JP2002147054A - 免震装置および建物ならびに粘弾性体ダンパーの製造方法 - Google Patents

免震装置および建物ならびに粘弾性体ダンパーの製造方法

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JP2002147054A
JP2002147054A JP2000342140A JP2000342140A JP2002147054A JP 2002147054 A JP2002147054 A JP 2002147054A JP 2000342140 A JP2000342140 A JP 2000342140A JP 2000342140 A JP2000342140 A JP 2000342140A JP 2002147054 A JP2002147054 A JP 2002147054A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比較して安価に形成でき、水平変位が
過大となることのないような免震装置を提供する。 【解決手段】 下部取付板4と上部取付板5とを上下に
対向配置し、下部および上部取付板4,5間に、これら
の水平方向の相対変位を減衰させる粘弾性体ダンパー1
0を設けるとともに、上部取付板5には、下部取付板4
に向けて突出する突出部材12を設け、さらに、突出部
材12の下端部12aに、メインボール13を転動可能
に保持させた。そして、メインボール13が、下部取付
板4の板面8に対して3〜10%の摩擦係数をもって転
動可能に当接するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に木造住宅等の
比較的小規模な建物に用いて好適な免震装置、およびこ
れを用いた建物、ならびに、この免震装置に用いられる
粘弾性体ダンパーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、免震構造は積層ゴム等の
免震装置によって建物全体を免震支持することで固有周
期を長周期化し、それにより建物に伝達される地震力を
大幅に低下させて地震被害を軽減することが可能であ
り、大規模建物においては広く普及しつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、大規模建物のみ
ならず、戸建て木造住宅等の小規模な建物にも免震構造
を採用したいという要請があるが、従来一般の免震構造
を木造住宅にそのまま適用した場合にはかなりのコスト
を要するものとなるし、建物の水平変位が過大となるこ
とが通常であるので、木造住宅等の小規模建物にも適用
し得る有効な免震装置の開発が望まれている。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、従来の免震構造に比較して安価に形成でき、水
平変位が過大となることのないような免震装置、およ
び、このような免震装置を採用することにより、良好な
制振性能を得ることが可能な建物、ならびに、このよう
な免震装置に用いられて好適な粘弾性体ダンパーの製造
方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明においては以下の手段を採用した。すなわち、
請求項1記載の発明は、建物の下部構造体と上部構造体
との間に介装される免震装置であって、前記下部構造体
側に取り付けた下部取付板と、前記上部構造側に取り付
けた上部取付板とが上下に対向配置され、これら下部お
よび上部取付板間に、これらの水平方向の相対変位を減
衰させる減衰手段が設けられ、前記下部取付板および上
部取付板のいずれか一方には、同他方に向けて突出する
突出部材が設けられ、前記突出部材の先端は、前記他方
の板面に対して、3〜10%の摩擦係数をもって水平移
動に変位可能に当接していることを特徴としている。
【0006】請求項2記載の発明は、建物の下部構造体
と上部構造体との間に介装される免震装置であって、前
記下部構造体側に取り付けた下部取付板と、前記上部構
造側に取り付けた上部取付板とが上下に対向配置され、
これら下部および上部取付板間に、これらの水平方向の
相対変位を減衰させる減衰手段が設けられ、前記下部取
付板および上部取付板のいずれか一方には、同他方に向
けて突出する突出部材が設けられ、前記突出部材の先端
には、第一の転動体が転動可能に保持され、前記第一の
転動体は、前記他方の板面に対して3〜10%の摩擦係
数をもって転動可能に当接していることを特徴としてい
る。
【0007】請求項3記載の発明は、請求項2記載の免
震装置であって、前記第一の転動体および前記板面のう
ちのいずれか一方または双方が金属により形成され、前
記第一の転動体および前記板面のうちのいずれか一方ま
たは双方が、塑性変形した状態とされていることを特徴
としている。
【0008】請求項4記載の発明は、請求項2または3
記載の免震装置であって、前記第一の転動体および前記
突出部材の間には、第二の転動体が介装され、前記突出
部材は、前記第二の転動体に対して当接面により接して
おり、前記第二の転動体と当接面とのいずれか一方また
は双方が、金属により形成され、前記第二の転動体およ
び前記当接面のいずれか一方または双方が、塑性変形し
た状態とされていることを特徴としている。
【0009】請求項5記載の発明は、請求項3または4
記載の免震装置であって、前記板面は、ブリンネル硬度
で200〜500の鋼板によって形成され、前記第一の
転動体は、ブリンネル硬度で550〜900の材料によ
って形成されていることを特徴としている。
【0010】請求項6記載の発明は、請求項4または5
記載の免震装置であって、前記板面の表面を、前記第一
の転動体に比較して降伏応力の小さい材料によって被覆
したことを特徴としている。
【0011】請求項7記載の発明は、請求項1または2
記載の免震装置であって、前記板面には、粉体が分散設
置されていることを特徴としている。
【0012】請求項8記載の発明は、建物の下部構造体
と上部構造体との間に介装される免震装置であって、前
記下部構造体側に取り付けた下部取付板と、前記上部構
