JP2002004091A - 電解処理装置及びその電場状態制御方法 - Google Patents
電解処理装置及びその電場状態制御方法Info
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Abstract
ることで、目的とするめっき膜厚の面内分布が得られる
電解処理装置及びその電場状態制御方法を提供するこ
と。 【解決手段】 陽極38と被処理基板W間にめっき液1
0を満たし、且つ陽極38と被処理基板W間にめっき液
10の電気伝導率よりも低い電気伝導率の高抵抗構造体
4を設置する。陽極38と被処理基板W間に電流を流し
た際に被処理基板W表面の外周近傍部分の電流密度を低
くするために、高抵抗構造体4の外周にバンド状の絶縁
性部材50を取りつける。
Description
にめっきやエッチング等を施す電解処理装置に関し、特
に電解処理装置及びその電場状態制御方法に関するもの
である。
形成方法として広く利用されている。近年例えば銅の多
層配線用の電解銅めっきや、バンプ形成用の電解金メッ
キなど、半導体産業などでもその有効性(安価、孔埋め
特性など)が注目され利用されつつある。
は、年々大面積となる傾向にありそれに伴う弊害も生じ
てきた。即ち被処理基板表面に電解めっきを施すには、
図19に示すように、被処理基板(以下単に「基板」と
いう)Wの表面に導電層を形成し、基板Wの外周近傍の
導電層上に陰極電位を与えるための接点81を接触し、
一方基板Wに対向する位置に陽極83を設置して陽極8
3と基板W間にめっき液85を満たし、前記陽極83と
接点81間に直流電源87によって電流を流すことで基
板Wの導電層上にめっきを行う。
Wの外周近傍の接点81から基板W中央までの導電層の
電気抵抗が大きくなり、基板W面内で電位差が生じ、ひ
いては各部のめっき速度に差が生じてしまう。即ち図1
9には代表的な電解めっきの等価回路が示されている
が、回路中には様々な抵抗成分が存在する。 R1 電源87−陽極83間の電源線抵抗及び各種接触
抵抗 R2 陽極83における分極抵抗 R3 めっき液85抵抗 R4 陰極(基板Wのめっき表面)における分極抵抗 R5 導電層の抵抗 R6 接点81−電源87間の電源線抵抗及び各種接触
抵抗
の電気抵抗R1〜R4及びR6に比して大きくなると、
抵抗R5の両端に生じる電位差が大きくなり、それに伴
うめっき電流の差が生じ、接点81から遠い位置ではめ
っき膜成長速度が低下してしまい、導電層の膜厚が薄い
と抵抗R5が更に大きくなってこの現象が顕著に表れて
しまう。さらにこの事実は、基板Wの面内で電流密度が
異なることを意味し、めっきの特性自体(めっき膜の抵
抗率、純度、埋込特性など)が面内で均一とならない。
おいても電流方向が反対となるだけで同様の問題が生じ
る。例えば大口径のウエハプロセスではウエハ中央部の
エッチング速度が周縁部に比して遅くなる。
さを厚くしたり電気導電率を小さくすることが考えられ
る。しかしながら基板Wはめっき以外の製造工程でも様
々な制約を受けるばかりでなく、例えば微細パターン上
にスパッタ法で厚い導電層を形成するとパターン内部に
ボイドが発生し易くなってしまうため、容易に導電層の
厚みを厚くしたり導電層の膜種を変更することはできな
い。
者は図20に示すように、陽極38と被処理基板Wの間
にめっき液10の電気伝導率よりも小さい電気伝導率の
高抵抗構造体4を設置する発明をした。即ちこのように
構成すると同図に示すような等価回路となるが、前記図
19に示す等価回路に比べて高抵抗構造体4によって抵
抗Rpが追加される。そして抵抗Rpが大きな値となっ
た場合、(R2+R3+Rp+R4)/(R2+R3+
Rp+R4+R5)は1に近づき、抵抗R5、即ち導電
層の抵抗成分の影響を受けにくくなる。
の全体が均一組成で単純形状(例えば円板等)のものを
用いただけでは、必ずしも十分なめっき膜厚の面内分布
の制御が望めない場合もあった。即ち上記高抵抗構造体
4を用いてもめっき膜厚を完全に均一化しにくい部分
(例えば基板Wの外周近傍部分)も均一化するように制
御したいような場合や、逆にめっき膜厚を基板W表面の
