JPH06323355A - 動的作用に対して支持物を保護する摩擦ダンパ - Google Patents

動的作用に対して支持物を保護する摩擦ダンパ

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JPH06323355A
JPH06323355A JP6056531A JP5653194A JPH06323355A JP H06323355 A JPH06323355 A JP H06323355A JP 6056531 A JP6056531 A JP 6056531A JP 5653194 A JP5653194 A JP 5653194A JP H06323355 A JPH06323355 A JP H06323355A
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friction damper
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damper
rings
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ウヴエ・ドルカ
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    • F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16F—SPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F7/00—Vibration-dampers; Shock-absorbers
    • F16F7/08—Vibration-dampers; Shock-absorbers with friction surfaces rectilinearly movable along each other
    • F16F7/082—Vibration-dampers; Shock-absorbers with friction surfaces rectilinearly movable along each other and characterised by damping force adjustment means
    • E—FIXED CONSTRUCTIONS
    • E04—BUILDING
    • E04H—BUILDINGS OR LIKE STRUCTURES FOR PARTICULAR PURPOSES; SWIMMING OR SPLASH BATHS OR POOLS; MASTS; FENCING; TENTS OR CANOPIES, IN GENERAL
    • E04H9/00—Buildings, groups of buildings or shelters adapted to withstand or provide protection against abnormal external influences, e.g. war-like action, earthquake or extreme climate
    • E04H9/02—Buildings, groups of buildings or shelters adapted to withstand or provide protection against abnormal external influences, e.g. war-like action, earthquake or extreme climate withstanding earthquake or sinking of ground
    • E04H9/021—Bearing, supporting or connecting constructions specially adapted for such buildings

Abstract

(57)【要約】 【目的】 二次元で振動を打消すことができ，再使用可
能で容易に調節可能であり，静摩擦と滑り摩擦との間で
極めて特に安定な移行を示す摩擦ダンパを提供する。 【構成】 摩擦ダンパ１は，上に設けられかつ湾曲する
接触面で接触する少なくとも２つの摩擦環５，６から成
る摩擦環積層体と，この摩擦環積層体用の予荷重付与手
