JP6171322B2 - 車輌の風防装置 - Google Patents

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本発明は、自動二輪車等の車輌において車体前部に装架されて風防機能を有するウインドスクリーンを備えてなる風防装置に関するものである。
自動二輪車等の車輌において車体前部にフロントカウリング、レッグシールド、ウインドスクリーン及びメータパネル等を備え、風防効果を向上させるためにウインドスクリーンを上下可動式としたものがある。例えば高速走行可能な比較的大型の車輌では、高速走行時に風防効果を高めようとすると運転者もしくは乗員の前面付近に負圧領域が生じ、その負圧により乗員が前方へ引っ張られるような感覚を受ける場合がある。
乗員の快適性等を確保するために、例えば特許文献1に開示される自動二輪車のようにウインドスクリーンとその下方に位置するフロントカウリングとの間に隙間状の開口部を備えるものがある。この開口部を通過する車体前方からの走行風が、ウインドスクリーン後方に位置するカバー部材に当り、ウインドスクリーン裏面に沿うように斜め上方に流れる。これにより高速走行時にウインドスクリーン後方に発生する負圧を緩和することができる。
特開2002−284073号公報
しかしながら、上記のような風防構造の場合、ウインドスクリーン下方からの走行風は殆どがウインドスクリーン裏面に流れ、他にも負圧が発生し易いフロントパネル後方及びレッグシールド後方に走行風を誘導するためにはフロントカウリングに別途導風口を設ける必要がある。
本発明はかかる実情に鑑み、常に効果的且つ効率的な風防性能を発揮する車輌の風防装置を提供することを目的とする。
本発明の車輌の風防装置は、車体前頭部を前方から覆うフロントカウリング、前記フロントカウリングの後方に位置するメータパネル及び前記メータパネルの後下方に位置するフロントパネルが相互に結合してなる車体カバーにより、車体前部を覆ってその一体的外観を形成し、前記フロントカウリングの上方に可変機構により上下動可能としたウインドスクリーンが配置された車輌の風防装置であって、前記ウインドスクリーンの裏面と前記メータパネルとの間の空間において、前記ウインドスクリーンの下部から前記メータパネルの前面に沿って後ろ上方へとスクリーン裏側通風路が形成され、前記車体カバーの前記メータパネルを後方へ凹ませてなり、この凹設された奥所に導風口を有する導風部を設け、前記導風部から前記車体カバー内側に走行風を取り込むように形成し、前記導風口は前記車体カバーの前部に位置して実質的に略前方に開口し、前記車体カバーの内外を連通させ、前記導風部を前記ウインドスクリーンの直後で、その可動範囲内に収まるように配置すると共に、走行風を取り込むように前記メータパネルの前面に形成された前記導風部が、前記スクリーン裏側通風路の中間部に連通し、前記スクリーン裏側通風路は、前記ウインドスクリーンの可動範囲の下方から上方への移動によって前記導風部に対向する通風路の断面積が縮小することを特徴とする。
また、本発明の車輌の風防装置において、前記ウインドスクリーンは前記導風部よりも上方において、前記スクリーン裏側通風路を塞ぐ又はその断面積を縮小可能な突片を備えることを特徴とする。
また、本発明の車輌の風防装置において、前記ウインドスクリーンは、略透明のスクリーン本体と該スクリーン本体の下部を覆う非透明のカバーとを備え、前記突片は、前記ウインドスクリーンのカバーの後面に設けられることを特徴とする。
また、本発明の車輌の風防装置において、前記メータパネルは前記導風部よりも上方において、前記スクリーン裏側通風路を塞ぐ又はその断面積を縮小可能な突片を備えることを特徴とする。
また、本発明の車輌の風防装置において、前記突片は、可撓性部材で形成されることを特徴とする。
また、本発明の車輌の風防装置において、前記カバーの一部を前記メータパネル側に突出させてなり、前記導風部を挟むように左右方向に相互に隔置された一対の絞り部が形成されることを特徴とする。
本発明によれば、ウインドスクリーンの上昇時には、スクリーン裏側通風路を絞ってその断面積を狭小化し、ウインドスクリーンの裏側への導風量を調節することで走行風をより効率よく他の導風経路に誘導できる。
