JP3120068B2 - ロッカーアームの製造方法 - Google Patents

ロッカーアームの製造方法

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JP3120068B2
JP3120068B2 JP10359771A JP35977198A JP3120068B2 JP 3120068 B2 JP3120068 B2 JP 3120068B2 JP 10359771 A JP10359771 A JP 10359771A JP 35977198 A JP35977198 A JP 35977198A JP 3120068 B2 JP3120068 B2 JP 3120068B2
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修 久野
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久野金属工業株式会社
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21KMAKING FORGED OR PRESSED METAL PRODUCTS, e.g. HORSE-SHOES, RIVETS, BOLTS OR WHEELS
    • B21K1/00Making machine elements
    • B21K1/20Making machine elements valve parts
    • B21K1/205Making machine elements valve parts rocker arms

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等のエンジ
ンにおいてシリンダヘッドに設けられたバルブを、カム
シャフトの回転に伴って開閉させるロッカーアーム及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等のエンジンの動弁系に備えられ
るロッカーアームは、エンジンのクランク軸に連動する
カムシャフトのカムの回転に伴って、ピボット側の部分
を支点に揺動し、揺動端部でバルブステムの上端を押圧
してこれらを上下動させるものである。この種のロッカ
ーアームには本体部分をプレス成形により製造したもの
があり、通常「プレス製ロッカーアーム」と呼んでい
【0003】従来タイプのプレス製ロッカーアームが、
特開平9−41913号公報に記載されている。この公
報には、プレス成形により製造されたロッカーアームが
記載されている。この公報に記載の従来タイプのプレス
製ロッカーアームを図35〜図37にしたがって説明す
る。
【0004】図35は従来タイプのロッカーアームの斜
視図、図36は従来タイプのロッカーアームの平面図、
図37は図36中のA−A線断面矢視図である。図35
および図36に示すように、このロッカーアームは、ロ
ッカーアーム本体60、カム当接用ローラー65等によ
り構成され、ロッカーアーム本体60は、側板66,6
6、ピボット当接部67、バルブステム当接部68を備
えている。また、両側板66,66間には、カム当接用
ローラー65の軸64を支持する孔61,61が設けら
れている。
【0005】図37に示すように、両側板66,66と
バルブステム当接部68からなる断面の形状は略H形に
形成されている。この断面の形状を略H形に形成する
と、例えばU形に形成した場合に比してバルブステム7
0の荷重方向(図37中の矢印71方向)に対する耐久
性が高い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のロッ
カーアームは、1枚の板片を曲げ加工により数回折り曲
げることにより、断面の形状を図37に示すような略H
形に形成している。しかしながら、板片を折り曲げると
板片が一部重なり合う箇所ができ、この箇所には切れ込
み部68a,68aが形成される。そして、この切れ込
み部68a,68aの先端に形成される箇所には応力が
集中し易くなるため、バルブステム当接部68の耐久性
の向上には限界があった。
【0007】本発明が解決しようとする課題は、上記の
課題であり、プレス成形により耐久性の高いロッカーア
