JP2021092280A - 被圧入部材 - Google Patents

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紀光 古澤
Norimitsu Furusawa
紀光 古澤
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Abstract

【課題】円筒体の軸方向端縁に対し凹んだ切断痕を形成し易くできる被圧入部材を提供すること。【解決手段】被圧入部材は、防振装置の圧入部が圧入される、帯状部材の両端部を対向させて形成された金属製の円筒体を備え、円筒体には、両端部から離れた位置の円筒体の軸方向端縁の一部を切り欠いた切断痕と、切断痕に対して円筒体の軸心を挟んだ反対側の軸方向端縁の一部を切り欠いた切欠部と、が形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、防振装置の圧入部が圧入される円筒体を有する被圧入部材に関し、特に円筒体の軸方向端縁に対し凹んだ切断痕を形成し易くできる被圧入部材に関するものである。
エンジンマウントやサスペンション機構などには、被圧入部材の金属製の円筒体に防振装置の圧入部を圧入した防振ユニットが用いられる。この円筒体は、帯状部材の両端部を対向させ、その帯状部材の側縁が円筒体の軸方向端縁となるように丸められ、順送プレス加工によって形成されることがある。順送プレス加工では、隣り合う帯状部材の側縁の一部分が連結部によって繋がった状態で1枚の金属板から複数の帯状部材が順次切り出され、帯状部材を曲げ加工して円筒体を形成した後、連結部を切り取ることで個々の円筒体を製造する。特許文献1に開示された技術では、連結部を切り取って形成された切断痕が、円筒体の軸方向端縁の一部を切り欠くように凹んでいるので、円筒体に防振装置の圧入部を圧入するときに圧入部を切断痕に引っ掛かり難くできる。
特開2015−232361号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、軸方向端縁の一部を切り欠いた切断痕に対して円筒体の軸心を挟んだ反対側の円筒体の軸方向端縁が残っている。そのため、例えば、プレス加工により連結部を切り取って凹んだ切断痕を形成する場合には、切断痕に対して軸心を挟んだ反対側の円筒体の一部にパンチが当たらないようにパンチを迂回させながら、円筒体の軸方向端縁よりも軸方向中央側に食い込むように連結部の上方からパンチを降ろす必要がある。このように、パンチの動かし方などを工夫する必要があるため、連結部を切り取り難く、円筒体の軸方向端縁に対して凹んだ切断痕を形成し難いという問題点がある。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、円筒体の軸方向端縁に対して凹んだ切断痕を形成し易くできる被圧入部材を提供することを目的とする。
この目的を達成するために本発明の被圧入部材は、防振装置の圧入部が圧入される、帯状部材の両端部を対向させて形成された金属製の円筒体を備え、前記円筒体には、前記両端部から離れた位置の前記円筒体の軸方向端縁の一部を切り欠いた切断痕と、前記切断痕に対して前記円筒体の軸心を挟んだ反対側の前記軸方向端縁の一部を切り欠いた切欠部と、が形成されている。
請求項1記載の被圧入部材によれば、円筒体には、円筒体を形成する帯状部材の両端部から離れた位置の円筒体の軸方向端縁の一部を切り欠いた切断痕と、切断痕に対して円筒体の軸心を挟んだ反対側の軸方向端縁の一部を切り欠いた切欠部と、が形成されている。これにより、円筒体の軸方向端縁の一部を切り欠いて切断痕を形成するとき、その切断痕を形成するためのパンチや刃などを、その切断痕に対して円筒体の軸心を挟んだ反対側の円筒体の一部に当たり難くできる。その結果、円筒体の軸方向端縁に対して凹んだ切断痕を形成し易くできる。