本発明の実施形態に係る自動二輪車の側面図である。 本発明の実施形態に係る自動二輪車の上面図である。 本発明の実施形態に係る自動二輪車の正面図である。 本発明の実施形態におけるウインドスクリーンの可変機構まわりを示す斜視図である。 本発明の実施形態におけるウインドスクリーン上昇時の風防装置まわりの正面図及び側面図である。 本発明の実施形態におけるウインドスクリーン下降時の風防装置まわりの正面図及び側面図である。 図5(A)のI‐I線に沿う断面図及びA部拡大図である。 図6(A)のII‐II線に沿う断面図及びB部拡大図である。 本発明の実施形態におけるウインドスクリーン上昇時のスクリーン裏側通風路まわりを示す図7のIII‐III線に沿う断面図である。 本発明の実施形態におけるウインドスクリーン下降時のスクリーン裏側通風路まわりを示す図8のIV‐IV線に沿う断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す図5(A)のI‐I線に沿う断面図及びC部拡大図である。 本発明の第2の実施形態を示す図6(A)のII‐II線に沿う断面図及びD部拡大図である。 本発明の第2の実施形態におけるウインドスクリーン上昇時のスクリーン裏側通風路まわりを示す図11のV‐V線に沿う断面図である。 本発明の第2の実施形態におけるウインドスクリーン下降時のスクリーン裏側通風路まわりを示す図12のVI‐VI線に沿う断面図である。
以下、図面に基づき、本発明による車輌の風防装置における好適な実施の形態を説明する。
本発明は各タイプの自動二輪車に対して有効に適用可能であるが、この実施形態では例えば図1等に示すように自動二輪車100として所謂、スクータ型車輌の例とする。ここで先ず、本実施形態に係る自動二輪車100の全体構成を説明する。なお、図1は自動二輪車100の側面図、図2は上面図、図3は前面もしくは正面図である。これら各図要所において、車輌の前方及び後方をそれぞれ矢印Fr及び矢印Rrで表わし、右方及び左方をそれぞれ矢印R及び矢印Lにより表す。
図1〜図3において、鋼製あるいはアルミニウム合金製の後述する車体フレームの前部には、ステアリングヘッドパイプによって左右に回動可能に支持された2本のフロントフォーク101が設けられる。フロントフォーク101の上端にはハンドル102が固定され、ハンドル102の左右両端にグリップ103を有する。フロントフォーク101の下部には前輪104が回転可能に支持されると共に、前輪104の上部を覆うようにフロントフェンダ105が固定される。
車体フレームの後部には、スイングアーム106が揺動可能に設けられると共に、車体フレームとスイングアーム106の間にリヤショックアブソーバ107が装架される。このスイングアーム106は、ベルト式無段変速機又は複数のギヤ列で構成される動力伝達機構を内蔵している。スイングアーム106の後端部には後輪108が回転可能に支持され、後輪108は上述した動力伝達機構を介して、回転駆動されるようになっている。後輪108の上部を覆うようにリヤフェンダ109が固定される。
なお、図示されていないが、車体フレームに搭載されたエンジンユニットには、エアクリーナ装置等を含む吸気系から混合気が供給されると共に、燃焼後の排気ガスが排気管を通って排気される。更にエンジンユニットを始めとして、燃料タンクやラジエータ装置等を含む車輌の主用構成部材は、後述する車体カバーによって覆われ、図1のように車輌の外観は滑らかに連続する一体感のあるすっきりしたフォルムに構成される。また、車輌の略中央から後方へ運転者用シート110及びタンデムシート111が連設される。
自動二輪車100の車輌前部における車体カバーについて、車体前頭部はフロントカウリング112によって前方から覆われ、フロントカウリング112の上方には後述するように可動型のウインドスクリーン113が配置される。また、フロントカウリング112の上方においてウインドスクリーン113の後方に位置するメータ114を有する。このメータ114は、スピードメータ、タコメータあるいは各種インジケータランプ等を含む計器類がユニット化されてなるメータ本体部115を内蔵し、メータ114の周囲及びその周辺は、ウインドスクリーン113の直後に位置する前側メータパネル116によって前側から覆われる。また、メータ114の周囲及びその周辺は、乗員Mと対向するように位置する後側メータパネル117によって後側から覆われる。更に、フロントカウリング112の後方でメータ114の後下方にはフロントパネル118が配置され、このフロントパネル118は、乗員Mと対向するように位置する。
