JP2010114674A - ビデオカメラ - Google Patents

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Abstract

【構成】イメージセンサ16は、垂直方向に並ぶ1080個の画素を有する撮像面で生成された被写界像を繰り返し出力する。ドライバ18は、垂直方向に並ぶ1画素毎に撮像面を露光する露光動作を繰り返し実行する。CPU30は、垂直方向において互いに異なる位置を有するように撮像面に割り当てられた複数のフリッカ評価エリアFEV_0〜FEV_15にそれぞれ対応する複数の輝度を、イメージセンサ16から出力された被写界像に基づいて繰り返し検出する。CPU30はまた、こうして検出された複数の輝度に基づいてフリッカの有無を判別する。
【効果】フリッカ判別精度が向上する。
【選択図】図1

Description

この発明は、ビデオカメラに関し、特に撮像装置の露光時間と蛍光灯の明滅周期との間のビート干渉に起因するフリッカの発生を防止する、ビデオカメラに関する。
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、撮像部から出力された撮影信号のレベルが信号レベル検出器によってフィールド毎に取得される。フリッカ検出部は取得されたレベルにフリッカに起因する変動があるか否かを判定し、判定結果が肯定的であるときシャッタ速度を変更する。これによって、フリッカのオートフォーカス動作への悪影響を排除することができる。
特開平9−284634号公報
しかし、背景技術では、撮像信号のレベルがフィールド毎に取得されるため、フリッカに起因する変動が生じているか否かの判別に複数フィールド期間を必要とする。また、フリッカを判別するための時間を短縮しようとすると、判別精度が低下する。
それゆえに、この発明の主たる目的は、フリッカ判別の精度を向上させることができる、ビデオカメラを提供することである。
この発明に従うビデオカメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、既定方向に並ぶM個(M:2以上の整数)の画素を有する撮像面で生成された被写界像を繰り返し出力する撮像手段(16)、既定方向に並ぶN個(N:1以上でかつM未満の整数)の画素毎に撮像面を露光する露光動作を繰り返し実行する露光手段(18)、既定方向において互いに異なる位置を有するように撮像面に割り当てられた複数のフリッカ評価エリアにそれぞれ対応する複数の輝度を撮像手段から出力された被写界像に基づいて繰り返し検出する検出手段(S35~S47)、および検出手段によって繰り返し検出された複数の輝度に基づいてフリッカの有無を判別する判別手段(S49~S65)を備える。
撮像手段は、既定方向に並ぶM個(M:2以上の整数)の画素を有する撮像面で生成された被写界像を繰り返し出力する。露光手段は、既定方向に並ぶN個(N:1以上でかつM未満の整数)の画素毎に撮像面を露光する露光動作を繰り返し実行する。検出手段は、既定方向において互いに異なる位置を有するように撮像面に割り当てられた複数のフリッカ評価エリアにそれぞれ対応する複数の輝度を、撮像手段から出力された被写界像に基づいて繰り返し検出する。処理手段は、検出手段によって検出された複数の輝度に基づいてフリッカの有無を判別する。
このように、撮像面は既定方向に並ぶ複数の画素を有し、既定方向において一部の画素毎に露光される。また、複数のフリッカ評価エリアは、既定方向に互いに異なる位置を有するように撮像面に割り当てられる。したがって、光源の明滅の繰り返し態様が露光動作の繰り返し態様と相違していれば、複数のフリッカ評価エリアにそれぞれ対応する複数の輝度がこの相違に対応して変動する。フリッカの有無の判別にあたっては、このような複数の輝度が注目される。これによって、フリッカ判別精度が向上する。
このましくは、撮像手段は被写界像を第1期間毎に出力し、露光手段は第1期間よりも短い第2期間で既定方向に並ぶM個の画素を露光する。
好ましくは、既定方向は撮像手段から出力された被写界像に現れるフリッカ縞に交差する方向に相当する。
好ましくは、判別手段の判別結果を参照して撮像面の露光時間を調整する調整手段(S9)がさらに備えられる。
好ましくは、判別手段は、複数の輝度の各々を既定方向に沿って選択する選択手段(S99)、選択手段によって今回選択された輝度が選択手段によって前回選択された輝度を上回る回数を測定する第1測定手段(S85)、および選択手段によって今回選択された輝度が選択手段によって前回選択された輝度以下である回数を測定する第2測定手段(S91)を含む。
好ましくは、複数のフリッカ評価エリアは互いに同じ形状および大きさを有する。
