JP2000171454A - ヘモグロビン類の測定方法 - Google Patents

ヘモグロビン類の測定方法

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JP2000171454A
JP2000171454A JP10345497A JP34549798A JP2000171454A JP 2000171454 A JP2000171454 A JP 2000171454A JP 10345497 A JP10345497 A JP 10345497A JP 34549798 A JP34549798 A JP 34549798A JP 2000171454 A JP2000171454 A JP 2000171454A
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Yuji Setoguchi
雄二 瀬戸口
Kazuyuki Oishi
和之 大石
Kazuhiko Shimada
一彦 嶋田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体クロマトグラフィーによるヘモグロビン
類の測定方法において、従来法より、より分離能が高い
方法を提供する。 【解決手段】 液体クロマトグラフィーによるヘモグロ
ビン類の測定方法であって、カチオン交換基を有する平
均粒径0.1〜10μmの充填剤を内径0.1〜4m
m、長さ5〜200mmのカラム(例、内径1.5m
m、長さ50mmのカラム。内径2.0mm、長さ50
mmのカラム。内径3.0mm、長さ50mmのカラ
ム)に充填した液体クロマトグラフィー用カラムを用
い、移動相の流速が0.001〜2ml/minで測定
することを特徴とするヘモグロビン類の測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体クロマトグラ
フィーによるヘモグロビン類の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機化学、生化学、医学などの分野にお
ける試料中の成分の分離や分取に液体クロマトグラフが
汎用されている。この液体クロマトグラフは、通常、図
7のようなシステムに構成されている。溶離液などの移
動相11が電磁弁12を通り、送液ポンプ13により試
料導入装置14を経由して、フィルタ−装置15を通り
分離カラム16に入り、この分離カラム16により試料
中の各成分が分離される。分離された各成分は検出器1
7によって、例えば、吸光度を測定する等によって検出
され、その結果がデーター処理装置18により処理され
てクロマトグラム19として表される。
【0003】液体クロマトグラフィーによる測定の一つ
として、血液中の糖化ヘモグロビン、特にヘモグロビン
A1c(以下、HbA1cという)が糖尿病診断の指標
となるため広く測定されている。糖化ヘモグロビンとは
血液中の糖がヘモグロビンと結合して生成したものであ
る。溶血液試料中の糖化ヘモグロビンは、過去1〜2カ
月間の血液中の平均的な糖濃度を反映するので溶血液中
の糖化ヘモグロビンは、糖尿病の診断の指標となる。
【0004】このHbA1cの液体クロマトグラフィー
法による測定は、主にカチオン交換液体クロマトグラフ
ィー法により行われている(特公平8−7197号公報
など)。溶血液試料をカチオン交換液体クロマトグラフ
ィーにより分離すると、通常、ヘモグロビンA1a(以
下、HbA1aという)及びヘモグロビンA1b(以
下、HbA1bという)、ヘモグロビンF(以下、Hb
Fという)、不安定型HbA1c、安定型HbA1c並
びにヘモグロビンA0(以下、HbA0という)などの
ピークに分画できる。なお、糖尿病の診断の指標として
使用されているHbA1cは、上記のうちの安定型Hb
A1cであり、全ヘモグロビンピークの面積に対する安
定型HbA1cピークの面積の比率(%)として求めら
れている。
【0005】このHbA1cの液体クロマトグラフィー