請求項2記載の被圧入部材によれば、切断痕の周方向寸法よりも切欠部の周方向寸法が長く、軸方向端縁から切断痕までの軸方向の深さよりも、軸方向端縁から切欠部までの軸方向の深さが深い。これにより、円筒体の軸方向端縁の一部を切り欠いて切断痕を形成するとき、その切断痕を形成するためにパンチや刃などが円筒体の軸直角方向に動いても、切断痕に対して円筒体の軸心を挟んだ反対側の円筒体の一部にさらに当たり難くできる。その結果、請求項1の効果に加え、円筒体の軸方向端縁に対して凹んだ切断痕をより形成し易くできる。
請求項3記載の被圧入部材によれば、切断痕は、軸心側から順にせん断面と破断面とが連続して形成されているので、円筒体の外周面をダイで支えながら、円筒体の軸方向端縁の近傍を軸心側から軸直角方向にパンチで押して切り取るプレス加工によって、切断痕が形成されたことが分かる。切断痕を形成するパンチの移動軌跡に切欠部があるので、パンチを円筒体に当たり難くできる。その結果、請求項2の効果に加え、円筒体の軸方向端縁に対して凹んだ切断痕をプレス加工によって形成し易くできる。
請求項4記載の被圧入部材によれば、円筒体には、軸方向端縁を切断痕よりも軸方向に深く切り欠いた一対の凹部が切断痕の周方向両側に連続して形成されているので、プレス加工により切断痕を形成するときに、切断痕の根本に応力を集中させ難くできる。その結果、請求項3の効果に加え、切断痕の根本にクラック等を生じ難くできる。
請求項5記載の被圧入部材によれば、円筒体の内周面は、切断痕に連なると共に切断痕から軸方向に離れるにつれて軸心側へ傾斜する傾斜面を備えている。これにより、防振装置の圧入部を円筒体に圧入するとき、切断痕に残ったバリ等を圧入部に引っ掛かり難くできる。その結果、請求項1から4のいずれかの効果に加え、圧入部を円筒体に圧入し易くできると共に、そのバリ等によって圧入部を傷つき難くできる。
請求項6記載の被圧入部材によれば、傾斜面が圧痕により形成されている。これにより、円筒体の軸方向端縁の一部を切り欠いて切断痕を形成する前に、その切り欠く部位に圧痕を設け、その圧痕の一部を残すように切断痕を形成することで、切断痕に連なる傾斜面を容易に形成できる。その結果、請求項5の効果に加え、切断痕を形成した後に傾斜面を形成するための加工を不要にできる。
一実施形態における被圧入部材を有する防振ユニットの斜視図である。 円筒体の斜視図である。 円筒体を順送プレス加工によって製造する過程を示す被加工材の平面図である。 図3のIV−IV線における被加工材の断面図である。 図3のV−V線における被加工材の断面図である。
以下、好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は一実施形態における被圧入部材10を有する防振ユニット1の斜視図である。なお、図1には、被圧入部材10の円筒体20に防振装置2の圧入部5を圧入する前の状態を示している。また、説明の都合上、円筒体20を圧入部5へ圧入する圧入方向を防振ユニット1の下方として説明するが、その圧入方向と実際の防振ユニット1の下方とが異なっても良い。
防振ユニット1は、自動車などのエンジン(図示せず)を車体(図示せず)に支持させつつ、エンジンから車体に伝達される振動を抑制するエンジンマウントである。防振ユニット1は、振動を抑制する防振装置2と、防振装置2が組み付けられる被圧入部材10と、を備えている。
防振装置2は、エンジン側の取付金具(図示せず)が圧入される圧入孔4を有する取付部3と、被圧入部材10に圧入される円筒状の圧入部5と、取付部3と圧入部5の内周面とを連結するゴムや熱可塑性エラストマ等の弾性体性の弾性連結部6と、を備えている。取付部3は、圧入部5の軸心C上であって圧入部5から下方に離れた位置に配置されている。圧入孔4は、圧入部5の軸直角方向に貫通形成されている。
被圧入部材10は、軸心Cを中心とする円筒体20と、円筒体20の外周面にそれぞれ接合されて円筒体20の軸方向に延びる対向板部12,13と、対向板部12,13の下端同士を連結する連結板部14と、対向板部12,13の上端にそれぞれ設けられて車体に取り付けられる取付板部15と、円筒体20の下側の軸方向端縁23が接触する位置決め板17と、を備えている。
