JP2002076810A - 移相器 - Google Patents

移相器

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JP2002076810A
JP2002076810A JP2000264003A JP2000264003A JP2002076810A JP 2002076810 A JP2002076810 A JP 2002076810A JP 2000264003 A JP2000264003 A JP 2000264003A JP 2000264003 A JP2000264003 A JP 2000264003A JP 2002076810 A JP2002076810 A JP 2002076810A
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JP2000264003A
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English (en)
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Kazuhiko Nakahara
和彦 中原
Kenichi Miyaguchi
賢一 宮口
Morishige Hieda
護重 檜枝
Sunao Takagi
直 高木
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高域フィルタと低域フィルタを製造ばらつき
の影響を受けにくい組み合わせで構成し、量産品におけ
る移相品質を均質化する。 【解決手段】 移相器11は、キャパシタCh,Clの
容量値に対して最もばらつきの影響が少ないT型高域フ
ィルタ2とπ型低域フィルタ13の組合せで構成してあ
る。量産した場合の移相品質のばらつきを最も効果的に
抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高域フィルタと
低域フィルタを製造ばらつきの影響を受けにくい組み合
わせで構成し、量産品における移相品質を均質化した移
相器に関する。
【0002】
【従来の技術】フェーズドアレーアンテナやマルチビー
ムアンテナには、広帯域の位相量特性を有するハイパス
形/ローパス形の移相器がよく用いられる。この形式の
移相器は、例えば線路に直列接続したキャパシタと並列
接続したインダクタとで構成される高域フィルタにより
位相進みを生じさせ、線路に直列接続したインダクタと
並列接続したキャパシタとで構成される低域フィルタに
より位相遅れを生じさせ、これら二つの回路を単極双投
(Single Pole Double Throw)スイッチ等により切り換
えて所要の移相量を得る構成とされている。なお、以下
の説明では単極双投スイッチをSPDTスイッチと呼ぶ
ことにする。
【0003】図7は従来のハイパス形/ローパス形移相
器の一例を示す回路構成図である。図7において、1は
移相器、2は高域フィルタ、3は低域フィルタ、4は入
力側のSPDTスイッチ、5は出力側のSPDTスイッ
チ、6は信号入力端子、7は信号出力端子、8,9はS
PDTスイッチ4,5を切り換える制御電圧を印加する
ための制御電圧端子である。高域フィルタ2は、線路に
直列接続した一対のキャパシタCh,Chの互いの接続
点をインダクタLhを介して接地した構成をなす。低域
フィルタ3は、線路に直列接続した一対のインダクタL
l,Llの接続点をキャパシタClを介して接地した構
成をなす。
【0004】入力側のSPDTスイッチ4は、信号入力
端子6に接続された入力ポート4cを、高域フィルタ2
と低域フィルタ3に接続された一対の出力ポート4a,
4bへ選択的に切り換え接続するものである。入力ポー
ト4cから延びる信号伝送路は、二股に分岐して出力ポ
ート4a,4bに通じている。高域フィルタ2へ通ずる
一方の信号伝送路には電界効果トランジスタQ1が直列
接続され、電界効果トランジスタQ2が並列接続されて
いる。また、低域フィルタ3側へ通ずる他方の信号伝送
路には電界効果トランジスタQ3が直列接続され、電界
効果トランジスタQ4が並列接続されている。出力側の
SPDTスイッチ5は、高域フィルタ2と低域フィルタ
3に接続された一対の入力ポート5a,5bを、信号出
力端子7に接続された出力ポート5cへ選択的に切り換
え接続するものであり、その構造は入力側のSPDTス
イッチ4と鏡像関係にある。すなわち、各入力ポート5
a,5bから延びる信号伝送路は合流して出力ポート5
cに通じている。高域フィルタ2へ通ずる一方の信号伝
送路には電界効果トランジスタQ1が直列接続され、電
界効果トランジスタQ2が並列接続されている。また、
低域フィルタ3へ通ずる他方の信号伝送路には電界効果
トランジスタQ3が直列接続され、電界効果トランジス
