JP4390374B2 - 複合プレス加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品領域の一部にエンボス部を有するワークを所定の輪郭形状をもって母材から打ち抜くにあたり、そのエンボス加工と精密剪断打ち抜き方式であるいわゆるファインブランキング加工とを一工程で行えるようにした複合プレス加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベルト式CVT(Continuously Variable Transmission=連続無断変速機)の巻き掛け伝達要素として用いられる金属製のCVTベルトは、略駒状をなす数百個の金属製のエレメントを無端状の金属製リング部材(スチールベルト)にて連結したものが主流を占めており、そのエレメントの一例を図1に示す。
【0003】
同図(A),(B)に示すように、エレメント1は、左右一対の傾斜したトルク伝達面2aが形成されたサドル部2とその上方のイヤー部3およびそのサドル部2とイヤー部3とを幅方向中央部にて相互に接続するネック部4とを備え、そのネック部4の両側に上記三者によって取り囲まれるようにしてリング受容溝5が形成された板状のものであって、各リング受容溝5に薄板を幾重にも積層してなる図示外の無端状のリング部材をはめ合わせることにより、数百個のエレメント1,1…がつながれて金属ベルトとして機能することになる。そして、サドル部2の下半部には印圧段差部2bが有段成形されているとともに、イヤー部3の中央部にはエンボス部たるノーズ部7が膨出形成されていて、上記のように多数のエレメント1,1…がリング部材にてつながれた時には、そのエレメント1のノーズ部7がそれに隣接するエレメント1のノーズ部7の裏側の凹部7aにはまり合うようになっている。
【0004】
このようなCVTベルト用エレメント1の加工は、母材となる長尺なコイル材を等ピッチにて順送りしながら各工程にて所定の加工を施し、最終工程にて初めて外形抜き方式にて打ち抜くいわゆる順送りプレス加工法にて加工するのが最も生産性にすぐれており、従来では、例えば後工程での位置決め基準となるパイロット穴をコイル材に打ち抜き成形する工程と、上記印圧段差部2bを成形する工程、上記エンボス部たるノーズ部7を成形する工程、および所定の輪郭形状をもって製品を抜き落とす工程とをもって上記エレメント1を加工するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の加工方式では、ノーズ部7を成形する工程とエレメント1として抜き落とす工程とが相互に独立しているため、単に工程数が増えるばかりでなく、各工程での位置決め基準となるパイロット穴とパイロットピンとの間には機能上所定の隙間(例えば10μm程度)を確保する必要があることから、この隙間の影響でノーズ部7とエレメント1の輪郭形状との相対位置精度がその都度ばらつくおそれがあり、この傾向は上記パイロットピンが摩耗すると一段と顕著となって要求精度を満たし得ない事態が起こり得る。
【0006】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、とりわけ上記ノーズ部のようなエンボス部の加工と外形抜き加工とを一工程内で行えるようにして、工程数の削減を図りながら加工品質の向上を可能とした複合プレス加工装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、製品領域の一部にエンボス部を成形するエンボス加工と、そのエンボス部を有する製品としてのワークを所定の輪郭形状をもって母材から打ち抜く打ち抜き加工とを一工程にて行う複合プレス加工装置であって、上型側のベースプレートに上下動可能に支持されたフローティングタイプの打ち抜き加工ポンチと、この打ち抜き加工ポンチに内挿されるようにして前記上型側のベースプレートに支持されたエンボス加工ポンチと、下型側のベースプレートに上記打ち抜き加工ポンチと対向するように配置された打ち抜き加工ダイと、この打ち抜き加工ダイに上下動可能に内挿支持されて、打ち抜くべきワーク領域を前記打ち抜き加工ポンチとともに加圧拘束するエジェクタパッドと、このエジェクタパッド内に前記エンボス加工ポンチと対向するように上下動可能に内挿支持されるとともに弾性手段にて上方に弾性付勢されていて、エンボス加工および打ち抜き加工後のワークをエジェクタパッドから突き出すエジェクタピンと、を備えている。
