JP2002327298A - 電解めっき装置用めっき液保持部材 - Google Patents
電解めっき装置用めっき液保持部材Info
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Abstract
に防止することができ、均一な膜厚のめっき層を形成す
ることができる電解めっき装置用めっき液保持部材を提
供すること。 【解決手段】 この電解めっき装置1は、被めっき物5
に接触する陰極2、めっき液15が通過可能な構造を有
する陽極14、めっき液保持部材21を備える。めっき
液保持部材21はホルダ12に支持されている。めっき
液15は陽極14及びめっき液保持部材21を介して被
めっき物5に供給される。めっき液保持部材21は多孔
質セラミック板であり、その外周部分における気孔は埋
まっている。
Description
めっき液保持部材に関するものである。
とりわけ近年においては半導体ウェハ上に銅配線を形成
する手法として、電解めっき装置を用いた電解銅めっき
に注目が集められている。
は、めっき槽内にめっき液を満たした状態でめっき液に
半導体ウェハを浸漬するとともに、半導体ウェハ側に陰
極を接続して電気を流すことにより、成膜を行うように
なっている。
てファインかつ均一な銅配線を形成するためには、例え
ば、めっき液を流動させたり、陰極と陽極との距離をあ
る程度確保しておく必要があった。このため、装置が巨
大化する傾向にあった。また、この従来装置の場合、1
回の成膜に必要なめっき液の量が多く、半導体の低コス
ト化を達成するうえで不利であった。
次世代の電解めっき装置が提案されるに至っている。図
2に示されるように、この新しい電解めっき装置31
は、ホルダ32、陰極33、陽極34、めっき液保持部
材35等を備えている。ホルダ32は陽極34を備えて
いる。陽極34にはめっき液36を通過させるためのス
リットが形成されている。陽極34の下面側には、多孔
質アルミナからなる板状のめっき液保持部材35が設け
られている。めっき液保持部材35の外周部分にはフラ
ンジ部35aが形成され、そのフランジ部35aはホル
ダ32の下側開口部32aにゴム製のパッキング37を
介して支持されている。一方、陰極33には半導体ウェ
ハ38が接触した状態で支持される。半導体ウェハ38
の上面と、めっき液保持部材35の下面とは、僅かな間
隙を隔てて対向した状態となる。
っき液36は、陽極34のスリットを通過してめっき液
保持部材35に到った後、めっき液保持部材35の気孔
を介して半導体ウェハ38側に供給される。この状態で
陽極34及び陰極33間に通電を行うことにより半導体
ウェハ38上に電解めっきが施され、静止浴であっても
ファインな銅配線が形成されるようになっている。
る従来のめっき液保持部材35の場合、パッキング37
を設けているにも関わらず、外周部分からめっき液36
が漏れ出しやすかった。そして、このような液漏れが起
こると、半導体ウェハ38に対するめっき液供給量が場
所によってばらついてしまい、均一な膜厚の銅配線が得
られなくなるおそれがあった。
材35の外周部分に、めっき液保持部材35と別体で形
成された漏出防止用のシールドラバー39を装着する必
要があり、部品点数の増加につながるという欠点があっ
た。また、このようなシールドラバー39を装着したと
しても、めっき液保持部材35との隙間を完全になくす
ことはできないため、液漏れを確実に防止することは困
難であった。
であり、その目的は、部品点数の増加を伴うことなく液
漏れを確実に防止することができ、均一な膜厚のめっき
層を形成することができる電解めっき装置用めっき液保
持部材を提供することにある。
めに、請求項1に記載の発明では、被支持部である外周
部分における気孔が埋まっている多孔質セラミック板か
らなる電解めっき装置用めっき液保持部材をその要旨と
する。
て、前記多孔質セラミック板は、前記気孔を埋める非導
電性物質からなる層を前記外周部分に有する導電性多孔
質セラミック板であるとした。
て、前記多孔質セラミック板は多孔質炭化珪素板である
とした。請求項4に記載の発明は、請求項2または3に
おいて、前記非導電性物質からなる層は熱硬化性樹脂か
らなるとした。
て、前記多孔質セラミック板は、前記外周部分における
