JP2001506895A - 水中手術のための電気外科用ジェネレータ及びシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 電気外科システムの無線周波ジェネレータが提供されており、このシステムは導電性液体に浸して利用するための２つの電極を備えた電極アッセンブリを有している。ジェネレータは、送られた無線周波出力電力を、ピーク無線周波出力電圧が所定のしきい値に達してから多くとも２，３サイクル間で、少なくとも５０％だけ急激に減少させるための制御回路を有している。このため、組織凝固を例えば食塩溶液内において多量の蒸気が発生することなく行うことができる。同様なピーク電圧制限テクニックが、電極箇所における蒸気ポケットの寸法を制限するために、また電極の燃焼を回避するために組織蒸発或いは切断モードにおいて利用される。ジェネレータは直列共振出力回路を有するプッシュ−プル出力段を有しており、この出力段は無線周波発振器によって、通常は共振出力回路の共振周波数とは異なる周波数で駆動される。電力制御はプッシュ−プル出力対を構成するスイッチングトランジスタのオン時間を変えることによって、また励起周波数と直列共振出力回路の共振周波数との間の周波数間隔を変えることによって行われる。別の実施形態において、２つのプッシュ−プル対を利用したブリッジ回路が利用され、これによって電力制御変数として駆動信号の対応するトランジスタ対に対する相対的な位相がさらに得られる。

Description

【発明の詳細な説明】 水中手術のための電気外科用ジェネレータ及びシステム （発明の属する技術分野） この発明は、特に電気外科用エネルギーを供給するための電気外科用ジェネレ ータに関するものであるが、いわゆる水中外科に限定されるわけではない。この 発明はまたジェネレータと電極アセンブリを組み合わせたものからなる電気外科 システムに関する。 本明細書において”水中電気外科”という用語は手術箇所で液体、一般には手 術箇所を含む体腔を膨らませ或いは血液をその箇所から洗い流すために導入され る液体内に浸される一つ或いは複数の処置電極を有する電気外科器具を利用して 行われる手術を意味するために利用されている。これに代えて、外科処置は一つ もしくは複数の電極を自然に生じる体液中に浸して行うこともできる。本発明は 特に泌尿器科学、子宮鏡検査、関節鏡検査の領域において用いられるものである 。しかしながら、本発明はまた、電極を液中に浸さずに行われる電気外科におい ても利用できる特徴を有している。 （従来の技術及び発明が解決しようとする課題） 水中電気外科及び洞内外科すなわち生体組織を体腔への最小の外科的アクセス で処置する外科についての背景は本出願人による共に係属中の欧州特許出願第９ ６３０４５５８．８号（公開第０７５４４３７号）に記載されており、その内容 は参考のために本明細書に導入されている。 適用箇所において液体の中に完全に浸されている組織を効果的に電気外科で処 置することは困難である。なぜなら、治療しようとする組織とその周囲の導電性 液体の両方の中を流れる電流によって生じる熱で液体が沸騰するためである。手 術用電極は周囲を液体よりもむしろ断続的に水蒸気によって囲まれるために、電 極に電気外科電力を供給するジェネレータに対する電気負荷インピーダンスは大 きく変動する。この変動は非導電性の液体を用いることによって軽減することは できるが、液体の電気導電性を大きくする体液が手術箇所において生じるために 完全には無くすことができない。組織のタイブが変われば負荷インピーダンスも 変わる。この影響のために、電気外科の出力を制御することによって、治療しよ うとする組織に対して一貫した効果を与えることが困難になる。その結果、こう した性能の変動を克服するために、高出力が一般に使用されている。 （課題を解決するための手段） 本発明の第１の側面において、電気器具へ無線周波電力を供給するための電気 外科用ジェネレータは、電気器具へ無線周波電力を供給するための少なくとも一 対の出力ラインを有する無線周波出力段と、この出力段へ接続されていて出力段 へ電力を供給する電源と、出力ライン間に現れる無線周波ピーク出力電圧を表す 検出信号を発生するための検出装置を有する制御回路とを有し、出力段は、出力 コラインへ接続された直列共振出力回路と、この共振出力回路へ接続されたスイ ッチング手段とを有し、制御回路はスイッチング手段の切替間隔を変えることに よって、所定の条件の検出信号に応じて、供給される無線周波電力を低下させる ようになっている。本発明の好ましい実施形態において、直列共振出力回路はイ ンダクタンスとキャパシタンスとの直列組からなり、これらの直列組間において 、切替られた無線周波出力波形が生じるように、スイッチング手段に接続されて いて、この直列共振回路に接続されたジェネレータの出力ラインがインダクタン スもしくはキャパシタンス、好ましくはインダクタンスの両端に生じる無線周波 電圧を受け取るようになっている。この直列組はスイッチング手段とアース接続 部すなわち電源手段の一対の供給レールの一方との間に接続でき、ここで、ジェ ネレータの一方の出力ラインはインダクタンスとキャパシタンスとの間の接続部 に連結され、他方の出力ラインは好ましくは上記のアース接続部或いは上記供給 レールの一方に接続される。キャパシタンスをスイッチング手段に接続し、イン ダクタンスをアース接続部或いは供給レールに接続する場合は、出力ラインは直 列共振組のキャパシタンスよりも小さな値の連結キャパシタンスによって、上記 インダクタンスとキャパシタンスとの接続部に接続するのが好ましい。これに変 えて、スイッチ手段はブリッジに接続された半導体回路を有することもでき、こ の場合、直列組はスイッチング手段の互いに反対の位相のノード間に接続される 。 例えばジェネレータに接続された電極の部位の液体が蒸発するときに電力の迅 速な減少を達成するために、スイッチング手段と制御回路とは、送出電力が所定 の無線周波ピーク出力電圧しきい値に達してから100μｓ以内に少なくとも５０ ％減少する程度まで、スイッチ手段のオン時間を減少させることができるように 配置される。（ここで言う”ピーク出力電圧”にはピーク・ツー・ピーク基準(p eak-to-peak basis)で測定された電圧を含んでいる）換言すれば、ジェネレータ はピーク或いはピーク・ツー・ピーク出力電圧レベルを表す検出信号に応答する 。スイッチング手段は電力供給レール間でブッシューブル直列で接続された一対 の電子スイッチを有することができ、その場合に直列共振出力回路はこれらの電 子スイッチ間の接続部に接続される。つまり、出力電力を減少させるために、一 般にはパワー電界効果トランジスタ（MOSFET）である各スイッチのオン時間が各 無線周波の半サイクルの間に減少され、これによって所望の電力減少が生じる。 出力電力減少に際して、蒸発に必要な増加以上の大きな量で制御オーバーシュ ートを生じさせることによって、蒸気の泡を崩壊させることができる。これによ って、手術処置を導電性の流体域場特に食塩溶液域において行うことができる。 望ましくない電気外科的影響を殆ど生じることなく、負荷インピーダンスを大幅 かつ迅速に変化させることができる。例えば、電気外科的乾燥を望む場合、器具 の電極領域においてこれを取り囲む食塩水の蒸発によるインピーダンスの増加は 有効な乾燥に必要な電力レベルにおける望ましくないアーキングをもたらすが、 これを大幅に抑制することができる。電気外科的な組織切断或いは組織蒸発が必 要な場合には、出力電圧を制限することで電極燃焼及び／もしくは過剰な組織蒸 発を防止することができる。 スイッチング手段において利用されている半導体電カデバイスのオーバーロー ドを回避するために、スイッチング手段は直列共振出力回路の共振周波数とは異 なる周波数で動作する発振器によって駆動されるのが好ましい。