JP2002084466A - 撮像装置および自動レベル調整方法 - Google Patents

撮像装置および自動レベル調整方法

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JP2002084466A JP2000273668A JP2000273668A JP2002084466A JP 2002084466 A JP2002084466 A JP 2002084466A JP 2000273668 A JP2000273668 A JP 2000273668A JP 2000273668 A JP2000273668 A JP 2000273668A JP 2002084466 A JP2002084466 A JP 2002084466A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地域ごとに異なる条件で発生するフリッカを
良好に抑制することが困難であった。 【解決手段】 積算手段11はフレーム内の所定のライ
ンの射影出力値を計算し、演算手段15はフレーム間の
射影出力値の変化量を計算し、所定のフレーム数分の変
化量に基づいてフリッカ指標値を演算し、フリッカ検出
手段16はその指標値に基づいてフリッカを検出し、そ
の検出結果に基づいて切り換え手段17を制御して第1
および第2の撮影パラメータ設定手段13,14からの
設定信号を選択して、固体撮像素子1の電荷蓄積時間を
1/100秒の整数倍のうちのいずれか、または、1/
120秒の整数倍のうちのいずれかに設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、デジタルスチル
カメラなどに適用される撮像装置および自動レベル調整
方法に関し、特に、蛍光灯照明下において発生するフリ
ッカを抑制する撮像装置および自動レベル調整方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】デジタルスチルカメラなど静止画を撮影
する撮像装置において固体撮像素子にCMOSセンサを
使用する場合、蛍光灯照明下など明るさが周期的に変化
する環境で撮影すると、画素毎に光電変換を行うタイミ
ングが異なるため、撮影した画像に明暗の横縞が発生す
る。この現象はフリッカと呼ばれる。
【0003】このようなフリッカを抑制する方法として
は、過去数フレームにおける撮像データを平均する方法
や、電荷蓄積時間を光源の点滅周期の整数倍に設定する
方法などが知られている。後者の方法としては、例えば
特開2000−32330号公報に記載のものがある。
例えば特開2000−32330号公報に記載の方法で
は、被写体照度が低くなり電荷蓄積時間が1/(光源の
点滅周波数)秒より遅くなる場合に、設定可能な電荷蓄
積時間を1/(光源の点滅周波数)秒の整数倍に限定
し、その際、電荷蓄積時間が1/(光源の点滅周波数)
秒の整数倍で調整できるレベル調整幅よりも細かなレベ
ル調整を、アンプのゲイン調整で実行する。
【0004】図14は、例えば特開2000−3233
0号公報に示された従来の自動レベル調整方法を実施す
る自動レベル調整装置の構成を示すブロック図である。
図14において、101は撮像素子であり、102は相
関二重サンプリング回路(CDS)であり、103はア
ナログアンプであり、104はA/D変換器であり、1
05はデジタルアンプであり、106は画面平均算出回
路であり、107は電子シャッタスピード制御回路であ
り、108はデジタルアンプ制御回路であり、109は
撮像素子の電子シャッタの動作のためのタイミング信号
を発生するタイミング信号発生部である。
【0005】次に動作について説明する。撮像素子10
1より取り込まれたアナログ映像信号は、CDS102
によりノイズを除去され、アナログアンプ103により
一定率増幅される。アナログアンプ103より出力され
た信号は、A/D変換器104を介してデジタル信号に
変換され、このデジタル信号がデジタルアンプ105に
よって増幅され、図示せぬ次段のカメラ信号処理部に送
出される。
【0006】一方、このデジタルアンプ105の出力は
画面平均算出回路106に入力され、画面平均算出回路
106により算出された結果は電子シャッタスピード制
御回路107およびデジタルアンプ制御回路108に入
力される。電子シャッタスピード制御回路107とデジ
タルアンプ制御回路108は、電子シャッタスピードと
デジタルアンプゲインの値を決定し、その値でタイミン
グ信号発生部109を介して撮像素子101の電荷蓄積
時間を制御するととともに、デジタルアンプ105の増
幅率を制御する。
【0007】次に、従来の自動レベル調整方法を具体的
に説明する。図15は従来の自動レベル調整方法を具体
的に説明する図である。図15に示すように、光源の点
滅周波数を1/100秒とする。当初、被写体照度が高
く、電子シャッタスピードが最速であり、かつ、デジタ
ルアンプ105のゲインが最小(+0dB)である状態
で、出力が所定のレベルになっていたとする。その状態
から被写体照度が低くなったとすると、出力レベルが所
定のレベルより低くなる。その時、出力レベルを上げる
ように電子シャッタスピードが遅くなっていき、電子シ
ャッタスピードが1/100秒になった時点でなおも出
力が所定のレベルより低い場合は、電子シャッタスピー
ドを1/100秒にしたままでデジタルアンプ105の
ゲインを上げていく。デジタルアンプ105のゲインが
最大(+6dB弱)になった時点で、なおも出力が所定
のレベルより低い場合は、電子シャッタスピードを1/
50秒にしてデジタルアンプ105のゲインを最小(+
0dB)にする。なおも出力が所定のレベルより低い場
合は、電子シャッタスピードを1/50秒にしたままで
デジタルアンプ105のゲインを最大(+6dB弱)ま
で上げていく。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動レベル調整
方法は以上のように構成されているので、フリッカ発生
の主要因である交流電源による蛍光灯の照度変化の周期
が地域によって異なる(電源周波数が50Hzである地
域では照度変化周期が1/100秒であり、電源周波数
が60Hzである地域では照度変化周期が1/120秒
である)ことに起因して、一方の地域においてはフリッ
カを良好に抑制することができるものの、他方の地域に
おいては照度変化周期が異なることに起因してフリッカ
を良好に抑制することが困難であるなどの課題があっ
た。
【0009】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、フレーム内の所定のラインにおけ
る複数の画素値を積算し、積算した値のフレーム間の変
化量を計算し、所定のフレーム数分の変化量に基づいて
フリッカ指標値を演算し、その指標値に基づいてフリッ
カを検出し、その検出結果に基づいて固体撮像素子の電
荷蓄積時間を第1の電源周波数の逆数の1/2の整数倍
のうちのいずれかの時間か、固体撮像素子の電荷蓄積時
間を第2の電源周波数の逆数の1/2の整数倍のうちの
いずれかの時間に設定するようにして、地域によって電
源周波数が異なる場合でも、フリッカ指標値に基づいて
所在地域の電源周波数を検知し、フリッカの発生を確実