タQ4が並列接続されている。SPDTスイッチ4もS
PDTスイッチ5も、電界効果トランジスタQ1,Q4
の各ゲートをゲート抵抗rを介して一方の制御電圧端子
8に接続してあり、電界効果トランジスタQ2,Q3の
各ゲートをゲート抵抗rを介して他方の制御電圧端子9
に接続してある。
【0005】次に、動作について説明する。SPDTス
イッチ4,5内の電界効果トランジスタQ1〜Q4は、
ゲートバイアス電圧として0Vの制御電圧をゲートに印
加することで導通し、ゲートバイアス電圧としてピンチ
オフ電圧(VP)以上の制御電圧をゲートに印加するこ
とで非導通とされる。そこで、制御電圧端子8に0Vの
制御電圧を印加し、制御電圧端子9にはピンチオフ電圧
(VP)以上の制御電圧を印加すると、SPDTスイッ
チ4は入力ポート4cが出力ポート4aに接続され、S
PDTスイッチ5は入力ポート5aが出力ポート5cに
接続される。かくして、移相器1は高域フィルタ2が機
能し、低域フィルタ3は無効とされる。また、これとは
逆に、制御電圧端子8にピンチオフ電圧(VP)以上の
制御電圧を印加し、制御電圧端子9には0Vの制御電圧
を印加すると、SPDTスイッチ4は入力ポート4cが
出力ポート4bに接続され、SPDTスイッチ5は入力
ポート5bが出力ポート5cに接続される。かくして、
移相器1は低域フィルタ3が機能し、高域フィルタ2は
無効とされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の移相器1は、S
PDTスイッチ4,5を切り換え動作させることによ
り、信号伝送路を高域フィルタ2側と低域フィルタ3側
の一方に切り換え、高域フィルタ2と低域フィルタ3の
通過位相の差分に応じた位相量を得る構成であり、例え
ば高域フィルタ2により45度の位相進み状態を実現
し、低域フィルタ3により45度の位相遅れ状態を実現
した場合、SPDTスイッチ4,5を切り替えることで
90度の移相量が得られるようになっている。しかしな
がら、高域フィルタ2と低域フィルタ3は、絶縁物を介
して導体を積層対向させた導体積層構造のMIM(Meta
l Insulator Meta1)キャパシタCh,Clを用いてお
り、このMIMキャパシタCh,Clの製造ばらつきが
移相量や通過損失量に与える影響は無視し得ないもので
あった。
【0007】移相器1におけるMIMキャパシタCh,
Clの製造ばらつきが移相品質に与える影響は、例えば
モンテカルロ法によるシミュレーション計算により解析
が可能である。モンテカルロ法は、人為的なサンプリン
グ実験によって問題解を確率的に近似する手法であり、
ここでは理想的な部品構成を有する移相量が異なる3種
類の移相器についてモンテカルロシミュレーション計算
を行い、MIMキャパシタCh,Clの製造ばらつきが
移相量や通過損失量に与える影響について考察を試み
た。具体的には、180度ビット移相器と90度ビット
移相器と45度ビット移相器のそれぞれについて、高域
フィルタ2内のキャパシタChと低域フィルタ3内のキ
ャパシタClの容量値を±20%変化させ、シミュレー
ション計算を実施した。その結果、180度ビット移相
器では位相差標準偏差が8.34で振幅差標準偏差が
0.065、90度ビット移相器では相差標準偏差が
3.37で振幅差標準偏差が0.009、45度ビット
移相器では相差標準偏差が1.67で振幅差標準偏差が
0.0025と、MIMキャパシタCh,Clの製造誤
差が移相品質に与える影響が無視できず、こうした点を
改善しない限り移相器1への信頼を損ないかねないとい
った課題が明らかになった。
【0008】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、高域フィルタと低域フィルタを製
造ばらつきの影響を受けにくい組み合わせで構成し、量
産品における移相品質を均質化することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る移相器
は、線路に直列接続した一対のキャパシタの互いの接続
点をインダクタを介して接地してなる高域フィルタと、
線路に直列接続したインダクタの両端をそれぞれキャパ
シタを介して接地してなる低域フィルタと、該低域フィ
ルタと前記高域フィルタを信号伝送路に選択的に切り換
え接続するスイッチ手段とを備えるものである。
【0010】この発明に係る移相器は、高域フィルタの
キャパシタと低域フィルタのキャパシタを、絶縁物を介
して導体を積層対向させたMIMキャパシタとしたもの
である。
【0011】この発明に係る移相器は、スイッチ手段
が、スイッチング素子として電界効果トランジスタを用
いた単極双投スイッチからなるものである。
【0012】この発明に係る移相器は、スイッチ手段
が、入出力側にそれぞれ抵抗整合回路を有するものであ
る。
【0013】この発明に係る移相器は、移相器をそれぞ