対向板部12,13と連結板部14と取付板部15とは、1枚の板材を曲げ加工して形成された一体成形品である。対向板部12,13は、軸心Cに関して略対称に配置されている。対向板部12,13は、円筒体20を軸直角方向の両側から挟み込むように、円筒体20の外周面に溶接により接合されている。取付板部15には、板厚方向に貫通する取付孔16がそれぞれ設けられ、その取付孔16に挿入したボルト等によって取付板部15が車体に固定される。
位置決め板17は、対向板部12,13の側縁に架け渡されるように接合された板材であり、長さ方向の両端部が上方に折り返されている。位置決め板17の長さ方向の中央部が円筒体20の軸方向端縁23に接触する。折り返された位置決め板17の長さ方向の両端縁は、円筒体20の外周面に接触するように円弧状に形成されている。このような位置決め板17の形状により、対向板部12,13に対して円筒体20を位置決めした状態で、円筒体20を対向板部12,13に接合できる。
図1に加えて図2を参照し、円筒体20について説明する。図2は、円筒体20の斜視図である。円筒体20は、圧入部5の外径よりも内径が若干小さく形成された円筒状の鋼製の部材である。円筒体20は、帯状部材の両端部21を対向させ、帯状部材の側縁がそれぞれ円筒体20の軸方向端縁22,23となるように形成されている。この軸方向端縁22,23は、軸心Cと略垂直な面によって形成されている。
円筒体20は、両端部21の近傍がそれぞれ対向板部12に接合され、両端部21に対して軸心Cを挟んだ反対側の一部、即ち帯状部材の長さ方向の中央部分が対向板部13に接合される。なお、対向板部12を介して両端部21同士が固定される場合に限らず、両端部21同士を溶接などにより直接接合しても良い。このように、両端部21同士が固定された状態で、円筒体20に軸方向端縁22側から圧入部5が圧入される。
円筒体20には、軸方向端縁22,23の一部をそれぞれ切り欠いて切断痕24、切欠部25及び凹部26が軸方向の対称位置に形成され、軸方向端縁23の一部を切り欠いて位置決め孔27が形成されている。位置決め孔27は、円筒体20を対向板部12,13に接合するときの位置決めや、軸方向端縁22と軸方向端縁23とを区別するための目印として利用される。
切断痕24は、軸方向端縁22,23に対して軸方向に凹んだ部位であり、軸心Cに略垂直な面によって形成されている。切断痕24は、両端部21から離れた位置であって、対向板部13に接合される位置に設けられている。切断痕24は、後述する順送プレス加工の最後に形成される部位であり、切断痕24にバリが残ったり、切断痕24の角が鋭くなったりし易い。しかし、軸方向端縁22,23に対して切断痕24が凹んでいるので、円筒体20に圧入部5を圧入するときに圧入部5を切断痕24に引っ掛かり難くできる。
切欠部25は、切断痕24に対して軸心Cを挟んだ反対側の軸方向端縁22,23を軸方向に凹ませた部位である。切欠部25は、軸心Cに略垂直な面によって形成され、周方向の両端が軸方向端縁22,23に対して段差状に凹んでいる。切欠部25は、両端部21の周方向両側に形成されている。これにより、円筒体20に圧入部5を圧入するとき、両端部21の角を圧入部5に干渉し難くできる。
切断痕24の周方向寸法L1よりも切欠部25の周方向寸法L2が長い。また、軸方向端縁22,23から切断痕24までの軸方向の深さL3よりも、軸方向端縁22,23から切欠部25までの軸方向の深さL4が深い。これにより、切欠部25と切断痕24とが一直線上に配置されるように、軸直角方向から円筒体20の外周面を見たとき、切欠部25の内側に切断痕24を収めることができる。また、軸方向端縁22,23から切断痕24までの軸方向の深さL3は、円筒体20に圧入部5が圧入され始めるまでは圧入部5が切断痕24に干渉しないように設定されている。
凹部26は、切断痕24の周方向両側に連続して形成される一対の部位であり、軸方向端縁22,23をU字状に切り欠いている。軸方向端縁22,23から凹部26の底までの軸方向の深さL5は、切断痕24の深さL3よりも深い。
