JP2002104267A - 自動二輪車の風防装置 - Google Patents

自動二輪車の風防装置

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JP2002104267A JP2000301163A JP2000301163A JP2002104267A JP 2002104267 A JP2002104267 A JP 2002104267A JP 2000301163 A JP2000301163 A JP 2000301163A JP 2000301163 A JP2000301163 A JP 2000301163A JP 2002104267 A JP2002104267 A JP 2002104267A
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62JCYCLE SADDLES OR SEATS; AUXILIARY DEVICES OR ACCESSORIES SPECIALLY ADAPTED TO CYCLES AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, e.g. ARTICLE CARRIERS OR CYCLE PROTECTORS
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    • B62J17/10Ventilation or air guiding devices forming part of fairings

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】走行時にウインドスクリーン背側に負圧が発生
するのを防止してウインドプロテクションを向上させ、
ウインドスクリーン背側の雨水の侵入を確実に防止した
ものである。 【解決手段】本発明に係る自動二輪車の風防装置では、
車体の前部を前方から覆うフロントカウリング23を設
け、このフロントカウリング23の上方にウインドスク
リーン26を設置する。ウインドスクリーン26の背側
にはスピードメータ等のメータパネル37を配設する。
一方、フロントカウリング23の前面に導風口25を開
口させ、この導風口25から走行風を導入させる一方、
メータパネル37の前方基部に吹出口47を形成する。
メータパネル37の吹出口47はウインドスクリーン2
6の背側に向けて開口させ、この吹出口47と導風口2
5を連通させる。メータパネル37の吹出口47部にス
ライド式シャッタ54を設け、このシャッタ54で吹出
口47を開閉自在としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体前部をフロン
トカウリングで覆設した自動二輪車の風防装置に係り、
特にウインドスクリーンを備えたスクータ型車両等の自
動二輪車の風防装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の自動二輪車においては、車体を
前方から覆うフロントカバーとしてのフロントカウリン
グの上方に透明なウインドスクリーンを設け、このウイ
ンドスクリーンで走行時のウインドプロテクションを向
上させたものがある。このウインドスクリーンは走行風
の影響を極力排除するために流線形形状に形成されたも
のや、走行時のウインドプロテクションを向上させるた
めに、ウインドスクリーンに種々の工夫を施している。
【0003】ウインドスクリーンの中には、走行時のウ
インドプロテクションをより一層向上させるために、ウ
インドスクリーンを大型化したり、ウインドスクリーン
上端部に逆反りを入れたものがある。
【0004】しかし、ウインドスクリーンを大型化した
り、スクリーン上端部に逆反りを入れたりすると、走行
風に対するプロテクションエリアが広がるものの、ウイ
ンドスクリーンの背後に負圧が発生し、走行風を周囲か
ら巻き込んで乱流が生じたり、また、ウインドスクリー
ン背後に発生する負圧によりライダが前方に引っ張られ
るように不快感を伴うことがある。
【0005】このため、従来の自動二輪車では、特開平
10−23453号公報や特開平11−245868号
公報に示すように、ウインドスクリーンの下方に導風口
を開口させ、導風口から流入した走行風をウインドスク
リーンの背側に導くようにしたものがある。
【0006】図15は自動二輪車のウインドスクリーン
1の下端部でフロントカバー2の上方に導風口3を設け
た例を示す。導風口3は図16に示すようにウインドス
クリーン1の下端部に開口しており、導風口3から導入
された走行風をメータパネル4によりウインドスクリー