気孔に熱硬化性樹脂を含浸することにより形成された樹
脂含浸層を有する多孔質炭化珪素板であるとした。
る外周部分に緻密部を有する多孔質セラミック板からな
る電解めっき装置用めっき液保持部材をその要旨とす
る。以下、本発明の「作用」について説明する。
ラミック板の外周部分における気孔が埋まっているた
め、外周部分についてはめっき液の流れる通路が絶たれ
た状態となる。ゆえに、めっき液保持部材の外周部分か
らのめっき液の漏れ出しが確実に防止される。従って、
半導体ウェハに対するめっき液供給量が場所によってば
らつきにくくなる。また、本発明によれば、漏出防止用
の部材が不要になるため、部品点数の増加が防止され
る。
孔質セラミック板であることから、当該部材が実質的に
陽極としての役割を果たすようになる。よって、擬似的
な陽極である当該部材が被めっき物に対してより近接し
た状態となり、被めっき物付近のめっき液に強くかつ安
定した電界を与えることができる。
分における気孔が非導電性物質からなる層によって埋め
られることにより、めっき液の流れる通路が絶たれた状
態となる。しかも、当該層は非導電性物質からなるた
め、これを設けたとしてもめっきの析出挙動に特に影響
を与えることはない。
優れた多孔質炭化珪素を用いためっき液保持部材である
ため、当該部材がめっき液により侵蝕されにくくなり、
めっき液中への不純物の溶出が防止される。これにより
めっき液の組成劣化が回避され、めっきの析出挙動が安
定化する。また、多孔質炭化珪素は電気伝導性にも優れ
ているため、擬似的な陽極として適している。
物質からなる層は樹脂製であるので、形成が比較的簡単
であって、かつ比較的安価な材料である。また、熱硬化
性を有する樹脂であるため熱に強く、加熱下でめっきを
行ったとしても剥がれ等が生じにくい。
における気孔に熱硬化性樹脂を含浸することによって、
気孔を簡単にかつ確実に気孔を埋めることができる。ま
た、気孔が好適なアンカー効果をもたらす結果、外周部
分から樹脂含浸層が剥がれにくくなる。
ラミック板の外周部分に緻密部を有するため、外周部分
については気孔がなく、めっき液の流れる通路が絶たれ
た状態となる。ゆえに、めっき液保持部材の外周部分か
らのめっき液の漏れ出しが確実に防止される。従って、
半導体ウェハに対するめっき液供給量が場所によってば
らつきにくくなる。また、本発明によれば、漏出防止用
の部材が不要になるため、部品点数の増加が防止され
る。
形態の電解銅めっき装置1を図1に基づき詳細に説明す
る。
は、上端側にいくほど拡径する円環状の部材であって、
その下端側にはフランジ3が形成されている。陰極2は
例えば導電性の金属材料を用いて形成されている。陰極
2の下端側開口部4の径は、被めっき物である半導体ウ
ェハ(例えばシリコンウェハ)5の径よりも若干小さめ
に設定されている。半導体ウェハ5は図示しないステー
ジにより下方側からフランジ3に対して押圧される。そ
の結果、半導体ウェハ5の上面側外周部がフランジ3の
下面側に密着し、この状態で半導体ウェハ5が保持され
るようになっている。このとき、陰極2はいわば有底状
となるため、半導体ウェハ5の上面側にできる領域には
電解銅めっき液15が溜まるようになっている。
ホルダ12は、使用時において、陰極2の上方において
近接した状態で配置される。ホルダ12の下端側には開
口部13が設けられており、その開口部13付近には板
状の陽極14が取り付けられている。陽極14は例えば
導電性の金属材料を用いて円形状に形成されている。陽
極14の複数箇所には、銅めっき液15を上面側から下
面側に通過させるための構造としてスリット16が設け
られている。ホルダ12の上面には、めっき液供給管1
7及びめっき液回収管18がそれぞれ設けられている。
めっき液供給管17は、ホルダ12及び陽極14によっ
て区画される空間19と、図示しないめっき液タンクと
の間を連通させている。銅めっき液15が不足すると、
このめっき液供給管17を介して前記空間19内に銅め
っき液15が補充されるようになっている。めっき液回
収管18は、前記空間19内における銅めっき液15の
量が一定量を超えたときに、その余剰分を回収する役割
を果たしている。なお、回収された銅めっき液15は、
めっき液タンクに戻されて再利用されるようになってい
る。