れに固有の移相量をもたせて複数直列接続してなるもの
である。
【0014】この発明に係る移相器は、移相器をそれぞ
れに固有の移相量をもたせて複数直列接続し、他の回路
形式の移相器に接続してなるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による移
相器を実体回路を模して示す回路構成図である。図1
中、図7と同一符号は同一部分を指し、その説明は省略
する。図において、13は低域フィルタ、14は信号入
力端子6と信号出力端子7とを結ぶ信号伝送路である主
線路、15は主線路14から分岐する装荷線路、16は
スルーホール、17は半導体基板である。この実施の形
態1に示した移相器11は、低域フィルタ13をT型で
はなくπ型に切り換えた点が従来の移相器1とは異な
る。なお、SPDTスイッチ4,5は、低域フィルタ1
3と高域フィルタ2を信号伝送路に切り換え接続するた
めのスイッチ手段を構成しており、電界効果トランジス
タQ1〜Q4がスイッチング素子を構成している。
【0016】図2は、図1に示した移相器の回路図であ
る。図2において、π型低域フィルタ13は、信号伝送
路である主線路14にインダクタLlを直列接続し、こ
のインダクタLlの両端を装荷線路15に設けたキャパ
シタCl,Clを介してそれぞれ接地した構成をなす。
キャパシタClは、絶縁物を介して導体を対向させた導
体積層構造のMIM(Metal Insulator Meta1)キャパシ
タで構成される。T型高域フィルタ2は、従来と同様、
信号伝送路である主線路14に設けた一対のキャパシタ
Ch,Chの互いの接続点をインダクタLhを介して接
地した構成をなし、キャパシタChもMIMキャパシタ
で構成してある。
【0017】次に、動作について説明する。移相器11
と従来の移相器1は、等価回路において全く同一であ
る。これは、T型低域フィルタ3を等価変形することで
π型低域フィルタ13が得られるように、濾波機能にお
いて両者に何ら差異がないからである。したがって、制
御電圧端子8,9への印加電圧を切り換えてSPDTス
イッチ4,5を切り換え動作させた場合に得られる移相
動作も従来と全く同様である。すなわち、信号伝送路を
高域フィルタ2側と低域フィルタ13側の一方に切り換
え、高域フィルタ2と低域フィルタ13の通過位相の差
分に応じた位相量を得る動作原理は共通しており、高域
フィルタ2により45度の位相進み状態を実現し、低域
フィルタ13により45度の位相遅れ状態を実現した場
合に90度の移相量が得られる点も従来の移相器1と同
じである。
【0018】ただし、高域フィルタ2内のMIMキャパ
シタChや低域フィルタ13内のMIMキャパシタCl
の製造ばらつきに起因する移相品質に関しては、移相器
11が従来の移相器1より優秀であることは下記のシミ
ュレーション結果からも明らかである。ここでは、実施
の形態1に示したT型高域フィルタ2とπ型低域フィル
タ13の組み合わせの優劣を検証するため、180度ビ
ット移相器と90度ビット移相器と45度ビット移相器
のそれぞれについて、図3(A),(B)に示すT型と
π型の2種類の高域フィルタ2,12及び図3(C),
(D)に示すT型とπ型の2種類の低域フィルタ3,1
3の4通りの組み合わせのそれぞれを解析対象とし、M
IMキャパシタCh,Clの容量値を±20%変化させ
てモンテカルロシミュレーション計算を実施した。計算
結果は、下記の表1,2,3に示される。同表に示した
数値は位相差標準偏差であり、括弧内の数値は振幅差標
準偏差である。なお、モンテカルロシミュレーション計
算に用いた移相器は、いずれも理想的なSPDTスイッ
チ4,5と理想的な高域フィルタ2,12及び理想的な
低域フィルタ3,13で構成されているものとした。
【0019】 表1(180度ビット移相器) π型高域フィルタ12 T型高域フィルタ2 π型低域フィルタ13 8.20(0.070) 6.69(0.049) T型低域フィルタ3 9.90(0.082) 8.34(0.065)
【0020】 表2(90度ビット移相器) π型高域フィルタ12 T型高域フィルタ2 π型低域フィルタ13 3.45(0.011) 2.82(0.004) T型低域フィルタ3 3.84(0.014) 3.37(0.009)
【0021】 表3(45度ビット移相器) π型高域フィルタ12 T型高域フィルタ2 π型低域フィルタ13 1.70(0.0030) 1.41(0.0019) T型低域フィルタ3 1.96(0.0034) 1.67(0.0025)
【0022】上記表1〜表3に示されるように、180
度ビット移相器と90度ビット移相器と45度ビット移
相器のいずれの移相器においても、T型高域フィルタ2
とπ型低域フィルタ13を組み合わせた移相器11が、
位相差標準偏差を最小にできることが判明した。具体的
には、180度ビット移相器では位相差標準偏差が6.