フロントカウリング112及びフロントパネル118の下方にて乗員Mの脚部前方に位置するように、前側レッグシールド119及び後側レッグシールド120が相互に結合する。フロントカウリング112、その後方に位置する前側メータパネル116と後側メータパネル117、フロントパネル118及び前側レッグシールド119と後側レッグシールド120は相互に結合してなる車体カバーとして、車体前部を覆ってその一体的外観を形成する。上述の車体カバーやウインドスクリーン113は、乗員Mの少なくとも下半身の脚部及び上半身を含めたハンドル102まわりを車輌進行方向の前方から覆うように配置構成される。
後側レッグシールド120の下部付近の左右両側には後方へかけて低床の左右足載せ部121が設けられ、乗員Mはこれらの足載せ部121に足を載せてシート110に着座することができる。なお、足載せ部121の後方にはタンデムシート111用の足載せ部122が設けられる。左右の足載せ部121の相互間には上方に突出しながら前後に延設され、内側にフロアトンネル部が形成されるセンタカバー123が設けられる。車輌側面において、その下部まわりが下部サイドカバー124により、またその後部まわりが後部サイドカバー125によりそれぞれ覆われる。下部サイドカバー124や後部サイドカバー125により車輌後部まわりの車体カバーが構成されるが、前述した車輌前部まわりの車体カバーを含めた各種車体カバー類は基本的には合成樹脂により成形され、車体フレームに直接的に又はブラケット等の支持部材を介して間接的に取付固定される。
更に、フロントカウリング112の正面中央には左右対をなす2灯式ヘッドランプ126が取り付けられ、各ヘッドランプ126よりも適度に後方で斜め上方には左右対をなすサイドミラー127が支持される。
前述したようにウインドスクリーン113は、フロントカウリング112の上方に配置される。ここでウインドスクリーン113の支持構造について概略説明すると、本実施形態ではウインドスクリーン113を上下動可能に支持する可変機構を有する。図4に示されるようにウインドスクリーン113の後側(裏面側、即ち乗員M側)に可変機構128が配置される。この例ではメータ114の前側メータパネル116内側のスペースを利用して配置され、詳細な図示を省略するが、ブラケット等を介して車体フレーム側に固定されるベースプレート129とこのベースプレート129上に固設された左右一対のガイドレール130を有する。ガイドレール130は、前後方向に沿って後上がりとなるように所定の角度で傾斜配置される。ガイドレール130の具体的構成としては、例えば凹状のガイド溝を有するものであってよい。
一方、ウインドスクリーン113の裏面の下部付近に固定されたブラケット132を介して、ガイドレール130に対応配置されるように支持されるスライダ131が付設される。スライダ131はガイドレール130のガイド溝に摺動可能に係合し、これによりウインドスクリーン113はガイドレール130に沿って、所定の傾斜角度で上下に所定ストローク往復動し得る(図4、矢印X)ようになっている。なお、ウインドスクリーン113を上下動させるための駆動源として、駆動モータ等を含んだアクチュエータを用い、手動スイッチで該アクチュエータを作動させ、あるいは車速等に応じて該アクチュエータを自動制御することができる。それらの場合、ウインドスクリーン113の往復動の少なくとも上下ストローク端で、即ち2段階で位置決め固定され、あるいはその往復動ストロークの途中を含む数ヶ所で、即ち3段階以上で任意に位置決め固定されるようにすることができる。
ここで更に、ウインドスクリーン113は、図3等に示されるように幅広の下端側から上端側に向って適度に幅狭となる概略台形状等に形成された略透明のスクリーン本体113Aと、その下端縁に沿って取り付けられた非透明のカバー113Bを有する。なお、カバー113Bもブラケット132を介して取付固定することができる。図3等に示されるようにカバー113Bは、上下方向に一定幅を持つ帯状を呈してスクリーン本体113Aの全幅に延設される。カバー113Bは非透明であるため、正面視等においてその後方にある部材もしくは部品を隠すことができる。
上記の場合、本例では可変機構128の典型的な機能としてウインドスクリーン113の上下動機能を備えるが、かかる上下位置可変機能の他に例えば傾斜角度を変化させ、あるいは形状を変更する等の機能を備える。このように可変機構128は、ウインドスクリーン113の位置を含めたその姿態や形状(これらを包括的に“態様”という)を任意に変更可能な可変機能を有している。