ン1の背側(裏面側)に案内し、このスクリーン背側か
ら後上方に逃がしてやり、ウインドスクリーン1の背側
負圧を低減させるようにした技術がある。符号5はヘッ
ドランプアッセンブリである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動二輪車のよ
うに、ウインドスクリーン1の下部に導風口3を開口さ
せ、この導風口3からウインドスクリーンの背側に走行
風を案内するものでは、ウインドスクリーン1背側の負
圧が解消されるが、導風口3から導入される走行風の流
路6がウインドスクリーン1の背側に沿って滑らかな後
上がりの連続的な流線形状に形成されているため、雨天
走行時には走行風とともに雨水が侵入し易く、また、冬
期のように寒い時期の走行では、走行に伴い寒風が入り
込み、この寒風がライダの顔面に直接当たる虞がある等
の問題があった。
【0008】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、走行時にウインドスクリーン背側の負圧発生を
防止してウインドプロテクションを向上させ、ウインド
スクリーン背側に雨水が侵入するのを未然にかつ確実に
防止し、操作性を向上させた自動二輪車の風防装置を提
供することを目的とする。
【0009】本発明の他の目的は、吹出口から吹き出さ
れた走行風の吹抜けを良好にしてウインドスクリーン背
側に負圧が発生するのを確実に防止する一方、走行風か
ら雨水を除去する気液分離効率を向上させた自動二輪車
の風防装置を提供するにある。
【0010】本発明のさらに他の目的は、ウインドスク
リーン背側に乱流が発生するのを有効的に防止し、走行
風の巻込みを防止してライダの不快感を抑制し、操縦安
定性を向上させた自動二輪車の風防装置を提供するにあ
る。
【0011】本発明の別の目的は、導風口からの走行風
の導風流路に設けられた開閉自在のシャッタによりウイ
ンドプロテクションを向上させ、寒風や雨水等の侵入を
確実に防止した自動二輪車の風防装置を提供するにあ
る。
【0012】本発明のさらに別の目的は、ヘッドランプ
等のメンテナンス性を向上させ、導風流路内に塵芥等の
異物の落下を防止し、走行風によるシャッタの変形やガ
タ付きを防止し、シャッタ操作性を向上させた自動二輪
車の風防装置を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係るは自動二輪
車の風防装置は、上述した課題を解決するために、請求
項1に記載したように、車体の前部を前方から覆うフロ
ントカウリングを設け、このフロントカウリングの上方
にウインドスクリーンを設置するとともに、ウインドス
クリーンの背側にスピードメータ等のメータパネルを配
設した自動二輪車の風防装置において、前記フロントカ
ウリングの前面に走行風を導入する導風口を開口し、こ
の導風口をメータパネルの前方基部に形成されてウイン
ドスクリーンの背側に向けて開口する吹出口に連通され
る一方、上記吹出口部にその開口を開閉可能なシャッタ
を設けたものである。
【0014】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係るは自動二輪車の風防装置は、請求項2に記載
したように、前記メータパネルはフロントメータパネル
とリヤメータパネルを組み付けて構成され、上記フロン
トおよびリヤメータパネル間に摺動案内路を形成し、こ
の摺動案内路に沿ってシャッタを摺動させて開閉可能に
構成したものであり、さらに、請求項3に記載したよう
に、前記メータパネルに形成された吹出口部に櫛歯状あ
るいは格子状のルーバをシャッタの摺動方向と平行に複
数設け、上記各ルーバの少なくとも1本をシャッタの表
面に摺接可能に構成したものである。
【0015】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係るは自動二輪車の風防装置は、請求項4に記
載したように、前記シャッタをスライド操作させる操作
ノブをメータパネルの庇部に上下方向にスライド可能に
設け、上記操作ノブのスライド操作によりシャッタをス
ライド開閉させたものであり、また、請求項5に記載し
たように、前記メータパネルの裏面とこのメータパネル
に対向設置されるスライドガイド部材との間にシャッタ
を摺動自在に保持する一方、上記スライドガイド部材は
導風口から吹出口に至る導風流路を構成するダクトの接
続部と一体に構成したものである。
【0016】本発明に係るは自動二輪車の風防装置は、
上述した課題を解決するために、請求項6に記載したよ
うに、車体の前部を前方から覆うフロントカウリングを