法による測定は、具体的には、カラムとしてカチオン交
換液体クロマトグラフィー用充填剤(例えば、カルボキ
シル基やスルホン酸基を官能基として有する充填剤)が
充填されたものを用い、pH5.0〜9.0の溶離液を
用いて行われている。
【0006】このカチオン交換液体クロマトグラフィー
によるヘモグロビン類の測定は測定時間の短縮化が図ら
れてきたが、分離能が悪いという問題があるため、更な
る短縮化ができないという問題点がある。
【0007】そこで、ヘモグロビン分析において分離能
を上げるために以下の技術が提案されている。 無機多孔性物質又は有機多孔性物質のいずれかに官能
基を導入した充填剤を充填した分離カラムと、分離カラ
ムに試料を注入する手段と、分離カラムからの溶離液の
吸光度を検出する手段とを具備し、液体クロマトグラフ
ィーにより、血液中のヘモグロビン、ヘモグロビン誘導
体又はグリコヘモグロビンを測定する液体クロマトグラ
フ装置において、分離能を上げるために、充填剤の乾燥
状態での平均粒径を4μm以下にする必要があることが
記載されている(特開平3−102259号公報)。 また、特開平3−255360号公報には、非多孔性
カチオン交換体を用いた高速液体クロマトグラフィーに
よるグリコヘモグロビンの分離定量法であって、非多孔
性カチオン交換体の平均粒子径が1〜10μmである方
法が記載され、非多孔性充填剤を用いることにより短時
間でグリコヘモグロビン、特に不安定型HbA1cと安
定型HbA1c及びHbFの精密分析を可能にしたとの
記載がある。
【0008】このように、分離能を上げるために、充填
剤の粒子径やその種類などが検討されているが、分離に
用いるカラムの形状に関する検討は格別にはされていな
かった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体クロマ
トグラフィーによるヘモグロビン類の測定方法におい
て、従来法より、より分離能が高い方法を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、ヘモグロビン類の測定
方法において、カラムの形状を工夫することにより、従
来に比し分離が飛躍的に向上することを見出し、本発明
を完成させた。すなわち、本発明のヘモグロビン類の測
定方法は、液体クロマトグラフィーによるヘモグロビン
類の測定方法であって、カチオン交換基を有する平均粒
径0.1〜10μmの充填剤を内径0.1〜4mm、長
さ5〜200mmのカラムに充填した液体クロマトグラ
フィー用カラムを用い、移動相の流速が0.001〜2
ml/minで測定することを特徴とする。以下、本発
明の詳細を説明する。
【0011】本発明のヘモグロビン類の測定方法に用い
られる液体クロマトグラフは、公知のものでよく、例え
ば、送液ポンプ、試料注入装置(サンプラ)、カラム、
検出器などから構成されるものであり、他の付属装置
(カラム恒温槽や溶離液の脱気装置など)が適宜付属さ
れていてよい。装置の接液部〔ポンプ、ポンプヘッド、
サンプラ、特に、試料が接する部位(配管、プレフィル
ター(ホルダー、フィルター)、カラム、カラム内のフ
ィルター、検出器セル、サンプルバイアルなど)〕は、
イナートな素材(ポリエーテルエーテルケトン、ポリテ
トラフロロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンな
どのプラスチックやチタンなど)を用いることが好まし
い。
【0012】また、装置の接液部であるポンプ、ミキシ
ングカラム、サンプラ、配管、プレフィルター(ホルダ
ー、フィルター)、カラム及び検出器(セル)などのデ
ッドボリュームを可及的に小さくする方が好ましい。例
えば、ミキシングカラムは500μl以下が好ましく、
250μl以下が特に好ましい。また、サンプラのイン
ジェクションバルブ容量は10μl以下が好ましく、5
μl以下がより好ましく、2μl以下が特に好ましい。
また、配管は、内径0.25mm以下が好ましく、0.