69で振幅差標準偏差が0.049へ、また90度ビッ
ト移相器では相差標準偏差が2.82で振幅差標準偏差
が0.004へ、また45度ビット移相器では相差標準
偏差が1.41で振幅差標準偏差が0.0019へ改善
されている。
【0023】このように、この実施の形態1に示した移
相器11は、キャパシタCh,Clの容量値に対して最
もばらつきの影響が少ない高域フィルタ2と低域フィル
タ13の組み合せで構成されているため、量産した場合
の移相品質のばらつきを最も効果的に抑制でき、量産品
において移相品質を均質化して市場での評価を確かなも
のにできる効果が得られる。
【0024】実施の形態2.図4は、この発明の実施の
形態2による移相器の構成を示す回路図である。図4に
おいて、図2と同一符号は同一部分を指し、その説明は
省略する。この実施の形態2に示した移相器21は、T
型高域フィルタ2とπ型低域フィルタ13を組み合わせ
て用いる基本構成は移相器11と同じであり、量産した
場合の移相品質を均一化できる点も共通する。ただし、
この移相器21は、各SPDTスイッチ4,5の入出力
側に抵抗整合回路22を設け、できる限り広い帯域で整
合を実現するようにしており、移相器11の移相品位を
さらに高めたものと言える。
【0025】抵抗整合回路22は、電界効果トランジス
タQ1〜Q4の遮断時に容量に起因する反射を打ち消す
ため信号伝送路に直列接続した整合用インダクタLo
と、電界効果トランジスタQ1〜Q4の導通時に寄生抵
抗に起因する反射を打ち消すため信号伝送路に並列接続
した整合用抵抗Roとから構成される。
【0026】次に、動作について説明する。移相器21
と移相器11に用いたSPDTスイッチ4,5におい
て、電界効果トランジスタQ1〜Q4は、導通状態では
低抵抗(寄生抵抗)Rとなり、非導通状態では容量Cと
なる。このため、SPDTスイッチ4,5は低抵抗Rの
両端を容量Cで接地した等価回路により近似表現するこ
とができ、これを踏まえインピーダンス整合法により抵
抗整合回路22の回路緒元を決定することができる。例
えば、整合用インダクタLoと電界効果トランジスタQ
1〜Q4の容量Cとが逆L型の整合回路を形成するよう
にして整合用インダクタLoのインダクタンスを決定
し、容量Cを逆L型の整合回路の一部として積極活用す
ることにより反射を低減することができる。さらにま
た、信号伝送路に並列接続した整合抵抗Roと低抵抗R
とがπ型の整合回路を形成するようにして整合抵抗Ro
の抵抗値を決定し、反射の低減を図ることができる。
【0027】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、SPDTスイッチ4,5の各入出力側に抵抗整合回
路22を設けたので、電界効果トランジスタQ1〜Q4
の寄生抵抗により生ずる反射を抑制し、移相量誤差の少
ない移相品質の高い移相器21を提供できる効果が得ら
れる。
【0028】実施の形態3.図5はこの発明の実施の形
態3による移相器を示すブロック構成図である。図にお
いて、31は多ビット移相器、32は180度ビット移
相器、33は90度ビット移相器、34は45度ビット
移相器、35は信号入力端子、36は信号出力端子であ
る。多ビット移相器31は、信号入力端子35と信号出
力端子36の間に、180度ビット移相器32と90度
ビット移相器33と45度ビット移相器34を直列接続
して構成される。直列接続された3個の移相器32,3
3,34は、いずれも前述の移相器11あるいは移相器
21と同様、T型高域フィルタ2とπ型低域フィルタ1
3とを組み合わせたものであり、それぞれの回路緒元に
応じた移相角度を有する。
【0029】次に、動作について説明する。多ビット移
相器31は、直列接続された180度ビット移相器32
と90度ビット移相器33と45度ビット移相器34
が、それぞれ180度、90度、45度の移相を行うた
め、最大で315度の移相が実現される。また、T型高
域フィルタ2とπ型低域フィルタ13を用いたことで、
MIMキャパシタCh,Clの製造ばらつきの影響を最
も受けにくい構造であり、量産時の移相品質を均質化す
ることができる。
【0030】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、MIMキャパシタCh,Clの容量値に対して最も
製造ばらつきの影響が少ないT型高域フィルタ2とπ型
低域フィルタ13フィルタの組み合わせで構成された移
相器32,33,34を用いたので、量産品を均質化し
