JP2019176776A - 燻煙風味を有する食肉加工食品及びその製造方法 - Google Patents

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圭介 櫻井
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Yasumitsu Seto
保充 瀬戸
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Abstract

【課題】本来の食品の有する食感を大きく変えることなく、消費者の嗜好を満たし得る燻煙風味を付与する新たな食肉加工食品の提供。【解決手段】動物性脂肪及び鶏皮から選択される原材料の少なくとも一部を燻煙し、燻煙した原材料をその他の原材料と混合し、混合した原材料を加工することを含む、燻煙風味を有する食肉加工食品の製造方法、及び該方法によって得られた加工食品を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、燻煙風味を有する食肉加工食品及びその製造方法に関する。より具体的には、本発明は、原材料の一部を予め燻煙し、燻煙していない原材料と混練する工程を含む、新規な風味を有する食肉加工食品の製造方法に関する。
食品を燻煙する目的は、本来その食品の保存性を高めることであったが、冷蔵設備、包装技術、流通の発達に伴って、現在では保存性向上を目的とした燻煙の必要性は低下している。
一方、消費者の嗜好を反映し、燻煙によって生じる特有の風味、色調を食品表面に付与する効果が好まれ、食品工場のみならず、レストラン、家庭でも燻煙が流行している。一般的に、燻煙は加熱の程度により冷燻法、温燻法、熱燻法に分けられるが、燻煙を行う場合、サクラ等の燻煙材を加熱し、不完全燃焼させて煙を発生させる。その際に、温度、湿度、時間の設定が重要であり、ハム、ソーセージの製造工場ではエアコン・スモークハウス内で燻煙条件を自動的に調整し、多種多様な製品がつくられている。また、燻煙成分を濃縮した液状の燻液を噴霧して風味を付与する液燻法もある。
燻煙処理は、一般的には食品全体に対して行うことがほとんどであるが、特許文献1には、燻煙して製造されるベーコンを更に調理したベーコン片を含み、ベーコン片の食感と食味が認められるソーセージが開示されている。
特開2000-217549号
一般的な燻煙法では、食品表面に燻煙成分を付与させることで食品表面のみがその特徴的な風味を呈する。一方、ソーセージ等の練製品では燻液を添加することにより製品の中心部にその風味を付与することが可能であるが、一様に燻煙風味が付与される。
したがって、従来の燻煙法ではその効果が限定的であるか、または一様であり、消費者の多様な嗜好を満たすような製品としての特徴付与や差別化は困難であった。
一方、上記の特許文献1に開示されたソーセージは、ベーコンを約5〜15mmの断片に細断して調理したベーコン片を含むものであり、適度な硬さを持ったベーコン片が呈する食感を有するものであるが、これは本来のソーセージとは食感が異なるものであり、従って、本来の食品の有する食感を残しながら新規な風味をもたらすものではなかった。
これら従来の燻煙法の課題を解決する方法として、本発明者等は、内容物となる原材料の一部を燻煙し、燻煙していない原材料と組み合わせることにより、新たな特徴のある燻煙製品の創出が可能であることを見出した。特に、燻煙する原材料として動物性脂肪及び鶏皮を選択することで、本来の食品の有する食感を大きく変えることなく、燻煙風味を付与することができることを見出し、本発明に到った。
すなわち、本発明は以下を提供するものである。
1. 燻煙風味を有する食肉加工食品の製造方法であって、
動物性脂肪及び鶏皮から選択される原材料の少なくとも一部を燻煙し、
燻煙した原材料をその他の原材料と混合し、
混合した原材料を加工する、
ことを含む、上記製造方法。