13mm以下がより好ましく、0.065mm以下が特
に好ましい。また、サンプラ、プレフィルタ、カラム、
検出器などを配管で連結する場合、配管の長さは、可及
的短い方が好ましい。また、検出器(セル)の容量は、
20μl以下が好ましく、10μl以下がより好まし
く、5μl以下が特に好ましい。送液ポンプは、脈流が
極めて少なく安定した送液が可能なものが好ましい。
【0013】本発明のヘモグロビン類の測定方法に用い
られる移動相の流速は、0.001ml/min未満に
なると流速の精度が悪くなり、2ml/minを超える
と分離が悪くなるので、0.001〜2ml/minに
限定され、0.01〜1ml/minが好ましい。
【0014】本発明のヘモグロビン類の測定方法におい
て、他の測定条件としては、公知の条件でよく、検出は
415nmの可視光が好ましいが、特にこれに限定され
るわけではない。測定試料は、界面活性剤など溶血活性
を有する物質を含む溶液により溶血された溶血液を希釈
したものを用いるのが好ましいが、特にこれに限定され
るわけではない。試料注入量は、希釈倍率により異なる
が、好ましくは0.1〜100μl程度であり、更に好
ましくは0.2〜50μlであり、特に好ましくは0.
3〜20μlである。
【0015】本発明のヘモグロビン類の測定方法に用い
られる充填剤は、カチオン交換基を有する平均粒径0.
1〜10μmのものに限定される。平均粒径が0.1μ
mより小さくなると、粒度分布が悪くなり分離能の向上
が望めなくなる。また、平均粒径が10μmより大きく
なると、カラム内のデッドボリュームが大きくなり、分
離能が悪くなる。上記平均粒径は0.2〜8μmが好ま
しく、0.5〜5μmが更に好ましい。
【0016】本発明のヘモグロビン類の測定方法に用い
られる充填剤は、上記のように、少なくとも1種以上の
カチオン交換基を有している粒子よりなるものであり、
例えば、高分子粒子にカチオン交換基を導入することで
得られる。
【0017】該カチオン交換基は、公知のものでよく特
に制限はない。例えば、カルボキシル基、スルホン酸
基、リン酸基などのカチオン交換基等が挙げられる。ま
た、このカチオン交換基は、複数種導入されていても良
い。
【0018】また、粒度分布は、変動係数値(CV値)
(粒径の標準偏差÷平均直径×100)として、好まし
くは20%以下、より好ましくは15%以下である。
【0019】上記高分子粒子としては、例えば、シリ
カ、ジルコニアなどの無機系粒子;セルロース、ポリア
ミノ酸、キトサンなどの天然高分子粒子;ポリスチレ
ン、ポリアクリル酸エステルなどの合成高分子粒子など
が挙げられる。上記高分子粒子は、導入されるイオン交
換基以外の構成成分は、より親水性であることが好まし
い。また耐圧性・耐膨潤性の点から架橋度の高いものが
好ましい。
【0020】上記高分子粒子へのカチオン交換基の導入
は、公知の方法により行うことができるが、例えば、高
分子粒子を調製後、粒子が有する官能基(水酸基、アミ
ノ基、カルボキシル基、エポキシ基など)に、化学反応
でカチオン交換基を粒子に導入させる方法により行うこ
とができる。また、カチオン交換基を有する単量体を重
合して高分子粒子を調製する方法によってもカチオン交
換充填剤を調製できる。例えば、カチオン交換基含有単
量体と架橋性単量体等とを混合し、重合開始剤の存在下
に重合する方法などが挙げられる。また、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの重合性
カチオン交換基含有エステルを架橋性単量体などと混合
し、重合開始剤存在下で重合した後、得られた粒子を加
水分解処理し、エステルをカチオン交換基に変換させて
もよい。更に、特公平8−7197号公報に記載のよう
に、架橋重合体粒子を調製した後、カチオン交換基を有
する単量体を添加して、重合体粒子の表面付近に、該単
量体を重合させても良い。
【0021】以下、本発明のヘモグロビン類の測定方法
に用いられるカラムについて説明する。本発明で用いら
れるカラムの内径は、0.1〜4mmに限定される。内
径0.1mm未満になると、作業性が悪くなると共に、
分離能が悪くなり、内径4mmを超えると、充填剤量が
多くなるだけでなく、分離能も悪くなる。好ましくは内
径0.2〜3.5mm、更に好ましくは内径0.5〜3
mmである。本発明で用いられるカラムの長さは、5〜
200mmに限定される。長さ5mm未満になると、作
業性が悪くなると共に、分離能が悪くなり、長さ200
mmを超えると、充填剤量が多くなるだけでなく、分離
能も悪くなる。好ましくは長さ10〜100mmであ
る。
【0022】本発明で用いられるカラムの内径と長さの
組み合わせとしては、内径0.1〜4mm、長さ5〜2
