JP2023002914A - 植物性蛋白を含んでなる肉類代替食品 - Google Patents

植物性蛋白を含んでなる肉類代替食品 Download PDF

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龍太 坂口
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Abstract

【課題】本発明の課題は、植物由来の蛋白材料を用いて、肉のような繊維感を有する成形食品を開発することである。【解決手段】本発明によって得られる成形食品は、植物性蛋白の非膨化押出成形物100質量部に対して結着材0.05~20質量部を含んでおり、肉様の繊維感を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、植物性蛋白を含んでなり、肉のような繊維感を有する肉類代替食品に関する。特に本発明は、植物性蛋白の非膨化押出成形物を含んでなる成形食品に関する。
加工食品の分野において、大豆蛋白などの植物性蛋白が広く利用されており、近年では、生活習慣病予防などの健康への配慮から、積極的に利用される傾向にある。植物性蛋白は、「植物性たん白の日本農林規格」としてJAS規格に規定されており、植物性蛋白の原材料は、大豆等の採油用の種実若しくはその脱脂物又は小麦等の穀類の粉末(例えば、大豆粉、脱脂大豆粉、小麦粉、小麦グルテンなど)とされている。
植物性蛋白は、その性状に基づいて、粉末状植物性蛋白、ペースト状植物性蛋白、粒状植物性蛋白、繊維状植物性蛋白などに分類される。中でも、粒状大豆蛋白は、挽肉加工食品に、肉粒感の付与、肉汁の流出抑制、加熱歩留り向上などの目的のため使用されてきた。
例えば、特許文献1には、大豆蛋白を膨化して得られた組織状蛋白を用いることによって加工食品にジューシー感を付与することが記載されている。また、特許文献2には、粒状大豆蛋白を用いて加工食品に肉のような食感を付与することが記載されている。
特開2003-235461号公報 特開2018-126094号公報
従来、植物性素材によって挽肉に近い食感を加工食品に付与するため、粒状大豆蛋白が挽肉代替素材として用いられることがある。しかし、粒状大豆蛋白を配合して得られた加工食品は、挽肉の食感とは異なる部分があり、特に、肉の筋線維に由来する繊維感を感じにくいものであった。
また、大豆蛋白などの植物性蛋白については、それを膨化させずに、冷却しながら押し出すことによって組織化させた非膨化押出成形物が知られている(特願平8-178967号公報など)。しかし、植物性蛋白の非膨化押出成形物は、一般に冷却ダイから棒状に押し出されるため、冷却ダイの口径サイズ以上の大きさにしたり、複雑な形状にしたりすることは難しく、例えば、トリの一枚肉や魚の切り身など、一定以上の大きさで複雑な形状の塊状の肉などを再現することは難しかった。
このような状況に鑑み、本発明の課題は、植物由来の蛋白材料を用いて、肉のような繊維感を有する成形食品を製造する技術を開発することである。
上記課題について鋭意検討したところ、植物性蛋白の非膨化押出成形物と結着材の混合物を成形することによって、肉のような繊維感を有する肉類代替食品が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
これに限定されるものではないが、本発明は、下記の発明を包含する。
[1] 植物性蛋白の非膨化押出成形物100質量部と結着材0.05~20質量部を含んでなる成形食品。
[2] 前記結着材が、卵白粉および/または分離大豆蛋白を含む、[1]に記載の成形食品。
[3] 前記植物性蛋白が、大豆由来の植物蛋白である、[1]または[2]に記載の成形食品。
[4] 前記成形食品が加熱処理済である、[1]~[3]のいずれかに記載の成形食品。
[5] 1cm以上の厚さを有する、[1]~[4]のいずれかに記載の成形食品。
