JP2012148739A - 鞍乗り型車両の前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】パネル部材でスクリーンの支持力を向上し、スクリーンとパネル部材との合わせの外観性を良くし、さらにパネル部材とスクリーンとの間に入る水を容易に抜くことができる鞍乗り型車両の前部構造を提供する。
【解決手段】スクリーン52の折り返し部52Bにスクリーン裏側パネル53の下縁を当接させると共に、折り返し部52Bに、スクリーン52とスクリーン裏側パネル53との間の隙間SBに連通する水抜き通路71を設けた。
【選択図】図10

Description

本発明は、ヘッドライトの上縁に隣接して配されるスクリーンの下部には、後方に折り返される折り返し部が設けられ、この折り返し部の上方に隣接してパネル部材が配される鞍乗り型車両の前部構造に関する。
自動二輪車には、ヘッドライトの上縁に隣接して配されるスクリーン(ウインドスクリーン)の下部に後方に折り返される折り返し部が設けられ、この折り返し部の上方に隣接してパネル部材が配される構成が開示されている。この種の車両には、スクリーンの折り返し部を、ヘッドライトのレンズ上面部と、ヘッドライトのレンズ上面部よりも上方に間隔を空けて設けられたリブとの間に係止したものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−35526号公報
ところで、従来の構成では、スクリーンの折り返し部とパネル部材の下端との間に大きな隙間が空いているため、前方から内部の構造が見えてしまう。
また、スクリーンの折り返し部を、ヘッドライトのレンズ上面部と、ヘッドライトのレンズ上面部よりも上方に間隔を空けて設けられたリブとの間に係止した押さえ構造だけでは、スクリーンの支持力が足りない場合がある。
この外観性とスクリーン支持力の向上を図るべく、パネル部材の下端を下方に延ばし、パネル部材の下端でスクリーンの折り返し部を押さえる構造が考えられる。しかしながら、この構造では、パネル部材とスクリーンとの間に入る水が抜けにくくなる事態が生じてしまう。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、パネル部材でスクリーンの支持力を向上し、スクリーンとパネル部材との合わせの外観性を良くし、さらにパネル部材とスクリーンとの間に入る水を容易に抜くことができる鞍乗り型車両の前部構造を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、レンズ(61)とハウジング(62)との間に灯体(63)を収容したヘッドライト(51)と、当該ヘッドライト(51)の上縁に隣接して配されるスクリーン(52)とを備え、前記スクリーン(52)の下部には、後方に折り返される折り返し部(52B)が設けられ、前記折り返し部(52B)の上方に隣接してパネル部材(53)が配される鞍乗り型車両の前部構造において、前記スクリーン(52)の折り返し部(52B)に前記パネル部材(53)の下縁を当接させると共に、前記折り返し部(52B)に、前記スクリーン(52)と前記パネル部材(53)との間の隙間に連通する水抜き通路(71)を設けたことを特徴とする。
この構成によれば、スクリーン(52)の折り返し部(52B)に、折り返し部(52B)の上方に隣接するパネル部材(53)の下縁を当接させると共に、この折り返し部(52B)に、スクリーン(52)とパネル部材(53)との間の隙間に連通する水抜き通路(71)を設けたので、パネル部材でスクリーンの支持力を向上し、スクリーンとパネル部材との合わせの外観性を良くし、さらにパネル部材とスクリーンとの間に入る水を容易に抜くことができる。
上記構成において、前記スクリーン(52)の折り返し部(52B)は、前記ヘッドライト(51)のレンズ上面部(61A)と、前記ヘッドライト(51)におけるレンズ上面部(61A)よりも上方に間隔を空けて設けられた係止部(61G)との間に係止し、前記水抜き通路(71)は、前記折り返し部(52B)における前記レンズ上面部(61A)と前記係止部(61G)との間に係止する部分に隣接して設けられるようにしてもよい。この構成によれば、特に水が抜けにくくなるスクリーンとヘッドライトとの係止部で水抜き性を高めることができる。
