JP3731547B2 - 組織状蛋白及びこれを用いた加工食品の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、凍結し解凍した後も作り立てと同様のジューシー感を有する加工食品及びこの加工食品に用いる組織状蛋白に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
共働き、核家族化といった更なる社会環境の変化に伴ない、調理済加工食品のニーズは年々高まっており、食肉を主原料とする加工食肉製品又は調理済惣菜の食卓での利用が盛んになっている。
美味しさへの追求が高まっているにもかかわらず、調理済み加工食品は作り立ての美味しさを提供出来ていないのが現状である。特に、食肉の作り立てのジューシー感が求められるハンバーグ、ミートボール、餃子、しゅうまい、中華まん等はメーカーにて加熱調理された後、冷蔵や冷凍等の流通後、家庭等で再加熱して食す際、作り立てのジューシー感は感じられないという問題点がある。
これを解決するために、これまで様々な取組みがなされてきたが、十分な解決には至っていない。
【0003】
例えば、特開平11−103826号公報では、ジューシー感付与のためMPC(ミルクプロテインコンセントレート)を用いており、ジューシー感付与効果は認められるものの、風味的に強い乳臭を感じ不良であった。
また、特開2001−118号公報では、ジューシー感付与のため、ハイドロコロイド、油、水を乳化させたのち、加熱し、切断したものを生地に加えるという煩雑な工程が必要で作業性が悪く問題であるばかりか、ジューシー感付与効果が十分ではなかった。
【0004】
ところで、従来より、植物性蛋白原料等を加熱加圧下で押し出して組織状大豆蛋白を製造することが行われてきた。そして、このように製造された組織状大豆蛋白をハンバーグ、ミートボール、餃子、しゅうまいなどの様々な加工食肉製品に肉の代替品として利用し、これら加工食肉製品の品質を向上させることが広く行われてきた(肉粒感付与、歩留り向上、ソフト感付与など)。しかしながら、ジューシー感を付与させるには至っていなかった。
これら組織状大豆蛋白と本発明の組織状蛋白との違いは以下の通りである。
【0005】
まず、大豆蛋白(特に脱脂大豆)を水系下に加圧加熱して押し出して膨化させて製造した組織状大豆蛋白は膨化が本発明の組織状蛋白に比べて小さく、湯戻し後の食感も荒くごわごわした感じでソフトでかつジューシーな食感に欠けるものである。
また、大豆蛋白に澱粉を加えて同様に押し出した組織状大豆蛋白は膨化は大きく湯戻し後の吸水も大きいが、凍結し解凍するとベチャベチャした粘性を感じる食感になり、本発明の加工食品のようなソフトでかつジューシーな食感になりにくい。
また、大豆蛋白に小麦蛋白及び必要により澱粉を併用して同様に押し出して得られる組織状大豆蛋白は、押し出し条件によっては膨化を大きくすることもできるが、湯戻しし、ハンバーグに用いた場合、凍結し解凍した後の食感は本発明の組織状蛋白より堅固でしっかりしており、ソフトでかつジューシーな食感を得るには至らなかった。
また、大豆蛋白とWPC(乳ホエー蛋白)を併用して同様に押し出して得られる組織状大豆蛋白は膨化が抑えられ、組織もしっかりしており、本発明のように吸水がよくないので、そのまま使用してもハンバーグなどの調理加工食品に用いた場合、ソフトでかつジューシーな食感となるに足らず、多糖類をハンバーグ原料に併用するなどの工夫が必要である。
また、大豆蛋白とカゼインを原料に用いて水系下に加圧加熱して押し出して組織状蛋白を製造する従来技術として以下が知られているが、油脂が必須用件であり、本発明とは目的が異なり、大豆蛋白とカゼインを併用しても油脂を用いると膨化が抑制されて、得られる組織状大豆蛋白は吸水が低く、目的のソフトでかつジューシーな食感にはなりにくい。
【0006】
例えば、特開昭63−192348号公報には、レンネットカゼインに油脂及び乳化剤としての大豆蛋白を用いて押し出し機にて繊維状組織を有する食品を製造する方法が開示されている。しかし、大豆蛋白は乳化剤として少量用いられているに過ぎず、得られる繊維状組織を有する食品も膨化したものではない。
また、特開平5−244877号公報には、大豆蛋白と油脂とカゼインを併用し、油分の量が多くなった場合であっても、組織化された組織状蛋白食品を得るものであるが、膨化が小さく本発明より吸水が低いため、加工食品に用いた場合にソフトでかつジューシーな食感を与えるには不十分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、加工食品が冷凍後、流通過程を経たのち、喫食時に再加熱を行っても、作り立てのジューシー感を提供出来ることを目的とする。そして、かかるジューシー感を与える組織状蛋白を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、大豆蛋白、カゼイン及び水を必須とし、必要により澱粉類を加熱加圧し大気中に押し出して膨化させて得た組織状蛋白を加工食品に用いることで、冷凍にて流通した後も、再加熱時に作り立てと同様のジューシー感を有する加工食品を提供出来ることを見出して本発明を完成したものである。