造側に取り付けた上部取付板とが上下に対向配置され、
これら下部および上部取付板間には、これらの水平方向
の相対変位を減衰させる減衰手段が設けられ、前記下部
取付板および上部取付板のいずれか一方には、同他方に
向けて突出する突出部材を設けられ、前記突出部材の先
端は、前記下部取付板および上部取付板の他方の板面に
対して水平移動可能に当接し、前記減衰手段は、下端が
前記下部取付板に固定されるとともに、上端が前記上部
取付板に固定され、なおかつ、前記突出部材および第一
の転動体を環状に囲むように形成された粘弾性体である
ことを特徴としている。
【0013】請求項9記載の発明は、請求項8記載の免
震装置であって、前記粘弾性体は、その内周面および外
周面が超延性材料で被覆されていることを特徴としてい
る。
【0014】請求項10記載の発明は、請求項8または
9記載の免震装置であって、前記減衰手段は、常温以上
の所定温度で融解するホットメルト材料によって形成さ
れていることを特徴としている。
【0015】請求項11記載の発明は、請求項8から1
0のいずれかに記載の免震建物であって、前記突出部材
の先端には、第一の転動体が転動可能に保持され、前記
第一の転動体が、前記他方の板面に対して転動可能に当
接していることを特徴としている。
【0016】請求項12記載の発明は、請求項1、8か
ら10のいずれかに記載の免震建物であって、前記突出
部材の先端と、前記他方の板面との間が滑動可能な構成
とされていることを特徴としている。
【0017】請求項13記載の発明は、下部構造体と上
部構造体との間に免震装置が介装された建物であって、
前記免震装置は、前記下部構造体側に取り付けられた下
部取付板と、前記上部構造側に取り付けられた上部取付
板とを上下に対向配置した構成とされるとともに、これ
ら下部および上部取付板間に、これらの水平方向の相対
変位を減衰させる減衰手段を設け、前記下部取付板およ
び上部取付板のいずれか一方に、同他方に向けて突出す
る突出部材を設け、さらに、前記突出部材の先端に、第
一の転動体を転動可能に保持させ、この第一の転動体を
前記他方の板面に対して転動可能に当接させた構成とな
っており、前記第一の転動体と前記板面との接触面に、
前記第一の転動体および前記板面のうち、より降伏応力
の小さい方の降伏応力以上かつ破断応力未満の応力が作
用するように、前記免震装置に対して上部構造体の荷重
を負担させたことを特徴としている。
【0018】請求項14記載の発明は、管状の粘弾性体
ダンパーを形成するための方法であって、周方向に複数
の分割体に分割可能とされた管状型枠内に、融解させた
粘弾性体を注入するとともに、該管状型枠をその中心軸
周りに回転させて遠心力を付与し、融解させた前記粘弾
性体を前記管状型枠の内周面に沿って展開させ、この状
態で、前記管状型枠を冷却することにより、前記粘弾性
体を固化させて該粘弾性体を管状に形成し、しかる後
に、前記管状型枠を複数の分割体に分割して脱型するこ
とを特徴としている。
【0019】請求項15記載の発明は、請求項14記載
の粘弾性体ダンパーの製造方法であって、前記管状型枠
に粘弾性体を注入するにあたっては、あらかじめ前記管
状型枠内に融解させた超延性材料を注入しておくととも
に、前記管状型枠を回転させて遠心力を付与することに
より融解させた超延性材料を前記管状型枠の内周面に沿
って展開させ、さらにこの管状型枠を冷却して、前記超
延性材料を固化させることによって管状の超延性材料層
を形成しておき、さらに、該超延性材料の内周面に前記
粘弾性体を注入して管状の粘弾性体を形成し、しかる後
に、再び融解させた超延性材料を前記管状の粘弾性体の
内周面に注入して、該粘弾性体の内周面に管状の超延性
材料層を再び形成することを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1から4は、本発明の一実施
の形態である免震装置1を模式的に示す図であり、図1
は、免震装置1の斜視半断面図、図2は、免震装置1の
要部の立断面図、図3は、免震装置1の上面図、図4
は、免震装置1が適用された建物2の基礎部の概略平面
図である。
【0021】免震装置1は、図4に示すような平面形状
を有する木造戸建住宅の建物2を対象として設置された
ものであり、図1に示すように、この建物2の布基礎3
(下部構造体)に対してその下部取付板4が固定される
とともに、その上部取付板5が免震装置1同士を連結す
る連結材6(図4参照)としての鋼材に対して接続され
た状態で用いられる。そして、連結材6の上部には、建
物2のうち居住部としての上部構造体が構築されること
によって、上部構造体の全体が複数の免震装置1により
免震支持される構成となっている。
【0022】図1に示すように、免震装置1は、布基礎
3上に取り付けられた平面視矩形の下部取付板4と、上
部構造体側に取り付けられた平面視円形の上部取付板5
とを、その中心軸を一致させて上下に対向配置した構成
となっている。また、これら下部取付板4および上部取
付板5の間には、上部取付板5から下方に向けて突出す
るとともに上部取付板5の板面8に当接するように形成
された支承部9が設けられている。さらに、この支承部
9を囲むように管状の粘弾性体ダンパー(減衰手段)1
0が設けられている。
【0023】支承部9は、上部取付板5に対してボルト
11により固定されるとともに、上部取付板5から下方
に向けて突出するように設けられた円柱状の突出部材1
2と、突出部材12の下端部12aに位置して下部取付
板4の板面に当接するように設けられたメインボール1
3(第一の転動体)と、メインボール13および突出部
材12間に設けられて突出部材12の内方に格納された
小ボール受け(当接面)14と、小ボール受け14とメ
インボール13との間に介装された多数の小ボール15
(第二の転動体)とを備えて構成される。小ボール15
は、メインボール13と、小ボール受け14に形成され
た球面状の当接面14aとに転動可能に当接しており、
これによって、小ボール15およびメインボール13
が、突出部材12側から転動可能に保持され、支承部9
が全体として通常のボールベアリングと同様の機能を有
するものとされている。さらに、この場合、メインボー
