JP4746904B2 - 加工方法、ダイ及び金型構造 - Google Patents
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Description
この種の金属板の成形方法として、特許文献1ではバーリングポンチ及びバーリングを、特許文献2では、板材の締結方法及びその締結方法に用いるポンチを開示している。
例えば特許文献2では、ピアス工程1、スリット切り込み工程2、バーリング工程3によりスリットを有した筒状突起部を形成している。ここで、スリット切り込み工程2で形成されるスリットの切り込みは断面V字状の非貫通のものであり、そのスリット切り込み部の裏面側からバーリング加工を施すことを特徴としている。またスリット切り込み工程2に用いられる工具としては、先端の平坦部にV字の突起を配置したパンチが開示されている。
そこで、本発明の目的は上述した実情を考慮してスリット切り込みを不要としつつ、先端側から基端側に向けて2つ以上のスリットが形成されている筒状突起部を形成する加工方法と、その加工方法に使用するダイ及び金型構造を提供することにある。
また請求項2に記載の発明は、前記パンチの先端部の稜線が前記パンチの略中心上に設置されている請求項1に記載の加工方法を特徴とする。
また請求項3に記載の発明は、金属板を素材として先端側から基端側に向けて少なくとも3つのスリットが形成されている筒状突起部を形成するために、先端部が角錐形状となっているパンチと、該パンチの先端部の角錐形状に対応した個数の角状突起部を有しているダイとを組み合せて前記筒状突起部を形成するための加工を行う加工方法において、前記パンチの先端部の角錐稜線と、前記ダイの角状突起部の頂点がほぼ同一に配置されるようにして前記筒状突起部を形成したことを特徴とする。
また請求項4に記載の発明は、前記パンチの先端部の角錐形状部分がほぼ対称形で形成されている請求項3に記載の加工方法を特徴とする。
また請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の加工方法において使用するダイであって、角状突起部が60°〜90°の角度で形成されていることを特徴とする。
また請求項7に記載の発明は、金属板を素材として先端側から基端側に向けて1対のスリットが形成されている筒状突起部を形成するために、先端部に少なくとも1つの稜線を有しているパンチと、1対の角状突起部を有しているダイとを組み合せて前記筒状突起部を形成するための加工を行う金型構造において、前記パンチの先端部の稜線とほぼ同一線上に前記角状突起部の頂点が配置されていることを特徴とする。
また請求項8に記載の発明は、前記パンチの先端部の稜線がパンチの略中心上に設置されている請求項7記載の金型構造を特徴とする。
また請求項9に記載の発明は、金属板を素材として先端側から基端側に向けて少なくとも3つのスリットが形成されている筒状突起部を形成するために、先端部が角錐形状となっているパンチと、該パンチの先端部の角錐形状部分に対応した個数の角状突起部を有しているダイとを組み合せて前記筒状突起部を形成するための加工を行う金型構造において、前記パンチの先端部の角錐稜線と、前記ダイの角状突起部の頂点がほぼ同一に配置されていることを特徴とする。
また請求項10に記載の発明は、前記パンチの先端部の角錐形状部分がほぼ対称形で形成されている請求項9記載の金型構造を特徴とする。
図1は本発明に係わるバーリング加工に用いるダイを示す斜視図である。図2は図1のダイを示す正面図ある。図3は図1のダイを示す断面図である。図4は本発明に係わるバーリング加工に用いるパンチを示す斜視図である。図5は図4のパンチを示す正面図である。
図1乃至図5において、ダイ1には4つの角状突起部2がダイ1に対して均等に設置されている。パンチ3の先端は4つの稜線4からなる角錐形状となっている。また、稜線4はパンチ3に対して均等に設置されている。角状突起部2の先端は、パンチの稜線とほぼ同一線上となる位置関係で設置されている。
図6はダイとパンチの位置関係を示す概略図である。図7は図6の断面指示記号7−7による断面図である。図8は図7の断面図の1部分を示す拡大図である。ダイ1とパンチ3は図6に示す位置関係で図示を略す金型内に設置される。
図9は本発明に係る第1の実施形態の金型及び加工方法においてパンチとダイが設置されている金型に設置された下穴が形成された金属板を示す概略図である。図10はパンチを金属板にプレス加工装置などを用いて圧入している状態を示す概略図である。
図9に示すように、このようなパンチ3とダイ1が設置されている金型に、公知の方法により穴あけ加工を施して下穴6が形成された金属板5を設置し、図10に示すように、パンチ3をプレス加工装置などにより圧入する。図9及び図10において、さらに、ダイ1、突起部2、移動方向7、パンチホルダ8、スプリング9が示されている。
本実施の形態では、稜線4及び角状突起部2を各々4つ形成したが、4つに限らず3つ以上であれば必要に応じて本数を増減することができる。
また、金属板5は下穴6が形成されていなくても良く、必要に応じて使い分けることができる。
図13は本発明に係わるバーリング加工に用いるダイを示す斜視図である。図14は図13のダイを示す正面図ある。図15は図13のダイを示す断面図である。図16は本発明に係わるバーリング加工に用いるパンチを示す斜視図である。図17は図16のパンチを示す正面図である。
