JP2001221788A - ヘモグロビン類の測定方法 - Google Patents

ヘモグロビン類の測定方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 勾配溶出法または段階溶出法を用いたカチオ
ン交換液体クロマトグラフィーによるヘモグロビン類の
測定方法において、ヘモグロビン類の分離を短時間で、
高分離能で行うことができ、さらに測定再現性の優れた
ヘモグロビン類の測定方法を提供する。 【解決手段】 カチオン交換液体クロマトグラフィーに
よるヘモグロビン類の測定方法において、溶出力の異な
る少なくとも2種の溶離液(溶離液A及び溶離液B)を
用い、溶離液AのpHが、溶離液BのpHより大きく、
溶離液Aによる安定型ヘモグロビンA1cの溶出力が、
溶離液Bによる安定型ヘモグロビンA1cの溶出力より
も小さいヘモグロビン類の測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体クロマトグラ
フィーによるヘモグロビン類の測定方法に関し、より詳
細には、カチオン交換液体クロマトグラフィーによる安
定型ヘモグロビンA1cの測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液体クロマトグラフィー(以
下、LCという)を用いて試料を分離する場合、溶離液
として、一定の溶出力のものを1種類用いる方法や、2
種以上の溶離液を用いた勾配溶出法または段階溶出法に
より、各成分のピークを鋭くし、分離度を改善したり、
測定時間を短縮する方法が行われている。
【0003】上記勾配溶出法(グラジエント溶離法)と
は、溶離液の溶出力を弱いものからから強いものへと時
間的に直線的に上昇させる方法(図13)であり、送液
ポンプを複数台用いて、溶出力の異なる液を送液し、そ
の比率を連続的に変化させることにより、全体的な溶出
力を変化させる方法である。
【0004】また、上記段階溶出法(ステップワイズ溶
離法)とは、溶離液の溶出力を段階的に上昇させる方法
(図14)であり、送液ポンプ1台を用い、送液ポンプ
の上流側で電磁弁等により溶出力の異なる液を切り替
え、段階的に溶出力を変化させる方法である。
【0005】これらの方法において、溶離液の溶出力を
変化させるには、例えば、溶離液の極性、イオン強度、
pHなどが挙げられる。(以上の従来の技術について
は、日本分析化学会関東支部編、高速液体クロマトグラ
フィーハンドブック、39〜40頁、117〜119
頁、1985年)。
【0006】しかしながら、各成分の性質が類似してい
たり、短時間で溶出することが要求されていたりする場
合、勾配溶出法で勾配が大きすぎたり、段階溶出法で溶
出力を上げすぎたりすると、類似した性質の成分間でピ
ークが重なり、分離に悪影響を及ぼす恐れがある。そこ
で、このような場合、ピークが重なるポイントで勾配を
緩めたり、全くなくしたり、溶出力の上昇の程度を低く
したりしている。しかしながら、このような対策ではピ
ークの鋭さがなくなったり、また、測定時間が延びたり
するなど、勾配溶出法または段階溶出法の利点が発揮さ
れない場合があった。
【0007】一方、上記液体クロマトグラフィーは、最
近臨床検査分野で広く用いられており、特に、血液試料
中に含まれている夾雑成分の中から測定対象成分を分離
したり、性質の似た複数の成分を相互に分離分析した
り、特定の成分を分取するために用いられている。
【0008】その中でも、糖化ヘモグロビン、特にヘモ
グロビンA1c(以下、HbA1cという)は糖尿病診
断の指標として広く利用されている。HbA1cとは血
液中の糖が赤血球に入った後に、ヘモグロビンと不可逆
的に結合して生成したものであり、過去1〜2カ月間の
血液中の平均的な糖濃度を反映する。
【0009】液体クロマトグラフィー法によるHbA1
cの測定は、主にカチオン交換液体クロマトグラフィー
法により行われている(特公平8−7198号公報な
ど)。溶血液試料をカチオン交換液体クロマトグラフィ
ーにより分離すると、通常、ヘモグロビンA1a(以
下、HbA1aという)及びヘモグロビンA1b(以
下、HbA1bという)、ヘモグロビンF(以下、Hb
Fという)、不安定型HbA1c、安定型HbA1c並
びにヘモグロビンA0(以下、HbA0という)などの
ピークが出現する。なお、糖尿病の診断の指標として使
用されているHbA1cは、最近では、上記のうちの安
定型HbA1cであり、その割合は、全ヘモグロビンピ
ークの面積に対する安定型HbA1cピークの面積の比
率(%)として求められている。
【0010】しかしながら安定型HbA1cピークと不
安定型HbA1cピークの分離が困難であるため、通
常、精度良く安定型HbA1cピークのみを測定するこ
とが困難であった。
【0011】また、時に、アセチル化ヘモグロビン(以
下、AHbという)やカルバミル化ヘモグロビン(以
下、CHbという)等の「修飾ヘモグロビン」が安定型
HbA1cと重なって溶離してくるという問題があっ
た。すなわち、カチオン交換LCによる安定型HbA1
c値の測定を目的として、血液検体のヘモグロビン類を
測定する際、安定型HbA1cの測定値に影響を与えな
いように、安定型HbA1cと溶出挙動が近似している
不安定型HbA1cやAHb及びCHbピークを、安定
型HbA1cピークから分離することが困難であった。
【0012】さらに、「異常ヘモグロビン」としてヘモ
グロビンS(以下、HbSという)ヘモグロビンC(以
下、HbCという)が知られている。HbSはヘモグロ
ビンA(以下、HbAという)のβ鎖のN末端から6番
目のグルタミン酸がバリンに置換されたものであり、H
bCは同じ部位がリジンに置換されたものである。これ
らHbS、HbC、及び下記するHbA2は、HbA0
より後に順に溶出される。そして、これらHbS、Hb
Cを含む検体の安定型HbA1cを測定するときには、
これらのピーク面積を除いた他のヘモグロビン成分の合
計ピーク面積に対する安定型HbA1cピーク面積の比
率(%)を算出して求める必要がある。
【0013】また、ヘモグロビンA2(以下、HbA2
と略す)は、α鎖とδ鎖から成るヘモグロビンであり、
HbFと共に地中海性貧血症(tha lassemia)において
その構成比率が正常者より高い。そして、上記地中海性
貧血症を同時に検査したい場合には、HbA2をHbA
0から分離できるような溶離条件を設定する。この場合
は、全ヘモグロビンに対するHbFとHbA2の構成比
率が測定結果として算出される。
【0014】しかしながら、HbA0とHbS、HbC
及びHbA2とのカラムに対する保持能力が近いため、
これらのピークを完全に分離するためには、時間を要し
ていただけでなく、精度良く測定することが困難であっ
た。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来のヘモグロビン類の測定方法の問題点に鑑み、ヘモ
グロビン類の分離を短時間で、高分離能で行うことがで
き、さらに測定再現性の優れたヘモグロビン類の測定方
法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
(以下、本発明1という)では、カチオン交換液体クロ
マトグラフィーによるヘモグロビン類の測定方法におい
て、溶出力の異なる少なくとも2種の溶離液(溶離液A
及び溶離液B)を用い、溶離液AのpHが、溶離液Bの
pHより大きく、溶離液Aの安定型ヘモグロビンA1c