発振器を直列共 振出力回路の共振周波数よりも高い励振信周波数で動作させることによって、切 断或いは蒸発に関連して比較的高いインピーダンスにおいて電力を利用でき、一 方で、共振回路がその共振周波数よりも低い周波数で励振するように発振器を動 作することで、比較的低い負荷インピーダンスを伴う電気外科的乾燥により適合 させることができる。 上記の制御回路は、無線周波出力信号の個々のサイクルの間の電子スイッチの 導通時間を減少させることによって、出力電圧が所定の検出信号しきい値に達し たあと20μｓ以内に出力電力の少なくとも50％の減少が行われるように構成され ているのが好ましい。導通時間のこのような変更は、供給電圧における変動とは 独立に有利に行われる。実際には、出力電力の低下は、供給電圧とは独立に、そ して負荷インピーダンスや供給電圧に応じて変動する供給出力電力とは独立に、 単一の制御変数、すなわちピーク出力電圧あるいはピーク・ツー・ピーク出力電 圧を用いて行われる。このように、電力低下のトリガリングは、予め設定された 同じ出力電圧しきい値において行われるが、しかし、環境に応じて、異なる出力 電力値とインピーダンス値において行われる。 無線周波出力段の直接制御テクニックは、最初に、出力しきい値に達した時に 電カデバイスのサイクル毎の導通時間をピークレベルから谷レベルまで急速に減 少させ、次に導通時間をそれがピークレベルに再び達するまで再び徐々に増加さ せ、このような徐々の増加の間の無線周波出力電圧をモニターするという処理を 繰り返し行うことによって実行することができる。 出力段は、出力電圧の所定のしきい値への到達に対する応答を過度に遅くする ことなく、スイッチングデバイス或いは出力段のその他の装置からのスイッチン グノイズを取り除けるだけの十分に高いＱを有する出力共振回路を有している。 一般に、このＱは少なくとも１であり、これは1.5以下の波高率を実現するのに 十分なものである。波高率とは、出力電圧波形のピークと実効値との比のことで ある。 別の側面においては、この発明は、100オームから250オーム、好ましくは130 と190オームの間の範囲の出力インピーダンスを有するジェネレータを含んでい る。このジェネレータの無線周波出力段は、ＣＷ（連続波）出力、すなわち100 ％のデューティーサイクルを有する出力、あるいはＲＦ発振周波数よりも低い周 波数のオン／オフパルス幅変調を行わない出力を発生することができる。実際、 出力段は開ループ段として動作できる。 本発明の第２の側面においては、無線周波電力を発生するためのジェネレータ と、導電性の流体中に浸して利用される少なくとも１つの電極を有する電気外科 器具とを有する電気外科システムが提供されており、ここで、ジェネレータは少 なくとも１つの無線周波電力装置と、直列共振出力回路と、電力装置から無線周 波電力を受け取るように構成された少なくとも１対の出力接続部とを備えた出力 段を有しており、ジエネレータはさらに出力接続部間においてジェネレータに現 れる電圧を示す検出信号が所定の検出信号しきい値を越えると個々の無線周波サ イクル間における電力装置の導通時間を減少させるように作動可能な制御段を有 しており、それによって、導電性流体が蒸発したときに電極構造に送られる無線 周波電力が急速に減少するようになっている。電極構造は末端処置電極と、この 末端処置電極から基部側に間隔を置いて配置された液体接触電極とを有すること ができ、両電極は導電性液体によって取り囲まれた状態で利用されるものであり 、また各々対応する出力接続部対の一つに接続されており、制御段は末端処置電 極において導電性液体が蒸発したときに電力装置の減少時間を減少するように作 動する。電気外科器具は導電性液体中に浸すための並列配置された第１及び第２ の電極を有する電極構造を有していてもよく、第１及び第２の電極は器具の最も 末端の組織接触電極と、この組織接触電極から基部側に間隔を置いて配置された リターン電極とをそれぞれ形成する。 本システムはモード選択コントローラを利用することで、少なくとも組織乾燥 モードと、組織切断もしく蒸発モードとの間で切り替ることができる。この場合 、制御段は電極構造に供給される無線周波電力を自動的に調節して、ジェネレー タのピーク出力電圧を、乾燥モードが選択された場合には第１の値に、また切断 もしくは蒸発モードが選択された場合には少なくとも一つの第２の値に制限する ように作動する。ここで、第２の値は第１の値よりも大きくなっている。これら の第１及び第２の値はそれぞれ、150Ｖから200Ｖの範囲、及び250Ｖから600Ｖの 範囲であることが好ましい。これらの電圧はピーク電圧である。 モード選択コントローラを電力装置を駆動するジェネレータの発振器に接続し て、組織乾燥モードでは発振器の発信周波数が直列共振出力回路の共振周波数よ りも低くなり、一方組織切断或いは蒸発モードでは発信周波数が直列共振出力回 路の共振周波数よりも高くなるようにして、上記のようにそれぞれ比較的低いイ ンピーダンス及び比較的高いインピーダンスの改善された出力電力が得られるよ うにすることができる。 本発明の第３の側面によれば、電気外科器具に無線周波電力を供給するための 電気外科ジェネレータが提供され、このジェネレータは無線周波電力を器具に送 るための少なくとも１対の電気外科出力接続部を有する無線周波出力段と、無線 周波信号をこの出力段に送るための無線周波発振器と、前記出力接続部から送ら れた無線周波信号を表す検出信号を得るための検出手段を有する制御回路とを有 している。出力段は前記出力接続部に接続された直列共振出力回路を有しており 、この直列共振出力回路の共振周波数は発振器の作動周波数とは異なっている。 また、制御回路は送られてくる無線周波電力を制御するためのフィードバック信 号を提供する。 （図面の簡単な説明） 本発明を例示のために以下に図面を参照して説明する。図において、 図１は本発明による電気外科システムを示す図であり、 図２は組織の乾燥を行うための第１の電極アセンブリの部分図であり、使用中 で、導電性液体の中に浸されているところを示しており、 図３は導電性液体の中で使用されているときの、図２に示されているような電 極アセンブリによって生じる負荷インピーダンスの変動を、供給される出力電力 に対して示している負荷特性図であり、 図４は組織の蒸発を行うための第２の電極アセンブリの部分図であり、液体の 中に浸されて使用中の状態を示しており、 図５は発明のジェネレータの回路とブロックとの組合わせ図であり、 図６は波形図であり、 図７は図５のジェネレータの制御回路の一部を示すブロック図であり、 図８は乾燥モードで作動しているときのジェネレータに関する電力対負荷イン ピーダンスを示すグラフであり、 図９は組織の切断もしくは蒸発モードに適用される同様なグラフであり、 図１０は本発明の別の実施形態によるジェネレータの回路とブロックとの組合 わせ図である。 （発明の実施の形態） 本実施形態は電極を生理食塩液のような導電性液体媒体中に浸して行う二極電 気外科を構築することを意図したものである。電気外科はジェネレータと器具と を有するシステムを利用して実行される。この器具は２電極構造を有しており、 食塩液は処置される組織と電極の一方（以下”リターン電極”と称する）との間 の導体として作用する。他方の電極は組織に直接適用される。この他方の電極を 以下”アクティブ電極”と称する。 こうしたシステムが図１に示されている。ジェネレータ１０は出力ソケット１ ０Ｓを有している。出力ソケット１０Ｓは、接続コード１４を介してハンドピー ス１２の形の器具へ無線周波（ＲＦ）出力を供給する。ジェネレータ１０の駆動 は、コード１４中の制御接続部を介して、あるいはフットスイッチユニット１６ を用いてハンドピース１２から行われる。フットスイッチユニット１６は図に示 されているように、フットスイッチ接続コード１８によってジェネレータ１０の 後部へ別に接続されている。図に示されている実施形態においては、フットスイ ッチユニット１６は、それぞれジェネレータの乾燥モードと蒸発モードを選択す るために、二つのフットスイッチ１６Ａ、１６Ｂを有している。