円筒体20には、切断痕24や切欠部25、凹部26、位置決め孔27が設けられていない位置の軸方向端縁22,23と、円筒体20の内周面との角に第1傾斜面28が形成されている。第1傾斜面28は、軸方向端縁22,23から軸方向中央へ向かうにつれて軸心C側へ傾斜する。この第1傾斜面28によって円筒体20に圧入部5を圧入し易くできる。
また、円筒体20の内周面は、切断痕24に連なる第2傾斜面29を備えている。第2傾斜面29は、切断痕24から軸方向に離れるにつれて軸心C側へ傾斜し、一対の凹部26間に亘って形成されている。この第2傾斜面29によって、円筒体20に圧入部5を圧入するとき、切断痕24に残ったバリ等を圧入部5に引っ掛かり難くできる。その結果、圧入部5を円筒体20に圧入し易くできると共に、そのバリ等により圧入部5を傷つき難くできる。
次に図3から図5を参照して、円筒体20の製造方法について説明する。図3は円筒体20を順送プレス加工によって製造する過程を示す被加工材30の平面図である。図4は図3のIV−IV線における被加工材30の断面図である。図5は図3のV−V線における被加工材30の断面図である。なお、図3では、ダイ41,43やパンチ42,44等の図示を省略している。図5には、連結部33を切り取る前のパンチ44が実線で示され、連結部33を切り取るまで降ろされたパンチ44が二点鎖線で示されている。
図3に示すように、円筒体20は、順送プレス加工により連続して製造されるものである。順送プレス加工では、平板状の鋼板31を図3の紙面方向右側へ間欠的に送り出す供給装置(図示せず)と、順送金型(図示せず)と、順送金型が取り付けられるプレス装置(図示せず)と、を備えている。順送金型には、図3の紙面方向右側へ向かうにつれて鋼板31を徐々に成形して最終形状の円筒体20となるように、ダイ41,43やパンチ42,44等(図4,5参照)による複数の成形面が形成されている。被加工材30は、初期段階の鋼板31と、中間品の帯状部材32と、最終形状の円筒体20とが連結部33により繋がったものである。
具体的な順送プレス加工は、まず、鋼板31の右端部の一部を1又は複数回のプレス加工により切り取って帯状部材32を成形する。このとき、鋼板31の右側への送り出しに伴って帯状部材32を一緒に移動させるために、帯状部材32の側縁(軸方向端縁)23と鋼板31の右縁とを連結部33で繋いでおく。また、帯状部材32の側縁(軸方向端縁)22は、隣り合う別の帯状部材32の側縁23と連結部33で繋がっている。
この連結部33が設けられている位置は、帯状部材32の長さ方向の中央部分であって、切断痕24が形成される部分である。そして、順送プレス加工の最後に連結部33を切り取ることで切断痕24が形成される。図3には、順送プレス加工の最後に切り取られる仮想の切断線34を二点鎖線で示す。なお、連結部33の幅は、切断痕24の周方向寸法L1と略同一である。
帯状部材32を成形するとき、側縁22,23の一部を切り欠いて切欠部25や凹部26、位置決め孔27を形成する。なお、帯状部材32を成形した後の別工程によって、切欠部25や凹部26、位置決め孔27を形成しても良い。また、帯状部材32の成形後、帯状部材32の側縁22,23の角を潰すことで側縁22,23に連なる第1傾斜面28を形成する。
さらに、図4に示すように帯状部材32の成形後には、切断線34を跨ぐように、下方からダイ41で支えた帯状部材32及び連結部33にパンチ42を押し付けて圧痕35を形成する。圧痕35は、連結部33の長さ方向中央へ向かうにつれて下降傾斜するように形成されている。なお、圧痕35近傍の材料密度と圧痕35から離れた位置の材料密度との比較や、圧痕35の周囲のメタルフローの状態、圧痕35の周囲の材料表面の盛り上がり等から、製造方法を確認しなくても圧痕35であることを確認できる。
図3に戻って説明する。帯状部材32に切欠部25や凹部26、圧痕35等を形成した後、両端部21が対向するまで帯状部材32を徐々に丸めて円筒体20を形成する。この円筒体20を形成するとき、連結部33が下端に位置するように、帯状部材32の両端部21を上方へ曲げていく。そうすると、連結部33の鉛直上方に切欠部25が位置する。