溶出力が、溶離液Bの安定型ヘモグロビンA1c溶出力
よりも小さいことを特徴とするヘモグロビン類の測定方
法を提供する。また、請求項2記載の本発明(以下、本
発明2という)では、上記溶離液Aの浸透圧が、上記溶
離液Bの浸透圧よりも小さいことを特徴とする請求項1
記載のヘモグロビン類の測定方法を提供する。また、請
求項3記載の本発明(以下、本発明3という)では、ア
ルカリ性水溶液添加に対する上記溶離液Aの緩衝能が、
上記溶離液Bのそれよりも小さいか、あるいは、それと
等しいことを特徴とする請求項1または2記載のヘモグ
ロビン類の測定方法を提供する。また、請求項4記載の
本発明(以下、本発明4という)では、ヘモグロビン類
の測定中の溶離液送液工程において、少なくとも、上記
溶離液Aを送液した後上記溶離液Bを送液する工程、あ
るいは、上記溶離液Bを送液した後上記溶離液Aを送液
する工程が含まれることを特徴とする請求項1〜3いず
れか一項に記載のヘモグロビン類の測定方法を提供す
る。また、請求項5記載の本発明(以下、本発明5とい
う)では、上記溶離液A及び/又は溶離液Bにカオトロ
ピックイオンが含有されており、かつ、pH4.0〜
6.8で緩衝能を持つ有機酸、無機酸及び/又はこれら
の塩が含有されていることを特徴とする請求項1〜4い
ずれか一項に記載のヘモグロビン類の測定方法を提供す
る。また、請求項6記載の本発明(以下、本発明6とい
う)では、上記溶離液A及び溶離液Bとは溶出力が異な
る溶離液Cを用い、該溶離液Cは、ヘモグロビンA0を
溶出するために用い、カラムに流入する際のpHが、ヘ
モグロビン類の等電点と等しいか、または、等電点より
アルカリ側になるように設定されていることを特徴とす
る請求項1〜5いずれか一項に記載のヘモグロビン類の
測定方法を提供する。また、請求項7記載の本発明(以
下、本発明7という)では、上記溶離液Cにカオトロピ
ックイオンが含有されていることを特徴とする請求項6
記載のヘモグロビン類の測定方法を提供する。以下に、
本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明1は、溶出力の異なる少なくとも2
種の溶離液(本明細書中では、溶離液A及び溶離液Bと
いう)を用い、溶離液AのpHが、溶離液BのpHより
大きく、溶離液Aの安定型ヘモグロビンA1c溶出力
が、溶離液Bの安定型ヘモグロビンA1c溶出力よりも
小さいことを特徴とする。
【0018】本発明でいう溶離液の安定型ヘモグロビン
A1c溶出力は、カチオン交換液体クロマトグラフィー
による測定において、同一ロットの安定型ヘモグロビン
A1c試料を、同一カラム、同一分析条件(溶離液を除
いて分析に影響する全ての条件が同じ)で、溶出力を評
価する溶離液のみを用い、安定型ヘモグロビンA1cの
保持時間を測定して、これを比較することにより求める
ことができる。すなわち、溶離液Aと溶離液Bの場合
で、安定型HbA1cの保持時間を測定したとき、保持
時間がそれぞれTA 、TB であったとすると、TA >T
B (つまり溶離液Bの場合より溶離液Aの場合の方が安
定型HbA1cの溶出に時間がかかる)である場合、安
定型ヘモグロビンA1c溶出力は、溶離液Aのほうが溶
離液Bよりも小さいということになる。上記溶離液の溶
出力を変える方法としては、pHや塩濃度、イオン強
度、溶液の極性を変える方法が挙げられる。
【0019】本発明において上記溶離液AのpHが、溶
離液BのpHより大きいとは、市販のpH測定装置(例
えば、カスタニーLAB pHメーター(F23)、堀
場製作所社製)で溶離液A及び溶離液Bを測定した場
合、溶離液AのpHが溶離液BのpHより大きいという
ことである。具体的には、液温20℃の場合、溶離液A
のpHは溶離液Bに比べて、0.001〜3.000大
きいことが好ましく、さらに好ましくは、0.010〜
2.500大きく、またさらには、0.020〜2.0
00大きいものが好ましい。
【0020】上記溶離液A及びBは、ヘモグロビン類測
定中の溶離液送液工程において、上記HbA1a、Hb
A1b、HbF、不安定型HbA1c、安定型HbA1
c、HbA0、異常ヘモグロビン(HbS、HbC)、
HbA2、及び修飾ヘモグロビン(AHb、CHb)を
最適に分離できるように送液する。
【0021】測定に用いられる溶離液としては、上記溶
離液A、B以外にも近接したピークを分離するために他
の溶離液を用いても良い。また、測定終了後は、カラム
洗浄液、または、溶離液A、Bより溶出力の強い溶離液
でカラム洗浄を行うことが好ましい。
【0022】本発明2は、溶離液Aの浸透圧が、溶離液
Bの浸透圧よりも小さいことを特徴とする。上記溶離液
Aの浸透圧が、溶離液Bの浸透圧よりも小さいとは、市
販の浸透圧測定装置(例えば、オズモスタット(OM-602
0)、京都第一科学社製)において、溶離液A、Bの浸透
圧を測定した場合、溶離液Bの浸透圧より溶離液Aの浸
透圧が小さいということである。具体的には、上記装置
において溶離液を測定した場合、溶離液Bの浸透圧は、
溶離液Aに比べて24.45〜24450hPa(上記
OM-6020 で測定した場合は、1〜1000mOsm、1
mOsm=24.45hPa)大きく、より好ましく
は、48.90〜12225hPa(2〜500mOs
m)大きく、更には、122.25〜7335hPa
(5〜300mOsm)大きいのが好ましい。上記溶離
液の浸透圧を変える方法としては、溶離液に酸、アルカ
リ、塩等を添加する方法が挙げられる。
【0023】本発明3は、アルカリ性水溶液添加に対す
る溶離液Aの緩衝能が、溶離液Bのそれよりも小さい
か、あるいは、それと等しいことを特徴とする。
【0024】上記アルカリ性水溶液添加に対する溶離液
Aの緩衝能が、溶離液Bのそれよりも小さいとは、例え
ば、溶離液A及びB各100mlに0.1モル/Lの水
酸化ナトリウム1mlを添加した時、溶離液AのpH増
加分(X)が、溶離液BのpH増加分(Y)と比べて同
等以上であることを意味する。本発明においては、緩衝
能の差(K)を以下のように定義する。緩衝能の差K=
(溶離液AのpH増加分X)−(溶離液BのpH増加分
Y)上記、溶離液の緩衝能の差(K)は、液温20℃に
おいて、0.001〜3.000であることが好まし
く、さらに好ましくは、0.002〜1.000であ
る。
【0025】上記溶離液には、通常、緩衝能を有する物
質として、無機酸、有機酸またはこれらの塩が含まれ
る。上記無機酸としては、例えば、炭酸、リン酸等が挙
げられる。上記有機酸としては、例えば、カルボン酸、
ジカルボン酸、カルボン酸誘導体、ヒドロキシカルボン
酸、アミノ酸、カコジル酸、ピロリン酸等が挙げられ
る。上記カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオ
ン酸等が挙げられる。上記ジカルボン酸としては、例え
ば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マ
レイン酸、フマル酸、フタル酸等が挙げられる。上記カ
ルボン酸誘導体としては、例えば、β、β−ジメチルグ
ルタル酸、バルビツール酸、アミノ酪酸等が挙げられ
る。上記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、クエ
ン酸、酒石酸、乳酸等が挙げられる。上記アミノ酸とし
ては、例えば、アスパラギン酸、アスパラギン等が挙げ
られる。上記無機酸または有機酸の塩としては、公知の