ジェネレータの フロントパネルにはブッシュボタン２０、２２が設けられており、ディスブレイ ２４に表示される乾燥と蒸発の電カレベルをそれぞれ設定するようになっている 。乾燥モードと蒸発モードを選択するための別の装置として、ブッシュボタン２ ６が設けられている。 ハンドピース１２には取り外し可能な電極アセンブリ２８が取り付けられてい る。電極アセンブリ２８は図２の部分図に示されているように、２電極構造を有 している。 図２は電極アセンブリ２８の末端部分の拡大図である。この電極アセンブリは 、その末端部分にアクティブ電極３０を有している。この実施形態においては、 アクティブ電極３０は中央部の導体３２へ接続された一連の金属フィラメントと して形成されている。フィラメントはステンレススチールから形成されている。 アクティブ電極３０の基部には、リターン電極３６が設けられている。リターン 電極３６は、長手方向かつ半径方向に広がる絶縁部材３４によってアクティブ電 極３０から離間されている。リターン電極３６は、内側の導体３２のまわりのス リ ーブ３８としてこれと共軸に配置されている。スリーブ３８は電極アセンブリ２ ８の近端部まで管状のシャフト４０として延びており、そこでハンドピース１２ の中で接続コード１４中の導体へ接続されている。同様に、内側の導体３２はハ ンドピースまで延びていて、接続コード１４中の導体へ接続されている。電極ア センブリ２８は絶縁用のシース４２を有している。シース４２はシャフト４０を 覆っており、絶縁部材３４の基部のところで終わっている。その結果、シャフト ４０の末端部分はリターン電極３６として露出された状態になっている。 乾燥装置として動作しているときには、電極アセンブリ２８は図２に示されて いるように、処置しようとする組織４４へ当てられる。手術箇所は通常の生理食 塩（0.9％ｗ／ｖ）溶液の中に浸される。ここでは、生理食塩溶液は電極アセン ブリ２８の末端部分を取り囲む液体の滴４６として描かれている。アクティブ電 極３０とリターン電極３６は両方ともこの液体に浸されている。 さらに図２を参照するとわかるように、アクティブ電極３０を形成している金 属フィラメントはすべて電気的に一体に接続されており、また電極アセンブリの 内側の導体３２へ電気的に接続されていて、一体化されたアクティブ電極を形成 している。絶縁部材３４は絶縁性のスリーブであり、その末端部分はアクティブ 電極３０の露出部分の基部の近傍で露出している。一般に、このスリーブはセラ ミック材料から形成されていて、アークによって損傷を受けないようになってい る。リターン電極３６は絶縁部材３４の端部に達しないところで終わっており、 アクティブ電極３０すなわち組織と接触している電極から半径方向かつ軸方向に 離間している。リターン電極の表面積は、アクティブ電極３０のそれよりもかな り大きい。電極アセンブリの末端部分においては、リターン電極の直径は一般に 1ｍｍから3ｍｍの範囲にある。リターン電極の長手方向に延びている部分、ある いは露出した部分は一般に1ｍｍから5ｍｍの範囲であり、アクティブ電極からの 長手方向の間隔は一般に1mmから5ｍｍの間の範囲である。 実際には、電極アセンブリは２極性であり、電極の一方（３０）だけが実際に はユニットの末端部分まで延びている。このことは、通常の環境においては、リ ターン電極３６は処置しようとする組織から離間されたままであることを意味し ている。そして、二つの電極の間には、組織と、リターン電極３６と接触してい る導電性液体とを介して電流経路が形成される。 ２極性の電気外科エネルギの供給に関する限り、導電性液体４６は低インピー ダンスの組織の延長と見なすことができる。ジェネレータ１０によって発生され る無線周波電流は、組織４４とこれを浸す導電性液体４６とを介して、アクティ ブ電極３０とリターン電極３６の間を流れる。図２に示されている特定の電極配 置が組織乾燥に最も適している。 電極の間が半径方向だけでなく長手方向にも離間されているために、電極の両 方とも組織と接触する従来の２極性構造におけるスペースの狭さを避けることが できる。その結果、絶縁表面に望ましくないアークが発生する危険性が小さくな る。このため、乾燥処置を行うために比較的大きな電力を用いることが可能にな る。また、組織の切断や蒸発の場合には、電極間の絶縁破壊につながる可能性の ある過剰なアークを避けることになる。 生理食塩溶液は、器具１２の一部を形成する導管（図示されていない）から供 給される。従って、この発明は、導電性の液体媒体の中に浸された組織を処置す るための電気外科用システムの形を有しており、ハンドピースとシャフトとを有 する電気外科器具と、電気外科器具のシャフトの端部に設けられた電極アセンブ リとからなっている。電極アセンブリは、器具の末端部分において露出されてい て組織へ接触する電極と、この組織接触電極から電気的に絶縁されているリター ン電極とからなっている。リターン電極は、組織接触電極の露出された部分から 基部の方へ離間されている流体接触表面を有している。このシステムはさらに、 器具の電極アセンブリへ接続された無線周波ジェネレータと、生理食塩溶液など の導電性流体のための貯蔵容器と、貯蔵容器から電極アセンブリの部分まで液体 を供給するために設けられた一般に内視鏡と一体化されている導管とを有してい る。液体を供給するための圧力は、装置の一部を形成するポンブによって提供さ れる。 電極アセンブリ２８のこの実施例においては、アクティブ電極３０はステンレ ススチールのフィラメントによってブラシ形状に形成されているために、電極は 可撓性を有しており、電極を組織表面へ押し当てる角度には比較的関係なく、再 現性のよい組織効果を得ることができる。また、アクティブ電極３０が可撓性を 有することから、印加圧力に応じてアクティブ電極の接触面積が変わり、組織表 面上での乾燥の広さを変えることができるため、処理時間を減らすことができる 。 乾燥は、アクティブ電極３０と導電性液体４６との間を、アクティブ電極３０ の真下及びそれを取り囲む領域内で組織４４の外側層を介して無線周波電流が流 れることによって行われる。ジェネレータの出力インピーダンスは、電極アセン ブリが図２に示されているような形で使用され両方の電極が導電性液体４６と接 触しているときには、電極アセンブリの負荷インピーダンスと同じレベルに設定 される。乾燥を行うときにこの整合した状態を維持するために、ジェネレータの 出力電力は以下で説明するようにして自動的に制御される。すなわち、アクティ ブ電極３０に大きな寸法の蒸気バブルがほとんど発生しないようにすることによ って、負荷インピーダンスが増大しないようにする。このように、アクティブ電 極は絶えず導電性液体によって湿った状態にされ、組織の水分は熱的な乾燥によ って取り除かれる一方で、インピーダンスは導電性液体が沸騰し始める点に対応 した上限に達する。その結果、このシステムは、望ましくない組織効果につなが る導電性液体の望ましくない蒸発を引き起こすことなく、乾燥を行うために大き な電カレベルを供給することができる。 ここで、アクティブ電極３０とリターン電極３６を導電性液体４６の中に浸し たときの電極アセンブリの電気的挙動を、図３のグラフを参照しながら考察する 。 電力を最初に加えたとき、ジェネレータには初期の負荷インピーダンスｒが現 れる。この負荷インピーダンスは、電極の幾何学的な形状や、導電性液体の導電 率によって決まる。ｒの値は、アクティブ電極が組織へ接触すると変わる。ｒの 値が大きくなればなるほど、導電性液体が蒸発する傾向は大きくなる。電力が組 織や導電性液体の中で消失するにつれて、導電性液体の温度は上昇する。生理食 塩溶液の場合には、導電率の温度係数は正であり、従って対応するインピーダン ス係数は負であり、その結果、最初はインピーダンスは低下する。従って、図３ の曲線は供給電力が増大するにつれて負荷インピーダンスが低下することを示し ている。