次いで、図5に示すように、連結部33の近傍の円筒体20の外周面を下方からダイ43で支えながら、円筒体20の軸直角方向に動くパンチ44で連結部33を上方(軸心C側)から押し、切断線34に沿って連結部33を切り取るプレス加工によって切断痕24を形成する。なお、図5には、右側の円筒体20の軸方向端縁23から張り出た連結部33を切断線34に沿って切り取る場合を図示したが、同時に図3の左側の円筒体20の軸方向端縁22から張り出た連結部33を切断線34に沿って切り取る。軸方向端縁22,23の両方から連結部33を切り取ることで、個々の円筒体20が製造される。
図5に加えて図2を参照しながら説明する。切断痕24を形成するとき、連結部33の幅(切断痕24の周方向寸法)L1は、切欠部25の周方向寸法L2よりも短く、連結部33に対して軸心Cを挟んだ反対側に切欠部25がある。これにより、軸方向端縁22,23よりも軸方向中央側に位置する切断線34に沿って連結部33を軸心C側から切り取るパンチ44を、切欠部25の内側を通って軸直角方向に真っ直ぐ降ろすことができる。即ち、切断痕24を形成するパンチ44の軸直角方向の移動軌跡に切欠部25があるので、切断面が切断痕24となる連結部33に対して軸心Cを挟んだ反対側の円筒体20の一部にパンチ44を当たり難くできる。その結果、円筒体20の軸方向端縁22,23に対して凹んだ切断痕24を形成し易くできる。
なお、切断痕24を形成するとき、パンチ44が切欠部25に当たらないように、切欠部25とパンチ44との間を若干離しているので、軸方向端縁22,23から切断痕24までの軸方向の深さL3よりも、軸方向端縁22,23から切欠部25までの軸方向の深さL4が深くなる。そのため、円筒体20の製造方法を確認しなくても、製造後の円筒体20において深さL3よりも深さL4が深くなっており、さらに切断痕24の周方向寸法L1よりも切欠部25の周方向寸法L2が長くなっていれば、切断痕24に対して軸心Cを挟んだ反対側の円筒体20の一部にパンチ44が当たらないように切断痕24を形成したことが分かる。このように製造後の円筒体20を確認することで、円筒体20の軸方向端縁22,23に対して凹んだ切断痕24を形成し易くできることが分かる。
また、軸方向端縁22,23から軸方向に突出していた連結部33を軸心C側からパンチ44で押して切り取るプレス加工により切断痕24が形成されるので、切断痕24は、軸心C側から順にせん断面と破断面とが連続して形成されている。なお、せん断面とは、板厚方向に延びた筋が確認され、比較的滑らかで光沢のある面である。破断面とは、材料をむしりとったような比較的凹凸が大きい面である。
円筒体20の製造方法を確認しなくても、軸心C側から順にせん断面と破断面とが連続して形成された切断痕24を確認することで、連結部33近傍の円筒体20の外周面をダイ43で支えながら、連結部33を軸心C側からパンチ44で押して切り取るプレス加工によって切断痕24が形成されたことが分かる。切断痕24の状態から、切断痕24を形成するときには切断痕24を形成するパンチ44の移動軌跡に切欠部25があったことが分かり、その切欠部25によってパンチ44を円筒体20に当たり難くできることが分かる。
連結部33(切断痕24)の周方向両側に連続する一対の凹部26の深さL5は、切断痕24の深さL3よりも深い。これにより、プレス加工により連結部33を切り取って切断痕24を形成するときに、連結部33(切断痕24)の根本に応力を集中させ難くできるので、切断痕24の根本にクラック等を生じ難くできる。
連結部33の長さ方向中央へ向かうにつれて下降傾斜する圧痕35が切断線34を跨ぐように設けられ、その圧痕35の一部を残すようにして切断痕24が形成されるので、切断痕24に連なる第2傾斜面29を圧痕35によって容易に形成できる。その結果、切断痕24を形成した後に第2傾斜面29を形成するための加工を不要にできる。
