JP6546633B2 - 無段変速機用金属エレメントの製造方法 - Google Patents

無段変速機用金属エレメントの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6546633B2
JP6546633B2 JP2017184031A JP2017184031A JP6546633B2 JP 6546633 B2 JP6546633 B2 JP 6546633B2 JP 2017184031 A JP2017184031 A JP 2017184031A JP 2017184031 A JP2017184031 A JP 2017184031A JP 6546633 B2 JP6546633 B2 JP 6546633B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal element
metal
punch
continuously variable
variable transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017184031A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018187676A (ja
Inventor
矢ケ崎 徹
徹 矢ケ崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to CN201810329656.6A priority Critical patent/CN108799410B/zh
Priority to US15/964,641 priority patent/US11072016B2/en
Publication of JP2018187676A publication Critical patent/JP2018187676A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6546633B2 publication Critical patent/JP6546633B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、無段変速機用金属エレメントを、一定断面を有する帯板状の金属エレメント素材を金型を用いてプレス加工および打ち抜き加工することで製造する無段変速機用金属エレメントの製造方法に関する。
ベルト式無段変速機の金属ベルトに使用する金属エレメントの製造方法において、金属エレメントの製品の形状に近い形状に粗成形した金属エレメント素材をメインパンチおよびカウンタパンチよりなる金型でプレスして仕上げ成形することで、金型の耐久性を確保しながら、金属エレメントのロッキングエッジの近傍の形状の精度を高めるものが、下記
特許文献1により公知である。
またベルト式無段変速機の金属ベルトに使用する金属エレメントのロッキングエッジの位置を、金属エレメントのボディ部の前面の径方向外端位置であるサドル面の前縁位置に一致させたものにおいて、金属エレメントのネック部およびイヤー部の後面に凹部を形成することで、前側の金属エレメントに対して後側の金属エレメントが径方向外側に位置ずれしたとき、後側の金属エレメントのボディ部の傾斜面左右方向の全長で前側の金属エレメントのボディ部に当接させ、ネック部がボディ部に接続する部分に加わる曲げ荷重を低減してネック部の曲げを抑制するものが、下記特許文献2により公知である。
特許第4132820号公報 WO1014/196254
ところで、金属エレメント素材をメインパンチおよびカウンタパンチよりなる金型でプレスして金属エレメントを製造すると、金属エレメントの板厚が不均一になってイヤー部の板厚がボディ部の径方向外端の板厚よりも大きくなる場合があり、ドライブプーリおよびドリブンプーリに巻き掛けられた金属ベルトの弦部で多数の金属エレメントが相互に密着して駆動力を伝達するとき、上記した板厚差によって金属ベルトの弦部が湾曲して駆動力の伝達効率が低下する可能性があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、金属エレメントを金型でプレスして製造する際に、金属エレメントの径方向内外の板厚バランスを調整可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、一対の金属リングが嵌合する一対のリングスロットと、前記一対のリングスロット間に位置するネック部と、前記ネック部の径方向外側に連なるイヤー部と、前記ネック部の径方向内側に連なって前記金属リングの内周面を支持するサドル面が形成されたボディ部とを備え、前記ボディ部の前面に、前記サドル面の前縁に重なって左右方向に延びるロッキングエッジと、前記ロッキングエッジから径方向内側かつ後方に延びる傾斜面とが形成された金属エレメントを、一定断面を有する帯板状の金属エレメント素材を金型を用いてプレス加工および打ち抜き加工することで製造する無段変速機用金属エレメントの製造方法であって、前記金型は前記金属エレメントの後面に当接するメインパンチと前面に当接するカウンタパンチとを含み、前記メインパンチは前記ボディ部の少なくとも一部に当接して凹部を形成する突起部を備え、前記突起部により前記凹部から押し出された素材により前記ボディ部の径方向外縁から前後方向後方に膨出する膨出部が、前記ボディ部の板厚を該膨出部で増加させるようにして形成され、前記カウンタパンチは前記ボディ部の前面に当接して該ボディ部の前面に前記ロッキングエッジを形成し、複数の金属エレメントを一列に並べた時、前側の金属エレメントの前記膨出部に後側の金属エレメントの前記ロッキングエッジが当接することを特徴とする無段変速機用金属エレメントの製造方法が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、一対の金属リングが嵌合する一対のリングスロットと、前記一対のリングスロット間に位置するネック部と、前記ネック部の径方向外側に連なるイヤー部と、前記ネック部の径方向内側に連なって前記金属リングの内周面を支持するサドル面が形成されたボディ部とを備え、前記ボディ部の前面に、前記サドル面の前縁に重なって左右方向に延びるロッキングエッジと、前記ロッキングエッジから径方向内側かつ後方に延びる傾斜面とが形成された金属エレメントを、一定断面を有する帯板状の金属エレメント素材を金型を用いてプレス加工および打ち抜き加工することで製造する無段変速機用金属エレメントの製造方法であって、前記金型は前記金属エレメントの後面に当接するメインパンチと前面に当接するカウンタパンチとを含み、前記メインパンチまたは前記カウンタパンチは前記イヤー部あるいは前記ボディ部の少なくとも一部に当接して凹部を形成する突起部を備え、前記突起部により前記凹部から押し出された素材により前記イヤー部の径方向内縁あるいは前記ボディ部の径方向外縁から前後方向に膨出する膨出部が形成され、前記金属エレメント素材は前記膨出部に対応する位置に溝部を備えることを特徴とする無段変速機用金属エレメントの製造方法が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記突起部は前記イヤー部の左右方向中央部と左右方向両端部とに当接することを特徴とする無段変速機用金属エレメントの製造方法が提案される。
また請求項に記載された発明によれば、請求項1・請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記金型による前記金属エレメントのプレス加工および打ち抜き加工が完了した状態で、前記メインパンチまたは前記カウンタパンチと前記金属エレメントとの間に隙間が存在することを特徴とする無段変速機用金属エレメントの製造方法が提案される。
また請求項に記載された発明によれば、請求項1・請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記突起部の容積は前記膨出部の容積に略一致していることを特徴とする無段変速機用金属エレメントの製造方法が提案される。
なお、実施の形態のメインパンチ44およびカウンタパンチ45は本発明の金型に対応する。
請求項1の構成によれば、一定断面を有する帯板状の金属エレメント素材をプレス加工および打ち抜き加工して金属エレメントを製造する金型は、金属エレメントの後面に当接するメインパンチと前面に当接するカウンタパンチとを含み、メインパンチはボディ部の少なくとも一部に当接して凹部を形成する突起部を備え、突起部により凹部から押し出された素材によりボディ部の径方向外縁から前後方向後方に膨出する膨出部が、ボディ部の板厚を該膨出部で増加させるようにして形成されるので、膨出部によりボディ部の板厚を変化させて金属エレメントの径方向内外の板厚バランスを調整することができる。
また請求項2の構成によれば、一定断面を有する帯板状の金属エレメント素材をプレス加工および打ち抜き加工して金属エレメントを製造する金型は、金属エレメントの後面に当接するメインパンチと前面に当接するカウンタパンチとを含み、メインパンチまたはカウンタパンチはイヤー部あるいはボディ部の少なくとも一部に当接して凹部を形成する突起部を備え、突起部により凹部から押し出された素材によりイヤー部の径方向内縁あるいはボディ部の径方向外縁から前後方向に膨出する膨出部が形成されるので、膨出部によりイヤー部および/またはボディ部の板厚を変化させて金属エレメントの径方向内外の板厚バランスを調整することができる。しかも、金属エレメント素材は膨出部に対応する位置に溝部を備えるので、凹部から押し出されて膨出部を構成する素材の一部を溝部で吸収することで、膨出部の突出高さを調整することができる。
