JP2021092281A - 被圧入部材 - Google Patents

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紀光 古澤
Norimitsu Furusawa
紀光 古澤
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Abstract

【課題】防振装置の圧入部を円筒体に圧入し易くできる被圧入部材を提供すること。【解決手段】被圧入部材は、防振装置の圧入部が圧入される、帯状部材の両端部を対向させて形成された金属製の円筒体と、両端部から離れた位置の円筒体の軸方向端縁から軸方向に張り出た凸部と、を備え、凸部は、円筒体の軸心側を向く内面を備え、内面は、円筒体の内周面に対して軸直角方向の外側へ凹んでいる。【選択図】図2

Description

本発明は、被圧入部材に関し、特に防振装置の圧入部を円筒体に圧入し易くできる被圧入部材に関するものである。
エンジンマウントやサスペンション機構などには、被圧入部材の金属製の円筒体に防振装置の圧入部を圧入した防振ユニットが用いられる(特許文献1)。この円筒体は、帯状部材の両端部を対向させ、その帯状部材の側縁が円筒体の軸方向端縁となるように丸められ、順送プレス加工によって形成されることがある。順送プレス加工では、隣り合う帯状部材の側縁の一部分が連結部によって繋がった状態で1枚の金属板から複数の帯状部材が順次切り出され、帯状部材を曲げ加工して円筒体を形成した後、連結部を切り取ることで個々の円筒体を製造する。連結部を切り取るパンチ等が円筒体の軸方向端縁に干渉しないよう、その軸方向端縁よりも軸方向外側で連結部を切り取った場合、軸方向端縁から軸方向に張り出た凸部が連結部の残部によって形成される。
特開2016−205605号公報
しかしながら、上記従来の技術では、円筒体に防振装置の圧入部を圧入するとき、圧入部が最初に凸部に当たり易いため、円筒体に対して圧入部が傾く等して圧入部を円筒体に圧入し難くなるという問題点がある。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、圧入部を円筒体に圧入し易くできる被圧入部材を提供することを目的とする。
この目的を達成するために本発明の被圧入部材は、防振装置の圧入部が圧入される、帯状部材の両端部を対向させて形成された金属製の円筒体と、前記両端部から離れた位置の前記円筒体の軸方向端縁から軸方向に張り出た凸部と、を備え、前記凸部は、前記円筒体の軸心側を向く内面を備え、前記内面は、前記円筒体の内周面に対して軸直角方向の外側へ凹んでいる。
請求項1記載の被圧入部材によれば、円筒体の軸方向端縁から軸方向に張り出た凸部は、円筒体の軸心側を向く内面を備えている。この内面は、円筒体の内周面に対して軸直角方向の外側へ凹んでいる。これにより、防振装置の圧入部を円筒体に圧入するときに圧入部を凸部に当たり難くできるので、圧入部を円筒体に圧入し易くできる。
請求項2記載の被圧入部材によれば、凸部の内面は、円筒体の内周面に連なる傾斜面を備えている。この傾斜面は、円筒体の内周面から軸方向に離れるにつれて軸直角方向の外側へ傾斜する。これにより、防振装置の圧入部を円筒体に圧入するときに凸部に圧入部をより当たり難くできると共に、傾斜面によって圧入部を円筒体へ案内し易くできる。その結果、請求項1の効果に加え、凸部の傾斜面によって円筒体に圧入部をより圧入し易くできる。
請求項3記載の被圧入部材によれば、傾斜面が圧痕により形成されている。これにより、円筒体の軸方向端縁から張り出ていた部位の一部を切り取ることで凸部を形成する場合、その張り出ていた部位を切り取る前にその部位に圧痕を設け、その圧痕の一部を残すように凸部を形成することで、凸部に傾斜面を容易に形成できる。その結果、請求項2の効果に加え、凸部を形成した後に傾斜面を形成するための加工を不要にできる。