00mmに限定され、好ましくは、内径0.2〜3.5
mm、長さ10〜100mmであり、更に好ましくは、
内径0.5〜3mm、長さ10〜100mmである。
【0023】カラムの素材は、例えば、ステンレスなど
の金属、ポリエーテルエーテルケトンなどのプラスチッ
ク、ガラスを用いることができる。また、カラムの充填
剤と接する部位を、イナートな素材(例えば、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリテトラフロロ
エチレン、チタン化合物、珪素化合物、シリコーン樹
脂)を用いて製造したり、イナートな素材で被覆しても
良い。
【0024】充填剤のカラムへの充填方法は、公知の任
意の方法が使用できるがスラリー充填法がより好まし
い。具体的には、例えば、充填剤粒子を溶離液などの緩
衝液に分散させたスラリーを送液ポンプなどによりカラ
ムに圧入することにより行う。
【0025】カラムフィルターについては、フィルター
の材質としては、例えば、ステンレス、銅、チタン、セ
ラミック、ニッケル、鉄、クロム、スズ等の金属やナイ
ロン、ポリテトラフロロエチレン、セルロース、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、アクリル樹脂、ポリエステル、ビニロン、ポ
リカーボネート、ポリウレタン、塩化ビニル、ポリエー
テルエーテルケトン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
ノリル樹脂などのプラスチックやガラスなどがある。フ
ィルターの形状は、メンブレンフィルター、繊維を積層
し焼結したもの、濾紙状のものなど特に限定されない。
【0026】本発明のヘモグロビン類の測定方法に用い
られる溶離液について以下説明する。溶離液として用い
る緩衝液に用いられる試薬としては、例えば、リン酸、
ホウ酸、炭酸などの無機酸又はその塩;カルボン酸、ジ
カルボン酸、カルボン酸誘導体、ヒドロキシカルボン
酸、カコジル酸、ピロリン酸などの有機酸又はその塩;
アニリン、アニリン誘導体、アミノ酸、アミン、イミダ
ゾール、ピリジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン、グリシルグリシン、などの有機物が挙げられ
る。
【0027】上記カルボン酸としては、酢酸、プロピオ
ン酸又はその塩などが挙げられる。上記ジカルボン酸と
しては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸などが挙げられ
る。上記カルボン酸誘導体としては、β、β−ジメチル
グルタル酸、バルビツール酸、アミノ酪酸などが挙げら
れる。上記ヒドロキシカルボン酸としては、クエン酸、
酒石酸、乳酸などが挙げられる。上記アニリン誘導体と
しては、ジメチルアニリンが挙げられる。上記アミノ酸
としては、アスパラギン酸、アスパラギン、グリシンな
どが挙げられる。上記アミンとしては、エチレンジアミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミンなどが挙げられる。上記イミダゾール
としては、イミダゾール、5(4)−メチルイミダゾー
ル、2,5(4)−ジメチルイミダゾールなどが挙げら
れる。その他に、MES,HEPES,Bistris,TrisなどのGoodの
緩衝液なども挙げられる。
【0028】本発明において、HbA0より前の成分を
分離するための溶離液のpHは、4.0〜5.8が好ま
しい。溶離液のpHが4以下であると、ヘモグロビンが
変性する可能性があるので、好ましくない。また、pH
が5.8をこえると、ヘモグロビンのプラス荷電が減少
し、カチオン交換樹脂に保持されにくくなり、ヘモグロ
ビン類の分離が悪くなる。
【0029】本発明において、HbA0成分を溶出する
ための溶離液は、耐久性の向上と測定時間短縮のため、
pHをヘモグロビンの等電点(pH=6.8)よりアル
カリ側に設定するのが好ましい。
【0030】本発明において、溶離液を測定途中で切り
替えたり、グラディエント溶出、ステップアップグラデ
ィエント溶出を行ってもよい。
【0031】本発明において、溶離液として用いる緩衝
液の濃度は、水溶液状態で緩衝作用があれば良く、1〜
1000mMが好ましく、1〜500mMがより好まし
い。
【0032】また、本発明において、溶離液として有機
酸、無機酸、又は、その塩は、複数混合して用いても良
い。例えば、有機酸と無機酸を混合しても良い。また、
緩衝液中の物質として、pKa 値が2.15〜6.39と
6.40〜13.00の両方にあるものを用いるのが好
ましい。より好ましくは2.80〜6.25と6.80
〜12.00、更に好ましくは3.50〜6.10と