もので良く、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙
げられる。上記無機酸、有機酸またはこれらの塩は、複
数種混合して用いても良く、無機酸と有機酸を混合して
用いても良い。上記無機酸、有機酸及び/またはこれら
の塩の溶離液中の濃度、複数種用いる場合には複数種の
合計の濃度は、溶離液のpHを4.0〜6.8にする緩
衝作用があれば良く、1〜1000mMが好ましく、1
0〜500mMが特に好ましい。
【0026】本発明4においては、ヘモグロビン類測定
中の溶離液送液工程は、少なくとも、上記溶離液Aを送
液した後上記溶離液Bを送液する工程、あるいは、上記
溶離液Bを送液した後上記溶離液Aを送液する工程を含
むものである。
【0027】すなわち、上記送液方法とは、溶離液A、
BをA−B、A−B−A、A−B−A−B、A−B−A
−B−A・・・、または、B−A、B−A−B、B−A
−B−A、B−A−B−A−B・・・・のように交互に
流すことで、交互に流す回数、A及びBの順番は、近接
したピークを分離溶離するために適宜最適なものにする
ことが好ましい。また、測定に用いる溶離液としては、
上記A、B以外の溶離液を組み合わせても良い。
【0028】上記溶離液は、例えば、溶出力のより弱い
溶離液AによりHbA1aからHbF付近まで溶離し、
次に溶出力の強い溶離液Bに切り替えてHbA1cまで
を溶離し、再び、溶離液Aを流し、その後溶出力の最も
強い溶離液に切り替えてHbA0以降に溶出するヘモグ
ロビン成分を溶出させる。このように、HbA1c溶離
後、溶離液Aを再び流すことにより、HbA1cピーク
近傍に、妨害ピークが出現せず、HbA1cを正確にし
かも再現性良く分離溶離できる。
【0029】本発明5では、溶離液A及び/又は溶離液
Bには、カオトロピックイオン、かつ、pH4.0〜
6.8で緩衝能を持つ有機酸、無機酸及び/又はこれら
の塩が含有されていることを特徴とする。
【0030】上記カオトロピックイオンとは、化合物が
水溶液に溶解したときに解離により生じたイオンであ
り、水の構造を破壊し、疎水性物質と水が接触したとき
に起こる水のエントロピー減少を抑制するものである。
陰イオンのカオトロピックイオンとしては、トリブロモ
酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオン、チオシアン酸イオ
ン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、ジクロロ酢酸イ
オン、硝酸イオン、臭化物イオン、塩化物イオン、酢酸
イオン等が挙げられる。また、陽イオンのカオトロピッ
クイオンとしては、バリウムイオン、カルシウムイオ
ン、リチウムイオン、セシウムイオン、カリウムイオ
ン、マグネシウムイオン、グアニジンイオン等が挙げら
れる。これらのカオトロピックイオンの中で第5の発明
に用いられるものは、陰イオンとして、トリブロモ酢酸
イオン、トリクロロ酢酸イオン、チオシアン酸イオン、
ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、ジクロロ酢酸イオ
ン、硝酸イオン、臭化物イオン等を、陽イオンとして、
バリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオ
ン、リチウムイオン、セシウムイオン、グアニジンイオ
ン等を用いるのが好ましい。さらに、より好ましくは、
トリブロモ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオン、ヨウ化
物イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、硝酸
イオン、グアニジンイオン等が用いられる。上記溶離液
中のカオトロピックイオンの濃度が、0.1mMより低
いとヘモグロビン類の測定において、分離効果が低下す
るおそれがあり、また、3000mMよりも高いと、ヘ
モグロビン類の分離効果はそれ以上向上しないので、
0.1mM〜3000mMが好ましく、1mM〜100
0mMがより好ましく、更に、10mM〜500mMが
好ましい。また、カオトロピックイオンは複数種混合し
て用いても良い。上記カオトロピックイオンは、測定試
料と接触する液、例えば、溶血試薬、試料希釈液等に添
加しても良い。
【0031】また、上記溶離液のpHは、4.0〜6.
8であることが好ましく、さらに好ましくは4.5〜
5.8である。溶離液のpHが4未満であると、ヘモグ
ロビン類が変性する可能性があり、pHが6.8を超え
ると、ヘモグロビン類のプラス荷電が減少し、陽イオン
交換基に保持されにくくなり、ヘモグロビン類の分離が
悪くなる。
【0032】尚、上記溶離液のpHは、例えば、後述の
pH調節剤の添加量により調節できる。上記pHの異な
る2種類以上の溶離液を、勾配溶出法、あるいは段階溶
出法によって送液しても良い。
【0033】本発明6では、上記溶離液A及び溶離液B
とは溶出力が異なる溶離液Cを用い、該溶離液CはHb
A0を溶出するために用い、カラムに流入する際のpH
が、ヘモグロビン類の等電点と等しいか、または、等電
点よりアルカリ側になるように設定されているものを用
いる。また上記溶離液Cは、HbA0以外の成分の溶
出、例えば、HbSやHbCの溶出に用いることもで
き、また、測定終了時におけるカラム洗浄液としても用
いることができる。
【0034】本発明6において、HbA0の溶出に際
し、すなわち、HbA1cより強く充填剤に保持された
HbA等から成る「HbA0成分」を溶出するために
は、カラムに流入する際のpHをヘモグロビンの等電点
よりアルカリ側になるように設定した溶離液を用いるの
が好ましい。この条件を実現するには、pHがヘモグロ
ビンの等電点よりアルカリ側であるひとつの溶離液を送
液する方法や、pHの異なる2種以上の溶離液を用いる
方法がある。ヘモグロビンはpHが等電点より酸性側か
らアルカリ側になると、総荷電がプラスからマイナスに
変わるため、充填剤の陽イオン交換基との「電気的反発
力によってHbA0成分を溶出」させることができる。
なお、理化学辞典(第4版、1987年9月、岩波書
店、久保亮五ら編集)、1178頁に記載されているよ
うに、ヘモグロビンの等電点はpH6.8〜7.0であ
る。そのため、HbA0成分を溶出するために、カラム
に流入する際の溶離液のpHを6.8以上にすることが
より好ましい。この条件を満たすため、測定に用いる溶
離液の内、少なくともひとつの溶離液のpHが6.8以
上であることが必要である。本溶離液のpHは望ましく
は7.0〜12.0であり、7.5〜11.0がより好
ましく、更には8.0〜9.5が好ましい。溶離液のp
Hが6.8未満になるとHbA0成分の溶出が不十分と
なる。溶離液のpHは、用いる充填剤の分解が起こらな
い範囲に設定すれば良い。HbA0成分の溶出に好適に
用いられるpHが6.8以上で緩衝能をもつ溶離液とし
ては、例えば、リン酸、ホウ酸、炭酸等の無機酸また
は、その塩;クエン酸等のヒドロキシカルボン酸、β、
β−ジメチルグルタル酸等のカルボン酸誘導体、マレイ
ン酸等のジカルボン酸、カコジル酸、等の有機酸また
は、その塩からなる緩衝液が挙げられる。その他、2−
(N−モリホリノ)エタンスルホン酸(MES)、N−
2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−エタンスルホ