上記のようにウインドスクリーン113は上下動可能に構成され、図5のように上下動の上昇端に位置し、また図6のように上下動の下降端に位置する。なお、図5(A)は上昇端にあるウインドスクリーン113まわりの正面図、図5(B)はその側面図である。また、図6(A)は下降端にあるウインドスクリーン113まわりの正面図、図6(B)はその側面図である。
次に、図7及び図8は、車輌前部の車体カバーの内部構造を示している。なお、図7はウインドスクリーン113の上昇時の状態を、また図8はウインドスクリーン113の下降時の状態をそれぞれ示している。先ずこれらの図において、その一部が図示されている車体フレーム133の前頂部にステアリングヘッドパイプ134が結合し、前述のようにこのステアリングヘッドパイプ134を介してフロントフォーク101が支持される。メータ114やヘッドランプ126等は、車体フレーム133及びステアリングヘッドパイプ134を利用して、適宜のブラケットやステーでなる支持構造もしくは支持部材135を介して直接又は間接的に取付固定される。
さて、本発明の実施形態において、先ずウインドスクリーン113と前側メータパネル116の間には図7等に示されるように間隙を有し、この間隙により矢印のように下方から上方へウインドスクリーン113の裏側(後側)に沿って通風路11(スクリーン裏側通風路)が形成される。更に、前側メータパネル116のこの例では図5(A)等において斜線により示されるように左右方向中央部に、前側メータパネル116を後方へ凹ませてなる導風部1を設け、この導風部1から車体カバー内側に走行風10を取り込むようになっている。導風部1は図7あるいは図8に示すように凹設された導風部1の奥所に導風口2を有する。この導風口2は車体カバーの前部に位置して実質的に略前方に開口し、車体カバーの内外を連通させる。
ウインドスクリーン113は前側メータパネル116の前側で上下動するが、その下端部周辺、即ちカバー113Bは、導風部1に対して上方から垂れ下がって覆い被さるように配置される。図7のようにウインドスクリーン113の上昇時にはカバー113Bが導風部1の直前に位置し、図5(A)に示すように車輌正面視で導風部1の一部(下部)がカバー113Bの下側から露呈する程度まで接近する。このときウインドスクリーン113と導風部1との重複(オーバラップ)面積は比較的小さく、導風部1は実質的に開放状態となる。この場合、導風口2自体は車輌正面視で外観上、実質的に露呈しない。
一方、図8のようにウインドスクリーン113の下降時にはカバー113Bが導風部1の下方に位置し、図6(A)に示すように車輌正面視で導風部1はカバー113Bの下側から露呈することがない。このときウインドスクリーン113と導風部1との重複面積は比較的大きく、導風部1は正面視で実質的に閉鎖状態となる。このようにウインドスクリーン113の上下動に応じて、車輌正面視におけるウインドスクリーン113と導風部1との重複面積が大小変化する。
また、前側メータパネル116の上端部付近には図7あるいは図8に示されるようにウインドスクリーン13の後側に位置して排風部3が設けられる。この排風部3には上方に開口する排風口4が形成される。図5(A)に示すようにこの例ではセンタ振分けで左右一対の排風口4を有する。導風部1から車体カバー内側に取り込まれた走行風10の一部は、矢印のように前側メータパネル116の略裏側(後側)に沿って排風口4を指向して流れる内部通風路12を形成する。
更に、フロントパネル118の後部付近には図7あるいは図8に示されるように排風部5が設けられる。この排風部5には乗員M(図1参照)側に開口する排風口6が形成される。図2に示すようにこの例では車輌の左右方向中央部に単一の排風口6を有する。導風部1から車体カバー内側に取り込まれた走行風10の一部は、矢印のように車体カバー内部を通り排風口6を指向して流れる内部通風路13を形成する。
ここで、カバー113Bの形状に関して、図9(ウインドスクリーン113上昇時)を参照してカバー113Bの一部を前側メータパネル116側に突出させてなる絞り部7を有する。この例では導風部1を挟むように左右方向に相互に隔置された一対の絞り部7が形成され、これらの絞り部7を設けることで特にウインドスクリーン113の上昇時には下降時(図10)に比べて、図9で一点鎖線で示したスクリーン裏側通風路11の断面積を縮小させる。絞り部7はウインドスクリーン113の上昇時には、前側メータパネル116側に突出する断面積が次第に大きくなるように形成され、その上昇端位置で最大となる。
