JP3117089U - パイプ円筒面の穴明用の金型セット、穴明機構及び穴明プレス機 - Google Patents

パイプ円筒面の穴明用の金型セット、穴明機構及び穴明プレス機 Download PDF

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Abstract

【課題】プレス加工によりパイプ部品5の円筒面に穴を明ける場合に、パイプ部材の端部から離れた位置に正確に穴を明けること、パイプ部材に折り曲げ形状を有するパイプ部品5に穴を明けること、さらにパイプの径に対して大きな穴を明けることを可能とする金型セット穴明機構及び穴明けプレス機の提供。
【解決手段】パイプ部品5を上金型2と下金型3で拘束しつつ、パイプ部材の長手方向の断面において、打抜面4bの端部接線4dとパイプの平行線5aとの間にシーヤ角4aを設けたパンチ4を使用し、パイプ部材の法線方向又は概略法線方向にプレスする。また、そのようなパイプ円筒面の穴明け加工に適した金型セット1、穴明機構6及び穴明プレス機とする。
【選択図】図1

Description

本考案は、パイプ部材、パイプ部材を折り曲げた部品及びパイプ部材に他の部材を取り付けた部品など(以下単に「パイプ部品」という。)の円筒面に穴明け加工をするための金型セット、穴明機構、穴明プレス機に関するものである。
従来はパイプ部品の円筒面に穴を開ける場合は、パイプの中に芯金又はダイ部材などを挿入して、円筒面が変形しないように保持した状態で、パンチによりプレス加工して円筒面を打ち抜く方法により穴を開けていた(例えば特許文献1参照。)。
しかし係る方法では、パイプの端部から離れた位置に穴を開ける場合は、芯金やダイ部材が撓むため正確な穴明けは困難であった。また、パイプ部材が折り曲げ形状を有するパイプ部品の場合は、芯金やダイ部材を挿入することができずプレスによる穴明け加工ができなかった。さらに、芯金やダイ部材の肉厚を要するため、パイプの径に対して大きな穴を開けることはできない問題を有していた。
プレスによる穴明け加工ができない場合は、従来ではボール盤を使用して穴明け加工をする方法又はレーザー加工機を使用して穴明け加工をする方法が採られていた。しかし、両方の方法とも大量生産することには適さなかった。また、ボール盤による穴明け加工は丸穴加工しかできず長穴や角穴などの穴明け加工はできなかった。一方、レーザー加工機は高価なため穴明け加工費が過大になる問題を有していた。
また、パイプ材の外面を拘束した状態で、パイプ材の接線方向にパンチをプレスして穴を開ける発明があった(例えば特許文献2参照。)。しかし、パンチをパイプの接線方向にプレスする発明には、明ける穴の形状が制限される問題と穴の外周が鋭角に尖り肉厚が薄くなる問題を有していた。
実公平3−40419号公報 特開2000−288654号公報
本考案は上記した問題を解決するためになされたもので、パイプ部品の円筒面にプレス加工により穴を明ける場合において、パイプの端部から離れた位置に正確に穴を明けること、パイプ部材が折り曲げ形状を有するパイプ部品に穴を明けること、さらにパイプの径に対して大きな穴を明けることを可能とすることにある。
また、プレス加工によりパイプ部品の円筒面に明ける穴の形状が制限されず、明けた穴の外周が鋭角に尖り肉厚が薄くなることがなく、さらに安価で生産性の高い穴明け加工を可能とすることにある。
さらに、そのようなパイプ部品の円筒面の穴明け加工に適したパイプ円筒面の穴明用の金型セット、穴明機構及び穴明プレス機を提供することにある。
本考案は、パイプ部品の外面を金型セットで拘束しつつ、パンチをパイプの法線方向又は概略法線方向にプレスしてパイプの円筒面に穴明け加工を行うことに適した金型セット、穴明機構及び穴明プレス機とする。
本考案により、パイプ部品の外周を拘束しつつ、パンチをパイプの法線方向又は概略法線方向にプレスしてパイプの円筒面に穴明け加工を行うことに適した金型セット、穴明機構及び穴明プレス機を提供することができた。
このため本考案に係るプレス加工により、パイプの端部から離れた位置に正確に穴を明けることが可能となった。また、パイプ部材が折り曲げ形状を有するパイプ部品の円筒面に穴を明けることが可能となった。さらに、パイプの径に対して大きな穴を明けることが可能となった。
また本考案に係るプレス加工より、明ける穴の形状が制限されず円穴でも角穴でも長穴でも自由に明けることが可能となった。そして、穴の外周が鋭角的に尖り肉厚が薄くなることがなく、円筒面に穴明け加工を施したパイプ部品を安価で大量に生産することが可能となった。
請求項1の考案は、パイプ部品の一方の片側の外形に合わせた溝を有する金型と、前記パイプ部品の他方の片側の外形に合わせた溝を有する金型とで構成した金型セットであって、いずれか一方又は両方の前記金型にパンチ用穴を設けたパイプ円筒面の穴明用の金型セットとする。
本考案は、2個の金型を組み合わせることによりパイプ部品の外形と同一の空間を有する金型セットを構成したものである。
本金型セットによりパイプ部品の外面を拘束した状態でパイプの法線方向又は概略法線方向にパンチをプレスしてパイプ部品の円筒面に穴を明けるためのものである。
従って、パンチ用穴は使用するパンチより少し大きな穴とし、前記溝の法線方向又は概略法線方向に明けた穴とすることが好ましい。
請求項2の考案は、パイプ部品の一方の片側の外形に合わせた溝を有する金型と、前記パイプ部品の他方の片側の外形に合わせた溝を有する金型とで構成した金型セットであって、いずれか一方又は両方の前記金型の前記溝の中心線近傍にパンチ用穴を設けたパイプ円筒面の穴明用の金型セットとする。
本考案は、パンチ穴の取り付け位置を溝の中心線近傍にすることにより、パイプ部材の中心に近い位置に穴明け加工する場合に好適な金型とするものである。
請求項3の考案は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載した金型セットとパンチとを有するパイプ円筒面の穴明機構であって、パイプ部材の長手方向の断面において、前記パンチの打抜面の端部接線とパイプ部材の平行線との間にシーヤ角を設けたパイプ円筒面の穴明機構とする。
本考案は、上記した金型セットを使用してパイプ部品を拘束しつつパンチでパイプ円筒面に穴を明ける機構である。金型セットを互いに押し付けたり切り離したりする構成については、油圧シリンダを使用する構成、機械的なロック機構を使用する構成、プレス機のスライドの移動を利用する構成など考えられ、特にこだわるものではない。
パイプ部材の平行線とはパイプ部材の中心線と平行な線をいい、パイプ円筒面とパンチの打抜面の間にシーヤ角を設けることにより、パンチの打抜面の最下端に該当する両端が、パイプ円筒面の頂上部と接触して局部的に剪断加工を行い、その後徐々に打抜面とパイプ円筒面との接触部が打抜面の中央部に移動して順次剪断加工を行うため、パイプ円筒面が変形することなく精度の高い穴明け加工が可能となるからである。また、小型のプレス機によりプレス加工が可能となるからである。
請求項4の考案は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載した金型セットの片方の金型をプレス機のベースに取り付け、前記金型セットの他方の金型を前記プレス機のスライドに取り付け、このときパンチ用穴を有する金型とベース又はスライドとの間はバネを介して取り付ける構成とし、さらに前記パンチ用穴にパンチを挿入した状態で、前記パンチとそれを挿入した前記金型とを同一の取り付け相手である、前記ベース又は前記スライドのいずれかに取り付けたパイプ円筒面の穴明プレス機とする。
本考案は、金型セットの片方をプレス機のベースに取り付け、他方をプレス機のスライドに取り付けたパイプ円筒面の穴明けプレス機としたものである。
プレス機のスライドがベースに向かって移動する途中に両金型が押し合うように構成し、パイプ部品を金型セットで拘束した状態でスライドがベースにさらに接近する過程においてパンチによりパイプ円筒面に穴を明ける構成とする。
金型とベース又はスライドとの取り付け部に設けるバネは単数でも複数でも構わないが、負荷を均等に負担させあるいは負荷に応じてバネ係数を設定するなどして、金型が傾くことがなく均等に撓むようにすることが好ましい。また、金型が大きい場合はガイドを取り付けることが好ましい。
請求項5の考案は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載した金型セットの内のパンチ用穴のない金型をプレス機のベースに取り付け、前記金型セットの内のパンチ用穴を有する金型をバネを介して前記プレス機のスライドに取り付け、さらにパンチを前記パンチ用穴に挿入した状態で、前記パンチを前記スライドに取り付けたパイプ円筒面の穴明プレス機とする。
本考案は、請求項4に記載した穴明プレス機であって、パンチをプレス機のスライドに取り付けた穴明けプレス機の考案である。