また請求項の構成によれば、突起部はイヤー部の左右方向中央部と左右方向両端部とに当接するので、突起部によりイヤー部の左右方向中央部と左右方向両端部との両方から押し出される素材により膨出部を確実に形成することができる。
また請求項の構成によれば、金型による金属エレメントのプレス加工および打ち抜き加工が完了した状態で、メインパンチまたはカウンタパンチと金属エレメントとの間に隙間が存在するので、突起部により凹部から押し出された素材が隙間内に流入することで膨出部を確実に形成することができ、しかもメインパンチおよびカウンタパンチが受ける荷重が低減することで金型の耐久性が向上する。
また請求項の構成によれば、突起部の容積は膨出部の容積に略一致しているので、突起部の高さを変化させるだけで膨出部の突出高さを容易に調整することができる
ベルト式無段変速機の全体構成を示す図である。(第1の実施の形態) 金属ベルトおよび金属エレメントの斜視図である。(第1の実施の形態) 金属エレメントの後面図である。(第1の実施の形態) 図3の4・4線断面図である。(第1の実施の形態) 図3の5・5線断面に対応する金型の断面図である。(第1の実施の形態) 金属エレメント素材の斜視図である。(第1の実施の形態) 打ち抜き加工装置の模式的な作用説明図である。(第1の実施の形態) プレス荷重と板厚との関係を示すグラフである。(第1の実施の形態) メインパンチの突起部の面積と板厚との関係を示すグラフである。(第1の実施の形態) 金属エレメントの後面図である。(第2の実施の形態) 金属エレメント素材の斜視図である。(第3の実施の形態) 金属エレメントの後面図である。(第4の実施の形態) 図12の13・13線断面に対応する金型の断面図である。(第4の実施の形態) 金属エレメントの後面図である。(第5の実施の形態) 金属エレメントの後面図である。(第6の実施の形態) 金属エレメントの前面図である。(第7の実施の形態) 打ち抜き加工装置の模式的な作用説明図である。(第7の実施の形態)
第1の実施の形態
以下、図1・図9に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1は自動車に搭載されたベルト式無段変速機Tの概略構造を示すもので、ベルト式無段変速機Tはエンジンに接続されるドライブシャフト11と、駆動輪に接続されるドリブンシャフト12とを備えており、ドライブシャフト11に設けたドライブプーリ13とドリブンシャフト12に設けたドリブンプーリ14とに無端状の金属ベルト15が巻き掛けられる。ドライブプーリ13は、ドライブシャフト11に固設された固定側プーリ半体16と、この固定側プーリ半体16に対して接離可能な可動側プーリ半体17とを備えており、可動側プーリ半体17は油室18に作用する油圧で固定側プーリ半体16に向けて付勢される。ドリブンプーリ14は、ドリブンシャフト12に固設された固定側プーリ半体19と、この固定側プーリ半体19に対して接離可能な可動側プーリ半体20とを備えており、可動側プーリ半体20は油室21に作用する油圧で固定側プーリ半体19に向けて付勢される。
図2および図3に示すように、金属ベルト15は左右一対の金属リング22に多数の金属エレメント23を支持したもので構成される。本明細書において、金属ベルト15が走行する方向を前後方向の前方と定義し、金属ベルト15がドライブプーリ13およびドリブンプーリ14に巻き付いた状態で、ドライブプーリ13およびドリブンプーリ14の外周側を径方向の外側と定義し、前後方向および径方向に直交する方向を左右方向と定義する。また金属エレメント23の素材となる金属エレメント素材23′(図6参照)と、金属エレメント素材23′から金属エレメント23を成形および打ち抜きする打ち抜き加工装置41(図5および図7参照)とについても、金属エレメント23の前後方向、径方向および左右方向に対応する方向を、それらの前後方向、径方向および左右方向と定義する。
金属エレメント素材23′から製造された金属エレメント23は、左右方向に延びるボディ部24と、ボディ部24の左右方向中央から径方向外側に延びるネック部25と、ネック部25の径方向外端に接続される略三角形のイヤー部26とを備えており、ボディ部24、ネック部25およびイヤー部26間に左右方向外側に開放して金属リング22が嵌合する一対のリングスロット27が形成される。リングスロット27に臨むボディ部24の径方向外端には金属リング22の内周面が着座するサドル面28が形成され、ボディ部24の前面の径方向外端には左右方向に延びるロッキングエッジ29が形成され、ボディ部24の前面にはロッキングエッジ29から径方向内向きかつ後向きに傾斜する傾斜面30が形成される。ロッキングエッジ29はサドル面28の前縁と重なっており、従ってロッキングエッジ29はボディ部24の前面の径方向外端に位置している。