第1の実施形態ではスリット10を3つ以上形成する方法の例を示したが、この第2の実施の形態では、1対(2つ)のスリット10を形成する方法の例を説明する。図13乃至図17において、その他、ダイ11とパンチ12の位置関係及び実施の形態は第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
図18は本発明に係る第2の実施形態の金型及び加工方法によって加工された金属板及び成形部を示す斜視図である。図19は図18の形状体を示す正面図である。
図18及び図19には、図13乃至図17記載の方法により加工された形状体(金属板及び成形部)を示している。先端側から基端側に向けて2つのスリット10が形成されている筒状突起部11が形成されている。
また本実施形態の加工方法によれば、金属板5を素材として、先端側から基端側に向けて少なくとも3つのスリット10が形成されている筒状突起部11を形成するために、先端部が角錐形状となっていることを特徴とするパンチ3とこのパンチ先端部の角錐形状部分に対応した個数の角状突起部を有しているダイ1との組み合せを有している。この組み合せで加工しかつ前記パンチ3先端部の角錐稜線と前記角状突起部2の頂点がほぼ同一に配置されていることを特徴としているので、従来のようなスリット切り込みを不要としつつ、先端側から基端側に向けて3つ以上のスリットが形成されている筒状突起部11を形成することが可能となる。
また本実施形態の加工方法によれば、パンチ3の先端部の角錐形状部分がほぼ対称形で形成されていることを特徴としているので、バーリング加工工程において、バランス良く筒状突起部11とスリット10を形成することができるので、ほぼ均一な高さを持った筒状突起部11の形成が可能となる。
また本実施形態の加工方法によれば、角状突起部2が60°〜90°の角度で形成されていることを特徴としているので、バーリング加工工程において、効率良くスリット10を形成することができ、ダイ1の寿命が長くなり、生産性を上げることが可能となる。
また本実施形態の加工方法によれば、角状突起部2の先端が微小なR形状となっていることを特徴とするダイ1を使用しているので、バーリング加工工程において、ダイ1の寿命が長くなり、生産性を上げることが可能となる。
Claims (10)
- 金属板を素材として先端側から基端側に向けて1対のスリットが形成されている筒状突起部を形成するために、先端部に少なくとも1つの稜線を有しているパンチと、1対の角状突起部を有しているダイとを組み合せて前記筒状突起部を形成するための加工を行う加工方法において、前記パンチの先端部の稜線とほぼ同一線上に前記ダイの角状突起部の頂点が配置されるようにして前記筒状突起部を形成したことを特徴とする加工方法。
- 前記パンチの先端部の稜線が前記パンチの略中心上に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の加工方法。
- 金属板を素材として先端側から基端側に向けて少なくとも3つのスリットが形成されている筒状突起部を形成するために、先端部が角錐形状となっているパンチと、該パンチの先端部の角錐形状に対応した個数の角状突起部を有しているダイとを組み合せて前記筒状突起部を形成するための加工を行う加工方法において、前記パンチの先端部の角錐稜線と、前記ダイの角状突起部の頂点がほぼ同一に配置されるようにして前記筒状突起部を形成したことを特徴とする加工方法。
- 前記パンチの先端部の角錐形状部分がほぼ対称形で形成されていることを特徴とする請求項3に記載の加工方法。
- 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の加工方法において使用するダイであって、角状突起部が60°〜90°の角度で形成されていることを特徴とするダイ。
- 前記角状突起部の先端が微小なR形状となっていることを特徴とする請求項5に記載のダイ。
- 金属板を素材として先端側から基端側に向けて1対のスリットが形成されている筒状突起部を形成するために、先端部に少なくとも1つの稜線を有しているパンチと、1対の角状突起部を有しているダイとを組み合せて前記筒状突起部を形成するための加工を行う金型構造において、前記パンチの先端部の稜線とほぼ同一線上に前記角状突起部の頂点が配置されていることを特徴とする金型構造。
- 前記パンチの先端部の稜線がパンチの略中心上に設置されていることを特徴とする請求項7に記載の金型構造。
- 金属板を素材として先端側から基端側に向けて少なくとも3つのスリットが形成されている筒状突起部を形成するために、先端部が角錐形状となっているパンチと、該パンチの先端部の角錐形状部分に対応した個数の角状突起部を有しているダイとを組み合せて前記筒状突起部を形成するための加工を行う金型構造において、前記パンチの先端部の角錐稜線と、前記ダイの角状突起部の頂点がほぼ同一に配置されていることを特徴とする金型構造。
- 前記パンチの先端部の角錐形状部分がほぼ対称形で形成されていることを特徴とする請求項9記載の金型構造。
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