JP3429683B2 - ヘモグロビン類の測定方法 - Google Patents

ヘモグロビン類の測定方法

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JP3429683B2 JP25413898A JP25413898A JP3429683B2 JP 3429683 B2 JP3429683 B2 JP 3429683B2 JP 25413898 A JP25413898 A JP 25413898A JP 25413898 A JP25413898 A JP 25413898A JP 3429683 B2 JP3429683 B2 JP 3429683B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、液体クロマトグラ
フィーによるヘモグロビン類の測定方法に関する。 【0002】 【従来の技術】糖化ヘモグロビン、特にヘモグロビンA
1c(以下、HbA1cという)は糖尿病診断の指標と
して広く利用されている。HbA1cとは血液中の糖が
赤血球に入った後に、ヘモグロビンと不可逆的に結合し
て生成したものであり、過去1〜2カ月間の血液中の平
均的な糖濃度を反映する。 【0003】このHbA1cの測定方法としては、一般
に液体クロマトグラフィー法や免疫法が用いられてい
る。 【0004】液体クロマトグラフィー法によるHbA1
cの測定は、主にカチオン交換液体クロマトグラフィー
法により行われている(特公平8−7198号公報な
ど)。このようなカチオン交換液体クロマトグラフィー
法によるヘモグロビン類の測定には、イオン交換基とし
ては、カルボキシル基、リン酸基及びスルホン酸基など
が用いられている。また、溶離液としては、殆どがリン
酸緩衝液が用いられている。 【0005】溶血液試料をカチオン交換液体クロマトグ
ラフィーにより分離すると、通常、ヘモグロビンA1a
(以下、HbA1aという)及びヘモグロビンA1b
(以下、HbA1bという)、ヘモグロビンF(以下、
HbFという)、不安定型HbA1c、安定型HbA1
c並びにヘモグロビンA0(以下、HbA0という)な
どのピークが出現する。なお、糖尿病の診断の指標とし
て使用されているHbA1cは、最近では、上記のうち
の安定型HbA1cであり、全ヘモグロビンピークの面
積に対する安定型HbA1cピークの面積の比率(%)
として求められている。 【0006】このような、カチオン交換液体クロマトグ
ラフィーによるヘモグロビン類の測定において、クロマ
トグラフシステム中のラインフィルターなどのフィルタ
ーとしてはステンレス製フィルターが使用されている。 【0007】上記のカチオン交換液体クロマトグラフィ
ーによるヘモグロビン類の測定方法の欠点として、測定
時間の短縮化は相当進んでいるが、各ピークの分離は未
だ不十分である。また、ステンレス製フィルターには、
ヘモグロビン類が非特異的に吸着し易いために、連続測
定できる検体数が限定される、という欠点もある。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
決するためのものであり、その目的は、カチオン交換液
体クロマトグラフィーによるヘモグロビン類の測定方法
において、ヘモグロビン類の非特異的な吸着を少なく
し、ヘモグロビン類の連続測定数を延長できる測定方法
を提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明のヘモグロビン類
の測定方法は、カチオン交換液体クロマトグラフィーに
よるヘモグロビン類の測定方法において、分子量20〜
500のアミン類を少なくとも1種類以上含有し、ヒド
ラジン化合物を含有しない溶離液、又は溶血液を用いる
ことを特徴とする。なお、上記ヒドラジン化合物とは、
ヒドラジノ基(NH 2 NH−)を有する化合物を指し、
例えば、ヒドラジンそのもの及びその置換化合物、例え
ば、フェニルヒドラジン、セミカルバジド等が挙げられ
る。 【0010】以下、本発明の詳細を説明する。本発明の
方法は、溶離液、又は溶血液に分子量20〜500のア
ミン類を少なくとも1種類以上含有したものを用いる。
上記アミン類としては、分子量20〜500の第1級ア
ミン、第2級アミン、第3級アミンが挙げられる。第1
級アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミ
ン、2−アミノエタノール、アミド硫酸、アミノ酢酸
(グリシン)、4−アミノ−1−ブタノール、3−アミ