に抑制して良好な画像を得ることができる撮像装置およ
び自動レベル調整方法を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る撮像装置
は、固体撮像素子の電荷蓄積時間を第1の電源周波数の
逆数の1/2の整数倍のうちのいずれかの時間に設定す
る第1の設定手段と、固体撮像素子の電荷蓄積時間を第
2の電源周波数の逆数の1/2の整数倍のうちのいずれ
かの時間に設定する第2の設定手段と、第1の設定手段
または第2の設定手段を選択し、固体撮像素子の電荷蓄
積時間を設定させる切り換え手段と、フレーム内の所定
のラインにおける複数の画素値を積算する積算手段と、
積算手段による積算値のフレーム間の変化量を計算し、
所定のフレーム数分の変化量に基づいて、フリッカ検出
のための指標値を演算する指標値演算手段と、指標値演
算手段による指標値に基づいてフリッカを検出し、検出
結果に基づいて切り換え手段を制御するフリッカ検出手
段とを自動レベル調整手段に備えるものである。
【0011】この発明に係る撮像装置は、第1の設定手
段が固体撮像素子の電荷蓄積時間を1/100秒の整数
倍のうちのいずれかの時間に設定し、第2の設定手段が
固体撮像素子の電荷蓄積時間を1/120秒の整数倍の
うちのいずれかの時間に設定するようにしたものであ
る。
【0012】この発明に係る撮像装置は、指標値演算手
段が、積算手段による積算値のフレーム毎の変化量を所
定のフレーム分だけ積算して指標値を計算するようにし
たものである。
【0013】この発明に係る撮像装置は、フリッカ検出
手段が、第1の設定手段を動作させた場合の指標値と、
第2の設定手段を動作させた場合の指標値とを比較し、
比較結果に基づいて切り換え手段を制御するようにした
ものである。
【0014】この発明に係る撮像装置は、フリッカ検出
手段が、第1の設定手段または第2の設定手段を動作さ
せた場合の指標値と所定の閾値とを比較し、比較結果に
基づいて切り換え手段を制御するようにしたものであ
る。
【0015】この発明に係る撮像装置は、指標値演算手
段が、積算手段による積算値に基づく指標値を所定のフ
レーム数分記憶し、その所定のフレーム数分の指標値の
合計値、および、その所定のフレーム数分の指標値のう
ちの最大値と最小値との差を指標値として演算するよう
にしたものである。
【0016】この発明に係る撮像装置は、フリッカ検出
手段が指標値と所定の閾値とを比較してフリッカを検出
する場合に、閾値を画像信号に基づいて設定する閾値設
定手段を備えるようにしたものである。
【0017】この発明に係る撮像装置は、閾値設定手段
が、参照テーブルを有し、その参照テーブルを参照して
固体撮像素子による画像信号に応じた閾値を設定するよ
うにしたものである。
【0018】この発明に係る撮像装置は、フリッカ検出
手段から切り換え手段への制御信号をマスクして切り換
え手段の切り換え動作を停止させるマスク手段を備える
ようにしたものである。
【0019】この発明に係る撮像装置は、マスク手段
が、固体撮像素子による画像信号における一画面あるい
はその一部の積算手段による積算値に基づいて、切り換
え手段への制御信号をマスクするようにしたものであ
る。
【0020】この発明に係る撮像装置は、マスク手段
が、固体撮像素子の電荷蓄積時間に基づいて、切り換え
手段への制御信号をマスクするようにしたものである。
【0021】この発明に係る撮像装置は、マスク手段
が、増幅器の利得に基づいて、切り換え手段への制御信
号をマスクするようにしたものである。
【0022】この発明に係る自動レベル調整方法は、フ
レーム内の所定のラインにおける複数の画素値を積算す
るステップと、積算した値のフレーム間の変化量を計算
し、所定のフレーム数分の変化量に基づいて、フリッカ
検出のための指標値を演算するステップと、指標値に基
づいてフリッカを検出し、検出結果に基づいて、固体撮
像素子の電荷蓄積時間を第1の電源周波数の逆数の1/
2の整数倍のうちのいずれかの時間か、固体撮像素子の
電荷蓄積時間を第2の電源周波数の逆数の1/2の整数
倍のうちのいずれかの時間に設定するステップとを備え
るものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による撮
像装置の構成を示すブロック図である。図1において、
1は画素毎に異なるタイミングで光電変換を実行して画
像信号を生成するCMOSセンサなどの固体撮像素子で
あり、2は画像信号におけるノイズをキャンセルする相
関二重サンプリング回路(CDS)であり、3は画像信
号を増幅する増幅器であり、4は画像信号をデジタルデ
ータに変換するA/D変換器であり、5は固体撮像素子
1の電荷蓄積時間と増幅器3の利得を自動的に制御する
自動レベル調整手段である。
【0024】自動レベル調整手段5において、11はフ
レーム内の所定のラインにおける複数の画素値を積算す
る積算手段であり、12は画像のレベルに応じて自動レ
ベル調整処理を実行する演算手段であり、13は演算手
段12の演算結果に応じて、固体撮像素子1の電荷蓄積
時間を1/100秒の整数倍のうちのいずれかの時間に
設定するための設定信号、および増幅器3の増幅率を設
定するための設定信号を出力する第1の撮像パラメータ
設定手段(第1の設定手段)であり、14は演算手段1
2の演算結果に応じて、固体撮像素子1の電荷蓄積時間
を1/120秒の整数倍のうちのいずれかの時間に設定
するための設定信号、および増幅器3の増幅率を設定す
るための設定信号を出力する第2の撮像パラメータ設定
手段(第2の設定手段)である。
【0025】15は積算手段11による積算値のフレー
ム間の変化量を計算し、所定のフレーム数分のその変化
量に基づいて、フリッカ検出のための指標値を演算する
演算手段(指標値演算手段)であり、16は指標値演算
手段15による指標値に基づいてフリッカを検出し、検
出結果に基づいて切り換え手段17を制御するフリッカ
検出手段であり、17はフリッカ検出手段16からの制
御信号に応じて、第1の撮像パラメータ設定手段13ま
たは第2の撮像パラメータ設定手段14からの設定信号
を選択し、増幅率の設定信号を増幅器3に供給し、電荷
蓄積時間の設定信号をタイミングジェネレータ18に供
給する切り換え手段であり、18は切り換え手段17を
介して供給される電荷蓄積時間の設定信号に基づいて固
体撮像素子1の電荷蓄積時間を制御するタイミングジェ
ネレータである。
【0026】次に動作について説明する。光画像は、固
体撮像素子1に入射すると、固体撮像素子1により画像
信号に変換され、その画像信号はCDS2によりノイズ
を除去される。CDS2から出力された画像信号は増幅
器3により増幅され、A/D変換器4によりデジタルデ
ータに変換され、画素データとして図示せぬ後段の処理
部へ出力される。
【0027】一方、自動レベル調整手段5において、積
算手段11は、1フレーム毎に画面全体あるいは画面の
一部の領域の画素データを積算し、積算値を演算手段1
2に供給する。また、積算手段11は、所定の第m番目
の水平ラインの画素データを積算した積算値、すなわち
その水平ラインの射影出力値を演算手段15に供給す
る。
【0028】演算手段12は、画像の信号レベルが一定