下面側に接するようにしてめっき液保持部材としてのめ
っき液保持プレート21が設けられている。めっき液保
持プレート21は、陽極14とほぼ同じ大きさかつほぼ
同じ形状(即ち円板状)となっている。めっき液保持プ
レート21は、外周部分から横方向に突出するフランジ
部21aを備えている。このフランジ部21aは、ホル
ダ12の開口部13に設けられた支持部13aによって
支持されている。なお、フランジ部21aの下面と支持
部13aの上面との間には、シール部材であるゴム製の
環状パッキング22が介在されている。
15を自身の気孔内に保持することにより、ホルダ12
の移送時における下面側からの銅めっき液15の流出を
防止する役割も果たしている。なお、めっき液保持プレ
ート21の下面は、半導体ウェハ5の上面と僅かな間隙
を隔てた状態で対向配置されている。具体的にいうと、
本実施形態では前記間隙の大きさが1mm程度となるよ
うに設定されている。
き液保持プレート21の材質等について詳細に説明す
る。本実施形態のめっき液保持プレート21は多孔質セ
ラミック板であり、具体的には多孔質炭化珪素板(多孔
質SiC板)P1が用いられている。多孔質炭化珪素を
選択した理由は、多孔質炭化珪素は多孔質アルミナに比
べて耐食性及び電気伝導性に優れ、めっき液保持プレー
ト21用材料として極めて好都合だからである。
%〜50%であることがよく、30%〜45%であるこ
とがなおよい。また、平均気孔径は10μm〜60μm
であることがよく、20μm〜50μmであることがな
およい。
増大により銅めっき液15がスムーズに流れにくくなる
ことで、銅めっき液15の滲出しやすさが場所によって
バラついてしまう。即ち、めっき液保持プレート21の
下面側から供給される銅めっき液15の量が不均一にな
り、結果として銅めっき層の膜厚が不均一になるおそれ
がある。逆に気孔率が50%を超える場合には、圧力損
失の増大は避けられるものの、銅めっき液15を保持す
る性質が損なわれる。ゆえに、この場合においてもめっ
き層の膜厚が不均一になるおそれがある。
損失の増大により銅めっき液15がスムーズに流れにく
くなることで、銅めっき液15の滲出しやすさが場所に
よってバラついてしまう。即ち、めっき液保持プレート
21の下面側から供給されるめっき液15の量が不均一
になり、結果として銅めっき層の膜厚が不均一になるお
それがある。逆に平均気孔径が60μmを超える場合に
は、圧力損失の増大は避けられるものの、銅めっき液1
5を保持する性質が損なわれる。ゆえに、この場合にお
いても銅めっき層の膜厚が不均一になるおそれがある。
は101Ωm〜105Ωmであることがよく、102Ωm
〜104Ωmであることがなおよい。体積固有抵抗が1
01Ωm未満のものを実現しようとすると、材料の選定
や焼成条件の設定等が難しくなって、めっき液保持プレ
ート21の製造コストが高騰するおそれがある。また、
そればかりでなくめっき液保持プレート21の多孔性が
損なわれ、めっき液保持性という基本性能が損なわれる
おそれもある。逆に105Ωmを超える場合には電気伝
導性が低くなりすぎてしまい、めっき液保持プレート2
1が実質的に陽極14として機能しなくなるおそれがあ
る。ゆえに、半導体ウェハ5の上面付近の銅めっき液1
5に、強くかつ安定した電界を与えることができなくな
るおそれがある。
1.6g/cm3〜2.5g/cm3、 曲げ強度は30
MPa〜150MPa、ヤング率は50GPa〜200
GPa、熱伝導率は50W/m・K〜150W/m・K
であることがよい。また、めっき液保持プレート21を
構成する多孔質炭化珪素としては、高純度多孔質炭化珪
素が用いられることがよい。具体的には、不純物である
重金属の濃度が0.5%以下の多孔質炭化珪素が用いら
れることがよい。
の外周部分には、当該部分からの銅めっき液15の滲出
を防止するためのシールドラバーは、特に配設されてい
ない。その代わりに、フランジ部21aを含む多孔質炭
化珪素板P1の外周部分には、非導電性物質からなる層
が形成されている。具体的にいうと、外周部分における
気孔に熱硬化性樹脂を含浸することによって、所定厚さ
の樹脂含浸層23(図1において細かい斜線で示す)が
形成されている。その結果、めっき液保持プレート21
の外周部分における気孔が埋められた状態となり、当該