インピーダンスは点Ａを通って点Ｂにおける最小値まで低下する。そし て、この点において、電極に直接接触している生理食塩溶液は沸点にまで達する 。このとき、アクティブ電極の表而には小さな蒸気の泡が形成され、インピーダ ン スは、点Ｂから点Ｃまで上昇する曲線で表されているように上昇し始める。従っ て、いったん沸点に達すると、この装置は、インピーダンスの、電力に対する係 数は正の大きな値を示す。 蒸気の泡が形成されるにつれて、生理食塩溶液と境界を接している残りのアク ティブ電極（アクティブ電極の蒸気の泡によって覆われていない露出した領域） における電力密度は増大する。これによって、界面はさらにストレスを受け、よ り多くの蒸気泡が発生し、従って電力密度はより大きくなる。これはランナウェ イ（runaway）状態であり、電極が蒸気によって完全に覆われたときに平衡点に 達する。従って、与えられた変数の組に対して、この新たな平衡が達成される点 Ｃに対応した電力しきい値が存在する。 上述したことを考慮すると、図３における点Ｂと点Ｃとの間の領域は、達成可 能な乾燥電力の上限を表していることがわかろう。 電極を包み込む蒸気のポケットが形成されると、図３において点Ｄで示されて いるようにインピーダンスは約1ｋΩまで上昇する。実際のインピーダンスの値 は、多くのシステム変数に依存する。このとき、蒸気は、アクティブ電極と蒸気 ／生理食塩溶液との境界の間のポケットを横切る放電によって維持される。 この状態が、別形態の電極アセンブリ２８Ａを示している図４に描かれている 。電極アセンブリ２８Ａは、図２の実施例におけるブラシ状のアクティブ電極３ ０のかわりに、半球状あるいはボール状のアクティブ電極３０Ａを有している。 以前と同様に、間に絶縁部材３４Ａを介してリターン電極３６Ａがアクティブ電 極３０Ａから基部の方へ離間した状態で設けられている。ボール電極は組織の蒸 発を行うのに適している。 いったん蒸発の平衡状態になると、図４において参照番号５０で表されている 蒸気ポケットは、アクティブ電極３０Ａと、蒸気と生理食塩溶液との境界との間 の蒸気ポケットを横切る放電５２によって維持される。電力の消失の大部分はこ のポケットの中で起き、その結果、アクティブ電極が加熱される。この導電にお けるエネルギ消失の大きさは、供給される電力の関数である。図３からわかるよ うに、点線で描かれている境界線で示されている蒸発モードは、蒸気ポケットを 形成するのに必要な電力レベルよりもずっと低い電力レベルで維持することがで きる。従って、インピーダンス／電力特性はヒステリシスを有している。いった ん蒸発モードが確立されると、点Ｄの両側に延びる斜め特性の部分によって示さ れているように、電力レベルの比較的広い範囲にわたって、このモードを維持す ることができる。しかし、供給される出力電力を点Ｄで表されているところを越 えて増大させると、電極の温度は急激に上昇し、電極に損傷を与える可能性があ る。蒸気ポケットを破壊し、乾燥モードへ戻すには、電力を大きく減らして点Ａ まで戻し、アクティブ電極と生理食塩溶液との間が再び直接接触するようにし、 インピーダンスを大きく低下させる必要がある。アクティブ電極における電力密 度も低下し、その結果、生理食塩溶液の温度は沸点以下まで低下し、このとき電 極は再び安定した乾燥平衡状態になる。 以下で説明するジェネレータは、乾燥モードと蒸発モードの両方を維持できる 性能を有する。一般に図２及び図４に描かれている電極アセンブリはどちらのモ ードでも使用が可能であるが、図２のブラシ電極はそれが覆うことのできる面積 が大きいことから乾燥モードに適しており、図４のボール電極はアクティブ電極 とリターン電極の表面積比が小さいことから蒸発モードに適している。図４から わかるように、蒸気ポケット５０が組織表面と交差すると、組織の蒸発が起きる 。このとき、電極アセンブリは短い距離（一般に1ｍｍから5ｍｍ）だけ組織表面 から上方へ離間されて保持されていることが好ましい。 供給電力が図３において点Ｃで表されているレベルにまで達すると発生するラ ンナウェイ状態は、ジェネレータが大きな出力インピーダンスを有している場合 には、さらにひどくなる。なぜなら、そのときには出力電圧が突然上昇するから である。電力の消失が大きくなり、アクティブ電極３０のまわりに冷却用の液体 が存在しない場合には、電極の温度は急激に上昇し、その結果、電極が損傷を受 ける。また、このことによって、必要とされる乾燥ではなくて、制御不能な組織 破壊が引き起こされることになる。このため、ジェネレータは、湿った状態のと きに電極の負荷インピーダンスと少なくともほぼ整合した出力インピーダンスを 有していることが好ましい。 ここで説明するジェネレータの実施形態は、望ましくない細胞破壊をほとんど 生じることなく行える乾燥電気外科と、電極の燃焼をほとんど生じることなく行 える電気外科切断あるいは蒸発の両方が可能である。主に、導電性液体からなる 膨張媒体中における手術を意図しているけれども、例えば、気体からなる膨張媒 体を用いた電気外科や、負荷インピーダンスが急激に変化する可能性のある電気 外科など、他の場合にも適用が可能である。 次に図５を参照すると、ジェネレータは無線周波（ＲＦ）発振器６０を有して いる。発振器６０は約400ｋＨｚ前後で動作する。300ｋＨｚから上のＨＦレンジ までの任意の周波数を用いることができる。発振器６０は２つの供給レールＶs 及び０Ｖとの間にブッシューブル配置(push-pull arangement)で接続された２つ のパワー電界効果トランジスタ（MOSFET）Ｔ１及びＴ２を有する電力出力段６２ を駆動する。電力供給レールは電力供給段６４によって駆動されている。 トランジスタＴ１及びＴ２はスイッチングモードにおいてパルス幅コントロー ラ６４によって駆動され、このパルス幅コントローラ６４それ自身は発振器６０ によって駆動される。従って、トランジスタＴ１及びＴ２は各々ＲＦ発振器６０ の各サイクル間において一つのゲーティングパルスを受け取る。ゲーティングパ ルスはトランジスタＴ１が発振器の一方の極性の半パルスの間にスイッチングし 、一方、トランジスタＴ２は反対側の極性の半パルスの間にスイッチングするよ うにタイミング設定されており、またゲーティングパルスの幅は必要な出力電力 に応じて制御される。 トランジスタＴ１及びＴ２で示した２つの電子スイッチ間の接続部にはコンデ ンサCrとインダクタLrとを有する直列出力共振回路が接続されている。これらの ２つの部品の直列共振周波数は約400KHzであるが、一般には発振器６０の作動周 波数とは異なっている。コンデンサCrとインダクタLrとの間の接続部には接続コ ンデンサCcを介して出力絶縁トランス６５の一次巻線の一端が接続されており、 このトランス６５はジエネレータの出力端子６６，６８を有している。一次巻線 の他端は供給レールの一方、本実施形態ではアースに接続された０Ｖの供給レー ル、に連結されている。連結コンデンサCcはコンデンサCrよりも小さい容量を有 している。 直列共振回路Cr及びLrはスイッチに直接接続されており、並列共振回路のよう な第２の直列共振回路は介在されていないので、スイッチに現れる負荷インピ ーダンスは（励振周波数に対する変動を考えた場合）直列共振回路の共振周波数 においてはっきりとした最小値を示す。 トランジスタＴ１及びＴ２の電源側及びドレン側接続部と並列して、対応する エネルギー回収ダイオードＤ１及びＤ２が接続されている。 上記方式のトランジスタＴ１，Ｔ２のスイッチングによって、これらのトラン ジスタ間の接続部６５に図６に示した波形を有するＲＦ励起電圧が加えられる。 すると、２つの直列共振回路部品Cr及びLrの接続部に対応するサイン波形が生じ 、この波形の振幅は発振器の周波数と共振回路の周波数との差と、出力端子６６ 及び６８間に接続された負荷７０のインピーダンスとに依存する。 出力端子６６及び６８の間には、”オン”時間コントローラ７４に接続された 出力７２Ａを有する電圧しきい値検出器７２が接続されている。 