7.00〜11.00の両方にあるものである。この場
合、緩衝液組成として、複数の物質を含有している場合
でも、それぞれの物質のpKa 値が2.15〜6.39と
6.40〜13.00の両方にあれば良い。また、1種
類の物質で、pKa 値が2.15〜6.39と6.40〜
13.00の両方にある緩衝液でも良い。
【0033】上記溶離液には、以下の物質を添加しても
よい。 (1)無機塩類(塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸
ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸ナトリウムなど)を
添加してもよい。これらの塩類の濃度は、特に限定され
ないが、好ましくは1〜1500mMである。
【0034】(2)カオトロピックイオンを添加しても
よい。カオトロピックイオンとは、水溶液に溶けると解
離して生じたイオンにより、水の構造が破壊され、疎水
性物質と水が接触したときに起こる、水のエントロピー
減少を抑制するもので、具体的には、陰イオンとして、
トリブロモ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオン、チオシ
アン酸イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、ジク
ロロ酢酸イオン、硝酸イオン、臭化物イオン、塩化物イ
オン、酢酸イオン等が挙げられる。また、陽イオンとし
ては、バリウムイオン、カルシウムイオン、リチウムイ
オン、セシウムイオン、カリウムイオン、マグネシウム
イオン等が挙げられる。より好ましくは、陰イオンとし
て、トリブロモ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオン、チ
オシアン酸イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、
ジクロロ酢酸イオン、硝酸イオンである。
【0035】上記カオトロピックイオンの溶離液中の濃
度は、0.1mMより低いとヘモグロビン類の測定にお
いて、分離効果が低下し、また、3000mMよりも高
くてもヘモグロビン類の分離効果はそれ以上向上しない
ので、0.1mM〜3000mMが好ましく、1mM〜
1000mMがより好ましい。また、カオトロピックイ
オンは複数種混合して用いてもよい。
【0036】(3)pH調節剤として、公知の酸、塩基
を加えてもよい。酸としては、例えば、塩酸、リン酸、
硝酸、硫酸等が、塩基としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、
水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウ
ム、水酸化ストロンチウム、水酸化セシウム、水酸化ニ
ッケル、水酸化アルミニウム、水酸化カドミウム等が挙
げられる。これらの酸、塩基の濃度は、特に限定されな
いが、好ましくは、0.001〜500mMである。 (4)メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセ
トンなどの水溶性有機溶媒と混合してもよい。これらの
有機溶媒の濃度は、特に限定されないが、好ましくは0
〜80%(v/v)であり、無機酸、有機酸、これらの
塩、無機塩類、カオトロピックイオン、pH調節剤など
が析出しない程度で用いるのが好ましい。 (5)その他 尿素、界面活性剤などを添加してもよい。
【0037】(作用)本発明は、液体クロマトグラフィ
ーによるヘモグロビン類の測定方法であって、カチオン
交換基を有する平均粒径0.1〜10μmの充填剤を内
径0.1〜4mm、長さ5〜200mmのカラムに充填
した液体クロマトグラフィー用カラムを用い、移動相の
流速が0.001〜2ml/minで測定することを特
徴とするヘモグロビン類の測定方法であり、特に、充填
剤を内径0.1〜4mm、長さ5〜200mmのカラム
に充填した液体クロマトグラフィー用カラムを用いてい
るので、本発明の方法を用いると、従来に比し分離が飛
躍的に向上する。
【0038】
【発明の実施の形態】次に、実施例、比較例を挙げて本
発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例にの
み限定されるものではない。実施例1 (液体クロマトグラフィー用カラムの作製) 充填剤の調製 テトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化
学社製)400g及び2−アクリルアミド−2−メチル
スルホン酸(和光純薬社製)150gの混合物にベンゾ
イルパーオキサイド(重合開始剤、和光純薬社製)1.