ームを製造する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明のロッカーアームの製造方法は、請求項1に
記載のとおりに構成されている。請求項1 に記載のロッ
カーアームの製造方法を用いれば、耐久性の高いロッカ
ーアームをプレス成形により製造することができる。
【0009】また、本発明のロッカーアームの製造方法
は、請求項2に記載のとおりに構成されている。請求項
に記載のロッカーアームの製造方法を用いれば、耐久
性の高いロッカーアームをプレス成形により製造するこ
とができるうえに、油噴出部をプレス成形で形成させる
ことができるため、短時間に加工することができ、例え
ばドリル加工や放電加工では得られないような生産効率
が良く、経済性の高いロッカーアームを実現することが
できる。
【0010】また、本発明のロッカーアームの製造方法
は、請求項3に記載のとおりに構成されている。請求項
に記載のロッカーアームの製造方法を用いれば、生産
効率が良く、耐久性、経済性が高いロッカーアームをプ
レス成形により製造することができるうえに、加工精度
の高いロッカーアームを製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態のロッカー
アームを実施例に基づいて説明する。図1〜図5は本発
明の一実施例にかかり、図1はロッカーアームの斜視
図、図2はロッカーアームの平面図、図3は、図2中の
III−III線断面矢視図、図4は図2中のIV−I
V線断面矢視図、図5は図2中のV−V線断面矢視図を
示している。図1および図2に示すように、ロッカーア
ーム1は、ロッカーアーム本体10、ローラー5等によ
り構成されている。ロッカーアーム本体10は、ほぼ平
行に対向する一対の側板11,12と、側板11,12
の両端を連接するバルブステム当接部13およびピボッ
ト当接部14とにより構成されている。ローラー5は、
側板11,12の長手方向ほぼ中央部の方形孔16に設
けられている。また、軸6は側板11,12の孔11
a,12aと嵌合しており、複数のベアリング等により
回転自在に支持されている。したがって、図3に示すよ
うに、ローラー5と、ローラー5のローラー面に当接す
るカムシャフトのカム部2との間に生じる摩擦を低減さ
せることができる。
【0012】バルブステム当接部13は、曲率半径Rの
凸片状に湾曲して形成され、側板11,12が対向する
一端側に設けられている。カムシャフトの運動に伴い、
バルブステム3に当接するバルブステム当接部13の下
面(図3における下側)は、ピボット当接部14を支点
にしてバルブステム3の頭部を押圧可能に構成されてい
る。このようにバルブステム当接部13はピボット当接
部14を支点にして円弧運動をするが、バルブステム3
に当接する側を凸片状に湾曲した形状にしているため、
常にバルブステム3の頭部のほぼ中央位置を押圧するこ
とができる。また、単なる平板状に形成する場合に比べ
てバルブステム当接部13の剛性を上げることができ
る。
【0013】図4に示すように、側板11,12とバル
ブステム当接部13からなる断面の形状は略H形に形成
されている。この略H形を形成する二枚の縦片と一枚の
横片が接合する位置にある角部13a,13b,13
c,13dはいずれも曲線状に形成されており、角部1
3a,13bは略円弧状に、角部13c,13dは凹状
になっている。バルブステム当接部13に、図4中の矢
印40方向からバルブステム3が当接すると、角部13
a,13bにはそれぞれ矢印41,42方向の伸び応力
が作用するが、角部13a,13bを略円弧状に形成し
たため引張り力に強い。また、角部13c,13dには
それぞれ矢印43,44方向の圧縮応力が作用するが、
角部13c,13dを凹状に形成したため圧縮方向に応
力が作用しても影響はない。角部13a〜13dをこの
ような形状に形成することにより、バルブステム3が図
4中の矢印40方向から当接する時の応力を分散させる
ことができ、バルブステム当接部13の耐久性を向上さ
せることができる。
【0014】従来のプレス成形によりバルブステム当接
部の断面を略H形とする場合は、板片を折り曲げた箇所
に切れ込み部が形成され、この切れ込み部の先端に応力
が集中し易くなる。また、角部13a〜13dの形状を
