葉状素材を混合し成形、加熱す
ることを特徴とする練り惣菜の製造法であり、その湯葉
又は湯葉状素材を最終生地中に1〜30%、好ましくは
8〜15%を含むこと及び、それによる滑らかでソフト
感の良い食感と、表面に露出することによるテリのある
表面で、フライ、焼き等の調理後や、その凍結の後もテ
リを保つことができる、といった好ましい様態も含むも
のである。
での用語を定義する。湯葉(ゆば)は日本の伝統的大豆
加工食品であり公知でもあり、油皮、豆腐皮とも言わ
れ、豆乳に食用黄粉を少し加えて煮立て上面に生じた、
たん白膜である薄皮を引上げ金網などにのせ炭火で徐々
に乾燥したもの、及びこれに類するもので、たん白質に
富む食品。大豆たん白は大豆、脱脂大豆から得られる大
豆たん白質を高濃度(例えば乾物当たり50%以上)含
む大豆たん白質含有素材。エマルジョンは乳化物とも言
い、大豆たん白質水和物の中に油滴が散在して大豆たん
白質の乳化力により安定な状態のものを言い、又その状
態を保ったままで乾燥(例えば噴霧乾燥)したエマルジ
ョン粉末も含める。惣菜とは煮物、焼物、揚物、蒸し
物、酢の物及びあえ物などで通常、副食物として供され
る食品は全て含まれる。練り惣菜は材料を、良くすり潰
しこれに調味料、補強料、その他の材料を加えて練
(ね)ったものを、蒸し煮、あぶり煮、湯煮、油揚げ、
くん煙等の加熱操作によって製品とした食品(例えば、
魚肉練り製品では、むしかまぼこ、焼ちくわ、はんぺ
ん、あげかまぼこ、魚肉ソーセージ等及び各これらの類
似物)を指す。食肉とは、牛肉、豚肉、めん羊肉、山羊
肉、家と肉又は家きん肉を言う。食肉製品の中にハンバ
ーグ(ハンバーガーパティ、ハンバーグステーキ)、ミ
ートボール、ソーセージ類、ベーコン類、ハム類、など
があるが、本発明での食肉練り惣菜としては上記の前3
者即ちハンバーグ類、ミートボール類、ソーセージ類な
どを指すものとする。これらの定義はJAS(日本農林
規格)に明示されており省略するが、例としてハンバー
グとは食肉(前記の範囲)をひき肉にしたもの又はこれ
に魚肉を細切し若しくはすりつぶしたもの、若しくは肉
様の組織を有する植物性たん白を加えたものに、玉ねぎ
その他の野菜をみじん切りしたもの、つなぎ、調味料、
香辛料、結着補強剤、保存料等を加え又は加えないで練
り合わせた後、だ円形状等に成形し、食用油脂で揚げ、
ばい焼し若しくは蒸煮したもの又はこれにソースを加え
たものである。
とは、1.大豆たん白と油脂からなるエマルジョンを膜
状に成形しマイクロ波を連続又は断続照射し、たん白質
の変性、凝固、薄膜化(厚さ0.1〜2mm、巾と長さは
任意)し加熱、殺菌、乾燥した単層又は多積層の製品、
2.上記と同様の処理で膜状に成形し、マイクロ波以外
の方法(常圧又は減圧加熱乾燥、凍結乾燥、赤外線乾燥
等)で以下、1と同様に処理した単層又は多積層の製
品、3.丸大豆又は大豆たん白から加熱、調製した豆乳
を凍結変性で層状に組織化した水不溶物で任意の大きさ
の製品、などを指す。
らなるエマルジョン若しくはエマルジョン粉末を含む練
り惣菜に湯葉を練り込むことにより、大豆たん白エマル
ジョンのかまぼこ的食感の中に湯葉の滑らかな食感が発
現し滑らかでソフト感の良い食感となる(新規性、有用
性)。また、湯葉が存在することにより惣菜の表面に湯
葉が現れ、フライ、焼き等の調理後も表面の湯葉がテリ
を保っている為に、テリのある表面となる(意外な進歩
性、有用性)。
大豆たん白と油脂、或いはこれに食肉を含むつなぎを調
製し、ミキサーで食肉、野菜、つなぎ、湯葉を混合して
生地を調製する。この時の湯葉の大きさはサイレントカ
ッターによって細断され、好みにより調整するが大約1
〜5mm径の不定形とすることが多い。この生地をハンバ
ーグ、ミートボール等に成形して焼成すると、滑らかで
ソフト感の良い食感で、テリのある表面となる。この食
感、テリは凍結しても失うことは無い。この際の湯葉の
使用量は、生地中に1%〜30%(生湯葉又は水戻しし
た干し湯葉。水分55〜70%程度)の使用量で効果が
ある。好ましくは8%〜15%の使用量が効果的であ
る。1%以下の使用量では食感改良、表面のテリに効果
が認められず、30%以上の使用では、食感、テリの効
果は充分あるが、生地が柔らかくなり、その成形が行い
難くなってくる。上記の湯葉は乾燥品を用いても良いこ
とは勿論である。
多く(例えば20%以上)含む練り惣菜はかまぼこ的な
弾力のある食感であるが、湯葉を練り込むことにより、
かまぼこ的食感が無くなり滑らかでソフト感の良い食感
となるとともに、テリのある表面となる。また、大豆た
ん白質の強い保水力、保油力の為に、調理後の表面は乾
いておりテリが無いが、湯葉を混合すると湯葉自体のテ
リとツヤの効果が現れ、テリのある表面となる。
して即ち、膜状或いは層状に組織化した大豆たん白製品
でも同様の効果がある。膜状或いは層状に組織化した大
豆たん白製品とは、前記の様に、大豆たん白と油脂から
なるエマルジョンを膜状に成形しマイクロ波又はその他
の方法で加熱、変性、凝固、乾燥した単層又は多積層の
製品、或は丸大豆又は大豆たん白から加熱、調製した豆