即ち、本発明は、大豆蛋白、カゼイン及び水を加熱加圧し大気中に押し出して膨化してなる組織状蛋白である。
該組織状蛋白原料中の大豆蛋白/カゼインの割合が98/2〜35/65(乾燥固形重量比)であることが好ましい。
澱粉類を用い、該組織状蛋白原料中の澱粉含量が60重量%以下(原料乾燥固形分中)が好ましい。
該組織状蛋白の吸水能が5〜12重量倍であることが好ましい。
該組織状蛋白原料乾燥固形分中の油分は3重量%以下が好ましい。
又、本発明は、上記記載の組織状蛋白と加工食品原料を混合し成形し加熱調理した後凍結することを特徴とする加工食品の製造法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の組織状蛋白について説明する。
【0010】
本発明に用いる大豆蛋白としては、脱脂大豆、豆乳粉末、分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白等、及びそれらの混合物からなる群から選ぶことが出来るが、風味の観点から、特に分離大豆蛋白を用いることが好ましい。全脂大豆も用いることができるが、油分が乾燥固形分で20重量%前後存在するので、後述するように加熱加圧して押し出す前の原料中の油分が3重量%以下とすることが肝要である。
大豆蛋白の種類により異なるが、本発明において、該組織状蛋白原料中の大豆蛋白の量は98〜35重量%、好ましくは98〜45重量%(乾燥固形重量比)が適当である。
【0011】
本発明に用いるカゼインとしては、市販のカゼインを用いることが出来る。例えば、カゼインナトリウム(或いはナトリウムカゼイネイト)、レンネットカゼインなどが好ましく、酸カゼインは中和して用いることができる。即ち、アルカリ金属塩のかたちで中和されたものが好適である。
本発明に用いるカゼインは以下の乳成分に比べカゼイン蛋白質の含有量が多く、通常粗蛋白質含有率が90重量%以上、好ましくは95重量%以上が適当である。特に、ナトリウムカゼイネイトが好適である。
ところで一般に乳から乳脂を分離して噴霧乾燥したものを脱脂粉乳といい、これはカゼイン、ホエー蛋白、ホエー糖類を併含するものである。この脱脂粉乳からホエー糖類などの低分子画分を除いたものがMPC(ミルクプロテインコンセントレート)であり、カゼインとホエー蛋白を併含するものである。また、脱脂粉乳から酸沈殿やレンネット凝固沈殿させてカゼインを分離することができ、残りのホエーからホエー糖類を分離除去したものがWPC(ホエー蛋白濃縮物)である。上記脱脂粉乳、MPC、WPC等の乳成分はカゼイン以外の成分を含み、カゼイン蛋白質の含有率が低く、ナトリウムカゼイネートのようなアルカリ金属塩のかたちをとっていないので、本発明の目的達成には効果が極めて少ないものである。
【0012】
本発明のように大豆蛋白とカゼインを併用して水系下に加圧加熱して押し出すと膨化が促進されるが、大豆蛋白と脱脂粉乳の併用では膨化が劣り、強い乳臭が加工食品の種類によっては邪魔になる。大豆蛋白とMPCの併用も同様に強い乳臭が感じられて加工食品の種類によっては邪魔になる。大豆蛋白とWPCの併用ではなおさら膨化が抑制される傾向にある。以上のように膨化が抑制され吸水率が低いと加工食品に用いた場合にソフトでかつジューシーな食感にはなりにくい。
本発明において、該組織状蛋白原料中のカゼインの量は2〜65、好ましくは2〜55(乾燥固形重量比)が適当である。
【0013】
本発明に用いる水の量は特に限定しないが、目的の組織状蛋白が十分に膨化するように押出機を運転しながら調節することができる。
【0014】
また、本発明は油脂を添加しないことが好ましい。もし、油脂を添加する場合でも、油分の高い原料を用いる場合でも加圧加熱して押し出して膨化させる前の原料の油分が乾燥固形分換算で3重量%以下、好ましくは2重量%以下、より好ましくは1重量%以下とすることが適当である。
大豆蛋白とカゼインを主原料として他の原料を用いる場合でも得られる組織状蛋白の膨化を促進させるために油分が低いことが必要である。
油分の高い原料を押出機で押し出すと膨化が抑制されて、得られる組織状蛋白の吸水能が小さくなり加工食品に用いてもソフトでかつジューシーな食感にすることは困難になる。
【0015】
本発明の組織状蛋白の製造において、大豆蛋白及びカゼインに、必要により澱粉類を併用することが好ましい。