この発明に従う撮像制御プログラムは、既定方向に並ぶM個(M:2以上の整数)の画素を有する撮像面で生成された被写界像を繰り返し出力する撮像手段(16)、および 既定方向に並ぶN個(N:1以上でかつM未満の整数)の画素毎に撮像面を露光する露光動作を繰り返し実行する露光手段(18) を備えるビデオカメラ(10)のプロセッサ(30)に、既定方向において互いに異なる位置を有するように撮像面に割り当てられた複数のフリッカ評価エリアにそれぞれ対応する複数の輝度を撮像手段から出力された被写界像に基づいて繰り返し検出する検出ステップ(S35~S47)、および検出手段によって繰り返し検出された複数の輝度に基づいてフリッカの有無を判別する判別ステップ(S49~S65)を実行させるための、撮像制御プログラムである。
この発明に従う撮像制御方法は、既定方向に並ぶM個(M:2以上の整数)の画素を有する撮像面で生成された被写界像を繰り返し出力する撮像手段(16)、および既定方向に並ぶN個(N:1以上でかつM未満の整数)の画素毎に撮像面を露光する露光動作を繰り返し実行する露光手段(18) を備えるビデオカメラ(10)によって実行される撮像制御方法であって、既定方向において互いに異なる位置を有するように撮像面に割り当てられた複数のフリッカ評価エリアにそれぞれ対応する複数の輝度を撮像手段から出力された被写界像に基づいて繰り返し検出する検出ステップ(S35~S47)、および検出手段によって繰り返し検出された複数の輝度に基づいてフリッカの有無を判別する判別ステップ(S49~S65)を備える。
この発明によれば、撮像面は既定方向に並ぶ複数の画素を有し、既定方向において一部の画素毎に露光される。また、複数のフリッカ評価エリアは、既定方向に互いに異なる位置を有するように撮像面に割り当てられる。したがって、光源の明滅の繰り返し態様が露光動作の繰り返し態様と相違していれば、複数のフリッカ評価エリアにそれぞれ対応する複数の輝度がこの相違に対応して変動する。フリッカの有無の判別にあたっては、このような複数の輝度が注目される。これによって、フリッカ判別精度が向上する。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1を参照して、この実施例のディジタルビデオカメラ10は、フォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。被写界の光学像は、これらの部材を通してCMOS型のイメージセンサ16の撮像面に照射される。撮像面は、たとえば水平1440画素×垂直1080画素に相当する有効画像エリアを有し、かつ原色ベイヤ配列の色フィルタ(図示せず)によって覆われる。したがって、各画素では、R(Red),G(Green)およびB(Blue)のいずれか1つの色情報を有する電荷が光電変換によって生成される。
電源が投入されると、CPU30は、スルー画像処理を実行するべくドライバ18を起動する。ドライバ18は、SG(Signal Generator)20から1/30秒毎に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面をフォーカルプレーン電子シャッタ方式で1ラインずつ露光し、撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。各ラインの露光時間は1/30秒以下であり、イメージセンサ16からは被写界を表す生画像データが30fpsのフレームレートで出力される。
フォーカルプレーン電子シャッタ方式の露光動作であることから、図2に大まかに示すように、露光タイミングは水平画素列(=ライン)によって異なる。また、生画像データは垂直方向において4フィールドに分割され、分割された4フィールドの生画像データはチャネルCH1〜CH4からそれぞれ出力される。
後段で詳しく説明するように、4N+1列目の画素に対応する一部の生画像データがチャネルCH1から出力される1フィールドの生画像データに相当し、4N+2列目の画素に対応する一部の生画像データがチャネルCH2から出力される1フィールドの生画像データに相当する。また、4N+3列目の画素に対応する一部の生画像データがチャネルCH3から出力される1フィールドの生画像データに相当し、4N+4列目の画素に対応する一部の生画像データがチャネルCH4から出力される1フィールドの生画像データに相当する。
前処理回路22は、イメージセンサ16からこうして出力された生画像データにディジタルクランプ,画素欠陥補正,ゲイン制御などの処理を施し、処理後の生画像データをメモリ制御回路32を通してSDRAM34に書き込む。