乳を凍結変性で層状に組織化した水不溶物の製品、など
である。これらの膜状或いは層状の組織化物を大豆たん
白と油脂からなるエマルジョンを含む練り惣菜に練り込
むことによっても滑らかでソフト感の良い食感となる。
テリについては、湯葉の効果より、やや小さい。これら
の湯葉状素材の使用割合や、乾燥物も用い得ることは前
記の湯葉の場合と同様である。
的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例にその
技術範囲が限定されるものではない。
量部(以下、部と記す)、水20部、大豆油5部をサイ
レントカッターでカッティングしエマルジョンを調製し
た。このエマルジョンに鶏ムネ肉9部と混合、カッティ
ングし食塩0.7部を加え、塩ずりし、つなぎを得た。
ミキサーに湯葉10部と玉ねぎ20部、粒状大豆たん白
5部、豚脂7部、調味料2部、さらにつなぎ39.7部
を投入し混合し、パン粉5部、澱粉2部を加え生地を得
た。この生地を成形し焼成して大豆たん白と油脂からな
るエマルジョンを含む練り惣菜を調製した。次に、比較
例1について述べる。実施例1の配合で湯葉10部に代
えて粒状大豆たん白を用いる他は実施例1と同様の方法
で処理し練り惣菜を調製した。これらの配合(重量部と
重量%)を表1に示し、焼成後の練り惣菜の官能評価の
結果を表2に示した。使用した湯葉は中国製の凍結湯葉
で、水戻し後使用した。水戻し後の湯葉の水分は約60
%、たん白質20%、脂質15%、厚み約0.5mmであ
った。(また、湯葉を成形した際に出る切れ端の湯葉も
使用可能である。)粉末状大豆たん白は不二製油株式会
社製のニユーフジプロSEでたん白質91%であり、粒
状大豆たん白は不二製油株式会社製のベジテックス−7
100を1.5倍の水で戻したものであった。
法(5点良い、4点やや良い、3点普通、2点やや悪
い、1点悪い)で行い、その平均値を採った結果を表2
に示した。なお、食感評価(ソフト感)は、5点固い、
4点やや固い、3点良い、2点やや柔らかい、1点柔ら
かい、で評価した。
が明らかに良く、また食感は滑らかでソフト感が良く喉
通りが優れていた。
1と同じ湯葉を用いて表3に示す配合で実施例2、3、
4、5、比較例2の練り惣菜を調製した。比較例2との
配合差は、実施例2は湯葉15部(15.7%)を上乗
せしたものであり、同様に実施例3は湯葉35部(3
0.3%)を、実施例4は湯葉7部(8.0%)を、実
施例5は湯葉1部(1.2%)を、各々、重量部を上乗
せしたものであり、( )内は湯葉の重量%である。
でも示した。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 原材料 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 比較例2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 粉末状大豆たん白 5 5 5 5 5 水 20 20 20 20 20 大豆油 5 5 5 5 5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 鶏ムネ肉 9 9 9 9 9 食塩 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 湯葉 15(15.7%) 35(30.3%) 7(8.0%) 1(1.2%) 0(0%) 玉ねぎ 20 20 20 20 20 粒状大豆たん白 5 5 5 5 5 豚脂 7 7 7 7 7 調味料 2 2 2 2 2 パン粉 5 5 5 5 5 澱粉 2 2 2 2 2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
法(前記の実施例1、比較例1と同じ)で行い、その平
均値を採った結果を表4に示した。
て外観(テリ)が明らかに良く、また食感は滑らかでソ
フト感が良く喉通りが優れていた。一方、実施例2、
3、4、5の4者間では、上記の外観評価、食感評価の
評点の様に良好な中でも実施例2が最も優れ、次いで実
施例4、実施例3、実施例5の順であった。
を前記の実施例1〜5と同様の処理で練り惣菜を調製し
た。ここで実施例1、比較例1は再度、調製し官能評価
の尺度を調整するためでもある。比較例1に対し、実施
例6は層状大豆たん白製品を10重量部加えたものであ
り、実施例1は既に前記の様に湯葉10部を加えたもの
である。使用した粉末状大豆たん白、湯葉は前記の実施
例1〜5に用いたものと同じである。また、この実施例
6に用いた層状大豆たん白製品は大豆たん白と油脂から
なるエマルジョンを膜状に成形し、マイクロ波を連続的
に照射し、たん白質を変性、凝固、薄膜化した膜状の組
織化物である。水戻しして使用したが厚み1mm、水分約
70%であった。