2. 食肉加工食品がひき肉加工食品である、上記1記載の方法。
3. ひき肉加工食品がソーセージ、ハンバーグ、ミートローフ、ミートボール、つくね、メンチカツ、又はチキンナゲットである、上記2記載の方法。
4. 燻煙する原材料が豚脂である、上記1〜3のいずれかに記載の方法。
5. 燻煙した原材料を3〜13mmの範囲の粒径にして混合する、上記1〜4のいずれかに記載の方法。
6. 燻煙する原材料の配合比率が総原材料重量の3.5〜20%である、上記1〜5のいずれかに記載の方法。
7. 燻煙が温燻法である、上記1〜6のいずれか記載の方法。
8. 動物性脂肪及び鶏皮から選択される燻煙された原材料が食品中に均一に分散してなる、ひき肉加工食品。
9. 燻煙された原材料が3〜13mmの範囲の粒径で分散してなる、上記8記載の食品。
10. 燻煙された原材料の配合比率が全食品重量の3.5〜20%である、上記8又は9記載の食品。
11. ソーセージ、ハンバーグ、ミートローフ、ミートボール、つくね、メンチカツ、又はチキンナゲットである、上記8〜10のいずれかに記載の食品。
12. 燻煙された原材料が豚脂である、上記8〜11のいずれかに記載の食品。
13. 上記1〜7のいずれかに記載の方法に使用するための、又は上記8〜12のいずれかに記載のひき肉加工食品に含めるための、燻煙された動物性脂肪又は鶏皮。
14. 上記1〜7のいずれかに記載の方法に使用するための、又は上記8〜12のいずれかに記載のひき肉加工食品に含めるための、燻煙された豚脂。
本発明により、本来の食品の食感を損なうことなく、消費者の嗜好を満たし得る燻煙風味を付与する新たな食肉加工食品を提供することができる。
燻煙とは、サクラ、カシ、ナラ、ブナ、ヒッコリーなどの木材を高温に熱した際に発生する煙が食品に風味をもたらすと共に、煙に含まれる殺菌・防腐成分が食品に浸透して保存性が向上するという食品加工技術である。燻煙工程を経て得られる加工食品は燻製と呼ばれている。
肉類、魚介類、卵、チーズ、野菜等の様々な食材を燻製にすることができ、燻煙工程を経ることで、本来のものとは異なる風味が得られるため、消費者に好まれている。
燻煙による風味(本明細書において「燻煙風味」とも記載する)を有する食肉加工食品として一般的に知られているものは、スモークハム、ベーコン、スモークソーセージ、ジャーキー等であるが、ハム、ベーコン、ジャーキーはいずれも塊肉を成型又はスライスして燻煙して得られるものであり、一方ソーセージは挽いた肉を原料とし、混練する際に上記のように燻液を添加するか、充填した後に燻煙して得られるものである。
[本発明の製造方法]
本発明は、燻煙風味を有する食肉加工食品の製造方法であって、
動物性脂肪及び鶏皮から選択される原材料の少なくとも一部を燻煙し、
燻煙した原材料をその他の原材料と混合し、
混合した原材料を加工する、
ことを含む、上記製造方法を提供する。
本発明の製造方法によって製造することが意図される食肉加工食品は、燻煙していない原材料と燻煙した原材料とを組み合わせて得られるものであり、従って、限定するものではないが、特にひき肉加工食品であることが好ましい。
ひき肉加工食品は、特に限定するものではないが、例えばソーセージ、ハンバーグ、ミートローフ、ミートボール、つくね、メンチカツ、及びチキンナゲットであり得る。
<燻煙工程>
本発明において燻煙する原材料は、動物性脂肪及び鶏皮から選択される。動物性脂肪は、常温で半固体又は固体の食用脂肪等であり、その種類は特に限定するものではないが、代表的には豚脂、牛脂等が挙げられる。また、本発明において燻煙する原材料として、鶏皮も好適に使用できる。燻煙する原材料の選択は、特に限定するものではないが、例えば豚ひき肉を用いたひき肉加工食品を製造する場合には豚脂、牛ひき肉を用いたひき肉加工食品を製造する場合には牛脂、鶏ひき肉を用いたひき肉加工食品を製造する場合には鶏皮を選択することで、得られる食品の食味を大きく変えることがないので好適である。また、豚脂は牛脂と比較して口どけ感が良好であるため、より好適に使用することができる。本工程において、食肉加工食品に配合される動物性脂肪及び鶏皮の全てを燻煙しても良く、一部のみを燻煙しても良い。