ジェネレータの作動において、外科医がハンドピースに設けられた起動スイッ チ装置或いはフットスイッチ（図１参照）を作動させることによって電気外科電 力が要求されると、電力が電力供給装置６４に与えられる。ジェネレータのフロ ントパネルにおける制御設定（図１参照）によって、一定の出力電圧しきい値を 入力７２Ｂを介して供給電力とは別個に設定できる。一般に、乾燥もしくは凝固 のためには、しきい値は１５０ボルトと２００ボルトの間の乾燥しきい値に設定 される。切断もしくは蒸発出力が必要な場合には、しきい値は２５０或いは３０ ０ボルト〜６００ボルトの範囲の値に設定される。なお、これらの電圧値はピー ク値である。これらがピーク値であるということは、乾燥用には、電圧が所定の 値でクランプされる以前に最大電力が与えられるような低い波高率の出力ＲＦ波 形を有することが少なくとも好ましいことを意味している。一般には１．５もし くはそれ以下の波高率が得られる。 ジェネレータを最初に駆動したとき、パルス幅コントローラ６４の制御入力６ ４１（”オン”時間コントローラ７４へ接続されている）の状態は”オン”であ る。従って、出力段６２を構成するトランジスタＴ１及びＴ２は各々、発振器出 力の全半サイクルである各発振サイクル間の最大導通時間の間オンにスイッチン グされる。供給電力が十分に大きいと仮定すると、電気外科器具の電極を取り囲 む液体媒体の温度（或いはガス媒体内の温度もしくは組織に含まれている液体の 温度）は液体媒体が蒸発する程度にまで上昇し、それによって負荷インピーダン スが急激に増加し、端子１２間に印加される出力電圧が結果として急激に増加す る。これは、乾燥出力が必要な場合には望ましくない状態である。このため、乾 燥出力に対するしきい値電圧は、しきい値に達成したときに、”オン”時間コン トローラ７４へトリガ信号が送られるように設定されている。”オン”時間コン トローラ７４は、コントローラ６４によって生じるゲーティングパルスの幅を事 実上瞬時に減少させて、ＲＦスイッチング装置Ｔ１及びＴ２の”オン”時間を事 実上瞬間的に減少させる働きを有している。 発振器６０の個々のサイクルにおける装置Ｔ１及びＴ２の”オン”時間の引き 続き行われる制御は図７に示した”オン”時間コントローラ７４の内部回路構成 を考慮すれば理解されるであろう。この回路は、ＲＦの鋸歯状波形発生器８０（ 発振器からの同期信号によってＲＦ発振周波数と同期されて同期入力７４１に印 加される）と、ランプ波形発生器８２とを有している。ランプ波形発生器８２は 、設定されたしきい値電圧に達するとしきい値電圧検出器７２（図５参照）の出 力７２Ｂから発生されるリセットパルスによってリセットされる。このリセット パルスは上述したトリガ信号である。”オン”時間コントローラ７４はさらに、 コンパレータ８４を有している。コンパレータ８４は、鋸歯状波形発生器８０と ランプ波形発生器８２によって発生される鋸歯状電圧及びランプ電圧を比較して 方形波制御信号を発生し、この方形波制御信号はパルス幅コントローラ６４の入 力６４１へ加えられる。図７の波形図に示されているように、鋸歯状波形及びラ ンプ波形の特性のために、コントローラ６４へ加えられる方形波信号のマーク対 スペースの比は、各リセットパルスのあと徐々に増加する。この結果、出力電圧 が、設定されたしきい値電圧に達したことを検出して”オン”時間が事実上瞬間 的に減少したあと、ＲＦ発振器の”オン”時間はもとの最大値まで徐々に増大し ながら戻っていく。このサイクルは、電極を取り囲む液体の温度が蒸発がもはや 生じないような温度に低下するまで継続して繰り返される。 ジェネレータの出力電圧は、動作モードにとって重要である。実際、出力モー ドは、出力電圧、詳しくはピーク出力電圧だけで決まる。出力電圧の絶対測定は 、多重制御を行う場合にしか必要とされない。しかし、単純な単一制御（すなわ ち、 一つの制御変数を用いる）をこのジェネレータに使用して、出力電圧を予め決め られたリミット電圧内に閉じ込めることが可能である。従って、図５に示されて いるしきい値電圧検出器７２は、ＲＦピーク出力電圧を、予め設定されたＤＣし きい値レベルと比較する。しきい値電圧検出器６８は十分に速い応答時間を有し ており、ＲＦの半サイクルのうちに、”オン”時間コントローラ７４に対するリ セットパルスを発生する。 共振出力回路がトランジスタＴ１及びＴ２を共振周波数近傍の周波数でスイッ チすることによって励起されると、トランジスタＴ１とＴ２との間の接続部にお ける電圧の振幅が供給電圧以上になり得る。このような状態で両トランジスタを オフに切り替えると、ダイオードＤ１、Ｄ２がエネルギーを共振回路から供給側 に回収する。プッシュ−プル回路を波形の半分以下で切り替えることによって、 中間レベルでの励起が可能であり、この場合、オン時間は励起をもたらし、オフ 時間は電力回収と減衰をもたらす。 ジェネレータの動作をさらに詳しく考察するまえに、図３のインピーダンス／ 電力特性を再び参照する方がよい。最も臨界的な制御しきい値は、乾燥を行って いるときに使用できるものである。アクティブ電極のところに形成される蒸気の 泡は非導電性であるため、電極と接触したままである生理食塩溶液はより高い電 力密度を有しており、その結果、蒸気を形成する傾向はさらに強くなる。この不 安定性のために、アクティブ電極のところにおける電力密度がランナウェイ状態 で増大することによって、同じ電力レベルで蒸発モードへの移行が起きる。この 結果、アクティブ電極近傍のインピーダンスが上昇する。電力吸収が最大になる のは、蒸気の泡が形成される直前の電極状態に一致する。なぜなら、これは、電 力が最大限に分布しており、湿った電極領域が最も大きい状態に一致しているか らである。従って、最大の乾燥電力を得るには、電極は湿った状態のままである ことが望ましい。電圧限界検出を行うと電力が減少し、これによって蒸気の泡は 破壊され、次にこれによってアクティブ電極が電力を吸収する能力が増大する。 このため、この明細書に述べられているジェネレータには、大きなオーバーシュ ートを有する制御ループが設けられている。ピーク電圧が予め決められたしきい 値に達することによりなされるフィードバックによって、しきい値電圧検出器７ ２によって設定されたピーク出力電圧レベルよりもずっと低いレベルまでピーク 電圧レベルを低下させることによって、電力が瞬間的に大きく低下させられる。 この制御オーバーシュートによって確実に、必要とする湿った状態へ戻る。 図５、図６及び図７を参照して説明したジェネレータにおいては、しきい値電 圧検出に応答する電力低下は直列共振出力回路に供給されるＲＦエネルギーの瞬 時の低下によって行われる。 好ましい実施形態においては、瞬間的な電力の低下は、ＤＣ電源から利用可能 な電力の少なくとも四分の三（あるいは少なくとも少なくとも半分の電圧）好ま しくはそれ以上の電圧だけ行われる。従って、ＲＦ段自身において高速の応答が 実現される。 一般的な乾燥時の出来事として、出力電圧は、しきい値電圧に到達するまで負 荷インピーダンスの増大とともに増加する。そして、しきい値電圧に到達したと ころで、上述した発振器の”オン”時間の瞬間的な減少が生じる。これによって 、ＲＦ出力電圧の急激な低下が引き起こされ、そのあとこれも上述したように、 出力電圧は徐々に増大する。出力電圧がしきい値電圧に再び達すると、発振器の ”オン”時間が再びその最大値にまで達し、次いで徐々に増大する。従って、出 力電圧波形は前のパターンを繰り返す。さらにもう一度しきい値電圧に達すると 、手術箇所における状態が変わって蒸気がもはや形成されなくなるまで、出力電 圧は再び瞬間的に低下し、”オン”時間は再び増加する。 このとき、コントローラ７４及び７６（図５）は劇的に動作して、出力電圧を 十分に急速に、かつ十分な程度にまで制御して、アークによる組織破壊を生じる ことなく、いまの場合には乾燥に必要なレベルに符号したレベルに電圧を維持す る。