澱粉類を使用するとコストダウン効果が期待できるが、その添加量が多すぎると、該組織状蛋白を加工食品に用いて凍結して解凍した場合に、ベチャベチャしたような粘性的食感が発現する(ソフト感はあるがジューシーでない)ので好ましくない。
従って、本発明において、該組織状蛋白原料中の澱粉類の含量が大豆蛋白の蛋白質の含量よりも高い場合には60重量%(乾燥固形重量%)以下、通常の大豆蛋白を用いる場合でも好ましくは30重量%(乾燥固形重量%)以下であるのが適当である。
上記以外の含量の場合は、澱粉の特徴が顕著に現われてベチャベチャし不良な食感になりやすく好ましくない。本発明の目的を達成する為には、澱粉類は必ずしも必要ではないが、より安価に目的を達成するという観点から、配合するのが好ましい。
【0016】
本発明において、澱粉類としては、例えば、甘藷、じゃがいも、玉蜀黍、タピオカ、米、大麦、オーツ、ライ麦、燕麦、蕎麦、トウモロコシ、小麦、キャッサバ等やこれらの未精製およびこれら由来の澱粉等、及びそれらのα化、ばい焼、加水分解等の処理を行った加工澱粉類、澱粉誘導体、アルカリ澱粉、分画澱粉、物理処理澱粉等、並びにその混合物からなる群から選ぶことが出来る。
【0017】
大豆蛋白の種類やカゼインの種類により蛋白質含有量は異なるが、本発明において、該組織状蛋白原料中の大豆蛋白/カゼインの割合は98/2〜35/65(乾燥固形重量比)、好ましくは98/2〜45/55(乾燥固形重量比)が適当である(必ずしも蛋白質の割合ではなく、蛋白原料の割合である。)。
上記以外の割合の場合は、ソフトでかつジューシーな食感にはならず、上記範囲内でソフトでかつジューシーな食感を付与する効果が高い。
カゼインの割合が少なく大豆蛋白の割合が多いと、得られる組織状蛋白の膨化が十分でないばかりか、組織が強く加工食品に用いた場合にジューシー感が得られないばかりでなく、食感がごわごわして加工食品のソフトな食感と不適な場合がある。
また、カゼインの割合が多過ぎ大豆蛋白の割合が少な過ぎると、得られる組織状蛋白の膨化が抑制されて、吸水能が小さくなる。すなわち、該組織状蛋白を加工食品に用いた場合、ソフトでかつジューシーな食感を付与する効果が得られない。これはカゼインが熱溶融性蛋白であり加圧して膨化することが抑制されるためである。
【0018】
以上が主成分であるが、必要により大豆蛋白以外やカゼイン以外の蛋白や、蛋白以外の原料を併用することも出来る。例えば、動物・微生物由来の蛋白、油糧種子、あるいは穀物種子由来の蛋白あるいはその混合物からなる群から選ぶことが出来る。澱粉以外の炭水化物、多糖類、ガム質などを併用することも可能である。
【0019】
本発明において加圧加熱し大気中に押し出す装置としては公知の装置を利用することができるが、押出機(エクストルーダー)が適当である。
本発明に用いる押出機としては、公知の押出機が使用出来、効果確認等の為には一軸押出機でも良いが、安定した膨化と吐出を得るためには、二軸以上の軸を有する押出機を用いる方が好ましい。
即ち、原料の油分が1重量%以下であれば大豆蛋白とカゼインの併用により得られる組織状蛋白は1軸押し出し機でも膨化しソフトでかつジューシーな食感を持つことができるが、油分が1重量%を超えると1軸押出機では膨化が抑制され目的のジューシー感を持つに十分ではなくなる。2軸押出機を用いると油分が3重量%以下までなら目的のソフトでかつジューシーな食感を付与するのに十分な膨化を起こすことができる。従い、2軸以上の多軸押出機が好ましい。
押出機は、原料供給口、バレル内をスクリューにおいて原料送り、混合、圧縮、加熱機構を有し、更に先端バレルに装着されたダイを有するものであれば利用出来る。バレルはジャケットを有していても有していなくても良く、これにより加熱するしないはあるいは冷却するしないは自由である。
【0020】
該組織状蛋白の組織化条件は、目的とする組織状蛋白に応じて実験的に定めることが出来る。
具体的には、組織化に用いる水は、エクストルーダーに供給された原料や添加水等からなる生地の中に含まれる水分が15〜50重量%、好ましくは20〜45重量%が適当である。この水分範囲で目的の膨化した組織状蛋白を得ることが出来る。
また、本発明の組織化温度は、先端バレル温度140℃〜190℃、より好ましくは150℃〜185℃に加熱し、5〜50kg/cm2に加圧して押し出すのが適当である。
【0021】
以上のようにして得られた組織状蛋白は、カッターもしくは粉砕機等で適当な大きさに切断することが出来る。この組織状蛋白は、挽き肉を用いる加工食品、例えばハンバーグなどに用いる場合は、挽き肉の大きさに粒度を調整することが好ましい。この組織状蛋白は、乾燥して用いることができるが、この場合には、ドラム乾燥法、流動層乾燥法、棚式乾燥法、凍結乾燥法等を用いることが出来る。
【0022】