金属エレメント23のボディ部24の左右両端には、ドライブプーリ13およびドリブンプーリ14のV面に当接するプーリ当接面31が形成される。また金属エレメント23のイヤー部26の前面には、イヤー部26の後面に形成した円錐台状のホール33に嵌合可能な円錐台状のノーズ32が形成される。
また金属エレメント23のイヤー部26の後面の左右方向中央部には、ホール33を取り囲むように凹部26aが形成されるとともに、ネック部25の径方向内側に連なるボディ部24の後面の径方向外端の左右方向中央部にも、前記凹部26aよりも小さい凹部24aが形成される。またホール33を取り囲む凹部26aの左右方向両側に連なるイヤー部26の径方向内端、つまりリングスロット27の径方向外端に臨む位置に左右方向に延びて後方に突出する膨出部34が形成される。
図5および図7に示すように、金属エレメント素材23′から金属エレメント23を成形および打ち抜きする打ち抜き加工装置41は、金属エレメント素材23′を前後方向に挟んで固定するダイ42および板押さえ43と、ダイ42に形成された金属エレメント23の外形形状と同形状の穴に摺動自在に嵌合して金属エレメント23の後面に当接するメインパンチ44と、金属エレメント23の外形形状と同形状の穴に摺動自在に嵌合して金属エレメント23の前面に当接するカウンタパンチ45とを備えており、メインパンチ44およびカウンタパンチ45は図示せぬ油圧シリンダでダイ42および板押さえ43に対して前後方向に相対移動可能である。
メインパンチ44の前面には、金属エレメント23の後面に前記凹部26a,24aを形成するための突起部44a,44bが突設される。なお、金属エレメント23の前後方向の板厚は例えば1.5mm程度であり、突起部44a,44bの突出高さは例えば0.02mm程度である。
次に、上記構成を備えた第1の実施の形態の作用を説明する。
図5および図7(A)・(C)の実施の形態に示すように、まず打ち抜き加工装置41のダイ42および板押さえ43間に金属エレメント素材23′を挟持して固定する(図7(A)参照)。続いてメインパンチ44およびカウンタパンチ45間に金属エレメント素材23′を前後方向に挟圧してプレス加工しながら、メインパンチ44およびカウンタパンチ45をダイ42および板押さえ43に対して相対移動させることで、ノーズ32、ホール33を形成するとともに、メインパンチ44突起部44a,44bで金属エレメント23の凹部26a,24aを形成する(図7(B)参照)。このとき、突起部44a,44bにより凹部26a,24aから押し出された素材は左右方向外側に流れ、イヤー部26の径方向内縁において後方に隆起することで、イヤー部26の径方向内縁に沿うように膨出部34が突出する。このとき、カウンタパンチ45がメインパンチ44に向けて付勢される荷重は従来よりも低く設定されており、膨出部34の近傍において金属エレメント素材23′とメインパンチ44との間には隙間α(図7(B)、(C)参照)が残存している。
続いてメインパンチ44およびカウンタパンチ45を一体でダイ42および板押さえ43に対して更に相対移動させると、金属エレメント素材23′から金属エレメント23が剪断により打ち抜かれる。このようにして成形された金属エレメント23は、その後面におけるイヤー部26の径方向内縁に沿うように後方に突出する膨出部34(図3・図5参照)を備えることになり、膨出部34における金属エレメント23の前後方向の板厚が、その他の部分よりも僅かに厚くなる。
一方、図7(D)・(F)の従来例は、メインパンチ44およびカウンタパンチ45間
に金属エレメント素材23′を前後方向に挟圧してプレス加工するとき、カウンタパンチ45がメインパンチ44に向けて付勢される荷重は上記実施の形態よりも強く設定されており、メインパンチ44の突起部44a,44bは金属エレメント素材23′の内部に完全に食い込むため、金属エレメント素材23′とメインパンチ44との間には隙間αは発生せず、実施の形態において発生した膨出部34は形成されない(図7(D)参照)。
続いてメインパンチ44およびカウンタパンチ45を一体でダイ42および板押さえ43に対して相対移動させると、金属エレメント素材23′から金属エレメント23が剪断により打ち抜かれる(図7(E)、(F)参照)。