[6] 植物性蛋白の非膨化押出成形物100質量部に対して結着材0.05~20質量部を混合する工程と、得られた混合物を成形する工程と、を備える、成形食品の製造方法。
[7] 混合物を成形した後に加熱処理する工程をさらに備える、[6]に記載の方法。
本発明によれば、植物由来の蛋白材料によって、肉のような繊維感を有する成形食品を得ることができる。本発明によれば、種々の形状を有する成形食品を製造することができ、例えば、塊状の肉のような外観を有する肉類代替食品を得ることができる。
実験1で調理(湯せん)したサラダチキン様食品の外観写真である。 実験3で調理(焼成)した魚の切り身様食品の外観写真である。 実験4で調理(油ちょう)したトリのから揚げ様食品の外観写真である。
本発明は、植物性蛋白を含んでなる肉類代替食品に関する。本発明においては、植物性蛋白を原料とした非膨化押出成形物を結着材と混合して成形することにより、肉のような優れた繊維感を有する加工食品を得ることができる。従来、代替素材として使用されてきた粒状大豆蛋白素材は、膨化されているためスポンジ状の内部構造を有しているのに対し、本発明に係る非膨化押出成形物は、押出成形によって一つの方向に配向した層状構造を有している。このような配向した層状構造によって肉の筋繊維のような食感が実現され、また、肉のようなしっかりとしたかみ応えを実現することができる。また、従来の畜肉を原料とした成形食品(成形肉)は、筋線維が破断された屑肉を原料としているため繊維感が感じにくいものであったが、これと比べても本発明の成形食品は繊維感が感じられる食感となっている。
本発明に係る非膨化押出成形物は、好ましい態様において水分率が30~80質量%であり、40~75質量%や50~70質量%であってもよい。このような水分率であると、肉のような硬さとかみ応えを実現しやすく、より肉のような繊維感を感じやすい。非膨化押出成形物の水分率は、押出成形する際に水を添加して調整することができ、また、醤油などの調味料、着色料など含む水溶液などを用いて水分率を調整することもできる。
本発明にかかる非膨化押出成形物は、植物性蛋白に、必要に応じて澱粉類や多糖類などを添加して二軸押出機などを用いて、膨化しないように押出すことによって製造することができる。
前記非膨化押出成形物は、原料全体の蛋白質含有量が、固形分中の50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上や70質量%以上とすることもできる。蛋白質含有量が少なすぎると、押出成形によって一方向に配向した層状構造を実現しにくくなる場合がある。本発明に用いる植物性蛋白は、大豆、小麦、菜種、エンドウ豆、ソラ豆、ひよこ豆、緑豆などの植物に由来する蛋白を好適に使用することができ、植物性蛋白は、酵素などによって処理されていてもよい。また、1種類の植物性蛋白を使用してもよいし、複数の植物性蛋白を使用してもよい。大豆由来の蛋白としては、例えば、脱脂大豆粉、含脂大豆粉、分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、豆乳粉末などを原料として使用することができ、分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、脱脂大豆粉が特に好ましい。
前記非膨化押出成形物は、澱粉類や多糖類、食用油脂、食物繊維、色素、調味料、香料、乳化剤、有機酸類、塩類、ビタミン類などの副材料を含有していてもよく、これら副材料は、1種のみを単独で用いることもでき、2種以上を使用してもよい。澱粉類としては、例えば、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、コーンスターチ、またこれらの加工澱粉などが挙げられ、多糖類としては、例えば、プルラン、アラビアガム、グァーガム、キサンタンガム、ジェランガム、ヘミセルロースなどを挙げることができる。