部分にいわば緻密部を有した状態となっている。
ては、例えばテフロン等のフッ素系樹脂、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。この場合、極力
金属不純物濃度の低い熱硬化性樹脂が用いられることが
よい。
ト21を製造する方法について説明する。まず、原料で
ある炭化珪素粉末を1種または2種以上用意する。そし
て、炭化珪素粉末に溶剤やバインダ等を配合したうえ
で、これをよく混合する。次いで、この混合物を乾燥し
た後、その乾燥混合物を顆粒化する。そして、前記造粒
工程により得られた顆粒を材料として成形を行い、円板
状の成形体を作製する。この場合、成形時の密度分布が
±0.05g/cm3の範囲内に収まるように条件を設
定することがよい。本実施形態では、これを実現するた
めのプレス法として静水圧プレスを採用している。次
に、成形工程により得られた成形体を不活性雰囲気下に
て2000℃〜2300℃程度の温度で常圧焼成するこ
とにより、成形体を焼結させて焼結体(即ち多孔質炭化
珪素板P1)を得る。この場合、焼成時における成形体
の面内温度分布が±1℃以内に収まるように条件を設定
することがよい。次いで、多孔質炭化珪素板P1の外周
部分に対して樹脂を含浸した後にその樹脂を加熱硬化さ
せることにより、樹脂含浸層23を形成する。
持プレート21を用いた電解銅めっき装置1の使用方法
について説明する。この電解銅めっき装置1の場合、め
っき液供給管17を経て供給されてきた銅めっき液15
が、前記空間19に一定量溜まるようになっている。当
該空間19に供給されてきた銅めっき液15は、陽極1
4のスリット16を通過してめっき液保持プレート21
に到る。そして、銅めっき液15はさらにめっき液保持
プレート21の気孔を介して半導体ウェハ5の上面側に
供給される。従って、この状態で陽極14及び陰極2間
に通電を行うことにより、静止浴のまま電解銅めっきが
施される。すると、半導体ウェハ5の上面側にあらかじ
め掘られた配線用溝を埋めるように銅めっき層が析出
し、結果として所望パターン形状の銅配線が形成される
ようになっている。
部分における気孔は、樹脂含浸層23によって埋められ
ている。このため、外周部分については銅めっき液15
の流れる通路が絶たれた状態となっている。ゆえに、め
っき液保持プレート21の外周部分からの銅めっき液1
5の漏れ出しが確実に防止される。
料炭化珪素粉末として、GC♯240(信濃電気精錬社
製、平均粒径57μm)とGMF−15H2(太平洋ラン
ダム社製、平均粒径0.5μm)とを重量比が7:3と
なるようにして用いた。そして、これら2種の炭化珪素
粉末にさらに水、バインダであるアクリル系樹脂を配合
し、これをポットミルを用いてよく混合した。前記混合
工程により得られた均一な混合物を所定時間乾燥して水
分をある程度除去した後、その乾燥混合物を適量採取
し、これをスプレードライヤにより顆粒化した。
を材料として、100MPa〜130MPa程度の圧力
で静水圧プレスを行い、円板状の成形体を作製した。次
に、成形工程により得られた成形体をアルゴン雰囲気下
にて2100℃〜2200℃の温度で常圧焼成した。焼
成により得られた多孔質炭化珪素板P1の外周部分に対
し、樹脂を含浸した後にその樹脂を加熱硬化させること
により、樹脂含浸層23を形成した。ここでは、熱硬化
性樹脂としてフッ素系樹脂(デュポン社製、商品名テフ
ロン)を用い、加熱温度を400℃、加熱時間を5分に
設定した。その結果、多孔質炭化珪素製の円板状のめっ
き液保持プレート21を得た。
ける未含浸領域については、気孔率が約25%、平均気
孔径が約15μm、体積固有抵抗が103Ωm、密度が
2.4g/cm3、曲げ強度が130MPa、熱伝導率
が140W/m・K、重金属濃度が0.5%以下であっ
た。一方、含浸領域については、気孔率が約0%かつ平
均気孔径が0μmであり、緻密なものとなっていた。
21を用いて電解銅めっきを実施したところ、外周部分
からの銅めっき液15の漏れ出しは特に認められなかっ
た。このため、めっき液供給量が場所によってばらつく
こともなく、半導体ウェハ5上に均一な膜厚の銅配線を
形成することが可能であった。 [実施例2]実施例2の作製においては、原料炭化珪素