段１１，１３，１４，１５，１６とを持ち，これらの摩
擦環５，６が交互に２つの摩擦ダンパ接続体の第１の摩
擦ダンパ接続体２ａ及び第２の摩擦ダンパ接続体２ｂに
結合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は，動的作用に対して支持
物を保護するのに使用することができる摩擦ダンパに関
する。
【０００２】このような摩擦ダンパは，地震保護のため
有利に使用されるいわゆる応答制御（Ｒｅｓｐｏｎｓｅ
−Ｃｏｎｔｒｏｌ）支持物に特に適している。
【０００３】応答制御支持物は，特別な部材により地震
エネルギの大部分が，位置エネルギとして系内に応力を
生ずるのを防止されるように，構成されている。この部
材の反応の設定及び系内のその位置により，それに合わ
される他の支持物の構造に関連して，強い地震の作用で
系全体が制御できるように反応する機構になり，従つて
本来の意味において静的な支持物はもはやない。
【０００４】この機構が系内の応力を所定の程度に限定
するように，この機構を構成することができる。それに
より支持物は損傷を確実に防止される。このような限定
は，設定される摩擦力以上のものを支持物へもはや移行
せしめられない摩擦ダンパの使用によつて行うことがで
きる。
【０００５】さて受動応答制御支持物と能動応答制御支
持物と混成応答制御支持物とが区別される。
【０００６】能動系は機能を果すために外部エネルギを
必要とする。しかし実際の建造物の地震保護のために，
大抵の場合能動系は適していない。なぜならば，機械的
装置及び所要エネルギが殆ど実現不可能な大きさをとる
からである。しかし高層建造物の風による振動に対して
は既に成果をもつて使用されている。
【０００７】これに対し受動系は，地震保護に際してそ
の有効性を証明しており，種々の国，主として日本で既
にしばしば成果をもつて使用されている。特に種々の基
礎分離系（Ｂａｓｅ−Ｉｓｏｌａｔｉｏｎ−Ｓｙｓｔｅ
ｍ）は言及に値するが，約１０階までの低層建造物に限
定されている。更に応答制御にのみダンパを使用するよ
うな系即ちハイデ系（Ｈｙｄｅ−Ｓｙｓｔｅｍ）は，３
０階以上の高層建造物にも低層建造物にも成果をもつて
使用されている。
【０００８】混成系は受動系と能動系との組合わせであ
り，受動部分は系パラメータ例えば摩擦ダンパの摩擦部
分の押圧力の制御に限定される。混成系は今まで実際に
使用されていないが，地震の場合受動系の作用を改善す
る。
【０００９】前述した支持物では，受動，能動又は混成
であつても，ダンパが特別な役割を果す。ダンパは，そ
の摩擦，可塑性，粘性，磁性又は質量作用のような作用
機構において相違している。構造に関係してダンパは，
１軸，２軸又は３軸作用方向を可能にする。ダンパの重
要な判断基準はヒステリシスの精度，限界応力を受ける
際の安定性，ダンパの寿命，保守のし易さ，種々の使用
事例への適応性及び取付けの際の要求である。
【００１０】地震の危険にさらされる建造物の改造の際
特に基礎分離系及びハイデ系が考慮される。基礎分離系
は，歴史的価値のため建築材料及び構造を変更してはな
らない歴史的建造物の保護に適している。更に基礎分離
系は，完成後建造物の下でもはや見えない。
【００１１】これに反しハイデ糸は，６０年及び７０年
を経て不充分な規格のため地震の危険にさらされる多く
の鋼製建造物及び鉄筋コンクリート建造物の改造に特に
適している。
【００１２】
【従来の技術】このような系に使用するための摩擦ダン
パは，例えば欧州特許出願第０３４９９７９号から公知
である。ここに記載されている摩擦ダンパは摩擦ばね素
子で，大体において外側環と軸線方向にスリツトを持つ
内側環とから形成され，これらの環が円錐状接触面を介
して共同作用し，ケースの中に設けられている。このケ
ースは入れ子式に内外にはまり合う２つのケース部分の
端部にそれぞれ取付け環を持つている。摩擦ばね素子の
予荷重は，ケース内に設けられる中心締付けボルトを介
して加えられる。
【００１３】一方向にのみ作用するこの摩擦ばね素子
は，静摩擦と滑り摩擦との間で不安定な移行を示す。更
に予荷重は不精確にしか調節されず，調節ねじに近づき
難い。
【００１４】欧州特許第００７６５７３号明細書から，
多層エラストマ支持片と組合わされる基礎分離系付き支
持物用摩擦ダンパが公知であり，２つの摩擦部分の間に
設けられる弾性支持片を持ち，弾性支持片はゴム等から