請求項4記載の被圧入部材によれば、凸部は、円筒体の外周面に連なる外傾斜面を備えている。この外傾斜面は、円筒体の外周面から軸方向に離れるにつれて軸直角方向の外側へ傾斜し、凸部の内面の傾斜面も同様に傾斜している。即ち、凸部が円筒体に対して軸直角方向の外側へ曲がっている。ここで、円筒体の軸方向端縁同士を連結している連結部を切り取って連結部の残部により凸部を形成する順送プレス加工では、傾斜面を形成するために圧痕を連結部に設けると、連結部が延び変形して円筒体の軸方向位置を調整する作業が必要になる。これに対し、凸部を円筒体に対して軸直角方向の外側へ曲げて傾斜面を形成する場合には、圧痕を設けることに起因した連結部の延び変形を防止でき、順送プレス加工中に、連結部の延び変形に応じて円筒体の軸方向位置を調整する作業を不要にできる。その結果、請求項2の効果に加え、傾斜面を有する凸部を形成し易くできる。
請求項5記載の被圧入部材によれば、傾斜面は、軸方向端縁よりも円筒体の軸方向中央側まで設けられているので、円筒体への圧入部の圧入が開始されるまで、傾斜面により圧入部を円筒体へ案内できる。その結果、円筒体への圧入部の圧入開始前に、凸部と圧入部との摩擦力に起因して円筒体に対し圧入部を傾き難くできるので、請求項2から4のいずれかの効果に加え、圧入部を円筒体により圧入し易くできる。
請求項6記載の被圧入部材によれば、円筒体には、軸方向端縁の一部を切り欠いた一対の凹部が凸部の周方向両側に連続して形成されている。そして、傾斜面は、軸方向端縁よりも円筒体の軸方向中央側まで設けられると共に、凹部の軸方向の底部よりも凸部の軸方向の先端側まで設けられる。そのため、凹部によって凸部と軸方向端縁とを周方向に離すことができると共に、凹部によって傾斜面と円筒体の内周面とを周方向に離すことができるので、凸部に傾斜面を設けるときに、傾斜面を設ける工具等を凸部の周方向両側の円筒体の一部に干渉させ難くしたり、凸部の周方向両側の円筒体の一部を変形させ難くしたりできる。その結果、請求項5の効果に加え、傾斜面を形成し易くできる。
第1実施形態における被圧入部材を有する防振ユニットの斜視図である。 円筒体および凸部の斜視図である。 円筒体および凸部を順送プレス加工によって製造する過程を示す被加工材の平面図である。 図3のIV−IV線における被加工材の断面図である。 図3のV−V線における被加工材の断面図である。 第2実施形態における円筒体および凸部の断面図である。
以下、好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は第1実施形態における被圧入部材10を有する防振ユニット1の斜視図である。なお、図1には、被圧入部材10の円筒体20に防振装置2の圧入部5を圧入する前の状態を示している。また、説明の都合上、円筒体20を圧入部5へ圧入する圧入方向を防振ユニット1の下方として説明するが、その圧入方向と実際の防振ユニット1の下方とが異なっても良い。
防振ユニット1は、自動車などのエンジン(図示せず)を車体(図示せず)に支持させつつ、エンジンから車体に伝達される振動を抑制するエンジンマウントである。防振ユニット1は、振動を抑制する防振装置2と、防振装置2が組み付けられる被圧入部材10と、を備えている。
防振装置2は、エンジン側の取付金具(図示せず)が圧入される圧入孔4を有する取付部3と、被圧入部材10に圧入される円筒状の圧入部5と、取付部3と圧入部5の内周面とを連結するゴムや熱可塑性エラストマ等の弾性体性の弾性連結部6と、を備えている。取付部3は、圧入部5の軸心C上であって圧入部5から下方に離れた位置に配置されている。圧入孔4は、圧入部5の軸直角方向に貫通形成されている。
被圧入部材10は、軸心Cを中心とする円筒体20と、円筒体20の軸方向端縁22,23から軸方向に張り出す凸部27と、円筒体20の外周面にそれぞれ接合されて円筒体20の軸方向に延びる対向板部12,13と、対向板部12,13の下端同士を連結する連結板部14と、対向板部12,13の上端にそれぞれ設けられて車体に取り付けられる取付板部15と、円筒体20の下側の軸方向端縁23が接触する位置決め板17と、を備えている。
対向板部12,13と連結板部14と取付板部15とは、1枚の板材を曲げ加工して形成された一体成形品である。対向板部12,13は、軸心Cに関して略対称に配置されている。対向板部12,13は、円筒体20を軸直角方向の両側から挟み込むように、円筒体20の外周面に溶接により接合されている。取付板部15には、板厚方向に貫通する取付孔16がそれぞれ設けられ、その取付孔16に挿入したボルト等によって取付板部15が車体に固定される。