本発明においては、植物性蛋白を膨化させずに押し出すことができれば、公知の押出成形機を制限なく使用することができる。好ましい態様において、本発明に係る非膨化押出成形物は、冷却できるようなダイを有する押出機を用いて成形することができる。例えば、二軸の押出機を使用する場合、バレルの加熱温度はバレル前半部の温度が40~120℃、バレル後半部の温度が100~180℃になるように調整することができ、段階的に昇温することが好ましい。また、圧力は、冷却ダイ直前の圧力が0~50kg/cmとなるように調整することができ、35kg/cm以下や20kg/cm以下であることが好ましい。スクリューは、ニーディングディスク、リバースエレメントなどを適宜組み合わせて使用することができる。好ましい態様において押出機は、原材料供給口、バレル内をスクリューにおいて原材料を送り、混合、圧縮、温度調整機構を有し、さらに先端バレルに装着されたダイを有する。
冷却条件は押出した際に膨化しないような条件を適宜設定すればよいが、冷却ダイから押し出された直後の押出成形物の温度が90℃以下となるように冷却すると好ましく、70℃以下や50℃以下となるように冷却することもできる。冷却ダイは水冷などによって冷却することができ、冷却水の温度、流量などは押出機のサイズや種類、原料処理量などにより適宜調整することができる。また、使用する冷却ダイの大きさに特に制限はなく、流路長や内径は押出機のサイズや種類、原料処理量などにより適宜調整することができる。植物性蛋白を膨化しないよう押出成形することによって、一方向に配向した層状構造が形成され、肉のような繊維感が感じられることになる。
非膨化押出成形物は、殺菌などのためにレトルト殺菌などの加熱処理をしてもよく、また、保管などのために冷蔵・冷凍してもよい。植物性蛋白の非膨化押出成形物は、包装容器に収容して保管してもよく、真空包装やガス置換包装などを行うこともできる。包装容器としては、例えば、トレー状、パック状、カップ状、袋状などの形態が挙げられ、紙、樹脂、金属など適宜素材を選択すればよい。また、缶詰や瓶詰にしてもよい。
本発明においては、植物性蛋白の非膨化押出成形物を加工食品に含有させることで、肉のような繊維感を食品に付与することができる。本発明によれば、加工食品の食感をより改良することが可能であり、加工食品に含有させることで、肉特有の食感により近い食感を加工食品に付与することができる。本発明においては、肉を含有する加工食品に使用して肉のような繊維感を増強することもできるし、また、肉を含有しない加工食品に使用して肉のような繊維感を加工食品に付与することもできる。
本発明において植物性蛋白の非膨化押出成形物の大きさは、本発明の効果が得られれば特に制限はない。植物性蛋白の非膨化押出成形物の大きさは、食品の種類に応じて適宜調整することができるが、結着材と混合しやすいことから、例えば、0.3~10cmや0.5~5cmの大きさにしてから結着材と混合することが好ましい。ここで、植物性蛋白の非膨化押出成形物の大きさは、最もサイズが大きい部分(長辺)の長さを意味し、スケールなどを用いて測定することができる。植物性蛋白の非膨化押出成形物は、非膨化押出成形物の層状構造を剥離させながら切断して所望の大きさに調整することが好ましく、大きさの調整は、手で割いてもよく、例えば、フードプロセッサー、サイレントカッター、ミンサー、ダイサー、粉砕機、裁断機、畜肉用ほぐし機などの公知の装置を用いてもよい。層状構造を有する非膨化押出成形物の層と層をはがしながら、非膨化押出成形物の大きさを調整することによって、肉のような繊維感を食品に好適に付与することが可能になり、また肉のようなほぐれ感も付与することができる。
結着材