ン酸(HEPES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イ
ミノトリス−(ヒドロキシメチル)メタン(Bistr
is)、Tris、ADA、PIPES、Bistri
spropane、ACES、MOPS、BES、TE
S、HEPES、HEPPS、Tricine、Bic
ine、グリシルグリシン、TAPS、CAPS等の一
般にグッド(Good)の緩衝液といわれるものも使用
できる。また、BrittonとRobinsonの緩
衝液;GTA緩衝液も使用できる。また、イミダゾール
等のイミダゾール類;エチレンジアミン、メチルアミ
ン、エチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアミン類;グリシン、
β−アラニン、アスパラギン酸、アスパラギン等のアミ
ノ酸類;等の有機物も使用できる。また、無機酸;有機
酸;無機酸または有機酸の塩;有機物は、複数混合して
用いても良く、また、有機酸、無機酸及び有機物を混合
しても良い。
【0035】本発明7の溶離液Cには、カオトロピック
イオンが含有されている。すなわち、より効果的にHb
A0成分を溶出するためには、上記溶離液にカオトロピ
ックイオンを添加するのが好ましい。添加するカオトロ
ピックイオンの種類は、上述の発明5におけるものと同
様のものがあげられる。また、その濃度は、1〜300
0mMが好ましく、より好ましくは10〜1000mM
であり、特に好ましくは50〜500mMの範囲であ
る。。
【0036】さらに本発明における上記溶離液群には、
以下の物質を添加しても良い。 (1)無機塩類(塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸
ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸ナトリウム等)を添
加しても良い。これらの塩類の濃度は、特に限定されな
いが、好ましくは1〜1500mMである。 (2)pH調節剤として、公知の酸、塩基を加えても良
い。酸としては、例えば、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸等
が、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリ
ウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。これらの酸、
塩基の濃度は、特に限定されないが、好ましくは、0.
001〜500mMである。 (3)メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセ
トン等の水溶性有機溶媒を混合しても良い。これらの有
機溶媒の濃度は、特に限定されないが、好ましくは0〜
80%(v/v)であり、カオトロピックイオン、無機
酸、有機酸、これらの塩等が析出しない程度で用いるの
が好ましい。 (4)アジ化ナトリウム、チモール等の防腐剤を添加し
ても良い。 (5)ヘモグロビンの安定剤として、公知の安定剤、例
えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のキレー
ト剤、グルタチオン、アジ化ナトリウム等の還元剤・酸
化防止剤等を添加しても良い。
【0037】本発明における上記溶離液A・B・Cで
は、緩衝能を持つ物質としては、酸解離定数(pKa)
が、2.15〜6.39及び6.40〜10.50の範
囲に存在するものが用いるのが好ましい。すなわち、緩
衝剤として、pKaを、2.15〜6.39及び6.4
0〜10.50の範囲に少なくとも一つずつもつ単一の
物質を用いても良く、あるいは、2.15〜6.39の
範囲に少なくとも一つのpKaをもつ物質と6.40〜
10.50の範囲に少なくとも一つのpKaをもつ物質
とを組み合わせて緩衝剤として用いても良い。また、上
記緩衝剤を複数組み合わせて用いても良い。上記緩衝剤
のpKaの範囲は、測定目的のピークを分離するのに適
切な溶離液のpH付近において、より優れた緩衝能を発
揮できるように、2.61〜6.39及び6.40〜1
0.50の範囲が好ましく、より好ましくは、2.80
〜6.35及び6.80〜10.00の範囲である。さ
らに好ましくは、3.50〜6.25及び7.00〜
9.50の範囲である。上記緩衝剤としては、例えば、
リン酸、ホウ酸、炭酸等の無機物のほか、カルボン酸、
ジカルボン酸、カルボン酸誘導体、ヒドロキシカルボン
酸、アニリンまたはアニリン誘導体、アミノ酸、アミン
類、イミダゾール類、アルコール類等の有機物が挙げら
れる。また、エチレンジアミン四酢酸、ピロリン酸、ピ
リジン、カコジル酸、グリセロールリン酸、2,4,6
−コリジン、N−エチルモルホリン、モルホリン、4−
アミノピリジン、アンモニア、エフェドリン、ヒドロキ
シプロリン、ペリジン、トリス(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタン、グリシルグリシン等の有機物でも良い。上
記カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、
安息香酸等が挙げられる。上記ジカルボン酸としては、
例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、マレイン酸、フタル酸、フマル酸等が挙げられる。
上記カルボン酸誘導体としては、例えば、β,β’−ジ
メチルグルタル酸、バルビツール酸、5,5−ジエチル
バルビツール酸、γ−アミノ酪酸、ピルビン酸、フラン
カルボン酸、ε−アミノカプロン酸等が挙げられる。上
記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、酒石酸、ク
エン酸、乳酸、リンゴ酸等が挙げられる。上記アニリン
またはアニリン誘導体としては、例えば、アニリン、ジ
メチルアニリン等が挙げられる。上記アミノ酸として
は、例えば、アスパラギン酸、アスパラギン、グリシ
ン、α−アラニン、β−アラニン、ヒスチジン、セリ
ン、ロイシン等が挙げられる。上記アミン類としては、
例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、トリメ
チルアミン、ジエタノールアミン等が挙げられる。上記
イミダゾール類としては、例えば、イミダゾール、5
(4)−ヒドロキシイミダゾール、5(4)−メチルイ
ミダゾール、2,5(4)−ジメチルイミダゾール等が
挙げられる。上記アルコール類としては、例えば、2−
アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−
アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−
アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられ
る。また、上記緩衝剤としては、2−(N−モリホリ
ノ)エタンスルホン酸(MES)、ビス(2−ヒドロキ
シエチル)イミノトリス−(ヒドロキシメチル)メタン
(Bistris)、N−(2−アセトアミド)イミド
ジ酢酸(ADA)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−
エタンスルホン酸)(PIPES)、1,3−ビス(ト
リス(ヒドロキシメチル)−メチルアミノ)プロパン