また、上記構成において、前記スクリーン(52)は、左右一対の前記折り返し部(52B1)を有し、前記パネル部材(53)の下縁中央部は、前記左右一対の折り返し部(52B1)の間で上方に湾曲し、前記パネル部材(53)の前後空間を連通させる上方凸の開口部(73)を有するようにしてもよい。この構成によれば、スクリーンとヘッドライトとの係止部を外観させないようにしつつ上方凸の開口部によって水抜き性をより高めることができる。
また、上記構成において、前記鞍乗り型車両はサイドスタンド(30)を備え、前記水抜き通路(71)は、前記サイドスタンド(30)を使用した状態で前記スクリーン(52)と前記パネル部材(53)との間の隙間における最下部に設けられるようにしてもよい。この構成によれば、サイドスタンドを使用した駐車状態で効率よく水を抜くことができる。
また、上記構成において、前記レンズ上面部(61A)は、前記鞍乗り型車両が直立した状態で車幅方向に水平の水平上面部(61B)と、この水平上面部(61B)の左右から上方に傾斜する左右の傾斜上面部(61C)とを有し、前記水抜き通路(71)は、前記水平上面部(61B)と前記傾斜上面部(61C)との境に設けられるようにしてもよい。この構成によれば、鞍乗り型車両が直立した状態及び左右に傾斜した状態のいずれでも効率よく水を抜くことができる。
また、上記構成において、前記水抜き通路(71)は、前記スクリーン(52)と前記パネル部材(53)との間の隙間の直下を前端として上下に貫通する貫通孔に形成されるようにしてもよい。この構成によれば、スクリーンの前面に水抜き通路が露出することを避けることができる。
また、上記構成において、前記パネル部材(53)の下部は、前記スクリーン(52)の下縁に沿って前方に膨出する帯状膨出部(53B)を有するようにしてもよい。この構成によれば、スクリーンを押さえるパネル部材の剛性を高め、よりスクリーンを強固に支持することができる。
本発明は、スクリーンの折り返し部に、この折り返し部の上方に隣接するパネル部材の下縁を当接させると共に、この折り返し部に、スクリーンとパネル部材との間の隙間に連通する水抜き通路を設けたので、パネル部材でスクリーンの支持力を向上し、スクリーンとパネル部材との合わせの外観性を良くし、さらにパネル部材とスクリーンとの間に入る水を容易に抜くことができる。
また、スクリーンの折り返し部は、ヘッドライトのレンズ上面部と、ヘッドライトにおけるレンズ上面部よりも上方に間隔を空けて設けられた係止部との間に係止し、水抜き通路は、折り返し部におけるレンズ上面部と係止部との間に係止する部分に隣接して設けられるようにすれば、特に水が抜けにくくなるスクリーンとヘッドライトとの係止部で水抜き性をより高めることができる。
また、スクリーンは、左右一対の折り返し部を有し、パネル部材の下縁中央部は、左右一対の折り返し部の間で上方に湾曲し、パネル部材の前後空間を連通させる上方凸の開口部を有するようにすれば、スクリーンとヘッドライトとの係止部を外観させないようにしつつ上方凸の開口部によって水抜き性を高めることができる。
また、鞍乗り型車両はサイドスタンドを備え、水抜き通路は、サイドスタンドを使用した状態でスクリーンとパネル部材との間の隙間における最下部に設けられるようにすれば、サイドスタンドを使用した駐車状態で効率よく水を抜くことができる。
また、レンズ上面部は、鞍乗り型車両が直立した状態で車幅方向に水平の水平上面部と、この水平上面部の左右から上方に傾斜する左右の傾斜上面部とを有し、水抜き通路は、水平上面部と傾斜上面部との境に設けられるようにすれば、鞍乗り型車両が直立した状態及び左右に傾斜した状態のいずれでも効率よく水を抜くことができる。
また、水抜き通路は、スクリーンとパネル部材との間の隙間の直下を前端として上下に貫通する貫通孔に形成されるようにすれば、スクリーンの前面に水抜き通路が露出することを避けることができる。