後処理回路36は、SDRAM34に格納された生画像データをメモリ制御回路32を通して1/30秒毎に読み出し、読み出された生画像データに色分離,白バランス調整,YUV変換,垂直ズームなどの処理を施す。この結果、YUV形式に対応する画像データが1/30秒毎に作成される。作成された画像データは、メモリ制御回路32を通してSDRAM34に書き込まれる。
LCDドライバ38は、SDRAM34に格納された画像データを繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ40を駆動する。この結果、被写界を表すリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
前処理回路22は、上述の処理に加えて、簡易RGB生成処理および簡易Y生成処理を実行する。生画像データは、簡易RGB変換処理によってRGBデータ(各画素がR,GおよびBの全ての色情報を有するデータ)に変換され、簡易Y変換処理によってYデータに変換される。簡易RGB変換処理によって生成されたRGBデータはAE/AWB評価回路24に与えられ、簡易Y変換処理によって生成されたYデータはAF評価回路28に与えられる。
図3を参照して、撮像面の中央には評価エリアEVAが割り当てられる。評価エリアEVAは水平方向および垂直方向の各々において16分割され、合計256個の部分評価エリアが評価エリアEVA上に分布する。
評価エリアEVAはまた、図4に示すように垂直方向において16個のフリッカ評価エリアFEV_0〜FEV_15に分割される。フリッカ評価エリアFEV_0〜FEV_15は、互いに同じ形状およびサイズを有し、かつ垂直方向において互いに異なる位置に分布する。
AE/AWB評価回路24は、前処理回路22によって生成されたRGBデータのうち256個の部分評価エリアに属するRGBデータを、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAE/AWB評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAE/AWB評価回路24から出力される。
また、AF評価回路28は、前処理回路22から出力されたYデータのうち256個の部分評価エリアに属するYデータの高周波成分を抽出し、抽出された高域周波数成分を垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAF評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAF評価回路28から出力される。
さらに、フリッカ評価回路26は、AE/AWB評価回路24から出力された256個のAE/AWB評価値をフリッカ評価エリアFEV_0〜FEV_15の各々に対応して積算する。これによって、16個の積分値つまり16個のフリッカ評価値FLK_0〜FLK_15が、垂直同期信号Vsyncに応答してフリッカ評価回路26から出力される。
CPU30は、AE/AWBタスクの下でAE/AWB評価回路24からAE/AWB評価値を繰り返し取り込み、取り込まれたAE/AWB評価値に基づいて適正EV値と白バランス調整用の適正ゲインとを算出する。CPU30はさらに、算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間を絞りユニット14およびドライバ18にそれぞれ設定し、算出された白バランス調整用の適正ゲインを後処理回路36に設定する。この結果、LCDモニタ40から出力される動画像の明るさおよび白バランスが適度に調整される。
CPU30はまた、コンティニュアスAFタスクの下でAF評価回路28からAF評価値を繰り返し取り込み、取り込まれたAF評価値がAF起動条件を満足するときにAF処理を実行する。AF起動条件は取り込まれたAF評価値の変動量が閾値を上回るときに満足され、これによって実行されるAF処理によってフォーカスレンズ12が合焦点に配置される。
CPU30はさらに、フリッカ対策タスクの下でフリッカ評価回路24からフリッカ評価値FLK_0〜FLK_15を取り込み、イメージセンサ16の露光時間と光源の明滅周期との相違に起因するフリッカが生じているか否かを取り込まれたフリッカ評価値FLK_0〜FLK_15に基づいて判別し、そしてフリッカが生じていなければフラグFLGflkを“0”に設定する一方、フリッカが生じていればフラグFLGflkを“1”に設定する。CPU30は、フラグFLGflkの状態をAE/AWBタスクの下で参照し、露光時間を光源の明滅周期の整数倍の長さに調整する。これによって、フリッカが解消される。