【0008】
そして、上型側および下型側のそれぞれのパッド圧をもって打ち抜き加工ポンチと打ち抜き加工ダイおよびエジェクタパッドとで母材のうちワークとなるべき製品領域を加圧拘束した状態で、前記打ち抜き加工ポンチとエンボス加工ポンチとの相対ストローク分だけそのエンボス加工ポンチを押し下げることでエンボス部を成形し、さらに、前記打ち抜き加工ダイとエジェクタパッドとの相対ストローク分だけ前記打ち抜き加工ポンチとエジェクタパッドとを一体のものとして押し下げることにより母材からワークを抜き落とすようになっていることを特徴としている。
【0009】
この場合、プレス機械の基本構造としては、上型を固定側とし下型を可動側とするいわゆる下型昇降駆動式(アンダードライブタイプ)のものを採用する。さらに、上記型構造は、エンボス加工と打ち抜き加工とを同時に行う複合プレス型として単独形成されたもののほか、先に述べた順送プレス型の一部として形成されたものであってもよい。
【0010】
したがって、この請求項1に記載の発明では、上型に対して下型が上昇することで、下型側および上型側のパッド圧をもって打ち抜き加工ポンチと打ち抜き加工ダイおよびエジェクタパッドの三者で母材の製品領域を加圧拘束する。
【0011】
この状態で、さらなる下型の上昇に伴い打ち抜き加工ポンチがその上型側のベースプレートに底突きするまで相対的にエンボス加工ポンチを押し下げることでエンボス加工が行われる。この時、エンボス加工ポンチは下型側のエジェクタピンと拮抗することになるが、エジェクタピンは弾性手段を圧縮変形させながらエンボス加工ポンチとともに下動する。また、上記のように上型側の打ち抜き加工ポンチがその上型側のベースプレートに底突きしたとしても、下型側のエジェクタパッドにはなおも下型側のパッド圧が作用している。
【0012】
この状態からさらに下型が上昇すると、やがてエジェクタパッドも下型側のベースプレートに対して底突きするようになり、相互に底突き状態となった打ち抜き加工ポンチとエジェクタパッドとが、先にエンボス加工が施された製品領域を加圧拘束しつつ打ち抜き加工ダイに対して相対的に押し下げられて、その製品領域をワークとして母材から打ち抜くことになる。
【0013】
この打ち抜き加工は、上記のように打ち抜き加工ポンチとエジェクタパッドとで製品領域を上下から強固に加圧拘束したまま打ち抜き加工ダイとの剪断作用に基づいてワークとして抜き落とすものであるから実質的にファインブランキング加工に相当し、ワークの切口面精度も良好なものとなり、しかも上記加圧拘束状態のまま所定ストロークだけワークを打ち抜きダイ側に押し込むことで、ワークの形状精度出し加工の一形態であるいわゆるリストライク加工までも実質的に同時に行われる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明のより具体的な構成として、母材のうちワークとなるべき製品領域の表面側もしくは裏面側には前工程にて予め凹凸形状に有段成形されるようになっていて、前記エジェクタパッドには上記凹凸形状に合致する成形面が形成されていることを特徴としている。
【0015】
したがって、この請求項2に記載の発明では、上記ワークとなるべき製品領域が前工程にて所定の凹凸形状に成形される場合に、上記エンボス加工とファインブランキング加工の際に、その凹凸形状をこの形状に忠実なエジェクタパッド側の成形面にて受けることにより、製品領域が傾くようなことがなく、エンボス部を正確に成形できるようになる。
【0016】