本発明においては、植物性蛋白の非膨化押出成形物100質量部に対して結着材0.05~20質量部を使用する。結着材は、植物性蛋白の非膨化押出成形物を結着させて成形食品を製造することができれば特に制限はないが、例えば、卵白粉、全卵粉、植物蛋白、乳蛋白、ゼラチン、寒天、澱粉、増粘多糖類、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トランスグルタミナーゼなどを使用することができ、植物蛋白としては分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、豆乳粉末、脱脂大豆粉、含脂大豆粉、グルテンなど、澱粉としては、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカスターチ、サゴ澱粉、小麦澱粉、それらの加工澱粉など、増粘多糖類としては、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アルギン酸などを挙げることができる。また、これらを2種以上組み合わせて使用することもできる。好適な例としては、卵白粉および/または分離大豆蛋白を挙げることができる。また、植物性の結着材を使用すれば、ビーガンやベジタリアンなどに適した成形食品とすることができる。
一般に、植物性蛋白の非膨化押出成形物は、冷却ダイから押し出して成形されるため、冷却ダイの口径サイズ以上の大きさにしたり、複雑な形状にしたりすることは難しく、例えば、トリの一枚肉や魚の切り身など、一定以上の大きさを有し、複雑な形状がある塊状の肉などを再現することは難しかった。ところが本発明によれば、植物性蛋白の非膨化押出成形物を結着材と混合してから成形することによって、一定以上の大きさを有する肉の形状を再現することが容易になった。
結着材の使用量は、植物性蛋白の非膨化押出成形物100質量部に対して0.05~20質量部である。結着材が卵白粉および/または分離大豆蛋白である場合、1~20質量部が好ましく、2~16質量部がより好ましく、3~12質量部がさらに好ましい。結着材がトランスグルタミナーゼである場合、0.05~10質量部が好ましく、0.07~8質量部がより好ましく、0.1~5質量部がさらに好ましい。結着材の使用量が多くなりすぎると、肉様の繊維感が低下することがあるためである。
また、本発明において結着材は、粉末状のものを植物性蛋白の非膨化押出成形物と混合してもよく、結着材を水や調味液に分散させて植物性蛋白の非膨化押出成形物と混合してもよく、また、結着材を水や油と混合してカード状にしてから植物性蛋白の非膨化押出成形物と混合してもよい。好ましくは、粉末状のものを混合する方法、カード状にして混合する方法である。また、例えば、カード状のものと植物性蛋白の非膨化押出成形物を混合した後にさらに粉末状のものを混合するなど、2種以上の混合方法を組み合わせることもできる。混合方法は特に制限されず、公知の装置などを用いて混合することができる。
成形食品
本発明に係る成形食品は、上述のようにして植物性蛋白の非膨化押出成形物と結着材を混合した後、それを所望の形状に成形して製造する。非膨化押出成形物と結着材を混合する前に、非膨化押出成形物を調味料で調味してから、混合することもできる。また、非膨化押出成形物以外の材料を適宜混合することもでき、例えば、非膨化押出成形物の0.1~10質量倍の粒状大豆蛋白と混合して成形することもできる。粒状大豆蛋白の量は、非膨化押出成形物の0.15~5質量倍や、0.2~3質量倍とすることもできる。一つの態様において、本発明は、ある程度の大きさを有する肉様の成形食品である。ここで、本発明における肉とは、ウシ、ブタ、トリなどの肉だけでなく、魚介類の肉をも包含する。すなわち、本発明における肉は、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマなどの哺乳類;ニワトリ、カモなどの鳥類;アジ、イワシ、マグロ、サケ、エビ、カニ、ホタテ、イカ、タコなどの魚介類などの可食性部分を含む概念である。本発明によれば、ステーキや魚の切り身、トリの一枚肉など、ある程度の大きさを有する肉と同様の食感と外観を備えた成形食品を製造することが可能である。一つの態様において本発明に係る成形食品は、厚みが0.5cm以上であることが好ましく、1cm以上であることがより好ましく、1.5cm以上や2cm以上とすることもできる。また、一つの態様において本発明に係る成形食品は、最も長い部分の長さが4cm以上であることが好ましく、6cm以上であることがより好ましく、8cm以上であることがさらに好ましい。