請求項6の考案は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載した金型セットの内のパンチ用穴のない金型をプレス機のスライドに取り付け、前記金型セットの内のパンチ用穴を有する金型をバネを介して前記プレス機のベースに取り付け、さらにパンチを前記パンチ用穴に挿入した状態で、前記パンチを前記ベースに取り付けたパイプ円筒面の穴明プレス機とする。
本考案は、請求項4に記載した穴明プレス機であって、パンチをプレス機のベースに取り付けた穴明けプレス機の考案である。
請求項7の考案は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載した金型セットであって、両方の金型のいずれにもパンチ用穴を設け、前記金型セットの金型をプレス機のベース及びスライドにそれぞれバネを介して取り付け、さらにパンチを前記金型のそれぞれの前記パンチ用穴に挿入した状態で、それぞれパンチを挿入した金型と同一の取り付け相手に、前記パンチを取り付けたパイプの穴明プレス機とする。
本考案は、請求項4に記載した穴明プレス機であって、プレス機のベースとスライドの両方にパンチを取り付け、パイプ部品を金型セットで拘束しながら、パイプ円筒面の両サイドに穴を明ける穴明プレス機である。
本考案によれば、パイプ部材の両サイドの円筒面に穴明け加工が可能であり、両サイドの穴の位置や穴の形状が異なる場合も容易に穴明け可能である。
請求項8の考案は、請求項4〜請求項7のいずれかに記載したパイプの穴明プレス機において、パイプの長手方向の断面において、パンチの打抜面の端部接線とパイプの中心線との間にシーヤ角を設けたパンチを有するパイプ円筒面の穴明プレス機とする。
パイプ円筒面とパンチの打抜面の間にシーヤ角を設けることにより、パンチの打抜面の最下端に該当する両端が、パイプ円筒面の頂上部と接触して局部的に剪断加工を行い、その後徐々に打抜面の中央部がパイプ円筒面と接触して順次剪断加工を行うため、パイプ外面が変形することなく精度の高い穴明け加工が可能となるからである。また、小型のプレス機によりプレス加工が可能となるからである。
以下本考案の実施例1を図1及び図2に示し説明する。実施例1に係る金型セット1はパイプ部品5の下側半分の外形に合わせた溝2aを有する下金型2と、パイプ部品5の上側半分の外形に合わせた溝3aと3個のパンチ用穴3bを有する上金型3とからなる金型セット1である。
また実施例1に係る穴明機構6は、下金型2と上金型3とパンチ4とからなる穴明機構6である。
さらに実施例1に係る穴明プレス機は、下金型2をプレス機のベースに取り付け、上金型3をプレス機のスライドにバネを介して取り付け、さらに3本のパンチ4を打抜面4bを下にしてそれぞれのパンチ用穴3bに挿入した状態で、パンチ4をそれぞれスライドに取り付けた穴明プレス機である。
実施例1では、図1に示したパイプ部材の長手方向の断面図において、打抜面4bの端部接線4dとパイプ部材の平行線5aとの間にはシーヤ角4aを設けた。また、打抜面4bを円弧形状に構成したので、打抜面4bが摩耗したときにこれを研ぐ作業が容易である。
実施例1の穴明プレス機でパイプ部品5の円筒面に穴を明けるときは、下金型2の溝2aに合わせてパイプ部品5をセットしてプレス機のスライドを押し下げる。
スライドが降下する過程で、まず下金型2と上金型3とが合致してパイプ部品5を保持する。さらにスライドが降下して、バネが撓み金型セット1でパイプ部品5を拘束する。その後さらにスライドが降下して、ポンチ4の打抜面4bの最下端に該当する両端4cがパイプ円筒面の頂上部と接触し、パイプ円筒面に穴を明けた後にスライドは最下点に達する。
このとき、ポンチ4の両端4cが最初にパイプ円筒面の頂上部を局部的に剪断加工し、その後徐々に打抜面4bとパイプ円筒面との接触部が打抜面4bの中央部に移動して順次剪断加工を行うため、パイプ円筒面が変形することなく精度の高い穴明け加工が可能となる。また、小型のプレス機によりプレス加工が可能となる。
本実施例では3本のパンチを設けたので同時に3個の穴を明けることができる。
本考案は、金型を製造する産業、パイプ部品を製造販売する産業、プレス機械を製造販売する産業、パイプ部品を使用する自動車を含む運輸機器産業や電気電力産業などで利用される。
パイプ部品をセットした状態の穴明機構の構成を示した、パイプ部材の長手方向の部分断面図である。 金型セットとパイプ部品を分離した状態の斜視図である。
符号の説明
1 :金型セット 2 :下金型 2a:溝
3 :上金型 3a:溝 3b:パンチ用穴
4 :パンチ 4a:シーヤ角 4b:打抜面
4c:両端 4d:端部接線 5 :パイプ部品
5a:平行線 6 :穴明機構
