各部それぞれで異なるように制御したいような場合があ
り、このような場合は単に高抵抗構造体4を介在させる
だけでは十分ではなかった。
みてなされたものでありその目的は、積極的に電場状態
を制御することで、目的とする膜厚の面内分布となるよ
うに制御することができる電解処理装置及びその電場状
態制御方法を提供することにある。
め本発明にかかる電解処理装置における電場状態制御方
法は、陽極と陰極の一方の電極との接点を持つ被処理基
板と、該被処理基板に対峙させた他方の電極との間に満
たした電解液の少なくとも一部に、該電解液の電気伝導
率より小さい電気伝導率の高抵抗構造体を設け、該高抵
抗構造体の外形状、内部構造、又は電気伝導率の異なる
部材の装着の内の少なくとも一つの調整により、被処理
基板表面の電場を制御することを特徴とする。このよう
に被処理基板表面の電場の状態が所望の状態になるよう
に積極的に制御すれば、被処理基板の電解処理による処
理状態を目的とする面内分布の処理状態とすることがで
きる。電解処理がめっき処理の場合は、被処理基板上に
形成されるめっき膜厚の均一化を図ったり、被処理基板
上のめっき膜厚に任意に分布を持たせたりすることがで
きる。
の厚みの調整、高抵抗構造体の平面上での形状の調整の
内の少なくとも何れか一つであることを特徴とする。
成されており、多孔質物質の内部構造の調整は、多孔質
物質の気孔径分布の調整、気孔率分布の調整、屈曲率分
布の調整、材料組み合わせの調整の内の少なくとも何れ
か一つであることを特徴とする。
よる調整は、電気伝導率の異なる部材によって高抵抗構
造体の遮蔽面積を調整することであることを特徴とす
る。
被処理基板に対峙する電極を回転することを特徴とす
る。
の接点を持つ被処理基板と、該被処理基板に対峙させた
他方の電極との間に電解液を満たして被処理基板の電解
処理を行う電解処理装置において、前記電解液の少なく
とも一部に、該電解液の電気伝導率より小さい電気伝導
率の高抵抗構造体を設け、且つ前記高抵抗構造体の外形
状、内部構造、又は電気伝導率の異なる部材の装着の内
の少なくとも何れか一つの調整手段によって、被処理基
板表面の電場を制御することを特徴とする。
造体の厚みの調整、高抵抗構造体の平面上での形状の調
整の内の少なくとも何れか一つであることを特徴とす
る。
成されており、多孔質物質の内部構造の調整手段は、多
孔質物質の気孔径分布の調整、気孔率分布の調整、屈曲
率分布の調整、材料組み合わせの調整の内の少なくとも
何れか一つであることを特徴とする。
よる調整手段は、電気伝導率の異なる部材によって高抵
抗構造体の遮蔽面積を調整することであることを特徴と
する。
の接点を持つ被処理基板と、該被処理基板に対峙させた
他方の電極との間に電解液を満たして被処理基板の電解
処理を行う電解処理装置において、前記電解液の少なく
とも一部に、該電解液の電気伝導率より小さい電気伝導
率の高抵抗構造体を設け、前記高抵抗構造体はその外周
が保持部材によって保持されており、且つ高抵抗構造体
と保持部材の間にはこの部分から電解液が漏れて電流が
流れるのを防止するシール部材が設けられていることを
特徴とする。
ルミナ製多孔質セラミックスや、炭化シリコンセラミッ
クスがあげられる。また塩化ビニールを繊維状に束ね、
これを互いに溶着させたものを用いて形成したもの、ま
たポリビニルアルコールなどの発泡体やテフロン(商標
名)などの繊維を織布や不織布の様態に整形したものを
用いて高抵抗構造体を構成してもよい。更に、これらや
導体と絶縁体、或いは導体同士を組み合わせた複合体で
もよい。また2枚の隔膜の間に、他の種類の電解液をは
さんだ構造物で高抵抗構造体を構成することも可能であ
る。
参照して詳細に説明する。 〔電場状態制御手段として絶縁性部材を用いた実施形
態〕図1は本発明の一実施形態を適用した電解めっき装
置の概略構成図である。同図に示す電解めっき装置は、
いわゆるフェイスアップ方式を採用した電解めっき装置
であり、被処理基板(以下単に「基板」という)Wは上
向きに基板載置台30上に載置されている。基板Wの周
辺はリング状に形成されたリップシール34の先端が当