ル13が下部取付板4の板面8に転動可能に当接するこ
とにより、支承部9は、上部取付板5から下部取付板4
に鉛直荷重を伝達する役割を発揮するとともに、上部取
付板5の下部取付板4に対する水平変位を許容するよう
に機能する。
【0024】なお、ここで、メインボール13および小
ボール15の材質としては、カーボンスチール(SUJ
2あるいはSWRM)、ステンレススチール(SUS4
40CあるいはSUS304)などの鋼材や、ナイロン
(PA)、ポリアセタール(POM)等の樹脂材が好適
に用いられる。また、小ボール受け14および下部取付
板4の板面8の材質としては、カーボンスチール(SC
M435,SCM415,あるいはSK3)や、ステン
レススチール(SUS440CあるいはSUS303)
などが好適に用いられる。
【0025】一方、粘弾性体ダンパー10は、管状の粘
弾性体本体16と、粘弾性体本体16の内周面および外
周面に形成された被覆部17とを一体成型したものであ
り、その上端部10aが上部取付板5に、その下端部1
0bが下部取付板4に対してそれぞれ密着固定された構
成となっている。これにより、粘弾性体ダンパー10
は、上部取付板5および下部取付板4の位置を保持する
とともに、上部取付板5および下部取付板4が水平方向
に相対変位した際に、せん断変形して、振動エネルギー
を吸収することが可能な構成となっている。なお、粘弾
性体ダンパー10のうち、上部取付板5および下部取付
板4に密着する上端部10aおよび下端部10bの厚さ
寸法は、これらの間に位置する中央部10cの厚さ寸法
よりも拡大しており、これにより、上部取付板5および
下部取付板4に対する固着性能が確保されている。ま
た、粘弾性体ダンパー10の被覆部17は、超延性材料
層として形成されている。ここで、超延性材料として
は、ブチルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アス
ファルト、スチレンゴムなどが好適に用いられる。な
お、粘弾性体ダンパー10の粘弾性体本体16および被
覆部17を構成する材料は、双方とも、常温以上の所定
温度で融解するホットメルト材料が用いられている。ま
た、粘弾性体ダンパー10は、支承部9を環状に囲む構
成となっているために、支承部9をゴミやほこりなどか
ら保護する機能を有する。
【0026】さらに、粘弾性体ダンパー10の外周囲に
は、ゴム製の蛇腹状の保護被覆18が設けられている。
この保護被覆18は、上部取付板5および下部取付板4
が水平変位した場合にこれに追随して変形することが可
能となっており、粘弾性体ダンパー10を外部から作用
する衝撃等から保護するほか、粘弾性体ダンパー10を
シロアリや鼠などの被害から防ぐべく、薬剤が塗布され
た構成となっている。
【0027】図2は、免震装置1の支承部9の近傍を拡
大して示したものである。図中に示すように、突出部材
12は、その上端部12bが、上部取付板5に設けられ
た孔部20に対して挿入されることによりその位置が決
められている。また、突出部材12の上端部12bに
は、側方に向けて延出する鍔部21が設けられている。
この鍔部21は、上部取付板5に対して上方から当接す
るとともに、孔部20の周囲に対してボルト11により
固定される。これにより、突出部材12が上部取付板5
に対して固定されている。
【0028】なお、上部取付板5の孔部20の上端縁2
0aと、鍔部21との間には、突出部材12に外嵌され
たリング状の止水部材22が設けられている。この止水
部材22は、上部取付板5と鍔部21との間を封止し
て、上部取付板5の孔部20と突出部材21の間の隙間
から免震装置1の内部への水の侵入を防ぐ役割を果たす
ものである。
【0029】また、メインボール13が当接する下部取
付板4の板面8の中央部は、凹状球面となるように湾曲
加工された円形受け皿状の凹部23とされている。そし
て、この凹部23の中心部(最も低い位置)23aにメ
インボール13が当接している。
【0030】この凹部23には、オイル24が注入され
ており、メインボール13はこのオイル24に対して浸
漬されている。これにより、オイル24がメインボール
13が転動する際のエネルギーを吸収できるようになっ
ている。さらに、突出部材12の下面には、メインボー
ル13のうち突出部材12下面から突出する部分を囲む
ように、スポンジ材25が設けられている。このスポン
ジ材25には、防錆剤が含浸されており、これにより、
メインボール13のうち突出部材12の外方に露出する
部分に錆が生じないようにしている。
【0031】ボールベアリングとして機能する支承部9
において、上部構造体の荷重は、メインボール13と凹
部23の中央部23aとの接触面、および小ボール15
のうち、メインボール13の直上に位置するものと小ボ
ール受け14の当接面14aの中央部との接触面に集中
して作用することとなるが、この建物2においては、こ
れらの接触面に作用する接触圧力が、板面8および小ボ
ール受け14を構成する材料の降伏応力以上であって、
かつ、破断応力以下となるようになっている。これによ
り、板面8および小ボール受け14の一部が、塑性変形
した状態で用いられている。さらに、建物2において
は、このように板面8および小ボール受け14に作用す
べき接触圧力に基づいて各免震装置1が負担すべき荷重
が決定され、これにより、免震装置1の建物2内におけ
る位置および数が定められている。
【0032】これらの接触面に作用する支圧力は、弾性
計算によると以下のように表すことができる。すなわ
ち、免震装置1全体に作用する荷重Wが、メインボール
13と板面8との間、または、小ボール受け14の当接
面14aと小ボール15との間の一点の接触面において
支持されているとすると、これら、メインボール13、
板面8、当接面14a、小ボール15がいずれも球面に
より構成されているので、接触面の形状は円形となり、
接触面に作用する接触圧力の平均値pmeanは、以下のよ
うに表すことができる。
【数1】 ここに、aは接触面の半径であり、接触面において接触
する部材の一方の主曲率を1/r1、他方の1/r2
し、いずれの場合も凸面のとき正、凹面のとき負、平面
のとき1/r→0とする。また、材料の縦弾性係数を
