JP2002070358A - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JP2002070358A
JP2002070358A JP2000254525A JP2000254525A JP2002070358A JP 2002070358 A JP2002070358 A JP 2002070358A JP 2000254525 A JP2000254525 A JP 2000254525A JP 2000254525 A JP2000254525 A JP 2000254525A JP 2002070358 A JP2002070358 A JP 2002070358A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木造住宅等の小規模建物にも適用し得る有効
な免震装置を実現する。 【解決手段】 下部構造体としての基礎1に対して固定
されてその表面が支持面14aとされる板状部材11
と、上部構造体としての土台2に固定されて板状部材1
1側に突出しその先端が支持面14aに対し水平方向に
相対変位可能な状態で当接して上部構造体を支持する突
状部材と、それらの間に直接的あるいは間接的に介装さ
れた減衰手段とを有する。減衰手段としては、支持面1
4aを形成する弾性体14、粘弾性体20、鋼材ダンパ
ー等を単独であるいは適宜組み合わせて用いる。板状部
材11の支持面14aは凹曲面とし、突状部材としては
キャスター12が好適に採用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は免震構造建物に係わ
り、特に木造住宅等の比較的小規模な建物に適用して最
適な免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、免震構造は積層ゴム等の
免震装置によって建物全体を免震支持することで固有周
期を長周期化し、それにより建物に伝達される地震力を
大幅に低下させて地震被害を軽減することが可能であ
り、大規模建物においては広く普及しつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、大規模建物のみ
ならず、戸建て木造住宅等の小規模な建物にも免震構造
を採用したいという要請があるが、従来一般の免震構造
を木造住宅にそのまま適用した場合にはかなりのコスト
を要するものとなるし、建物の水平変位が過大となるこ
とが通常であるので、木造住宅等の小規模建物にも適用
し得る有効な免震装置の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、建物
の下部構造体と上部構造体との間に介装される免震装置
であって、それら下部構造体と上部構造体のいずれか一
方に対して固定されてその表面が支持面とされる板状部
材と、いずれか他方に固定されて前記板状部材側に突出
しその先端が前記板状部材の支持面に対し水平方向に相
対変位可能な状態で当接して上部構造体を支持する突状
部材と、それら板状部材と突状部材との間に介装された
減衰手段とを有してなることを特徴とする。
【0005】請求項2の発明は、請求項1の発明の免震
装置において、前記板状部材の支持面を前記減衰手段と
してのシート状の弾性体により形成してなることを特徴
とする。
【0006】請求項3の発明は、請求項2の発明の免震
装置において、前記弾性体は高減衰ゴムからなることを
特徴とする。
【0007】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの発明の免震装置において、前記板状部材の支持面を
覆う蓋体を設けて該蓋体を貫通する状態で前記突状部材
を設け、該蓋体の外周部と前記板状部材の外周部との間
に前記減衰手段としての粘弾性体を介装してなることを
特徴とする。
【0008】請求項5の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの発明の免震装置において、前記板状部材の支持面を
覆う蓋体を設けて該蓋体を貫通する状態で前記突状部材
を設け、該蓋体と前記板状部材との間に前記減衰手段と
しての粘弾性体を充填してなることを特徴とする。
【0009】請求項6の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの発明の免震装置において、前記板状部材の支持面を
覆う蓋体を設けて該蓋体を貫通する状態で前記突状部材
を設け、該蓋体と前記板状部材との間に前記減衰手段と
しての流動状態を呈する粘弾性体を封入してなることを
特徴とする。
【0010】請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれ
かの発明の免震装置において、前記板状部材と前記突状
部材との間に前記減衰手段としての鋼材ダンパーを介装
してなることを特徴とする。
【0011】請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれ
かの発明の免震装置において、前記板状部材の支持面を
凹曲面としたことを特徴とする。
【0012】請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれ
かの発明の免震装置において、前記突状部材はその先端
部に回転自在なボールを有するキャスターであることを
特徴とする。
【0013】請求項10の発明は、請求項1〜8のいず
れかの発明の免震装置において、前記突状部材の先端部
を滑らかな球面に形成したことを特徴とする。
【0014】請求項11の発明は、請求項1〜10のい
ずれかの発明の免震装置において、前記支持面の表面を
粗面あるいは粘着面としたことを特徴とする。
【0015】請求項12の発明は、請求項1〜11のい
ずれかの発明の免震装置において、少なくとも前記支持
面を被覆して異物が入り込むことを防止するための被覆
体を設けたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態である免震装
置Aについて図1〜図3を参照して説明する。本実施形
態の免震装置Aは、図3に示すような平面形状の木造戸
建て住宅を対象として、その基礎(布基礎)1と土台2
との間に多数設置されるものである。なお、土台2には
ホールダウン金物3により柱4が接合されてこの建物の
上部構造体を構成しており、この上部構造体の全体が、
免震装置Aどうしを連結している連結材5としての鋼材
を介してそれら免震装置Aにより免震支持されたものと
なっている。
【0017】本実施形態における免震装置Aは基礎1に
対して固定される板状部材11と、土台2に対して連結
材5を介して固定されるキャスター12(突状部材)を
主体として構成されている。
【0018】板状部材11は、凹曲面となるように湾曲
加工された円形受皿状の湾曲鋼板13の上面にシート状
の弾性体14を積層したもので、その弾性体14の上面
が上記キャスター12の先端を支持する支持面14aと
なっており、弾性体14がキャスター12の転がりエネ
ルギーを吸収することで減衰効果が得られるものとなっ
ている。すなわち本免震装置Aにおける弾性体14は減
衰手段として機能するものであり、本例ではその弾性体
14として厚さ5mm程度の高減衰ゴムが採用されてい
る。また、上記の湾曲鋼板13としてはたとえば4.5
mm厚の鋼板が用いられているが、その外周部には立ち
上がり壁部15が形成されており、その立ち上がり壁部
15の内面側は傾斜面16とされている。また、湾曲鋼
板13の底面側にはプレキャストコンクリート製の補強
部材17が一体化せしめられている。
【0019】キャスター12は、その先端(下端)に回
転自在なボール18を有しており、そのボール18が支
持面14a上を転動することでキャスター12およびそ
れが固定されている上部構造体の全体が板状部材11に
対し水平方向に相対変位可能な状態で支持されている。
キャスター12には板状部材11の支持面14aを覆う
蓋体19が取り付けられ、キャスター12はその蓋体1
9の中心部を貫通する状態で下方に突出するものとなっ
ている。蓋体19は上記の湾曲鋼板13と同様に4.5
mm厚の鋼板からなる円形平板状のものであり、この蓋
体19の外周部と、湾曲鋼板13の外周部に形成されて
いる立ち上がり壁部15との間には、環状の粘弾性体2
0が両者に接着された状態で介装されている。この粘弾
性体20も、板状部材11とキャスター12との間に蓋
体19を介して間接的に介装されてそれらの相対変位に
対する減衰効果を発揮する減衰手段として機能するもの
である。なお、図示例のキャスター12はボール18が
単一のものであるが、複数のボール18を備えるものも
採用可能である。また、キャスター12が板状部材11
に対して水平方向に相対変位した際には、粘弾性体20
の変形によって蓋体19が上下方向に若干変位しようと
するので、キャスター12をそのような上下方向の変位
を拘束しない状態で蓋体19を貫通させる構成とするこ
とが好ましい。
【0020】本実施形態の免震装置Aにあっては、上部
構造体をキャスター12を介して基礎1に固定した板状
部材11に対し水平方向に変位可能に支持するものであ
るので、十分な長周期化を実現できるものである。ま
た、弾性体14と粘弾性体20を減衰手段として併用
し、弾性体14による転がりエネルギー吸収効果と粘弾
性体20の塑性変形エネルギー吸収効果により優れた振
動減衰効果が得られ、それにより上部構造物の水平変位
を大きく低減させることができる。さらに、支持面14