設け、このフロントカウリングの上方にウインドスクリ
ーンを設置するとともに、ウインドスクリーンの背側に
スピードメータ等のメータ類を取り付けたメータパネル
を設置した自動二輪車の風防装置において、前記フロン
トカウリングの前面あるいはウインドスクリーンの下方
に走行風を導入する導風口を開口させる一方、上記ウイ
ンドスクリーンとメータパネルとの間にスクリーン背側
流路を形成し、この背側流路にメータパネルの前方基部
に形成される吹出口を臨ませ、前記導風口と吹出口とを
走行風の反転流路を介して連通させたものである。
【0017】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係るは自動二輪車の風防装置は、請求項7に記載
したように、前記メータパネルの吹出口に対応するウイ
ンドスクリーンの箇所をフロントカウリングの延長面よ
り車両前方に突出させ、この突出部からウインドスクリ
ーンを後上方に向けて滑らかな流線形形状に形成したも
のであり、さらに、請求項8に記載したように、走行風
の反転流路は、導風口と吹出口との間に設置されたイン
テークダクトで構成し、このインテークダクトは着脱可
能に設けられたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る自動二輪車の風防装
置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0019】図1および図2は、本発明の風防装置を適
用したスクータ型自動二輪車の一実施形態を示す側面図
および平面図である。
【0020】このスクータ型自動二輪車は、全体を符号
10で示し、車体フレーム11全体がボディカバーとし
てのフレームカバー12で覆われている。車体フレーム
11の前部にはハンドル13で操舵される前輪14を有
する一方、後輪15はパワーユニットを構成するユニッ
トスイング型エンジン16で駆動される。ユニットスイ
ング型エンジン16は、車体フレーム11の中央下部に
上下方向に揺動自在に取り付けられ、その後端に後輪1
5が回転自在に軸支される。
【0021】ユニットスイング型エンジン16の上方に
は、運転者用シート17と同乗者用シート18が車両前
後方向に長く一体に備えられる。運転者用シート17と
同乗者用シート18は車両後方に向って高くなるように
階段状に形成され、両シート17,18間に運転者用バ
ックレスト19が形成され、このバックレスト19でラ
イダの腰部をサポートしている。
【0022】一方、ハンドル13と運転者用シート17
との間はU字状に湾曲されて湾曲部20が形成され、運
転者の乗降りを容易にしており、U字状湾曲部20の両
側にステップボード21が設けられる。ステップボード
21の車両前方側は、図1および図3に示すようにレッ
グシールド22が一体的に形成される。
【0023】レッグシールド22の上方には、フレーム
カバー12の一部を構成するフロントボディカバーとし
てのフロントカウリング23が設けられる。フロントカ
ウリング23はスクータ型自動二輪車10の車体に前方
から装着され、車体前部を覆うように取り付けられる。
このフロントカウリング23内の前方下部にヘッドラン
プアッセンブリ24が設けられ、このヘッドランプアッ
センブリ24の上方に導風口25が前面に開口して形成
される。この導風口25から走行風が後述する導風流路
に案内されるようになっている。
【0024】フロントカバー23の上部には透明なウイ
ンドスクリーン26が設けられる。このウインドスクリ
ーン26は風防板を形成し、走行抵抗を小さくするため
外表面が流線形形状に形成される。
【0025】また、同乗者用シート18は運転者用シー
ト17より一段高い位置に形成される一方、同乗者用シ
ート18の後部に同乗車用バックレスト27が設けられ
る。同乗者用シート18の前方下部に同乗者用フートレ
スト28が左右両側に設けられる。また、同乗者用シー
ト18の左右両側でやや後部側に同乗者用グリップを備
えたピリオンライダハンドル30が設けられる。
【0026】ピリオンライダハンドル30は、強化プラ
スチック等の樹脂製あるいは金属製で補強を兼ねた強度
メンバとして形成される。ピリオンライダハンドル30
は、図2および図4に示すように、フレームカバー12
より車両幅方向両側に若干膨出するように張り出してお
り、このピリオンライダハンドル30の途中にハンドル
グリップ部が設けられる。ピリオンライダハンドル30
は後方に向って斜め上方に立ち上がるように取り付けら
れており、同乗者用シート18に同乗者(ピリオンライ
ダ)が乗車したとき、ピリオンライダの脚部をサポート
して案内し、ピリオンライダの荷重の一部をピリオンラ