5gを溶解した。これを、4重量%ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学社製)水溶液2500mlに分散さ
せ、攪拌しながら窒素雰囲気下で75℃に昇温し、8時
間重合した。重合後、洗浄し、乾燥した後、分級して平
均粒径3μmの粒子を得た。 カラムの作製 カラム1本あたり、上記充填剤1.0gを、50mMリ
ン酸緩衝液(pH6.0)30mlに分散し、5分間超
音波処理した後、よく攪拌した。これをステンレス製カ
ラム本体(内径1.5mm×長さ50mm)を接続した
パッカー(梅谷精機社製)に注入した。パッカー(梅谷
精機社製)に送液ポンプ(サヌキ工業社製)を接続し、
上記充填剤を上記ステンレス製カラム本体40に圧力3
00kg/cm2 で定圧充填した後、エンドフィッティ
ングとカラム本体を螺合して液体クロマトグラフィー用
カラムを製造した。
【0039】(ヘモグロビン類の測定)得られたカラム
を用いて、ヘモグロビン類の測定を以下のようにして行
った。 測定条件 ・システム: 送液ポンプ:イナートポンプ2001:NANOSPACE SI-1(資
生堂社製) オートサンプラ:オートサンプラー2003(資生堂社製) 検出器:UV-VIS検出器2002(資生堂社製) ・溶離液: 溶離液A:70mMの濃度で過塩素酸を含有する50m
Mリン酸緩衝 液(pH5.8) 溶離液B:200mMの濃度で過塩素酸を含有する50
mMリン酸緩 衝液(pH8.0) 測定開始より0〜1.5分の間は溶離液Aを流し、1.
5〜2分の間は溶離液Bを流し、2〜3分の間は溶離液
Aを流した。 ・流速:0.25ml/分 ・検出波長:415nm ・試料注入量:3μl
【0040】測定試料 健常人から、フッ化ナトリウム採血し以下の試料を調製
した。 a)糖負荷血:上記の健常人血に、500mg/dlと
なるようにグルコース水溶液を添加し、37℃で3時間
反応させた後、溶血希釈液(0.1重量%の濃度でポリ
エチレングリコール−モノ−4−オクチルフェニルエー
テル(トリトンX−100)(東京化成社製)を含む1
0mMリン酸緩衝液溶液(pH7.0)。以下、溶血希
釈液Xという)を、全血に対して150倍希釈となるよ
うに添加して溶血希釈して試料aとした。 b)カルバミル化ヘモグロビン(CHb)含有試料:上
記の健常人血10mlに、0.3重量%のシアン酸ナト
リウムの生理食塩水溶液1mlを添加し、37℃で3時
間反応させた後、溶血希釈液Xを全血に対して150倍
希釈となるように添加して溶血希釈して試料bとした。 c)アセチル化ヘモグロビン(AHb)含有試料:上記
の健常人血10mlに、0.3重量%のアセトアルデヒ
ドの生理食塩水溶液1mlを添加し、室温で3時間反応
させた後、溶血希釈液Xを全血に対して150倍希釈と
なるように添加して溶血希釈して試料cとした。
【0041】測定結果 図1は試料aを測定して得られたクロマトグラム、図2
は試料bを測定して得られたクロマトグラム、図3は試
料cを測定して得られたクロマトグラムを示す。図1〜
3(及び後述の図4〜6)において、ピーク1はHbA
1a及びHbA1b、ピーク2はHbF、ピーク3は不
安定型HbA1c、ピーク4は安定型HbA1c、ピー
ク5はHbA0、ピーク6はCHb、ピーク7はAHb
を示す。図1では、ピーク3及び4が良好に分離されて
おり、また、図2ではピーク6(CHb)が、図3では
ピーク7(AHb)が、それぞれピーク4から良好に分
離されていることがわかる。
【0042】実施例2、3 充填剤種類としては実施例1と同様のものを用い、充填
剤の平均粒径、カラム内径、カラム長さ、流速を表1に
示したように変えたことの他は、実施例1と同様に行っ
た。
【0043】