このように、本実施の形態では、メインパンチ44およびカウンタパンチ45で金属エレメント23をプレス成形する際に、カウンタパンチ45の荷重を低く設定して金属エレメント素材23′とメインパンチ44との間に隙間αを発生させることで、膨出部34を確実に形成することができる。しかも、メインパンチ44およびカウンタパンチ45が受ける荷重が低減することで、打ち抜き加工装置41の耐久性が向上する。
図8のグラフは、カウンタパンチ45の荷重と、膨出部34の位置における金属エレメント23の板厚との関係を示すもので、◇は左側の膨出部34(図3のA位置参照)に対応し、■は右側の膨出部34(図3のB位置参照)に対応し、▲はサドル面28に臨むボディ部24の左側(図3のD位置参照)に対応し、×はサドル面28に臨むボディ部24の右側(図3のE位置参照)に対応する。
このグラフから、カウンタパンチ45の荷重を低減すると、それに応じて膨出部34の突出高さが増加することが分かる(◇および■参照)。またサドル面28に臨むボディ部24には膨出部34が形成されないため、カウンタパンチ45の荷重を変化させても、その部分の板厚は殆ど変化しないことが分かる(▲および×参照)。
図9のグラフは、イヤー部26の凹部26aを形成する突起部44aの面積と、膨出部34の位置における金属エレメント23の板厚との関係を示すものである。突起部44aの面積が増加すると、それに応じて凹部26aから押し出される素材の量が増加するため、膨出部34の突出高さが増加することが分かる(◇および■参照)。またサドル面28に臨むボディ部24には膨出部34が形成されないため、イヤー部26の突起部44aの面積を変化させても、その部分の板厚は殆ど変化しないことが分かる(▲および×参照)。
以上のように、本実施の形態によれば、メインパンチ44に突起部44a,44bを形成して金属エレメント23のイヤー部26の後面の径方向内端に膨出部34を突出させ、膨出部34によりイヤー部26の最大板厚を増加させることで、イヤー部26およびボディ部24の板厚のバランスを任意に調整することができる。その際に、突起部44a,44bの容積と膨出部34の容積とは略一致するため、突起部44a,44bの高さを調整することで膨出部34の突出量を調整することが可能となり、金属エレメント23の板厚の制御が容易になる。
第2の実施の形態
次に、図10に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態は、メインパンチ44の突起部44aの数を3個に増加させることで、金属エレメント23のイヤー部26の左右方向中央部の凹部26aに加えて、金属エレメント23のイヤー部26の左右方向両端部にも2個の凹部26bが形成される。その結果、金属エレメント23の膨出部34は、左右方向中央の凹部26aと左右方向両端の凹
部26bとに挟まれる位置に形成される。
この実施の形態によれば、イヤー部26の後面の左右方向中央部の凹部26aと、左右方向両端部の凹部26bとの両方から押し出される素材により、膨出部34を確実に形成することができる。
第3の実施の形態
次に、図11に基づいて本発明の第3の実施の形態を説明する。
第3の実施の形態は第1の実施の形態の変形であり、金属エレメント素材23′の後面におけるイヤー部26の径方向内端に対応する位置に、予め直線状の溝部23a′を形成したものである。この金属エレメント素材23′をメインパンチ44およびカウンタパンチ45でプレス加工すると、メインパンチ44の突起部44aにより押し出された素材の一部が溝部23a′に流れ込むことで、その分だけ膨出部34の突出高さが減少する。例えば、第1の実施の形態の膨出部34の突出高さが0.02mmであると仮定した場合、金属エレメント素材23′に深さ0.01mmの溝部23a′を形成しておくことで、最終的に突出高さが0.01mmの膨出部34を得ることができる。
この実施の形態によれば、金属エレメント素材23′に溝部23a′を形成しておくことで、膨出部34の突出高さの制御が容易になる。
第4の実施の形態
次に、図12および図13に基づいて本発明の第4の実施の形態を説明する。
第4の実施の形態は、メインパンチ44が更に2個の突起部44cを備えており、この突起部44cにより金属エレメント23のボディ部24の後面の左右両端側に更に2個の凹部24bが形成される。その結果、凹部24aおよび凹部24bの両方から押し出された素材によりボディ部24の後面の径方向上端部、つまりボディ部24がサドル面28に臨む位置の近傍に左右方向に延びる2個の膨出部34が形成される。
この実施の形態によれば、金属エレメント23のリングスロット27を挟むイヤー部26およびボディ部24にそれぞれ膨出部34が形成されるので、両者の膨出部34の高さを制御することで、金属エレメント23の径方向内外の板厚のバランスを一層高精度に調整することができる。
第5の実施の形態
次に、図14に基づいて本発明の第5の実施の形態を説明する。