次に、膨化について説明する。膨化の適当な指標として吸水能で表現するのが適当である。即ち、膨化が大きいほど吸水能が大きく、加工食品に用いた場合ソフトでかつジューシーな食感を付与する効果が大きいからである。
吸水能は、以下のようにして測定し、実施例においても同様にして測定した。
【0023】
(吸水能の測定方法)
30gの評価用サンプルを500mlビーカーにとり、450gの25℃の水を加え、10分放置後、30メッシュ(目開き500μm)の篩いを用い、1分間ざるで水きりした後の篩い上の組織化物水戻し品の重量(W)を測定し、吸水倍率(X)を下記数式により算出した。
【数1】
X=(W−30)/30
【0024】
以上のようにして得られる本組織状蛋白は、組織化物の重量に対して吸水能は5〜12重量倍(25℃・10分・15重量倍加水で戻し、ザルで1分間水切り)で水分が15重量%以下であることが好ましい。吸水能が5重量倍未満だとソフトでかつジューシーな食感を充分に付与できない。また、吸水能は12重量倍を超えても良いが、12重量倍を超える組織化物を得ることは通常困難である。
【0025】
次に、本発明の加工食品は、前述した組織状蛋白と加工食品原料を混合し成形し加熱調理した後凍結することにより製造される。
組織状蛋白は加工食品原料の水分が極めて多い場合は水戻しは必ずしも必要ではないが、通常吸水能以下の範囲で水戻しして用いることが適当である。水の代わりに調味液のような水性溶媒を用いることは妨げない。
混合は公知の装置を利用することができ、必要により混練することができる。成形は目的の加工食品により異なるが、公知の成形装置を利用することができる。加熱調理は目的の加工食品により適宜行うことができる。冷凍は公知の冷凍装置を用いることができ、緩慢凍結より急速凍結が好ましい。
【0026】
具体的に本発明の組織状蛋白を利用した加工食品について説明する。加工食品は、冷凍食品であって、解凍したときに冷凍前と同様のジューシー感を要求される食品であれば特に限定するものではない。本発明の組織状蛋白を含んで、その加工食品原料と混合或いは必要により混練して、成形し、好適には加熱調理し、冷凍した加工食品であれば動物性、植物性を問わない。
尚、組織状蛋白の加工食品への添加量は、加工食品の種類により異なるが、水で戻した組織状蛋白を加工食品の原料を用いて調製した生地に対して5〜80重量%、好ましくは10〜60重量%が適当である。加工食品の種類にもよるが、水で戻した組織状蛋白の添加量が少ないと目的のジューシー感が発現しがたく、多過ぎると加工食品の特性が失われる。
【0027】
植物性加工食品としては、例えば、本発明の組織状蛋白と豆腐を混合し必要により調味し加熱して凍結したり、本発明の組織状蛋白と大豆蛋白のアルカリ土類金属或いは豆腐用ニガリで凝固したいわゆる豆腐カードを混合或いは混練し加熱調理し冷凍したりすること等により得ることができる。
【0028】
動物性加工食品のより具体的な例として、挽き肉等を用い調製する惣菜があるが、これらの例としてはハンバーグ、ミートボール、餃子、しゅうまい、中華まん、チキンナゲット、ソーセージ等を挙げることができる。例えば、ハンバーグの製造法を例示する。あらかじめ吸水能以内の加水量で戻した組織状蛋白を挽き肉等と混合し使用することが可能である。組織状蛋白の加水については、水戻しも可能であるが、必要に応じて、醤油・酒類・食塩・香辛料・エキス類・糖類・油脂類・卵等を加えた着味液を用いても良い。又、組織状蛋白は吸水能に応じた加水量で戻して使用しても良いが、生地中の水分含量や加熱時の水分移行などを考慮し、吸水能以下の加水量で戻して使用しても良い。また、作業性を重視する場合などはそのまま組織状蛋白を乾燥状態で添加しても良い。まず、挽き肉をミキサー等で攪拌し、順に組織状蛋白、卵、生クリーム、調味料、野菜、澱粉、パン粉等を加え、混合し生地を作成する。その後、成形し、中心温度が80℃以上になるよう加熱処理を行う。加熱処理については、焼成、蒸煮、フライ等が可能である。加熱調理した加工食品は冷凍する。
【0029】
本発明の加工食品は冷凍した後、解凍して再加熱などをして食しても、作り立てと同様のソフトでかつジューシーな食感を付与する効果に特徴がある。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明の実施態様を説明するが、例示は当然単なる説明であって、発想思想の内包・外延とは直接関係の無いものである。なお、以降「重量%」は「%」と記載する。
【0031】
(エクストルーダー原料説明)
本発明の実施例で用いた原料は、下記の通りである。
・脱脂大豆粉は不二製油(株)製を用いた。
(成分 蛋白質/無水換算55%、水分6%)
・粉末状大豆蛋白は不二製油社(株)製「フジプロ−R」を用いた。
(成分 蛋白質/無水換算91%、水分6%)