本発明に係る植物性蛋白の非膨化押出成形物を配合した成形食品は、成形後に適宜、加熱調理を行うことができる。加熱調理の方法は特に限定されないが、例えば、焼き、蒸し、湯せん、煮込み、油ちょう、燻製、電子レンジ調理、レトルト調理などを挙げることができる。
本発明に係る植物性蛋白の非膨化押出成形物は冷凍耐性を備えており、成形ないし加熱調理後の成形食品を冷凍して保管してもよい。本発明によって得られた成形食品は、喫食の際に肉のような繊維感が感じられ、外観も良好である。
一つの態様において、本発明は、植物性蛋白の非膨化押出成形物を配合して加工された成形食品を含む食品である。
本発明においては、発明の効果を損ねない範囲内で、水、油脂、野菜、果物、海藻類、調味料、香辛料、増粘剤、ゲル化剤、澱粉類、糖質、食物繊維、着色料、香料、その他の植物性・動物性蛋白などを食品に配合してよい。野菜としては、例えば、タマネギ、ニンジン、ピーマンなどが挙げられ、調味料としては、例えば、ニンニク、ショウガ、トウガラシ、コショウ、醤油、味噌、コンソメなどが挙げられる。
また、必要に応じて、本発明に係る成形食品に、パン粉やバッター液などの衣をつけたり、包餡食品用皮やベーカリー生地などで包んだりすることで、目的とする食品を製造することもできる。ここで、衣、包餡食品用皮、ベーカリー生地としては、例えば、小麦粉、ソバ粉、トウモロコシ粉などの穀粉類や、澱粉類を用いて調製されたものが挙げられる。
本発明を具体例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。なお、特に記載しない限り、本明細書において濃度などは質量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験1:サラダチキン様食品の製造と評価
大豆蛋白の非膨化押出成形物(ベジタリアンブッチャージャパン社、No chicken chunks、水分率:約68%)を2~5cmの大きさに手でほぐしてから、調味料を揉みこんだ(水分率:約68%、大きさ:2~5cm)。調味料としては、非膨化押出成形物100質量部に対して、砂糖1.5質量部、塩1質量部、コンソメ1.5質量部、おろしにんにく0.2質量部、酵母エキス0.2質量部を使用した。
次いで、大豆蛋白の非膨化押出成形物を下表に示す配合で結着材と混合した。混合物をサラダチキン状の大きさ(10cm×5cm、厚さ:約2cm)に成形し、それを樹脂製の袋に入れて密封した上で、沸騰した湯中で約15分間湯せんした。なお、結着材としては、卵白粉(サンキララSHG、太陽化学)、分離大豆蛋白(昭和フレッシュM-600、昭和産業)、α化澱粉(SF-α、昭和産業)、トランスグルタミナーゼ(アクティバTG-B、味の素)の粉末を使用した。
湯せん後に室温まで放冷し、訓練された5名のパネルによって、食感および外観を官能評価した。評価は、下記の基準に基づいて合議により決定した。
■外観
3(非常に良好):欠けが全くなく、全体がひとまとまりになっており、肉に非常に近い外観である
2(良好) :やや欠けがみられるが、おおむね全体がひとまとまりになっており、肉に近い外観である
1(悪い) :欠けがあり、全体がまとまっておらず、肉とは異なる外観である
■食感(肉のような繊維感)
4(非常に良好):トリの一枚肉に非常に近い食感で、繊維感が強い
3(良好) :トリの一枚肉に近い食感で、繊維感がある
2(やや良好) :トリの一枚肉とはやや食感が異なるが、繊維感がやや感じられる
1(非常に悪い):トリの一枚肉とは明らかに食感が異なる
Figure 2023002914000001
本発明によって、肉のような繊維感を有する成形食品を製造することができた。また、本発明の成形食品は、サラダチキンのような外観を有しており、好ましいものであった(図1)。なお、結着材をまったく使用しないと、大豆蛋白の非膨化押出成形物を塊状にまとめた成形食品を製造することができなかった。