言い換えるならば、逆に上記凹凸形状をエジェクタパッド側の単純平面にて受けたような場合には、プレス成形力を受けるとその製品領域が凹凸形状のために傾き、母材平面に対して直角にエンボス部を成形することができなくなり、ワークそのものの形状精度のみならずエンボス部の形状精度までも低下してしまうことになり、実用的でなくなる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1または2に記載のより具体的な構成として、前記エジェクタパッドには、エジェクタピンを弾性付勢する弾性手段としてウレタンゴムが内蔵されていることを特徴としている。
【0018】
そもそも、エジェクタパッドに対して相対移動可能なエジェクタピンを弾性付勢する弾性手段は、可動式のエジェクタパッドに内蔵されるものであるから、小さいスペースで収容できて且つ所定のばね力すなわちエンボス加工後のワークをエジェクタパッドから確実に突き出すことができるだけの弾性力を発生できるものでなければならないが、上記請求項3に記載の発明のウレタンゴムはこれらの要求を十分に満たすことができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜3のいずれかに記載のより具体的な構成として、前記ワークが製品領域の一部にエンボス部たるノーズ部が成形されたCVTベルト用のエレメントであることを特徴としている。
【0020】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、エンボス加工とファインブランキングとを実質的に同時に行うことができることから、加工工程数を削減できることはもちろんのこと、二工程に分けて加工を行う場合と比べてエンボス部とワークの輪郭形状との相対位置精度が飛躍的に向上し、ワークの加工品質が大幅に向上する。
【0021】
特に請求項2に記載の発明によれば、ワークとなるべき製品領域が前工程にて所定の凹凸形状に成形されるような場合でも、その製品領域に忠実な形状の成形面をもつエジェクタパッドにて製品領域を受けることから、その製品領域の姿勢もしくは位置決め精度が低下するようなことがなく、エンボス部そのものの位置精度や形状精度をはじめ、そのエンボス部とワークの輪郭形状との相対位置精度が一段を向上する。
【0022】
また、請求項3に記載の発明によれば、エジェクタピンを弾性付勢する弾性手段としてウレタンゴムを採用したことにより、小さい収容スペースで必要十分なばね特性を得られる効果がある。
【0023】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、ノーズ部のエンボス加工とファインブランキングとを実質的に同時に行うことができるから、CVTベルト用のエレメントの加工工程数を削減できることはもちろんのこと、二工程に分けて加工を行う場合と比べノーズ部とエレメントの輪郭形状との相対位置精度が飛躍的に向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】
図2以下の図面は本発明に係る複合プレス加工装置の好ましい実施の形態を示す図で、図1に示したCVTベルト用エレメント1をワークとして加工する場合のプレス型構造を示している。そして、この実施の形態では、エンボス加工とファインブランキングとの同時複合加工を行うプレス型を前提としつつも、当該加工以外に数工程での加工を併行して行う下型駆動タイプの順送りプレス型の一部として形成された場合の例を示している。
【0025】
このプレス型は、図1に示すように、上型11に対して下型12がガイドピン13にて案内されながら昇降駆動されるようになっている一方、この動きに同期して、母材となる長尺なコイル材Wが上型11の一部であるストリッパ14側のコイルガイド15にて案内されながら紙面と直交方向に1ピッチずつ順送りされることで順次加工が進められる。そして、下型12が最上昇位置まで上昇した時には、下型12の一部である可動ブロック16が相対的に下降することでコイルガイド15と下型12との直接的な干渉が回避され、コイル材Wは上型11および下型12の双方に確実に密着するようになっている。
【0026】
上型11は、図2のほか図3に示すように、上ホルダ17に固定されたベースプレート18と、これに一体的に固定されたポンチリテーナ19、および上記ベースプレート18に昇降可能に支持されたストリッパ14等から構成され、また、下型12は、下ホルダ20に固定されたベースプレート21と、これに一体的に固定されたダイリテーナ22等から構成されている。