イダハンドル30で負担している。
【0027】同乗車用バックレスト27は、ピリオンラ
イダ(同乗者)の腰部をサポートするもので、同乗者用
シート18の後端部から上方に立ち上がるシーシーバ3
1の前面に設けられる。シーシーバ31は、物理的強度
メンバを構成する金属製補強プレートで構成される。シ
ーシーバ31は、例えばアルミダイキャスト製で形成さ
れ、このシーシーバ31の背側にリヤキャリア32が着
脱可能に取り付けられる。
【0028】このスクータ型自動二輪車10の車両前部
は、図5に拡大して示すように構成される。
【0029】車両前部を前方から覆うフロントボディカ
バーとしてのフロントカウリング23の上方にウインド
スクリーン26が連接される一方、ウインドスクリーン
26は、フロントカウリング23のカバー表面の延長線
あるいは延長面35上より車両前方側に膨出する滑らか
な湾曲膨出構造に構成される。ウインドスクリーン26
は、中央領域に前方に膨出するスクリーン凸部36が湾
曲形状に形成され、このスクリーン凸部36が後上方に
向ってスクリーン長手方向に流線形形状に延設される構
造となっている。
【0030】ウインドスクリーン26の背側にはメータ
パネル37が間隔をおいて設置される。メータパネル3
7は図6および図7に示すようにフロントメータパネル
38とリヤメータパネル39とを組み合わせて構成され
る。メータパネル37にはスピードメータや燃料計等の
各種メータ40が設置される。
【0031】一方、フロントカバーを構成するフロント
カウリング23の前面中央部に導風口25が図3に示す
ように開口している。導風口25はフロントカウリング
23と一体成形された導風ダクト43により構成され
る。導風ダクト43は導風口25が格子状あるいはラビ
リンス状ガイド部44に補強される一方、このガイド部
44により走行風の整流化作用が行なわれる。
【0032】導風ダクト43のダクト下流側はU字状あ
るいはくの字状、円弧状、エルボ状に湾曲したインテー
クパイプあるいはダクト45が接続される。インテーク
パイプ45の流出側はダクト状のパイプホルダ46に嵌
合されてインテークパイプ45が着脱可能に保持され
る。インテークパイプ45は内部に走行風の反転流路4
8を形成しており、導風口25から導入された走行風の
向きを反転させて吹出口47からウインドスクリーン2
6の背側流路49に案内している。インテークパイプ4
5を保持するパイプホルダ46はメータパネル37の下
部に着脱可能に取り付けられ、固定される。
【0033】パイプホルダ46はインテークパイプ45
に対応してダクト形状に構成される。パイプホルダ46
には吹出口47が形成されており、この吹出口47は対
応するメータパネル37の下部(前方基部)に位置され
る。そして、この吹出口47から反転流路48を通った
走行風がウインドスクリーン26の背側下部に吹き出さ
れるようになっている。
【0034】メータパネル37の吹出口46からウイン
ドスクリーン26の背側あるいは裏面側下部に吹き出さ
れた走行風は、ウインドスクリーン26とメータパネル
37のフロントパネル38との間に形成されるスクリー
ン背側流路49を通って案内される。その際、ウインド
スクリーン26はメータパネル37の吹出口46に対応
する箇所が、フロントカウリング23のカバー表面の延
長線35より車両前方に膨出してスクリーン凸部36が
形成されている。前方に膨出したスクリーン凸部36
は、この突出部からウインドスクリーン26の後上方に
向けて流線形形状に形成されるのでウインドスクリーン
26の背側にスクリーン背側流路49が安定的にかつ充
分な流路面積を有して形成される。
【0035】スクリーン背側流路49もメータパネル3
7下部の吹出口47からウインドスクリーン26の背面
側に沿って流線形形状に連続的に延びており、メータパ
ネル37の庇部37a上端から上方に向って開放されて
いる。しかして、吹出口47から吹き出される走行風は
ウインドスクリーン26背面側に案内され、走行時にウ
インドスクリーン26背面側に負圧が発生するのを有効
的かつ未然に防止している。
【0036】また、フロントカウリング23の導風口2
5から流入した走行風は、導風ダクト43からインテー
クパイプあるいはダクト45で反転してパイプホルダ4
6に導かれ、メータパネル37の下部吹出口47からウ
インドスクリーン26の背側流路49に案内される。こ
のように、フロントカウリング23内には、その導風口
25からウインドスクリーン26の背側流路49にかけ
て全体的にS字状の導風流路50が形成される。
【0037】走行風をS字状の導風流路50に案内する
ことにより、導風流路50を通る走行風は遠心力の作用
を受けて、気液分離が有効的かつ効率よく行なわれる。