実験2:魚の切り身様食品の製造と評価
大豆蛋白の非膨化押出成形物(ベジタリアンブッチャージャパン社、No chicken chunks、水分率:約68%)を0.5~2cmの大きさに手でほぐしてから、表2に記載の調味液に1時間浸漬した(水分率:約80%、大きさ:0.5~2cm)。粒状大豆蛋白(大豆蛋白を膨化処理して得られる組織状蛋白素材、ソイバリューHA-10、昭和産業)は等量の水に15分浸漬して水戻しした後、表2に記載の調味液に1時間浸漬した(水分率:70%、大きさ:0.5~1.5cm)。
次いで、大豆蛋白の非膨化押出成形物および粒状大豆蛋白を下表に示す配合で結着材と混合し、魚の切り身状の大きさに成形した(10cm×4cm、厚さ:約1.5cm)。成形した食品を袋に入れて密封した上で、沸騰した湯中で約15分間湯せんした。なお、結着材としては、卵白粉(サンキララSHG、太陽化学)または分離大豆蛋白(昭和フレッシュM-600、昭和産業)の粉末を使用した。
湯せん後に室温まで放冷し、訓練された5名のパネルによって、食感および外観を官能評価した。評価は、下記の基準に基づいて合議により決定した。
Figure 2023002914000002
■外観
3(非常に良好):欠けが全くなく、全体がひとまとまりになっており、魚の切り身に非常に近い外観である
2(良好) :やや欠けがみられるが、おおむね全体がひとまとまりになっており、魚の切り身に近い外観である
1(悪い) :欠けがあり、全体がまとまっておらず、魚の切り身とは異なる
■食感(ほぐれ感と繊維感)
4(非常に良好):魚の切り身に非常に近い食感で、適度なほぐれ感と繊維感がある
3(良好) :魚の切り身に近い食感で、ややほぐれ感と繊維感がある
2(やや良好) :やや魚の練り物のような食感があり、わずかにほぐれ感と繊維感がある
1(悪い) :魚の練り物のような食感である
Figure 2023002914000003
本発明によって魚の切り身状の成形食品を製造したところ、魚の切り身に近い食感を有しており、外観も良好なものとなった。一方、従来から肉類代替食品に用いられてきた粒状大豆蛋白のみを使用した試験例2-4は、外観および食感のいずれも、魚の切り身のような成形食品とはならなかった。
実験3:魚の切り身様食品の製造と評価
大豆蛋白の非膨化押出成形物(ベジタリアンブッチャージャパン社、No chicken chunks、水分率:約68%)を0.5~2cmの大きさに手でほぐしてから、調味液に1時間浸漬した(水分率:約80%、大きさ:0.5~2cm)。粒状大豆蛋白(ソイバリューHA-10、昭和産業)は等量の水に15分浸漬して水戻しした後、調味液に1時間浸漬した(水分率:70%、大きさ:0.5~1.5cm)。
また、結着材(分離大豆蛋白、昭和フレッシュM-600、昭和産業)、植物油(昭和サラダ油、昭和産業)、調味液を下表に示す配合で、フードプロセッサーにて混合し、結着用カード(curd)を得た。次いで、大豆蛋白の非膨化押出成形物を結着用カードと混合し、魚の切り身状の大きさに成形した(10cm×4cm、厚さ:約1.5cm)。なお、本実験においては、実験2と同じ調味液を使用した。
成形した食品をフライパンで焼成し、訓練された5名のパネルによって、食感および外観を官能評価した。評価は、下記の基準に基づいて合議により決定した。
■外観
3(非常に良好):欠けが全くなく、全体がひとまとまりになっており、魚の切り身に非常に近い外観である
2(良好) :やや欠けがみられるが、おおむね全体がひとまとまりになっており、魚の切り身に近い外観である
1(悪い) :欠けがあり、全体がまとまっておらず、魚の切り身とは異なる
■食感(ほぐれ感と繊維感)
4(非常に良好):魚の切り身に非常に近い食感で、適度なほぐれ感と繊維感がある
3(良好) :魚の切り身に近い食感で、ややほぐれ感と繊維感がある