本発明の方法において、動物性脂肪及び鶏皮は、5〜80cmの大きさのものを用いて燻煙することが好ましい。最終的に配合される場合には3〜13mmの範囲に細断するため、予め細断して燻煙することも可能であるが、操作の容易性等を考慮すれば、細断することなく燻煙することが好ましい。
燻煙条件は、通常用いられている条件を適宜用いれば良く、冷燻法、温燻法、熱燻法、焙燻法のいずれも使用することができる。しかしながら、熱燻法及び焙燻法では本願発明の燻煙の対象となる動物性脂肪が融解する可能性が高く、また冷燻法では燻煙に要する時間が比較的長くなり得る。従って、特に限定するものではないが、例えば30〜70℃、好ましくは50〜60℃の温度で5〜30分間、好ましくは10〜25分間の条件による温燻法を用いることができる。
<混合工程>
次いで、燻煙した原材料を3〜13 mm、例えば3〜5 mm、又は6 mm以下等の範囲の粒径に細断し、同様にひき肉にした原材料と混合する。ここで、「粒径」とは、ひき肉が球状のものであることを意図するものではなく、ひき肉の大きさを記載するために、その形状を球体とした場合に相当する直径を意図するものである。従って、本明細書における「粒径」は、ひき肉の「大きさ」又は「サイズ」であり得る。
本工程において、意図される食品に応じて、食塩、香辛料、その他の原材料を配合することができる。
例えばソーセージの場合には、牛肉、豚肉、及び/又は鶏肉を肉挽きしたひき肉と、燻煙した動物性脂肪又は鶏皮に加え、食塩、亜硝酸ナトリウム等の塩せき剤、香辛料等を配合することができる。ソーセージの製造においては、この混合工程が塩せき工程に該当し得る。
ハンバーグ、ミートローフ、ミートボール、つくね、メンチカツの場合には、牛肉、豚肉、及び/又は鶏肉を肉挽きしたひき肉と、燻煙した動物性脂肪又は鶏皮に加え、ねぎ、玉ねぎ、パン粉、香辛料等を配合することができる。
チキンナゲットの場合には、鶏肉を肉挽きしたひき肉と、燻煙した動物性脂肪又は鶏皮、特に燻煙した鶏皮に加え、香辛料等を配合することができる。
燻煙した原材料の配合比率は、燻煙した原材料における風味づけの程度、意図される食品の種類及び食品において意図される風味づけの程度等に応じて変動し得るが、総原材料重量の3.5〜20%、好ましくは5.0〜10%の範囲とすることが好ましい。3.5%未満では、意図される燻煙風味が感じにくくなり、また20%を超えると食味が損なわれる場合があり得る。例えば、消費者の嗜好を考慮すれば、ハンバーグの場合、ソーセージの場合と比較して、より燻煙風味が弱い方が好まれる傾向が想定され、従って、ハンバーグでは、燻煙した原材料の配合比率は10%以下、例えば5%以下とすることが好ましい。
<加工工程>
混合工程で得られた原材料の混合物を、次いで、それぞれ意図される食品に加工する。加工工程は、食品加工分野において知られている方法を適宜利用することができ、特に限定するものではなく、熟成・味付け・充填・成形・加熱等の処理を行えば良い。
例えばソーセージの場合には、原材料の混合物を混合後に熟成させ、羊腸、豚腸、牛腸等の動物の腸、又は人工(コラーゲン、プラスチック、セルロース)のケーシングを外皮として腸詰にしてから蒸煮することができる。一般的なスモークソーセージでは、この段階、すなわち加工工程の腸詰の後に燻煙を行うが、本発明の方法ではこの段階での燻煙は必ずしも必要ではない。
ハンバーグ、ミートローフ、ミートボール、つくね、メンチカツの場合には、原材料の混合物を成形後に加熱処理を行う。加熱処理としては、意図される食品に応じて、鉄板又はオーブンでの焼成、蒸煮、油ちょう等が利用され得る。
メンチカツ、チキンナゲットの場合には、加熱処理に先立って、小麦粉、卵、パン粉等を用いた衣によって被覆する。