レベルになるように、積算手段11からの積算値に基づ
いて次フレーム撮像時の撮像パラメータ設定値を演算
し、その撮像パラメータ設定値を第1の撮像パラメータ
設定手段13および第2の撮像パラメータ設定手段14
に供給する。
【0029】第1の撮像パラメータ設定手段13および
第2の撮像パラメータ設定手段14は、その撮像パラメ
ータ設定指標値に基づき増幅器3に対するゲイン設定信
号、およびタイミングジェネレータ18に対する電荷蓄
積時間の設定信号を出力する。
【0030】このとき、第1の撮像パラメータ設定手段
13は、交流電源の周波数が50Hzの地域でフリッカ
が発生しないようにするために、電荷蓄積時間が1/1
00秒の整数倍のいずれかにする電荷蓄積時間の設定信
号を出力し、第2の撮像パラメータ設定手段14は、交
流電源の周波数が60Hzの地域でフリッカが発生しな
いようにするために、電荷蓄積時間が1/120秒の整
数倍のいずれかにする電荷蓄積時間の設定信号を出力す
る。ただし、撮影環境が高照度の場合には、第1の撮像
パラメータ設定手段13は、1/100秒より短い電荷
蓄積時間を設定するための設定信号を出力し、第2の撮
像パラメータ設定手段14は、1/120秒より短い電
荷蓄積時間を設定するための設定信号を出力する。
【0031】そして、第1の撮像パラメータ設定手段1
3および第2の撮像パラメータ設定手段14からの2組
のゲイン設定信号および電荷蓄積時間設定信号のうちい
ずれか一組が切り換え手段17により選択され、選択さ
れたゲイン設定信号が増幅器3に供給され、選択された
電荷蓄積時間設定信号がタイミングジェネレータ18に
供給される。
【0032】一方、演算手段15は、積算手段11から
の射影出力値に基づいてフリッカ検出のためのフリッカ
指標値を算出し、フリッカ検出手段16に供給する。フ
リッカ検出手段16は、このフリッカ指標値に基づいて
切り換え手段17を制御し、第1の撮像パラメータ設定
手段13または第2の撮像パラメータ設定手段14によ
る設定信号を選択させる。これにより、所在地域でのフ
リッカの抑制に適したゲイン設定信号および電荷蓄積時
間設定信号が増幅器3およびタイミングジェネレータ1
8にそれぞれ供給される。
【0033】ここで、現在のフリッカ指標値の計算およ
び所在地域でのフリッカの抑制に適したゲイン設定信号
および電荷蓄積時間設定信号の選択について説明する。
図2は、実施の形態1における現在のフリッカ指標値の
計算およびゲイン設定信号および電荷蓄積時間設定信号
の選択について説明するフローチャートである。
【0034】まず、ステップST1において、電源投入
時などの初期化時に、フリッカ検出手段16は、まず、
第1の撮像パラメータ設定手段13からの設定信号が選
択されるように切り換え手段17を制御する(ステップ
ST1)。第1の撮像パラメータ設定手段13は、所定
のゲイン設定信号と、電荷蓄積時間を1/100秒の整
数倍のいずれかに設定するための電荷蓄積時間設定信号
を出力する(ステップST2)。この状態で4フレーム
分の撮像が実行される(ステップST3)。なお、この
4フレーム分の撮像時には、増幅器3のゲインと固体撮
像素子1の電荷蓄積時間の設定値が変化しないようにす
る。
【0035】そして、積算手段11は、各フレームの所
定の水平ラインの射影出力値を計算して演算手段15に
供給し、演算手段15は、4フレーム分の所定の水平ラ
インの射影出力値に基づいて、この際のフリッカ指標値
I1を演算し、フリッカ検出手段16に供給する(ステ
ップST4)。このとき、一例として、第nフレームに
おける第mラインの射影出力値D(n)とすると、式
(1)に示すように、射影出力値D(n)の変化量の積
算値が、この際のフリッカ指標値I1として演算され
る。
【数1】
【0036】次に、フリッカ検出手段16は、第2の撮
像パラメータ設定手段14からの設定信号が選択される
ように切り換え手段17を制御する(ステップST
5)。第2の撮像パラメータ設定手段14は、所定のゲ
イン設定値と、電荷蓄積時間を1/120秒の整数倍の
いずれかに設定するための電荷蓄積時間設定値を出力す
る(ステップST6)。この状態で、同様に4フレーム
分の撮像が実行される(ステップST7)。なお、この
4フレーム分の撮像時には、増幅器3のゲインと固体撮
像素子1の電荷蓄積時間の設定値が変化しないようにす
る。
【0037】そして、積算手段11は、各フレームの所
定の水平ラインの射影出力値を計算して演算手段15に
供給し、演算手段15は、4フレーム分の所定の水平ラ
インの射影出力値に基づいて、式(1)に従って、この
際のフリッカ指標値I2を演算する(ステップST
8)。
【0038】そして、フリッカ検出手段16は、第1の
撮像パラメータ設定手段13からの設定信号に基づいて
設定された増幅器3のゲインおよび固体撮像素子1の電
荷蓄積時間で撮像した場合のフリッカ指標値I1が、第
2の撮像パラメータ設定手段14からの設定信号に基づ
いて設定された増幅器3のゲインおよび固体撮像素子1
の電荷蓄積時間で撮像した場合のフリッカ指標値I2以
上であるか否かを判断する(ステップST9)。
【0039】このとき、フリッカ検出手段16は、フリ
ッカ指標値I1がフリッカ指標値I2以上である場合に
は、電源周波数が60Hzであると判断し、以降の撮像
については、第2の撮像パラメータ設定手段14からの
設定信号が選択されるように切り換え手段17を制御し
(ステップST10)、フリッカ指標値I1がフリッカ
指標値I2より小さい場合には、電源周波数が50Hz
であると判断し、以降の撮像については、第1の撮像パ
ラメータ設定手段13からの設定信号が選択されるよう
に切り換え手段17を制御する(ステップST11)。
【0040】このようにして、初期化時に電源周波数が
検出され、それに応じて、第1の撮像パラメータ設定手
段13からの設定信号、または第2の撮像パラメータ設
定手段14からの設定信号が選択される。
【0041】ここで、電源周波数が50Hzである地域
で蛍光灯を点灯した状態で撮像した場合について、その
電源周波数の検出について詳細に説明する。図3および
図4は、電源周波数が50Hzである地域で蛍光灯を点
灯した状態で撮像した場合について、その電源周波数の
検出について詳細に説明する図である。
【0042】この場合、光源の点滅周期は1/100秒
となり、第1の撮像パラメータ設定手段13により電荷
蓄積時間を設定して撮像した時には、電荷蓄積時間(1
/100秒の整数倍)は光源の点滅周期(1/100
秒)で割り切れる。したがって、図3に示すように、固
体撮像素子1の各画素の光電変換を実行するタイミング
がずれていても各画素に蓄積される光電変換による電荷
量が等しいためフリッカは発生しない。
【0043】一方、第2の撮像パラメータ設定手段14
により電荷蓄積時間(1/120秒の整数倍)を設定し
た場合には、図4に示すように固体撮像素子1の各画素
の光電変換のタイミングと光源の明滅の位相関係に応じ
て、各画素に蓄積される光電変換による電荷量に差が生
じ、それに起因して撮像画面上に走査ライン毎の明るさ
の変動が生じ、横縞状に濃淡のパターンが繰り返すフリ
ッカが発生する。このとき、各画素の光電変換開始タイ
ミングと光源の点滅の位相関係が常に同一であれば上記
横縞は画面上で静止して見えるが、位相関係がフレーム
