JP2001246428A - 無段変速機用ベルトのエレメントの打抜き加工方法 - Google Patents
無段変速機用ベルトのエレメントの打抜き加工方法Info
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Abstract
上させると共に、歩留まりのよいエレメントの打抜き加
工方法を提供する。 【解決手段】長尺の金属製の板材12をエレメント1の
ヘッドを対向させてその幅方向に2列に打ち抜きエレメ
ント1a,1bを形成する。このエレメント1a,1b
の平面部における共通の基準点と共通の比較測定点との
板厚の差を平均し、その平均値が許容範囲となるように
板材12の一対の角部14の間の距離とカウンタパンチ
のカウンタ荷重とを設定する。該設定で前記板材からエ
レメントを打ち抜いたときは、2列の内一方の列のエレ
メントと他方の列のエレメントを略1対1の割合で混在
させてベルト組立体とすることにより、板材12が幅方
向にずれた場合であっても、一方の列のエレメントの板
厚の変動と他方の列のエレメントの板厚の変動とが互い
に吸収されて不都合のないベルト組立体が形成される。
Description
ルトのエレメントの打抜き加工方法に関する。
れるエレメントは、図1に示すように、環状に複数積層
されたときに内周側に位置するボデーと、このボデーに
ネックを介して連設され、環状に複数積層されたときに
外周側に位置されるヘッドとを備えている。また、ネッ
クの左右には、環状に結束する一対の無端リング(図示
せず)を装着する一対の凹部が形成されている。また、
ボデー下方の裏面には、下方に向けて板厚が薄くなる傾
斜部と、この傾斜部からボデーの下端部にかけて肉薄部
とが設けられている。
装置のダイの上に載置され、角部を介して肉薄部が設け
られた長尺の金属製板材を成形パンチによって打ち抜く
ことにより成形される。このとき、板材の裏面に当接す
るカウンターパンチによって、前記板材の角部を加工す
ることによりエレメントの裏面における前記傾斜部の形
成も同時に行われる。そして、打ち抜かれたエレメント
は数百枚環状に積層され、凹部に無端リングが装着され
て自動変速機用のベルト組立体となる。このように、ベ
ルト組立体は、多数のエレメントが積層されて形成され
るものであるため、生産性の向上とエレメントの板厚の
管理とが重要となる。
を板材から打ち抜く際に前記板材の角部を加工して前記
傾斜部を形成しているため、エレメントの板厚を許容範
囲内にするためには、板材からエレメントを打ち抜く際
の板材の位置決めの精度の向上が必要となる。しかしな
がら、このように板材の位置決めの精度を向上させると
生産性が低下してしまうという不都合がある。
に歩留まりのよいエレメントの打抜き加工方法が望まれ
ていた。
用ベルトのエレメントの打抜き加工方法の改良を目的と
し、さらに詳しくは前記不都合を解消するために、エレ
メントの生産性を向上させると共に、歩留まりのよいエ
レメントの打抜き加工方法を提供することを目的とす
る。
金属製の板材からその幅方向に2列にエレメントを打ち
抜いたときは、前記板材が幅方向にずれて個々のエレメ
ントとしては板厚の変動が許容範囲内外となった場合で
あっても、各列のエレメント同士を略1対1の割合で混
在させてベルト組立体としたときは、一方の列のエレメ
ント板厚の変動と他方の列のエレメントの板厚の変動と
が互いに吸収されることによりベルト組立体としては不
都合が生じないことを知見した。
レメントの打抜き加工方法は、ボデーと、ネックを介し
て該ボデーに連設されるヘッドとを備え、前記ボデーの
裏面に環状に複数積層された際に内周側となる側に向け
て板厚が薄くなる傾斜部と、該傾斜部から前記内周側端
部まで形成された肉薄部を有する無段変速機用ベルトの
エレメントの打抜き加工方法であって以下の特徴を備え
る。
厚を備えた平面部を有し、その下面の両側部の長手方向
に一対の角部を介して一対の肉薄部を有する長尺の金属
製の板材を用いる。
に載置された前記板材の上面から該板材の幅方向に前記
ヘッドが対向する状態で2列に並設されるように前記エ
レメントの形状に押し下げて打ち抜く成形パンチと、打
ち抜かれた板材の前記角部に当接し上方に付勢するカウ
ンター荷重により該角部を変形させて前記傾斜部を形成
し該板材と共に下降するカウンターパンチとを用いる。
また、前記ヘッドが対向して打ち抜かれた一組のエレメ
ントの平面部における共通の基準点と共通の比較測定点