直角状にした場合でも角部13a〜13dに応力が集中
し易くなる。しかし、角部13a〜13dを曲線状に形
成した本実施例のロッカーアーム1はそのような応力を
分散させることができる。
【0015】また、従来の曲げ加工によりバルブステム
当接部の断面を略H形とする場合は、板片が一部重なり
合うためバルブステム当接面(バルブステムによる押圧
力を受ける部分)の板片の幅は広く形成される。すなわ
ち、本実施例のロッカーアーム本体10は板片が重なら
ないためバルブステム当接面の板片の幅は図4中のE1
となるが、従来のロッカーアームではバルブステム当接
面の展開長(図37中のE2+E3+E3に相当する長
さ)となり、E1の方が長くなる。したがって、バルブ
ステム当接面の板片の幅を広くした従来のロッカーアー
ムは、バルブステム当接部の耐荷重を確保するためにバ
ルブステム当接面の板片の長さが長く形成されており、
ロッカーアーム本体の大きさも大きくなる。これに比し
て、本実施例のロッカーアーム1は、バルブステム当接
部13の耐荷重を確保できるうえに、ロッカーアーム本
体の大きさが必要以上に大きくならないため、エンジン
スペースが拡大するのを抑えることができる。
【0016】ピボット当接部14には、板片14aと突
部14bが設けられており、突部14bは板片14aの
ほぼ中央位置に形成されている。突部14bの内面の頂
部には凹部14cが形成されている。突部14bおよび
凹部14cは、平板片を例えば絞り加工後エンボス加工
することにより形成することができる。突部14bに
は、ローラー5に向かう位置に油噴出部15が設けられ
ている。図1〜3に示すように、油噴出部15は凹部1
5aと孔15bにより構成されている。油噴出部15の
孔15bからローラー5の表面に潤滑油を噴出させるこ
とにより、ローラー5とカム部2が接触する箇所の耐摩
耗性を維持することができる。なお、孔15bから噴出
する潤滑油はピボット4から供給されている。突部14
bの内側の面がピボット4の頭部4aを所定以上の圧力
で押圧すると、頭部4aに設けられた供給口から潤滑油
が噴出する。したがって孔15bからローラー5に向け
て潤滑油が噴出されるように構成されている。本実施の
形態では、孔15bは内径が約0.6mmの円形状であ
り、孔15bの内径や形状は、ローラー5へ噴出させる
潤滑油の必要量等により変更可能である。
【0017】なお、本発明でいう「プレス成形」には、
板片等の被加工物を折り曲げる「曲げ加工」、被加工物
を所定の形状に打ち抜く「打ち抜き加工」の他に、被加
工物を所定の型に押し込み、押し潰して成形するいわゆ
る「絞り加工」、「据え込み加工」、「エンボス加
工」、「凸押し加工」、「潰し加工」、また、上記の加
工を行った後に被加工物の加工精度を上げるために行う
整形作業等も含むものとする。また、側板11,12は
本発明の縦片に対応し、バルブステム当接部13は本発
明の横片に対応する。
【0018】次に、本実施例のロッカーアーム本体10
の製造方法について図6〜図32に従って説明する。な
お、図6、図8、図10、図12、図15、図18、図
21は各製造過程におけるロッカーアーム本体10の平
面図である。また、図7、図9、図11および図13、
図16、図19、図22は、各製造過程におけるロッカ
ーアーム本体10の断面図および側面図である。また、
図24、図27、図30は各製造過程における油噴出部
15の平面図であり、図25、図28、図31は各製造
過程における油噴出部15の断面図である。また、図1
4、図17、図20、図23、図26、図29、図32
は型部材の側面図である。
【0019】まず、板状の金属材料を、図6および図7
に示すような形状に打ち抜く。この打ち抜き加工によ
り、平面視がほぼロ字形の母材A1が形成される。ま
た、母材A1の中央位置には鼓形の孔20aが形成さ
れ、その両側には二つの突片A11,A12が形成され
る。
【0020】次に、絞り加工およびエンボス加工(ポン
チとダイスを使用して材料の一部に突起部分を作る加工
方法)により、母材A1の一端側(図6中の左側。以
下、「ピボット側」という。)に、図10に示すような
突部14bを形成させる。なお、このような加工は図8
〜図11に示すように二段階で行う。第一の段階では、