E、ポアソン比をνとすれば、aは、
【数2】 によって表される。ただし、
【数3】 ここに、m0は、接触面における主曲率を含む面のなす
角が0である場合には、m0=1で与えられる。また、
接触面における最大接触圧力pmaxは、
【数4】 である(以上の各式は、機械工学便覧、新版第8刷、
(1998.12.3発行)のB1−30,31に基づく)。
【0033】したがって、ここでは、具体的には、最大
接触圧力pmaxが、板面8あるいは小ボール受け14の
当接面14aの降伏応力を超え、なおかつ、破断応力以
下となるように、各免震装置に作用する荷重Wを調整す
るようにする。
【0034】また、この場合、板面8および小ボール受
け14の当接面14aは、ブリンネル硬度において20
0〜500となっているのが好適であり、より好ましく
は、ブリンネル硬度350程度とされていることが望ま
しい。一方、メインボール13および小ボール15は、
十分硬いものである(例えば、ブリンネル硬度で550
〜900程度の材料である)ことが望ましい。これによ
り、小ボール受け14および板面8に小ボール15ある
いはメインボール12が一定の支圧力をもって当接する
ことにより、塑性変形が生じやすいようにしている。さ
らに、このように板面8を塑性変形させることによっ
て、メインボール12が板面8に微小に食い込んだ状態
が実現されることとなり、これにより、メインボール1
2と板面8との摩擦係数、すなわち、メインボール12
および板面8間に作用する支圧力と、メインボール12
が側方に転動しようとするとき作用する抵抗力との比
が、所望の値に確保されるようにしている。この場合、
具体的には、上記摩擦係数が、3〜10%であることが
望ましい。
【0035】また、凹部23は、メインボール13が板
面8の中心から転がり移動した際に、その傾斜によりメ
インボール13に復元力を与えるように機能するように
形成されている。これは、上部構造体に風荷重が作用し
た際に、上部構造体を所定位置から容易に移動させない
ことを目的としたものであり、具体的には、後述するよ
うに、例えば0.15g相当の風圧にも抵抗できるよう
な傾きをもって凹部23が形成されている。さらに、凹
部23の径寸法は、地震によって上部構造体と布基礎3
との相対位置が変位した後に残留変形が生じないよう
に、あらかじめ中心からの残留変形が所定確率(例えば
98%)で一定範囲内に収まるような範囲の大きさを求
めておき、この範囲に基づいて決定されている。したが
って、この凹部23の径寸法は、図2のように、メイン
ボール13よりも大きくてもよいが、メインボール13
の径寸法と同程度の直径であってもよい。
【0036】例えば、図8に示すように、凹部23の全
体の直径をBとし、凹部の中心軸からB/4の範囲内で
凹部23が所定曲率半径Rの凹面を形成するようにし、
さらに、その外側のB/4の平面視環状の範囲内では、
曲率半径Rで凸面が形成されるようにする(すなわち、
曲率半径:−Rとする)ことで、凹部23の外周縁が板
面8に滑らかにすり付くような構成を採用するとする。
さらに、図9のように、メインボール13に荷重Wが作
用するとし、メインボール13と凹部23の接触面の法
線と鉛直軸とのなす角度をθ、メインボール13の中心
Oと凹部23の中心軸CAとの間の水平方向距離をδ、
メインボール13に作用する荷重Wのうち凹部23との
接触面と平行な方向の成分をQとすると、 Q=W・sinθ=W・δ/R …(5) であるから、Qとδとの関係は、図10のようになる。
【0037】ここで、B=40mm、風荷重によるベース
シアー係数:Cw=0.15、摩擦係数:μ=0.05とする
と、風荷重が上部構造体に作用した場合に、中心軸CA
からメインボール13の中心Oがδ=B/4だけ離間し
た位置での力の釣り合いは、 W/R×10+0.05W=0.15W …(6) となり、これより、R=100mm、必要な最小くぼみ
量:d=1mmと算定される。したがって、0.15gの風
圧に耐え得るようにするためには、最低限この程度の径
寸法、曲率、および、くぼみ量を凹部23に持たせるよ
うにすればよい。
【0038】次に免震装置1の製造方法について説明す
る。上述のような免震装置1を製造するには、図5に示
すように、ともに鉛直に、かつ、中心軸CAを一致させ
て対向配置した下部取付板4および上部取付板5の間
に、周方向に複数に分割可能とされた管状型枠27を挟
み込む。この場合、上部取付板5および下部取付板4の
中心軸CAを一致させておく。
【0039】そして、この管状型枠27の内部に対し
て、上部取付板5の孔部20を介して、粘弾性体ダンパ
ー10の材料を供給するためのホース28を挿入する。
次に、上部取付板5、下部取付板4、および管状型枠2
7を、中心軸CA周りに回転させつつ、ホース28から
材料を注入する。これには、まず、ホース28から所定
温度以上に熱して融解させた超延性材料を注入する。こ
の場合、融解させた超延性材料は遠心力が付与された状
態とされるために、管状型枠27の内周面に沿って展開
する。
【0040】そして、このように管状型枠27を回転さ
せた状態で放熱冷却させることにより、融解した超延性
材料を固化させ、管状型枠に沿って超延性材料層(被覆
部17)を形成する。次に、管状型枠27を中心軸周り
に回転させて遠心力を付与した状態で、所定温度以上に
熱して融解させた粘弾性体を管状型枠27の内周面に沿
って展開させる。そして、この状態で管状型枠27を冷
却することにより、超延性材料層の内周面に粘弾性体を
固化させて粘弾性体本体16を管状に形成する。
【0041】さらに、この後、管状型枠27を回転させ
つつ、再び融解させた超延性材料を管状の粘弾性体本体
16の内周面に注入して、粘弾性体本体16の内周面に
管状の超延性材料層(被覆部17)を再度形成する。さ
らに、この超延性材料が冷却固化した後に、管状型枠2
7を分解して脱型する。これによって、内周面および外
周面が超延性材料(被覆部17)によって被覆された粘
弾性体本体16からなる粘弾性体ダンパー10が、上部
取付板5および下部取付板4の双方に固着した状態で形
成される。
【0042】次に、このように、上部取付板5、下部取