接してシールされ、その内側にめっき液10が充填され
ている。また基板W表面のリップシール34の外方に
は、基板W表面の導電層に接触して基板Wに陰極電位を
印加する接点36が設置されている。
状の高抵抗構造体4と円板状の陽極38とが保持部材3
2に保持されて設置されている。ここで陽極38には厚
み方向に貫通する多数の細孔39が設けられ、陽極38
の上には前記各細孔39にめっき液を分配して供給する
めっき液導入管41が設置されている。
孔質セラミックス板(例えば気孔率20%、平均ポア径
50μmで厚さが10mmのSiC製)40の内部にめ
っき液10を含有させることで構成されている。また陽
極38は保持部材32と多孔質セラミックス板40によ
って完全に被覆された構造となっている。
ミックス板(多孔質物質)40の外周側面にこれを囲む
ようにバンド状の絶縁性部材50を巻きつけている。こ
の絶縁性部材50の材質としては、例えばフッ素ゴムの
ような伸縮性材料を用いる。
細孔39を通して多孔質セラミックス板40に加圧供給
されためっき液は、多孔質の多孔質セラミックス板40
内に浸透してその内部をめっき液で満たすと共に、その
下面から吐出して基板Wと多孔質セラミックス板40の
間の空間をめっき液10で満たす。なおめっき液10の
導入はリップシール34と多孔質セラミックス板40の
端面との隙間から行ってもよい。この場合はめっき液導
入管41や陽極38の細孔39は不要である。
印加して直流電流を流すと、基板Wの導電層の表面全体
にめっき(例えば銅めっき)が行われていく。本実施形
態によれば、陽極38と基板Wの間に多孔質セラミック
ス板40を介在しているので、前述のように基板W表面
の接点36からの距離の相違による各部の抵抗値の違い
による影響を受けにくく、基板Wの導電層の表面全体に
略均一なめっき(例えば銅めっき)が行われていく。
分はそれでも電流密度が高くなり、めっき膜厚は他の部
分に比べて厚くなる傾向にある。
ミックス板40の外周側面に絶縁性部材50を巻き付け
ることで、図1に点線で示すように、基板Wの外周部近
傍に電流が集中するのを阻害してその電流密度を低下さ
せ、基板Wの他の部分に向かう電流密度と略同じになる
ようにしたのである。
を行った際の基板Wの外周部分近傍の銅めっきの膜厚を
測定した結果を示す図である。同図に示すように、絶縁
性部材50の幅L(図1参照)を変更することで、基板
Wの外周部近傍の銅めっきの膜厚が変化することがわか
る。即ち幅Lが長くなればなるほど、基板Wの外周部近
傍の電流密度が低くなってめっき膜厚が薄くなる。そこ
で絶縁性部材50の幅Lを所望のもの(例えばL=4m
m)にすることで、基板Wの外周部近傍のめっき膜厚を
他の部分と同一にすることができる。このように絶縁性
部材50は幅Lの長さにより多孔質セラミックス板40
の外周側面の遮蔽面積を調整するものであるが、絶縁性
部材50の遮蔽面積の調整は幅Lのみならず、遮蔽物自
体に孔をあけて遮蔽面積を調整してもよい。
のめっき膜厚を他の部分と同一のめっき膜厚にする場合
だけに利用するものではなく、例えば基板Wの外周部近
傍のめっき膜厚を他の部分よりも厚くしたいような場合
は絶縁性部材50の幅Lを小さくすれば良いし、逆の場
合は大きくすれば良い。即ち本実施形態によれば、基板
Wの外周部近傍のめっき膜厚を自由に所望のものに制御
することができる。
る。この実施形態において前記図1に示す実施形態と相
違する点は、バンド状の絶縁性部材50を取り付ける代
りに、多孔質セラミックス板40の外周に可動式で筒状
の絶縁性部材50−2を設置した点である。この絶縁性
部材50−2は絶縁性部材保持具51の下端に設けられ
ている。絶縁性部材保持具51は図示しない上下動駆動
機構によって上下動自在に構成されている。このように
構成すれば、絶縁性部材50−2の位置を上下動させる
ことによって多孔質セラミックス板40に対して可動し
て多孔質セラミックス板40の外周側面の露出面積を調
節することにより、基板Wの外周部近傍の電流密度を任
意に制御することができ、図1に示す実施形態と同様に