成る板と交互に積層されて互いに結合される金属板とを
持つている。第１の摩擦部分は建造物の下側に取付けら
れ，第２の摩擦部分は案内装置に垂直移動可能に係合し
ている。
【００１５】この支持片も，静摩擦と滑り摩擦との間の
不安定な移行という欠点を持つている。更にこの構造は
極めて費用がかかり，ダンパの全可動性は極めて小さ
い。
【００１６】更にフランス国特許出願第７５２０６５４
号から，別の基礎分離系付き支持物用摩擦ダンパも公知
である。
【００１７】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術から出発
して，本発明の基礎になつている課題は，二次元振動運
動を相殺でき，再使用可能で軽く，組込み状態でも広範
囲に調節可能で，特に静摩擦と滑り摩擦との間で極めて
安定な移行を示し，従つて公知の摩擦ダンパにおいて生
ずる静摩擦−滑り摩擦運動がなくなるような，摩擦ダン
パを提供することである。更に本発明の目的は，調節精
度が非常に高く保守の容易なダンパを提供することであ
る。
【００１８】
【本発明の思想】本発明は，積層体にまとめられて互い
に可動な摩擦環が湾曲した接触面のみで接触するという
思想に基いている。接触面の湾曲により，この接触面の
縁における圧力は零であり，中心へ向かつて最大値まで
増大する。それにより積層体の僅かな接線方向荷重で
も，この接触面の縁における局部摩擦抵抗に打勝つ。そ
の結果荷重の増大につれて，接線方向力の増大を受止め
ねばならない接触面の割合が連続的に減少し，逐に摩擦
環の相互滑り摩擦が生ずる。従つて同じ程度に積層体の
接線方向こわさが零まで減少し，摩擦力が最大値まで増
大する。これにより静摩擦と滑り摩擦との間の不安定な
移行という公知の摩擦ダンパの欠点，いわゆる静摩擦−
滑り摩擦効果が，簡単かつ確実に除去される。完全な滑
り摩擦即ち摩擦環の相互滑り摩擦に至らなくても，僅か
な荷重で，既に接触区域の縁範囲で局部摩擦が克服さ
れ，エネルギが放出される。
【００１９】
【課題を解決するための手段】詳細には本発明の課題
は，上下に設けられて湾曲接触面で接触する少なくとも
２つの摩擦環が，２つの摩擦ダンパ接続体の第１及び第
２の摩擦ダンパ接続体に交互に結合され，摩擦環積層体
用の予荷重付与手段が設けられていることによつて解決
される。ここで摩擦環は，環状の摩擦板をも意味するも
のとする。
【００２０】積層体の完全な滑り摩擦のために必要な接
線方向力は，積層体の押圧力により，また摩擦環の数，
表面仕上げ及び材料選択により，広範囲に変化すること
がでる。その際表面湾曲のほかに摩擦環間の押圧力が，
積層体の接線方向わさの尺度である接触面の大きさを決
定する。その際摩擦環積層体の予荷重付与手段が所望の
押圧力を与える。
【００２１】
【実施態様】摩擦環積層体が，交互に設けられかつ大き
い外径及び内径を持つ摩擦環と小さい外径及び内径を持
つ摩擦環とから構成されていると，摩擦環と摩擦ダンパ
接続体との結合が簡単に行われる。
【００２２】第１の摩擦ダンパ接続体に結合される案内
管上へはまる摩擦環が小さい外径及び内径を持ち，第２
の摩擦ダンパ接続体に結合される外被管により包囲され
る摩擦環の外縁が大きい外径及び内径を持つていること
によつて，なるべくフランジとして形成される摩擦ダン
パ接続体への結合が行われる。
【００２３】本発明による接触面は種々のやり方で形成
され，接触面の湾曲のため圧力分布か縁の方へ減少して
いることが重要である。
【００２４】本発明による接触面は，レンズ状摩擦環及
び平坦摩擦環の交互配置によつて簡単に形成され，レン
ズ状摩擦環はその湾曲のため上述した望ましい効果を生
ずる。
【００２５】摩擦環に適した接触面を形成する別の可能
性として，摩擦環積層体において，外方へ凸に湾曲する
なるべく円形の挿入片を持つ摩擦環と平坦摩擦環とが交
互に設けられている。なるべくセラミツクから成りかつ
なるべく１０〜５０ｍｍの直径を持ち外方へ凸に湾曲す
る挿入片も，同様に望ましい圧力分布を示す。
【００２６】摩擦環があると，摩擦環毎に複数の接触面
が隣接する摩擦環に対して生ずるので，摩擦環の湾曲の
不精確さ及び摩擦係数のばらつきが摩擦ダンパの接線方
向力へ及ぼす影響が小さくなる。摩擦環の数の増大によ
り，挿入片毎に摩擦ダンパ接続体を介して受止めるべき
接線方向力が減少するので，僅かな予荷重を摩擦環積層
体へ与えればよく，それによりダンパの寿命が高まる。