このため、雨天走行時にも、走行風から雨水が確実に分
離除去され、雨水が除去された走行風だけがウインドス
クリーン26の背側に案内されるので、走行中のライダ
に不快感を与えるのを未然に防止できる。
【0038】また、雨水や塵芥を確実に除去した走行風
をウインドスクリーン26の背側に案内することによ
り、ウインドスクリーン26背側が負圧になるのを効果
的に防止できる。負圧発生を防止できるので、ウインド
スクリーン26の背側に周囲から走行風を巻き込むこと
を有効的に防止できるので、ウインドスクリーン26の
背側に乱流が発生するのを防止できる。
【0039】前記フロントカウリング23の導風ダクト
43とパイプホルダ46間に設置されるインテークパイ
プ45は着脱自在に保持される。図8に示されたダクト
状のパイプホルダ46を取り外すことにより、インテー
クパイプ45は容易に取り外すことができ、ヘッドラン
プアッセンブリ24の保守・メンテナンス作業を容易に
行なうことができる。ヘッドランプのメンテナンス時に
インテークパイプ45が邪魔にならず、整備性を向上さ
せることができる。
【0040】また、各種メータ類を取り付けたメータパ
ネル37は図8に示すように、フロントメータパネル3
8とリヤメータパネル39とを組み合わせ、締付ねじ
(締付ボルト)等の締着手段53で組み付けたものであ
る。メータパネル37の背側やパネル庇部37aのフロ
ントメータパネル38とリヤメータパネル39との間に
スライド式シャッタ54を案内する摺動案内路62が形
成される。
【0041】フロントメータパネル38の前方下部は図
7に示すようにリヤメータパネル39の前方下部より前
方下方に延設されて前方基部が構成され、この前方基部
に吹出口47が形成されるとともにその両側に取付部5
5が形成される。この取付部55は対応するリヤメータ
パネル39の取付部56とともに、車体前方の取付ブラ
ケット(図示省略)に共締めされて固定される。
【0042】フロントメータパネル38およびリヤメー
タパネル39は前面側が車両幅方向に円弧状あるいは曲
面状に湾曲形成される一方、車両幅方向に直交する上下
方向にも円弧状あるいは曲面状に湾曲形成され、全体と
して滑らかな凸(膨出)曲面形状にスクリーン前面側が
形成される。
【0043】フロントメータパネル38の前方下部に形
成された吹出口47には櫛歯状あるいは縦格子状の吹出
ルーバ58が一体成形され、この吹出ルーバ58により
吹き出口47が補強される。吹出ルーバ58はスライド
式シャッタ54の摺動方向と平行に延設され、走行風に
整流作用を付与するようになっている。
【0044】吹出口47に形成されるルーバ58のう
ち、中央および左右両側のルーバ58a,58b,58
cは図9に示すようにスライド式シャッタ54側に若干
突出し、シャッタ54と当接可能に形成される。スライ
ド式シャッタ54に当接可能な吹出ルーバ58a,58
b,58cは先端が円弧状に形成されてろ、シャッタ5
4との接触面積を小さくして摺動をスムーズに案内する
一方、吹出ルーバ58a〜58cの先端部はシャッタ5
4の摺動を案内するガイドレール60を形成している。
ガイドレール60は吹出ルーバ58a,58b,58c
と一体に成形されている。
【0045】メータパネル37下部の吹出口47に櫛歯
状あるいは格子状ルーバ58(58a,58b,58
c)を設けることにより、走行風の風圧によるシャッタ
54の変形やがたつきを防止でき、シャッタ54とメー
タパネル37との摩擦抵抗を減らし、スライド式シャッ
タ54の操作性を向上させている。
【0046】また、吹出口47に形成されるガイドレー
ル60に対応して、ダクト状パイプホルダ46の取付ア
ーム59にもガイドレール61が形成され、両ガイドレ
ール60,61間にスライド式シャッタ54の摺動案内
路62が構成される。このガイドレール61もフロント
メータパネル38側のガイドレール60と同様に先端に
丸みが施されて円弧状に形成され、スライド式シャッタ
54との接触面積を小さくし、摺動摩擦を軽減してい
る。
【0047】さらに、ダクト状パイプホルダ46の取付
アーム59は、パイプホルダ46の左右両側から上方に
延設されており、この取付アーム59の自由端側に取付
部59aが設けられる。取付アーム59の取付部59a
はフロントメータパネル38の取付座に締付ボルト(締
付ねじ)等の締着手段で固定される。取付アーム59の
途中には図10に示すように係合手段63が設けられ
る。係合手段63は取付アーム59から外側に突出する
係合突起63aが一体に設けられ、この係合突起63a
がフロントメータパネル38の取付ブラケット64に形
成された係合溝あるいは係合孔63bにワンタッチで係