第5の実施の形態は、第4の実施の形態の変形であり、ボディ部24に凹部24cを形成するためのメインパンチ44の突起部44dが左右にそれぞれ2個ずつ設けられる。ボディ部24に形成される4個の凹部24cの径方向外端はサドル面28に達しており、その結果、左右の膨出部34はそれぞれ3分割される。
第6の実施の形態
次に、図15に基づいて本発明の第6の実施の形態を説明する。
第6の実施の形態は、第4の実施の形態および第5の実施の形態の組み合わせであり、ボディ部24に2個のコ字状の凹部24dを形成すべく、メインパンチ44に2個のコ字状の突起部44eが形成される。
第7の実施の形態
次に、図16および図17に基づいて本発明の第7の実施の形態を説明する。
第1・第6の実施の形態では、膨出部34が金属エレメント23の後面に設けられているが、図16に示すように、第7の実施の形態では、膨出部34が金属エレメント23のイヤー部26の前面に設けられ、あるいは金属エレメント23のイヤー部26およびボディ部24の前面に設けられる。イヤー部26の前面の膨出部34は、イヤー部26の前面の凹部26cから押し出された肉により形成され、またボディ部24の前面の膨出部34は、ボディ部24の前面の凹部24eから押し出された肉により形成される。
図17は打ち抜き加工装置41の模式図であり、本実施の形態では金属エレメント23に凹部26c,24eをそれぞれ形成するための突起部45a,45bがカウンタパンチ45側に設けられる。したがって、メインパンチ44およびカウンタパンチ45間に金属エレメント素材23′を前後方向に挟圧してプレス加工するとき、カウンタパンチ45の突起部45a,45bにより凹部26c,24eから押し出された肉が金属エレメント23の前面から前方に膨出し、金属エレメント23の前面に膨出部34が形成される。以上のように、本実施の形態によっても、第1・第6の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、第1・第3の実施の形態では膨出部34がイヤー部26だけに設けられており、第4・第6の実施の形態では膨出部34がイヤー部26およびボディ部24の両方に設けられているが、膨出部34をボディ部24だけに設けても良い。
また実施の形態では膨出部34が金属エレメント23の後面あるいは前面だけに設けられているが、それを金属エレメント23の後面および前面の両方に設けても良い。
22 金属リング
23 金属エレメント
23′ 金属エレメント素材
23a′ 溝部
24 ボディ部
24a・24e 凹部
25 ネック部
26 イヤー部
26a・26c 凹部
27 リングスロット
28 サドル面
29 ロッキングエッジ
30 傾斜面
34 膨出部
44 メインパンチ(金型)
44a・44e 突起部
45 カウンタパンチ(金型)
45a,45b 突起部
α 隙間

Claims (5)

  1. 一対の金属リング(22)が嵌合する一対のリングスロット(27)と、前記一対のリングスロット(27)間に位置するネック部(25)と、前記ネック部(25)の径方向外側に連なるイヤー部(26)と、前記ネック部(25)の径方向内側に連なって前記金属リング(22)の内周面を支持するサドル面(28)が形成されたボディ部(24)とを備え、前記ボディ部(24)の前面に、前記サドル面(28)の前縁に重なって左右方向に延びるロッキングエッジ(29)と、前記ロッキングエッジ(29)から径方向内側かつ後方に延びる傾斜面(30)とが形成された金属エレメント(23)を、一定断面を有する帯板状の金属エレメント素材(23′)を金型(44,45)を用いてプレス加工および打ち抜き加工することで製造する無段変速機用金属エレメントの製造方法であって、
    前記金型(44,45)は前記金属エレメント(23)の後面に当接するメインパンチ(44)と前面に当接するカウンタパンチ(45)とを含み、
    前記メインパンチ(44)は前記ボディ部(24)の少なくとも一部に当接して凹部(24a・24e)を形成する突起部(44a・44e)を備え、前記突起部(44a・44e)により前記凹部(24a・24e)から押し出された素材により前記ボディ部(24)の径方向外縁から前後方向後方に膨出する膨出部(34)が、前記ボディ部(24)の板厚を該膨出部(34)で増加させるようにして形成され
    前記カウンタパンチ(45)は前記ボディ部(24)の前面に当接して該ボディ部(24)の前面に前記ロッキングエッジ(29)を形成し、
    複数の金属エレメント(23)を一列に並べた時、前側の金属エレメント(23)の前記膨出部(34)に後側の金属エレメント(23)の前記ロッキングエッジ(29)が当接することを特徴とする無段変速機用金属エレメントの製造方法。