本発明の車輌の風防装置は上記のように構成されており、次にその主だった作用効果等について説明する。
図5(B)あるいは図6(B)のように車輌走行時には前方から走行風10を受けるが、フロントカウリング112やウインドスクリーン113等でなる車体カバーによる風防効果により走行風が乗員Mに直接当たるのを防ぐことができる。この場合、ウインドスクリーン113は可動型であるため、自動二輪車100の走行速度の高低に応じてウインドスクリーン113を昇降させることで、適正な防風効果を得ることができる。一方、特に高速走行時にはウインドスクリーン113を上昇させるため、図1に示されるようにウインドスクリーン113やフロントパネル118の後方に負圧領域Sが発生し、そのままでは乗員Mに対して不快感を与える要因となる。
本発明では可変機構128により、車輌の状況等に応じてウインドスクリーン113の態様を変化させる。具体的にはウインドスクリーン113の上下動に応じて、車輌正面視におけるウインドスクリーン113と導風部1との重複面積が大小変化し、即ちウインドスクリーン113に対して導風口2の開閉機能を持たせる。例えば高速走行時にはウインドスクリーン113が上昇することで導風部1は図5(A)のように開放状態となり、導風部1から取り込まれた走行風10の一部は、内部通風路12及び内部通風路13を通って、排風部3の排風口4あるいは排風部5の排風口6からそれぞれ排出される。
このように導風部1から走行風10を取り込んで排風口4,6から排出させることで、乗員Mの前部の負圧領域Sの発生を緩和し、あるいはメータ本体部115の計器類を冷却することができる。このように負圧の緩和や機器の冷却等のために走行風10を取り込む必要がある場合には、導風口2を開放して車輌前方からの空気を積極的に取り込み易くする。一方、低速走行時等、走行風10を取り込む必要がない場合は、ウインドスクリーン113を下降させることで導風部1を実質的に閉じて、空気抵抗を減らす等の作用効果を発揮する。
本発明では特に、ウインドスクリーン113の裏側にスクリーン裏側通風路11を備える。導風部1は前側メータパネル116の前面に位置してスクリーン裏側通風路11の中間部に連通し、スクリーン裏側通風路11は、ウインドスクリーン113の上昇移動に伴って断面積が縮小する。
つまり、車輌の状況等に応じて態様を変化させることができる可動型のウインドスクリーン113に、スクリーン裏側通風路11に対する絞りの機能を持たせる。負圧の緩和のために走行風を取り込む必要がある場合、特にウインドスクリーン113を上昇させた時に負圧が広範に発生するので、このとき絞り部7の前側メータパネル116側に突出する断面積が大きくなり、結果的にスクリーン裏側通風路11の断面積を狭くすることができる。これによりフロントカウリング112の前面から取り込んだ空気をより多く導風部1に誘導でき、ウインドスクリーン113の後方のみならず、前側メータパネル116又はフロントパネル118の夫々後方、即ち乗員Mの直前部に空気を誘導できるので、少ない導風口2でありながら効率良く、より広い範囲で負圧を緩和することができて快適性が向上する。
上述した本発明の特長的な作用効果に加え、更に付言すると、可変機構128により上下動するウインドスクリーン113は、その下降端位置で上昇端位置よりも導風部1を広く覆う。
つまりウインドスクリーン113の上昇時には図5(A)に示すように車輌正面視で導風部1とウインドスクリーン113とのオーバラップ面積が小さくなるのに対して、その下降時には図6(A)のように両者のオーバラップ面積が大きくなる。
一般にウインドスクリーン113を上げることが多い高速走行時は、フロントパネル118及びウインドスクリーン113の後方において強い負圧が発生するため、走行風を誘導することによる負圧緩和効果が大きい。この状況下で、車輌正面視において導風部1をウインドスクリーン113の下縁から露出するように配置することで、車輌前方からの空気を取り込み易くする。そして、より多くの空気をフロントパネル118及びウインドスクリーン113の後方に送ることができるため、負圧状態を有効に緩和できて快適性が向上する。その逆にウインドスクリーン113を下げることが多い低速走行時は、発生する負圧自体も弱く、走行風の取入れを必要としない状態であり、このときにウインドスクリーン113で導風部1を覆うようにすることで、乗員Mに対して必要以上の導風を抑え、快適性が向上する。
また、ウインドスクリーン113は車輌正面視において、その下降端位置で導風部1の全域を覆う。つまり図6(A)のようにウインドスクリーン113の下降時には車輌正面視で導風部1を完全にすっぽりと覆っている。