合せしめられる構成となっている。
【0048】さらに、ダクト状パイプホルダ46に設け
られた左右一対の取付アーム59は図9および図10に
示すように、横断面L字状に形成され、フロントメータ
パネル38との裏面(背面)との間で摺動案内路62を
形成している。この意味で、取付アーム59はスライド
式シャッタ54のスライドガイド部材を構成している。
【0049】スライドガイド部材はパイプホルダ46を
一体に備えた構成となっており、パイプホルダ46の取
付部を兼ねている。フロントガイドパネル38の裏面と
取付アーム59の対向ガイドアーム面59bとの間に摺
動案内路62が形成されてスライド式シャッタ54を案
内し、保持する一方、スライド式シャッタ54の摺動が
より円滑かつスムーズになるように取付アーム59のリ
ブ状のガイドアーム面59bにリブ状のガイドレール6
1が突設される。ガイドレール61はスライド式シャッ
タ54の摺動方向に沿って延設される。
【0050】一方、フロントメータパネル38のルーバ
58a,58b,58cに形成されたガイドレール60
およびダクト状パイプホルダ46の取付アーム59に形
成されたガイドレール61は、メータパネル37の前面
形状に沿って後上方にスライド式シャッタ54の摺動方
向と平行に延設され、図10に示すように、スライド式
シャッタ54を案内している。両ガイドレール60,6
1間に形成される摺動案内路62もメータパネル37の
庇部37aの前面形状に沿って後上方に延び、フロント
メータパネル38とリヤメータパネル39との間に連絡
するように延設される。
【0051】また、スライド式シャッタ54は、図7お
よび図8に示すように操作部65が後方斜め上方に延設
され、その先端側が操作ノブ66のボス部67に係合し
ている。操作ノブ66は図8および図11に示すように
2つのフランジ付ノブピース68a,68bでリヤメー
タパネル39の庇部を挟持するように締付ねじ等の締着
手段69で組み付けたものである。操作ノブ66は一方
のノブピース68aに操作つまみが形成され、他方のノ
ブピース68bにスライド式シャッタ54の取付孔に嵌
挿されて係合するボス部が形成される。
【0052】操作ノブ66はリヤメータパネル39の庇
部の中央に上下方向に形成される長孔(操作孔)70に
沿ってスライド自在とされ、この操作ノブ66の手動操
作により、シャッタ54が摺動案内路62に沿って摺動
するように直接操作され、吹出口47を開閉させること
ができる。図7はスライド式シャッタ54の閉塞状態
を、図12は開放状態をそれぞれ示す。シャッタ54を
スライド操作させるのに、リンク機構やアクチュエータ
等の複雑なスライド操作機構が不要となり、シャッタ5
4の開閉がスムーズで故障が生じない。
【0053】一方、スライド式シャッタ54は、図11
に示すように、フロントメータパネル38とリヤメータ
パネル39で挟み込まれ、シャッタ54の表裏面を両側
からガイドしている。フロントメータパネル38および
リヤメータパネル39にリブ状のガイドレール71,7
2を対向設置することでスライド式シャッタ54の操作
部65をがたつかせることなく案内している。その際、
フロントメータパネル38にはリヤメータパネル39と
の間隔を保持するスペーサリブ73が対をなして設けら
れ、このスペーサリブ73でもスライド式シャッタ54
の操作部65が車両幅方向左右に振れるのを防止してい
る。スペーサリブはリヤメータパネル39側に形成して
もよい。
【0054】また、操作ノブ66のノブピース68a,
68bには、リヤメータパネル39を介して対向するフ
ランジ面に凹凸加工が施される。ノブピース68a,6
8bの対向フランジ面に形成される凹凸面の凸条は摺動
案内溝62の長手方向、すなわちシャッタ54の摺動方
向に延びて摺動抵抗を小さくし、操作ノブ66が円滑に
摺動操作されるように構成される。リヤメータパネル3
9に形成されるリブ状ガイドレール72,72は、操作
ノブ66の摺動時の横振れを防止するように案内してい
る。
【0055】しかして、フロントメータパネル38やリ
ヤメータパネル39の対向パネル面に形成されるガイド
レール71,72およびスペーサリブ73によりパネル
面が補強され、機械的・物理的強度が向上せしめられ
る。
【0056】また、スライド式シャッタ54のスライド
に伴う回転中心Osと、操作ノブ66のスライドに伴う
回転中心Onは、図13に示すように、摺動案内路62
の曲率半径やリヤメータパネル39の曲率半径の違いか
ら異なる。このため、回転中心OsとOnの違いによる
操作ノブ66とスライド式シャッタ54の相対的変位を
吸収するため、操作ノブ66のボス部67にシャッタ5