基板Wの外周部近傍のめっき膜厚を任意に調整すること
ができる。
る。この実施形態において前記図1に示す実施形態と相
違する点は、バンド状の絶縁性部材50を取り付ける代
りに、多孔質セラミックス板40の外周側面自体に絶縁
材料を塗布又は浸透させることで、絶縁性部材50−3
を設けた点である。例えば多孔質セラミックス板40の
外周側面に、絶縁材料としてガラスや樹脂またはシリコ
ンなどを浸透させる。浸透幅及び浸透深さ分布を調節す
ることにより、基板Wの外周部近傍の電流密度を任意に
制御することができ、図1に示す実施形態と同様に基板
Wの外周部近傍のめっき膜厚を任意に調整することがで
きる。さらに母材(例えばSiC)の一部を酸化するこ
とで電流密度を制御することも可能である。
1に示すと同様の構造の電解めっき装置の多孔質セラミ
ックス板40の外周部近傍部分を示す要部概略図であ
る。但しこの電解めっき装置には図1に示す絶縁性部材
50は記載されていない。この電解めっき装置において
は保持部材32と多孔質セラミックス板40の間の隙間
がシールされていないので、矢印で示すようにこの隙間
部分を通して陽極38からめっき液が流れ出し、電流の
通路が生じる。この電流通路は多孔質セラミックス板4
0の内部を通らない通路なので抵抗値が低く、従って電
流密度が高くなって基板Wの外周部近傍のめっき膜厚を
薄くしようとする制御ができなくなる恐れがある。
すように前記多孔質セラミックス板40と保持部材32
の間にシール部材60を設けることで、この部分からの
めっき液の漏れを防止して基板Wの外周部近傍のめっき
膜厚を薄く制御できるようにしている。
は断面逆L字状であり、また絶縁物によって構成される
ので、図1に示す絶縁性部材としての作用も併せて持っ
ている。またシール部材60は、図6(b)にその断面
を示すように、保持部材32と多孔質セラミックス板4
0の下面とが接する部分をシールする環状のシール部材
部601と、図1に示すバンド状の絶縁性部材50と同
様の機能を発揮する絶縁性部材部603とを、別部品と
して各々取り付けることで構成しても良い。
実施形態にも適用できることは言うまでもない。即ち高
抵抗構造体4の外周側面と保持部材32の間からのめっ
き液の漏れを防止するシール部材60を他の各種実施形
態に係る電場制御手段と併用することで、さらに効果的
な電場制御が行える。
間の電流密度を高くしようとする部分に高抵抗構造体が
介在しない部分を設ける実施形態〕図7は本実施形態を
適用した電解めっき装置の概略構成図である。同図にお
いては図1に示す実施形態と相違して高抵抗構造体4の
外周に絶縁性部材50を取り付けないで、その代わりに
高抵抗構造体4自体の形状自体を変更することでめっき
膜厚の制御を行っている。
き装置に用いる高抵抗構造体4の平面図である。即ちこ
の実施形態における高抵抗構造体4は、例えば多孔質セ
ラミックス板40であり、同図(a)に示すように多孔
質セラミックス板40の外周形状を多角形にしたり、同
図(b)に示すように所定の間隔毎にスリット65を設
けたり、同図(c)に示すように波型(又は歯車型)に
したりしている。これに対して陽極38と基板Wは一点
鎖線で示すように円形なので、基板Wの外周付近には多
孔質セラミックス板40を介在しないでめっき液10だ
けを介在して陽極38と対向する部分が生じることとな
り、多孔質セラミックス板40が介在する部分に比べて
陽極38と基板W間の電気抵抗が低下し、基板Wの外周
部の電流密度が高くなる。従ってこれらの実施形態の場
合は、基板Wの外周付近のめっき膜厚を、中央付近のめ
っき膜厚に比べて厚くしたいような場合に利用できる。
部分以外の他の部分のめっき膜厚を厚く制御しようとす
る場合は、図8(d)のように多孔質セラミックス板4
0の内部に穴66を設けることで陽極38と基板Wとの
間に多孔質セラミックス板40が介在しない部分を設け
るようにすれば良い。
板Wを回転することで、基板W全面に渡って均一な膜厚
のめっきが行える。基板Wの回転に代えて、又は基板W
の回転と共に、保持部材32側を回転させても良い。な
お基板W及び/又は保持部材32を回転させることは、