図8および図9に示すように半球部21が形成される。
また、第二の段階では、図10および図11に示すよう
に突部14bの内面の頂部にさらに凹部14cが形成さ
れる。凹部14cは、その内面が孔15bの軸線とほぼ
垂直な面を有する形状に形成されている。凹部14cを
このような形状にすることにより、後述するような打ち
抜き加工で孔15bを形成させる場合に貫通させ易い。
また、頂部の肉厚は薄くすることができ、後述するよう
な油噴出部15の加工がより容易になる。
【0021】次に、母材A1の突片A11,A12を図
10中の破線30,31に沿って曲げ加工して立ち上
げ、図12および図13に示すような側板B11,B1
2を形成させる。この曲げ加工を行う場合は、例えば、
図14に示すようなポンチC11、パッドC12、ダイ
C13等からなる型部材を用いる。この型部材C11〜
C13を用いることにより、母材A1の他端側(図9中
の右側。以下、「バルブステム側」という。)の断面
は、図14に示すような幅L1、内径M1、高さH1の
略U形に形成される。また、対向する両側板B11,B
12の間隔は、ピボット側に比べてバルブステム側が比
較的に狭く形成されている。なお、このときの母材A1
の形状を「フォーム−1」とする。
【0022】次に、図12および図13に示す母材A1
のバルブステム側を据え込み加工して、一回であるいは
複数回で、図15および図16に示す形状に成形する。
なお、このときの母材A1の形状を「フォーム−2」と
する。ここでは、図14に示すような「フォーム−1」
で用いた型部材C11〜C13とは別の型部材C21〜
C24を用いる。したがって、バルブステム側の断面
は、図17に示すように型部材C21〜C24の形状に
対応して形成される。ここでは、バルブステム側の断面
の形状は、その高さがフォーム−1において形成された
略U形の高さH1よりも低く、高さH2に形成される。
そして、図14に示す略U形の下方外側面に、幅L2
(L2>L1)の凸部B13,B14を形成させる。こ
の凸部B13,B14は、略U形の高さがH1からH2
に短くなった分、略U形の下方外側面に、はみ出して形
成される。
【0023】次に、図15および図16に示す母材A1
のバルブステム側をさらに加工して、図18および図1
9に示す形状に成形する。なお、このときの母材A1の
形状を「フォーム−3」とする。ここでは、図20に示
すように更に別の型部材C31〜C34を用いて成形を
行う。この成形により、側板11,12とバルブステム
当接部13からなる断面は図20に示すような高さH
3、幅L3、内径M3の略H形になる。すなわち、外側
にはみ出した凸部B13,B14は、型部材33の形状
に対応して図17中の矢印32,33方向に押し潰さ
れ、バルブステム側の断面の形状は略U形から略H形へ
と変形する。また、このときの略H形の内径M3は、フ
ォーム−1およびフォーム−2における内径M1および
M2よりも大きく形成される。
【0024】次に、図18および図19に示す母材A1
のバルブステム側をさらに加工して、図21および図2
2に示す形状に成形する。なお、このときの母材A1の
形状を「フォーム−4」とする。ここでは、図23に示
すように更に別の型部材C41〜C44を用いて成形を
行う。この成形により、フォーム−3において形成され
た略H形の曲面部分は取り除かれて、側板11,12と
バルブステム当接部13からなる断面は、図23に示す
ように、よりH形に近い形状へと整形される。また、バ
ルブステム当接部13は、型部材C43の形状に対応し
て曲率半径Rの凸片状に湾曲して形成され、角部13
c,13dは、凹状に形成される。また、角部13a,
13bは、型部材C41の形状に対応して略円弧状に形
成される。このように、フォーム−4においては、バル
ブステム側の断面の加工精度が上げられ、微細な部分が
整形される。
【0025】次に、前記絞り加工およびエンボス加工に
よりピボット側に形成した突部14bに油噴出部15を
形成させるための加工を以下の手順により行う。なお、
通常、油噴出部15の孔15bに必要とされる内径は約
0.6mmであるが、プレス成形により、例えば肉厚約
2mmの突部14bにこのような小口径の孔を一度に形
成させるのは難しいため、下記のように三段階に別けて
行う。まず、図24〜図26に示すような第一の段階で