毎に変化すると画面上に発生する横縞は上下方向に流れ
るように見える。
【0044】一方、電源周波数が60Hzである地域で
蛍光灯を点灯した状態で撮像した場合、光源の点滅周期
は1/120秒となり、第1の撮像パラメータ設定手段
13による設定信号で電荷蓄積時間を設定して撮像した
時に同様の原理でフリッカが発生し、第2の撮像パラメ
ータ設定手段14による設定信号で電荷蓄積時間を設定
して撮像したときにはフリッカが発生しない。
【0045】したがって、被写体の移動および撮像環境
の変化がなければ、フリッカ発生時に常に横縞が上下方
向に流れるように見える場合、4フレーム分の撮像を実
行し、その間の所定のラインの射影出力値の変化量をフ
リッカ指標値I1,I2で調べることで、フリッカが発
生しているか否かを判断することができる。すなわち、
この変化量が小さい場合には、上下方向に流れる横縞が
存在しないので、フリッカが発生していないと判断する
ことができ、逆に、この変化量が大きい場合には、上下
方向に流れる横縞が存在し、フリッカが発生していると
判断することができる。
【0046】このように実施の形態1では、フリッカ発
生時の横縞が上下方向に移動し、任意の所定のラインの
明暗がフレーム毎に変化することを利用して、フリッカ
が検出される。
【0047】なお、横縞の移動の有無および横縞が上下
方向に移動する速さは、光源の点滅周期とフレームレー
トに依存する。例えば、フレームレートを15fps
(frame per second)に設定した場
合、電源周波数が50Hzである地域では、各画素の光
電変換開始タイミングと光源の点滅の位相関係が毎フレ
ーム変化するため横縞が上下方向に移動するが、電源周
波数が60Hzである地域では、フレーム周期(1/1
5秒)が光源の点滅周期(1/120秒)の整数倍であ
るため各画素の光電変換開始タイミングと光源の点滅の
位相関係が常に同一になり、横縞は画面上に静止して見
える。横縞が静止してしまうとフレーム毎に射影出力値
が変化せずフリッカの検出が困難になるので、実施の形
態1の撮像装置を使用する場合、電源周波数が50Hz
および60Hzである地域の両方で確実にフリッカが検
出できるように、フリッカ検出時には、フレーム周期を
1/100秒または1/120秒の整数倍にならないよ
うな値に設定するようにする。
【0048】なお、この実施の形態1では、1ラインの
射影出力値からフリッカ指標値を計算するようにしてい
るが、複数ラインの射影出力値からフリッカ指標値を計
算するようにしてもよい。
【0049】また、この実施の形態1では、4フレーム
撮像する間の射影出力値の変動量を積算してフリッカ指
標値を計算しているが、変動量を積算するフレーム数は
3フレームでも良いし、5フレーム以上としても良い。
【0050】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、フレーム内の所定のラインにおける複数の画素値を
積算し、積算した値のフレーム間の変化量を計算し、所
定のフレーム数分の変化量に基づいてフリッカ指標値を
演算し、フリッカ指標値に基づいてフリッカを検出し、
その検出結果に基づいて、固体撮像素子1の電荷蓄積時
間を電源周波数50Hzの逆数の1/2(=1/100
秒)の整数倍のうちのいずれかの時間か、固体撮像素子
1の電荷蓄積時間を電源周波数60Hzの逆数の1/2
(=1/120秒)の整数倍のうちのいずれかの時間に
設定するようにしたので、地域によって電源周波数が異
なる場合でも、簡単な構成で、フリッカ指標値に基づい
て所在地域の電源周波数を検知し、フリッカの発生を確
実に抑制して良好な画像を得ることができるという効果
が得られる。
【0051】また、この実施の形態1によれば、演算手
段15が、積算手段11による積算値のフレーム毎の変
化量を所定のフレーム分だけ積算してフリッカ指標値を
計算するようにしたので、この演算は式(1)に示すよ
うに簡易なものであり、演算手段15をファームウェア
で構成した場合には処理時間を短縮することができると
いう効果が得られ、またハードウェアで構成しても小規
模な回路で実現することができるという効果が得られ
る。
【0052】実施の形態2.この発明の実施の形態2に
よる撮像装置は、フレーム周期が1/100秒の整数倍
または1/120秒の整数倍である場合にもフリッカを
検出することができるようにしたものである。
【0053】すなわち、実施の形態1では、交流電源の
周波数が50Hzの地域および60Hzの地域両方で確
実にフリッカが検出できるように、フリッカ検出時に
は、フレーム周期を1/100秒または1/120秒の
整数倍にならないような値に設定して撮像を実行してい
るが、装置の制約上、例えばフレームレートを15fp
sにしか設定できない場合もあるため、実施の形態2で
は、そのような場合でもフリッカを良好に検出すること
ができるようにしたものである。
【0054】なお、実施の形態2による撮像装置の構成
は、実施の形態1によるものと同様であるので、その説
明を省略する。ただし、初期化時の設定信号の選択の際
の処理が実施の形態1によるものとは異なる。
【0055】次に動作について説明する。ここでは一例
としてフレームレートが15fpsに固定されているも
のとして説明する。図5は、実施の形態2における現在
のフリッカ指標値の計算およびゲイン設定信号および電
荷蓄積時間設定信号の選択について説明するフローチャ
ートである。
【0056】実施の形態2では、初期化時において、フ
リッカ検出手段16は、まず、フレーム周期(今の場
合、1/15秒)を割り切れる電荷蓄積時間(1/12
0秒の整数倍)を設定する第2の撮像パラメータ設定手
段14の設定信号が選択されるように切り換え手段17
を制御する(ステップST11)。第2の撮像パラメー
タ設定手段14は、所定のゲイン設定信号と電荷蓄積時
間を1/120秒の整数倍のいずれかに設定するための
電荷蓄積時間設定信号を出力する(ステップST1
2)。この状態で4フレーム分の撮像が実行される(ス
テップST13)。この4フレーム分の撮像時には、増
幅器3のゲインと固体撮像素子1の電荷蓄積時間の設定
値が変化しないようにする。
【0057】そして、積算手段11は、各フレームの所
定の水平ラインの射影出力値を計算して演算手段15に
供給し、演算手段15は、4フレーム分の所定の水平ラ
インの射影出力値に基づいて、この際のフリッカ指標値
I2を演算し、フリッカ検出手段16に供給する(ステ
ップST14)。
【0058】フリッカ検出手段16は、このフリッカ指
標値I2が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ス
テップST15)。フリッカ検出手段16は、このフリ
ッカ指標値I2が所定の閾値以上である場合には、フリ
ッカが発生しており、電源周波数が50Hzであると判
断し、以降の撮像については、第1の撮像パラメータ設
定手段13からの設定信号が選択されるように切り換え
手段17を制御し(ステップST16)、このフリッカ
指標値I2が所定の閾値より小さい場合には、以降の撮
像については、そのまま、第2の撮像パラメータ設定手
段14からの設定信号が選択されるように切り換え手段
17を制御する。