図7に限られるものではない。
厚みに分布を持たせた実施形態〕図9は本実施形態を適
用した電解めっき装置の概略構成図である。同図に示す
電解めっき装置においては、高抵抗構造体4の厚みに二
次元的分布を持たせ、これによって基板W表面における
電流密度分布が所望のものとなるように制御し、めっき
膜厚を制御している。即ちこの実施形態においては高抵
抗構造体4は例えば多孔質セラミックス板40であり、
多孔質セラミックス板40を円形であって中心部の厚み
が周辺部の厚みよりも薄くなるように構成している。こ
のように構成すれば、中央部における陽極38と基板W
間の抵抗値を周辺部の抵抗値よりも低くできるので、前
述したように中心に近いほど薄くなる傾向のめっき膜厚
を均一になるように制御することができる。
厚みのものと、図9に示すような分布厚みのものとを用
いて基板W上にめっきを行った際のめっき膜厚の測定値
を比較して示す図である。同図からわかるように図9の
多孔質セラミックス板40を用いた方が、基板W上のめ
っき膜厚の均一化が図れることがわかる。なお図11に
示すように図9に示す多孔質セラミックス板40を逆向
き構造にして設置しても、図9の場合と同様の効果が得
られる。
クス板40の中央の厚みの方を周辺部の厚みよりも厚く
することによって周辺部のめっき膜厚の方を中央部より
も厚くするようにしても良いし、図13に示すように多
孔質セラミックス板40に貫通孔67を設けることで貫
通孔67を設けた部分のめっき膜厚を他の部分に比べて
厚くするようにしても良い。また図14に示すように多
孔質セラミックス板40の外周角部を面取り形状とする
ことでその厚みを薄くして他の部分よりも電気抵抗を低
下させて基板Wの外周近傍のめっき膜厚を他の部分より
も厚くするようにしても良い。要は高抵抗構造体4の厚
み(厚み=0も含める)に分布を持たせることで各部の
めっき膜厚を所望のものに制御するのであれば良い。
孔構造に分布を持たせた実施形態〕図15は本実施形態
を適用した電解めっき装置の概略構成図である。同図に
示す電解めっき装置においては、高抵抗構造体4として
気孔構造が二次元分布又は三次元分布を持つ多孔質物質
(例えばポーラスセラミックス)40を用いている。多
孔質物質40は気孔の径や数、配列状態などによってそ
の内部に保持するめっき液の量や保持状態が異なり、こ
れによって抵抗値が相違する。そこでこの実施形態にお
いては、中央付近の気孔構造C1を外周付近の気孔構造
C2と異ならせ、中央付近の気孔構造C1の方が低抵抗
になるようにしている。このように構成すれば、中央付
近の電流密度が増大してその部分のめっきが形成されや
すくなる。もちろん逆に外周付近の気孔構造C2の方が
低抵抗となるように構成して外周付近のめっき膜厚を厚
くするようにすることもできる。また三種類以上の気孔
構造を用いて、より複雑なめっき膜厚の制御を行っても
良い。
15に示すように多孔質物質40の一体成形時に分布を
与える方法や、図16(a),(b)に示すように、多
孔質物質40の内の気孔構造の異なる部分C1,C2を
別々に成形し、その後組み立てによって一体化する方法
などがある。
50〜400μmの範囲で径を異ならせる)、連続気孔
率(気泡同士がつながっている度合い…つながっている
方が抵抗値が小さくなる)、屈曲率(つながっている気
孔の厚み方向の曲がり具合…曲がりが少ない方が抵抗値
は小さくなる)などがある。
質自体を異ならせても良い(例えば樹脂系材料とセラミ
ックス系材料など)。また多孔質物質40の気孔率の分
布を制御する手段として、多孔質物質40(ここではポ
ーラスセラミックス)の表面若しくは内部の少なくとも
一部を封孔処理する(樹脂やシラノール系の塗布型絶縁
膜を使用する、母材のSiCを一部酸化するなど)方法
もある。また、面一様に封孔処理を施した後に一部の封
孔部を開孔して、面内の気孔分布を変える方法もある。
7に示すような異方性構造材料もある。即ち図17
(a)に示す方向性多孔質構造材料や、図17(b)に
示す繊維型多孔質構造材料などである。これら異方性構
造材料を構成する材質としては樹脂、セラミックなどが