ノブタン酸、1,4−ジアミノブタンなどが挙げられる
が、これらのみに限定されるわけではない。 【0011】第2級アミンとしては、例えば、ジメチル
アミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、メチル
イソプロピルアミン、ベンジルエチルアミン、N−メチ
ルアミノ酢酸、3−(N−エチルアミノ)−1−ブタノ
ールなどが挙げられるが、これらのみに限定されるわけ
ではない。 【0012】第3級アミンとしては、例えば、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、
エチルイソプロピルメチルアミンなどが挙げられるが、
これらのみに限定されるわけではない。 【0013】アミン類の分子量は、20未満になると揮
発性が大きくなり保存性に問題を生じ、500を超える
と溶解性が小さくなるので、20〜500に限定され、
好ましくは25〜400、より好ましくは30〜150
である。 【0014】溶離液、又は溶血液に含有されるアミン類
の濃度は、1ppm未満ではヘモグロビン類の非特異的
吸着が起こり易くなり、5000ppmを超えるとヘモ
グロビン類の分離能が悪くなるので、1〜5000pp
mが好ましく、5〜1000ppmがより好ましく、1
0〜500ppmが最も好ましい。 【0015】本発明で用いられる溶離液の上記アミン類
以外の成分としては、公知の溶離液成分が用いられ、例
えば、リン酸、ホウ酸、炭酸等の無機酸又は、その塩;
カルボン酸、ジカルボン酸、カルボン酸誘導体、ヒドロ
キシカルボン酸、カコジル酸、ピロリン酸などの有機酸
又は、その塩;からなる緩衝液が挙げられる。その他、
2−(N−モリホリノ)エタンスルホン酸(MES)、
N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−エタンス
ルホン酸(HEPES)、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)イミノトリス−(ヒドロキシメチル)メタン(Bi
stris)、Tris等の一般にグッド(Good)
の緩衝液といわれるものも使用できる。 【0016】上記カルボン酸としては、例えば、酢酸、
プロピオン酸などが挙げられる。上記ジカルボン酸とし
ては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸などが挙げら
れる。上記カルボン酸誘導体としては、例えば、β、β
−ジメチルグルタル酸、バルビツール酸、アミノ酪酸な
どが挙げられる。上記ヒドロキシカルボン酸としては、
例えば、クエン酸、酒石酸、乳酸などが挙げられる。 【0017】上記無機酸又は有機酸の塩としては、公知
のものでよく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など
が挙げられる。 【0018】また、無機酸;有機酸;無機酸又は有機酸
の塩は、複数混合して用いても良く、また、無機酸及び
有機酸を混合しても良い。 【0019】HbA0成分より前の成分(ヘモグロビン
A1a及びb、HbF、HbA1c)を分離するための
溶離液のpHは、4.0〜6.8が好ましく、4.5〜
5.8がより好ましい。溶離液のpHが4未満である
と、ヘモグロビンが変性する可能性があり、pHが6.
8をこえると、ヘモグロビンのプラス荷電が減少し、カ
チオン交換樹脂に保持されにくくなり、ヘモグロビン類
の分離が悪くなる恐れがある。 【0020】HbA0成分を溶出するための溶離液は、
カラム耐久性の向上と測定時間短縮のため、カラムに流
入する際のpHがヘモグロビンの等電点(ヘモグロビン
の等電点については、理化学事典(第4版、1987年
9月、岩波書店、久保亮五ら編集)、1178頁に記載
あるように、pH6.8〜7.0である)よりアルカリ
側になるようにpHを設定した緩衝液を用いるのが好ま
しい。その溶離液のpHは7.0〜10が好ましく、
8.0〜9.5がより好ましい。溶離液のpHが6.8
以下になるとHbA0成分の溶出が不十分となり易く、
pHが10より高いと充填剤の分解が考えられる。 【0021】HbA0の溶出に好適に用いられる、カラ
ムに流入する際のpHがヘモグロビンの等電点(pH
6.8)よりアルカリ側になるようにpHを設定した溶
離液としては、例えば、リン酸、ホウ酸、炭酸などの無
機酸又は、その塩;クエン酸などのヒドロキシカルボン
酸、β、β−ジメチルグルタル酸などのカルボン酸誘導