【0059】すなわち、電源周波数が50Hzである地
域では、ステップST11〜ステップST13の処理で
電荷蓄積時間が1/120秒の整数倍のいずれかに設定
されると、実施の形態1で述べたように上下方向に横縞
が移動するフリッカが発生する。したがって、フリッカ
指標値I2が所定の閾値より大きくなり、第1の撮像パ
ラメータ設定手段13による設定信号が選択されるよう
に切り換え手段17が制御される。
【0060】一方、電源周波数が60Hzである地域で
は、ステップST11〜ステップST13を実行した場
合には、フリッカが発生しないので、4フレーム分撮像
する間に被写体の移動や撮像環境の変化がなければ、フ
リッカ指標値I2はほぼ0になり、所定の閾値より小さ
くなるので、第2の撮像パラメータ設定手段14による
設定信号がそのまま選択されるように切り換え手段17
が制御される。
【0061】このようにして、電源周波数が50Hzで
ある地域では第1の撮像パラメータ設定手段13による
設定信号が選択され、電源周波数が60Hzである地域
では第2の撮像パラメータ設定手段14による設定信号
が選択され、電源周波数に応じてフリッカが適切に抑制
される。
【0062】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、フリッカ検出手段16は、第1の撮像パラメータ設
定手段13または第2の撮像パラメータ設定手段14を
動作させた場合のフリッカ指標値と所定の閾値とを比較
し、比較結果に基づいて切り換え手段17を制御するよ
うにしたので、撮像装置のフレーム周期が、第1の撮像
パラメータ設定手段13または第2の撮像パラメータ設
定手段14により設定される電荷蓄積時間の整数倍であ
る場合(上記の例では、第2の撮像パラメータ設定手段
14により設定される電荷蓄積時間の整数倍である場
合)にも、フリッカ指標値に基づいて所在地域の電源周
波数を検知し、フリッカの発生を確実に抑制して良好な
画像を得ることができるという効果が得られる。
【0063】実施の形態3.この発明の実施の形態3に
よる撮像装置は、被写体の移動や撮像環境の変化が発生
した場合に射影出力値の変動が、フリッカに起因したも
のか、被写体の移動や撮像環境の変化に起因したものか
を識別して、フリッカ発生時に適切にフリッカを抑制す
るようにしたものである。
【0064】図6は、この実施の形態3による撮像装置
における演算手段15の構成を示すブロック図である。
図6において、21はフリッカ指標値演算手段であり、
22,23,24,25は順番にフリッカ指標値を記憶
する記憶手段であり、26はフリッカ指標値演算手段2
1および記憶手段22〜25からのフリッカ指標値の合
計値を演算する合計値演算手段であり、27はフリッカ
指標値演算手段21および記憶手段22〜25からのフ
リッカ指標値のうちの最大値と最小値との差を演算する
最大差分値演算手段である。
【0065】なお、実施の形態3による撮像装置におけ
るその他の構成要素については、実施の形態1によるも
のと同様であるので、その説明を省略する。
【0066】次に動作について説明する。フリッカ指標
値演算手段21は、積算手段11からの3フレーム分の
射影出力値D(3k),D(3k+1),D(3k+
2)に基づいて、3フレーム置きに、式(2)に従って
フリッカ指標値を演算し、出力する。なお、フリッカ指
標値演算手段15から出力される値は3フレーム毎に更
新される。例えばk=0の場合には、第0、第1フレー
ム間の射影出力値の変動量と、第1、第2フレーム間の
射影出力値の変動量の合計値が演算され、k=1の場合
には、第3、第4フレーム間の射影出力値の変動量と、
第4、第5フレーム間の射影出力値の変動量の合計値が
演算される。
【数2】
【0067】フリッカ指標値演算手段21からのフリッ
カ指標値は、3フレーム後に更新されるまで記憶手段2
2に出力され、記憶手段22は、記憶している値を3フ
レーム置きに更新する。同様に、記憶手段22からのフ
リッカ指標値が3フレーム後に更新されるまで記憶手段
23に出力され、記憶手段23は、記憶している値を3
フレーム置きに更新する。また、記憶手段23からのフ
リッカ指標値が3フレーム後に更新されるまで記憶手段
24に出力され、記憶手段24は、記憶している値を3
フレーム置きに更新する。さらに、記憶手段24からの
フリッカ指標値が3フレーム後に更新されるまで記憶手
段25に出力され、記憶手段25は、記憶している値を
3フレーム置きに更新するとともに、記憶している値を
出力する。
【0068】そして、合計値演算手段26は、3フレー
ム置きに、フリッカ指標値演算手段21および記憶手段
22〜25から出力されるフリッカ指標値の合計値を演
算し、フリッカ検出手段16に供給する。また、最大差
分値演算手段27は、3フレーム置きに、フリッカ指標
値演算手段21および記憶手段22〜25から出力され
るフリッカ指標値のうちの最大値と最小値との差を演算
し、フリッカ検出手段16に供給する。
【0069】実施の形態3におけるフリッカ検出手段1
6は、増幅器3のゲインと固体撮像素子1の電荷蓄積時
間を変更可能なタイミングを、第0フレームの前、第2
フレームと第3フレームとの間、第5フレームと第6フ
レームとの間というように3フレーム置きにし、そのタ
イミングで、合計値演算手段26からの値および最大差
分値演算手段27からの値に基づいて、切り換え手段1
7を制御する。
【0070】次に実施の形態3のフリッカ検出手段16
の動作について説明する。図7は、実施の形態3のフリ
ッカ検出手段16の動作について説明するフローチャー
トである。
【0071】フリッカ検出手段16は、まず、第2の撮
像パラメータ設定手段14の設定信号が選択されるよう
に切り換え手段17を制御する(ステップST21)。
第2の撮像パラメータ設定手段14は、所定のゲイン設
定信号と電荷蓄積時間を1/120秒の整数倍のいずれ
かに設定するための電荷蓄積時間設定信号を出力し(ス
テップST22)、それに基づいて撮像が開始される
(ステップST23)。演算手段15の出力値は3フレ
ーム毎に更新されるので、第2フレームの撮像が終了
し、それに対応した演算結果が演算手段15から出力さ
れるまで、フリッカ検出手段16は一定時間ウェイトす
る(ステップST24)。
【0072】その後、演算手段15からの値が更新され
ると、フリッカ検出手段16は、フレーム周期(例えば
1/15秒)を割り切れる電荷蓄積時間(1/120秒
の整数倍)を設定する第2の撮像パラメータ設定手段1
4による設定信号が現在選択されているか否かを判断す
る(ステップST25)。
【0073】そして、フリッカ検出手段16は、第2の
撮像パラメータ設定手段14による設定信号が現在選択
されている場合、合計値演算手段26からの値が所定の
第1の閾値以上であるか否かを判断する(ステップST
26)。さらに、フリッカ検出手段16は、合計値演算
手段26からの値が所定の第1の閾値以上である場合、
最大差分値演算手段27からの値が所定の第2の閾値以
下であるか否かを判断する(ステップST27)。
【0074】そして、フリッカ検出手段16は、最大差
分値演算手段27からの値が所定の第2の閾値以下であ
る場合、以降の撮像について、第1の撮像パラメータ設
定手段13による設定信号が選択されるように、切り換