ある。これら異方性構造材料は特定方向に気孔がつなが
っていて特定方向に電流が流れ易くなっており(別の方
向には電流が流れにくくなっている)、電流密度の制御
性が向上できる。そして多孔質物質40の中央付近の気
孔構造C1と外周付近の気孔構造C2とをこの異方性構
造材料を用いて異ならせることで基板W表面に印加され
る電流密度分布を所望のものにするようにすることがで
きる。
明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求
の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範
囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書
及び図面に記載がない何れの形状や材質であっても、本
願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思
想の範囲内である。
るフェイスアップ方式の電解めっき装置に適用した例を
示したが、図18に示すようないわゆるフェイスダウン
方式の電解めっき装置にも適用可能である。即ちこの電
解めっき装置は、めっき液10を保持するカップ状のめ
っき槽12を具備し、このめっき槽12の底部に円板形
状の陽極14を設置し、その上に円板状の高抵抗構造体
24を設置し、めっき槽12の周囲にこのめっき槽12
の上部からオーバーフローしためっき液10を回収する
めっき液受け16を配置し、さらにめっき槽12の上部
に設置したリップシール18の上に基板Wを載せ、基板
Wの下面外周に接点20を接触させて構成されている。
aと高抵抗構造体24の中央に設けた小孔24aを介し
てめっき液を循環させながら、陽極14と基板W間に電
圧を印加して電流を流せば、基板Wの下面上にめっき層
が形成されていく。
造体24の外周に絶縁性部材を設けたり、厚みを変えた
り、気孔構造を変えたりすることで、基板W上に形成さ
れるめっき膜厚の分布を所望の分布にすることができ
る。
の電解めっき装置にも適用可能である。即ちこの電解め
っき装置は、箱型のめっき槽150を有し、このめっき
槽150の一方の開口端は、陽極板152で閉塞され、
他方の開口端は、基板Wをめっき槽150側に保持した
蓋体154で開閉自在に閉塞されるようになっている。
基板Wと陽極板152の間には、高抵抗構造体176と
して2枚のメッシュ162a,162bによって保持さ
れた2枚の隔膜160a,160bによって挟まれた高
抵抗電解液室168を区画形成したものが設置されてい
る。
を、電解液室166に電解液(めっき液)172をそれ
ぞれ導入し、循環させながら陽極板152と基板W間に
電圧を印加して電流を流せば、基板Wにめっき層が形成
されていく。
造体176の面上に絶縁性部材を設けたり、メッシュ1
62a,162bの面を加工して高抵抗電解液室168
の厚み等の形状を変えることで、基板W上に形成される
めっき膜厚の分布を所望の分布にすることができる。
は、強酸性カチオン交換膜、例えばトクヤマ製CMSや
デュポン社製N−350などを使用するのが一般的であ
るが、カチオンの選択性を変える、あるいはアニオン交
換膜、ノニオン交換膜としてもよい。高抵抗電解液室1
68中の電解質としては(50〜200g/l)H2S
O4が一般的であるが、任意の濃度を選択したり、電解
質は硫酸として限定されるものではないのは当然であ
る。
き装置(フェイスアップ、フェイスダウンの何れの方式
をも含む)にも適用できることは言うまでもない。さら
に上記各実施形態では本発明を電解めっき装置に適用し
た例を示したが、その代わりに基板を陽極にして行う電
解エッチング装置に適用してもよい。
板として円形のものを用い、電界分布も全て同心円状の
ものを示したが、被処理基板は円形以外の各種形状のも
のであってもよいし、また電界分布も必要に応じて非同
心円状のものであってもよい。例えば被処理基板として
LCDなどの板状(円形以外の形状を含む)のものを用
いても良いし、また陰極接点36はリング状ではなく、
一方向から被処理基板に接触するものであっても良い。