(Bistrispropane)、N−(アセトアミ
ド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、3−
(N−モルフォリン)プロパンスルホン酸(MOP
S)、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−
アミノエタンスルホン酸(BES)、N−トリス(ヒド
ロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸
(TES)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−
N’−エタンスルホン酸(HEPES)、N−2−ヒド
ロキシエチルピペラジン−N’−プロパンスルホン酸
(HEPPS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチ
ルグリシン(Tricine)、トリス(ヒドロキシメ
チル)アミノエタン(Tris)、N,N’−ビス(2
−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、グリ
シルグリシン、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル
−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、グリシ
ン、シクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸(CAP
S)等の一般にグッド(Good)の緩衝液といわれる
ものを組成する物質も使用できる。これらの物質のpK
aを表1・2に示す(引用文献:堀尾武一・山下仁平
蛋白質・酵素の基礎実験法 南江堂 1985年)。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】溶離液中の上記緩衝剤濃度は、緩衝作用が
ある範囲であれば良く、好ましくは1〜1000mM、
より好ましくは10〜500mMである。また、上記緩
衝剤は、単独でも複数混合して用いても良く、例えば、
有機物と無機物を混合して用いても良い。また、その場
合、測定目的のピークを分離するにあたって用いる溶離
液は、同一の緩衝剤を含むものを用いるのが好ましい
が、溶離液を切り替える際の、(検出器出力の)ベース
ライン変動が、測定値に悪影響を与えなければ、その必
要はない。さらに、ベースライン変動をより小さくする
ために、上記測定目的のピークを分離するにあたって用
いる溶離液は、緩衝剤の濃度も同一であるものを用いる
のがより好ましい。
【0041】(溶出方法)本発明の溶離液は、ヘモグロ
ビン類の分離能、特にHbAc1の分離のために特定の
溶出方法を用いることができる。すなわち、本発明の特
定の局面では、HbA0よりも前に溶出するヘモグロビ
ン類の溶出にpH4.0〜6.8の溶離液を少なくとも
2種類(溶離液A、B)以上用い、HbA0の溶出に溶
離液Cを用いる方法、或いは、HbA0よりも前に溶出
するヘモグロビン類の溶出に少なくとも2種類(溶離液
A、B)以上用い、かつ、溶出力の最も弱い溶離液を先
に流し、目的のピークが最適に分離溶離されるように溶
離液A、Bを交互に流す方法を用いる。これにより、H
b類特に安定型HbA1cをシャープに溶出することが
できる。
【0042】さらに、本発明の特定の局面では、安定型
HbA1cの測定に悪影響を与える可能性のあるのヘモ
グロビン成分(HbA2、HbS、HbC等)を含む血
液検体を測定する場合、上記HbA0成分を、HbAと
測定に悪影響を与えるHb類(HbA2、HbS及びH
bC)とに分離し、HbAを溶出させた後に、測定に悪
影響を与える上記Hb類(HbA2、HbS及びHb
C)を溶離させる測定方法であるので、HbA0ピーク
からHbA以外のヘモグロビン成分を除けることがで
き、より正確な安定型HbA1c(%)を算出できる。
ここで、上記HbA2、HbS、HbC等を溶離させる
場合におけるHbA0を溶出するための溶離液とは、H
bA2、HbS、HbC等を含みHbAを主成分とする
HbA0ピークを溶出するために用いる溶離液を意味す
る。この場合では、HbA0を溶出するための溶離液の
後に、HbA2、HbS、HbC等を溶離するために、
より溶出力の強い溶離液を送液することが必要となる場
合がある。
【0043】またさらに、本発明の特定の局面では、勾
配溶出法または段階溶出法によって溶離液を送液するに
際し、分離対象のピークまたはピーク間の溶離タイミン
グを考慮して分離対象のピークまたはピーク間の分離状
態が良くなるように、溶離液の溶出力を一旦低下させ
る。具体的には、段階溶出法の場合、溶出力の弱い溶離
液から溶出力の強い溶離液に切り替えて送液した後、溶
出力の弱い溶離液に切り替え、しばらくしてから溶出力
の強い溶離液に切り替えて送液する。本発明の方法を段
階溶出法によって行う場合の装置の構成例を図1に示し
た。溶離液A,B,C,Dは、各々溶出力の異なる(例
えば、塩濃度、pH、極性等において異なる)ものであ
り、電磁弁1によって設定時間に各溶離液に切り替えら
れるように構成されている。溶離液は、送液ポンプ2に
より、試料注入部3から導入された試料とともにカラム
4に導かれ、各成分が検出器5により検出される。各ピ
ークの面積、高さ等はインテグレータ6により算出され
る。
【0044】(充填剤)本発明のヘモグロビン類の測定
方法における陽イオン交換液体クロマトグラフィーの充
填剤は、少なくとも1種以上のカチオン交換基を有して
いる粒子よりなるものであり、例えば、高分子粒子にカ
チオン交換基を導入することで得られる。
【0045】該カチオン交換基は、公知のものでよく特
に制限はない。例えば、カルボキシル基、スルホン酸
基、リン酸基などのカチオン交換基等が挙げられる。ま
た、このカチオン交換基は、複数種導入しても良い。
【0046】上記粒子の直径は、好ましくは0.5〜2
0μm、より好ましくは1〜10μmである。また、粒
度分布は、変動係数値(CV値)(粒径の標準偏差÷平
均直径×100)として、好ましくは40%以下、より
好ましくは30%以下である。
【0047】上記高分子粒子としては、例えば、シリ
カ、ジルコニアなどの無機系粒子;セルロース、ポリア
ミノ酸、キトサンなどの天然高分子粒子;ポリスチレ
ン、ポリアクリル酸エステルなどの合成高分子粒子など
が挙げられる。上記高分子粒子は、導入されるイオン交
換基以外の構成成分は、より親水性であることが好まし
い。また耐圧性・耐膨潤性の点から架橋度の高いものが
好ましい。
【0048】上記高分子粒子へのカチオン交換基の導入
は、公知の方法により行うことができるが、例えば、高
分子粒子を調製後、粒子が有する官能基(水酸基、アミ
ノ基、カルボキシル基、エポキシ基など)に、化学反応
でカチオン交換基を粒子に導入させる方法により行うこ
とができる。
【0049】また、カチオン交換基を有する単量体を重
合して高分子粒子を調製する方法によってもカチオン交
換充填剤を調製できる。例えば、カチオン交換基含有単
量体と架橋性単量体等とを混合し、重合開始剤の存在下
に重合する方法などが挙げられる。
【0050】また、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチルなどの重合性カチオン交換基含有
エステルを架橋性単量体などと混合し、重合開始剤存在
下で重合した後、得られた粒子を加水分解処理し、エス