体、マレイン酸などのジカルボン酸、カコジル酸、など
の有機酸又は、その塩からなる緩衝液が挙げられる。そ
の他、2−(N−モリホリノ)エタンスルホン酸(ME
S)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−エ
タンスルホン酸(HEPES)、ビス(2−ヒドロキシ
エチル)イミノトリス−(ヒドロキシメチル)メタン
(Bistris)、Tris等の一般にグッド(Go
od)の緩衝液といわれるものも使用できる。また、イ
ミダゾール等のイミダゾール類;グリシンなどのアミノ
酸類;などの有機物も使用できる。また、無機酸;有機
酸;無機酸又は有機酸の塩;有機物は、複数混合して用
いても良く、また、有機酸、無機酸及び有機物を混合し
ても良い。 【0022】上記緩衝液の濃度は、水溶液状態で緩衝作
用があれば良く、1〜1000mMが好ましく、15〜
500mMがより好ましい。 【0023】上記溶離液には、以下の物質を添加しても
よい。 (1)無機塩類(塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸
ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸ナトリウムなど)を
添加してもよい。これらの塩類の濃度は、特に限定され
ないが、好ましくは1〜1500mMである。 (2)カオトロピックイオンを添加してもよい。カオト
ロピックイオンとは、水溶液に溶けると解離して生じた
イオンにより、水の構造が破壊され、疎水性物質と水が
接触したときに起こる、水のエントロピー減少を抑制す
るもので、具体的には、陰イオンとして、トリブロモ酢
酸イオン、トリクロロ酢酸イオン、チオシアン酸イオ
ン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、ジクロロ酢酸イ
オン、硝酸イオン、臭化物イオン、塩化物イオン、酢酸
イオン等が挙げられる。また、陽イオンとしては、バリ
ウムイオン、カルシウムイオン、リチウムイオン、セシ
ウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン等が
挙げられる。ヘモグロビン類の分離能を良くするために
は、陰イオンとして、トリブロモ酢酸イオン、トリクロ
ロ酢酸イオン、チオシアン酸イオン、ヨウ化物イオン、
過塩素酸イオン、ジクロロ酢酸イオン、硝酸イオン、臭
化物イオン等を、陽イオンとして、バリウムイオン、カ
ルシウムイオン、マグネシウムイオン、リチウムイオ
ン、セシウムイオン等を用いるのが好ましい。さらに、
より好ましくは、トリブロモ酢酸イオン、トリクロロ酢
酸イオン、チオシアン酸イオン、ヨウ化物イオン、過塩
素酸イオン、ジクロロ酢酸イオン、硝酸イオン等を用い
る。カオトロピックイオンは、測定サンプルと接触する
液、例えば、溶血液、サンプル希釈液などにも添加して
もよい。 【0024】(3)pH調節剤として、公知の酸、塩基
を加えてもよい。酸としては、例えば、塩酸、リン酸、
硝酸、硫酸等が、塩基としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、
水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウ
ム、水酸化ストロンチウム、水酸化セシウム、水酸化ニ
ッケル、水酸化アルミニウム、水酸化カドミウム等が挙
げられる。これらの酸、塩基の濃度は、特に限定されな
いが、好ましくは、0.001〜500mMである。 (4)メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセ
トンなどの水溶性有機溶媒と混合してもよい。これらの
有機溶媒の濃度は、特に限定されないが、好ましくは0
〜80%(v/v)であり、無機酸、有機酸、これらの
塩、無機塩類、カオトロピックイオン、pH調節剤など
が析出しない程度で用いるのが好ましい。 【0025】(5)アジ化ナトリウムなど防腐剤を添加
してもよい。 (6)ヘモグロビンの安定剤として、公知の安定剤、例
えば、EDTA等のキレート剤、グルタチオン、アジ化
ナトリウムなどの還元剤・酸化防止剤などを添加しても
よい。 (7)また、HbA0の溶出液には、アンチカオトロピ
ックイオン、例えば、硫酸イオン、フッ素イオンを添加
しても良い。 【0026】本発明における溶離法としては、グラディ
エント溶出法、ステップワイズグラディエント溶出法の
どちらを用いてもよい。 【0027】本発明で用いられる溶血液の上記アミン類