別のしきい値電圧を用いて同じ方法を使って出力電圧を制限し、電極のバー ニング及び／あるいは過剰な組織蒸発を防止することができる。後者の場合には 、電圧の限界を、250ボルト（好ましくは300ボルト）から600ボルトの間のレベ ルに設定される。 蒸発モードのときにはアクティブ電極のところの電力密度が大きいために、供 給電力のほとんどの部分は電極の近傍で消失する。蒸発モードのときには、生理 食塩溶液ができる限り加熱されず、しかしアクティブ電極の蒸気の境界に侵入す る組織は蒸発されることが好ましい。蒸発モードにおいては、図４を参照して上 述したように、蒸気は蒸気ポケットの内部のアークによって維持される。蒸発を 行っているときに出力電圧を増加させると、蒸気ポケットの寸法が大きくなるた めに組織除去の容積は増える。周囲の生理食塩溶液中における電力の消失が大き いために起こる壊死が大きいことから、組織蒸発のときの蒸気ポケットの破壊は 大きな影響を与える。蒸気ポケットの破壊は、以下のようにして防ぐことができ る。まず、蒸発モードにおける電極インピーダンスを、インピーダンスに関して 器具を不整合状態にする。この結果、共振出力回路のＱは高くなり、出力電圧は 低い負荷インピーダンスにおけるときほど急激に変化しない。また、アクティブ 電極は、長い時間にわたって蒸気ポケットを維持する十分な熱容量を有するよう にする。 望ましいことではない蒸気ポケットの寸法の増大は、蒸気モードのときのピー ク出力電圧を制限することによって防止することができる。これは、蒸発モード のときにはしきい値電圧検出器７２（図５を参照のこと）に対して異なるしきい 値を代入することによって簡単に行うことができる。 この発明による好ましいジェネレータにおけるしきい値電圧検出器７２と、” オン”時間コントローラ７４（図５に示されている）の回路は本出願人による共 に係属中の欧州特許出願第９６３０４５５８．８号に記載され、図示されたもの と同様である。 上記したように、異なるしきい値電圧を一方では乾燥に、他方では切断あるい は組織蒸発に適用できる。従って、ジエネレータは図５に示すようなモード選択 コントローラ８６を有している。実際上、このコントローラはマイクロプロセッ サコントロールシステム（図示しない）の一部であり、ハンドピース或いはフッ トスイッチによる設定に応じた出力を生成する。つまり、乾燥出力のためには、 モード選択コントローラは入力７２Ｂを介してしきい値検出器７６のしきい値電 圧を第１の値に設定する。一方、切断或いは蒸発のためには、これとは異なるよ り高いしきい値が設定される。ＲＦ発振器の周波数を乾燥が必要かそれとも切断 ／蒸発が必要かに応じて異なる値に設定することによって良好な結果を得ること ができる。つまり、乾燥のためには、モード選択コントローラは制御入力６０１ を介してＲＦ発振器に対して、発振器の周波数を直列共振組Cr及びLrの共振周波 数以下に設定するような、周波数制御信号を送る。切断或いは組織蒸発が必要な 場合には、ＲＦ発振器は逆に共振周波数よりも高い周波数に設定される。周波数 を低くすることによって、電カーインピーダンス特性を変化させて、乾燥時にお けるような低いインピーダンスで利用できる電力を増加させる効果が得られる。 発振器の周波数を高くすることによって、電力−インピーダンス特性曲線を平坦 化する効果が得られ、これは浸した液体が蒸発する時のような高いインピーダン スに好都合である。これらの電力／負荷インピーダンスの変化が図８及び図９に 示してあり、これらの図において、fE及びfrは励起（すなわち発振器の）周波数 と共振周波数とをそれぞれ表している。 乾燥及び切断状態との間を絶えず変更すること、すなわちしきい値の位置を変 更することによって、混合モードを利用できる。 図５を参照して上記で説明したジェネレータの変形例として、図１０に示すよ うなブリッジ回路構造のスイッチング手段を備えた出力段を有する構造が利用で きる。この場合、スイッチング装置は４つのパワー電界効果トランジスタ(MOSFE T)を有し、これらは２つのトランジスタを２対で配列して構成され、各トランジ スタ対はプッシュ−プル構造で配置されいる。第１の対は図１０においてトラン ジスタＴ３及びＴ４として、第２の対はトランジスタＴ５及びＴ６として示され ている。コンデンサCrとコンダクタLrとからなる直列共振出力回路は２つのブッ シューブル対Ｔ３，Ｔ４及びＴ５，Ｔ６の各接続部間に接続されており、これら のトランジスタ対がパルス幅及び位相コントローラ６４によって、反対位相で駆 動されると、無線周波電力信号が直列組Cr.Lrの両端間に加えられる。図５のジ ェネレータの場合と同様、電気外科器具への出力は連結コンデンサCc及び絶縁ト ランス６５を介してインダクタLrの両端から取り出され、変成された無線周波出 力電圧が電気外科負荷７０の接続のための端子６６，６８に現れるようになって いる。その他の点においても、この変形例のジェネレータは図５を参照して説明 したものと同様であり、図１０及び図５においては共通の部材には共通の参照番 号が利用されている。直列共振回路Cr,Lrの両端間に発生する電圧波形は一般に 図５のジェネレータで発生すると同様な波形、すなわち図６に示した波形を有 している。しかしながら、本変形例のジェネレータの場合には、スイッチングト ランジスタＴ３〜Ｔ６を駆動する回路６４に位相制御機能を与えているため、各 対Ｔ３，Ｔ４及びＴ５，Ｔ６に加えられる駆動信号間の位相差を１８０°の最大 値から少なくして、出力電力を減少させることができる。これによって、出力電 力を変動させるための付加的な変数がもたらされる。実際、位相差は必要に応じ て出力電力がゼロになる程まで減少させることができ、これは電力減少のための 付加的な手段として利用するというよりも、例えば電力供給回路６４から得られ る供給電力Vsを常に一定に維持できることを意味している。 要約すると、次いで器具電極を取り囲む導電性液体が蒸発したときには、トラ ンジスタの”オン”時間を減少することのみならず、２つのトランジスタ対間の 相対的な位相が１８０°よりも小さくすることによって、上記のブリッジ回路構 造によって急激な電力減少を得ることができる。出力電力減少のための付加的な 手段として、ＲＦ発振器６０の励起周波数をコンデンサＣｒとインダクタＬｒか らなる直列組によって規定される共振周波数からさらに遠ざけることもできる。 全般的な見地から言うと、ここでは導電性流体内に浸して利用される２つの電 極を有する電極アッセンブリを有する電気外科システムのための無線周波ジェネ レータが提供されている。このジェネレータは供給された無線周波出力電力を、 所定のしきい限に達したピーク無線周波出力電圧の多くとも数サイクル以内に少 なくとも５０％だけ、急激に減少させるためのコントロール回路を有している。 このため、組織の凝固を例えば食塩溶液中で多量の蒸気を発生させることなく行 うことができる。同様なピーク電圧制限テクニックを組織蒸発或いは切断モード に利用することで電極部位における蒸気ポケットのサイズを制限しまた電極の燃 焼を回避することができる。ジェネレータは、直列共振出力回路を有するプッシ ュ−プル出力段を有しており、この出力段は無線周波発振器によって、通常は、 共振出力回路の共振周波数と異なる周波数で駆動される。プッシュ−プル出力対 を構成するスイッチングトランジスタのオン時間を変えることにより、また励起 周波数と共振出力回路の共振周波数との間の周波数間隔を変えることによって、 電力制御を行うことができる。別の実施形態においては、２つのブッシュ−プル 出力対を利用したブリッジ回路構造が利用され、これによって、さらなる電力制 御変数、すなわち各トランジスタ対への駆動信号の相対的な位相、が与えられる 。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年１２月２４日（１９９８．１２．２４） 【補正内容】 １５．