位置決め板17は、対向板部12,13の側縁に架け渡されるように接合された板材であり、長さ方向の両端部が上方に折り返されている。位置決め板17の長さ方向の中央部が円筒体20の軸方向端縁23に接触する。折り返された位置決め板17の長さ方向の両端縁は、円筒体20の外周面に接触するように円弧状に形成されている。このような位置決め板17の形状により、対向板部12,13に対して円筒体20を位置決めした状態で、円筒体20を対向板部12,13に接合できる。
図1に加えて図2を参照し、円筒体20及び凸部27について説明する。図2は、円筒体20及び凸部27の斜視図である。円筒体20は、圧入部5の外径よりも内径が若干小さく形成された円筒状の鋼製の部材である。円筒体20は、帯状部材の両端部21を対向させ、帯状部材の側縁がそれぞれ円筒体20の軸方向端縁22,23となるように形成されている。この軸方向端縁22,23は、軸心Cと略垂直な面によって形成されている。
円筒体20は、両端部21の近傍がそれぞれ対向板部12に接合され、両端部21に対して軸心Cを挟んだ反対側の一部、即ち帯状部材の長さ方向の中央部分が対向板部13に接合される。なお、対向板部12を介して両端部21同士が固定される場合に限らず、両端部21同士を溶接などにより直接接合しても良い。このように、両端部21同士が固定された状態で、円筒体20に軸方向端縁22側から圧入部5が圧入される。
円筒体20には、軸方向端縁22,23の一部をそれぞれ切り欠いて凹部24が軸方向の対称位置に形成され、軸方向端縁23の一部を切り欠いて位置決め孔25が形成されている。凹部24は、凸部27の周方向両側に連続して配置される一対の部位であり、軸方向端縁22,23をU字状に切り欠いている。位置決め孔25は、円筒体20を対向板部12,13に接合するときの位置決めや、軸方向端縁22と軸方向端縁23とを区別するための目印として利用される。
円筒体20には、凹部24や位置決め孔25、凸部27が設けられていない位置の軸方向端縁22,23と、円筒体20の内周面との角に第1傾斜面26が形成されている。第1傾斜面26は、軸方向端縁22,23から軸方向中央へ向かうにつれて軸心C側へ傾斜する。この第1傾斜面26によって円筒体20に圧入部5を圧入し易くできる。
凸部27は、両端部21から離れた位置の円筒体20の軸方向端縁22,23から軸方向に張り出た部位であり、円筒体20と一体成形されている。軸方向端縁22の凸部27と軸方向端縁23の凸部27とは、軸方向の対称位置に配置されている。また、本実施形態では、両端部21に対して軸心Cを挟んだ反対側の軸方向端縁22,23に凸部27が設けられている。凸部27は、軸方向の先端28と、先端28と円筒体20の内周面とを連結する第2傾斜面(内面)29と、を備えている。先端28は、軸心Cに略垂直な面によって形成されている。
第2傾斜面29は、円筒体20の内周面から軸方向に離れる(先端28へ向かう)につれて軸直角方向の外側へ傾斜し、凸部27の周方向の全長に亘って形成されている。そして、第2傾斜面29は、第2傾斜面29と円筒体20の内周面との境界29aから先端28まで軸直角方向の外側へ傾斜している。これにより、軸心C側を向く凸部27の内面の全体が第2傾斜面29によって形成され、凸部27の内面が円筒体20の内周面に対して軸直角方向の外側へ凹んでいる。そのため、圧入部5を円筒体20に圧入するときに、圧入部5を凸部27に当たり難くでき、圧入部5を円筒体20に圧入し易くできる。
さらに、第2傾斜面29は、円筒体20の内周面から軸方向に離れるにつれて軸直角方向の外側へ傾斜しているので、圧入部5を円筒体20に圧入するときに、凸部27に圧入部5をより当たり難くできると共に、第2傾斜面29によって圧入部5を円筒体20へ案内し易くできる。その結果、第2傾斜面29によって円筒体20に圧入部5をより圧入し易くできる。
第2傾斜面29と円筒体20の内周面との境界29aは、軸方向端縁22,23よりも円筒体20の軸方向中央側に位置する。即ち、軸方向端縁22,23よりも円筒体20の軸方向中央側まで第2傾斜面29が延長している。これにより、円筒体20への圧入部5の圧入が開始されるまで、第2傾斜面29により圧入部5を円筒体20へ案内できるので、円筒体20への圧入部5の圧入開始前に、凸部27と圧入部5との摩擦力に起因して円筒体20に対して圧入部5を傾き難くできる。その結果、圧入部5を円筒体20により圧入し易くできる。