上記工程によって製造された食肉加工食品は、冷却後に包装して、常温、冷蔵、又は冷凍で保存した状態で消費者に提供される。消費者は、食肉加工食品を購入後、食品の種類又は提供された状態に応じて、そのまま食することができ、また再度加熱処理を含む調理をすることができる。
[本発明のひき肉加工食品]
本発明はまた、動物性脂肪及び鶏皮から選択される燻煙された原材料が食品中に均一に分散してなる、ひき肉加工食品を提供する。
本発明のひき肉加工食品は、上記の本発明の方法によって製造することができる。
本発明のひき肉加工食品は、燻煙された原材料、すなわち動物性脂肪又は鶏皮が3〜13 mmの範囲、例えば3〜5 mmの範囲の粒径で均一に分散してなるものであり、燻煙された原材料の配合比率は全食品重量の3.5〜20%、好ましくは5.0〜10%の範囲である。ひき肉加工食品中での燻煙された原材料(動物性脂肪又は鶏皮)の大きさは、ほぼ均一なもの、例えば約3 mm、約4 mm、約5 mm、約6 mm等の大きさの均一なものであっても、上記範囲内、すなわち3〜13 mmの範囲、例えば3〜5 mmの範囲内で異なる大きさのものが混在していても良い。また、燻煙された原材料が、最終のひき肉加工食品において外観上判別できるものであれば、見た目にも新規な特徴を有する食品を提供することができるが、判別できなくても良い。
ひき肉加工食品は、例えばソーセージ、ハンバーグ、ミートローフ、ミートボール、つくね、メンチカツ、又はチキンナゲットであり、燻煙された原材料は豚脂、牛脂、鶏皮であり、特に豚ひき肉を含む加工食品の場合、好ましくは豚脂である。
[燻煙された動物性脂肪又は鶏皮]
本発明はまた、上記の本発明の方法に使用するための、又は上記の本発明のひき肉加工食品に含めるための、燻煙された動物性脂肪又は鶏皮を提供する。
特に限定するものではないが、上記の本発明の方法に使用するための、又は上記の本発明のひき肉加工食品に含めるための、好適な燻煙された動物性脂肪又は鶏皮は、燻煙された豚脂である。豚脂を燻煙したものを、本明細書において「スモーク豚脂」と記載し、また燻煙された鶏皮を、本明細書において「スモーク鶏皮」と記載する。
本発明により、豚脂等の動物性脂肪及び鶏皮から選択される原材料を燻煙し、その後、燻煙していない豚肉、牛肉、鶏肉等のその他の原材料と組み合わせることによって、一様ではない燻煙風味が付与されたソーセージ等の加工食品が得られる。本発明によって、特に、その製造工程に燻煙工程を組み込むことが困難なハンバーグ、ミートローフ、ミートボール、つくね、メンチカツ、チキンナゲット等の製品に新たな風味を付与することが可能である。また、燻煙した原材料は、加工された食品中に均一に分散しており、食品によって、目視によってもこれを確認することができる。
本発明において燻煙する原材料として選択された動物性脂肪及び鶏皮は、配合された食品の本来の食感を損なうことなく、燻煙風味を付与することができる。更に、脂肪を含む食品は保存中に経時的に脂質酸化が進行するが、燻煙成分に微量含まれるフェノール類は脂質の酸化作用を有することから、製品中の脂肪の酸敗、酸臭を抑制することが可能である。
更に、例えばソーセージに燻煙風味を付与する場合、従来は充填工程(腸詰)の後に燻煙するため、燻煙処理によって外皮が硬化して柔軟性が無くなり、フライ調理時等に中のソーセージの膨張に耐えられずに破裂することがしばしばであるが、本発明ではスモーク豚脂を混合することで燻煙風味が既に付いている為、充填後の燻煙を行う必要がなく、これにより、皮の柔軟性が維持されてフライ調理時の破裂を抑制することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、本実施例においては、説明のために、本願発明の方法をより細かな工程に分けて記載しているが、記載された方法が、上記した本願発明の方法の具体的な例であることは、当業者には理解される通りである。