は、油噴出部15を設ける位置に、例えば突部14bの
斜め上方(図25の右斜め上方)から型部材(例えばポ
ンチ)C51を押し当てて、型部材C51の先端の形状
に応じた凹部15aを形成させる。このような凸押し加
工により、凹部15aが形成された箇所の肉厚は他の突
部14bの肉厚よりも薄く形成される。次に、図27〜
図29に示すような第二の段階では、別の型部材C52
を用いてこの凹部15aに内径d1の孔15bを貫通さ
せる。このような打ち抜き加工により、型部材C52に
対応した形状の孔15b、例えば内径d1が約1.2m
mの円筒形の孔が、凹部14cの位置に形成される。最
後に、図30〜図32に示すような第三の段階では、凹
部15aに例えば型部材C51よりも小径の型部材C5
3を押し当てて、孔15bの片方の内径が所望する大き
さになるように押し潰す。このような潰し加工により、
例えば押圧側の内径d2が約0.6mmになるように成
形される。そして、凹部15aには、長径約1.2m
m、短径約0.6mmの略円錐台形の孔15bが形成さ
れる。このようにして、プレス成形により小口径の孔を
精度良く形成させることができる。
【0026】油噴出部15の孔15bは、従来は例えば
ドリル加工や放電加工により形成されていた。しかしな
がら、この種の加工(ドリル加工や放電加工)は時間が
相当にかかるため加工コストが高くなり、経済性に問題
があった。上記のような手順により油噴出部15を形成
することにより、従来のドリル加工や放電加工に比べて
経済性を高めることができる。
【0027】次に、図示しない型部材により、バルブス
テム当接部13とピボット当接部14を同時に型押しし
て、上記の加工の過程において発生した歪みやずれ等の
修正を行う。このような整形加工により、ロッカーアー
ム本体10の寸法精度を出すことができ、精度の高いロ
ッカーアームを実現することができる。
【0028】最後に、両側板11,12に、ローラー5
を支持する軸6と嵌合可能な孔11a,12aが打ち抜
き加工される。また、図33および図34によく示すよ
うに、この打ち抜き加工により、孔11a,12aの外
側の位置には円周位置に沿って傾斜部11b,12bが
形成される。また、この傾斜部11b,12bは、図3
4中の基準線19に対して対称となるように角度θ1の
範囲に形成される。また、傾斜部11b,12bの形成
されない範囲は角度θ2(θ1>θ2)となる。なお、
図33は、図2中のW−W線断面矢視図を示し、図34
は、ロッカーアーム本体の部分側面図を示している。
【0029】ロッカーアーム1を組み立てる場合には、
孔11a,12aにローラー5の軸6を嵌合させる。こ
の場合、孔11a,12aの内径は軸6の外径よりも若
干大きいため、孔11a,12aと軸6との間に隙間が
形成される。次に、軸6の外側面、すなわち図33中の
矢印50および51方向から、例えば馬蹄形の加締用治
具を図34中の2点鎖線17,18の位置に押し当てて
軸6の加締加工を行う。このような加締加工を行うこと
により、軸6の両端位置にはテーパー形状の凸部6a,
6bが形成される。そして、この凸部6a,6bの形成
に伴って、軸6は図33中の矢印52方向に僅かに移動
して、傾斜部11bおよび12bは、凸部6aおよび6
bをそれぞれ押圧する。したがって、加締加工しない箇
所(傾斜部11b,12bおよび凸部6a,6bが形成
されない側)における孔11a,12aと軸6との隙間
は無くなり、加締加工する箇所(傾斜部11b,12b
および凸部6a,6bが形成される側)の隙間はその分
大きくなる。また、加締加工しない箇所は加締加工する
箇所に比して、孔11a,12aと軸6との接触面積が
大きくなる。このように、軸6がローラー5により押圧
される側(図34中の上側面)を加締加工して、押圧さ
れない側を加締加工しないことにより、軸6の加締力を
確保しつつ、図33中の矢印52方向の押圧に対する耐
久性を高くすることができる。
【0030】傾斜部11b,12bを形成する範囲θ1
の目安は、例えば基準線19を中心にして270度とす
ることができる。角度θ1が小さい、したがって加締加
工の範囲が狭すぎると、軸6に作用する加締力が弱くな
る。また、角度θ1が大きい、したがって加締加工の範
囲が広すぎると、孔11a,12aと軸6との隙間がほ