次に図3から図5を参照して、円筒体20及び凸部27の製造方法について説明する。図3は円筒体20及び凸部27を順送プレス加工によって製造する過程を示す被加工材30の平面図である。図4は図3のIV−IV線における被加工材30の断面図である。図5は図3のV−V線における被加工材30の断面図である。なお、図3では、ダイ41,43やパンチ42,44等の図示を省略している。図5には、連結部33を切り取る前のパンチ44が実線で示され、連結部33を切り取るまで降ろされたパンチ44が二点鎖線で示されている。
図3に示すように、凸部27が一体成形された円筒体20は、順送プレス加工により連続して製造されるものである。順送プレス加工では、平板状の鋼板31を図3の紙面方向右側へ間欠的に送り出す供給装置(図示せず)と、順送金型(図示せず)と、順送金型が取り付けられるプレス装置(図示せず)と、を備えている。順送金型には、図3の紙面方向右側へ向かうにつれて鋼板31を徐々に成形して最終形状の円筒体20となるように、ダイ41,43やパンチ42,44等(図4,5参照)による複数の成形面が形成されている。被加工材30は、初期段階の鋼板31と、中間品の帯状部材32と、最終形状の円筒体20とが連結部33により繋がったものである。
具体的な順送プレス加工は、まず、鋼板31の右端部の一部を1又は複数回のプレス加工により切り取って帯状部材32を成形する。このとき、鋼板31の右側への送り出しに伴って帯状部材32を一緒に移動させるために、帯状部材32の側縁(軸方向端縁)23と鋼板31の右縁とを連結部33で繋いでおく。また、帯状部材32の側縁(軸方向端縁)22は、隣り合う別の帯状部材32の側縁23と連結部33で繋がっている。
この連結部33が設けられている位置は、帯状部材32の長さ方向の中央部分であって、凸部27が形成される部分である。連結部33は、順送プレス加工の最後に切り取られる。図3には、順送プレス加工の最後に切り取られる仮想の切断線34を二点鎖線で示している。
帯状部材32を成形するとき、側縁22,23の一部を切り欠いて凹部24や位置決め孔25を形成する。なお、帯状部材32を成形した後の別工程によって、凹部24や位置決め孔25を形成しても良い。また、帯状部材32の成形後、帯状部材32の側縁22,23の角を潰すことで側縁22,23に連なる第1傾斜面26を形成する。
さらに、図4に示すように帯状部材32の成形後には、切断線34を跨ぐように、下方からダイ41で支えた帯状部材32及び連結部33にパンチ42を押し付けて圧痕35を形成する。圧痕35は、連結部33の長さ方向中央へ向かうにつれて下降傾斜するように形成されている。なお、圧痕35近傍の材料密度と圧痕35から離れた位置の材料密度との比較や、圧痕35の周囲のメタルフローの状態、圧痕35の周囲の材料表面の盛り上がり等から、製造方法を確認しなくても圧痕35であることを確認できる。
図3に戻って説明する。帯状部材32に凹部24や圧痕35等を形成した後、両端部21が対向するまで帯状部材32を徐々に丸めて円筒体20を形成する。この円筒体20を形成するとき、連結部33が下端に位置するように、帯状部材32の両端部21を上方へ曲げていく。
次いで、図5に示すように、連結部33の近傍の円筒体20の外周面を下方からダイ43で支えながら、円筒体20の軸直角方向に動くパンチ44で連結部33を上方(軸心C側)から押すプレス加工によって、切断線34(図3参照)に沿って連結部33を切り取る。なお、図5には、右側の円筒体20の軸方向端縁23から張り出た連結部33を切断線34に沿って切り取る場合を図示したが、同時に図3の左側の円筒体20の軸方向端縁22から張り出た連結部33を切断線34に沿って切り取る。
連結部33周囲の軸方向端縁22,23や、連結部33に対して軸心Cを挟んだ反対側の軸方向端縁22,23にパンチ44が干渉しないよう、軸方向端縁22,23から軸方向外側へ離れた位置で連結部33を切り取るので、連結部33の残部によって凸部27が形成され、切断面により先端28が形成される。このように、軸方向端縁22,23の両方から連結部33を切り取ることで、凸部27が設けられた個々の円筒体20が製造される。
図5に加えて図2を参照しながら説明する。プレス加工による切断面である先端28は、パンチ44の移動方向である軸心C側から順にせん断面と破断面とが連続して形成されている。なお、せん断面とは、板厚方向に延びた筋が確認され、比較的滑らかで光沢のある面である。破断面とは、材料をむしりとったような比較的凹凸が大きい面である。