え手段17を制御する(ステップST28)。
【0075】ステップST25において第2の撮像パラ
メータ設定手段14による設定信号が現在選択されてい
ない場合、ステップST26において合計値演算手段2
6からの値が所定の第1の閾値以上ではない場合、ステ
ップST27において最大差分値演算手段27からの値
が所定の第2の閾値以下ではない場合、およびステップ
ST28の後、第1の撮像パラメータ設定手段13およ
び第2の撮像パラメータ設定手段14は、演算手段12
からの撮像パラメータ設定値に基づいて増幅器3のゲイ
ン設定信号と電荷蓄積時間設定信号を生成し、出力す
る。その後、ステップST24に戻り、ステップST2
4〜ステップST29の処理を3フレーム毎に繰り返
す。
【0076】このようにして、合計値演算手段26から
の値と最大差分値演算手段27からの値とに基づいて、
射影出力値の変動の要因がフリッカであるか被写体の上
下方向の移動であるかを判別して、射影出力値の変動の
要因がフリッカである場合だけ、第2の撮像パラメータ
設定手段14による設定信号から第1の撮像パラメータ
設定手段13による設定信号へ変更するようにしてい
る。
【0077】すなわち、実施の形態1で述べたように、
フレームレートが15fpsであり、第2の撮像パラメ
ータ設定手段14による設定信号に基づいて電荷蓄積時
間(1/120秒の整数倍のいずれか)を設定した場合
には、電源周波数が50Hzである地域では、上下方向
に移動する横縞のフリッカが発生する。この場合、各画
素の光電変換開始タイミングと光源の点滅の位相関係は
3フレーム毎(すなわち、1/5秒=1/15秒×3
毎)に一致するので、横縞と走査ラインの位相関係も3
フレーム毎に一致する。したがって、フリッカにより射
影出力値が変動している場合には、演算手段15の出力
は、図8に示すようにほぼ一定となる。一方、被写体が
移動して射影出力値が変動している場合は、演算手段1
5の出力は図8に示すようにランダムに変化する。した
がって最大差分値演算手段27の出力は、被写体移動時
には大きな値となり、フリッカ発生時には小さな値とな
るので、第2の閾値に基づいて、射影出力値の変動の原
因がフリッカであるか被写体移動であるかを判別するこ
とができる。なお、図8は実施の形態3における演算手
段15の出力の一例を示す図である。
【0078】なお、この実施の形態3では、ゲイン設定
値および電荷蓄積時間の設定値を変更するタイミングが
フリッカ指標値を演算するタイミングと同期するように
3フレーム置きとしていたが、1フレーム毎に変更する
ようにしてもよい。
【0079】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、演算手段15が、積算値に基づくフリッカ指標値演
算手段21によるフリッカ指標値を所定のフレーム数分
記憶し、その所定のフレーム数分のフリッカ指標値の合
計値と、その所定のフレーム数分の指標値のうちの最大
値および最小値の差とを、フリッカ検出部16へのフリ
ッカ指標値として演算するようにしたので、積算値の変
動がフリッカであるか被写体移動であるかを判別し、フ
リッカを適切に抑制することができるという効果が得ら
れる。
【0080】実施の形態4.この発明の実施の形態4に
よる撮像装置は、実施の形態3におけるフリッカ検出手
段16での閾値を画像信号に基づいて設定する閾値設定
手段を備えるようにしたものである。
【0081】図9はこの発明の実施の形態4による撮像
装置の構成を示すブロック図である。図において、31
は積算手段11からの値、すなわち画像レベルに基づい
て、フリッカ検出手段16の閾値を画像信号に基づいて
設定する閾値設定手段を備えるようにしたものである。
なお、図9におけるその他の構成要素については実施の
形態3によるものと同様であるので、その説明を省略す
る。
【0082】次に動作について説明する。フリッカ発生
時において、フリッカ指標値演算手段21から出力され
る値は常に一定レベルとはならず、画像の明暗や光源の
光量の変動度合いなどによって変化する。画像が明るい
場合にはフリッカの横縞が目立ち、暗い場合には目立た
なくなる。
【0083】そこで、閾値設定手段31は、第1および
/または第2の閾値を固定値とせず、画像レベルに対応
してその値を変更する。積算手段11からの出力は画像
の明るさに比例した値となっているので、閾値設定手段
31は、例えば、積算手段11からの出力に比例して第
1および/または第2の閾値を変化させる。
【0084】なお、その他の動作については実施の形態
3によるものと同様であるので、その説明を省略する。
【0085】なお、閾値設定手段31は、例えば、積算
手段11からの出力に対して非線形に第1および/また
は第2の閾値を変化させるようにしてもよい。図10
は、この発明の実施の形態4による撮像装置の他の構成
を示すブロック図である。図において、41は、閾値設
定手段31に設けられ、積算手段11からの出力と第1
および/または第2の閾値との間の非線形な対応関係を
予め記憶するLUT(Look Up Table)
(参照テーブル)である。閾値設定手段31は、LUT
41を参照して、積算手段11からの値に応じた閾値を
選択し、フリッカ検出手段16に設定する。
【0086】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、画像レベルに応じて、フリッカ検出手段16の第1
および/または第2の閾値を変更するようにしたので、
フリッカの検出精度をより高くすることができるという
効果が得られる。また、LUT41を参照して閾値を設
定するようにしたので、積算手段11からの出力に対し
て非線形な関係で第1および/または第2の閾値を簡単
に設定することができるという効果が得られる。
【0087】実施の形態5.この発明の実施の形態5に
よる撮像装置は、フリッカ検出手段16から切り換え手
段17への制御信号をマスクして切り換え手段17の切
り換え動作を停止させるマスク手段を備えるようにした
ものである。
【0088】図11はこの発明の実施の形態5による撮
像装置の構成を示すブロック図である。図において、5
1は、固体撮像素子1による画像信号における一画面あ
るいはその一部の積算手段11による積算値に基づい
て、切り換え手段17への制御信号をマスクするマスク
手段である。なお、図11におけるその他の構成要素に
ついては実施の形態1によるものと同様であるので、そ
の説明を省略する。
【0089】次に動作について説明する。画像が極端に
暗い場合や明るい場合には、画面上にフリッカは発生し
ない。そこで、マスク手段51は、積算手段11による
積算値に基づいて画像の明るさを判断し、それに応じて
切り換え手段17への制御信号をマスクする。すなわ
ち、積算手段11からの出力は画像の明るさに比例した
値となっているので、積算手段11からの値が所定の値
以下あるいは所定の値以上の場合は、切り換え手段17
への制御信号がマスクされる。
【0090】なお、その他の動作については実施の形態
1によるものと同様であるので、その説明を省略する。
【0091】なお、積算手段11からの値の代わりに、
タイミングジェネレータ18への設定信号で設定される