以外の成分としては、公知の溶血液の成分が用いられ、
例えば、緩衝液及び界面活性剤からなるものが挙げられ
る。緩衝液としては、上記溶離液で示したものと同様の
無機酸、有機酸、又はそれらの塩を使用できる。界面活
性剤としては、公知のものが使用され、具体的には、イ
オン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤などが挙げ
られるが、これらに限定されるわけではない。 【0028】上記イオン性界面活性剤としては、例え
ば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナト
リウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙
げられる。 【0029】上記非イオン性界面活性剤としては、例え
ば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレングリコールモノステアリール、ソルビタ
ンモルステアリレートなどが挙げられる。 【0030】上記カチオン交換液体クロマトグラフィー
において、充填剤は、少なくとも1種以上のカチオン交
換基を有している粒子よりなるものであり、例えば、高
分子粒子にカチオン交換基を導入することで得られる。 【0031】該カチオン交換基は、公知のものでよく特
に制限はない。例えば、カルボキシル基、スルホン酸
基、リン酸基などのカチオン交換基等が挙げられる。ま
た、このカチオン交換基は、複数種導入しても良い。 【0032】上記粒子の直径は、好ましくは0.5〜2
0μm、より好ましくは1〜10μmである。また、粒
度分布は、変動係数値(CV値)(粒径の標準偏差÷平
均直径×100)として、好ましくは20%以下、より
好ましくは15%以下である。 【0033】上記高分子粒子としては、例えば、シリ
カ、ジルコニアなどの無機系粒子;セルロース、ポリア
ミノ酸、キトサンなどの天然高分子粒子;ポリスチレ
ン、ポリアクリル酸エステルなどの合成高分子粒子など
が挙げられる。上記高分子粒子は、導入されるイオン交
換基以外の構成成分は、より親水性であることが好まし
い。また耐圧性・耐膨潤性の点から架橋度の高いものが
好ましい。 【0034】上記高分子粒子へのカチオン交換基の導入
は、公知の方法により行うことができるが、例えば、高
分子粒子を調製後、粒子が有する官能基(水酸基、アミ
ノ基、カルボキシル基、エポキシ基など)に、化学反応
でカチオン交換基を粒子に導入させる方法により行うこ
とができる。また、カチオン交換基を有する単量体を重
合して高分子粒子を調製する方法によってもカチオン交
換充填剤を調製できる。例えば、カチオン交換基含有単
量体と架橋性単量体等とを混合し、重合開始剤の存在下
に重合する方法などが挙げられる。また、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの重合性
カチオン交換基含有エステルを架橋性単量体などと混合
し、重合開始剤存在下で重合した後、得られた粒子を加
水分解処理し、エステルをカチオン交換基に変換させて
もよい。更に、特公平8−7197号公報に記載のよう
に、架橋重合体粒子を調製した後、カチオン交換基を有
する単量体を添加して、重合体粒子の表面付近に、該単
量体を重合させても良い。 【0035】上記充填剤はカラムに充填されて本発明の
液体クロマトグラフィー測定に用いられる。上記カラム
は公知のステンレス製、ガラス製、樹脂製など、特に限
定されない。カラムサイズとしては、内径0.1〜50
mm、長さ1〜300mmのものが好ましく、内径0.
2〜30mm、長さ5〜200mmのものがより好まし
い。充填剤のカラムへの充填方法は、公知の任意の方法
が使用できるがスラリー充填法がより好ましい。具体的
には、例えば、充填剤粒子を溶離液などの緩衝液に分散
させたスラリーを送液ポンプなどによりカラムに圧入す
ることにより行う。 【0036】本発明の測定に使用される液体クロマトグ
ラフは、公知のものでよく、例えば、送液ポンプ、試料
注入装置(サンプラ)、カラム、検出器などから構成さ
れる。また、他の付属装置(カラム恒温槽や溶離液の脱
気装置など)が適宜付属されてもよい。 【0037】上記測定方法における、他の測定条件とし
ては、公知の条件でよく、溶離液の流速は、好ましくは
0.05〜5ml/分、より好ましくは0.2〜3ml
/分である。ヘモグロビン類の検出は、415nmの可
視光が好ましいが、特にこれのみに限定されるわけでは