テルをカチオン交換基に変換させてもよい。
【0051】更に、特公平8−7197号公報に記載の
ように、架橋重合体粒子を調製した後、カチオン交換基
を有する単量体を添加して、重合体粒子の表面付近に、
該単量体を重合させても良い。
【0052】上記充填剤はカラムに充填されて液体クロ
マトグラフィー測定に用いられる。上記カラムは公知の
ステンレス製、ガラス製、樹脂製など、特に限定されな
い。カラムサイズとしては、内径0.1〜50mm、長
さ1〜300mmのものが好ましく、内径0.2〜30
mm、長さ5〜200mmのものがより好ましい。充填
剤のカラムへの充填方法は、公知の任意の方法が使用で
きるがスラリー充填法がより好ましい。具体的には、例
えば、充填剤粒子を溶離液などの緩衝液に分散させたス
ラリーを送液ポンプなどによりカラムに圧入することに
より行う。
【0053】本発明方法で用いるカラムのフィルターま
たはプレフィルターとしては、イナートな素材からなる
フィルター、または、そのフィルターの表面がイナート
な素材で覆われているフィルターを用いるのが好まし
い。
【0054】本発明でカラムのフィルターまたはプレフ
ィルターの表面素材として用いるフィルターのイナート
な素材としては、セルロースエステル、セルロースアセ
テート、セルローストリアセテート、セルロース、セル
ロースナイトレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リビニリデンジフロライド、ポリスルフォン、ポリエチ
レン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスル
ホン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリフッ化ビニリデ
ン、ガラス素材、アクリル共重合体、酸化物セラミッ
ク、炭化物セラミック、窒化物セラミック、珪化物セラ
ミック、硼化物セラミック、チタンから成る群の中から
少なくとも一つ、または、複数組み合わせてなることを
特徴とする。
【0055】上記フィルターの形状は、メンブレンフィ
ルター、繊維を積層し焼結したもの、微粒子を焼結成型
したものなどがある。
【0056】本発明に使用されるLC装置は、公知のも
ので良く、例えば、送液ポンプ、試料注入装置(サンプ
ラ)、カラム、検出器等から構成される。また、他の付
属装置(カラム恒温槽や溶離液の脱気装置等)が適宜付
加されても良い。
【0057】上記測定法における、他の測定条件として
は、公知の条件で良く、溶離液の流速は、好ましくは
0.05〜5mL/分、より好ましくは0.2〜3mL
/分である。ヘモグロビン類の検出は、415nmの可
視光が好ましいが、特にこれのみに限定されるわけでは
ない。測定試料は、通常、界面活性剤等溶血活性を有す
る物質を含む溶液により溶血された溶血液を希釈したも
のを用いる。試料注入量は、血液検体の希釈倍率により
異なるが、好ましくは0.1〜100μL程度である。
【0058】
【実施例】以下に実施例、比較例を挙げて本発明を更に
詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定
されるものではない。
【0059】(実施例1) 充填剤の調製 テトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化
学製)450gにベンゾイルパーオキサイド2.0gを
混合して溶解させ、2.5Lの4重量%ポリビニルアル
コール水溶液に分散させた。これを窒素雰囲気下で攪拌
しながら昇温し、80℃で1.5時間重合させた。反応
系を35℃に冷却した後、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸(東京化成製)200gを添加
して1時間攪拌し、再び80℃で1.3時間重合させ
た。重合後、洗浄し、分級して平均粒径6.5μmの充
填剤を得た。
【0060】充填剤のカラムへの充填 得られた粒子をカラムに以下のようにして充填した。粒
子0.7gを、50mMリン酸緩衝液(pH5.8)3
0mLに分散し、5分間超音波処理した後、よく撹拌し
た。全量をステンレス製の空カラム(内径4.6×35
mm)を接続したパッカー(梅谷精機社製)に注入し
た。パッカーに送液ポンプ(サヌキ工業社製)を接続
し、圧力300kg/cm2 で定圧充填した。
【0061】ヘモグロビン類の測定 得られたカラムを用いて、以下の測定条件でヘモグロビ
ン類の測定を行った。 (測定条件) システム:送液ポンプ:LC−9A(島津製作所社製) オートサンプラ:ASU−420(積水化学工業社製) 検出器:SPD−6AV(島津製作所社製) 溶離液:溶離液A:50mMの過塩素酸を含有する 50mMリン酸緩衝液(pH5.3) 溶離液B:53mMの過塩素酸を含有する 55mMリン酸緩衝液(pH5.2) 溶離液C:200mMの過塩素酸を含有する 50mMリン酸緩衝液(pH8.5) 測定開始より0〜2.5分の間は溶離液Bを送液し、
2.5〜3.0分の間は溶離液Aを送液し、3.0〜
3.1分の間は溶離液Cを送液し、3.1〜4.0分の
間は溶離液Bを送液した。 流速:2.0mL/分 検出波長:415nm 試料注入量:10μL
【0062】(測定試料)健常人血をフッ化ナトリウム
採血した全血検体から以下の試料を調製した。なお、溶
血試薬として、0.1重量%ポリエチレングリコールモ
ノ−4−オクチルフェニルエーテル(トリトンX−10
0)(東京化成社製)を含有させたリン酸緩衝液溶液
(pH7.0)を用いた。
【0063】(測定結果)図2に示すように、不安定型
HbA1c と安定型HbA1c が良好に分離した。ピーク1はH
bA1a及びHbA1b、ピーク2はHbF、ピーク3
は不安定型HbA1c、ピーク4は安定型HbA1c、
ピーク5はHbA0を示す。また、安定型HbA1c の後ろ
に、妨害ピークが出ず、表3に示すように、安定型HbA1
c の測定再現性は、良好であった。
【0064】
【表3】
【0065】(溶離液A,B の溶出力の評価)測定試料
は、グリゴHbコントロール(国際試薬株式会社)のレベ
ル(II)を添付資料に基づいて調製して用いた。測定条件
は、溶出力を評価する溶離液と上記溶離液Cを用い、溶
離液Cの影響が無いように、溶出力を評価する溶離液を
長時間を流して、安定型HbA1c の保持時間を求めた。そ
の結果、溶離液A :3.0 分、溶離液B:2.2 分であっ
た。
【0066】(実施例2) 充填剤の調製 テトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化
学製)450gにベンゾイルパーオキサイド2.0gを
混合して溶解させ、2.5Lの4重量%ポリビニルアル
コール水溶液に分散させた。これを窒素雰囲気下で攪拌
しながら昇温し、80℃で1.5時間重合させた。反応
系を35℃に冷却した後、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸(東京化成製)200gを添加
して1時間攪拌し、再び80℃で1.3時間重合させ
た。重合後、洗浄し、分級して平均粒径6.5μmの充
填剤を得た。
【0067】充填剤のカラムへの充填 得られた粒子をカラムに以下のようにして充填した。粒
子0.7gを、50mMリン酸緩衝液(pH5.8)3
0mLに分散し、5分間超音波処理した後、よく撹拌し
た。全量をステンレス製の空カラム(内径4.6×35