キー入力装置48によって記録開始操作が行われると、CPU30によってI/F42が起動される。I/F42は、SDRAM34に格納された画像データを1/30秒毎に読み出し、読み出された画像データを記録媒体44内の動画ファイルに圧縮状態で書き込む。I/F42は、キー入力装置48上で記録終了操作が行われたときにCPU30によって停止される。この結果、画像データの記録処理が終了される。
イメージセンサ16は、図6に示すように構成される。被写界像を表す電荷は、マトリクス状に配置された複数の受光素子50,50,…によって生成される。各々の受光素子50が、上述した画素に相当する。垂直方向に並ぶ受光素子50,50,…の各々は、A/D変換器52および行選択スイッチ54を介して共通のCDS回路56に接続される。受光素子50で生成された電荷は、A/D変換器52によって12ビットのディジタルデータに変換される。垂直走査回路60は、行選択スイッチ54,54,…をオン/オフする動作をラスタ走査態様で1画素ずつ実行する。オン状態の行選択スイッチ54を経た画素データに含まれるノイズは、CDS回路56によって除去される。
列選択スイッチ581は4N+1列目(N:0,1,2,3,…)のCDS回路56に割り当てられ、列選択スイッチ582は4N+2列目のCDS回路56に割り当てられ、列選択スイッチ583は4N+3列目のCDS回路56に割り当てられ、そして列選択スイッチ584は4N+4列目のCDS回路56に割り当てられる。
水平走査回路62は、4N+1列目の行選択スイッチ54がオンされるタイミングで列選択スイッチ581をオンし、4N+2列目の行選択スイッチ54がオンされるタイミングで列選択スイッチ582をオンし、4N+3列目の行選択スイッチ54がオンされるタイミングで列選択スイッチ583をオンし、そして4N+4列目の行選択スイッチ54がオンされるタイミングで列選択スイッチ584をオンする。
この結果、4N+1列目の受光素子50で生成された電荷に基づく部分生画像データがチャネルCH1から出力され、4N+2列目の受光素子50で生成された電荷に基づく部分生画像データがチャネルCH2から出力される。また、4N+3列目の受光素子50で生成された電荷に基づく部分生画像データがチャネルCH3から出力され、4N+4列目の受光素子50で生成された電荷に基づく部分生画像データがチャネルCH4から出力される。
60Hzの商用電源によって駆動される蛍光灯は図7(A)に示す要領で明滅し、50Hzの商用電源によって駆動される蛍光灯は図7(B)に示す要領で明滅する。一方、イメージセンサ16はフォーカルプレーン電子シャッタ方式を採用するため、露光タイミングは水平画素列によって異なる。
すると、60Hzに相当する周期で明滅する光源の下では、露光時間を1/100秒の整数倍の値に設定したときにフリッカが発生する一方、露光時間を1/120秒の整数倍の値に設定したときにフリッカの発生が回避される(図8(A)〜図8(C)参照)。
これに対して、50Hzに相当する周期で明滅する光源の下では、露光時間を1/120秒の整数倍の値に設定したときにフリッカが発生する一方、露光時間を1/100秒の整数倍の値に設定したときにフリッカの発生が回避される(図9(A)〜図9(C)参照)。
そこで、CPU30は、上述したAE/AWBタスクにおいて、まず被写界が50Hzに相当する周期で明滅する光源の影響を受けていないとの想定の下でフラグFLGflkを“0”に設定する。CPU30はさらに、上述した適正EV値を設定するにあたって、露光時間を1/30秒を上回らない範囲で1/120秒の整数倍の時間に調整するとともに、絞り量をこのような露光時間と協働して適正EV値を定義する量に調整する。
CPU30はさらに、フリッカ評価回路26から出力されるフリッカ評価値FLK_0〜FLK_15のフレーム間での変動がフリッカに相当するか否かを、AE/AWBタスクと並列するフリッカ対策タスクの下で判別する。
具体的には、まず前フレームで得られたフリッカ評価値FLK_0〜FLK_15と現フレームで得られたフリッカ評価値FLK_0〜FLK_15とが図5に示すテーブル30tに記述され、フリッカ評価値FLK_0〜FLK_15のフレーム間の差分値がΔFLK_0〜ΔFLK_15として算出される。算出された差分値ΔFLK_0〜ΔFLK_15は、同じテーブル30tに記述される。
続いて、テーブル30t上の差分値ΔFLK_0〜ΔFLK_15の変動傾向が分析される。差分値ΔFLK_0〜ΔFLK_15が垂直方向において部分的に増加傾向を示せば、フラグFLGincが“1”に設定される。また、差分値ΔFLK_0〜ΔFLK_15が垂直方向において部分的に減少傾向を示せば、フラグFLGdecが“1”に設定される。