【００２７】案内管又は外被管に関連して，大きい外径
及び内径を持つ摩擦環と案内管との間の遊び，及び小さ
い外径及び内径を持つ摩擦環と外被管との間の遊びによ
つて，可能な最大滑り摩擦変位の大きさが定まる。種々
の接線方向における摩擦環のこの運動遊びは，例えば特
定の建造物方向に短い滑り摩擦変位を可能にしようとす
れば，摩擦環の縁の形状又は案内管の外側の形状又は外
被管の内側の形状によつて，要求に合わせることができ
る。その際種々の接線方向に可能な滑り摩擦変位は，滑
り摩擦がなくなるまで変化される。
【００２８】案内管を通つて延びる軸部を持つ締付けボ
ルトと，この締付けボルトにより案内管の自由端に保持
されて摩擦環を第１の摩擦ダンパ接続体へ押付ける締付
け板とが，予荷重付与手段として特に適していることが
わかつた。
【００２９】案内管は，任意において滑り摩擦変位が可
能な最大値に達すると締付けボルトの軸部がせん断力を
受けるのを防止する。それにより場合によつては摩擦環
の運動遊びを利用する際も（これは支持物の計算による
限界状態の超過と同じことである），予荷重を維持する
ことができる。
【００３０】締付けボルトの頭部と第１の摩擦ダンパ接
続体との間に単独に又は積層体として設けられかつ非直
線弾性ばね特性を持つ弾性素子としての皿ばねは，この
皿ばね又は皿ばね積層体の変形の測定を介して，摩擦ダ
ンパの組込み状態で簡単に制御可能な締付けボルトの予
荷重の極めて精確な調節を可能にする。更にこのような
皿ばねは，摩擦環積層体に後でおこり得る沈下を完全に
補償し，本発明による摩擦ダンパの予荷重の調節精度を
所定の目標値の約±２％にするのを可能にする。
【００３１】本発明による摩擦ダンパの適用は建造物の
地震保護に限定されず，例えば機械基礎の振動絶縁又は
風による振動の減衰のような振動防止のための他の分野
にもわたつている。
【００３２】
【実施例】２つの実施例により本発明を以下に説明す
る。
【００３３】本発明による摩擦ダンパ１は，摩擦ダンパ
接続体としてのフランジ２ａ及びフランジ２ｂを持ち，
これらのフランジは，接続穴３ａ及び３ｂを介して，振
動を減衰すべき構造物へ任意の角をなして取付けること
ができる。例えばフランジ２ａは図示してない鉄筋コン
クリート天井の下側に取付けられ，フランジ２ｂは図示
してない壁又は支柱に取付けられる。フランジ２ａの中
心に案内管４が設けられて，平坦摩擦環５とフラシジ２
ａとの結合を行い，同様にフランジ２ｂの中心に設けら
れる外被管７が，フランジ２ｂとレンズ状断面を持つレ
ンズ状摩擦環６との結合を行う。
【００３４】レンズ状摩擦環６の外縁８は外被管７の内
周面に対して可動に設けられているので，フランジ２ａ
とフランジ２ｂは図面にＶで示す方向に互いに自由に移
動可能である。
【００３５】摩擦ダンパ１のフランジ２ａ及び２ｂに作
用する接線方向力は，平坦摩擦環５とレンズ状摩擦環６
とから成る摩擦環積層体により受止められる。
【００３６】案内管４を通つて延びる締付けボルト１３
のねじ部１２は締付け板１１へはまり，その頭部１４は
皿ばね積層体１５を介してフランジ２ａに間接に支持さ
れ，この締付けボルト１３が締付け板１１の環状縁１６
を厚擦環積層体の一番下の平坦摩擦環５へ押付ける。
【００３７】ねじ頭部１４を適当に回すことにより，摩
擦環積層体へ作用する予荷重が精確に調節される。摩擦
環積層体には，フランジ２ａ及び２ｂに対して接線方向
に作用しかつレンズ状摩擦環６の数及び摩擦環５，６間
の摩擦係数に関係する最大摩擦力が生じ，締付けボルト
１３の頭部１４を回すことにより，摩擦ダンパの組込み
状態でこの摩擦力が簡単に調節され，後でも再調節可能
である。
【００３８】フランジ２ａに形成されている環状凹所１
７の底に載る皿ばね積層体１５は，図示した実施例で
は，所望の使用事例に合わされる非直線弾性ばね特性を
持つ２枚の皿ばねから成つている。この皿ばね積層体の
変形の測定を介して，締付けボルト１３従つて摩擦環積
層体の予荷重が精確に制御される。更に皿ばね積層体１
５は，摩擦環積層体に後で場合によつてはおこる沈下を
実際上完全に補償する。
【００３９】明細書の序文に既に詳細に述べたように，
本発明によれば摩擦環，ここではレンズ状摩擦環６と平
坦摩擦環５は接触面１８においてのみ接触する。
【００４０】レンズ状摩擦環６の表面の湾曲１９を介し
て，摩擦環５，６間の接触面１８の大きさが影響を受け