て市場の評価を確かなものにできる効果が得られる。
【0031】実施の形態4.図6はこの発明の実施の形
態4による移相器を示すブロック構成図である。図にお
いて、41は多ビット移相器、42は180度ビット移
相器、43は90度ビット移相器、44は45度ビット
移相器、45はローデッドライン型の22.5度ビット
移相器、46は信号入力端子、47は信号出力端子であ
る。多ビット移相器41は、信号入力端子46と信号出
力端子47の間に、180度ビット移相器42と90度
ビット移相器43と45度ビット移相器44とローデッ
ドライン型の22.5度ビット移相器45を直列接続し
た構成をなす。ローデッドライン型の22.5度ビット
移相器45は、半導体基板上に形成した主線路の両端に
装荷線路を接続し、装荷線路にドレインを接続したソー
ス接地電界効果トランジスタの遮断時の容量と、主線路
の特性インピーダンス及び装荷線路のリアクタンス成分
とにより所望の移相量(ここでは、22.5度)を設定
するようにした移相器である。移相器45の前段側に直
列接続した3個の移相器42,43,44は、いずれも
前述の移相器11あるいは移相器21と同様、T型高域
フィルタ2とπ型低域フィルタ13とを組み合わせたも
のであり、それぞれの回路緒元に応じた移相角度を有す
る。
【0032】次に、動作について説明する。多ビット移
相器41は、直列接続された180度ビット移相器42
と90度ビット移相器43と45度ビット移相器44
が、それぞれ180度、90度、45度の移相を行い、
さらにローデッドライン型の22.5度ビット移相器4
5が22.5度の移相を行うため、最大で337.5度
の移相が実現される。ローデッドライン型の22.5度
ビット移相器45にはMIMキャパシタが使用されない
ので、MIMキャパシタの製造ばらつきとは無縁である
が、他の180度ビット移相器42と90度ビット移相
器43と45度ビット移相器44には、T型高域フィル
タ2とπ型低域フィルタ13を用いたことで、MIMキ
ャパシタCh,Clの製造ばらつきの影響を最も受けに
くく、量産時の移相品質を均質化することができる。
【0033】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、MIMキャパシタCh,Clの容量値に対して最も
製造ばらつきの影響が少ないT型高域フィルタ2とπ型
低域フィルタ13の組み合わせで構成された移相器4
2,43,44を用いたので、量産品を均質化して市場
の評価を確かなものにできる効果が得られる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、線路
に直列接続した一対のキャパシタの互いの接続点をイン
ダクタを介して接地してなる高域フィルタと、線路に直
列接続したインダクタの両端をそれぞれキャパシタを介
して接地してなる低域フィルタと、該低域フィルタと前
記高域フィルタを信号伝送路に選択的に切り換え接続す
るスイッチ手段とを備える構成としたので、キャパシタ
の容量値に対して最もばらつきの影響が少ない高域フィ
ルタと低域フィルタが組み合わさることで、量産した場
合の移相品質のばらつきを最も効果的に抑制でき、移相
品質を均一化して市場での評価を確かなものにできる効
果がある。
【0035】この発明によれば、高域フィルタのキャパ
シタと低域フィルタのキャパシタを、絶縁物を介して導
体を積層対向させたMIMキャパシタとしたので、マイ
クロ波を扱うフェーズドアレーアンテナやマルチビーム
アンテナに適用することで、広帯域の位相量特性をもっ
た移相品質の安定したハイパス形/ローパス形の移相器
を提供できる効果がある。
【0036】この発明によれば、スイッチ手段が、スイ
ッチング素子として電界効果トランジスタを用いた単極
双投スイッチからなるので、外部から印加する制御電圧
を可変することで単極双投スイッチを簡単に切り換え、
高域フィルタと低域フィルタの切り換えを円滑に行うこ
とができる効果がある。
【0037】この発明によれば、スイッチ手段が、入出
力側にそれぞれ抵抗整合回路を有するので、導通時には
等価的には低抵抗となり、非導通時には等価的には容量
となる電界効果トランジスタをスイッチング素子として
含むスイッチ手段に対し、インピーダンス整合法を適用
し、スイッチング素子の寄生抵抗により生ずる反射を抑
制し、移相量誤差の少ない移相品質の高い移相器を提供
できる効果がある。
【0038】この発明によれば、前記移相器をそれぞれ