また、パネル部材の下部は、スクリーンの下縁に沿って前方に膨出する帯状膨出部を有するようにすれば、スクリーンを押さえるパネル部材の剛性を高め、よりスクリーンを強固に支持することができる。
本発明の実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。 自動二輪車の前部の側面図である。 自動二輪車の前部の正面図である。 図3からフロントカウルを取り外した図である。 スクリーンをスクリーン裏側パネルと共に下方から見た図である。 ヘッドライト、スクリーン及びスクリーン裏側パネルの合わせ部を拡大して示す正面図である。 図6からスクリーン裏側パネルを取り外した図である。 図6のA−A断面図である。 図6のB−B断面図である。 図6のC−C断面図である。 図6のD−D断面図である。 図6のE−E断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。
図1は、本発明の実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号Rは車体右方を示している。
自動二輪車1は、車両前後方向の略中央にエンジン2が搭載され、エンジン2の前方に前輪3が配置され、エンジン2の後方に後輪4が配置される鞍乗り型車両である。
車体フレームFは、車体前部に設けられるヘッドパイプ5、ヘッドパイプ5から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム7、及び、メインフレーム7の後部から後上がりに車体後部に延びるシートレール8を備える。
各メインフレーム7は、ヘッドパイプ5の後部から後下がりに延びるメインチューブ7Aと、メインチューブ7Aの後端から屈曲して下方に延びるセンターチューブ7Bとを有している。
ヘッドパイプ5には、ステアリングシャフト(不図示)を介して左右一対のフロントフォーク9が左右に操舵自在に支持され、フロントフォーク9の下部に前輪3が回動自在に支持されている。操行ハンドル10はフロントフォーク9の上部に設けられている。
センターチューブ7Bには、車幅方向に延びるピボット軸11を介してスイングアーム12が揺動自在に支持され、後輪4はスイングアーム12の後部に支持されている。スイングアーム12とメインフレーム7との間には、リアサスペンション13が掛け渡されている。センターチューブ7Bの後部には、ピリオンステップ14Aを支持する左右一対のピリオンステップステー14が設けられている。また、左側のセンターチューブ7Bの下部には、自動二輪車1を左傾斜させた状態で駐車させるサイドスタンド30が回動自在に取り付けられている。
エンジン2は、メインフレーム7の下方に支持されている。このエンジン2は、水冷式の直列4気筒エンジンであり、各気筒から延びる4本の排気管15は、エンジン2の下方に向かって延び、エンジン2下に配置された箱型のチャンバー16に連結される。チャンバー16の後部には後輪4の右側方に配置されるマフラー17が接続される。後輪4は、エンジン2の出力軸と後輪4との間に掛け渡されるチェーン(不図示)によって駆動される。
燃料タンク18は、メインチューブ7Aの上方に支持され、乗員が着座するシート50は、燃料タンク18の後部に連続して後方に延び、シートレール8に支持されている。シート50は、運転者が着座する前シート50Aと同乗者が着座する後シート50Bとが前後に連続して一体に形成された一体型シートに形成されている。
自動二輪車1は、樹脂製の車体カバー20を備えており、車体カバー20は、車体フレームFの前部を覆うフロントカウル21、フロントカウル21に連続して後下方に延びエンジン2の前部を覆うフロントサイドカウル22、フロントサイドカウル22の上方に設けられるアッパーカウル23、アッパーカウル23に連続して燃料タンク18の下方を覆うミドルカウル24、ミドルカウル24に連続してシートレール8の側方を覆うリアカウル25、及び、リアカウル25の後部に連続するテールカウル31を備えている。フロントカウル21、フロントサイドカウル22、アッパーカウル23、ミドルカウル24及びリアカウル25は左右一対で設けられている。