電荷蓄積時間に基づいて切り換え手段17への制御信号
をマスクするようにしてもよい。図12はこの発明の実
施の形態5による撮像装置の他の構成を示すブロック図
である。図において、51Aはタイミングジェネレータ
18への設定信号で設定される電荷蓄積時間に基づいて
切り換え手段17への制御信号をマスクするマスク手段
である。光源の光量が大きい場合に、電荷蓄積時間に1
/100秒あるいは1/120秒より小さい値が設定さ
れており、その時に撮像パラメータ設定手段を切り換え
ると、その後光量が減少した際にフリッカが発生してし
まうことがある。そこで、マスク手段51Aは、タイミ
ングジェネレータ18への電荷蓄積時間設定信号に基づ
いて、電荷蓄積時間の設定値が所定の値以下であるか否
かを判断し、電荷蓄積時間の設定値が所定の値以下であ
る場合には、切り換え手段17への制御信号をマスクす
る。
【0092】また、積算手段11からの値の代わりに、
増幅器3の利得に基づいて切り換え手段17への制御信
号をマスクするようにしてもよい。図13はこの発明の
実施の形態5による撮像装置のさらに他の構成を示すブ
ロック図である。図において、51Bは増幅器3へのゲ
イン設定信号により設定される増幅器3の利得に基づい
て切り換え手段17への制御信号をマスクするマスク手
段である。増幅器3のゲインを増加させていくと画像上
に発生するノイズ成分が増大し、ノイズによる画像デー
タの変動により光源の点滅周波数を誤判断しフリッカを
適切に抑制できない可能性がある。そこで、マスク手段
51Bは、ゲイン設定値が所定の値以上の場合には、切
り換え手段17への制御信号をマスクする。
【0093】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、画像の明るさ、固体撮像素子1の電荷蓄積時間、増
幅器3の利得などに応じて、フリッカ検出手段16から
切り換え手段17への制御信号をマスクするようにした
ので、フリッカの誤検出の可能性を低減することができ
るという効果が得られる。
【0094】なお、上記実施の形態では、電源周波数を
50Hzか60Hzとしており、日本国内では問題ない
が、外国など、電源周波数を50Hzおよび60Hz以
外である地域では、その地域の電源周波数に対応して装
置を構成することにより、同様の効果が得られる。
【0095】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、フレ
ーム内の所定のラインにおける複数の画素値を積算し、
積算した値のフレーム間の変化量を計算し、所定のフレ
ーム数分の変化量に基づいてフリッカ検出のための指標
値を演算し、指標値に基づいてフリッカを検出し、その
検出結果に基づいて、固体撮像素子の電荷蓄積時間を第
1の電源周波数の逆数の1/2の整数倍のうちのいずれ
かの時間か、固体撮像素子の電荷蓄積時間を第2の電源
周波数の逆数の1/2の整数倍のうちのいずれかの時間
に設定するようにしたので、地域によって電源周波数が
異なる場合でも、フリッカ指標値に基づいて所在地域の
電源周波数を検知し、フリッカの発生を確実に抑制して
良好な画像を得ることができるという効果がある。
【0096】この発明によれば、第1の設定手段が固体
撮像素子の電荷蓄積時間を1/100秒の整数倍のうち
のいずれかの時間に設定し、第2の設定手段が固体撮像
素子の電荷蓄積時間を1/120秒の整数倍のうちのい
ずれかの時間に設定するようにしたので、日本国内にお
いて所在地域の電源周波数を検知し、フリッカの発生を
確実に抑制して良好な画像を得ることができるという効
果がある。
【0097】この発明によれば、フリッカ検出手段が、
第1の設定手段または第2の設定手段を動作させた場合
の指標値と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて
切り換え手段を制御するようにしたので、撮像装置のフ
レーム周期が、第1の設定手段または第2の設定手段に
より設定される電荷蓄積時間の整数倍である場合にも、
フリッカ指標値に基づいて所在地域の電源周波数を検知
し、フリッカの発生を確実に抑制して良好な画像を得る
ことができるという効果がある。
【0098】この発明によれば、指標値演算手段が、積
算手段による積算値に基づく指標値を所定のフレーム数
分記憶し、その所定のフレーム数分の指標値の合計値
と、その所定のフレーム数分の指標値のうちの最大値お
よび最小値の差とを指標値として演算するようにしたの
で、積算値の変動の原因がフリッカであるか被写体移動
であるかを判別し、フリッカを適切に抑制することがで
きるという効果がある。
【0099】この発明によれば、フリッカ検出手段が指
標値と所定の閾値とを比較してフリッカを検出する場合
に、その閾値を画像信号に基づいて設定する閾値設定手
段を備えるようにしたので、フリッカの検出精度をより
高くすることができるという効果がある。
【0100】この発明によれば、閾値設定手段が参照テ
ーブルを参照して固体撮像素子による画像信号に応じた
閾値を設定するようにしたので、積算手段からの出力に
対して非線形な関係で第1および/または第2の閾値を
簡単に設定することができるという効果がある。
【0101】この発明によれば、フリッカ検出手段から
切り換え手段への制御信号をマスクして切り換え手段の
切り換え動作を停止させるマスク手段を備えるようにし
たので、フリッカの誤検出の可能性を低減することがで
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による撮像装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態1における現在のフリッカ指標値
の計算およびゲイン設定信号および電荷蓄積時間設定信
号の選択について説明するフローチャートである。
【図3】 電源周波数が50Hzである地域で蛍光灯を
点灯した状態で撮像した場合について、その電源周波数
の検出について詳細に説明する図である(1)。
【図4】 電源周波数が50Hzである地域で蛍光灯を
点灯した状態で撮像した場合について、その電源周波数
の検出について詳細に説明する図である(2)。
【図5】 実施の形態2における現在のフリッカ指標値
の計算およびゲイン設定信号および電荷蓄積時間設定信
号の選択について説明するフローチャートである。
【図6】 実施の形態3による撮像装置における演算手
段15の構成を示すブロック図である。
【図7】 実施の形態3のフリッカ検出手段の動作につ
いて説明するフローチャートである。
【図8】 実施の形態3における演算手段15の出力の
一例を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態4による撮像装置の構
成を示すブロック図である。
【図10】 この発明の実施の形態4による撮像装置の
他の構成を示すブロック図である。
【図11】 この発明の実施の形態5による撮像装置の
構成を示すブロック図である。
【図12】 この発明の実施の形態5による撮像装置の
他の構成を示すブロック図である。
【図13】 この発明の実施の形態5による撮像装置の
さらに他の構成を示すブロック図である。
【図14】 従来の自動レベル調整方法を実施する自動
レベル調整装置の構成を示すブロック図である。