このような変動傾向の分析が完了すると、フラグFLGincおよびFLGdecの状態を参照してFLGflkが“0”または“1”に設定される。つまり、フラグFLGincおよびFLGdecの両方が“1”を示せば、フリッカが生じているとみなされ、フラグFLGflkが“1”に設定される。一方、フラグFLGincおよびFLGdecの少なくとも一方が“0”を示せば、フリッカは生じていないとみなされ、フラグFLGflkが“0”に設定される。
被写界が50Hzに相当する周期で明滅する光源の下にある場合、フリッカ評価値FLK_0〜FLK_15はフリッカに起因して図10(A)に示すように変動する。この結果、フラグFLGincおよびFLGdecはいずれも“1”に設定され、フラグFLGflkもまた“1”に設定される。
フラグFLGflkが“1”に変更された後のAE/AWBタスクでは、露光時間は1/30秒を上回らない範囲で1/100秒の整数倍の時間に調整され、絞り量はこのような露光時間と協働して適正EV値を定義する量に調整される。露光時間が1/100秒の整数倍の時間に調整された結果、フリッカが解消される。
フリッカが解消された後のフリッカ対策タスクの下で算出される差分値ΔFLK_0〜ΔFLK_15は、図10(B)に示すような特性を有する。このとき、フラグFLGincおよびFLGdecはいずれも“0”に設定され、これによってフラグFLGflkも“0”に設定される。AE/AWBタスクの下で調整される露光時間は、1/100秒の整数倍の時間を維持する。
なお、露光時間が1/100秒の整数倍の時間を維持している状態で、光源の明滅周期が50Hzに相当する周期から60Hzに相当する周期に変化した場合は、被写界像にフリッカが発生し、フリッカ対策タスクの下でフラグFLGflkが再度“1”に設定される。露光時間はAE/AWBタスクの下で1/120秒の整数倍の時間に変更され、これによってフリッカが再び解消される。
CPU30は、図11に示すAE/AWBタスク,図12に示すコンティニュアスAFタスクおよび図13〜図16に示すフリッカ対策タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ46に記憶される。
まず図11を参照して、ステップS1ではフラグFLGflkを“0”に設定する。上述のように、フラグFLGflkは、被写界が50Hzに相当する周期で明滅する光源の影響を受けているか否かを識別するためのフラグであり、“0”は被写界がこのような光源の影響下にないことを示す一方、“1”は被写界がこのような光源の影響下にあることを示す。ステップS1の処理によって、被写界が50Hzに相当する周期で明滅する光源の影響を受けていないことが暫定的に表明される。
垂直同期信号Vsyncが発生するとステップS3でYESと判別し、ステップS5でAE/AWB評価回路24からAE/AWB評価値を取り込む。ステップS7では、取り込まれたAE/AWB評価値に基づいて適正EV値を算出する。
ステップS9では、ステップS7で算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間を決定し、決定された絞り量および露光時間を絞りユニット14およびドライバ18にそれぞれ設定する。絞り量および露光時間の調整にあたっては、フラグFLGflkが参照される。
つまり、フラグFLGflkが“0”を示していれば、被写界は50Hzの光源下にないと判断し、1/120秒の整数倍の値を示す露光時間と、この露光時間と協働して適正EV値を定義する絞り量とを算出する。一方、フラグFLGflkが“1”を示していれば、被写界は50Hzの光源下にあると判断し、1/100秒の整数倍の値を示す露光時間と、この露光時間と協働して適正EV値を定義する絞り量とを算出する。
ステップS11では、ステップS5で取り込まれたAE/AWB評価値に基づいて白バランス調整用の適正ゲインを算出する。ステップS13では算出された適正ゲインを後処理回路36に設定し、設定処理が完了するとステップS3に戻る。
なお、2回目以降のステップS9の処理では、フラグFLGflkが“1”を示す毎に、1/100秒の整数倍の時間と1/120秒の整数倍の時間との間で露光時間が変更される。
図12を参照して、ステップS21では垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを判別し、YESであればステップS23でAF評価回路28からAF評価値を取り込む。ステップS25ではAF起動条件が満足されるか否かを取り込まれたAF評価値に基づいて判別し、NOであればそのままステップS21に戻る一方、YESであればステップS27でAF処理を実行してからステップS21に戻る。ステップS27の処理の結果、フォーカスレンズ12が合焦点に配置される。