導風を必要としない状況下では乗員Mに対して不要な送風を止め、これにより乗員Mの快適性が向上する。この場合、導風部1をウインドスクリーン113の直後で、その可動範囲内(この範囲はヘッドランプ126等の他部品が配置不可の領域である)に収まるように配置することで、ウインドスクリーン113を下降させたときに図6(A)のように導風部1を完全に隠し、優れた外観を得ることができる。また、フロントカウリング112の前面に位置する他の部品、例えばヘッドランプ126等の配置及び意匠の自由度が向上する。
上記のように本発明の風防装置において、比較的低速を含む常用速度では走行時には基本的には導風部1から走行風10を取り込まず、これにより不必要な風の巻込み等を抑制し、一方また特に高速走行時や機器の冷却等のために走行風10を取り込む必要がある場合には、導風口2を開放して走行風10を積極的に取り込み易くする。即ち、前述したようにウインドスクリーン113の上昇時には、絞り部7によってスクリーン裏側通風路11を絞ってその断面積を狭小化し、ウインドスクリーン113の裏側への導風量を調節することで走行風10をより効率よく他の導風経路に誘導できる。
ここで、本発明の車輌の風防装置の第2の実施形態を説明する。なお、上述の実施形態と実質的に同一又は対応する部材には同一符号を用いる。図11及び図12は、第2の実施形態における車輌前部の車体カバーの内部構造を示している。なお、図11はウインドスクリーン113の上昇時の状態を、また図12はウインドスクリーン113の下降時の状態をそれぞれ示している。
第2の実施形態では特に、ウインドスクリーン113はその上昇時において、図11のようにスクリーン裏側通風路11を導風口2よりも上方にて塞ぐ、又はスクリーン裏側通風路10の通路断面積を縮小することができる突片8を備える。この突片8は可撓性部材により形成されるため可撓性を有し、図11に示されるようにこの例ではカバー113Bの裏側で後方に突出形成される。また、突片8は、図13においてその形成領域を斜線で示すようにスクリーン裏側通風路11に対して、かなりの左右方向幅を占めるように形成される。
一方また、前側メータパネル116において、図11あるいは図12のようにスクリーン裏側通風路10を導風口2よりも上方にて塞ぐ、又はスクリーン裏側通風路10の通路断面積を縮小することができる突片9を備える。この突片9は可撓性を有し、図11等に示されるように前側メータパネル116の表側(前側)で前方に突出形成される。突片9についても、スクリーン裏側通風路10に対して、かなりの左右方向幅を占めるように形成される。
本発明の第2の実施形態では、上記のようにウインドスクリーン113はその上昇時に図11に示されるように導風部1よりも上方において、スクリーン裏側通風路11を塞ぐ又はその断面積を縮小可能な突片8を備える。
上記構成によりスクリーン裏側通風路11へ流れ込もうとする走行風10に対して突片8が言わば、堰の役割を果たし、ウインドスクリーン113の上昇時に導風部1への空気の誘導効果を向上させることができる。ウインドスクリーン113が上昇することで導風部1を開放状態とし、これにより走行風10を導風部1から取り込み易くすることと相俟って、スクリーン裏側通風路11への流入を抑制しながら、導風部1への流入効果をより有効に助長することができる。つまり走行風10を導風部1からより効率的に取り込むことができる。
また、ウインドスクリーン113は、略透明のスクリーン本体113Aと、スクリーン本体113Aの下部を覆う非透明のカバー113Bとを備える。この場合、突片8は、ウインドスクリーン113のカバー113Bの後面に設けられる。
上記構成によりウインドスクリーン113を下降させたときに非透明の部材であるカバー113Bに隠れる位置に突片8を設けることで、図6(A)のように導風部1を完全に隠し、優れた外観を得ることができる。このように突片8が外観に現われないようにし、見栄えの向上を図ることができる。
また、前側メータパネル116は導風部1よりも上方にて、スクリーン裏側通風路11を塞ぐ又はその断面積を縮小可能な突片9を備える。
上記構成によりスクリーン裏側通風路11へ流れ込む空気に対して突片9が堰の役割を果たし、ウインドスクリーン113の上昇状態で導風部1への空気の誘導効果を向上させることができる。
また、突片8あるいは突片9は、可撓性部材で形成される。