円筒体20の製造方法を確認しなくても、軸心C側から順にせん断面と破断面とが連続して形成された先端28を確認することで、連結部33近傍の円筒体20の外周面をダイ43で支えながら、連結部33を軸心C側からパンチ44で押して切り取るプレス加工によって凸部27の先端28が形成されたことが分かる。
連結部33(凸部27)の周方向両側に一対の凹部24が連続しているので、プレス加工により連結部33を切り取って凸部27を形成するときに、連結部33(凸部27)の根本に応力を集中させ難くできる。その結果、凸部27の根本にクラック等を生じ難くできる。
連結部33の長さ方向中央へ向かうにつれて下降傾斜する圧痕35が切断線34を跨ぐように設けられ、その圧痕35の一部を残すように切断線34に沿って連結部33を切り取り、凸部27が形成される。これにより、圧痕35によって凸部27に第2傾斜面29を容易に形成できる。その結果、凸部27を形成した後に第2傾斜面29を形成するための加工を不要にできる。
第2傾斜面29(圧痕35)と円筒体20の内周面との境界29aは、軸方向端縁22,23よりも円筒体20の軸方向中央側に位置すると共に、凸部27の周方向両側に連続して配置される一対の凹部24の軸方向の底部よりも先端28(切断線34)側に位置する。そのため、凹部24によって凸部27と軸方向端縁22,23とを周方向に離すことができると共に、凹部24によって第2傾斜面29と円筒体20の内周面とを周方向に離すことができる。これにより、凸部27に第2傾斜面29を設けるときに、第2傾斜面29を設ける工具等を凸部27の周方向両側の円筒体20の一部に干渉させ難くしたり、凸部27の周方向両側の円筒体20の一部を変形させ難くしたりできる。その結果、第2傾斜面29を形成し易くできる。
本実施形態において具体的には、第2傾斜面29を形成するための圧痕35を形成するとき、圧痕35の周方向両側の円筒体20の内周面を凹部24によって軸心C側に盛り上がらないようにできる。これにより、円筒体20に圧入部5を圧入するとき、円筒体20の内周面の一部が盛り上がった部分に圧入部5が引っ掛かることを防止できる。なお、圧痕35は連結部33の全幅に亘って形成されるので、圧痕35を設けるときに連結部33が長さ方向(円筒体20の軸方向)に延び、圧痕35(第2傾斜面29)と円筒体20の内周面との境界29a近傍は軸心C側に殆ど盛り上がらない。これにより、境界29a近傍に圧入部5を引っ掛かり難くできる。
次に図6を参照して第2実施形態について説明する。第1実施形態では、第2傾斜面29が圧痕35によって形成される場合について説明した。これに対して第2実施形態では、凸部51全体を軸直角方向の外側へ曲げることによって、凸部51に第2傾斜面53が形成される場合について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図6は、第2実施形態における円筒体20及び凸部51の断面図である。図6には、図5の円筒体20の断面と同様に、軸方向端縁22,23にそれぞれ設けられた凹部24の底部を含む円筒体20の断面が示されている。
図6に示すように、第2実施形態における被圧入部材の凸部51は、円筒体20の軸方向端縁22,23からそれぞれ軸方向に張り出た部位であり、円筒体20と一体成形されている。軸方向端縁22の凸部51と軸方向端縁23の凸部51とは、軸方向の対称位置に配置されている。本実施形態では、両端部21(図2参照)に対して軸心Cを挟んだ反対側の軸方向端縁22,23に凸部51が設けられている。
凸部51は、凸部51の周方向両側に連続する一対の凹部24(図2参照)の底部を結んだ境界55を起点に円筒体20に対して軸直角方向の外側へ曲がっている。凸部51は、軸方向の先端52と、先端52と円筒体20の内周面とを連結する第2傾斜面(内面)53と、先端52と円筒体20の外周面とを連結する外傾斜面54と、を備えている。
第2傾斜面53は、第2傾斜面53と円筒体20の内周面との境界55から軸方向に離れる(先端52へ向かう)につれて軸直角方向の外側へ傾斜し、軸心C側を向く凸部51の内面が円筒体20の内周面に対して軸直角方向の外側へ凹んでいる。これにより、第1実施形態と同様に、圧入部5(図1参照)を円筒体20に圧入するときに、圧入部5を凸部51に当たり難くできると共に、第2傾斜面53によって圧入部5を円筒体20へ案内し易くできる。その結果、圧入部5を円筒体20に圧入し易くできる。