図13を参照して、ステップS31ではテーブル30tをクリアし、ステップS33では変数Kを“0”に設定する。垂直同期信号Vsyncが発生するとステップS35でYESと判断し、ステップS37で変数Lを“0”に設定する。ステップS39では、フリッカ評価値FLK_Lを変数Kに対応してテーブル30tのカラムC_Lに記述する。ステップS41では変数Lが“15”に達したか否かを判別し、ステップS43では変数Kが“1”であるか否かを判別する。
ステップS41でNOであれば、ステップS43で変数LをインクリメントしてからステップS39に戻る。ステップS41でYESでかつステップS47でNOであれば、ステップS47で変数KをインクリメントしてからステップS35に戻る。ステップS41およびS45のいずれもYESであれば、ステップS49に進む。
したがって、ステップS37〜S43の処理は連続する2フレームに対応して2回実行され、これによって前フレームに対応するフリッカ評価値FLK_0〜15と現フレームに対応するフリッカ評価値FLK_0〜FLK_15とがテーブル30tに記述される。
ステップS49では変数Lを“0”に設定し、ステップS51では前フレームのフリッカ評価値FLK_Lと現フレームのフリッカ評価値FLK_Lとの差分に相当する差分値ΔFLK_Lを算出する。ステップS53では、算出された差分値ΔFLK_Lをテーブル30tのカラムC_Lに記述する。ステップS55では変数Lが“15”に達したか否かを判別し、NOであればステップS57で変数LをインクリメントしてからステップS51に戻る一方、YESであればステップS59に進む。したがって、ステップS59以降の処理は、差分値ΔFLK_0〜ΔFLK_15がテーブル30tに記述された後に実行される。
ステップS59では、差分値ΔFLK_0〜ΔFLK_15の変化の態様を分析し、フラグFLGincおよびFLGdecの各々を“0”または“1”に設定する。ステップS61ではフラグFLGincおよびFLGdecのいずれもが“1”を示すか否かを判別し、YESであればステップS63でフラグFLGflkを“1”に設定する一方、NOであればステップS65でフラグFLGflkを“0”に設定する。ステップS63またはS65の処理が完了すると、ステップS67で既定時間(数秒〜十数秒)だけ待機してからステップS31に戻る。
図14に示すステップS59の処理は、図15〜図16に示すサブルーチンに従って実行される。まず、ステップS71で変数CNTincおよびCNTdecの各々を“0”に設定し、ステップS73でフラグFLGincおよびFLGdecの各々を“0”に設定し、そしてステップS75で変数PおよびQをそれぞれ“1”および“0”に設定する。
ステップS77では、カラムC_Pに記述された差分値ΔFLK_PとカラムC_Qに記述された差分値ΔFLK_Qとの差分に相当する差分値DFLKを算出する。ステップS79では変数Pが“2”以上であるか否かを判別し、NOであればステップS81で変数PおよびQをインクリメントしてからステップS77に戻る一方、YESであればステップS83に進む。ステップS83では、ステップS77で今回算出された差分値DFLKがステップS77で前回算出された差分値DFLKよりも大きいか否かを判別する。
ステップS83でYESであればステップS85に進み、変数CNTincをインクリメントするとともに、変数CNTdecを“0”に設定する。ステップS87では変数CNTincが“3”に達したか否かを判別し、NOであればそのままステップS97に進む一方、YESであればステップS89でフラグFLGincを“1”に設定してからステップS97に進む。
ステップS83でNOであればステップS91に進み、変数CNTincを“0”に設定するとともに、変数CNTdecをインクリメントする。ステップS93では変数CNTdecが“3”に達したか否かを判別し、NOであればそのままステップS97に進む一方、YESであればステップS95でフラグFLGdecを“1”に設定してからステップS97に進む。
ステップS97では変数Pが“15”に達したか否かを判別する。ここでNOであればステップS99で変数PおよびQをインクリメントしてからステップS77に戻る一方、YESであれば上階層のルーチンに復帰する。
以上の説明から分かるように、イメージセンサ16は、垂直方向(既定方向)に並ぶ1080個の画素を有する撮像面で生成された被写界像を繰り返し出力する。ドライバ18は、垂直方向に並ぶ1画素毎に撮像面を露光する露光動作を繰り返し実行する。CPU30は、垂直方向において互いに異なる位置を有するように撮像面に割り当てられた複数のフリッカ評価エリアFEV_0〜FEV_15にそれぞれ対応する複数の輝度を、イメージセンサ16から出力された被写界像に基づいて繰り返し検出する(S35~S47)。CPU30はまた、こうして検出された複数の輝度に基づいてフリッカの有無を判別する(S49~S65)。