これらの突片8あるいは突片9を、前側メータパネル116又はウインドスクリーン113との当接面に合わせて撓む部材とすることで、その当接面での隙間をできるだけ小さくし、スクリーン裏側通風路11へ流れる空気をより効果的に遮断することができる。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
例えば、導風部1(又は導風口2)及び排風部3,5(又は排風口4,6)は左右方向(車幅方向)に沿って所定間隔あけて上記の場合以外の仕方で複数個設けてよい。
また、本実施形態では前側メータパネル116に導風口2を設けた構成であるが、ウインドスクリーン113の後方に位置して導風口2を備える部材ならば、メータパネルに限定しない。例えばフロントカウリング112を上方に延長したものでも、他のカバー部材であっても同様の効果が期待でき、本案と同等とみなせる。
更に、本発明の適用対象として自動二輪車以外であっても、本実施形態と同様のカウリング構造を備える小型車両(例えば四輪不整地路面走行車等)でもよい。
1 導風部、2 導風口、3,5 排風部、4,6 排風口、7 絞り部、8,9 突片、10 走行風、11 スクリーン裏側通風路、12,13 内部通風路、100 自動二輪車、112 フロントカウリング、113 ウインドスクリーン、113A スクリーン本体、113B カバー、114 メータ、115 メータ本体部、116 前側メータパネル、117 後側メータパネル、118 フロントパネル、119 前側レッグシールド、120 後側レッグシールド、124 下部サイドカバー、125 後部サイドカバー、126 ヘッドランプ、127 サイドミラー、128 可変機構、129 ベースプレート、130 ガイドレール、131 スライダ、132 ブラケット、M 乗員、S 負圧領域。

Claims (6)

  1. 車体前頭部を前方から覆うフロントカウリング、前記フロントカウリングの後方に位置するメータパネル及び前記メータパネルの後下方に位置するフロントパネルが相互に結合してなる車体カバーにより、車体前部を覆ってその一体的外観を形成し、前記フロントカウリングの上方に可変機構により上下動可能としたウインドスクリーンが配置された車輌の風防装置であって、
    前記ウインドスクリーンの裏面と前記メータパネルとの間の空間において、前記ウインドスクリーンの下部から前記メータパネルの前面に沿って後ろ上方へとスクリーン裏側通風路が形成され、
    前記車体カバーの前記メータパネルを後方へ凹ませてなり、この凹設された奥所に導風口を有する導風部を設け、前記導風部から前記車体カバー内側に走行風を取り込むように形成し、
    前記導風口は前記車体カバーの前部に位置して実質的に略前方に開口し、前記車体カバーの内外を連通させ、
    前記導風部を前記ウインドスクリーンの直後で、その可動範囲内に収まるように配置すると共に、走行風を取り込むように前記メータパネルの前面に形成された前記導風部が、前記スクリーン裏側通風路の中間部に連通し、
    前記スクリーン裏側通風路は、前記ウインドスクリーンの可動範囲の下方から上方への移動によって前記導風部に対向する通風路の断面積が縮小することを特徴とする車輌の風防装置。
  2. 前記ウインドスクリーンは前記導風部よりも上方において、前記スクリーン裏側通風路を塞ぐ又はその断面積を縮小可能な突片を備えることを特徴とする請求項1に記載の車輌の風防装置。
  3. 前記ウインドスクリーンは、略透明のスクリーン本体と該スクリーン本体の下部を覆う非透明のカバーとを備え、
    前記突片は、前記ウインドスクリーンのカバーの後面に設けられることを特徴とする請求項2に記載の車輌の風防装置。
  4. 前記メータパネルは前記導風部よりも上方において、前記スクリーン裏側通風路を塞ぐ又はその断面積を縮小可能な突片を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車輌の風防装置。
  5. 前記突片は、可撓性部材で形成されることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の車輌の風防装置。
  6. 前記カバーの一部を前記メータパネル側に突出させてなり、前記導風部を挟むように左右方向に相互に隔置された一対の絞り部が形成されることを特徴とする請求項3に記載の車輌の風防装置。
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