付板4、および粘弾性体ダンパー10が一体化されたも
のを、水平に載置し、下部取付板4の凹部23にオイル
を注入する。そしてあらかじめ組み立てておいた支承部
9に止水部材22としてのOリングを外嵌させたもの
を、上部取付板5の孔部20に挿通するとともに、突出
部材12の鍔部21を上部取付板5に対してボルト11
により固定する。さらに、粘弾性体ダンパー10の周囲
を保護被覆18により被覆することによって図1から3
に示したような免震装置1の構造を得る。
【0043】上述の免震装置1においては、メインボー
ル13が板面8に対して3〜10%の摩擦係数をもって
転動可能に当接している。これにより、上部構造体の加
速度を適切な値に保ちつつ、上部構造体の応答変位を所
定値以内に抑制することができる。
【0044】メインボール13と板面8との摩擦係数を
変化させて、この免震装置1によって支持された上部構
造体に地震動を与え、この場合に上部構造体に作用する
水平加速度および上部構造体に生じる水平変位を計測し
た実験の結果を、以下の表1から表3に示す。なお、こ
の場合の地震動としては、El Centoro(1940)が用いられ
ている。
【表1】
【表2】
【表3】 これらの表において粘弾性体の断面積とは、建物2の上
部構造体を支持するのに用いられた全ての免震装置1に
おける粘弾性体の平面断面積の総和を示す。
【0045】これらの結果から明らかなように、摩擦係
数5%あるいは3%の場合においては、上部構造体の加
速度および水平変位の双方とも、150gal以下、およ
び15cm以下の範囲に収まっている。しかしながら、
摩擦係数を1%とした場合においては、加速度の値は1
50gal以下となっているものの、粘弾性体の断面積を
かなり大きくしても水平変位が15cmを上回ってい
る。このように応答変位が大きくなると、敷地周囲で2
0cm以上のセットバックが必要となり、一般住宅とし
てはかなり深刻な問題となる。
【0046】しかしながら、メインボール13と板面8
との摩擦係数をある程度(3%以上)確保することによ
って、水平変位を抑制して必要とされるセットバックを
最小限にし、これによって、住宅敷地の有効利用を図る
ことが可能となる。
【0047】また、ここでは計算結果を示していない
が、摩擦係数をある程度(10%以上)とすると、上部
構造体に作用する水平加速度が150Galを大きく上回
ることが予想される。水平加速度が150Galを越える
か否かは、地震時において家具が転倒するかしないかの
目安であるといわれており、このため、上部構造体内部
の安全性を確保するためには、メインボール13と板面
8との摩擦係数が7%以下であることが望ましい。以上
のような事情に鑑みて、本実施の形態においては、メイ
ンボール13と板面8との摩擦係数を3〜10%とした
のである。
【0048】また、上述の免震装置1においては、メイ
ンボール13に接する板面8および小ボール15に当接
する小ボール受け14の当接面14aが塑性変形した状
態で用いられている。これは、ボールベアリングの通常
の許容荷重の5倍以上の荷重条件下で用いることに相当
している。すなわち、上述のように免震装置1を建物2
内に設置しても、その稼働は年に数回程度であり、一般
の機械類において用いられるボールベアリングに対して
想定される繰り返し荷重に比較すると、遥かにその稼働
回数は少ない。したがって、支承部9の各部に要求され
る使用条件を精密機械なみの許容値に準じる必要はな
く、必ずしも各部がすべて弾性変形内に収まるような使
い方をする必要がない。そこで、本実施の形態において
は、板面8および小ボール受け14の当接面14aを塑
性変形した状態で利用することとし、これにより、支承
部9の簡素化を図り、大幅なコストダウンの実現を可能
としている。
【0049】また、上述の免震装置1においては、摩擦
係数を所定の値以上とするために板面8の硬度をブリン
ネル硬度で200〜500に、メインボール13の硬度
をブリンネル硬度で550〜900程度に設定してい
る。このような硬度を有する板面8およびメインボール
13を利用することによって、板面8に塑性変形を良好
に生じさせ、適度な摩擦係数を得ることができる。
【0050】図6は、ボール30と板面31との摩擦係
数と板面31の硬度との関係を調べた実験装置32の例
である。この図に示すように、この実験装置32は、一
対のボール30,30が板状体33を上下に挟まれた構
成となっており、上下のボール30,30からは板状体
33に対して抗力Nを作用させているとする。そして、
上下のボール30,30により挟まれた板状体33を側
方に引き抜き、これに要した力QをNと比較することに
より、板面31の摩擦係数を求めることができるもので
ある。
【0051】このような実験装置32を利用して、様々
な硬度の板面31を有する板状体33について、摩擦係
数を調べた結果が表4であり、表4において得られた実
験結果をグラフにプロットしたものが図7である。な
お、この実験においてNの値は1〜3tonとされている
が、これは、通常の戸建て住宅において免震装置1を用
いた場合の免震装置1に作用する荷重の範囲内であると
考えられる。
【表4】 なお、表4においてはボール30,30の硬度を示して
いないが、ボール30,30としては、十分硬い、すな
わち、ブリンネル硬度550以上の硬度を有するものが
用いられている。
【0052】これらの実験結果から理解されるように、
摩擦係数を3〜10%得るには、抗力Nの大きさにかか
わらず、板面31のブリンネル硬度が200〜500程
度、より好ましくは350前後であることが好適であ
り、したがって、本実施の形態においては、このような
範囲の硬度を有する板面8をもつ下部取付板4を利用す
ることによって、メインボール13と板面8との間に適
度な(3〜10%の)摩擦係数を実現させているのであ
る。
【0053】また、上述の建物2においては、メインボ
ール13と板面8との接触面、あるいは、小ボール15
と小ボール受け14との接触面に、これらを構成する材
料の降伏応力以上破断応力以下の応力が作用するように
なっている。これによって、これらを確実に塑性変形さ
せた状態で用いることができ、免震装置1の製作コスト