mm)を接続したパッカー(梅谷精機社製)に注入し
た。パッカーに送液ポンプ(サヌキ工業社製)を接続
し、圧力300kg/cm2 で定圧充填した。
【0068】ヘモグロビン類の測定 得られたカラムを用いて、以下の測定条件でヘモグロビ
ン類の測定を行った。 (測定条件) システム:送液ポンプ:LC−9A(島津製作所社製) オートサンプラ:ASU−420(積水化学工業社製) 検出器:SPD−6AV(島津製作所社製) 溶離液:溶離液A:53mMの過塩素酸を含有する 50mMリン酸緩衝液(pH5.3) 溶離液B:70mMの過塩素酸を含有する 55mMリン酸緩衝液(pH5.2) 溶離液C:200mMの過塩素酸を含有する 50mMリン酸緩衝液(pH8.5)
【0069】測定開始より0〜0.6分の間は溶離液A
を送液し、0.6〜0.9分の間は溶離液Bを送液し、
0.9〜1.2分の間は溶離液Aを送液し、1.2〜
1.3分の間は溶離液Cを送液し、1.3〜1.8分の
間は溶離液Aを送液した。 流速:2.0mL/分 検出波長:415nm 試料注入量:10μL
【0070】(測定試料)健常人血をフッ化ナトリウム
採血した全血検体から以下の試料を調製した。なお、溶
血試薬として、0.1重量%ポリエチレングリコールモ
ノ−4−オクチルフェニルエーテル(トリトンX−10
0)(東京化成社製)を含有させたリン酸緩衝液溶液
(pH7.0)を用いた。 a)糖負荷血:全血検体に500mg/dLのグルコー
ス水溶液を添加し、37℃で3時間反応させ、次いで上
記溶血試薬により溶血し、150倍に希釈して試料aと
した。 b)CHb含有試料:全血検体10mLに、0.3重量
%のシアン酸ナトリウムの生理食塩水溶液1mLを添加
し、37℃で3時間反応させ、次いで上記溶血試薬によ
り溶血し、150倍に希釈して試料bとした。 c)AHb含有試料:全血検体10mLに、0.3重量
%のアセトアルデヒドの生理食塩水溶液1mLを添加
し、37℃で3時間反応させ、次いで上記溶血試薬によ
り溶血し、150倍に希釈して試料cとした。
【0071】(測定結果)上記測定条件により、試料を
測定して得られたクロマトグラムを図3〜5に示す。図
3は試料a、図4は試料b、図5は試料cを測定した結
果である。ピーク6はCHb、ピーク7はAHbを示
す。図3では、ピーク3および4が良好に分離されてい
る。また、図4ではピーク6(CHb)、図5ではピー
ク7(AHb)がピーク4から良好に分離されている。
【0072】(溶離液A,B の溶出力の評価)測定試料
は、グリゴHbコントロール(国際試薬株式会社)のレベ
ル(II)を添付資料に基づいて調製して用いた。測定条件
は、溶出力を評価する溶離液と上記溶離液Cを用い、溶
離液Cの影響が無いように、溶出力を評価する溶離液を
長時間を流して、安定型HbA1c の保持時間を求めた。そ
の結果、溶離液A :2.5 分、溶離液B:1.7 分であっ
た。
【0073】(浸透圧の測定)溶離液A、Bの浸透圧を
浸透圧測定装置(オズモスタット(OM-6020 )、京都第
一科学社製)で測定した。その結果、溶離液A:163mOs
m(3985.35hpa) 、溶離液B:220mOsm(5379hpa)であっ
た。
【0074】(緩衝能の差の評価)溶離液A、Bそれぞ
れ100ml に0.1 モル/ Lの水酸化ナトリウム(和光純
薬)1ml 添加した時のpH増加分をpH測定装置(カスタ
ニーLABpH メーター(F23)、堀場製作所社製)で測定し
た。その結果、緩衝能の差は、0.002 であった。
【0075】(実施例3)溶離液を以下の組成としたこ
ととカラムのフィルターにポリエチレン製のフィルター
(直径5mm×厚さ1.5mm)を用いたことの他は、
実施例2と同様に操作してヘモグロビン類の測定を行っ
た。得られたクロマトグラムは図2〜4と同様に良好で
あった。 溶離液:溶離液A:53mMの過塩素酸を含有する 40mMリン酸- 5mMコハク酸緩衝液(pH5.3) 溶離液B:70mMの過塩素酸を含有する 40mMリン酸- 10mMコハク酸緩衝液(pH5.
2) 溶離液C:250mMの過塩素酸を含有する 40mMリン酸- 5mMコハク酸緩衝液(pH8.5)
【0076】(溶離液A,B の溶出力の評価)測定試料
は、グリゴHbコントロール(国際試薬株式会社)のレベ
ル(II)を添付資料に基づいて調製して用いた。測定条件
は、溶出力を評価する溶離液と上記溶離液Cを用い、溶
離液Cの影響が無いように、溶出力を評価する溶離液を
長時間を流して、安定型HbA1c の保持時間を求めた。そ
の結果、溶離液A :2.6 分、溶離液B:1.8 分であっ
た。
【0077】(浸透圧の測定)溶離液A、Bの浸透圧を
浸透圧測定装置(オズモスタット(OM-6020 )、京都第
一科学社製)で測定した。その結果、溶離液A:162mOs
m(3960.9hpa)、溶離液B:218mOsm(5330.1hpa)であっ
た。
【0078】(緩衝能の差の評価)溶離液A、Bそれぞ
れ100ml に0.1 モル/ Lの水酸化ナトリウム(和光純
薬)1ml 添加した時のpH増加分をpH測定装置(カスタ
ニーLABpH メーター(F23)、堀場製作所社製)で測定し
た。その結果、緩衝能の差は、0.050 であった。
【0079】(比較例1)溶離液を以下の組成としたこ
とと送液方法を以下のようにした他は、実施例2と同様
に操作してヘモグロビン類の測定を行った。 溶離液:溶離液D:53mMの過塩素酸を含有する 50mMリン酸緩衝液(pH5.3) 溶離液E:70mMの過塩素酸を含有する 45mMリン酸緩衝液(pH5.4) 溶離液F:200mMの過塩素酸を含有する 50mMリン酸緩衝液(pH8.5) 測定開始より0〜0.8分の間は溶離液Dを送液し、
0.8〜1.2分の間は溶離液Eを送液し、1.2〜
1.3分の間は溶離液Fを送液し、1.3〜1.8分の
間は溶離液Dを送液した。
【0080】得られたクロマトグラムを図6〜8に示
す。図6は試料a、図7は試料b、図8は試料cを測定
した結果である。 図3〜5に比較して、いずれもHbA1
c ピークの後ろに妨害ピークが出現して、測定試料aを
測定した場合、表3に示すようにHbA1c 測定再現性が実
施例1〜3比べて比較例1が悪いことが明らかである。
【0081】(溶離液A,B の溶出力の評価)測定試料
は、グリゴHbコントロール(国際試薬株式会社)のレベ
ル(II)を添付資料に基づいて調製して用いた。測定条件
は、溶出力を評価する溶離液と上記溶離液Cを用い、溶
離液Cの影響が無いように、溶出力を評価する溶離液を
長時間を流して、安定型HbA1c の保持時間を求めた。そ
の結果、溶離液A :2.5 分、溶離液B:1.7 分であっ
た。
【0082】(浸透圧の測定)溶離液A、Bの浸透圧を
浸透圧測定装置(オズモスタット(OM-6020 )、京都第
一科学社製)で測定した。その結果、溶離液A:163mOs
m(3985.35hpa) 、溶離液B:220mOsm(5379hpa)であっ
た。
【0083】(緩衝能の差の評価)溶離液A、Bそれぞ
れ100ml に0.1 モル/ Lの水酸化ナトリウム(和光純
薬)1ml 添加した時のpH増加分をpH測定装置(カスタ
ニーLABpH メーター(F23)、堀場製作所社製)で測定し
た。その結果、緩衝能の差は、-0.002であった。
【0084】(比較例2)溶離液を以下の組成としたこ
との他は、比較例1と同様に操作してヘモグロビン類の
測定を行った。 溶離液:溶離液H:210 mMリン酸緩衝液(pH5.