また陰極接点36は被処理基板の外周以外の位置に接触
させても良い。
ば、被処理部材表面の電場の状態が所望の状態になるよ
うに積極的に制御したので、被処理部材の電解処理によ
る処理状態を目的とする面内分布の処理状態とすること
ができるという優れた効果を有する。
の概略構成図である。
分近傍の銅めっきの膜厚測定結果を示す図である。
外周部近傍部分を示す要部概略図である。
用いる高抵抗構造体4の平面図である。
と、図9に示すような分布厚みのものとを用いて基板W
上にめっきを行った際のめっき膜厚の測定結果を示す図
である。
態を示す図である。
例を示す図である。
図である。
示す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 陽極と陰極の一方の電極との接点を持つ
被処理基板と、該被処理基板に対峙させた他方の電極と
の間に満たした電解液の少なくとも一部に、該電解液の
電気伝導率より小さい電気伝導率の高抵抗構造体を設
け、 該高抵抗構造体の外形状、内部構造、又は電気伝導率の
異なる部材の装着の内の少なくとも一つの調整により、
被処理基板表面の電場を制御することを特徴とする電解
処理装置の電場状態制御方法。 - 【請求項2】 前記外形状の調整は、高抵抗構造体の厚
みの調整、高抵抗構造体の平面上での形状の調整の内の
少なくとも何れか一つであることを特徴とする請求項1
記載の電解処理装置の電場状態制御方法。 - 【請求項3】 前記高抵抗構造体は、多孔質物質で構成
されており、多孔質物質の内部構造の調整は、多孔質物
質の気孔径分布の調整、気孔率分布の調整、屈曲率分布
の調整、材料組み合わせの調整の内の少なくとも何れか
一つであることを特徴とする請求項1記載の電解処理装
置の電場状態制御方法。 - 【請求項4】 前記電気伝導率の異なる部材の装着によ
る調整は、電気伝導率の異なる部材によって高抵抗構造
体の遮蔽面積を調整することであることを特徴とする請
求項1記載の電解処理装置の電場状態制御方法。 - 【請求項5】 被処理基板及び/又は被処理基板に対峙
する電極を回転することを特徴とする請求項1〜4の内
の何れか1項記載の電解処理装置の電場状態制御方法。 - 【請求項6】 陽極と陰極の一方の電極との接点を持つ
被処理基板と、該被処理基板に対峙させた他方の電極と
の間に電解液を満たして被処理基板の電解処理を行う電
解処理装置において、 前記電解液の少なくとも一部に、該電解液の電気伝導率
より小さい電気伝導率の高抵抗構造体を設け、 且つ前記高抵抗構造体の外形状、内部構造、又は電気伝
導率の異なる部材の装着の内の少なくとも何れか一つの
調整手段によって、被処理基板表面の電場を制御するこ
とを特徴とする電解処理装置。 - 【請求項7】 前記外形状の調整手段は、高抵抗構造体
の厚みの調整、高抵抗構造体の平面上での形状の調整の
内の少なくとも何れか一つであることを特徴とする請求
項6記載の電解処理装置。 - 【請求項8】 前記高抵抗構造体は、多孔質物質で構成
されており、多孔質物質の内部構造の調整手段は、多孔
質物質の気孔径分布の調整、気孔率分布の調整、屈曲率
分布の調整、材料組み合わせの調整の内の少なくとも何
れか一つであることを特徴とする請求項6記載の電解処
理装置。 - 【請求項9】 前記電気伝導率の異なる部材の装着によ
る調整手段は、電気伝導率の異なる部材によって高抵抗
構造体の遮蔽面積を調整することであることを特徴とす
る請求項6記載の電解処理装置。 - 【請求項10】 陽極と陰極の一方の電極との接点を持
つ被処理基板と、該被処理基板に対峙させた他方の電極
との間に電解液を満たして被処理基板の電解処理を行う
電解処理装置において、 前記電解液の少なくとも一部に、該電解液の電気伝導率
より小さい電気伝導率の高抵抗構造体を設け、 前記高抵抗構造体はその外周が保持部材によって保持さ
れており、且つ高抵抗構造体と保持部材の間にはこの部
分から電解液が漏れて電流が流れるのを防止するシール
部材が設けられていることを特徴とする電解処理装置。
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