4の操作部65がフリーに取付けられ、シャッタ54の
操作部65は操作ノブ66のボス部67に軸方向摺動自
在に係合している。
【0057】この自動二輪車の風防装置では、導風口2
5の導風ダクト43に連接されるインテークダクト(パ
イプ)45をエルボ状等に湾曲形成し、このインテーク
ダクト45で導入された走行風の向きを反転させたの
で、導風口25から侵入した雨水をその遠心力作用で分
離除去でき、雨水が吹出口47からスクリーン背側流路
49に吹き出されるのを防止できる。
【0058】加えて、吹出口47の上流側にスライド式
シャッタ54を設け、このシャッタ54の上下流付近で
も導入された走行風の向きを変えているので、走行風の
気液分離をより正確的かつ確実に行なうことができる。
【0059】なお、本発明の一実施形態では、スクータ
型自動二輪車に適用した例を示したが、本発明はスクー
タ型車両以外の自動二輪車にも適用でき、オープンカー
等の三・四輪車両にも適用できる。
【0060】また、本発明の一実施形態では、スクータ
型自動二輪車の車体前部を覆うフロントカウリングに導
風口を形成した例を示したが、この導風口はウインドス
クリーンの下方であっても、また、ウインドスクリーン
とフロントカウリングの間に形成してもよい。
【0061】
【発明の効果】本発明に係る自動二輪車の風防装置にお
いては、導風口から導入された走行風をウインドスクリ
ーンの背側流路に案内して、ウインドスクリーン背側に
負圧が発生するのを未然にかつ確実に防止したので、ウ
インドプロテクションを向上させ、走行時にライダに不
快感を与えることがない一方、スライド式シャッタを設
けてウインドスクリーン背側に雨水や寒風が侵入するの
を確実に防止できる。
【0062】また、本発明に係る自動二輪車の風防装置
は導風口から導入された走行風を吹出口からウインドス
クリーンの背側流路に案内し、吹出口から吹き出される
走行風の吹き抜けを良好にしたので、ウインドスクリー
ン背側に乱流が発生するのを有効的に防止し、走行風の
巻込みを未然に防いでライダの操縦安定性を向上させる
ことができる。
【0063】さらに、本発明に係る自動二輪車の風防装
置では、スライド式シャッタを操作ノブで直接操作可能
としたので、シャッタのスライド操作機構が簡素化され
て故障が生じない構造とする一方、シャッタの開閉操作
を操作ノブで安定的かつスムーズに行なうことができ
る。
【0064】また、スライド式シャッタの摺動を櫛歯状
あるいは格子状ルーバに案内させたので、シャッタのス
ライド操作時にもシャッタとの接触面積を少なくする一
方、接触面積を小さくしても、シャッタに変形が生じた
り、がたつきが生じたりすることなく、スムーズに案内
され、メータパネルとの摩擦抵抗を減少させてスライド
操作性を向上させることができる。
【0065】またさらに、フロントカウリングやウイン
ドスクリーン下方に形成される導風口とメータパネルの
前方基部に形成された吹出口とを走行風の反転流路で連
通させたので、導風口から導入される走行風が反転流路
を通る間に向きを変えられて気液分離が積極的に効率よ
く行なわれ、ウインドスクリーンの背側流路に雨水が侵
入するのを未然にかつ確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動二輪車の風防装置の一実施形
態を示すもので、スクータ型自動二輪車の全体側面図。
【図2】図1に示されたスクータ型自動二輪車の平面
図。
【図3】図1に示されたスクータ型自動二輪車の前面
図。
【図4】図1に示されたスクータ型自動二輪車の背面
図。
【図5】図1に示されたスクータ型自動二輪車の車両前
部を拡大して示す図。
【図6】図1に示されたスクータ型自動二輪車の車両前
部のフロントカウリングとウインドスクリーンを示す斜
視図。
【図7】本発明に係る自動二輪車の風防装置の代表的実
施形態を示す断面図。
【図8】図7に示されたウインドスクリーンの背側に設
置されるメータパネルを分解して示す斜視図。
【図9】図7のIX−IX線に沿う平断面図。
【図10】図7のX−X線に沿う平断面図。
【図11】図7のXI−XI線に沿う平断面図。
【図12】図7に示されたウインドスクリーンとメータ
パネルの配置関係を拡大して示す部分断面図。
【図13】スライド式シャッタと操作ノブの回転中心の
位置関係を示す図。
【図14】従来の自動二輪車の風防装置を示すもので、
自動二輪車の前面図。
【図15】図14のXV−XV線に沿う平断面図。
【符号の説明】