aが凹曲面とされていることおよび粘弾性体20の弾性
復元力によって自ずと復元効果も得られる。一設計例に
よれば、固有周期を4秒に設定した場合、レベル2の地
震荷重に対して加速度120gal、振幅12cm程度に
抑制することができ、住宅を用途とする木造建物に対す
る十分な免震効果が得られる。
【0021】しかも、本実施形態の免震装置Aにあって
は、支持面14aを形成している高減衰ゴムからなる弾
性体14のシートにより上下方向の変位が抑制される効
果があるし、通常時においてはキャスター12のボール
18が弾性体14に食い込んだ状態となってボール18
の転動が規制されるから風による上部構造体の揺れを自
ずと拘束することができ、通常時の居住性が低下するこ
ともない。
【0022】そして、本実施形態の免震装置Aは、単な
る鋼板や高減衰ゴムのシート、粘弾性体、キャスターと
いった汎用資材を用いるのみで何等特殊で高価な部材や
素材を必要とせず、したがって積層ゴムをはじめとする
従来の各種の免震装置に比べて格段に安価に製作するこ
とができ、木造住宅に対する普及を十分に図ることがで
きる。
【0023】さらに、本実施形態の免震装置Aは、板状
部材11の外周部に立ち上がり壁部15を設けているの
で、想定を越える規模の地震時はそれがストッパーとな
ってキャスター12のスピンアウトを防止するのでフェ
イルセーフ効果が得られる。しかも、立ち上がり壁部1
5の内面側は直立面ではなく傾斜面16とされているの
で、キャスター12がそこに衝突した際には緩衝効果も
期待できる。なお、立ち上がり壁部15の内側の凹曲面
となっている支持面14は全体として曲率半径が一定の
球面とすることでも良いが、曲率半径を途中で変化さ
せ、板状部材11の外周部における曲率半径を中心部に
おける曲率半径よりも小さくする(つまり、水平面に対
する傾斜を外周部側でより急にする)ことが考えられ、
そのようにすれば振動抑制効果と復元力をより高めるこ
とができる。
【0024】さらになお、本実施形態の免震装置Aは、
板状部材11の底面に補強部材17を設けたのでこの免
震装置A自体の強度、剛性は十分に確保することができ
る。ただし、このような補強部材17は不要であれば省
略して良いし、それに代えて、あるいはそれに加えて、
湾曲鋼板13の底面に補強リブを設ける等により補強す
ることも考えられる。
【0025】次に、本実施形態の免震装置Aを設置する
ための施工方法の一例について説明する。まず、基礎1
を施工するに際し、免震装置Aを支持金物21により位
置決めして仮支持する。支持金物21としてはボルト部
材22に対しナット部材23をねじ込むことで伸縮自在
なものを用い、3〜4本の支持金物21の上端を適正レ
ベルに設定してそれら支持金物21上に免震装置Aを水
平に載置する。この際、免震装置Aを支持金物21に対
して適宜固定することでも良いが、免震装置Aの見かけ
上の比重が生コンクリートの比重(通常はρ=2.3程
度)よりも大きい場合には、コンクリート打設の際に免
震装置Aが浮き上がってしまうことはないから、その場
合は免震装置Aを支持金物21上に単に載置するだけで
十分であり、特に固定する必要はない。
【0026】そして、免震装置Aの板状部材11の立ち
上がり壁部15の上面のレベルまでコンクリートを打設
して基礎1を形成する。これにより免震装置Aの板状部
材11が基礎1の上部に埋設された状態で自ずと強固に
固定され、かつ、蓋体19および粘弾性体20は基礎1
の上面から浮いた状態となるから、キャスター12の水
平方向の相対変位が拘束されることはない。
【0027】そこで、キャスター12の上部に連結材5
をボルト締結して、その連結材5により免震装置Aどう
しを連結し、その連結材5上に土台2を取り付ける。そ
れ以降は、通常の木造住宅の場合と全く同様の手順で上
部構造体を施工していけば良い。
【0028】以上の施工方法によれば、何等面倒な手間
を要することなく、施工コストも殆ど要せず、免震装置
Aを基礎1に対して簡単かつ確実に設置することができ
る。
【0029】以上で本発明の一実施形態である免震装置
Aについて説明したが、以下に他の実施形態を列挙す
る。なお、以下の実施形態において同一機能を有する構
成要素については同一符号を付して詳細な説明は省略
し、相違点のみを説明するに留める。
【0030】図4に示す免震装置Bは、上記のキャスタ
ー12に代えて、先端が球面に形成された突状部材30
を用いるものである。この免震装置Bでは、突状部材3
0の先端の球面が支持面14a上を直接的に摺動するの
で、キャスター12の場合に比較して摺動抵抗が遙かに
大きくなるから、必要であれば図示例のように支持面1
4a上にオイル31を入れておくか、あるいはグリース
を塗布する等して摺動抵抗を低減させることが考えられ