このように、撮像面は垂直方向に並ぶ複数の画素を有し、垂直方向において一部の画素毎に露光される。また、複数のフリッカ評価エリアFEV_0〜FEV_15は、垂直方向に互いに異なる位置を有するように撮像面に割り当てられる。ここで、垂直方向は、イメージセンサ16から出力された被写界像に現れるフリッカ縞に交差する方向に相当する。
したがって、光源の明滅の繰り返し態様が露光動作の繰り返し態様と相違していれば、複数のフリッカ評価エリアFEV_0〜FEV_15にそれぞれ対応する複数の輝度がこの相違に対応して変動する。フリッカの有無の判別にあたっては、このような複数の輝度が注目される。これによって、フリッカ判別精度が向上する。
なお、この実施例では、図4に示すようにフリッカ評価エリアFEV_0〜FEV_15の水平位置を互いに一致させるようにしているが、図17に示すようにフリッカ評価エリアFEV_0〜FEV_15の水平位置を互いにずらすようにしてもよい。
また、この実施例では、いわゆるフォーカルプレーン電子シャッタ方式によって撮像面を垂直方向に1画素毎に露光するようにしているが、撮像面の垂直画素数を下回る複数の画素毎に撮像面を垂直方向に露光するようにしてもよい。
さらに、この実施例では、簡易RGBデータに基づいてAE/AWB評価値を作成するようにしているが、簡易Yデータに基づいてAE評価値を作成する一方、簡易RGBデータに基づいてAWB評価値を作成するようにしてもよい。
また、この実施例では、フォーカスを調整するにあたってフォーカスレンズ12を光軸方向に移動させるようにしているが、フォーカスレンズ12に代えて或いはフォーカスレンズ12とともに撮像面を光軸方向に移動させるようにしてもよい。
さらに、この実施例では、動画像を記録するビデオカメラを想定しているが、この発明は静止画像を記録するスチルカメラにも適用できる。図8(A)〜図8(C)および図9(A)〜図9(C)を参照して説明した1フレーム内でのフリッカの問題は、静止画像を記録する場合に顕著となる。この発明によれば、このような1フレーム内で生じるフリッカを的確に解消することができるため、この発明は、静止画を記録するスチルカメラにも好適である。
また、この実施例では、イメージセンサ16で生成された生画像データを垂直方向において4フィールドに分割し、分割された4フィールドの生画像データをチャネルCH1〜CH4からそれぞれ出力するようにしているが、イメージセンサ16から30fpsのフレームレートで読み出す限り、出力方向はこれに限られるものではない。
さらに、この実施例では、AE/AWBタスクの下での初期動作として、被写界が50Hzに相当する周期で明滅する光源の影響を受けていないとの想定の下で、露光時間を1/120秒の整数倍の時間に調整し、かつ絞り量をこのような露光時間と協働して適正EV値を定義する量に調整するようにしている。しかし、このような初期動作に代えて、まずはフリッカを考慮することなくプログラム線図に従って露光時間および絞り量を調整し、フリッカが検出されたときにこのフリッカが解消されるように露光時間および絞り量を変更するようにしてもよい。
この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。 撮像面で生成された電荷の読み出し動作の一例を示す図解図である。 撮像面に割り当てられた評価エリアの一例を示す図解図である。 評価エリアに割り当てられた複数のフリッカ評価エリアの一例を示す図解図である。 図1実施例に適用されるテーブルの一例を示す図解図である。 図1実施例に適用される撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。 (A)は60Hzの商用電源によって駆動される蛍光灯の明滅状態の一例を示す図解図であり、(B)は50Hzの商用電源によって駆動される蛍光灯の明滅状態の一例を示す図解図である。 (A)は60Hzの商用電源によって駆動される蛍光灯の明滅状態の一例を示す図解図であり、(B)は撮像面で生成された電荷の読み出し動作の一例を示す図解図であり、(C)は撮像面で生成された電荷の読み出し動作の他の一例を示す図解図である。 (A)は50Hzの商用電源によって駆動される蛍光灯の明滅状態の一例を示す図解図であり、(B)は撮像面で生成された電荷の読み出し動作の一例を示す図解図であり、(C)は撮像面で生成された電荷の読み出し動作の他の一例を示す図解図である。 (A)複数のフリッカ評価エリアにそれぞれ対応する複数の輝度差分値の分布の一例を示す図解図であり、(A)複数のフリッカ評価エリアにそれぞれ対応する複数の輝度差分値の分布の他の一例を示す図解図である。 