リアカウル25の後部の下面には、後輪4を上方から覆うリアフェンダー28が設けられている。また、フロントフォーク9には、フロントフェンダー29が設けられている。
図2は、自動二輪車1の前部の側面図であり、図3はその正面図である。
図2及び図3に示すように、自動二輪車1の前部は、車幅方向中央に配置されるヘッドライト51と、ヘッドライト51上方に配置されるウインドスクリーン(以下、スクリーンという)52と、ヘッドライト51の左右に配置されるフロントカウル21と、スクリーン52の裏側に配置されるスクリーン裏側パネル(パネル部材)53とを備え、これらが乗員の上半身前方を覆う風防装置を構成している。
ヘッドライト51は、不図示のステーを介してヘッドパイプ5の前方に配置され、正面視(図3参照)でY字形状、側面視(図2参照)で先細の砲弾形状のライトユニットに形成されている。
より具体的には、ヘッドライト51は、図3に示すように、当該ライト51の幅方向中心を車幅方向中心に揃えて配置され、幅方向中央で上下に延びる縦長の中央ライト部51Aと、中央ライト部51Aから左右外側に向かって斜め上方かつ後方に延びる左右一対の外側ライト部51Bとを一体に備え、中央ライト部51A及び外側ライト部51Bの発光面が一体のレンズ61で構成されている。このレンズ61は、中央ライト部51A及び外側ライト部51Bのライトバルブ収容部を構成する箱状のハウジング62(図2参照)に装着される。なお、図3中、符号63はライトバルブ(灯体)を示している。
レンズ61、フロントカウル21及びスクリーン52の前面は、図2に示すように、段差なく連続する面を形成しており、風防装置の面一化(フラッシュサーフェース化)が図られている。
図3に示すように、レンズ61及び左右一対のフロントカウル21の上方には、前面視でU字状の開口部65が形成され、このU字状の開口部65を覆うようにスクリーン52が取り付けられる。図4は、図3からフロントカウル21を取り外した図である。
スクリーン52は、無色又は淡く着色された透明材料で形成され、図4に示すように、左右両側に締結部52Tを有し、各締結部52Tを左右一対のスクリーン支持ステー81に締結することによって固定される。このスクリーン支持ステー81には、スクリーン52の締結部52Tに加え、フロントカウル21及びバックミラー55(図1参照)も共締めで固定される。
スクリーン52の下縁は、ヘッドライト51のレンズ上面部61Aに沿った形状に形成され、レンズ上面部61Aに近接して取り付けられる。ただし、スクリーン52の下縁とレンズ上面部61Aとの間には、僅かな隙間(後述する図8等に示す隙間SA)が空けられており、この隙間SAが後述する水抜き通路71を通る水を車両外に排出する排出経路となっている。
このレンズ上面部61Aは、自動二輪車1が直立した状態で車幅方向に水平の水平上面部61Bと、この水平上面部61Bの左右から上方に傾斜する傾斜上面部61Cとで構成されており、水平上面部61Bは、中央ライト部51Aのレンズ上面部に相当し、傾斜上面部61Cは、外側ライト部51Bのレンズ上面部に相当している。
スクリーン裏側パネル53は、非透明材料で形成され、左右一対のスクリーン支持ステー81と一体に形成されている。このスクリーン裏側パネル53の後方には、運転者に各種情報を提供する計器類を有するメーターユニット(不図示)が配置され、このスクリーン裏側パネル53がメーターカバーも兼ねている。
また、図中、符号53Aは、スクリーン裏側パネル53に設けられた左右一対の締結孔であり、これら締結孔53Aを介してヘッドライト51に設けられたステー51S(後述する図7参照)がスクリーン裏側パネル53に固定されるようになっている。
なお、図2及び図4には、アッパーカウル23も記載されており、このアッパーカウル23は、スクリーン裏側パネル53及びスクリーン支持ステー81に一体に形成されていてもよいし、別体に形成されていてもよい。
図5は、スクリーン52をスクリーン裏側パネル53と共に下方から見た図である。スクリーン52は、ヘッドライト51のレンズ上面部61Aから上方に立ち上がるスクリーン本体52A(図4参照)と、スクリーン本体52Aの下縁に沿って後方に折り返される折り返し部52Bとを一体に有している。