・カゼインNaはMURRAY GOULBURN FOOD社製「ソデイウムカゼイネート」を用いた。 (成分 蛋白質/無水換算95%、水分4%)
・MPCは、ミルコート社製「MPC-UF80」を用いた。
(成分 蛋白質/無水換算84%、水分4%)
・WPCはCALPRO社製「カルプロWPC8002」を用いた。
(成分 蛋白質/無水換算78.8%、水分4.4%)
・小麦グルテンはグリコ栄養食品(株)製「A−グルSS」を用いた。
(成分 蛋白質/無水換算77.5%、水分5%)
・澱粉は三和澱粉(株)製「コーンスターチ」を用いた。
(成分 蛋白質/無水換算 0%、水分13%)
・食用植物油脂は不二製油(株)製「大豆白絞油」を用いた。
(成分 蛋白質/無水換算 0%、水分0%)
【0032】
(押出機による組織化物の作製)
組織化物を押出機で下記条件により作製した。
原料は、粉体攪拌器等で均一混合し、水と共に押出機(幸和工業製KEI45-25)の原料に供した。運転条件は下記表1の通りであった。
押出機から出てきた組織化物は、カッターで長さ10mm程度になる様に切断した後、粉砕機にて下記粒度となるよう粗粉砕した後、乾燥機にて水分10%まで乾燥させた。
【0033】
【表1】
−押出機運転条件−
【0034】
−組織化物の評価方法−
『組織化物の単品系での評価法』
(吸水能測定は詳細な説明の項で述べた。)
【0035】
(食感、風味の評価条件)
組織化物水戻し品は、組織化物に、各々の吸水能に応じた量(例えば吸水能が3重量倍であれば、組織化物1重量部に対し3重量部)の25℃の水を加え、完全に組織化物が吸水するよう10分以上放置することにより作製した。得られた組織化物水戻し品は、10名の専門パネラーにより10点法で、食感、風味について試食評価を行った。食感については、もっとも柔らかい(ソフト)ものを10点とし、硬く感じられるものほど、点数を低くした。風味については、無味無臭のものを10点とし、大豆や乳等の風味が感じられるほど点数を低くした。
【0036】
『組織化物の複合系(加工食品の系)での評価法』
組織化物を加工食品(例えばハンバーグ、ミートボール、餃子)に用いた場合の効果について、各実施例に記載の各生地の配合を用い、下記加熱調理条件にて、評価を実施した。なお、生地の配合中に用いる組織化物水戻し品は、組織化物に、各々の吸水能に応じた量の25℃の水を加え、完全に組織化物が吸水するよう10分以上放置することにより作製した。
【0037】
−ハンバーグ生地の加熱調理条件−
ハンバーグ生地は、1個100gとなるよう成形後、オーブンで200℃8分焼成を行いハンバーグを得た。生地の成形の際、成形性について作業者が評価を行い、成形しやすいものを10点、成形しにくいものほど点数を低くした。
【0038】
−ミートボール生地の加熱調理条件−
ミートボール生地は、1個15gとなるよう成形後、175℃の油で30秒フライ後、85℃10分間蒸煮を行いミートボールを得た。生地の成形の際、成形性について作業者が評価を行い、成形しやすいものを10点、成形しにくいものほど点数を低くした。
【0039】
−餃子生地の加熱調理条件−
餃子生地は、1個20gとなるよう餃子の皮で包餡後、175℃の油で30秒フライ後、90℃10分間蒸煮を行い餃子を得た。生地の成形の際、成形性について作業者が評価を行い、成形しやすいものを10点、成形しにくいものほど点数を低くした。
【0040】
−ハンバーグ、ミートボール、餃子の評価方法−
得られた餃子は冷凍を行った後、フライパンを用いて加熱を行い、10名の専門パネラーにより10点法により、食感、風味について試食評価を行った。点数は10点が最も良好である。食感については、最もジューシー感があるものを10点とし、ジューシー感が少なくなりパサつきを強く感じられるほど点数を低くした。食感については、もっとも柔らかい(ソフト)ものを10点とし、硬く感じられるものほど、点数を低くした。風味については、肉の旨みがあるものを10点とし、他の味が強く感じられるほど低くした。
【0041】
−実施例中の加工食品No.のつけ方−
H:ハンバーグ、M:ミートボール、G:餃子
※H1、H2は、ハンバーグの系で各々組織化物A1、A2(表2)を用いて作ったもの。
※H1▲1▼において▲1▼は組織化物を使っているが、加水量の違いで▲1▼、▲2▼に区別した。
※H0は、組織化物を使用しなかったもの。
を表している。
【0042】
実施例1
(実施例1−A)
下記表2の各原料配合を押出機に供し、各組織化物を得た。得られた各組織化物について、「組織化物の単品系での評価」を実施した。
【0043】
【表2】
──────────────────
組織化物No. A1 A2
──────────────────
(原料配合(%))
脱脂大豆 100 85
カゼインNa − 15
──────────────────