る。例えば図８の（ｃ）に示す摩擦ダンパの力−変形曲
線の初期勾配がこの接触面の大きさに関係する。
【００４１】図８の（ａ）に示す圧力分布は，接触面の
縁では０であり，接触面の中心へ向かつて最大値まで増
大するので，フランジ２ａ及び２ｂに作用する僅かな接
線方向力Ｔでも，接触面の縁に滑り摩擦が生ずる。その
結果接触面１８にかかる荷重の増大につれて，摩擦ダン
パのこわさが０（完全な滑り摩擦）まで減少すると共
に，僅かな荷重でも既にエネルギが放出され，図８の
（ｃ）の力−変形曲線（″縁区域における滑り摩擦″の
範囲）からわかるように摩擦環の滑りに至ることはな
い。本発明による摩擦ダンパにおける静摩擦と滑り摩擦
との間の連続的移行のため，今までの摩擦ダンパにおい
て生じた静摩擦と滑り摩擦との間の望ましくない跳躍が
なくなる。従つてまだ完全な滑り摩擦が生じない僅かな
荷重レベルでも，摩擦ダンパが効果的に使用される。
【００４２】摩擦ダンパ１の可能な最大滑り摩擦変位
は，レンズ状摩擦環６と案内管４との間の遊び及び平坦
摩擦環５と外被管７との間の遊びによつて生ずる。
【００４３】外被管７，摩擦環５，６の縁及び案内管４
の適当な形状によつて，種々の方向において異なる可能
な最大滑り摩擦変位を摩擦ダンパで生ずることができ
る。予期しない強い振動の場合，滑り摩擦変位の限定に
より付加的な安全度が与えられる。なぜならば，摩擦ダ
ンパの限界に達した後，即ち支持物の計算による限界状
態の超過後，ダンパの過荷重ポテンシヤルにより建造物
が付加的に安定化され，ダンパが直ちには損傷しないか
らである。
【００４４】更に図１からわかるように，滑り摩擦変位
が可能な最大値に達した際，締付けボルト１３の軸部が
せん断力を受けるのを案内管４が防止し，それによりこ
のような事態後も予荷重が失われず，従つて完全な機能
が維持されるようにすることができる。
【００４５】図４は本発明による摩擦ダンパの別の実施
例を示し，その構造は大体において図１に示す摩擦ダン
パの構造に一致している。主要な相違は，図４に２１で
示す大きい外径及び内径を持つ摩擦環に関して生ずる。
【００４６】図６に示す摩擦環２１からわかるように，
円の周囲にわたつて均一にセラミツク挿入片２２が分布
されている。
【００４７】図７に断面で示すセラミツク挿入片２２
は，図３によるレンズ状摩擦環と同様に，摩擦環２１の
平らな表面から突出する湾曲表面２８を持つている。
【００４８】図１による摩擦ダンパとは異なり，上下に
設けられるそれぞれ２つの摩擦環の間に環状に延びる接
触面はなく，それぞれのセラミツク挿入片の中心の周り
に設けられる個々の接触面がある。
【００４９】図４による多数の個々の接触面は，接触面
の湾曲の不精確さが静摩擦と滑り摩擦との間の限界力へ
及ぼす影響を打消す。
【００５０】摩擦環を設けるために，約２０ｍｍの直
径，約８〜１０ｍｍの最大高さ及び約２２０ｍｍの曲率
半径を持つ挿入片が特に適していることがわかつた。こ
のような好ましい摩擦環挿入片の断面が図７に示されて
いる。
【００５１】図４による摩擦ダンパは，図１による摩擦
ダンパと同様に，締付け板２３に作用する締付けボルト
２４を持ち，この締付けボルトは摩擦環積層体の予荷重
の所定の目標値に関して約±２％の調節精度を可能にす
るが，従来の摩擦ダンパでは調節精度は所定の目標値の
約±３０％であるにすぎない。
【００５２】更に図４による摩擦ダンパは蛇腹密封片２
５を持ち，この密封片が湿気及び汚物のような周囲の影
響に対して摩擦環積層体及び締付けボルト２４を遮蔽
し，その際フランジ２６ａ及び２６ｂの垂直移動を妨げ
ることがない。
【００５３】更に図４に２７で示す案内管は，フランジ
２６ａと一体に構成することができる。
【００５４】図１にも図４にも示してないが環状凹所１
７又は２９上に載せることができる保護蓋は，本発明に
よる摩擦ダンパの汚物に対する密封を更に改善する。
【００５５】要約すれば，本発明により，振動特に地震
に対して建造物を保護する摩擦ダンパが提供され，この
摩擦ダンパは二次元的に作用するように構成され，任意
の組込み角で使用可能であり，組込み状態で簡単に調節
又は再調節可能であり，高度の信頼性と保守のし易さと
を持ち，滑り摩擦変位が可能な最大値に達する場合にも
振動減衰作用を失わず，環境の影響に対して保護され，
接線方向摩擦力を広範囲に精確に調節可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】レンズ状摩擦環構成第１の摩擦ダンパの断面図