[実施例1 スモーク豚脂の製造]
豚脂4kgを以下の表1に示す設定条件の熟成及び燻煙工程を行い、スモーク豚脂を製造した。
Figure 2019176776
得られたスモーク豚脂は、特有の褐色の光沢を有する色調で、表面が適度に乾燥し、特有の燻煙臭を有するものであった。
[実施例2 スモーク豚脂含有ソーセージの製造]
実施例1で得られたスモーク豚脂を用い、以下の工程によりスモーク豚脂含有ソーセージを製造した。
<1.肉挽き工程>
豚モモ肉から加工に不適当な部分を除去し、ミートチョッパーを使用して5mmのひき肉にした。
実施例1で得られたスモーク豚脂も同様に5mmに挽いた。
<2.塩せき工程>
上記肉挽き工程でひき肉にした豚もも肉(11kg)及びスモーク豚脂(3kg)、食塩(250g)、及び亜硝酸ナトリウム(2.5g)を混合した。
<3.熟成工程>
混合後、冷蔵庫(0-10℃)に入れて5〜72時間熟成させた。
<4.味付け工程>
熟成後の混合物に香辛料(胡椒及びナツメッグ、合計50g)を加えた。
<5.充填工程>
味付け及び調味した肉を充填機を使用して腸詰にした。腸詰は羊腸を使用した。
<6.加熱工程>
腸詰した肉を65℃で30分間加熱して乾燥させた後、80℃で30分間の蒸煮を行った。
<7.冷却工程>
熱処理した製品を冷蔵庫で10℃以下になるまで冷却した。
[比較例1]
実施例2と同様の手順において、スモーク豚脂を使用せずに通常の豚脂を使用し、加熱工程において、65℃で30分間の加熱による乾燥及び80℃で30分間の蒸煮の間に70℃で15分間の燻煙を行ってソーセージを製造した。
[実施例2及び比較例1のソーセージの評価]
スモーク豚脂を使用した実施例2のソーセージ、及び従来の方法で燻煙した比較例1のソーセージをレンジ加熱又は油ちょうにより調理して、香り、風味及び外観を評価した。
その結果、食した時の燻煙臭の強さ及び風味に大きな違いはなかったが、従来の方法による比較例1のソーセージはレンジ加熱/油ちょうしたときに破裂することが多かったのに対して、スモーク豚脂を使用した実施例2のソーセージでは、破裂がかなり抑えられた。
実施例2のソーセージはまた、断面を目視したところ、粒径約5mmのスモーク豚脂が均一に分散していることが確認された。
[実施例3 スモーク豚脂含有ハンバーグの製造]
実施例1で得られたスモーク豚脂を用い、以下の工程によりスモーク豚脂含有ハンバーグを製造した。
<1.肉挽き工程>
豚肉から加工に不適当な部分を除去し、ミートチョッパーを使用して5mmに挽いた。
実施例1で得られたスモーク豚脂も同様に挽いた。
<2.混合工程>
上記肉挽き工程でひき肉にした豚肉(14kg)及びスモーク豚脂(1kg)、玉ねぎ(3kg)、パン粉(1kg)、調味香辛料(300g)などをミキサーで混合した。
<3.成形工程>
成形ローラーを使用して練り合わせた原料をハンバーグの形に成形(130g)した。
<4.焼成工程>
鉄板で表面を焼成(180℃で3分間)後、蒸煮(160℃で9分間)により加熱した。
<5.冷却工程>
熱処理した製品を冷蔵庫で10℃以下になるまで冷却した。
上記で得られたスモーク豚脂含有ハンバーグは、スモーク豚脂を使用しない場合と比較して、明らかに燻煙臭が感じられ、通常のハンバーグにはない風味のアクセントのあるハンバーグを製造することができた。
尚、混合工程で燻液を添加して風味づけする方法も検討したが、この場合、全体に万遍なく風味が拡散してしまい、風味のアクセント感は得られなかった。
[実施例4 スモーク鶏皮の製造]
鶏皮2.5kgを用い、実施例1と同様の条件で燻煙してスモーク鶏皮を製造した。
得られた鶏皮は特有の黄褐色の光沢を有する色調で、特有の燻煙臭を有するものであった。
[実施例5 スモーク鶏皮含有チキンナゲットの製造]
実施例4で得られたスモーク鶏皮を用い、以下の工程によりスモーク鶏皮含有チキンナゲットを製造した。
<1.肉挽き工程>