ぼ均一になる。このような状態は、図33中の矢印52
方向からの押圧に弱く、軸6のがたつき等の原因になる
恐れがある。角度θ1またはθ2は、ロッカーアームの
形状や加工精度等により、適宜変更して決めることがで
きる。なお、この孔11a,12aは、母材A1の突片
A11,A12を折り曲げ加工して側壁B11,B12
を立ち上がらせる前に形成してもよい。
【0031】以上のような加工手順にしたがって、あら
ゆる工程を順送型のプレス加工装置により行いロッカー
アーム本体10を製造することにより、例えばロストワ
ックスを用いた精密鋳造、冷間鍛造、機械切削加工、溶
接加工、曲げ加工を主体とするプレス加工等によっては
得られない高効率、高経済性のロッカーアームを提供す
ることができる。
【0032】以上のように構成した本実施の形態のロッ
カーアーム1によれば、バルブステム当接部13の耐久
性を向上させることができる。また、ロッカーアーム本
体10をプレス成形により製造することができるため、
ロッカーアーム1の重さを軽量化することができる。さ
らに、例えば精密鋳造、冷間鍛造等を用いて製造する場
合に比べて型部材等の製造コストが安く、また加工速度
が速いため、ロッカーアーム本体10を効率良く、低コ
ストで製造することができる。また、油噴出部15をプ
レス成形により形成させることができるため、ドリル加
工や放電加工に比べて加工速度が速く、短時間で行うこ
とができ、低コストで製造することができる。また、油
噴出部15の孔15bの径の調節を潰し加工により行う
ため、任意の径の孔15bを精度良く形成させることが
できる。また、バルブステム当接部13とピボット当接
部14を最終的に同時に型押しする工程を設けたため、
途中の加工過程で発生した歪みやずれ等を修正すること
ができ、ロッカーアーム本体10の加工精度を上げるこ
とができる。
【0033】なお、本発明は上記の実施例のみに限定さ
れるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。上
記の実施例では、ロッカーアーム本体10をプレス成形
で製造する加工手順は、突部14b、側板11,12、
バルブステム当接部13、油噴出部15の順としたが、
加工する順番や工程の数等は必要に応じて変更可能であ
る。また、フォーム−3およびフォーム4の加工工程に
おいて、バルブステム当接部13側の断面形状を略H形
に形成させたが、工程の数は変更可能であり、例えばこ
の加工を一回の工程で行うこともできる。また、バルブ
ステム当接部13の角部13c,13dは凹状に形成し
たが、角部13a、13bのような略円弧状に形成する
こともできる。また、油噴出部15はプレス成形により
形成されていればよく、その加工に用いる型部材の形状
等は変更可能である。また、油噴出部15の凹部15
a、孔15bは突部14bの外側からの三段階の加工に
より形成させたが、凹部15a、孔15bは突部14b
の内側から加工してもよく、また加工する工程の数等は
必要に応じて変更可能である。また、孔15bは長径約
1.2mm、短径約0.6mmの略円錐台形に形成した
が、孔15bの形状や内径は、必要とされる潤滑油の噴
出量に応じて変更可能である。また、凹部14cは、そ
の内面に孔15bの軸線とほぼ垂直な面を有する略円弧
状に形成したが、略円弧状でなくてもよく、また凹部1
4cを省略することもできる。この場合には、突部14
bの内面を孔15bの軸線とほぼ垂直な面を有する形状
とすれば、孔15bの加工をやり易くさせることができ
る。また、ロッカーアーム1のローラー5、バルブステ
ム当接部13、ピボット当接部14はほぼ同一平面上に
設けたが、相対位置関係は任意であり、ロッカーアーム
の用途等にしたがって種々変更可能である。また、軸6
の傾斜部11b,12bは基準線19を中心にして角度
θ1の範囲に形成したが、傾斜部11b,12bの形
状、配置等は軸6の構成や軸6が押圧される方向等によ
って変更可能である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
ロッカーアームの製造方法を用いれば、耐久性の高いロ
ッカーアームをプレス成形により製造することができ
る。また、請求項2に記載のロッカーアームの製造方法
を用いれば、耐久性の高いロッカーアームをプレス成形