である。
【図２】図１による摩擦ダンパの平面図である。
【図３】図１及び２による摩擦ダンパの摩擦環の平面図
である。
【図４】摩擦環に挿入片を持つ第２の摩擦ダンパの断面
図である。
【図５】図４による摩擦ダンパの平面図である。
【図６】図４及び５による摩擦ダンパの摩擦環の平面図
である。
【図７】図６による挿入片の断面図である。
【図８】（ａ）は２つの摩擦環の接触面における圧力分
布を示す断面図，（ｂ）は円形接触面における局部摩擦
を持つ縁区域の平面図，（ｃ）は本発明による摩擦ダン
パの力−変形曲線の図である。
【符号の説明】
１ 摩擦ダンパ ２ａ，２ｂ，２６ａ，２６ｂ 摩擦ダンパ接続
体（フランジ） ５，６，２１ 摩擦環 １１，１３，１４，１５，１６，２４ 予荷重付与手段 １８ 湾曲接触面

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 上下に設けられて湾曲接触面（１８）で
    接触する少なくとも２つの摩擦環（５，６，２１）が，
    ２つの摩擦ダンパ接続体（２ａ２ｂ，２６ａ，２６ｂ）
    の第１及び第２の摩擦ダンパ接続体に交互に結合され，
    摩擦環積層体用の予荷重付与手段（１１，１３，１４，
    １５，１６）が設けられていることを特徴とする，動的
    作用に対して支持物を保護する摩擦ダンパ。
  2. 【請求項２】 摩擦環積層体（５，６，２１）が，交互
    に設けられかつ大きい外径（Ｄａ）及び内径（Ｄｉ）を
    持つ摩擦環と小さい外径（Ｄａ）及び内径（Ｄｉ）を持
    つ摩擦環とから構成されていることを特徴とする，請求
    項１に記載の摩擦ダンパ。
  3. 【請求項３】 接触面（１８）が平坦摩擦環（５）と湾
    曲摩擦環（６）との交互配置によつて生ずることを特徴
    とする，請求項２に記載の摩擦ダンパ。
  4. 【請求項４】 接触面が外方へ凸に湾曲する挿入片（２
    ２）を持つ平坦摩擦環（２１）と平坦摩擦環との交互配
    置によつて生ずることを特徴とする，請求項１又は２に
    記載の摩擦ダンパ。
  5. 【請求項５】 挿入片（２２）がセラミツクから成つて
    いることを特徴とする，請求項４に記載の摩擦ダンパ。
  6. 【請求項６】 第１の摩擦ダンパ接続体（２ａ，２６
    ａ）に結合される案内管（４，２７）上へはまる摩擦環
    が小さい外径及び内径を持ち，第２の摩擦ダンパ接続体
    （２ｂ，２６ｂ）に結合される外被管（７）により包囲
    される摩擦環の外縁が大きい外径及び内径を持つている
    ことを特徴とする，請求項２ないし５の１つに記載の摩
    擦ダンパ。
  7. 【請求項７】 案内管（４） 及び外被管（７）の端
    部が，摩擦ダンパ接続体として役立つフランジ（２ａ，
    ２ｂ，２６ａ，２６ｂ）へそれぞれ開口していることを
    特徴とする，請求項６に記載の摩擦ダンパ。
  8. 【請求項８】 案内管（４）を通つて延びる軸部を持つ
    締付けボルト（１３）と，この締付けボルトにより案内
    管（４）の自由端に保持されて摩擦環を第１の摩擦ダン
    パ接続体（２ａ，２６ａ）へ押付ける締付け板（１１）
    とが，予荷重付与手段として設けられていることを特徴
    とする，請求項６又は７に記載の摩擦ダンパ。
  9. 【請求項９】 締付けボルト（１３）の頭部（１４，２
    ４）と第１の摩擦ダンパ接続体（２ａ，２６ａ）との間
    に，非直線弾性ばね特性を持つ弾性素子が，単独で又は
    積層体として設けられていることを特徴とする，請求項
    ８に記載の摩擦ダンパ。
  10. 【請求項１０】 種々の接線方向における摩擦環（５，
    ６，２１）の運動遊びが，摩擦環の縁の形状又は案内管
    （４）の外側の形状又は外被管（７）の内側の形状によ
    り限定可能であることを特徴とする，請求項６ないし９
    の１つに記載の摩擦ダンパ。
  11. 【請求項１１】 摩擦環（２１）の挿入片（２２）が異
    なる湾曲表面（２８）の挿入片と交換可能であることを
    特徴とする，請求項４ないし１０の１つに記載の摩擦ダ
    ンパ。
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