3) 溶離液I:270 mMリン酸緩衝液(pH5.4) 溶離液J:400 mMリン酸緩衝液(pH8.5) 測定開始より0〜0.8分の間は溶離液Hを送液し、
0.8〜1.2分の間は溶離液Iを送液し、1.2〜
1.3分の間は溶離液Jを送液し、1.3〜1.8分の
間は溶離液Hを送液した。
【0085】得られたクロマトグラムを図9〜11に示
す。図9は試料a、図10は試料b、図11は試料cを
測定した結果である。 実施例1〜3及び比較例1より
も、不安定型HbA1c 、CHb 及びAHb の分離が悪くなっ
た。
【0086】(溶離液A,B の溶出力の評価)測定試料
は、グリゴHbコントロール(国際試薬株式会社)のレベ
ル(II)を添付資料に基づいて調製して用いた。測定条件
は、溶出力を評価する溶離液と上記溶離液Cを用い、溶
離液Cの影響が無いように、溶出力を評価する溶離液を
長時間を流して、安定型HbA1c の保持時間を求めた。そ
の結果、溶離液A :2.5 分、溶離液B:1.7 分であっ
た。
【0087】(浸透圧の測定)溶離液A、Bの浸透圧を
浸透圧測定装置(オズモスタット(OM-6020 )、京都第
一科学社製)で測定した。その結果、溶離液A:163mOs
m(3985.35hpa) 、溶離液B:220mOsm(5379hpa)であっ
た。
【0088】(緩衝能の差の評価)溶離液A、Bそれぞ
れ100ml に0.1 モル/ Lの水酸化ナトリウム(和光純
薬)1ml 添加した時のpH増加分をpH測定装置(カスタ
ニーLABpH メーター(F23)、堀場製作所社製)で測定し
た。その結果、緩衝能の差は、0.050 であった。
【0089】(カラム耐久性の評価)実施例1〜3及び
比較例1の溶離条件で、上記測定サンプルaを100検
体づつ連続測定し、カラム耐久性を評価した。図12に
示すように、実施例1〜3では、HbA1c測定値は、
1000検体まで一定であったが、比較例1では連続測
定するに従って、HbA1cピークに妨害ピークが重な
り、測定値が次第に大きくなった。
【0090】
【発明の効果】本発明のヘモグロビン類の測定方法は、
上述の通り構成され、勾配溶出法または段階溶出法を用
いたカチオン交換液体クロマトグラフィーによるヘモグ
ロビン類の測定方法において、ヘモグロビン類の分離を
短時間で、高分離能で行うことができ、さらに測定再現
性の優れたヘモグロビン類の測定方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カチオン交換液体クロマトグラフィー装置の構
成例を示す図。
【図2】実施例1の測定条件により、ヘモグロビン類の
測定を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図3】実施例2の測定条件により、ヘモグロビン類の
測定(試料a)を行った際に得られたクロマトグラムを
示す図。
【図4】実施例2の測定条件により、ヘモグロビン類の
測定(試料b)を行った際に得られたクロマトグラムを
示す図。
【図5】実施例2の測定条件により、ヘモグロビン類の
測定(試料c)を行った際に得られたクロマトグラムを
示す図。
【図6】比較例1の測定条件により、ヘモグロビン類の
測定(試料a)を行った際に得られたクロマトグラムを
示す図。
【図7】比較例1の測定条件により、ヘモグロビン類の
測定(試料b)を行った際に得られたクロマトグラムを
示す図。
【図8】比較例1の測定条件により、ヘモグロビン類の
測定(試料c)を行った際に得られたクロマトグラムを
示す図。
【図9】比較例2の測定条件により、ヘモグロビン類の
測定(試料a)を行った際に得られたクロマトグラムを
示す図。
【図10】比較例2の測定条件により、ヘモグロビン類
の測定(試料b)を行った際に得られたクロマトグラム
を示す図。
【図11】比較例2の測定条件により、ヘモグロビン類
の測定(試料c)を行った際に得られたクロマトグラム
を示す図。
【図12】実施例1〜3及び比較例1における測定回数
の増加にともなう安定型HbA1c値の変動を示す図。
【図13】勾配溶出法による溶離液の送液方法を示す
図。
【図14】段階溶出法による溶離液の送液方法を示す
図。
【符号の説明】
1 HbA1a及びbのピーク 2 HbFのピーク 3 不安定型HbA1cのピーク 4 安定型HbA1cのピーク 5 HbA0のピーク 6 CHbのピーク 7 AHbのピーク 8 妨害ピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G045 AA01 AA25 BA13 BB40 BB41 BB52 CA25 DA48 FA26 FA29 FB06 GC10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン交換液体クロマトグラフィーに
    よるヘモグロビン類の測定方法において、 溶出力の異なる少なくとも2種の溶離液(溶離液A及び
    溶離液B)を用い、 溶離液AのpHが、溶離液BのpHより大きく、 溶離液Aの安定型ヘモグロビンA1c溶出力が、溶離液
    Bの安定型ヘモグロビンA1c溶出力よりも小さいこと
    を特徴とするヘモグロビン類の測定方法。
  2. 【請求項2】 上記溶離液Aの浸透圧が、上記溶離液B
    の浸透圧よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の
    ヘモグロビン類の測定方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ性水溶液添加に対する上記溶離
    液Aの緩衝能が、上記溶離液Bのそれよりも小さいか、
    あるいは、それと等しいことを特徴とする請求項1また
    は2記載のヘモグロビン類の測定方法。
  4. 【請求項4】 ヘモグロビン類測定中の溶離液送液工程
    において、 少なくとも、上記溶離液Aを送液した後上記溶離液Bを
    送液する工程、 あるいは、上記溶離液Bを送液した後上記溶離液Aを送
    液する工程が含まれることを特徴とする請求項1〜3い
    ずれか一項に記載のヘモグロビン類の測定方法。
  5. 【請求項5】 上記溶離液A及び/又は溶離液Bにカオ
    トロピックイオンが含有されており、かつ、pH4.0
    〜6.8で緩衝能を持つ有機酸、無機酸及び/又はこれ
    らの塩が含有されていることを特徴とする請求項1〜4
    いずれか一項に記載のヘモグロビン類の測定方法。
  6. 【請求項6】 上記溶離液A及び溶離液Bとは溶出力が
    異なる溶離液Cを用い、該溶離液Cは、ヘモグロビンA
    0を溶出するために用い、カラムに流入する際のpH
    が、ヘモグロビン類の等電点と等しいか、または、等電
    点よりアルカリ側になるように設定されていることを特
    徴とする請求項1〜5いずれか一項に記載のヘモグロビ
    ン類の測定方法。
  7. 【請求項7】 上記溶離液Cにカオトロピックイオンが
    含有されていることを特徴とする請求項6記載のヘモグ
    ロビン類の測定方法。
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