(評価)
吸水能(倍) 3.1 6.0
ソフト感(点) 4.3 7.2
風味 (点) 2.9 5.4
──────────────────
【0044】
(実施例1−B)
豚挽き肉21.0g、牛ひき肉23.0g、豚脂3.5g、玉ねぎ20.0g、凍結全卵2.5g、生クリーム2.5g、赤パン粉5.0g、調味料2.0g及び香辛料0.5gに、表3の通り実施例1−Aで得られた各組織化物と水を配合してハンバーグ生地100gを調製し、「組織化物の複合系(ハンバーグ)での評価」を実施した。
【0045】
【表3】
【0046】
実施例1−Aおよび1−Bで示したように、組織化物A2は組織化物A1と比較し、ソフト感・風味に優れた食品素材であった。また、加工食品H2▲1▼は加工食品H1▲1▼と比較し、加工食品の作り立てのソフト感があり、ジューシー感を冷凍再加熱後も十分に維持出来るという機能性を有した優れた加工食品であった。このように、組織化物A2は、加工食品に用いた場合に、加工食品の作り立てのソフト感があり、ジューシー感を冷凍再加熱後も十分に維持出来る機能を有する組織状蛋白であった。加工食品H0▲1▼は、組織化物を使用していないものであるが、冷凍再加熱後ジューシー感を殆ど感じなかった。従来の脱脂大豆主体の組織化物A1を用いた加工食品H1▲1▼では、冷凍再加熱後にジューシー感を殆ど感じなかったのに対し、組織化物A2を用いた加工食品H2▲1▼では、冷凍再加熱後もジューシーであった理由が、大豆蛋白原料とカゼイン蛋白原料の併用ということでなく、単に水が多いからなのかもしれないと考え、加工食品H0▲2▼を作製した。加工食品H0▲2▼は、単純に水だけをハンバーグ生地中に添加したものであり、加工食品H1▲2▼は、組織化物A1を、組織化物A2の吸水能に準じた量の水で戻し、生地中に添加したものである。実施例1−Bに示したように、加工食品H0▲1▼のように単純に水を増量しただけでは、焼成前の生地が柔らかすぎて成形性が悪く問題であり、ジューシー感も加工食品H1▲1▼同様殆ど感じず不良であった。また、加工食品H0▲2▼も同様に吸水能を超えた水の量で組織化物を戻しているので生地が柔らかく成形性が悪く問題であり、ソフト感はあるものの、ジューシー感は加工食品H1▲1▼と同程度で不良であった。
このように、単に水を加えただけや吸水能を超えた水量で水戻しした組織化物は、ソフト感はあるものの、ジューシー感付与効果には繋がらない結果となった。高吸水能(好ましくは5倍以上)を有し、該吸水能に応じた水量を保持した組織化物を用いることで、ソフト感があり、ジューシー感を保持させることが出来ると考えられた。
従って、このような組織化物のうちで、ハンバーグに用いて、ハンバーグを冷凍した後解凍しても、冷凍前と同様のジューシー感をもたらす組織化物を組織状蛋白とした(以下の実施例においても同様である。)。
【0047】
実施例2
(実施例2−A)
表4の各原料配合を押出機に供し、各組織化物を得た。
得られた各組織化物について、「組織化物の単品での評価」を実施した。
【0048】
【表4】
─────────────────────────────
組織化物No A1 A2 A3 A4 A5 A6
─────────────────────────────
(原料配合(%))
脱脂大豆 100 85 − − − −
粉末状大豆蛋白 − − 100 85 81 77
カゼインNa − 15 − 15 14 13
食用植物油脂 − − − − 5 10
─────────────────────────────
(評価)
吸水能(倍) 3.1 6.0 4.9 7.1 4.9 2.7
ソフト感(点) 4.3 7.2 5.0 9.5 5.1 2.6
風味 (点) 2.9 5.4 6.7 9.5 9.5 9.5
─────────────────────────────
【0049】
(実施例2−B)
豚挽き肉21.0g、牛ひき肉23.0g、豚脂3.5g、玉ねぎ20.0g、凍結全卵2.5g、生クリーム2.5g、赤パン粉5.0g、調味料2.0g及び香辛料0.5gに、実施例2−Aで得られた各組織化物と水を配合してハンバーグ生地100gを調製し、「組織化物の複合系(ハンバーグ)での評価」を実施した。
【0050】
【表5】
【0051】
実施例2−Aおよび2−Bで示したように、やはり吸水能とソフト感、ジューシー感は関連があり、吸水能が高いほどジューシー感付与効果が高い傾向があった。組織化物A1、A3、加工食品H1▲1▼、H3▲1▼で示したように、大豆蛋白原料を脱脂大豆でなく、粉末状大豆蛋白を用いることで、風味は良くなったが、ジューシー感付与効果については、殆ど向上しなかった。しかし、組織化物A2、A4、加工食品H2▲1▼、H4▲1▼で示したようにカゼインNaを併用した場合、風味は更に良くなり、ソフト感、ジューシー感は飛躍的に向上した。なお、組織化物A5、A6、加工食品H5▲1▼、H6▲1▼で示したように、油を添加した場合、組織化物の膨化が阻害され、油の添加量が多くなるにつれ、吸水能、ジューシー感付与効果は低下し、油を10%添加した組織化物A6は、従来技術レベルである組織化物A1に近いレベルとなり不良であった。