【0027】
図3は、下型12が最上昇位置まで上昇してファインブランキング加工が終了した直後の状態を示している。同図に示すように、ストリッパ14は段突きボルト23を介してベースプレート18に所定ストロークのもとで昇降可能に支持されていて、このストリッパ14には上ホルダ17に内蔵された可動パッド24のパッド圧力P1が圧力ピン25を介して作用している。なお、このパッド圧力P1は上ホルダ17に内蔵された液体封入式の圧力装置(図示省略)によって付与されている。
【0028】
また、上記ベースプレート18には同じく段突きボルト26を介して打ち抜き加工ポンチ27が所定ストロークのもとで昇降可能に支持されていて、この打ち抜き加工ポンチ27はストリッパ14を貫通してその下方に臨んでいるとともに、圧力ピン28を介して可動パッド24のパッド圧力P1が作用している。そして、上記打ち抜き加工ポンチ27の中心部にはエンボス加工ポンチ29が昇降可能に内挿支持されていて、このエンボス加工ポンチ29は図4に示すように圧縮コイルスプリング等の弾性体29aにより常時上方に付勢されている。これにより、エンボス加工ポンチ29の上端は常時ベースプレート18に当接している。
【0029】
なお、ポンチリテーナ19およびガイドピン13はボルト等にてベースプレート18に一体的に固定されていて、ガイドピン13が下型12側のガイド孔30に摺接嵌合することで上下型11,12間の相対位置決めがなされるようになっている。
【0030】
他方、下型12側のベースプレート21にはダイリテーナ22がボルト等にて一体に固定されていて、このダイリテーナ22には上型11側の打ち抜き加工ポンチ27を受容可能な打ち抜き加工ダイ31がボルト等にて固定されている。打ち抜き加工ダイ31には、上記打ち抜き加工ポンチ27と対向するエジェクタパッド32が昇降可能に内挿支持されていて、さらにこのエジェクタパッド32の中心部には、上記エンボス加工ポンチ29と対向するエジェクタピン33が昇降可能に内挿支持されている。
【0031】
なお、図3では打ち抜き加工ポンチ27とエンボス加工ポンチ29同士、およびエジェクタパッド32とエジェクタピン33同士を便宜上同心状に描いているが、実際には図5に示すようにエンボス加工ポンチ29やエジェクタピン33は打ち抜き加工ポンチ27およびエジェクタパッド32に対して偏った位置に配置されている。
【0032】
上記エジェクタパッド32は、図5に示すようにパッド本体34とこれにボルト35にて固定されたパッドカバー36とに分割されていて、それらの内部には上記エジェクタピン33を付勢する弾性手段としてのウレタンゴム37と圧力ピン38とが内蔵されている。これにより、エジェクタピン33は常時上方に弾性付勢されている。
【0033】
そして、下型12側においても、上型11側と同様に図示外の圧力装置によってパッド圧力P2が付与される可動パッド39がその下ホルダ20に内蔵されていて、このパッド圧力P2は圧力ピン40を介して上記エジェクタパッド32に常時上向きに作用している。
【0034】
ここで、図5に示すように、エジェクタピン33を上方に付勢する手段としてウレタンゴム37を採用しているのは、エンボス部たるノーズ部7が形成される部分とワークたるCVTベルト用エレメント1の輪郭とが近接する場合であっても、小さい収容スペースでありながら必要十分な弾性力を得ることができるためである。
【0035】
したがって、本実施の形態によれば、コイル材Wのうち製品領域となる部分には図1の印圧段差部2bが前工程にて印圧成形された上で、本実施の形態が対象とするエンボス成形−打ち抜き(ファインブランキング)同時加工工程に送られてくる。
【0036】