スクリーン52を左右一対のスクリーン支持ステー81に取り付けた場合、図5に示すように、スクリーン裏側パネル53の下縁の略全体が折り返し部52Bに当接する。これによって、スクリーン52がスクリーン裏側パネル53によって下方に押さえられ、スクリーン52の上下動を抑えることができる。
また、図5に示すように、スクリーン裏側パネル53には、前方に突出する左右一対の突出部(スクリーン押さえ部)53Tが設けられ、スクリーン52を取り付けた場合には、スクリーン本体52Aの裏面が各突出部53Tに当接する。これによって、スクリーン52がスクリーン裏側パネル53によって後方から押さえられ、走行風の影響によるスクリーン52の後方への動きについてもより強固に抑えることができる。
すなわち、スクリーン裏側パネル53が、スクリーン52の上下及び前後への動きを抑える押さえ部材としても機能し、スクリーン52の支持力を向上することができる。
ここで、スクリーン裏側パネル53の下端の一部(突出部53T)以外ではスクリーン裏側パネル53とスクリーン本体52Aとの間に隙間SBが設けられる。このため、スクリーン裏側パネル53とスクリーン本体52Aとが擦れることがなく、この擦れによって生じる削りカスがスクリーン本体52Aに付着するのを回避することができる。
本構成では、図5に示すように、スクリーン52の折り返し部52Bが、他の部分に比して後方に長く延在する左右一対の大型折り返し部52B1を有している。
この大型折り返し部52B1は、スクリーン裏側パネル53の左右一対の突出部53Tと下面視で重なる位置であって、突出部53Tよりも車幅方向中心に向かって車幅方向に長く延在している。このため、スクリーン裏側パネル53がスクリーン52を下方に押さえる面積が広くなり、その分、スクリーン52の上下押さえ力を向上できると共に、スクリーン裏側パネル53がほぼ同じ位置でスクリーン52を上下及び前後に押さえ、スクリーン52の各方向への動きを効率よく抑えることができる。
次に、ヘッドライト51、スクリーン52及びスクリーン裏側パネル53の合わせ構造を説明する。
図6は、ヘッドライト51、スクリーン52及びスクリーン裏側パネル53の合わせ部を拡大して示す正面図であり、図7は、図6からスクリーン裏側パネル53を取り外した図である。また、図8は、図6のA−A断面(車幅方向中心断面)であり、図9は、図6のB−B断面であり、図10は、図6のC−C断面であり、図11は、図6のD−D断面であり、図12は、図6のE−E断面である。
上記したように、本構成では、スクリーン裏側パネル53の下縁がスクリーン52の折り返し部52Bに当接するので、図6に示すように、正面視でスクリーン裏側パネル53とスクリーン52との間に大きな隙間が空かない。このため、ヘッドライト51の外周部に張り出す部分(図7に示す「レンズ61とハウジング62との締結部51T」、「ヘッドライト51のステー51S」など)の外観への露出を、スクリーン裏側パネル53で抑えることができ、見栄えが悪くなってしまう事態を回避できる。
図8〜図12に示すように、レンズ61のレンズ上面部61Aの後方には、スクリーン裏側パネル53の背面に沿って後上方に延びるフランジ部61Dが一体に設けられており、このフランジ部61Dの背面にハウジング62が装着される。
このフランジ部61Dには、前方に突出してスクリーン裏側パネル53の背面に当接するパネル押さえ部61E(図8、図12参照)、スクリーン52の折り返し部52Bが係止する凹状係止部61F(図9参照)が設けられている。この凹状係止部61Fは、レンズ上面部61Aと、レンズ上面部61Aよりも上方に間隔を空けて設けられた複数のリブ(係止部)61Gとで構成され、この複数のリブ61Gは、図7に示すように、互いに間隔を空けて左右に2個ずつ設けられている。また、各リブ61Gは、スクリーン52の折り返し部52Bにおける大型折り返し部52B1に対応する位置に設けられている。つまり、スクリーン52の大型折り返し部52B1は、凹状係止部61Fに係止する非係止部分となっている。