る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 原材料 実施例6 実施例1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 粉末状大豆たん白 5 5 水 20 20 大豆油 5 5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 鶏ムネ肉 9 9 食塩 0.7 0.7 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 層状大豆たん白製品 10(11.0) 0 湯葉 0 10(11.0) 玉ねぎ 20 20 粒状大豆たん白 5 5 豚脂 7 7 調味料 2 2 パン粉 5 5 澱粉 2 2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
法(前記の実施例1、比較例1と同じ)で行い、その平
均値を採った結果を表6に示した。
り優れていたが、実施例1より若干劣っていたことよ
り、層状大豆たん白製品の外観(テリ)を良好にする効
果はあるものの湯葉より劣ることが判った。一方、食感
評価では、層状大豆たん白製品も湯葉と同様に滑らかさ
とソフト感を付与する効果が大きいことが判った。
惣菜での実施例について述べる。実施例1と同じ湯葉と
処方を用いて表7に示す配合で実施例7、比較例3の食
肉惣菜を調製した。
でも示した。 ───────────────────────────────── 原材料 実施例7 比較例3 ───────────────────────────────── 鶏ムネ肉 30 30 牛肉 10 10 食塩 0.8 0.8 ───────────────────────────────── 湯葉 10(10.5%) 0 玉ねぎ 20 20 粒状大豆たん白 5 15 豚脂 10 10 調味料 2 2 パン粉 5 5 澱粉 2 2 ───────────────────────────────── 計 94.8 94.8
ネラー5名に5点評価法(前記の実施例1、比較例1と
同じ)で行い、その平均値を採った結果を表8に示し
た。
り優れていた。また、食感評価も実施例7は滑らかでソ
フトであった。
感を滑らかでソフト感の良い食感に改質、改良出来、併
せて表面のテリも向上させることが出来た。
Claims (2)
- 【請求項1】大豆たん白の水和物又は大豆たん白水和物
と油脂からなるエマルジョンに湯葉を練り込むことを特
徴とする練り惣菜の製造法。 - 【請求項2】練り惣菜がハンバーグ、ミートボール等の
食肉練り惣菜である請求項1記載の練り惣菜の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34120196A JP3287247B2 (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 練り惣菜の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34120196A JP3287247B2 (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 練り惣菜の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10179098A JPH10179098A (ja) | 1998-07-07 |
JP3287247B2 true JP3287247B2 (ja) | 2002-06-04 |
Family
ID=18344160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34120196A Expired - Lifetime JP3287247B2 (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | 練り惣菜の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3287247B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4254537B2 (ja) * | 2001-07-25 | 2009-04-15 | 不二製油株式会社 | 冷凍ゆばの製造法 |
JP2017212930A (ja) * | 2016-05-31 | 2017-12-07 | 日清オイリオグループ株式会社 | 澱粉含有畜肉加工食品 |
JP7080573B2 (ja) * | 2020-12-23 | 2022-06-06 | 日清オイリオグループ株式会社 | 澱粉含有畜肉加工食品の澱粉によるゴム様の弾力感の減少方法 |
-
1996
- 1996-12-20 JP JP34120196A patent/JP3287247B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10179098A (ja) | 1998-07-07 |
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