粉末として、GC♯240(信濃電気精錬社製、平均粒
径57μm)とGMF−15H2(太平洋ランダム社製、
平均粒径0.5μm)とを重量比が9:1となるように
して用いた。そして、これら2種の炭化珪素粉末にさら
に水、バインダであるアクリル系樹脂を配合し、これを
万能混合機を用いてよく混合しながら同時に造粒を行っ
た。
た顆粒を材料として、50MPa程度の圧力で静水圧プ
レスを行い、円板状の成形体を作製した。次に、成形工
程により得られた成形体をアルゴン雰囲気下にて225
0℃の温度で常圧焼成した。焼成により得られた多孔質
炭化珪素板P1の外周部分に対し、樹脂を含浸した後に
その樹脂を加熱硬化させることにより、樹脂含浸層23
を形成した。ここでは、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹
脂(セメダイン社製、商品名EP−160)を用い、加
熱温度を150℃、加熱時間を60分に設定した。その
結果、多孔質炭化珪素製の円板状のめっき液保持プレー
ト21を得た。
ける未含浸領域については、気孔率が約40%、平均気
孔径が約30μm、体積固有抵抗が103Ωm、密度が
1.9g/cm3、曲げ強度が50MPa、熱伝導率が
80W/m・K、重金属濃度が0.5%以下であった。
一方、含浸領域については、気孔率が約0%かつ平均気
孔径が0μmであり、緻密なものとなっていた。
21を用いて電解銅めっきを実施したところ、実施例1
と同じく、外周部分からの銅めっき液15の漏れ出しは
特に認められなかった。このため、めっき液供給量が場
所によってばらつくこともなく、半導体ウェハ5上に均
一な膜厚の銅配線を形成することが可能であった。
効果を得ることができる。 (1)本実施形態によると、多孔質炭化珪素板P1の外
周部分における気孔が埋められており、当該部分が緻密
になっている。このため、外周部分については銅めっき
液15の流れる通路が絶たれた状態となる。ゆえに、め
っき液保持プレート21の外周部分からの銅めっき液1
5の漏れ出しが確実に防止される。その一方で、外周部
分よりも内側の部分については、好適な多孔性が確保さ
れている。従って、半導体ウェハ5に対するめっき液供
給量が場所によってばらつきにくくなり、均一な膜厚の
銅めっき層(即ち銅配線)を形成することができる。ま
た、本実施形態によると、漏出防止用のシールドラバー
が不要になるため、部品点数の増加を防止することがで
きる。
は、導電性を有する多孔質炭化珪素板P1を用いている
ことから、当該部材が実質的に陽極14としての役割を
果たすようになる。よって、擬似的な陽極14である当
該部材が半導体ウェハ5に対してより近接した状態とな
り、半導体ウェハ5付近の銅めっき液15に強くかつ安
定した電界を与えることができる。
おける気孔は、非導電性物質からなる層である樹脂含浸
層23によって埋められている。それゆえ、銅めっき液
15の流れる通路が絶たれた状態となる。しかも、樹脂
含浸層23は非導電性物質からなるため、これを設けた
としてもめっきの析出挙動に特に影響を与えることはな
く、膜厚の均一化にとってマイナスに作用することがな
い。
は、耐食性に優れた多孔質炭化珪素を用いている。この
ため、めっき液保持プレート21が銅めっき液15によ
り侵蝕されにくく、銅めっき液15中への不純物の溶出
が防止される。これにより銅めっき液15の組成劣化が
回避され、めっきの析出挙動が安定化する。このことは
膜厚の均一化に貢献している。また、多孔質炭化珪素は
電気伝導性にも優れているため、擬似的な陽極14とし
て適している。
は、形成が比較的簡単であってかつ比較的安価な材料で
ある樹脂(熱硬化性樹脂)を、非導電性物質からなる層
の形成材料として選択している。ゆえに、製造困難化及
び高コスト化を回避することができる。また、熱硬化性
樹脂からなる層は熱に強く、加熱下でめっきを行ったと
しても剥がれ等が生じにくいという利点がある。ゆえ
に、耐熱耐久性、信頼性に優れためっき液保持プレート
21となっている。
は、外周部分における気孔に熱硬化性樹脂を含浸するこ
とにより、樹脂含浸層23を形成している。よって、気
孔を簡単にかつ確実に気孔を埋めることができる。ま
た、気孔が好適なアンカー効果をもたらす結果、外周部
分から樹脂含浸層23が剥がれにくくなる。ゆえに、耐