との板厚の差を平均し、その平均値が許容範囲となるよ
うに前記板材の一対の角部間の距離と前記カウンター荷
重とを設定する。そして、設定された前記一対の角部間
の距離を備えた板材を前記成形パンチ及び前記カウンタ
ー荷重が設定されたカウンターパンチにより前記板材か
らエレメントを打抜く。
加工方法によれば、個々のエレメントの加工時の隆起に
よる平面部の所定箇所の板厚の差を管理するのではな
く、前記ヘッドが対向して打ち抜かれた一組のエレメン
トの所定箇所の板厚の差、即ち共通の基準点と比較測定
点との板厚の差の平均値を管理し、その平均値が許容範
囲内に入るようにしている。また、前記板厚の差の平均
値は、前記一対の角部間の距離と前記カウンター荷重に
よって調整する。
れば、仮に個々のエレメントの平面部の板厚の差が許容
範囲外であっても、前記一組のエレメントの平面部の板
厚の差の平均値が許容範囲内となるように調整している
ので不良品とはならないため、ベルト組立体としては不
都合を生じさせることなく不良品の数を減らすことがで
きる。このように、本発明によれば、不良品の発生が少
なく、歩留まりがよいエレメントの打抜き加工方法を提
供することができる。
いては、前記一対の角部間の距離と前記カウンター荷重
との設定は、まず前記一対の角部間の距離を前記カウン
ター荷重による調整によって前記平均値を許容範囲とで
きる値に設定し、次に前記カウンター荷重を調整するこ
とにより前記平均値を許容範囲とすることが好ましい。
記板材の形状の変更が必要となるため、例えば前記板材
が金型により成形されるものであれば、当該金型を変更
する必要がある。一方、前記カウンター荷重の設定は、
前記カウンターパンチを付勢する力を変更すればよい。
従って、まず前記角部間の距離を設定し、その後前記カ
ウンター荷重を調整することにより、容易に前記エレメ
ントの平面部の板厚の差の平均値が許容範囲内に入るよ
うにすることができる。
トのエレメントの打抜き加工方法の実施形態の一例につ
いて、図1乃至図6を参照して説明する。図1は本発明
の実施形態の一例である打抜き加工方法により形成され
たエレメントを示す説明図、図2はエレメントの素材で
ある板材の断面を示す説明図、図3は本実施形態の打抜
き加工方法の説明図、図4はエレメントの打抜きの工程
を示す図3のIV−IV線断面図、図5はヘッドが対向
した状態で打ち抜かれた一対のエレメントの断面図、図
6はエレメントの共通基準点と共通比較測定点との板厚
の差を示すグラフである。
エレメント1は、図1(a)に示すように、環状に複数
積層されたときに内周側に位置するボデー2と、このボ
デー2にネック3を介して連設され、環状に複数積層さ
れたときに外周側に位置されるヘッド4とを備えてい
る。また、ネック3の左右には、環状に結束する一対の
無端リング(図示せず)を装着する一対の凹部5が形成
されている。
すように、下方に向けて板厚が薄くなる傾斜部6と、こ
の傾斜部6からボデー2の下端部にかけて傾斜する肉薄
部7とが設けられている。また、ヘッド4の左右側部は
一対のイヤー部8となっており、この一対のイヤー部8
の中間部分には、エレメント1が複数積層されたときに
各エレメント1が整列するようにお互いに嵌合するノー
ズ9とホール10とが設けられている。さらに、ホール
10の周囲には、ホール10にノーズ9が嵌合した際に
ノーズ9の周囲の隆起部分を逃がすための逃げ部11が
設けられている。このように、ヘッド4のイヤー部8と
ネック3とボデー2の上部とは平面状になっている。
ヘッド4が対向するように並設された状態で、1枚の長
尺の金属製板材12から打ち抜かれることにより成形さ
れる。板材12は、図2(a)に示すように、所定の板
厚を備えた平面部13を有する金属製の板材であり、そ
の下面の両側部の長手方向に一対の角部14が設けられ
ている。また、板材12には、この角部14を介して一
対の肉薄部7が設けられている。この角部14の間の距
離Dは、板材の材質、エレメント1の大きさや形状、あ
るいは板材12の板厚によって定まる。また、角部14
は、板材12からエレメント1が打ち抜かれたときに、
後述する図4示のカウンターパンチ21,22の傾斜加
工部23,24によりプレスされて傾斜部6となる。ま
た、肉薄部7は、角部14から板材12の端縁に向かっ
て次第に肉薄となるように傾斜して形成されている。
3及び図4に示す加工装置15により行われる。この加
工装置15は、図3に示すように、長尺の板材12を搬
送する搬送路16を備え、この搬送路16に沿って第1