  2. 一対の金属リング(22)が嵌合する一対のリングスロット(27)と、前記一対のリングスロット(27)間に位置するネック部(25)と、前記ネック部(25)の径方向外側に連なるイヤー部(26)と、前記ネック部(25)の径方向内側に連なって前記金属リング(22)の内周面を支持するサドル面(28)が形成されたボディ部(24)とを備え、前記ボディ部(24)の前面に、前記サドル面(28)の前縁に重なって左右方向に延びるロッキングエッジ(29)と、前記ロッキングエッジ(29)から径方向内側かつ後方に延びる傾斜面(30)とが形成された金属エレメント(23)を、一定断面を有する帯板状の金属エレメント素材(23′)を金型(44,45)を用いてプレス加工および打ち抜き加工することで製造する無段変速機用金属エレメントの製造方法であって、
    前記金型(44,45)は前記金属エレメント(23)の後面に当接するメインパンチ(44)と前面に当接するカウンタパンチ(45)とを含み、前記メインパンチ(44)または前記カウンタパンチ(45)は前記イヤー部(26)あるいは前記ボディ部(24)の少なくとも一部に当接して凹部(26a・26c;24a・24e)を形成する突起部(44a・44e;45a,45b)を備え、前記突起部(44a・44e;45a,45b)により前記凹部(26a・26c;24a・24e)から押し出された素材により前記イヤー部(26)の径方向内縁あるいは前記ボディ部(24)の径方向外縁から前後方向に膨出する膨出部(34)が形成され、
    前記金属エレメント素材(23′)は前記膨出部(34)に対応する位置に溝部(23a′)を備えることを特徴とする無段変速機用金属エレメントの製造方法。
  3. 前記突起部(44a)は前記イヤー部(26)の左右方向中央部と左右方向両端部とに当接することを特徴とする、請求項に記載の無段変速機用金属エレメントの製造方法。
  4. 前記金型(44,45)による前記金属エレメント(23)のプレス加工および打ち抜き加工が完了した状態で、前記メインパンチ(44)または前記カウンタパンチ(45)と前記金属エレメント(23)との間に隙間(α)が存在することを特徴とする、請求項1・請求項3の何れか1項に記載の無段変速機用金属エレメントの製造方法。
  5. 前記突起部(44a・44e;45a,45b)の容積は前記膨出部(34)の容積に略一致していることを特徴とする、請求項1・請求項の何れか1項に記載の無段変速機用金属エレメントの製造方法。
JP2017184031A 2017-04-28 2017-09-25 無段変速機用金属エレメントの製造方法 Active JP6546633B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201810329656.6A CN108799410B (zh) 2017-04-28 2018-04-13 无级变速器用金属元件的制造方法
US15/964,641 US11072016B2 (en) 2017-04-28 2018-04-27 Method for manufacturing metal element for continuously variable transmission

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017089296 2017-04-28
JP2017089296 2017-04-28

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018187676A JP2018187676A (ja) 2018-11-29
JP6546633B2 true JP6546633B2 (ja) 2019-07-17

Family

ID=64477866

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017184031A Active JP6546633B2 (ja) 2017-04-28 2017-09-25 無段変速機用金属エレメントの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6546633B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7129370B2 (ja) * 2019-03-29 2022-09-01 株式会社アイシン エレメントの製造方法および製造装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL8700156A (nl) * 1987-01-23 1988-08-16 Doornes Transmissie Bv Drijfriem, dwarselement voor een drijfriem en werkwijze en inrichting voor de vervaardiging daarvan.