【図15】 従来の自動レベル調整方法を具体的に説明
する図である。
【符号の説明】
1 固体撮像素子、3 増幅器、5 自動レベル調整手
段、11 積算手段、13 第1の撮像パラメータ設定
手段(第1の設定手段)、14 第2の撮像パラメータ
設定手段(第2の設定手段)、15 演算手段(指標値
演算手段)、16 フリッカ検出手段、17 切り換え
手段、31 閾値設定手段、41 LUT(参照テーブ
ル)、51,51A,51B マスク手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 偉雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 杉浦 博明 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 久野 徹也 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5C022 AA13 AB17 AB20 AC42 AC69 5C024 CX15 CX54 CX61 EX12 GX03 GY01 HX18 HX29 HX30 HX50 HX57

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画素毎に異なるタイミングで光電変換を
    実行して画像信号を生成する固体撮像素子と、前記画像
    信号を増幅する増幅器と、前記固体撮像素子の電荷蓄積
    時間と前記増幅器の利得を自動的に制御して前記画像信
    号のレベルを所定のレベルにする自動レベル調整手段を
    備えた撮像装置において、 前記自動レベル調整手段は、 前記固体撮像素子の電荷蓄積時間を第1の電源周波数の
    逆数の1/2の整数倍のうちのいずれかの時間に設定す
    る第1の設定手段と、 前記固体撮像素子の電荷蓄積時間を第2の電源周波数の
    逆数の1/2の整数倍のうちのいずれかの時間に設定す
    る第2の設定手段と、 前記第1の設定手段または前記第2の設定手段を選択
    し、前記固体撮像素子の電荷蓄積時間を設定させる切り
    換え手段と、 フレーム内の所定のラインにおける複数の画素値を積算
    する積算手段と、 前記積算手段による積算値のフレーム間の変化量を計算
    し、所定のフレーム数分の前記変化量に基づいて、フリ
    ッカ検出のための指標値を演算する指標値演算手段と、 前記指標値演算手段による指標値に基づいてフリッカを
    検出し、検出結果に基づいて前記切り換え手段を制御す
    るフリッカ検出手段とを備えることを特徴とする撮像装
    置。
  2. 【請求項2】 第1の設定手段は、固体撮像素子の電荷
    蓄積時間を1/100秒の整数倍のうちのいずれかの時
    間に設定し、 第2の設定手段は、固体撮像素子の電荷蓄積時間を1/
    120秒の整数倍のうちのいずれかの時間に設定するこ
    とを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  3. 【請求項3】 指標値演算手段は、積算手段による積算
    値のフレーム毎の変化量を所定のフレーム分だけ積算し
    て指標値を計算することを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の撮像装置。
  4. 【請求項4】 フリッカ検出手段は、第1の設定手段を
    動作させた場合の指標値と、第2の設定手段を動作させ
    た場合の指標値とを比較し、比較結果に基づいて切り換
    え手段を制御することを特徴とする請求項3記載の撮像
    装置。
  5. 【請求項5】 フリッカ検出手段は、第1の設定手段ま
    たは第2の設定手段を動作させた場合の指標値と所定の
    閾値とを比較し、比較結果に基づいて切り換え手段を制
    御することを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
  6. 【請求項6】 指標値演算手段は、積算手段による積算
    値に基づく指標値を所定のフレーム数分記憶し、その所
    定のフレーム数分の指標値の合計値、および、その所定
    のフレーム数分の指標値のうちの最大値と最小値との差
    を指標値として演算することを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載の撮像装置。
  7. 【請求項7】 フリッカ検出手段が指標値と所定の閾値
    とを比較してフリッカを検出する場合に、前記閾値を画
    像信号に基づいて設定する閾値設定手段を備えることを
    特徴とする請求項1または請求項2記載の撮像装置。
  8. 【請求項8】 閾値設定手段は、参照テーブルを有し、
    その参照テーブルを参照して固体撮像素子による画像信
    号に応じた閾値を設定することを特徴とする請求項7記
    載の撮像装置。
  9. 【請求項9】 フリッカ検出手段から切り換え手段への
    制御信号をマスクして前記切り換え手段の切り換え動作
    を停止させるマスク手段を備えることを特徴とする請求
    項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の撮像装
    置。
  10. 【請求項10】 マスク手段は、固体撮像素子による画
    像信号における一画面あるいはその一部の積算手段によ
    る積算値に基づいて、切り換え手段への制御信号をマス
    クすることを特徴とする請求項9記載の撮像装置。
  11. 【請求項11】 マスク手段は、固体撮像素子の電荷蓄
    積時間に基づいて、切り換え手段への制御信号をマスク
    することを特徴とする請求項9記載の撮像装置。
  12. 【請求項12】 マスク手段は、増幅器の利得に基づい
    て、切り換え手段への制御信号をマスクすることを特徴
    とする請求項9記載の撮像装置。
  13. 【請求項13】 画素毎に異なるタイミングで光電変換
    を実行して画像信号を生成する固体撮像素子と、前記画
    像信号を増幅する増幅器とを備えた撮像装置で、前記固
    体撮像素子の電荷蓄積時間と前記増幅器の利得を自動的
    に制御して前記画像信号のレベルを所定のレベルにする
    自動レベル調整方法において、 フレーム内の所定のラインにおける複数の画素値を積算
    するステップと、 積算した値のフレーム間の変化量を計算し、所定のフレ
    ーム数分の前記変化量に基づいて、フリッカ検出のため
    の指標値を演算するステップと、 前記指標値に基づいてフリッカを検出し、検出結果に基
    づいて、前記固体撮像素子の電荷蓄積時間を第1の電源
    周波数の逆数の1/2の整数倍のうちのいずれかの時間
    か、前記固体撮像素子の電荷蓄積時間を第2の電源周波
    数の逆数の1/2の整数倍のうちのいずれかの時間に設
    定するステップとを備えることを特徴とする自動レベル
    調整方法。
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