ない。測定試料は、通常、界面活性剤など溶血活性を有
する物質を含む溶液により溶血された溶血液を希釈した
ものを用いる。液体クロマトグラフへの試料注入量は、
希釈倍率により異なるが、好ましくは0.1〜100μ
l程度である。 【0038】 【作用】本発明では、カチオン交換液体クロマトグラフ
ィーによるヘモグロビン類の測定方法において、分子量
20〜500のアミン類を少なくとも1種類以上含有し
た溶離液、又は溶血液を用いるので、ヘモグロビン類の
非特異的な吸着が少なくなり、ヘモグロビン類の連続測
定数を延長できる。 【0039】 【発明の実施の形態】次に、実施例、比較例を挙げて本
発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例にの
み限定されるものではない。 【0040】(実施例1、2、比較例1、2)ヘモグロビンの吸着評価 吸着の評価 以下に示した測定条件、測定試料、実施例1、2及び比
較例1、2で調製した溶離液A及び溶離液Bを用いて、
ステンレス製ラインフィルターにおけるヘモグロビン類
の吸着性について繰り返し数3で評価した。 【0041】(ラインフィルター)図1及び図2に示し
たフィルター1をステンレス焼結体の一体成形品として
製造した。構造は、円柱(直径5mm。厚さ1.5m
m)部分の濾過孔径2μmのフィルター層からなる。次
に、このフィルター1をフッ素樹脂(テフロン)製のシ
ール部材2に挿入した後、図3に示したステンレス製ホ
ルダー(テーパ角度90度)3に嵌め込み、半体3a及
び3b同士を螺合して、ラインフィルター4を作製し
た。 【0042】(ヘモグロビン類の測定)クロマトグラフ
に充填剤入りのカラムを取り付けずに、上記ラインフィ
ルター4のみを取り付けて、以下の測定を行った。 ・測定条件 システム:送液ポンプ:LC−9A(島津製作所社製) オートサンプラ:ASU−420(積水化学社製) 検出器:SPD−6AV(島津製作所社製) 溶離液: 実施例1:溶離液A 30mM硝酸、100mMリン酸緩衝液 200ppmモノエタノールアミン(pH5.8) 溶離液B 300mMリン酸緩衝液(pH6.8) 実施例2:溶離液A 30mM硝酸、100mMリン酸緩衝液 600ppmモノエタノールアミン(pH5.8) 溶離液B 300mMリン酸緩衝液(pH6.8) 【0043】比較例1: 溶離液A 30mM硝酸、100mMリン酸緩衝液 200ppm p−アミノベンゾイルテトラ−γ−L−
グルタミン酸アンモニウム塩(分子量670.63)
(pH5.8) 溶離液B 300mMリン酸緩衝液(pH6.8) 【0044】比較例2: 溶離液A 30mM硝酸、100mMリン酸緩衝液(p
H5.8) 溶離液B 300mMリン酸緩衝液(pH6.8) 【0045】測定開始より0〜2分の間は溶離液Aを流
し、2〜3分の間は溶離液Bを流し、3〜5分の間は溶
離液Aを流した。 流速:2.0ml/分 検出波長:415nm 試料注入量:10μl 【0046】・測定試料 フッ化ナトリウム採血した健常人血に、500mg/d
lとなるようグルコース水溶液を添加し、37℃で3時
間反応させ、次いで、溶血希釈液(0.1重量%ポリエ
チレングリコール−モノ−4−オクチルフェニルエーテ
ル(トリトンX−100)(東京化成社製)のリン酸緩
衝液溶液(pH7.0))で溶血し、150倍に希釈し
て測定試料とした。 【0047】(測定結果)ラインフィルターを装着せず
に、実施例1、2、比較例1、2の測定条件で測定試料
を測定したときのヘモグロビンピーク面積を100%と
して、ラインフィルターを装着して実施例1、2、比較
例1、2の測定条件で測定試料を測定したときのヘモグ
ロビンピーク面積から、以下の式により回収率を求め、
結果を表1に示した。回収率(%)=(ラインフィルタ
ー装着時のヘモグロビンピーク面積)÷(ラインフィル
ター装着なしのときのヘモグロビンピーク面積)×10
0 【0048】 【表1】 【0049】比較例1、2では、回収率の平均値が7
9.6%、79.4%であったが、実施例1、2では、
回収率の平均値が96.4%、96.6%であった。以
上より、実施例1及び2では、比較例1及び2に比べて
ヘモグロビン類の吸着が少なかった。 【0050】耐久性の評価 以下に示した測定条件、実施例1、2及び比較例1、2
で調製した溶離液A及び溶離液Bを用いて、測定試料を
連続測定した時のラインフィルターの圧力上昇(測定検
体数200検体毎)と測定検体数との関係を調べた。 【0051】(ラインフィルター)上記吸着の評価と