加工ステーション17と第2加工ステーション18とが
設けられている。第1加工ステーション17と第2加工
ステーション18とにおいては、板材12から同時に一
対のエレメント1を打ち抜く加工が行われる。また、搬
送路16に沿って搬送される板材12の幅方向のずれを
抑制して搬送方向に案内する複数のガイド部材19が設
けられている。
ーション18とは、共に同一の構成を備えている。これ
らの加工ステーション17,18は、図4に示すよう
に、ダイ20と、このダイ20に突没自在に設けられた
カウンターパンチ21,22とを備えている。このカウ
ンターパンチ21,22は、図示しない付勢手段により
上方に付勢するカウンター荷重がかけられている。この
カウンター荷重は、一対の角部14の間の距離Dを基準
として設定される。また、カウンターパンチ21,22
の上面には、エレメント1の傾斜部6を加工するために
傾斜部6と同じ角度の傾斜加工部23,24が設けられ
ている。また、カウンターパンチ21,22には、ノー
ズ9を形成するためのノーズ成形孔25,26が設けら
れている。
0に向かって下降することによりダイ20上に板材12
を押しつけ保持するパッド27,28と、カウンターパ
ンチ21,22に対向して板材12からエレメント1を
打ち抜く成形パンチ29,30とが設けられている。ま
た、成形パンチ29,30には、それぞれホール10及
び逃げ部11を形成するためのホール成形パンチ31,
32が設けられており、このホール成形パンチ31,3
2は成形パンチ29,30に追従して昇降される。上記
構成の第1加工ステーション17と第2加工ステーショ
ン18とは、図示しない昇降手段により一体に昇降さ
れ、パッド27,28は成形パンチ29,30に連動し
て昇降されるようになっている。ガイド部材19は、図
示しない付勢手段によって上方に付勢されており、パッ
ド27,28に設けられたガイド部材押圧部33,34
によってパッド27,28の下降に追従する。
く工程について説明する。尚、以下の工程においては、
図4において板材12が若干右側に片寄った状態となっ
ている場合を想定して説明する。図4(a)に示すよう
に、板材12が搬送路16をガイド部材19によって幅
方向の移動が抑制されながら搬送方向に向けて搬送され
てくると、図4(b)に示すように、パッド27,28
によって板材12がダイ20に押さえられる。このと
き、板材12の下面に設けられている角部14は、図4
(b)に示すように、カウンターパンチ21,22の傾
斜加工部23,24に当接する。
に下側に進行すると、図4(c)に示すように、成形パ
ンチ29,30によって板材12がエレメント1の形状
に打ち抜かれる。このとき、カウンターパンチ21,2
2がカウンター荷重によって上方に付勢されているた
め、図4(c)に示すように、板材12の角部14がカ
ウンターパンチ21,22の傾斜加工部23,24によ
ってつぶされて傾斜部6が形成される。図4において
は、板材12が若干右側に片寄っているので、右側のエ
レメント1の角部14のつぶれが大きく、左側のエレメ
ント1の角部14のつぶれが小さくなっている。また、
同時にホール成形パンチ31,32及びノーズ成形孔2
5,26によって、ノーズ9、ホール10及び逃げ部1
1が形成される。
きが終了すると、成形パンチ29,30が上方に移動さ
れ、続いてパッド27,28が上方に移動される。この
とき、カウンターパンチ21,22はカウンター荷重に
より上方に付勢されているので、成形されたエレメント
1を板材12と共に上方へ押し上げる。尚、このとき、
エレメント1と板材12とは、一部に設けられた連結部
12aにより連結されており、後工程においてこの連結
部12aが切断され、エレメント1が板材12から切り
放される(図示せず)。
1は、板材12が図4において若干右側に片寄っていた
ので、図5に示すように、右側のエレメント1aの傾斜
部6は大きく、その長さはLaとなっている。また、左
側のエレメント1bの傾斜部6は小さく、その長さはL
bなっている。即ち、La>Lbとなる。
図1示のボデー2の左右方向の中央部で傾斜部6の上方
に位置する箇所を基準点Aとし、左右のイヤー部8の所
定箇所を比較測定点B,Cとして測定し、それぞれの板
厚の差を基準点の板厚から比較測定点の板厚を減じて算
出した。その結果を図6のグラフに示す。図6におい
て、四角形の点で表されているものが図5において右側
のエレメント1aの板厚の差であり、三角形の点で表さ