そして、コイル材Wが位置決めされた上で下型12が上昇すると、図6に示すようにストリッパ14やダイリテーナ22がコイル材Wを加圧拘束するのと並行して、打ち抜き加工ポンチ27、打ち抜き加工ダイ31、エンボス加工ポンチ29、エジェクタパッド32およびエジェクタピン33のそれぞれがコイル材Wに圧接してそのコイル材Wを加圧拘束することになる。この時、エンボス加工ポンチ29が上型11側のベースプレート18に底突きすることになるものの、打ち抜き加工ポンチ27やエジェクタパッド32がコイル材Wに及ぼす加圧拘束力はそれぞれ上下のパッド圧力P1,P2に依存し、打ち抜き加工ポンチ27は上型11側のベースプレート18との間になおもストロークS1を残している。また、エジェクタピン33がコイル材Wに及ぼす圧接力はエジェクタパッド32に内蔵されたウレタンゴム37(図5参照)の弾性力に依存する。
【0037】
図6の状態からなおも下型12が上昇すると、打ち抜き加工ダイ31やエジェクタパッド32が打ち抜き加工ポンチ27とともにコイル材Wを加圧拘束したまま上記ストロークS1分だけコイル材Wを押し上げる。すなわち、図7に示すように、上記ストロークS1分だけ打ち抜き加工ポンチ27を突き上げてその打ち抜き加工ポンチ27がベースプレート18に対して底突き状態となると、相対的にそのストローク分S1だけエンボス加工ポンチ29が下動する結果、図8にも示すようにそのエンボス加工ポンチ29とエジェクタパッド32とによりコイル材Wのうちワーク(CVTベルト用エレメント)1となるべき製品領域にエンボス部たるノーズ部7が成形される。
【0038】
この時、図8にも示すように、前工程にて成形された印圧段差部2bをその形状に忠実なエジェクタパッド32側の成形面32aにて受けているので、その部分の姿勢が安定化し、エンボス部たるノーズ部7を高精度に成形することができる。また、このエンボス加工の際には、エンボス加工ポンチ29の下動に伴ってエジェクタピン33もウレタンゴム37を圧縮変形させながら下動する一方、エジェクタパッド32と下型12側のベースプレート21との間にはなおもストロークS2が残されている。
【0039】
図7の状態からなおも下型12が上昇すると、エンボス加工ポンチ29およびエジェクタピン33が上型11側のベースプレート18に対して既に底突き状態となっていることから、図3および図8に示すように、上記エジェクタパッド32が下型12側のベースプレート21に対して底突き状態となるまで、そのベースプレート21やダイリテーナ22および打ち抜き加工ダイ31が上記ストロークS2分だけ一体的に上昇する。これにより、上記打ち抜き加工ポンチ27が相対的に下動する結果、コイル材Wのうちワーク1となるべき製品領域が所定の輪郭形状すなわちCVTベルト用エレメント1の外形形状をもって、打ち抜き加工ポンチ27と打ち抜き加工ダイ31との剪断作用により打ち抜き加工ダイ31側に押し込まれるようにして打ち抜かれる。
【0040】
この時、打ち抜き加工ポンチ27やエンボス加工ポンチ29、打ち抜き加工ダイ31およびエジェクタパッド32等がワークWに及ぼす加圧拘束力はそれまでの上下のパッド圧力P1,P2に依存しなくなり、上下型11,12の直接的なプレス成形力をもってワーク1を加圧拘束していることから、そのワーク1はいわゆる押しきり状態となる。これにより、単にワーク1を剪断によって打ち抜くファインブランキング加工だけでなく、ワーク1の輪郭形状や表裏両面の凹凸形状等をより高精度に仕上げるいわゆるリストライク加工までも実質的に同時に行われる。
【0041】
こうして、エンボス加工に続いてリストライク加工を含む打ち抜き加工(ファインブランキング加工)が終了すると、図2に示したようにコイル材Wを上型11側に残したまま下型12が下降し、エジェクタパッド32は図6と同様に打ち抜き加工ダイ31と面一状態になるまで相対的に上昇することから、打ち抜かれたワーク1の外周は打ち抜き加工ダイ31からは確実に抜き出され、さらにその押し上げ力の全てをウレタンゴム37に依存しているエジェクタピン33がワーク1のうちエンボス部たるノーズ部7を突き上げることで、ワーク1はエジェクタパッド32から確実に離型される。そして、ワークたるCVTベルト用エレメント1は例えばエアブロー等の手段にて吹き飛ばされて回収されることになる。
【0042】