切断痕24の周方向両側に連続する一対の凹部26の深さL5が切断痕24の深さL3よりも深く、その凹部26の軸方向の底部よりも切断痕24側まで第2傾斜面29が設けられている。これにより、切断痕24と軸方向端縁22,23とを凹部26によって周方向に離すことができると共に、第2傾斜面29と円筒体20の内周面とを凹部26によって周方向に離すことができる。そのため、第2傾斜面29を設けるときに、第2傾斜面29を設ける工具等を切断痕24(連結部33)の周方向両側の円筒体20の一部に干渉させ難くしたり、切断痕24の周方向両側の円筒体20の一部を変形させ難くしたりできる。その結果、第2傾斜面29を形成し易くできる。
本実施形態において具体的には、第2傾斜面29を形成するための圧痕35を形成するとき、圧痕35の周方向両側の円筒体20の内周面を凹部26によって軸心C側に盛り上がらないようにできる。これにより、円筒体20に圧入部5を圧入するとき、円筒体20の内周面の一部が盛り上がった部分に圧入部5が引っ掛かることを防止できる。なお、圧痕35は連結部33の全幅に亘って形成されるので、圧痕35を設けるときに連結部33が長さ方向(円筒体20の軸方向)に延び、圧痕35(第2傾斜面29)と円筒体20との境界近傍は軸心C側に殆ど盛り上がらない。これにより、その境界の近傍に圧入部5を引っ掛かり難くできる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、防振装置2や被圧入部材10の各部形状は一例であり、種々の形状を採用することは当然である。円筒状の圧入部5に限らず、円柱状の圧入部を円筒体20に圧入しても良い。また、圧入部5や円筒体20が鋼製である場合に限らず、圧入部5や円筒体20を鋼以外の金属製にしても良く、圧入部5を合成樹脂製などにしても良い。防振ユニット1がエンジンマウントである場合に限らず、サスペンション機構に組み込まれる防振ユニット等に本発明を適用しても良い。
上記形態では、連結部33を切断線34に沿ってプレス加工により切り取り、切断痕24を形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、レーザ光や各種の切削工具を用いて連結部33を切り取っても良い。円筒体20の軸直角方向に投射するレーザ光や軸直角方向に動く切削工具を、連結部33(切断痕24)に対して軸心Cを挟んだ反対側の円筒体20の一部に当たり難くできる。
なお、レーザ光によって連結部を切り取る場合、切欠部25の周方向寸法L2が切断痕24の周方向寸法(連結部33の幅)L1より短く、切欠部25の深さL4が切断痕24の深さL3より浅くても、レーザ光の角度などを調整することで、円筒体20に当てずに切断痕24を形成できる。但し、切欠部25の周方向寸法L2や深さL4が大きい程、円筒体20に当たらないようにレーザ光を動かし易くできる。
上記形態では、第2傾斜面29が圧痕35によって形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2傾斜面29を設けていない個々の円筒体20を順送プレス加工によって製造した後、切断痕24と円筒体20の内周面との角に面取り加工を施して第2傾斜面29を形成しても良い。この場合、切断痕24の周方向両側に一対の凹部26が連続していれば、面取り加工を施す工具を切断痕24の周方向両側の円筒体20の一部に干渉させ難くできる。
また、プレス加工により圧痕35を設けるのに代えて、圧痕35と同一形状の切削痕を切削加工により設け、切削痕により第2傾斜面29を形成しても良い。この場合、切削痕を設けるときに連結部33が延び変形することがないので、切削痕を設けた後に帯状部材32や円筒体20の軸方向位置を調整することを不要にできる。一方、圧痕35により第2傾斜面29を形成する場合には、切削痕を設けるために順送プレス加工を2度に分けることなく、順送プレス加工の一工程として圧痕35を形成できるので、鋼板31から円筒体20を形成する一連の工程を簡易にできる。