を低減することが可能であるとともに、摩擦係数を適度
に向上させて、上部構造体の安全性の確保や敷地の有効
利用を実現することができる。
【0054】また、上述の免震装置1においては、粘弾
性体ダンパー10がリング状に形成されているために、
この粘弾性体ダンパー10が、支承部9をほこりやゴミ
などから保護する役割を果たすことができ、これによ
り、免震装置1が安定した性能を発揮できるようになっ
ている。さらに、この粘弾性体ダンパー10は、地震時
に上部取付板5と下部取付板4との水平方向の相対変位
が過大となった場合に、突出部材9に当接するストッパ
の役割、および、この場合の衝撃を緩和するショックア
ブソーバの役割を果たすことが可能であり、これによっ
て、上部構造体の安全性を確保することが可能となる。
【0055】さらに、粘弾性体ダンパー10の内周面お
よび外周面が超延性材料層によって被覆されているため
に、これら超延性材料層が粘弾性体本体16の耐久性能
を確保するための保護膜として機能し、免震装置1の耐
久性を向上させることができる。
【0056】また、免震装置1は、粘弾性体ダンパーを
10構成する粘弾性体および超延性材料が常温以上の所
定温度で融解するホットメルト材料によって形成されて
いるために、これらを融解させた状態で容易に所定の形
状に形成することができ、製作性に優れている。特に、
上述のような製造方法により、粘弾性体および超延性材
料を融解させた状態で、遠心力を付与することによっ
て、容易に均一なリング状粘弾性体ダンパー10を製造
するができ、さらに、この粘弾性体ダンパー10を上部
取付板4および下部取付板5に固着させた状態で形成す
ることも容易である。
【0057】以上において、本発明の一実施の形態を説
明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるもの
でなく、必要に応じて、他の構成を採用することも可能
である。例えば、上記実施の形態においては、突出部1
2が、その下端12aに設けられたメインボール13を
介して下部取付板5の板面8に当接する構成となってい
たが、これに代えて、突出部12の下端部12aに四フ
ッ化エチレン樹脂などを配置し、これを下部取付板5の
板面8に接触させることによって、突出部12を所定の
摩擦係数(3〜10%)をもって下部取付板5の板面8
に対して水平方向に滑動可能に当接させるようにして
も、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0058】また、粘弾性体ダンパー10は支承部9を
囲むリング状に一体成型されていたが、これに限らず、
複数の粘弾性体部材を、支承部を平面視四角形、八角形
状、あるいは、その他の多角形状に囲むように設けても
よい。また、減衰手段としての粘弾性ダンパーは、必ず
しも支承部9を囲む必要はなく、図11に示す免震装置
1’のように、上部取付板5’を下部取付板4と同様に
平面視矩形に形成するとともに、円筒状の粘弾性体ダン
パー35を上部取付板5’および下部取付板4間の四隅
に配置した構成を採用するようにしてもよい。
【0059】また、上記実施の形態においては、メイン
ボール13と板面8との間に所望の摩擦係数を確保する
ために、板面8を塑性変形させていたが、これに代え
て、図12のように、板面8をメインボール13の材料
より降伏応力が小さく塑性変形しやすい材料36によっ
てメッキして被覆するようにしてもよい。この場合メッ
キ材料としては、亜鉛、真鍮、鉛などが好適である。
【0060】また、板面8または板面8にメッキした材
料36を塑性変形させる代わりに、図13に示すよう
に、粘着材等を用いて微小な粉体37を板面に分散状態
に付着させ、これによりメインボール13と板面8との
間の摩擦係数を確保するようにしてもよい。この場合、
粉体37としては、砂、金剛砂、コランダム等を好適に
用いることができる。またこの場合、粘着材等を用いず
に粉体37を板面8上に載置するのみの構成であっても
よい。
【0061】また、上記実施の形態において、免震装置
1に作用する荷重をさらに大きくして、小ボール12内
に塑性変形が生じる状態とするようにしてもよい。メイ
ンボール13についても、同様に、その内部等に部分的
に塑性変形を生じさせるようにしてもよい。また、上記
実施の形態において、下部取付板4側に支承部9を固定
し、メインボール13を上部取付板5の下面に当接させ
ることによって、上部取付板5の荷重を下部取付板側に
伝達させるようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1、2に係
る免震装置においては、第一の転動体が下部取付板また
は上部取付板の板面に対して、3〜10%の摩擦係数を
もって水平移動可能に当接しているために、上部取付板
によって支持された上部構造体の加速度を適切な値に保
ちつつ、上部構造体の応答変位を所定値以内に抑制する
ことができる。これにより建物内の安全性を確保しつ
つ、水平変位を抑制して敷地の有効利用を図ることが可
能となる。
【0063】請求項3に係る免震装置においては、第一
の転動体およびそれに接する板面のいずれか一方または
双方が塑性変形した状態で用いられているため、第一の
転動体または板面に要求される弾性変形性能を大幅に低
減し、コストダウンを実現することができる。
【0064】請求項4に係る免震装置においては、第二
の転動体およびそれに接する当接面のいずれか一方また
は双方が塑性変形した状態で用いられているため、第二
の転動体または当接面に要求される弾性変形性能を大幅
に低減し、コストダウンを実現することができる。
【0065】請求項5に係る免震装置においては、板面
の硬度を200〜500に、第一の転動体の硬度を55
0〜900程度に設定しているので、板面に塑性変形を
良好に生じさせ、適度な摩擦係数を得ることができる。
【0066】請求項6に係る免震装置においては、板面
の表面が第一の転動体よりも降伏応力の小さい材料によ
って被覆されているために、板面の表面に塑性変形を良
好に生じさせ、適度な摩擦係数を得ることができる。
【0067】請求項7に係る免震装置においては、板面
の表面に粉体が分散設置された状態とされているため