に固有の移相量をもたせ複数直列接続して構成したの
で、キャパシタの容量値に対して最も製造ばらつきの影
響が少ないT型高域フィルタとπ型低域フィルタの組み
合わせで構成された移相器を直列接続し、量産品を均質
化して市場の評価を確かなものにできる効果がある。
【0039】この発明によれば、前記移相器をそれぞれ
に固有の移相量をもたせて複数直列接続し、他の回路形
式の移相器に接続して構成したので、キャパシタの容量
値に対して最も製造ばらつきの影響が少ないT型高域フ
ィルタとπ型低域フィルタの組み合わせで構成された移
相器を直列接続し、量産品を均質化して市場の評価を確
かなものにできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による移相器を実体
回路を模して示す回路構成図である。
【図2】 図1に示した移相器の回路図である。
【図3】 モンテカルロシミュレーション計算に用いた
各種移相器を示す回路図であり、(A)はT型高域フィ
ルタ、(B)はπ型高域フィルタ、(C)はT型低域フ
ィルタ、(D)はπ型低域フィルタの各回路図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による移相器を示す
回路図である。
【図5】 この発明の実施の形態3による多ビット移相
器を示す回路図である。
【図6】 この発明の実施の形態4による多ビット移相
器を示す回路図である。
【図7】 従来の移相器の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
11,21 移相器、2,12 高域フィルタ、3,1
3 低域フィルタ、4,5 SPDTスイッチ(スイッ
チ手段)、4c,5a,5b 入力ポート、4a,4
b,5c 出力ポート、6,35,46 信号入力端
子、7,36,47信号出力端子、8,9 制御電圧端
子、14 主線路(信号伝送路)、15装荷線路、16
スルーホール、17 半導体基板、22 抵抗整合回
路、Ch,Cl キャパシタ、Lh,Ll インダク
タ、Lo 整合用インダクタ、Q1〜Q4 電界効果ト
ランジスタ(スイッチング素子)、Ro 整合用抵抗、
rゲート抵抗。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 檜枝 護重 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 高木 直 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J012 GA13 5J098 AA03 AA11 AA14 AB31 AC04 AC14 AC20 AD29 DA03 DA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線路に直列接続した一対のキャパシタの
    互いの接続点をインダクタを介して接地してなる高域フ
    ィルタと、線路に直列接続したインダクタの両端をそれ
    ぞれキャパシタを介して接地してなる低域フィルタと、
    該低域フィルタと前記高域フィルタを信号伝送路に選択
    的に切り換え接続するスイッチ手段とを備えた移相器。
  2. 【請求項2】 高域フィルタのキャパシタと低域フィル
    タのキャパシタは、絶縁物を介して導体を積層対向させ
    たMIMキャパシタであることを特徴とする請求項1記
    載の移相器。
  3. 【請求項3】 スイッチ手段は、スイッチング素子とし
    て電界効果トランジスタを用いた単極双投スイッチから
    なることを特徴とする請求項1または請求項2記載の移
    相器。
  4. 【請求項4】 スイッチ手段は、入出力側にそれぞれ抵
    抗整合回路を有することを特徴とする請求項1ないし請
    求項3のいずれか1項記載の移相器。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の移相器をそれぞれに固
    有の移相量をもたせて複数直列接続してなる移相器。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の移相器をそれぞれに固
    有の移相量をもたせて複数直列接続し、他の回路形式の
    移相器に接続してなる移相器。
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