【0052】
実施例3
以下は原料配合の比較であり、比較例が含まれる。
(実施例3−A)
表6の各原料配合を押出機に供し、各組織化物を得た。得られた各組織化物について、「組織化物の単品での評価」を実施した。
【0053】
【表6】
────────────────────────────
組織化物No. A7 A8 A9 A10 A11 A12
────────────────────────────
(原料配合(%))
粉末状大豆蛋白 85 85 85 68 80 −
小麦グルテン 15 − − − − −
WPC − 15 − − − −
MPC − − 15 − − −
カゼインNa − − − 12 − 100
澱粉 − − − 20 20 −
────────────────────────────
(評価)
吸水能(倍) 2.1 2.0 4.8 9.4 4.9 0.8
ソフト感(点) 4.6 5.0 7.1 9.8 7.1 2.9
風味 (点) 1.3 7.4 3.4 9.5 8.2 1.4
────────────────────────────
【0054】
(実施例3−B)
豚挽き肉21.0g、牛ひき肉23.0g、豚脂3.5g、玉ねぎ20.0g、凍結全卵2.5g、生クリーム2.5g、赤パン粉5.0g、調味料2.0g及び香辛料0.5gに、実施例3−Aで得られた各組織化物と水を配合してハンバーグ生地100gを調製し、「組織化物の複合系(ハンバーグ)での評価」を実施した。
【0055】
【表7】
【0056】
組織化物A7、A8、加工食品H7▲1▼、H8▲1▼で示したように小麦グルテンやWPCを利用すると吸水能の低い結果となり、ソフト感が無く、冷凍再加熱後のジューシー感も付与されなかった。また、組織化物A9、加工食品H9▲1▼で示したようにMPCを利用すると、ソフト感、ジューシー感はやや付与されたが、風味は強い乳臭を感じ好ましくなかった。また、カゼインNaを併用せずに澱粉を利用した組織化物A11、加工食品H11▲1▼は、ソフト感はあるものの、ジューシー感は十分に保持できなかった。一方、組織化物A10、加工食品H10▲1▼、で示したように、カゼインNaを利用すれば、澱粉を配合してもジューシー感は十分に保持出来るものであった。組織化物A12、加工食品H12▲1▼で示したように、大豆蛋白原料を用いずカゼインNaのみで試作を行ったが、殆ど組識にならずキャラメル状となり、風味は乳臭がして不良であり、ハンバーグでのソフト感、ジューシー感は得られなかった。
【0057】
実施例4
(実施例4−A)
下記の各原料配合を押出機に供し、各組織化物を得た。
得られた各組織化物について、「組織化物の単品での評価」を実施した。
【0058】
【表8】
──────────────────────────────
組織化物No. A3 A13 A4 A14 A15 A16
──────────────────────────────
(原料配合(%))
粉末状大豆蛋白 100 95 85 60 40 15
カゼインNa − 5 15 40 60 85
──────────────────────────────
吸水能 (倍) 4.9 6.8 7.1 7.4 6.0 3.1
ソフト感(点) 5.0 9.6 9.5 9.4 6.0 3.7
風味 (点) 6.7 9.0 9.5 8.5 5.4 2.1
──────────────────────────────
【0059】
(実施例4−B)
豚挽き肉21.0g、牛ひき肉23.0g、豚脂3.5g、玉ねぎ20.0g、凍結全卵2.5g、生クリーム2.5g、赤パン粉5.0g、調味料2.0g及び香辛料0.5gに、実施例4−Aで得られた各組織化物と水を表9の通り配合してハンバーグ生地100gを調製し、「組織化物の複合系(ハンバーグ)での評価」を実施した。
【0060】
【表9】
【0061】
組織化物A13、A4、A14が吸水能も高く、加工食品H13▲1▼、H4▲1▼、H14▲1▼で冷凍再加熱後もジューシー感、ソフト感もあり良好であった。カゼインNa無添加組織化物A3使用の加工食品H3▲1▼は、ジューシー感、ソフト感が少なかった。また、カゼインNaの添加を15%から40%に上げるとわずかではあるが乳臭が感じられた。カゼインNaの添加を組織化物A15の60%まで添加すると、吸水能は比較的高いがやや乳臭が感じられ、加工食品H15▲1▼は、ソフト感、ジューシー感がやや減少する傾向が見られた。カゼインNaの添加を組織化物A16のように85%と多くすると膨化しにくくなり吸水能も低く、乳臭を感じ不良となり、また、加工食品H16▲1▼ではソフト感、ジューシー感が少なくなってしまった。本結果より、ソフトでかつジューシーな食感を付与する効果を発揮する為には、粉末状大豆蛋白/カゼインNaの比率が98/2〜35/65、好ましくは98/2〜45/55、更に好ましくは93/7〜70/30であることが判った。