10 スクータ型自動二輪車 11 車体フレーム 12 フレームカバー(ボディカバー) 13 ハンドル 14 前輪 15 後輪 16 ユニットスイング型エンジン 17 運転者用シート 18 同乗者用シート 19 運転者用バックレスト 20 湾曲部 21 ステップボード 22 レッグシールド 23 フロントカウリング(フロントボディカバー) 24 ヘッドランプアッセンブリ 25 導風口 26 ウインドスクリーン 27 同乗者用バックレスト 28 同乗者用フートレスト 30 ピリオンライダハンドル 31 シーシーバ 32 リヤキャリア 35 延長線(あるいは延長面) 36 スクリーン凸部 37 メータパネル 38 フロントメータパネル 39 リヤメータパネル 40 メータ 43 導風ダクト 44 ガイド部材 45 インテークパイプ(ダクト) 46 パイプホルダ 47 吹出口 48 反転流路 49 背側流路 50 導風流路 53 締付手段 54 シャッタ 55,56 取付部 58,58a,58b,58c 吹出ルーバ 59 取付アーム(スライドガイド部材) 60,61 ガイドレール 62 摺動案内路 63 係合手段 64 取付ブラケット 65 操作部 66 操作ノブ 67 ボス部 68a,68b ノブピース 69 締着手段 70 長孔 71,72 ガイドレール 73 スペーサリブ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の前部を前方から覆うフロントカウ
    リングを設け、このフロントカウリングの上方にウイン
    ドスクリーンを設置するとともに、ウインドスクリーン
    の背側にスピードメータ等のメータパネルを配設した自
    動二輪車の風防装置において、 前記フロントカウリングの前面に走行風を導入する導風
    口を開口し、この導風口をメータパネルの前方基部に形
    成されてウインドスクリーンの背側に向けて開口する吹
    出口に連通される一方、上記吹出口部にその開口を開閉
    可能なシャッタを設けたことを特徴とする自動二輪車の
    風防装置。
  2. 【請求項2】 前記メータパネルはフロントメータパネ
    ルとリヤメータパネルを組み付けて構成され、上記フロ
    ントおよびリヤメータパネル間に摺動案内路を形成し、
    この摺動案内路に沿ってシャッタを摺動させて開閉可能
    に構成した請求項1記載の自動二輪車の風防装置。
  3. 【請求項3】 前記メータパネルに形成された吹出口部
    に櫛歯状あるいは格子状のルーバをシャッタの摺動方向
    と平行に複数設け、上記各ルーバの少なくとも1本をシ
    ャッタの表面に摺接可能に構成した請求項1記載の自動
    二輪車の風防装置。
  4. 【請求項4】 前記シャッタをスライド操作させる操作
    ノブをメータパネルの庇部に上下方向にスライド可能に
    設け、上記操作ノブのスライド操作によりシャッタをス
    ライド開閉させた請求項1記載の自動二輪車の風防装
    置。
  5. 【請求項5】 前記メータパネルの裏面とこのメータパ
    ネルに対向設置されるスライドガイド部材との間にシャ
    ッタを摺動自在に保持する一方、上記スライドガイド部
    材は導風口から吹出口に至る導風流路を構成するダクト
    の接続部と一体に構成した請求項1記載の自動二輪車の
    風防装置。
  6. 【請求項6】 車体の前部を前方から覆うフロントカウ
    リングを設け、このフロントカウリングの上方にウイン
    ドスクリーンを設置するとともに、ウインドスクリーン
    の背側にスピードメータ等のメータ類を取り付けたメー
    タパネルを設置した自動二輪車の風防装置において、 前記フロントカウリングの前面あるいはウインドスクリ
    ーンの下方に走行風を導入する導風口を開口させる一
    方、上記ウインドスクリーンとメータパネルとの間にス
    クリーン背側流路を形成し、この背側流路にメータパネ
    ルの前方基部に形成される吹出口を臨ませ、前記導風口
    と吹出口とを走行風の反転流路を介して連通させたこと
    を特徴とする自動二輪車の風防装置。
  7. 【請求項7】 前記メータパネルの吹出口に対応するウ
    インドスクリーンの箇所をフロントカウリングの延長面
    より車両前方に突出させ、この突出部からウインドスク
    リーンを後上方に向けて滑らかな流線形形状に形成した
    請求項6記載の自動二輪車の風防装置。
  8. 【請求項8】 走行風の反転流路は、導風口と吹出口と
    の間に設置されたインテークダクトで構成し、このイン
    テークダクトは着脱可能に設けられた請求項6記載の自
    動二輪車の風防装置。
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