切断痕24の周方向両側に一対の凹部26が連続しているので、その一対の凹部26の軸方向の底部を結んだ部分から切断痕24までの円筒体20の一部を軸直角方向の外側へ曲げることができる。この曲げ加工によって第2傾斜面29を形成しても良い。また、連結部33を切り取るパンチ44に、切断線34よりも円筒体20の軸方向中央側の一部を潰す傾斜面を設け、切断痕24を形成するのと同時にパンチ44の傾斜面によって第2傾斜面29を形成しても良い。
上記形態では、軸方向端縁22,23の周方向の同じ位置にそれぞれ切断痕24や切欠部25等が設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。軸方向端縁22の切断痕24の位置と、軸方向端縁23の切断痕24の位置とを周方向にずらしても良い。軸方向端縁22,23の周方向の同じ位置にそれぞれ切断痕24や切欠部25等を設けた方が順送プレス加工時に、連結部33を円筒体20の軸方向に真っ直ぐ設けることができ、パンチ44によって連結部33を切り取り易くできる。
また、連結部33や切断痕24は、両端部21から離れていれば、帯状部材32の長さ方向中央や、円筒体20のうち両端部21に対して軸心Cを挟んだ反対側からずらしても良い。そして、切断痕24の位置に応じて切欠部25の位置を両端部21から周方向にずらしても良い。
軸方向に凹んだ切断痕24や切欠部25を軸方向端縁22,23の両方に設ける場合に限らず、圧入部5が圧入される軸方向端縁22のみに切断痕24や切欠部25を設け、圧入部5が圧入されない軸方向端縁23に切断痕24や切欠部25を設けなくても良い。また、円筒体20の軸方向端縁22側のみに第1傾斜面28や第2傾斜面29を設け、円筒体20の軸方向端縁23側に第1傾斜面28や第2傾斜面29を設けなくても良い。但し、軸方向端縁22,23の両側に切断痕24や切欠部25、第1傾斜面28、第2傾斜面29を設けることで、軸方向端縁22,23を逆にして対向板部12,13や位置決め板17に円筒体20を組み付けた場合でも、圧入部5を円筒体20に圧入し易くできる。即ち、対向板部12,13や位置決め板17に円筒体20を組み付けるときの向き合わせを不要にできる。なお、軸方向端縁23に切断痕24や切欠部25を設けない場合には、軸方向端縁23から連結部33の長さ方向中央側に離れた位置でパンチ44等により連結部33を切り取ることによって、パンチ44等が円筒体20の軸方向端縁23近傍に干渉することを防止できる。
2 防振装置
5 圧入部
10 被圧入部材
20 円筒体
21 両端部
22,23 軸方向端縁
24 切断痕
25 切欠部
26 凹部
29 第2傾斜面(傾斜面)
32 帯状部材
35 圧痕
C 軸心

Claims (6)

  1. 防振装置の圧入部が圧入される、帯状部材の両端部を対向させて形成された金属製の円筒体を備え、
    前記円筒体には、前記両端部から離れた位置の前記円筒体の軸方向端縁の一部を切り欠いた切断痕と、
    前記切断痕に対して前記円筒体の軸心を挟んだ反対側の前記軸方向端縁の一部を切り欠いた切欠部と、が形成されていることを特徴とする被圧入部材。
  2. 前記切断痕の周方向寸法よりも前記切欠部の周方向寸法が長く、
    前記軸方向端縁から前記切断痕までの軸方向の深さよりも、前記軸方向端縁から前記切欠部までの軸方向の深さが深いことを特徴とする請求項1記載の被圧入部材。
  3. 前記切断痕は、前記軸心側から順にせん断面と破断面とが連続して形成されていることを特徴とする請求項2記載の被圧入部材。
  4. 前記円筒体には、前記軸方向端縁を前記切断痕よりも軸方向に深く切り欠いた一対の凹部が前記切断痕の周方向両側に連続して形成されていることを特徴とする請求項3記載の被圧入部材。
  5. 前記円筒体の内周面は、前記切断痕に連なると共に前記切断痕から軸方向に離れるにつれて前記軸心側へ傾斜する傾斜面を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の被圧入部材。
  6. 前記傾斜面が圧痕により形成されていることを特徴とする請求項5記載の被圧入部材。
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