このように本実施の形態によれば、エンボス加工と、リストライク加工を含む打ち抜き加工であるところのファインブランキング加工とを、同一工程内にて実質的に同時に行うものであるから、工程数の短縮化に寄与できることはもちろんのこと、エンボス部たるノーズ部7とワークたるCVTベルト用エレメント1の輪郭形状との相対位置精度が飛躍的に向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の複合プレス加工装置によって成形されるワークの一例としてCVTベルト用エレメントの構造を示す斜視図、(B)は同図(A)のa−a線に沿う断面図。
【図2】本発明に係る複合プレス加工装置の実施の形態を示す側面説明図。
【図3】図2に示す複合プレス加工装置の詳細を示す図で、エンボス加工と打ち抜き加工とが終了した直後の状態を示す要部拡大断面図。
【図4】図3の要部拡大図。
【図5】図3の要部拡大図。
【図6】図2に示す上型および下型の双方がコイル材を加圧拘束した状態を示す要部拡大断面図。
【図7】図6の状態からエンボス加工が終了した状態を示す要部拡大断面図。
【図8】図3の要部拡大図。
【符号の説明】
1…CVTベルト用エレメント(ワーク)
2b…印圧段差部
7…ノーズ部(エンボス部)
11…上型
12…下型
18…ベースプレート
21…ベースプレート
24…可動パッド
27…打ち抜き加工ポンチ
29…エンボス加工ポンチ
31…打ち抜き加工ダイ
32…エジェクタパッド
32a…成形面
33…エジェクタピン
39…可動パッド
37…ウレタンゴム(弾性手段)
W…コイル材(母材)

Claims (4)

  1. 製品領域の一部にエンボス部を成形するエンボス加工と、そのエンボス部を有する製品としてのワークを所定の輪郭形状をもって母材から打ち抜く打ち抜き加工とを一工程にて行う複合プレス加工装置であって、
    上型側のベースプレートに上下動可能に支持されたフローティングタイプの打ち抜き加工ポンチと、
    この打ち抜き加工ポンチに内挿されるようにして前記上型側のベースプレートに支持されたエンボス加工ポンチと、
    下型側のベースプレートに上記打ち抜き加工ポンチと対向するように配置された打ち抜き加工ダイと、
    この打ち抜き加工ダイに上下動可能に内挿支持されて、打ち抜くべきワーク領域を前記打ち抜き加工ポンチとともに加圧拘束するエジェクタパッドと、
    このエジェクタパッド内に前記エンボス加工ポンチと対向するように上下動可能に内挿支持されるとともに弾性手段にて上方に弾性付勢されていて、エンボス加工および打ち抜き加工後のワークをエジェクタパッドから突き出すエジェクタピンと、
    を備えていて、
    上型側および下型側のそれぞれのパッド圧をもって打ち抜き加工ポンチと打ち抜き加工ダイおよびエジェクタパッドとで母材のうちワークとなるべき製品領域を加圧拘束した状態で、前記打ち抜き加工ポンチとエンボス加工ポンチとの相対ストローク分だけそのエンボス加工ポンチを押し下げることでエンボス部を成形し、
    さらに、前記打ち抜き加工ダイとエジェクタパッドとの相対ストローク分だけ前記打ち抜き加工ポンチとエジェクタパッドとを一体のものとして押し下げることにより母材からワークを抜き落とすようになっていることを特徴とする複合プレス加工装置。
  2. 前記母材のうちワークとなるべき製品領域の表面側もしくは裏面側には前工程にて予め凹凸形状に有段成形されるようになっていて、
    前記エジェクタパッドには上記凹凸形状に合致する成形面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の複合プレス加工装置。
  3. 前記エジェクタパッドには、エジェクタピンを弾性付勢する弾性手段としてウレタンゴムが内蔵されていることを特徴とする請求項1または2に記載の複合プレス加工装置。
  4. 前記ワークが製品領域の一部にエンボス部たるノーズ部が成形されたCVTベルト用のエレメントであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合プレス加工装置。
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