れているものが図5において左側のエレメント1bの板
厚の差である。また、図6のグラフ中の網掛け部は板厚
の差の許容範囲を示す。
メント1aは、傾斜部6が大きくなっており、基準点A
が大きく隆起しているため、比較測定点Cとの板厚の差
は許容範囲内になっているものの、比較測定点Bとの板
厚の差は許容範囲外となっている。また、左側のエレメ
ント1bは、傾斜部6が小さくなっており、基準点であ
るA点の隆起が少ないため、比較測定点B,Cとの板厚
の差は許容範囲外となっている。従って、これらのエレ
メント1a,1bは、従来は不良品として廃棄されるも
のとなる。
が対向して打ち抜かれた一組のエレメント1a,1bの
共通する比較測定点との板厚の差を平均すると、図6の
黒丸の点で示される値となり、各比較測定点において許
容範囲内となる。このように、板厚の差の平均値が各比
較測定点において許容範囲内となっているときは、図3
において左側の列及び右側の列のエレメントを略1対1
の割合で混在させてベルト組立体とした場合に、ベルト
組立体としては不都合が生じないことが確認されてい
る。
抜かれた一組のエレメント1a,1bの共通する比較測
定点との板厚の差の平均が許容範囲内になるように角部
14の距離Dとカウンターパンチ22のカウンター荷重
を調整している。また、微調整はカウンター荷重により
行っている。これにより、本実施形態の打抜き加工方法
により形成されたエレメント1は、仮に個々のエレメン
ト1では各部の板厚の差が許容範囲外となるものであっ
ても、これを積層させてベルト組立体とすることができ
る。このため、従来の打抜き加工方法に比べて不良品の
数を減らすことができるため歩留まりが向上する。
対向して打ち抜かれた一組のエレメント1a,1bの板
厚の差の平均を求めたが、同一の板材12から打ち抜か
れたエレメントであれば、図3における左側の列又は右
側の列の各列におけるエレメント同士ので板厚の差はわ
ずかであるため、それぞれ各列から任意に抽出したエレ
メント同士で板厚の差の平均を求めてもよい。また、上
記実施形態においては、板材12の断面において肉薄部
7が直線状に傾斜したものを用いているが、図2(b)
に示すように角部14から段付き形状となっているもの
を用いてもよい。
により形成されたエレメントを示す説明図。
図。
装置を示す説明図。
IV線断面図。
レメントの断面図。
を示すグラフ。
ド、6…傾斜部、7…肉薄部、12…板材、13…平面
部、14…角部、20…ダイ、21,22…カウンター
パンチ、29,30…成形パンチ。
Claims (2)
- 【請求項1】ボデーと、ネックを介して該ボデーに連設
されるヘッドとを備え、前記ボデーの裏面に環状に複数
積層された際に内周側となる側に向けて板厚が薄くなる
傾斜部と、該傾斜部から前記内周側端部まで形成された
肉薄部を有する無段変速機用ベルトのエレメントの打抜
き加工方法であって、 所定の板厚を備えた平面部を有し、その下面の両側部の
長手方向に一対の角部を介して一対の肉薄部を有する長
尺の金属製の板材を素材とし、 ダイに載置された前記板材の上面から該板材の幅方向に
前記ヘッドが対向する状態で2列に並設されるように前
記エレメントの形状に押し下げて打ち抜く成形パンチ
と、打ち抜かれた板材の前記角部に当接し上方に付勢す
るカウンター荷重により該角部を変形させて前記傾斜部
を形成し該板材と共に下降するカウンターパンチとを用
い、 前記ヘッドが対向して打ち抜かれた一組のエレメントの
平面部における共通の基準点と共通の比較測定点との板
厚の差を平均し、その平均値が許容範囲となるように前
記板材の一対の角部間の距離と前記カウンター荷重とを
設定し、 設定された前記一対の角部間の距離を備えた板材を前記
成形パンチ及び前記カウンター荷重が設定されたカウン
ターパンチにより前記板材からエレメントを打抜くこと
を特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの打抜き
加工方法。 - 【請求項2】前記一対の角部間の距離と前記カウンター
荷重との設定は、まず前記一対の角部間の距離を前記カ
ウンター荷重による調整によって前記平均値を許容範囲
とできる値に設定し、次に前記カウンター荷重を調整す
ることにより前記平均値を許容範囲とすることを特徴と
する請求項1に記載の無段変速機用ベルトのエレメント
の打抜き加工方法。
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