Claims (8)

  1. パイプ部材、パイプ部材を折り曲げた部品及びパイプ部材に他の部材を取り付けた部品などパイプを主体とした部品(以下単に「パイプ部品」という。)の一方の片側の外形に合わせた溝を有する金型と、前記パイプ部品の他方の片側の外形に合わせた溝を有する金型とで構成した金型セットであって、いずれか一方又は両方の前記金型にパンチ用穴を設けたことを特徴とするパイプ円筒面の穴明用の金型セット。
  2. パイプ部品の一方の片側の外形に合わせた溝を有する金型と、前記パイプ部品の他方の片側の外形に合わせた溝を有する金型とで構成した金型セットであって、いずれか一方又は両方の前記金型の前記溝の中心線近傍にパンチ用穴を設けたことを特徴とするパイプ円筒面の穴明用の金型セット。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載した金型セットとパンチとを有するパイプ円筒面の穴明機構であって、パイプ部材の長手方向の断面において、前記パンチの打抜面の端部接線とパイプ部材の平行線との間にシーヤ角を設けたことを特徴とするパイプ円筒面の穴明機構。
  4. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載した金型セットの片方の金型をプレス機のベースに取り付け、前記金型セットの他方の金型を前記プレス機のスライドに取り付け、このときパンチ用穴を有する金型とベース又はスライドとの間はバネを介して取り付ける構成とし、
    さらに、前記パンチ用穴にパンチを挿入した状態で、前記パンチとそれを挿入した前記金型とを同一の取り付け相手である、前記ベース又は前記スライドのいずれかに取り付けたことを特徴とするパイプ円筒面の穴明プレス機。
  5. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載した金型セットの内のパンチ用穴のない金型をプレス機のベースに取り付け、前記金型セットの内のパンチ用穴を有する金型をバネを介して前記プレス機のスライドに取り付け、
    さらに、パンチを前記パンチ用穴に挿入した状態で、前記パンチを前記スライドに取り付けたことを特徴とするパイプ円筒面の穴明プレス機。
  6. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載した金型セットの内のパンチ用穴のない金型をプレス機のスライドに取り付け、前記金型セットの内のパンチ用穴を有する金型をバネを介して前記プレス機のベースに取り付け、
    さらに、パンチを前記パンチ用穴に挿入した状態で、前記パンチを前記ベースに取り付けたことを特徴とするパイプ円筒面の穴明プレス機。
  7. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載した金型セットであって、両方の金型のいずれにもパンチ用穴を設け、前記金型セットの金型をプレス機のベース及びスライドにそれぞれバネを介して取り付け、
    さらに、パンチを前記金型のそれぞれの前記パンチ用穴に挿入した状態で、それぞれパンチを挿入した金型と同一の取り付け相手に、前記パンチを取り付けたことを特徴とするパイプ円筒面の穴明プレス機。
  8. 請求項4〜請求項7のいずれかに記載したパイプの穴明プレス機において、パイプ部材の長手方向の断面において、パンチの打抜面の端部接線とパイプの中心線との間にシーヤ角を設けたパンチを有することを特徴とするパイプ円筒面の穴明プレス機。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109262092A (zh) * 2018-11-20 2019-01-25 安徽省华夏机床制造有限公司 一种接线暗盒加工机床的冲料模组

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