本構成では、図9に示すように、スクリーン52の左右の大型折り返し部52B1が、ヘッドライト51のレンズ上面部61Aとリブ61Gとの間に入ることによって、スクリーン52とヘッドライト51とが位置決めされる。この場合、大型折り返し部52B1は、弾性材料で形成されたパッキン83を介して、レンズ上面部61Aとリブ61Gとの間に嵌入され、樹脂成形時に凹状係止部61Fとスクリーン52の大型折り返し部52B1とに寸法誤差が発生した場合にも、その寸法誤差をパッキン83の弾性変形により吸収することが可能である。また、レンズ61とハウジング62との合わせは、接着剤62Aによって接着され、乾燥した接着剤62Aはシールとして機能する。
また、図12及び図5に示すように、スクリーン裏側パネル53の下端には、前方に突出してスクリーン本体52Aの背面に当接する左右一対の突出部53Tが設けられているため、スクリーン52をヘッドライト51の凹状係止部61Fに圧入すれば、スクリーン裏側パネル53の突出部53Tがスクリーン本体52Aの裏面に当接し、かつ、このパネル53の背面がレンズ61のフランジ部61Dに設けられたパネル押さえ部61Eに当接するので、ヘッドライト51、スクリーン52及びスクリーン裏側パネル53を位置決めすることができる。
このように、本構成では、スクリーン52の折り返し部52Bをヘッドライト51の凹状係止部61Fに圧入し、かつ、スクリーン裏側パネル53の下端でスクリーン52の折り返し部52Bを抑えるようにしたので、スクリーン52の支持力を十分に確保できると共に、スクリーン52の折り返し部52Bとスクリーン裏側パネル53との間に大きな隙間が空かず、見栄えを良くすることができる。
また、本構成では、図8〜図12に示すように、スクリーン裏側パネル53の下部を、スクリーン52の下縁に沿って前方に膨出する帯状膨出部53Bに形成しており、このため、パネル53下部の断面係数が上がり、スクリーン52を押さえるスクリーン裏側パネル53の剛性を高めることができる。従って、スクリーン52をより強固に押さえることができる。
ところで、スクリーン裏側パネル53の下端でスクリーン52の折り返し部52Bを押さえる構成にすると、スクリーン裏側パネル53とスクリーン52との間の隙間SBに入る水(雨水や洗車による水)が抜けないおそれが生じる。
特に本構成では、スクリーン裏側パネル53の下部を、スクリーン52に向かって前方に膨出する帯状膨出部53Bにし、この帯状膨出部53Bの部分ではスクリーン52下部との間の隙間SBが狭いため、かかる隙間SBに入った水が抜けないと、図4に示すように、表面張力の作用等により水(図4中、ハッチングαで示す)が大きく拡がって外観から視認され易くなってしまう。
そこで、本構成では、スクリーン52の折り返し部52Bに、スクリーン裏側パネル53とスクリーン52との間の隙間SBに連通する水抜き通路(図5〜図7,図10参照)71を設けている。
この水抜き通路71は、図5に示すように、スクリーン52に設けられた左右一対の大型折り返し部52B1に各々設けられている。より具体的には、各水抜き通路71は、各大型折り返し部52B1を上下に貫通する貫通孔であって、その前端71Aがスクリーン裏側パネル53とスクリーン52との間の隙間SBに連通し、この前端71Aから後方に直線状に延出して大型折り返し部52B1の背面に後端71Bが開放する切り欠き孔形状に形成されている。
このため、図10に示すように、スクリーン裏側パネル53とスクリーン52との間の隙間SBが、水抜き通路71を介して、スクリーン52とヘッドライト51のレンズ上面部61Aとの間の隙間SAに連通し、図10に矢印で示すように、該隙間SB内の水を水抜き通路71を介して外に排出することができる。
また、図6に示すように、左右の水抜き通路71は、レンズ上面部61Aにおける中央ライト部51Aと左右の外側ライト部51Bの境に相当する角位置に設けられている。この中央ライト部51Aにおける水平上面部61Bは、自動二輪車1が直立した状態で車幅方向に延びる水平面であるため、左右の角位置は、自動二輪車1を直立した場合に、スクリーン裏側パネル53とスクリーン52との間の隙間SBの最も低い位置となり、自動二輪車1が左に所定角度(例えば、約30度)まで傾斜する間は左の角位置が最も低い位置となり、右に所定角度(例えば、約30度)まで傾斜する間は右の角位置が最も低い位置となる。特に、左の角位置は、平地でサイドスタンド30を使用して左傾斜した状態で確実に最下位置となる。