JPS63195142U (ja) * 1987-06-05 1988-12-15
JP3703678B2 (ja) * 2000-03-06 2005-10-05 本田技研工業株式会社 無段変速機用ベルトのエレメントの打抜き加工方法
NL1021661C2 (nl) * 2002-10-16 2004-04-27 Doornes Transmissie Bv Drijfriem met dwarselementen en stansinrichting voor de vervaardiging van dwarselementen.
NL1030796C2 (nl) * 2005-12-27 2007-06-28 Bosch Gmbh Robert Werkwijze voor het vormen van een dwarselement voor een duwband voor een continu variabele transmissie.
WO2014156432A1 (ja) * 2013-03-28 2014-10-02 本田技研工業株式会社 無段変速機用金属ベルト

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018187676A (ja) 2018-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10591021B2 (en) Method for producing metal element for continuously variable transmission and metal element for continuously variable transmission
CN108799410B (zh) 无级变速器用金属元件的制造方法
CN108019474B (zh) 无级变速器用金属元件及其制造方法
JP6506062B2 (ja) 無段変速機用金属エレメントの製造方法
JP2006192459A (ja) ベルト用エレメントおよびその成形方法およびベルト
JP6546633B2 (ja) 無段変速機用金属エレメントの製造方法
US11506256B2 (en) Metal element for continuously variable transmission and method of manufacture the same
JP6461890B2 (ja) 無段変速機用金属エレメントの製造方法
WO2011077582A1 (ja) 無段変速機用ベルトのエレメントおよびその製造方法
US10935102B2 (en) Metal element for continuously variable transmission and method of producing the same
JP6204449B2 (ja) 無段変速機用金属エレメントの製造方法および無段変速機用金属エレメント
JP2013130204A (ja) 無段変速機用エレメントの製造方法及び当該方法で製造されたエレメント
JP6204444B2 (ja) 無段変速機用金属エレメントの製造方法
JP6396361B2 (ja) 無段変速機用金属エレメントの製造方法
JP5020248B2 (ja) 自動車用シートの調整装置
JP5560573B2 (ja) 金属板の接合方法および接合装置ならびに接合製品
CN110822018B (zh) 带式无级变速器用金属带
US20070197330A1 (en) Method for producing a rocker pressure member, and stamping apparatusw
JP2021092281A (ja) 被圧入部材
JP5717290B2 (ja) プレス成形金型
JPH08168815A (ja) 金属製押出型材の押出工具

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190327

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190612

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190621

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6546633

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150