久性、信頼性に優れためっき液保持プレート21となっ
ている。
更してもよい。 ・ 実施形態のような樹脂の含浸による層形成に代え
て、例えば樹脂の単なるコートによる層形成(つまり気
孔の内部に入り込む度合いの少ない方法による層形成)
を行ってもよい。また、層形成に用いられる樹脂は必ず
しも熱硬化性を有するものでなくてもよく、例えば光硬
化性を有するもの等であってもよい。
機材料のみに限定されることはなく、例えば非導電性の
セラミックを用いてCVD等により層形成を行ってもよ
い。 ・ 実施形態においては、多孔質セラミック板の外周部
分には、樹脂含浸層23のように別物質からなる緻密部
が形成されていた。しかし、緻密部は多孔質セラミック
板を形成している材料と同一物質であっても構わない。
具体例としては、多孔質炭化珪素板P1の外周部分にお
ける炭化珪素を緻密化してもよい。
省略されてもよい。 ・ 実施形態の電解めっき装置1は、電解銅めっきを実
施する場合のみならず、例えば電解ニッケルめっきや電
解金めっき等を実施する場合にも勿論使用可能である。
などからなる半導体ウェハ5のみに限定されることはな
く、例えばセラミック製、金属製またはプラスティック
製の基材などであってもよい。
の形成のみに利用されるばかりでなく、例えばバンプ等
のような半導体における外部接続端子の形成などに利用
されることも可能である。さらに、当該電解めっき装置
1は、上記配線のように電気を流すことを目的とする金
属層の形成のみに利用されるに止まらず、電気を流すこ
とを特に目的としない金属層の形成に使用されても構わ
ない。
極14の下面に対して非接触状態で配置されていても構
わない。次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想
のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的
思想をその効果とともに以下に列挙する。
おいて、前記めっき液保持部材の気孔率は20%〜50
%、平均気孔径は10μm〜60μmであること。従っ
て、この技術的思想1に記載の発明によれば、部材の片
面からめっき液が均一に滲出可能となる結果、均一な膜
厚のめっき層を確実に形成することができる。
いずれか1つにおいて、前記めっき液保持部材の体積固
有抵抗は101Ωm〜105Ωmであること。従って、こ
の技術的思想2に記載の発明によれば、高コスト化を伴
うことなく、均一な膜厚のめっき層を確実に形成するこ
とができる。
載の発明によれば、部品点数の増加を伴うことなく液漏
れを確実に防止することができ、均一な膜厚のめっき層
を形成することができる電解めっき装置用めっき保持部
材を提供することができる。
装置の概略断面図。
極、5…被めっき物としての半導体ウェハ、12…ホル
ダ、13…開口部、14…陽極、15…めっき液、21
…めっき液保持部材としてのめっき液保持プレート、P
1…多孔質セラミック板としての多孔質炭化珪素板、2
3…非導電性物質からなる層としての樹脂含浸層。
Claims (6)
- 【請求項1】被支持部である外周部分における気孔が埋
まっている多孔質セラミック板からなる電解めっき装置
用めっき液保持部材。 - 【請求項2】前記多孔質セラミック板は、前記気孔を埋
める非導電性物質からなる層を前記外周部分に有する導
電性多孔質セラミック板であることを特徴とする請求項
1に記載の電解めっき装置用めっき液保持部材。 - 【請求項3】前記多孔質セラミック板は多孔質炭化珪素
板であることを特徴とする請求項2に記載の電解めっき
装置用めっき液保持部材。 - 【請求項4】前記非導電性物質からなる層は熱硬化性樹
脂からなることを特徴とする請求項2または3に記載の
電解めっき装置用めっき液保持部材。 - 【請求項5】前記多孔質セラミック板は、前記外周部分
における気孔に熱硬化性樹脂を含浸することにより形成
された樹脂含浸層を有する多孔質炭化珪素板であること
を特徴とする請求項1に記載の電解めっき装置用めっき
液保持部材。 - 【請求項6】被支持部である外周部分に緻密部を有する
多孔質セラミック板からなる電解めっき装置用めっき液
保持部材。
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