このように、上記左右の角位置(=U字状の開口部65の左右の角位置)に、該隙間SBに入った水を下方に抜く水抜き通路71を設けたので、隙間SBに入った水を、自動二輪車1が直立状態、或いは、サイドスタンド30を使用した状態のいずれでも、殆ど残すことなく外に排出することができる。
しかも、この左右の水抜き通路71は、図5に示すように、スクリーン裏側パネル53から前方に突出する左右一対の突出部53Tと下面視で重ならない位置に設けられているため、隙間SBに入った水を、左右一対の突出部53Tで邪魔されることなく円滑に外に排出することができる。
また、本構成では、図6に示すように、スクリーン裏側パネル53の下縁中央部が、左右一対の折り返し部52B(水抜き通路71を含む位置)の間で、上方に僅かに湾曲しており、これによって、スクリーン裏側パネル53の前後空間を連通される上方凸の開口部73を形成している。このように、左右一対の折り返し部52Bの間で上方凸の開口部73を設ければ、スクリーン裏側パネル53でスクリーン52とヘッドライト51との係合部を外観されないようにしつつ、この上方凸の開口部73を介しても、スクリーン裏側パネル53とスクリーン52との間の隙間SBに入った水を外に排出することができ、水抜き性を高められる。
以上説明したように、本実施の形態では、スクリーン52の折り返し部52Bにスクリーン裏側パネル53の下縁を当接させると共に、折り返し部52Bに、スクリーン52とスクリーン裏側パネル53との間の隙間SBに連通する水抜き通路71を設けたので、スクリーン裏側パネル53でスクリーン52の支持力を向上し、スクリーン52とスクリーン裏側パネル53との合わせの外観性を良くし、さらにスクリーン裏側パネル53とスクリーン52との間に入る水を容易に抜くことができる。
また、水抜き通路71は、スクリーン52の折り返し部52Bにおけるレンズ上面部61Aとリブ(係止部)61Gとの間に係止する部分に隣接して設けられるので、特に水が抜けにくくなるスクリーン52とヘッドライト51との係止部で水抜き性を高めることができる。
さらに、スクリーン52は、左右一対の大型折り返し部52B1を有し、スクリーン裏側パネル53の下縁中央部は、左右の大型折り返し部52B1の間で上方に湾曲し、スクリーン裏側パネル53の前後空間を連通させる上方凸の開口部73が形成されるので、スクリーン52とヘッドライト51との係止部を外観させないようにしつつ水抜き性をより高めることができる。
また、左側の水抜き通路71は、サイドスタンド30を使用した状態でスクリーン52とスクリーン裏側パネル53との間の隙間SBの最下部に設けられるので、サイドスタンド30を使用した駐車状態で効率よく水を抜くことができる。
しかも、左右の水抜き通路71は、レンズ上面部61Aにおける車幅方向に水平の水平上面部61Bと、水平上面部61Bの左右から上方に傾斜する左右の傾斜上面部61Cとの境に設けられるので、自動二輪車1が直立した状態及び左右に傾斜した状態のいずれでも効率よく水を抜くことができる。
また、水抜き通路71は、スクリーン52とスクリーン裏側パネル53との間の隙間SBの直下を前端として上下に貫通する貫通孔に形成されるので、スクリーン52の前面に水抜き通路71が露出することを避けることができる。
さらに、本構成では、スクリーン裏側パネル53の下部は、スクリーン52の下縁に沿って前方に膨出する帯状膨出部53Bを有するので、スクリーン52を押さえるスクリーン裏側パネル53の剛性を高め、よりスクリーン52を強固に支持することができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施形態において、水抜き通路71は上記形状に限らず、スクリーン52とスクリーン裏側パネル53との間の隙間SBの水を抜くことが可能な範囲で様々な形状の孔部や溝部を適用してもよい。