凸部51の全体が境界55を起点に円筒体20に対して軸直角方向の外側へ曲がっているので、凸部51の外傾斜面54が円筒体20の外周面から離れる(先端52へ向かう)につれて軸直角方向の外側へ傾斜している。この場合、凸部51が張り出た周方向位置で円筒体20の外周面を対向板部13(図1参照)に接合しようとすると、凸部51の外傾斜面54が対向板部13に干渉してしまう。さらに、凸部51が張り出てない位置の円筒体20の軸方向端縁23を位置決め板17に接触させる必要がある。そのため、軸心Cを挟んで位置決め板17の反対側に凸部51が位置するよう、凸部51がない周方向位置で円筒体20を対向板部12,13に接合する。
円筒体20に対して軸直角方向の外側へ曲がった凸部51を形成する方法について説明する。まず、図3から図5を用いて説明した第1実施形態と同様に、順送プレス加工によって鋼板31から、連結部33で繋がった円筒体20を形成する。順送プレス加工の最後に連結部33を切り取って凸部51を形成するときのダイ43とパンチ44とのクリアランス(円筒体20の軸方向の間隔)を大きくすることによって、連結部33がパンチ44により軸直角方向の外側へ曲げられつつ連結部33が切り取られ、連結部33の残部によって軸直角方向の外側へ曲がった凸部51が形成される。なお、順送プレス加工によって円筒体20から凸部51を軸方向に真っ直ぐ張り出すように形成した後、その凸部51を曲げ加工することで、軸直角方向の外側へ曲がった凸部51を形成しても良い。
第1実施形態のように第2傾斜面29を形成するために連結部33に圧痕35を設ける場合、順送プレス加工の途中で連結部33が延び変形するが、第2実施形態のように、凸部51を軸直角方向の外側へ曲げて第2傾斜面53を設ける場合には、順送プレス加工の途中で連結部33を延び変形しないようにできる。その結果、順送プレス加工中に、連結部33の延び変形に応じて帯状部材32や円筒体20の軸方向位置を調整する作業を不要にできるので、第2傾斜面53を有する凸部51を形成し易くできる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、防振装置2や被圧入部材10の各部形状は一例であり、種々の形状を採用することは当然である。円筒状の圧入部5に限らず、円柱状の圧入部を円筒体20に圧入しても良い。また、圧入部5や円筒体20が鋼製である場合に限らず、圧入部5や円筒体20を鋼以外の金属製にしても良く、圧入部5を合成樹脂製などにしても良い。防振ユニット1がエンジンマウントである場合に限らず、サスペンション機構に組み込まれる防振ユニット等に本発明を適用しても良い。
上記第1実施形態では、連結部33を切断線34に沿ってプレス加工により切り取って凸部27を形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、レーザ光や各種の切削工具を用いて連結部33を切り取っても良い。
上記第1実施形態では、第2傾斜面29が圧痕35によって形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2傾斜面29を設けていない、凸部27を設けた個々の円筒体20を順送プレス加工によって製造した後、凸部27の先端28の軸心C側の角に面取り加工を施して第2傾斜面29を形成しても良い。この場合、凸部27の周方向両側に一対の凹部24が連続していれば、面取り加工を施す工具を凸部27の周方向両側の円筒体20の一部に干渉させ難くできる。
また、プレス加工により圧痕35を設けるのに代えて、圧痕35と同一形状の切削痕を切削加工により設け、切削痕により第2傾斜面29を形成しても良い。この場合、切削痕を設けるときに連結部33が延び変形することがないので、切削痕を設けた後に帯状部材32や円筒体20の軸方向位置を調整することを不要にできる。一方、圧痕35により第2傾斜面29を形成する場合には、切削痕を設けるために順送プレス加工を2度に分けることなく、順送プレス加工の一工程として圧痕35を形成できるので、鋼板31から円筒体20を形成する一連の工程を簡易にできる。