る。なお、先の実施形態において免震装置Aどうしを連
結していた連結部材5は本例では省略しており、土台2
がそれを兼ねるものとしている。
【0031】図5および図6に示す免震装置Cは、粘弾
性体20に代えて鋼材ダンパー35が設けられており、
その鋼材ダンパー35と支持面14aを形成している弾
性体14とを減衰手段として併用したものとなってい
る。すなわち、板状部材11の外周縁部の二カ所には鋼
棒36がその下端を溶接されて立ち上げられているとと
もに、突状部材30が取り付けられている取付板37に
は鋼棒36の上端が係合する突起38が設けられること
によって、鋼材ダンパー35が突条部材30と板状部材
11との間に取付板37を介して介装されている。した
がって、この免震装置Cでは、上部構造体が相対変位し
た際には弾性体14による転がりエネルギー吸収効果に
加え、鋼棒36が曲げ変形を受けることでその塑性変形
エネルギー吸収効果により振動減衰効果が得られるよう
になっている。
【0032】また、この免震装置Cでは支持面14aを
覆うゴムシート等からなるカバー39が設けられてお
り、そのカバー39により支持面14a上にごみや砂等
の異物が入り込むことが防止され、以て、異物により上
部構造体の相対変位が阻害されて免震効果が損なわれる
ことが防止されるようになっている。なお、カバー39
は突条部材30と板状部材11との相対変位を拘束する
ことがなく、かつその相対変位に追従し得るものとして
おく必要があるので、十分な弾性を有するものを用いる
か、あるいは十分な弛みを持たせておく必要がある。ま
た、上記のような支持面14aを覆うカバー39に代え
て、適宜の被覆体たとえばシート材や吹付材等により免
震装置C全体を被覆することも考えられ、特に耐火被覆
材により全体を被覆すればこの免震装置Cに十分な耐火
性能を持たせることができる。また、本実施形態の免震
装置Cでは板状部材11の外周部における立ち上がり壁
部15は省略されており、突状部材30の先端にはキャ
スター12が取り付けられている。
【0033】図7に示す免震装置Dは、板状部材11と
蓋体19との間の全体にわたって粘弾性体40を充填し
たものである。粘弾性体40としては常温で固体である
ものの他、流動状態を呈するものや液状の粘弾性体も採
用可能であり、必要に応じて板状部材11と蓋体19の
最外周縁部に粘弾性体40を封入するためのシールリン
グ41を挟み込めば良い。この免震装置Dでは粘弾性体
40の素材やその充填量により所望の減衰性能を幅広く
設定することができるし、異物が入り込むことを自ずと
防止できる。
【0034】図8に示す免震装置Eは、上記各実施形態
における湾曲鋼板13に代えて平板状の鋼板45を採用
してその上面に弾性体14を設けることにより板状部材
11を平板状とし、したがって支持面14aを凹曲面と
することなく平面としたものである。この免震装置Eに
よっても、支持面14aを形成している弾性体14と外
周部に設けられた粘弾性体20により減衰効果が得ら
れ、粘弾性体20の弾性により復元効果が得られる。
【0035】図9に示す免震装置Fは、上記の免震装置
Eにおける弾性体14の表面の支持面14aを粗面とし
てキャスター12の転がり抵抗を調節することで減衰性
能を制御するようにしたものである。弾性体14の表面
の粗面は粗いメッシュ模様を形成する等により容易に形
成することができる。あるいは粗面に代えて粘着面とす
ることも考えられる。また、支持面14aの中心部には
凹部14bが設けられ、その凹部14bによって通常時
におけるキャスター12のボール18の位置を規制し、
かつ地震後にはキャスター12が自ずとその位置に復元
するようになっている。
【0036】図10に示す免震装置Gは上記各実施形態
における弾性体14を省略し、鋼板45それ自体を板状
部材11としてその表面を支持面45aとしたものであ
る。この場合、減衰効果と復元効果は粘弾性体20によ
り得られる。なお、上記の免震装置Fと同様に、支持面
45aを直接加工したり粉体を接着する等してサンドペ
ーパーのような粗面に形成するか、もしくは粘着面とす
ることで、キャスター12の転がり抵抗を調節すること
ができる。
【0037】図11および図12に示す免震装置Hは、
図9に示した免震装置Fを基本として、板状部材11と
蓋体19との間に複数(図示例は4つ)の粘弾性体20
を分散配置し、かつ支持面14aを覆うカバー39を弛
ませて設けたものであり、上記各実施形態の免震装置と
同様に機能し同様の効果が得られる。
【0038】以上で本発明の実施形態を説明したが、本
発明の免震装置は上記各実施形態に限定されるものでは
なく、減衰手段としての弾性体、粘弾性体、鋼材ダンパ
ーを単独であるいはさらに様々に組み合わせて採用する
ことができることはもとより、上記各実施形態において