また、上記実施形態では、図1等に示す自動二輪車1の前部構造に本発明を適用する場合について説明したが、これに限らず、鞍乗り型車両の前部構造に本発明を広く適用することができる。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
51 ヘッドライト
52 スクリーン
52A スクリーン本体
52B 折り返し部
52B1 大型折り返し部
53 スクリーン裏側パネル(パネル部材)
53B 帯状膨出部
61 レンズ
61A レンズ上面部
61B 水平上面部
61C 傾斜上面部
61F 凹状係止部
61G リブ(係止部)
62 ハウジング
63 ライトバルブ(灯体)
71 水抜き通路

Claims (7)

  1. レンズ(61)とハウジング(62)との間に灯体(63)を収容したヘッドライト(51)と、当該ヘッドライト(51)の上縁に隣接して配されるスクリーン(52)とを備え、前記スクリーン(52)の下部には、後方に折り返される折り返し部(52B)が設けられ、前記折り返し部(52B)の上方に隣接してパネル部材(53)が配される鞍乗り型車両の前部構造において、
    前記スクリーン(52)の折り返し部(52B)に前記パネル部材(53)の下縁を当接させると共に、前記折り返し部(52B)に、前記スクリーン(52)と前記パネル部材(53)との間の隙間に連通する水抜き通路(71)を設けたことを特徴とする鞍乗り型車両の前部構造。
  2. 前記スクリーン(52)の折り返し部(52B)は、前記ヘッドライト(51)のレンズ上面部(61A)と、前記ヘッドライト(51)におけるレンズ上面部(61A)よりも上方に間隔を空けて設けられた係止部(61G)との間に係止し、
    前記水抜き通路(71)は、前記折り返し部(52B)における前記レンズ上面部(61A)と前記係止部(61G)との間に係止する部分に隣接して設けられることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の前部構造。
  3. 前記スクリーン(52)は、左右一対の前記折り返し部(52B1)を有し、
    前記パネル部材(53)の下縁中央部は、前記左右一対の折り返し部(52B1)の間で上方に湾曲し、前記パネル部材(53)の前後空間を連通させる上方凸の開口部(73)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両の前部構造。
  4. 前記鞍乗り型車両はサイドスタンド(30)を備え、
    前記水抜き通路(71)は、前記サイドスタンド(30)を使用した状態で前記スクリーン(52)と前記パネル部材(53)との間の隙間における最下部に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の鞍乗り型車両の前部構造。
  5. 前記レンズ上面部(61A)は、前記鞍乗り型車両が直立した状態で車幅方向に水平の水平上面部(61B)と、この水平上面部(61B)の左右から上方に傾斜する左右の傾斜上面部(61C)とを有し、
    前記水抜き通路(71)は、前記水平上面部(61B)と前記傾斜上面部(61C)との境に設けられることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両の前部構造。
  6. 前記水抜き通路(71)は、前記スクリーン(52)と前記パネル部材(53)との間の隙間の直下を前端として上下に貫通する貫通孔に形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の鞍乗り型車両の前部構造。
  7. 前記パネル部材(53)の下部は、前記スクリーン(52)の下縁に沿って前方に膨出する帯状膨出部(53B)を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の鞍乗り型車両の前部構造。
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