図1実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。 図1実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。 図1実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。 図1実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。 図1実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。 図1実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。 他の実施例で評価エリアに割り当てられた複数のフリッカ評価エリアの一例を示す図解図である。
符号の説明
10 …ディジタルビデオカメラ
16 …イメージセンサ
18 …ドライバ
24 …AE/AWB評価回路
26 …AF評価回路
30 …CPU
46 …フラッシュメモリ

Claims (8)

  1. 既定方向に並ぶM個(M:2以上の整数)の画素を有する撮像面で生成された被写界像を繰り返し出力する撮像手段、
    前記既定方向に並ぶN個(N:1以上でかつM未満の整数)の画素毎に前記撮像面を露光する露光動作を繰り返し実行する露光手段、
    前記既定方向において互いに異なる位置を有するように前記撮像面に割り当てられた複数のフリッカ評価エリアにそれぞれ対応する複数の輝度を前記撮像手段から出力された被写界像に基づいて繰り返し検出する検出手段、および
    前記検出手段によって繰り返し検出された複数の輝度に基づいてフリッカの有無を判別する判別手段を備える、ビデオカメラ。
  2. 前記撮像手段は前記被写界像を第1期間毎に出力し、
    前記露光手段は前記第1期間よりも短い第2期間で前記既定方向に並ぶM個の画素を露光する、請求項1記載のビデオカメラ。
  3. 前記既定方向は前記撮像手段から出力された被写界像に現れるフリッカ縞に交差する方向に相当する、請求項1または2記載のビデオカメラ。
  4. 前記判別手段の判別結果を参照して前記撮像面の露光時間を調整する調整手段をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載のビデオカメラ。
  5. 前記判別手段は、前記複数の輝度の各々を前記既定方向に沿って選択する選択手段、前記選択手段によって今回選択された輝度が前記選択手段によって前回選択された輝度を上回る回数を測定する第1測定手段、および前記選択手段によって今回選択された輝度が前記選択手段によって前回選択された輝度以下である回数を測定する第2測定手段を含む、請求項1ないし4のいずれかに記載のビデオカメラ。
  6. 前記複数のフリッカ評価エリアは互いに同じ形状および大きさを有する、請求項1ないし5のいずれかに記載のビデオカメラ。
  7. 既定方向に並ぶM個(M:2以上の整数)の画素を有する撮像面で生成された被写界像を繰り返し出力する撮像手段、および
    前記既定方向に並ぶN個(N:1以上でかつM未満の整数)の画素毎に前記撮像面を露光する露光動作を繰り返し実行する露光手段を備えるビデオカメラのプロセッサに、
    前記既定方向において互いに異なる位置を有するように前記撮像面に割り当てられた複数のフリッカ評価エリアにそれぞれ対応する複数の輝度を前記撮像手段から出力された被写界像に基づいて繰り返し検出する検出ステップ、および
    前記検出手段によって繰り返し検出された複数の輝度に基づいてフリッカの有無を判別する判別ステップを実行させるための、撮像制御プログラム。
  8. 既定方向に並ぶM個(M:2以上の整数)の画素を有する撮像面で生成された被写界像を繰り返し出力する撮像手段、および
    前記既定方向に並ぶN個(N:1以上でかつM未満の整数)の画素毎に前記撮像面を露光する露光動作を繰り返し実行する露光手段を備えるビデオカメラによって実行される撮像制御方法であって、
    前記既定方向において互いに異なる位置を有するように前記撮像面に割り当てられた複数のフリッカ評価エリアにそれぞれ対応する複数の輝度を前記撮像手段から出力された被写界像に基づいて繰り返し検出する検出ステップ、および
    前記検出手段によって繰り返し検出された複数の輝度に基づいてフリッカの有無を判別する判別ステップを備える、撮像制御方法。
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