2(やや良好) :やや魚の練り物のような食感があり、わずかにほぐれ感と繊維感がある
1(悪い) :魚の練り物のような食感である
Figure 2023002914000004
本発明によって魚の切り身状の成形食品を製造したところ、焼き魚に近い食感を有していた。また、食品の外観も魚の切り身に近いものであり、良好であった(図2)。一方、従来から肉類代替食品に用いられてきた粒状大豆蛋白のみを使用した試験例3-9は、外観および食感のいずれも、魚の切り身のような成形食品とはならなかった。
実験4:トリのから揚げ様食品の製造と評価
大豆蛋白の非膨化押出成形物(ベジタリアンブッチャージャパン社、No chicken chunks、水分率:約68%)を0.5~2cmの大きさに手でほぐしてから、調味液(水200質量部、醤油20質量部、日本酒10質量部、砂糖10質量部、食塩1質量部)に1時間浸漬した(水分率:約80%、大きさ:0.5~2cm)。粒状大豆蛋白(ソイバリューHA-10、昭和産業)は等量の水に15分浸漬して水戻しした後、調味液に1時間浸漬した(水分率:70%、大きさ:0.5~1.5cm)。
また、結着材(分離大豆蛋白、昭和フレッシュM-600、昭和産業)、植物油(昭和サラダ油、昭和産業)、水を下表に示す配合で、フードプロセッサーにて混合し、結着用カード(curd)を得た。次いで、大豆蛋白の非膨化押出成形物と粒状大豆蛋白を結着用カードと混合し、トリの切り身状に成形した(3cm×3cm、厚さ:約3cm)。
成形した食品にから揚げ用バッター(市販のから揚げ粉を水にといたもの)をつけて、170℃で4分間油ちょうした。訓練された5名のパネルによって、食感および外観を官能評価した。評価は、下記の基準に基づいて合議により決定した。
■外観
3(非常に良好):欠けが全くなく、全体がひとまとまりになっており、肉に非常に近い外観である
2(良好) :やや欠けがみられるが、おおむね全体がひとまとまりになっており、肉に近い外観である
1(悪い) :欠けがあり、全体がまとまっておらず、肉とは異なる
■食感(ほぐれ感と繊維感)
4(非常に良好):トリのから揚げに非常に近い食感で、適度なほぐれ感と繊維感がある
3(良好) :トリのから揚げに近い食感で、ややほぐれ感と繊維感がある
2(やや良好) :やや練り物のような食感があり、わずかにほぐれ感と繊維感がある
1(悪い) :練り物のような食感である
Figure 2023002914000005
本発明によってトリのから揚げ様食品を製造したところ、トリのから揚げに近い食感を有していた。また、食品の外観もトリのから揚げに近いものであり、良好であった(図3)。試験例4-2~4-7のように、非膨化押出成形物以外の材料(粒状大豆蛋白)と組み合わせて成形食品を製造した場合でも、外観および食感が良好な成形食品を得ることができた。さらに、粒状大豆蛋白を組み合わせたことで、ジューシー感が向上した。

Claims (7)

  1. 植物性蛋白の非膨化押出成形物100質量部と結着材0.05~20質量部を含んでなる成形食品。
  2. 前記結着材が、卵白粉および/または分離大豆蛋白を含む、請求項1に記載の成形食品。
  3. 前記植物性蛋白が、大豆由来の植物蛋白である、請求項1または2に記載の成形食品。
  4. 前記成形食品が加熱処理済である、請求項1~3のいずれかに記載の成形食品。
  5. 1cm以上の厚さを有する、請求項1~4のいずれかに記載の成形食品。
  6. 植物性蛋白の非膨化押出成形物100質量部に対して結着材0.05~20質量部を混合する工程と、得られた混合物を成形する工程と、を備える、成形食品の製造方法。
  7. 混合物を成形した後に加熱処理する工程をさらに備える、請求項6に記載の方法。
JP2021103761A 2021-06-23 2021-06-23 植物性蛋白を含んでなる肉類代替食品 Pending JP2023002914A (ja)

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