鶏むね肉をミートチョッパーを使用して3〜13mmのひき肉にした。実施例4で得られたスモーク鶏皮も同様に3〜5mmに挽いた。
<2.混合工程>
上記肉挽き工程でひき肉にした鶏むね肉(10kg)及びスモーク鶏皮(2.5kg)、食塩、砂糖類、調味料などをミキサーで混合した。
<3.成型工程>
成型機を使用して練り合わせた原料をチキンナゲットの中具の形に成形(10〜30g)した後、バタリングマシーン、ブレダリングマシンにより衣をつけた。
<4.加熱工程>
160〜190℃でフライし、または、100〜160℃のスチーマー、オーブンを組み合わせて加熱した。
<5.冷却工程>
熱処理した製品を冷蔵庫で10℃以下になるように冷却した。
上記で得られたスモーク鶏皮含有チキンナゲットは、スモーク鶏皮を使用しない場合と比較して、明らかに燻煙臭が感じられ、通常のチキンナゲットにはない風味のあるものを製造することができた。
得られたチキンナゲットはまた、断面を目視したところ、3〜5mmのスモーク鶏皮が均一に分散していることが確認された。
本発明により、従来にはない風味及び外観を有する食肉加工食品を得ることができ、多様化した消費者のニーズを満たすことができる。

Claims (14)

  1. 燻煙風味を有する食肉加工食品の製造方法であって、
    動物性脂肪及び鶏皮から選択される原材料の少なくとも一部を燻煙し、
    燻煙した原材料をその他の原材料と混合し、
    混合した原材料を加工する、
    ことを含む、上記製造方法。
  2. 食肉加工食品がひき肉加工食品である、請求項1記載の方法。
  3. ひき肉加工食品がソーセージ、ハンバーグ、ミートローフ、ミートボール、つくね、メンチカツ、又はチキンナゲットである、請求項2記載の方法。
  4. 燻煙する原材料が豚脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 燻煙した原材料を3〜13mmの範囲の粒径にして混合する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 燻煙する原材料の配合比率が総原材料重量の3.5〜20%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 燻煙が温燻法である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 動物性脂肪及び鶏皮から選択される燻煙された原材料が食品中に均一に分散してなる、ひき肉加工食品。
  9. 燻煙された原材料が3〜13mmの範囲の粒径で分散してなる、請求項8記載の食品。
  10. 燻煙された原材料の配合比率が全食品重量の3.5〜20%である、請求項8又は9記載の食品。
  11. ソーセージ、ハンバーグ、ミートローフ、ミートボール、つくね、メンチカツ、又はチキンナゲットである、請求項8〜10のいずれか1項に記載の食品。
  12. 燻煙された原材料が豚脂である、請求項8〜11のいずれか1項に記載の食品。
  13. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法に使用するための、又は請求項8〜12のいずれか1項に記載のひき肉加工食品に含めるための、燻煙された動物性脂肪又は鶏皮。
  14. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法に使用するための、又は請求項8〜12のいずれか1項に記載のひき肉加工食品に含めるための、燻煙された豚脂。
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CN113508887B (zh) * 2021-06-24 2023-10-17 湖南农业大学 一种液熏腊肉及其制备方法

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