に、板面の表面に適度な摩擦係数を得ることができる。
【0068】請求項8、11に係る免震装置において
は、減衰手段である粘弾性体が、突出部材と板面との当
接部をリング状に囲んでこれらをほこりやゴミなどから
保護する役割を果たすことができ、これにより、安定し
た性能を発揮できるようになっている。また、この粘弾
性体が、突出部材に当接するストッパの役割、および、
この場合の衝撃を緩和するショックアブソーバの役割を
果たすことが可能であり、これによって、上部構造体の
安全性を確保することが可能となる。また、ストッパや
ショックアブソーバを別途設ける必要が無く、収まりが
よい。
【0069】請求項9に係る免震装置においては、粘弾
性体の内周面および外周面が超延性材料によって被覆さ
れているために、これら超延性材料層が粘弾性体本体の
耐久性能を確保するための保護膜として機能し、耐久性
を向上させることができる。
【0070】請求項10に係る免震装置においては、減
衰手段が常温以上の所定温度で融解するホットメルト材
料によって形成されているために、これらを融解させた
状態で容易に所定の形状に形成することができ、製作性
に優れている。
【0071】請求項12に係る免震装置によれば、簡易
な機構により、突出部材と板面とを水平移動可能に当接
させることができ、製作性、コスト等の面で優れてい
る。
【0072】請求項13に係る建物においては、第一の
転動体と板面との接触面、あるいは、第二の転動体と当
接面との接触面に、これらを構成する材料のうち一方の
降伏応力以上破断応力以下の応力が作用するようになっ
ているので、これらの一方を確実に塑性変形させた状態
で用いることができる。これにより、免震装置に要求さ
れる耐荷性能を引き上げることができ、これによって、
免震装置の製作コストを抑制することができるととも
に、摩擦係数を適度に向上させて、上部構造体の安全性
の確保や敷地の有効利用を実現することができる。
【0073】請求項14に係る粘弾性体ダンパーの製造
方法においては、粘弾性体を融解させた状態で、遠心力
を付与することによって、容易に均一なリング状に形成
することができ、これにより、請求項8の免震装置に用
いられる粘弾性体を容易に製造することができ、さら
に、この粘弾性体を上部取付板および下部取付板に固着
させた状態で形成することも容易である。また、請求項
15のようにすることによって、請求項9の免震装置に
用いられる粘弾性体を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態である免震装置の斜
視半断面図である。
【図2】 同、要部立断面図である。
【図3】 同、要部上面図である。
【図4】 建物における免震装置の配置例を示す平面
図である。
【図5】 図1から3に示した免震装置において用い
られる粘弾性体ダンパーの製造方法を説明するための斜
視半断面図である。
【図6】 図1から3に示した免震装置の下部取付板
の板面に付与すべき硬度を検討するための実験装置の模
式図である。
【図7】 図6に示した装置による実験結果を示すた
めの図であって、板面の硬度(横軸)−ボールと板面と
の間の摩擦係数(縦軸)のグラフである。
【図8】 図1から3に示した免震装置の下部取付板
に形成された凹部のくぼみ深さを検討するための模式図
である。
【図9】 図1から3に示した免震装置の下部取付板
に形成された凹部のくぼみ深さを検討するために、メイ
ンボールに作用する力の方向を示した模式図である。
【図10】 同、メインボールの中心と凹部の中心軸
との距離(横軸)とメインボールに作用する接触面と平
行な方向の力(縦軸)の関係を示すグラフである。
【図11】 本発明の他の実施の形態を示す図であ
って、免震装置の斜視半断面図である。
【図12】 本発明のさらに他の実施の形態を示す
図であって、下部取付板の板面にメッキを施した場合の
免震装置の立断面図である。
【図13】 本発明のさらに他の実施の形態を示す
図であって、下部取付板の板面に粉体を付着させた場合
の免震装置の立断面図である。
【符号の説明】
1 免震装置 2 建物 3 布基礎(下部構造体) 4 下部取付板 5 上部取付板 8 板面 10 粘弾性体ダンパー(減衰手段) 12 突出部材 13 メインボール(第一の転動体) 14 小ボール受け 14a 当接面 15 小ボール(第二の転動体) 16 粘弾性体本体 17 被覆部(超延性材料層) 27 管状型枠 36 塑性変形しやすい材料 37 粉体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 15/02 F16F 15/02 E

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の下部構造体と上部構造体との間に
    介装される免震装置であって、 前記下部構造体側に取り付けた下部取付板と、前記上部
    構造側に取り付けた上部取付板とが上下に対向配置さ
    れ、 これら下部および上部取付板間に、これらの水平方向の
    相対変位を減衰させる減衰手段が設けられ、 前記下部取付板および上部取付板のいずれか一方には、
    同他方に向けて突出する突出部材が設けられ、 前記突出部材の先端は、前記他方の板面に対して、3〜
    10%の摩擦係数をもって水平移動に変位可能に当接し
    ていることを特徴とする免震建物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の免震建物であって、 前記突出部材の先端には、第一の転動体が転動可能に保
    持され、 前記第一の転動体は、前記他方の板面に対して3〜10
    %の摩擦係数をもって転動可能に当接していることを特
    徴とする免震建物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の免震装置であって、 前記第一の転動体および前記板面のうちのいずれか一方
    または双方が金属により形成され、 前記第一の転動体および前記板面のうちのいずれか一方
    または双方が、塑性変形した状態とされていることを特