【表1】
【0044】(測定結果)実施例2、3のいずれにおい
ても、試料aを測定して得られたクロマトグラムは図1
と、試料bを測定して得られたクロマトグラムは図2
と、試料cを測定して得られたクロマトグラムは図3と
同様であった。
【0045】比較例1〜3 充填剤種類としては実施例1と同様のものを用い、充
填剤の平均粒径、カラム内径、カラム長さを表2に示し
たように変えたこと、溶離液A及び溶離液Bの通流時
間を、実用的な時間内において、各ピークの分離ができ
るだけシャープになるように変えたこと、並びに、流
速を、実用的な流速において、各ピークの分離ができる
だけシャープになるように変えたこと、の他は、実施例
1と同様に行った。
【0046】
【表2】
【0047】(測定結果)図4は比較例1〜3の方法に
て試料aを測定して得られたクロマトグラム、図5は比
較例1〜3の方法にて試料bを測定して得られたクロマ
トグラム、図6は比較例1〜3の方法にて試料cを測定
して得られたクロマトグラムを示す。図4〜6より、比
較例1〜3の方法にて測定すると、実施例1〜3の方法
にて測定した場合に比べて、ピーク1〜7の分離が悪い
ことがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明のヘモグロビン類の測定方法の構
成は、上記の通りであり、本発明によると、従来法より
ヘモグロビン類の分離能が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試料aを測定して得られたクロマトグラムを示
す図。
【図2】試料bを測定して得られたクロマトグラムを示
す図。
【図3】試料cを測定して得られたクロマトグラムを示
す図。
【図4】試料aを測定して得られたクロマトグラムを示
す図。
【図5】試料bを測定して得られたクロマトグラムを示
す図。
【図6】試料cを測定して得られたクロマトグラムを示
す図。
【図7】液体クロマトグラフのシステムの構成を示す説
明図。
【符号の説明】
1 HbA1a及びHbA1bのピーク 2 HbFのピーク 3 不安定型HbA1cのピーク 4 安定型HbA1cのピーク 5 HbA0のピーク 6 CHbのピーク 7 AHbのピーク 11 移動相 12 電磁弁 13 送液ポンプ 14 試料導入装置 15 フィルタ−装置 16 分離カラム 17 検出器 18 データー処理装置 19 クロマトグラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G045 AA01 AA13 BB01 BB14 BB39 BB41 BB48 BB50 BB51 CA25 DA46 DA47 DA48 DA49 FA26 FA29 FB06 GC10 HA09

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体クロマトグラフィーによるヘモグロ
    ビン類の測定方法であって、カチオン交換基を有する平
    均粒径0.1〜10μmの充填剤を内径0.1〜4m
    m、長さ5〜200mmのカラムに充填した液体クロマ
    トグラフィー用カラムを用い、移動相の流速が0.00
    1〜2ml/minで測定することを特徴とするヘモグ
    ロビン類の測定方法。
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JP2009133654A (ja) * 2007-11-29 2009-06-18 Sekisui Chem Co Ltd 糖化ヘモグロビンの測定方法

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