前記連結キャパシタンス及び前記直列共振回路の構成部品の値は、発振周 波数と共振周波数との差が1/4(Ccfr/Cr)と(Ccfr/Cr)との間の値になるように設 定されており、ここで、Ccは連結キャパシタンス、Crは直列共振回路のキャパシ タンス、frは共振周波数である、請求項１４及び請求項７のいずれかのジェネレ ータ。 １６．前記出力段は前記直列共振回路から前記電力供給装置へエネルギーを回収 するようエネルギー回収ダイオードを有している請求項１〜１５のいずれかのジ ェネレータ。 １７．前記ダイオードは前記スイッチの両端に接続されている請求項９及び１６ のいずれかのジェネレータ。 １８．切断或いは蒸発のためには前記発振器の動作周波数を前記共振周波数より も高く調整し、一方、乾燥のためには前記発振器の動作周波数を前記共振周波数 よりも低く調整するためのモード選択手段を有する請求項１４もしくは１５のジ ェネレータ。 １９．前記制御回路は電力減少手段として、前記発振器の動作周波数を前記共振 周波数とは異なる値に変動させるための手段を有している請求項１４〜１８のい ずれかのジェネレータ。 ２０．無線周波電力を発生するためのジェネレータと、導電性液体内に浸して利 用させる少なくとも１つの電極を有する電気外科器具とを有する電気外科システ ムであって、前記ジェネレータは少なくとも１つの無線周波電力装置を有する出 力段と、直列共振回路と、前記電力装置から無線周波電力を受け取るように配置 された少なくとも１対の出力接続部とを有しており、該出力接続部対の一方は前 記電極に接続されており、前記ジェネレータはさらに制御段を有し、該制御段は 前記出力接続部の両端のピーク出力電圧が所定の検出信号しきい値を越えたこと を示す検出信号に応答して、個々の無線周波サイクル間における前記電力装置の 導通時間を減少させるように動作でき、それによって、導電性液体が蒸発した時 に前記電極に供給される無線周波電力を急激に減少させることができる電気外科 システム。 ２１．前記電極は突出状の処置電極と、該処置電極から隔てられた液体接触電極 とを有しており、これらの両電極は導電性液体によって取り囲まれて利用される ものであり、また各々前記出力接続部対の対応する一方に接続されており、前記 制御段は前記処置電極の箇所の導電性液体が蒸発した時に前記電力装置の導通時 間を減少させて、前記処置電極の箇所において生じた泡を崩壊させかつ電気負荷 インピーダンスを減少させるように作動できる請求項２０のシステム。 ２２．前記電気外科器具は導電性液体内に浸すための並列配置された第１及び第 ２の電極を有する電極構造を有しており、該第１及び第２の電極は器具の末端に おける組織接触電極と該組織接触電極から基部側に隔てられたリターン電極とを それぞれ形成する請求項２１のシステム。 ２３．前記電力装置と前記出力接続部との間に接続された直列共振回路は前記ジ ェネレータの動作周波数とは異なる共振周波数を有している請求項２１もしくは ２２のシステム。 ２４．少なくとも乾燥モードと組織切断或いは蒸発モードとで作動可能であり、 前記ジェネレータはモード選択コントローラを有しており、前記制御段は前記電 極構造に供給される無線周波電力を自動的に調整して、ジェネレータのピーク出 力電圧が、前記乾燥モードが選択された時には第１の値に制限され、また前記切 断或いは蒸発モードが選択された時には少なくとも１つの第２の値に制限される ように作動でき、前記第２の値は前記第１の値よりも高い値である、請求項２０ 〜２３のいずれかのシステム。 ２５．前記第１及び第２の値はそれぞれ１５０Ｖ〜２００Ｖ及び２５０Ｖ〜６０ ０Ｖの範囲内にあり、またこれらの値はピーク電圧である請求項２３のシステム 。 ２６．少なくとも乾燥モードと組織切断或いは蒸発モードとで作動可能であり、 また、前記電力装置を駆動するための無線周波発振器を有しており、前記ジェネ レータは前記発振器に接続されたモード選択コントローラを有しており、該モー ド選択コントローラは前記切断或いは蒸発モードにおいては前記発振器の発振周 波数が前記共振出力回路の共振周波数よりも高くなり、乾燥モードにおいては前 記発振器の発振周波数が共振周波数よりも低くなるように調整する請求項２０〜 ２３のいずれかのシステム。 ２７．無線周波電力を電気外科器具に供給するための電気外科ジェネレータであ って、無線周波電力を前記器具に送るための少なくとも１対の電気外科出力接続 部を有する無線周波出力段と、無線周波信号を前記出力段に供給するための無線 周波発振器と、制御回路とを有しており、該制御回路は前記出力接続部から送ら れる無線周波信号を表す検出信号を得るための検出手段を有しており、前記出力 段は前記出力接続部に接続された直列共振出力回路を有しており、該共振出力回 路の共振周波数は前記発振器の動作周波数とは異なっており、前記制御回路は送 られる無線周波電力を制御するためのフィードバック信号を与える電気外科ジェ ネレータ。 ２８．前記出力段はプッシュ−プル出力段であり、前記制御回路は前記出力段の 一部を構成する１つもしくは複数の半導体デバイスのオン時間を動作周波数とは 独立して変えるように作動できる請求項２７のジェネレータ。 ２９．前記検出手段は前記出力接続部の両端に生じた無線周波ピーク出力電圧を 表す検出信号を得るように構成されている請求項２７もしくは２８のジェネレー タ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，Ｍ Ｗ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，Ｅ Ｓ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，Ｍ Ｎ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ， ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，Ｚ Ｗ 【要約の続き】 形態において、２つのプッシュ−プル対を利用したブリ ッジ回路が利用され、これによって電力制御変数として 駆動信号の対応するトランジスタ対に対する相対的な位 相がさらに得られる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．電気器具に無線周波電力を供給するための電気外科用ジェネレータであって 、無線周波電力を前記器具に供給するための少なくとも一対の出力ラインを有す る無線周波出力段と、この出力段へ接続されて出力段へ電力を供給する電力供給 装置と、制御回路とを有し、該制御回路が、前記出力ラインの両端に現れる無線 周波ピーク出力電圧を表す検出信号を得るための検出手段を有し、前記出力段が 、前記出力ラインへ接続された直列共振出力回路と、この共振出力回路へ接続さ れたスイッチング手段とを有し、前記制御回路が、前記検出信号の所定の状態に 応じて前記スイッチング手段のスイッチング間隔を変えることによって、供給さ れる無線周波電力を減らすように動作できるジェネレータ。 ２．前記直列共振出力回路がインダタタンスとキャパシタンスとの直列組を有し ていて、これらの直列組の両端においてスイッチングされた無線周波出力波形が 生じるように、前記スイッチング手段に接続されており、当該ジェネレータの前 記出力ラインが前記共振出力回路に接続されて、前記インダクタンス及びキャパ シタンスの両端において生じる無線周波電圧を受け取る請求項１のジェネレータ 。 ３．前記出力ラインは前記インダクタンスの両端に生じる無線周波電圧を受け取 るように接続されている請求項２のジェネレータ。 ４．前記直列組は前記スイッチング手段とアース接続部もしくは前記電力供給装 置の一対の供給レールの一方との間に接続されており、当該ジェネレータの前記 出力ラインの一方は前記インダタタンスと前記キャパシタンスとの間の接続部に 接続されている請求項２のジェネレータ。 ５．