また、連結部33を切り取るパンチ44に、切断線34よりも円筒体20の軸方向中央側の一部を潰す傾斜面を設け、凸部27の先端28を形成するのと同時にパンチ44の傾斜面によって第2傾斜面29を形成しても良い。この場合、順送プレス加工中に、連結部33の延び変形に応じて帯状部材32や円筒体20の軸方向位置を調整する作業を不要にできる。
上記形態では、軸方向端縁22,23の周方向の同じ位置にそれぞれ凸部27,51や凹部24等が設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。軸方向端縁22の凸部27,51の位置と、軸方向端縁23の凸部27,51の位置とを周方向にずらしても良い。軸方向端縁22,23の周方向の同じ位置にそれぞれ凸部27,51を設けた方が順送プレス加工時に、連結部33を円筒体20の軸方向に真っ直ぐ設けることができ、パンチ44によって連結部33を切り取り易くできる。また、連結部33や凸部27,51は、両端部21から離れていれば、帯状部材32の長さ方向中央や、円筒体20のうち両端部21に対して軸心Cを挟んだ反対側からずらしても良い。
円筒体20の軸方向端縁22,23の両側に第1傾斜面26や第2傾斜面29,53を設ける場合に限らず、圧入部5が圧入される軸方向端縁22側のみに第1傾斜面26や第2傾斜面29,53を設け、圧入部5が圧入されない軸方向端縁23側に第1傾斜面26や第2傾斜面29,53を設けなくても良い。但し、軸方向端縁22,23の両側に第1傾斜面26や第2傾斜面29,53を設けることで、軸方向端縁22,23を逆にして対向板部12,13や位置決め板17に円筒体20を組み付けた場合でも、圧入部5を円筒体20に圧入し易くできる。即ち、対向板部12,13や位置決め板17に円筒体20を組み付けるときの向き合わせを不要にできる。
上記形態では、軸心C側を向く凸部27,51の内面の全体が第2傾斜面29によって形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。凸部27,51の内面が円筒体20の内周面に対して軸直角方向の外側へ凹んでいれば良い。例えば、円筒体20の内周面に対して凸部27,51の内面を段差状に凹ませても良い。また、凸部27,51の内面に、円筒体20の内周面に連なる第2傾斜面29,53と、第2傾斜面29,53と先端28,52とを軸心Cと略平行に連結する連結面とを設けても良い。
2 防振装置
5 圧入部
10 被圧入部材
20 円筒体
21 両端部
22,23 軸方向端縁
24 凹部
27,51 凸部
28,52 先端
29,53 第2傾斜面(内面、傾斜面)
32 帯状部材
35 圧痕
54 外傾斜面
C 軸心

Claims (6)

  1. 防振装置の圧入部が圧入される、帯状部材の両端部を対向させて形成された金属製の円筒体と、
    前記両端部から離れた位置の前記円筒体の軸方向端縁から軸方向に張り出た凸部と、を備え、
    前記凸部は、前記円筒体の軸心側を向く内面を備え、
    前記内面は、前記円筒体の内周面に対して軸直角方向の外側へ凹んでいることを特徴とする被圧入部材。
  2. 前記内面は、前記円筒体の内周面に連なると共に前記円筒体の内周面から軸方向に離れるにつれて軸直角方向の外側へ傾斜する傾斜面を備えていることを特徴とする請求項1記載の被圧入部材。
  3. 前記傾斜面が圧痕により形成されていることを特徴とする請求項2記載の被圧入部材。
  4. 前記凸部は、前記円筒体の外周面に連なると共に前記円筒体の外周面から軸方向に離れるにつれて軸直角方向の外側へ傾斜する外傾斜面を備えていることを特徴とする請求項2記載の被圧入部材。
  5. 前記傾斜面は、前記軸方向端縁よりも前記円筒体の軸方向中央側まで設けられていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の被圧入部材。
  6. 前記円筒体には、前記軸方向端縁の一部を切り欠いた一対の凹部が前記凸部の周方向両側に連続して形成され、
    前記傾斜面は、前記凹部の軸方向の底部よりも前記凸部の軸方向の先端側まで設けられていることを特徴とする請求項5記載の被圧入部材。
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