【0062】
実施例5
(実施例5−A)
下記の各原料配合を押出機に供し、各組織化物を得た。
得られた各組織化物について、「組織化物の単品での評価」を実施した。
【0063】
【表10】
────────────────────────────
組織化物No. A4 A17 A10 A18 A19
────────────────────────────
(原料配合(%))
粉末状大豆蛋白 85 77 68 51 17
カゼインNa 15 13 12 9 3
澱粉 − 10 20 40 80
────────────────────────────
吸水能 (倍) 7.1 8.0 9.4 7.5 4.5
ソフト感(点) 9.6 9.7 9.8 8.1 5.1
風味 (点) 9.5 9.7 9.5 9.7 9.8
────────────────────────────
【0064】
(実施例5−B)
豚挽き肉21.0g、牛ひき肉23.0g、豚脂3.5g、玉ねぎ20.0g、凍結全卵2.5g、生クリーム2.5g、赤パン粉5.0g、調味料2.0g及び香辛料0.5gに、実施例5−Aで得られた各組織化物と水を表11の通り配合してハンバーグ生地100gを調製し、「組織化物の複合系(ハンバーグ)での評価」を実施した。
【0065】
【表11】
【0066】
組織化物A17、A10の澱粉添加系では組織化物A4の澱粉無添加系と同様の吸水能であった。加工食品H4▲1▼、H17▲1▼、H10▲1▼共に冷凍再加熱後も、ジューシー感、ソフト感が感じられた。組織化物A18は吸水能が有り、加工食品H18▲1▼で、ソフト感、ジューシー感も感じられたが、食感に澱粉特有のベチャつきがやや感じられた。組織化物A19は吸水能が低下し、加工食品H19▲1▼では、ソフト感、ジューシー感が低く、澱粉特有のベチャつきが顕著に現われベチャベチャし不良な食感になった。澱粉の添加については、無添加でもジューシー感の付与効果が見られた。本結果より、ジューシー感付与効果を発揮する為には、澱粉含量は、60%以下、好ましくは30%以下であることが判った。
【0067】
実施例6
牛挽き肉35.0g、豚ひき肉22.0g、豚脂12.0g、玉ねぎ12.0g、パン粉5.0g、馬鈴薯澱粉5.0g、凍結全卵5.0g、調味料3.0g及び香辛料1.0gに、実施例2−Aで得られた各組織化物A1、A2、A3、A4と水を表12の通り配合してミートボール生地100gを調製し、ミートボールの系で評価を実施した。
【0068】
【表12】
【0069】
ミートボールでも、ハンバーグ同様、加工食品M4▲1▼が風味も良く、冷凍再加熱後もソフトでかつジューシーな食感であり良好であった。これより、ミートボールのようにフライし蒸煮後、冷凍後再加熱を行っても同様の効果があることが判った。
【0070】
実施例7
豚ひき肉30.0g、豚脂10.0g、キャベツ37.0g、玉ねぎ14.0g、パン粉3.5g、ニラ1.0g、ごま油1.5g、調味料2.0g及び香辛料1.0gに、実施例2−Aで得られた各組織化物A1、A2、A3、A4と水を表13の通り配合して餃子生地100gを調製し、餃子の系で評価を実施した。
【0071】
【表13】
【0072】
餃子でも、ハンバーグ同様、加工食品G4▲1▼が風味も良く、冷凍再加熱後もソフトでかつジューシーな食感であり良好であった。これより、餃子のように包餡し蒸煮後、冷凍再加熱で焼成を行っても同様の効果があることが判った。
【0073】
【発明の効果】
本発明により、加工食肉製品が冷凍後、流通過程を経たのち、喫食時に再加熱を行っても、作りたてのジューシー感を提供できる組織状蛋白の製造が可能になったものである。
これは、カゼイン蛋白だけでは、組織化しないものを大豆蛋白原料とカゼイン蛋白を併用することで膨化させることができ、多くの水を抱きこむことで、加工食肉製品のジューシー感付与としての利用が可能になり、完成度の高い 加工食肉製品を消費者に提供することが可能となった。
Claims (1)
- 大豆蛋白、カゼイン及び水を加熱加圧し大気中に押し出して膨化してなる吸水能が5〜12重量倍の組織状蛋白と、挽肉を混合し、成形し加熱調理した後凍結することを特徴とする動物性加工食品の製造法。
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