により製造することができるうえに、経済性の高いロッ
カーアームを実現することができる。また、請求項3に
記載のロッカーアームの製造方法を用いれば、耐久性、
経済性の高いロッカーアームをプレス成形により製造す
ることができるうえに、加工精度の高いロッカーアーム
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のロッカーアームの斜視
図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図2中のIII−III線断面矢視図である。
【図4】図2中のIV−IV線断面矢視図である。
【図5】図2中のV−V線断面矢視図である。
【図6】製造過程におけるロッカーアーム本体の平面図
である。
【図7】図6中のVII−VII線断面矢視図である。
【図8】製造過程におけるロッカーアーム本体の平面図
である。
【図9】図8中のIX−IX線断面矢視図である。
【図10】製造過程におけるロッカーアーム本体の平面
図である。
【図11】図10中のXI−XI線断面矢視図である。
【図12】製造過程におけるロッカーアーム本体の平面
図である。
【図13】図12の側面図である。
【図14】型部材の側面図である。
【図15】製造過程におけるロッカーアーム本体の平面
図である。
【図16】図15の側面図である。
【図17】型部材の側面図である。
【図18】製造過程におけるロッカーアーム本体の平面
図である。
【図19】図18の側面図である。
【図20】型部材の側面図である。
【図21】製造過程におけるロッカーアーム本体の平面
図である。
【図22】図21の側面図である。
【図23】型部材の側面図である。
【図24】製造過程における油噴出部の平面図である。
【図25】図24中のS−S線断面矢視図である。
【図26】型部材の側面図である。
【図27】製造過程における油噴出部の平面図である。
【図28】図27中のT−T線断面矢視図である。
【図29】型部材の側面図である。
【図30】製造過程における油噴出部の平面図である。
【図31】図30中のU−U線断面矢視図である。
【図32】型部材の側面図である。
【図33】図2中のW−W線断面矢視図である。
【図34】ロッカーアーム本体の部分側面図である。
【図35】従来のプレス製ロッカーアームの斜視図であ
る。
【図36】従来のプレス製ロッカーアームの平面図であ
る。
【図37】図36中のA−A線断面矢視図である。
【符号の説明】
1…ロッカーアーム 5…ローラー 6…軸 10…ロッカーアーム本体 11,12…側板 13…バルブステム当接部 14…ピボット当接部 14b…突部 15…油噴出部 15b…孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 1/18 B21D 53/84 B21J 5/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板片を曲げ加工してロッカーアーム本体
    のバルブステム当接部の断面を略U形に形成する工程
    と、据え込み加工により前記略U形の下方外側面に、
    み出し形状の凸部を形成させる工程と、前記凸部を押し
    潰してH形に形成する工程とを有するロッカーアームの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のロッカーアームの製造
    方法であって、 前記ロッカーアーム本体のピボット当接部に設けられた
    油噴出部に凸押し加工により凹部を形成させる工程と、
    前記凹部に打ち抜き加工により孔を形成させる工程と、
    前記孔を潰し加工により押し潰して該孔の内径を調節す
    る工程とを有するロッカーアームの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のロッカーアームの製造
    方法であって、 前記孔の内径を調節する工程の後に、前記バルブステム
    当接部と前記ピボット当接部に両側を同時に型押しする
    工程を設けたことを特徴とするロッカーアームの製造方
    法。
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