    徴とする免震装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の免震装置であっ
    て、 前記第一の転動体および前記突出部材の間には、第二の
    転動体が介装され、 前記突出部材は、前記第二の転動体に対して当接面によ
    り接しており、 前記第二の転動体と当接面とのいずれか一方または双方
    が、金属により形成され、 前記第二の転動体および前記当接面のいずれか一方また
    は双方が、塑性変形した状態とされていることを特徴と
    する免震装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の免震装置であっ
    て、 前記板面は、ブリンネル硬度で200〜500の鋼板に
    よって形成され、 前記第一の転動体は、ブリンネル硬度で550〜900
    の材料によって形成されていることを特徴とする免震装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の免震装置であっ
    て、 前記板面の表面を、前記第一の転動体に比較して降伏応
    力の小さい材料によって被覆したことを特徴とする免震
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載の免震装置であっ
    て、 前記板面には、粉体が分散設置されていることを特徴と
    する免震装置。
  8. 【請求項8】 建物の下部構造体と上部構造体との間に
    介装される免震装置であって、 前記下部構造体側に取り付けた下部取付板と、前記上部
    構造側に取り付けた上部取付板とが上下に対向配置さ
    れ、 これら下部および上部取付板間には、これらの水平方向
    の相対変位を減衰させる減衰手段が設けられ、 前記下部取付板および上部取付板のいずれか一方には、
    同他方に向けて突出する突出部材が設けられ、 前記突出部材の先端は、前記下部取付板および上部取付
    板の他方の板面に対して水平移動可能に当接し、 前記減衰手段は、下端が前記下部取付板に固定されると
    ともに、上端が前記上部取付板に固定され、なおかつ、
    前記突出部材および第一の転動体を環状に囲むように形
    成された粘弾性体であることを特徴とする免震装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の免震装置であって、 前記粘弾性体は、その内周面および外周面が超延性材料
    で被覆されていることを特徴とする免震装置。
  10. 【請求項10】 請求項8または9のいずれかに記載の
    免震装置であって、 前記減衰手段は、常温以上の所定温度で融解するホット
    メルト材料によって形成されていることを特徴とする免
    震装置。
  11. 【請求項11】 請求項8から10のいずれかに記載の
    免震建物であって、 前記突出部材の先端には、第一の転動体が転動可能に保
    持され、 前記第一の転動体が、前記他方の板面に対して転動可能
    に当接していることを特徴とする免震建物。
  12. 【請求項12】 請求項1、8から10のいずれかに記
    載の免震建物であって、前記突出部材の先端と、前記他
    方の板面との間が滑動可能な構成とされていることを特
    徴とする免震建物。
  13. 【請求項13】 下部構造体と上部構造体との間に免震
    装置が介装された建物であって、 前記免震装置は、前記下部構造体側に取り付けられた下
    部取付板と、前記上部構造側に取り付けられた上部取付
    板とを上下に対向配置した構成とされるとともに、これ
    ら下部および上部取付板間に、これらの水平方向の相対
    変位を減衰させる減衰手段を設け、前記下部取付板およ
    び上部取付板のいずれか一方に、同他方に向けて突出す
    る突出部材を設け、さらに、前記突出部材の先端に、第
    一の転動体を転動可能に保持させ、この第一の転動体を
    前記他方の板面に対して転動可能に当接させた構成とな
    っており、 前記第一の転動体と前記板面との接触面に、前記第一の
    転動体および前記板面のうち、より降伏応力の小さい方
    の降伏応力以上かつ破断応力未満の応力が作用するよう
    に、前記免震装置に対して上部構造体の荷重を負担させ
    たことを特徴とする建物。
  14. 【請求項14】 管状の粘弾性体ダンパーを形成するた
    めの方法であって、 周方向に複数の分割体に分割可能とされた管状型枠内
    に、融解させた粘弾性体を注入するとともに、該管状型
    枠をその中心軸周りに回転させて遠心力を付与し、融解
    させた前記粘弾性体を前記管状型枠の内周面に沿って展
    開させ、この状態で、前記管状型枠を冷却することによ
    り、前記粘弾性体を固化させて該粘弾性体を管状に形成
    し、しかる後に、前記管状型枠を複数の前記分割体に分
    割して脱型することを特徴とする粘弾性体ダンパーの製
    造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の粘弾性体ダンパーの
    製造方法であって、 前記管状型枠に粘弾性体を注入するにあたっては、あら
    かじめ前記管状型枠内に融解させた超延性材料を注入し
    ておくとともに、前記管状型枠を回転させて遠心力を付
    与することにより融解させた超延性材料を前記管状型枠
    の内周面に沿って展開させ、さらにこの管状型枠を冷却
    して、前記超延性材料を固化させることによって管状の
    超延性材料層を形成しておき、 さらに、該超延性材料の内周面に前記粘弾性体を注入し
    て管状の粘弾性体を形成し、 しかる後に、再び融解させた超延性材料を前記管状の粘
    弾性体の内周面に注入して、該粘弾性体の内周面に管状
    の超延性材料層を再び形成することを特徴とする粘弾性
    体ダンパーの製造方法。
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