採用した種々の構成を他の実施形態においても採用する
ことをはじめとして適宜の設計的変更が可能である。た
とえば減衰手段としては上記のもの以外も採用可能であ
るし、上記各実施形態の免震装置の天地を逆にした形態
(各実施形態における板状部材11を土台2等の上部構
造体の下面に下向きに固定し、キャスター12や突状部
材30を基礎1等の下部構造体の上部に上向きに固定す
る)とすることも不可能ではなく、そのようにすれば異
物が入り込むことを自ずと防止できる利点がある。ま
た、本発明の免震装置は木造住宅等の比較的小規模の建
物に適用して最適であるが、それに限るものでもなく任
意の構造、規模、用途の建物に広く採用できることは言
うまでもないし、基礎免震構造に適用するのみならず中
間階免震構造に適用することも勿論可能である。
【0039】
【発明の効果】請求項1の発明の免震装置は、板状部材
の支持面に対し突状部材の先端を水平方向に相対変位可
能な状態で当接させて上部構造体を支持し、それら板状
部材と突状部材との間に減衰手段を介装した構成である
から、建物に対する長周期化機能と減衰機能が得られ、
優れた免震性能を得ることができる。
【0040】請求項2の発明の免震装置は、板状部材の
支持面を減衰手段としてのシート状の弾性体により形成
したので、弾性体による減衰効果が得られるとともに、
弾性体のクリープにより通常時の風による揺れを有効に
防止することができる。
【0041】請求項3の発明の免震装置は、弾性体とし
て高減衰ゴムを用いたので、減衰効果を十分に高めるこ
とができ、かつ上下方向の振動をも有効に抑制すること
ができる。
【0042】請求項4の発明の免震装置は、板状部材の
支持面を覆う蓋体に突状部材を貫通せしめ、蓋体の外周
部と板状部材の外周部との間に減衰手段としての粘弾性
体を介装したので、粘弾性体による優れた減衰効果と復
元効果が得られ、かつ蓋体により異物が内部に入り込む
ことを防止することができる。
【0043】請求項5の発明の免震装置は、蓋体と板状
部材との間に粘弾性体を充填したので、請求項4の発明
と同様の効果が得られる。
【0044】請求項6の発明の免震装置は、蓋体と板状
部材との間に流動状態を呈する粘弾性体を封入したの
で、請求項4,5と同様の効果が得られる。
【0045】請求項7の発明の免震装置は、板状部材と
突状部材との間に減衰手段としての鋼材ダンパーを介装
したので、鋼材ダンパーによる優れた減衰効果が得られ
る。
【0046】請求項8の発明の免震装置は、板状部材の
支持面を凹曲面としたので、振動抑制効果が高められか
つ自ずと復元力が得られる。
【0047】請求項9の発明の免震装置は、突状部材と
してキャスターを採用したので、キャスターのボールが
転動することで上部構造体を確実かつ滑らかに水平変位
させることができる。
【0048】請求項10の発明の免震装置は、突状部材
の先端部を滑らかな球面に形成したので、支持面に対す
る突状部材の摺動抵抗を低減させて上部構造体を確実か
つ滑らかに水平変位させることができる。
【0049】請求項11の発明の免震装置は、支持面の
表面を粗面あるいは粘着面としたので、突状部材の水平
変位に抑制を与えて免震効果を制御することができる。
【0050】請求項12の発明の免震装置は、少なくと
も支持面を被覆して異物が入り込むことを防止するため
の被覆体を設けたので、異物により免震効果が損なわれ
ることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の免震装置の一実施形態を示す側断面
図である。
【図2】 同、平断面図である。
【図3】 同、木造住宅に対する免震装置の配置例を示
す平面図である。
【図4】 本発明の免震装置の他の実施形態を示す側断
面図である。
【図5】 本発明の免震装置のさらに他の実施形態を示
す側断面図である。
【図6】 同、平断面図である。
【図7】 本発明の免震装置のさらに他の実施形態を示
す側断面図である。
【図8】 本発明の免震装置のさらに他の実施形態を示
す側断面図である。
【図9】 本発明の免震装置のさらに他の実施形態を示
す側断面図である。
【図10】 本発明の免震装置のさらに他の実施形態を
示す側断面図である。
【図11】 本発明の免震装置のさらに他の実施形態を
示す側断面図である。
【図12】 同、平断面図である。
【符号の説明】