同様とした。 【0052】(ヘモグロビン類の測定)クロマトグラフ
に充填剤入りのカラムを取り付けずに、上記ラインフィ
ルターのみを取り付けて、以下の測定を行った。 ・測定条件 システム:上記吸着の評価と同様とした。 溶離液: 実施例1:上記吸着の評価の実施例1と同様とした。
実施例2:上記吸着の評価の実施例2と同様とした。
比較例1:上記吸着の評価の比較例1と同様とした。
比較例2:上記吸着の評価の比較例2と同様とした。 【0053】測定開始より0〜2分の間は溶離液Aを流
し、2〜3分の間は溶離液Bを流し、3〜5分の間は溶
離液Aを流した。流速、検出波長及び試料注入量は、上
記吸着の評価と同様とした。 【0054】・測定試料 上記吸着の評価の測定試料と同様とした。 【0055】(測定結果)測定結果を表2に示した。 【0056】 【表2】 【0057】実施例1及び2では、600検体測定した
場合でも、圧力上昇はそれぞれ15.2kgf/c
2 、14.9kgf/cm2 であったが、比較例1及
び2では、それぞれ48.9kgf/cm2 、51.6
kgf/cm2 であった。 【0058】ヘモグロビン類の分離評価 上記実施例1、2及び比較例1、2で調製した溶離液A
及び溶離液Bを用いて、ヘモグロビン類の分離評価を行
った。 (測定条件) システム:送液ポンプ:LC−9A(島津製作所社製) オートサンプラ:ASU−420(積水化学社製) 検出器:SPD−6AV(島津製作所社製) カラム:Micronex A1c HS−II(積水化学社製) φ6mm×75mm 溶離液: 実施例1:上記吸着の評価の実施例1と同様とした。 実施例2:上記吸着の評価の実施例2と同様とした。 比較例1:上記吸着の評価の比較例1と同様とした。 比較例2:上記吸着の評価の比較例2と同様とした。 【0059】測定開始より0〜4分の間は溶離液Aを流
し、4〜4.5分の間は溶離液Bを流し、4.5〜8分
の間は溶離液Aを流した。 流速:2.0ml/分 検出波長:415nm 試料注入量:10μl 【0060】(測定試料)上記吸着の評価の測定試料
と同様とした。 【0061】(測定結果)実施例1の測定条件により、
測定試料を測定して得られたクロマトグラムを図4に、
実施例2の測定条件により、測定試料を測定して得られ
たクロマトグラムを図5に、比較例1又は2の測定条件
により、測定試料を測定して得られたクロマトグラムを
図6に示した。ピーク11はHbA1a及びb、ピーク
12はHbF、ピーク13は不安定型HbA1c、ピー
ク14は安定型HbA1c、ピーク15はHbA0を示
す。図4では、ピーク13及び14が良好に分離されて
いる。図5でも、ピーク13及び14が分離されている
が、両ピークが接近している。図6では、ピーク13及
び14が分離不良である。 【0062】 【発明の効果】本発明のヘモグロビン類の測定方法の構
成は、上記の通りであり、本発明の方法によると、ヘモ
グロビン類の非特異的な吸着を少なくし、ヘモグロビン
類の連続測定数を延長できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】シール部材に挿入されたフィルターを示す断面
図。 【図2】シール部材に挿入されたフィルターを示す平面
図。 【図3】ラインフィルターを示す断面図。 【図4】実施例1の測定条件により、測定試料を測定し
て得られたクロマトグラムを示す図。 【図5】実施例2の測定条件により、測定試料を測定し
て得られたクロマトグラムを示す図。 【図6】比較例1又は2の測定条件により、測定試料を
測定して得られたクロマトグラムを示す図。 【符号の説明】 1 フィルター 2 シール部材 3 ホルダー 4 ラインフィルター 11 HbA1a及びbのピーク 12 HbFのピーク 13 不安定型HbA1cのピーク 14 安定型HbA1cのピーク 15 HbA0のピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 30/00 - 30/96

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 カチオン交換液体クロマトグラフィーに
    よるヘモグロビン類の測定方法において、分子量20〜
    500のアミン類を少なくとも1種類以上含有し、ヒド
    ラジン化合物を含有しない溶離液、又は溶血液を用いる
    ことを特徴とするヘモグロビン類の測定方法。
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