前記キャパシタンスは前記スイッチング手段と前記接続部との間に接続され ており、前記インダクタンスは前記接続部と前記供給レールの一方のアース接続 部との間に接続されている請求項４のジェネレータ。 ６．前記スイッチング手段はブリッジ構造で接続された半導体スイッチデバイス を有しており、前記直列組は前記スイッチング手段の互いに反対位相のノードの 間に接続されている請求項２のジェネレータ。 ７．前記直列共振回路と前記出力ラインの一方との間の信号経路に接続された直 列連結キャパシタンスを有している請求項２〜６のいずれかのジェネレータ。 ８．前記連結キャパシタンスは前記直列共振組のキャパシタンスよりも小さな値 のものである請求項７のジェネレータ。 ９．前記スイッチング手段は前記電力供給装置の供給レール対間にプッシュ−プ ル配置で接続された一対の電子スイッチを有しており、前記直列共振出力回路は 前記電子スイッチ間の接続部に接続されている請求項１〜８のいずれかのジェネ レータ。 １０．前記スイッチング手段はブリッジ構造で２対の電子スイッチを有しており 、これらの各対は前記供給レール間にプッシュ−プル直列配置で接続されており 、前記直列共振出力回路は一方の対のスイッチと、他方の対のスイッチ間の接続 部との間に接続されており、前記２対のスイッチはそれぞれ互いに反対の位相で 駆動されるようになっている請求項９のジェネレータ。 １１．前記スイッチング手段は前記共振出力回路を通じて無線周波数で電流を繰 り返しスイッチングするように接続されており、前記制御回路は前記スイッチン グ手段に接続されて、供給出力電力が所定の無線周波ピータ出力電圧しきい値に 達してから１００μｓ以内に少なくとも５０％減少させるように、前記スイッチ ング手段の無線周波数のデューティーサイクルを十分急激に減少させる構成とな っている請求項１〜１０のいずれかのジェネレータ。 １２．前記スイッチング手段は前記共振出力回路を通じて無線周波数で電流を繰 り返しスイッチングするように接続されており、前記制御回路は前記スイッチン グ手段に接続されて、供給出力電力が所定の無線周波ピーク出力電圧しきい値に 達してから１００μｓ以内に少なくとも５０％減少させるように、前記スイッチ ング手段の無線周波数のデューティーサイクルを十分急激に減少させる構成とな っており、また前記制御回路は前記電子スイッチの各々を駆動して部分サイクル スイッチングを行なわせる構成となっており、前記電子スイッチは各々それぞれ の無線周波サイクル間における可変オン時間を有しており、この両スイッチのオ ン時間は無線周波の５サイクル内に前記の少なくとも５０％の電力減少を行わせ るように十分迅速に制御可能となっている請求項９及び１１もしくは１０及び１ １のいずれかのジェネレータ。 １３．前記制御回路はランプ波形発生器を有する駆動段を含んでおり、該ランプ 波形発生器は前記駆動段に供給される制御信号によって、まず前記無線周波のデ ューティーサイクルを減少させて、前記出力ラインを介して供給される電力を少 なくとも５０％減少させ、次いで前記所定の電圧しきい値に再び達したことを前 記検出信号が示すまで、やや遅い迅速な速度で前記デューティーサイクルを徐々 に増加させる請求項１１もしくは１２のジェネレータ。 １４．前記スイッチング手段を駆動する発振器をさらに有しており、該発振器は 前記直列共振組の共振周波数とは異なる周波数で動作可能である請求項１〜１３ のいずれかのジェネレータ。 １５．無線周波電力を発生するためのジェネレータと、導電性液体内に浸して利 用させる少なくとも１つの電極を備えた電気外科器具とを有する電気外科システ ムであって、前記ジェネレータは少なくとも１つの無線周波電力装置を有する出 力段と、直列共振回路と、前記電力装置から無線周波電力を受け取るように配置 された少なくとも１対の出力接続部とを有しており、該出力接続部対の一方は前 記電極に接続されており、前記ジェネレータはさらに制御段を有し、該制御段は 前記出力接続部の両端のピーク出力電圧が所定の検出信号しきい値を越えたこと を示す検出信号に応答して、個々の無線周波サイクル間における前記電力装置の 導通時間を減少させるように動作して、導電性液体が蒸発した時に前記電極に供 給される無線周波電力を急激に減少させることができる電気外科システム。 １６．前記電極は突出状の処置電極と、該処置電極から隔てられた液体接触電極 とを有しており、これらの両電極は導電性液体によって取り囲まれて利用される ものであり、また各々前記出力接続部対の対応する一方に接続されており、前記 制御段は前記処置電極の箇所の導電性液体が蒸発した時に前記電力装置の導通時 間を減少させて、前記処置電極の箇所において生じた泡を崩壊させかつ電気負荷 インピーダンスを減少させるように作動できる請求項１５のシステム。 １７．前記電気外科器具は導電性液体内に浸すための並列配置された第１及び第 ２の電極を有する電極構造を有しており、該第１及び第２の電極は器具の末端に おける組織接触電極と該組織接触電極から基部側に隔てられたリターン電極とを それぞれ形成する請求項１６のシステム。 １８．前記電力装置と前記出力接続部との間に接続された直列共振回路は前記ジ ェネレータの動作周波数とは異なる共振周波数を有している請求項１６もしくは １７のシステム。 １９．少なくとも乾燥モードと組織切断或いは蒸発モードとで作動可能であり、 前記ジェネレータはモード選択コントローラを有しており、前記制御段は前記電 極構造に供給される無線周波電力を自動的に調整して、ジエネレータのピータ出 力電圧が、前記乾燥モードが選択された時には第１の値に制限され、また前記切 断或いは蒸発モードが選択された時には少なくとも１つの第２の値に制限される ように作動でき、前記第２の値は前記第１の値よりも高い値である、請求項１５ 〜１８のいずれかのシステム。 ２０．前記第１及び第２の値はそれぞれ１５０Ｖ〜２００Ｖ及び２５０Ｖ〜６０ ０Ｖの範囲内にあり、またこれらの値はピーク電圧である請求項１８のシステム 。 ２１．少なくとも乾燥モードと組織切断或いは蒸発モードとで作動可能であり、 また、前記電力装置を駆動するための無線周波発振器を有しており、前記ジェネ レータは前記発振器に接続されたモード選択コントローラを有しており、該モー ド選択コントローラは前記切断或いは蒸発モードにおいては前記発振器の発振周 波数が前記共振出力回路の共振周波数よりも高くなり、乾燥モードにおいては前 記発振器の発振周波数が共振周波数よりも低くなるように調整する請求項１５〜 １８のいずれかのシステム。 ２２．前記連結キャパシタンス及び前記直列共振回路の構成部品の値は、発振周 波数と共振周波数との差が1/4(Ccfr/Cr)と(Ccfr/Cr)との間の値になるように設 定されており、ここで、Ccは連結キャパシタンス、Crは直列共振回路のキャパシ タンス、ｆｒは共振周波数である、請求項１４及び請求項７のいずれかのジェネ レータ。 ２３．無線周波電力を電気外科器具に供給するための電気外科ジェネレータであ って、無線周波電力を前記器具に送るための少なくとも１対の電気外科出力接続 部を有する無線周波出力段と、無線周波信号を前記出力段に供給するための無線 周波発振器と、制御回路とを有しており、該制御回路は前記出力接続部から送ら れる無線周波信号を表す検出信号を得るための検出手段を有しており、前記出力 段は前記出力接続部に接続された直列共振出力回路を有しており、該共振出力回 路の共振周波数は前記発振器の動作周波数とは異なっており、前記制御回路は送 られる無線周波電力を制御するためのフィードバック信号を与える電気外科ジェ ネレータ。 ２４．前記出力段はプッシュ−プル出力段であり、前記制御回路は前記出力段の 一部を構成する１つもしくは複数の半導体デバイスのオン時間を動作周波数とは 独立して変えるように作動できる請求項２３のジェネレータ。 ２５．前記検出手段は前記出力接続部の両端に生じた無線周波ピーク出力電圧を 表す検出信号を得るように構成されている請求項２３もしくは２４のジエネレー タ。