A〜H 免震装置 1 基礎(下部構造体) 2 土台 (上部構造体) 5 連結材 11 板状部材 12 キャスター(突状部材) 13 湾曲鋼板 14 弾性体(減衰手段) 14a 支持面 14b 凹部 15 立ち上がり壁部 16 傾斜面 17 補強部材 18 ボール 19 蓋体 20 粘弾性体(減衰手段) 30 突状部材 35 鋼材ダンパー(減衰手段) 39 カバー(被覆体) 40 粘弾性体(減衰手段) 45 鋼板(板状部材) 45a 支持面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/98 E04B 1/98 G F16F 7/08 F16F 7/08 15/02 15/02 L E Fターム(参考) 2E001 DG01 DG02 EA09 FA21 FA71 GA01 GA12 GA14 GA42 GA62 HB02 HE01 LA01 LA03 LA16 LA18 3J048 AA07 AC01 AC05 AD05 BA11 BD01 BD08 BE12 BE15 BG02 DA01 EA38 3J066 AA26 BA01 BA03 BB01 BB04 BC03 BD05 BD07 BF01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の下部構造体と上部構造体との間に
    介装される免震装置であって、それら下部構造体と上部
    構造体のいずれか一方に対して固定されてその表面が支
    持面とされる板状部材と、いずれか他方に固定されて前
    記板状部材側に突出しその先端が前記板状部材の支持面
    に対し水平方向に相対変位可能な状態で当接して上部構
    造体を支持する突状部材と、それら板状部材と突状部材
    との間に介装された減衰手段とを有してなることを特徴
    とする免震装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の免震装置において、前
    記板状部材の支持面を前記減衰手段としてのシート状の
    弾性体により形成してなることを特徴とする免震装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の免震装置において、前
    記弾性体は高減衰ゴムからなることを特徴とする免震装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の免震装
    置において、前記板状部材の支持面を覆う蓋体を設けて
    該蓋体を貫通する状態で前記突状部材を設け、該蓋体の
    外周部と前記板状部材の外周部との間に前記減衰手段と
    しての粘弾性体を介装してなることを特徴とする免震装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の免震装
    置において、前記板状部材の支持面を覆う蓋体を設けて
    該蓋体を貫通する状態で前記突状部材を設け、該蓋体と
    前記板状部材との間に前記減衰手段としての粘弾性体を
    充填してなることを特徴とする免震装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の免震装
    置において、前記板状部材の支持面を覆う蓋体を設けて
    該蓋体を貫通する状態で前記突状部材を設け、該蓋体と
    前記板状部材との間に前記減衰手段としての流動状態を
    呈する粘弾性体を封入してなることを特徴とする免震装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の免震装
    置において、前記板状部材と前記突状部材との間に前記
    減衰手段としての鋼材ダンパーを介装してなることを特
    徴とする免震装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の免震装
    置において、前記板状部材の支持面を凹曲面としたこと
    を特徴とする免震装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の免震装
    置において、前記突状部材はその先端部に回転自在なボ
    ールを有するキャスターであることを特徴とする免震装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれかに記載の免震
    装置において、前記突状部材の先端部を滑らかな球面に
    形成したことを特徴とする免震装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の免
    震装置において、前記支持面の表面を粗面あるいは粘着
    面としたことを特徴とする免震装置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の免
    震装置において、少なくとも前記支持面を被覆して異物
    が入り込むことを防止するための被覆体を設けたことを
    特徴とする免震装置。
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