JP2782470B2 - グリコヘモグロビンの分離方法および分離装置並びに分離カラム - Google Patents

グリコヘモグロビンの分離方法および分離装置並びに分離カラム

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、血液中から安定型グリコヘモグロビンを分
離する分離方法および分離装置並びに分離カラムに関す
る。
〔従来の技術〕
グリコヘモグロビンは、血液中の糖がその濃度に応じ
て赤血球中に入った後に、ヘモグロビンと結合して生成
されるものである。グリコヘモグロビンのうち、安定型
A1c(stable−A1c;s−A1c)の濃度は過去1〜3ヶ月の
平均的な血糖値を反映するといわれている。s−A1c
値は、尿糖値や血糖値とともに糖尿病の診断や糖尿病患
者の経過観察の指標として用いられている。尿糖値や血
糖値は生理的要因により変動するが、s−A1cは生理的
要因に左右されにくいという特長を有する。
ヘモグロビンはヘム(色素)とグロビン(タンパク)
が結合した分子量約64,500の複合タンパクであり、動物
の体内での酸素の運搬体として重要な役割を果してい
る。
健常成人のヘモグロビン(Hb)はHbA0,HbA2,HbFから
なっている。HbA0に糖が結合したものがグリコヘモグロ
ビン(GHb)であり、HbA1とも呼ばれる。GHb(HbA1)は
Hbのアミノ酸構造やHbに結合する糖の種類の違いが異な
るA1a,A1b,A1cなどで構成されている。これらのGHbの中
で量的に一番多い成分がA1cであり、健常正人の場合4
〜6%を占めている。
A1cは安定型A1c(s−A1c)と不安定型A1c(labile−
A1c;l−A1c)とからなる。このうち、1〜3ヶ月前の血
糖値とよい相関を示すのはs−A1cである。l−A1cは健
常成人で空腹時の全A1c中10〜15%程度であるといわれ
ている。このl−A1cはヘモグロビンのβ鎖N末端とグ
ルコースの還元性末端とが可逆的にシッフ塩基結合した
ものであり、比較的短時間のうちに生成分解する。従っ
て、糖尿病患者は健常人よりもl−A1cの量が多く、全A
1cに対し10〜20%にも及ぶことがある。また、空腹時よ
りも食後の方が多くなり、採血時の状態に大きく影響さ
れる。
一方、s−A1cはl−A1cから徐々に持続的かつ不可逆
的に生成され、過去1〜3ヶ月の血糖値レベルを良く反
映するといわれている。
従って、s−A1cのみを分離して測定することが望ま
しいが、両者は構造的に極めて類似しており、液体クロ
マトグラフィでの分離はかなり難しい。
s−A1cのみを測定する方法として、(1)分離カラ
ムでs−A1cとl−A1cとをクロマト的に分離・定量する
方法、(2)あらかじめ前処理によりl−A1cを除去す
る方法の2通りがある。
分離カラムでl−A1cとs−A1cとを分離する方法とし
ては、長さの長い高分離能の分離カラムを用いて、分離
性能を向上させることが行われている。この方法は前処
理により除去する方法に比べてヘモグロビンが変性しに
くいという特長を有する。
一方、あらかじめ前処理によりl−A1cを化学的に除
去する方法としては、赤血球を生理食塩水あるいはセミ
カルバジドとアニリンを含む緩衝液でふ置する方法(ス
ペセン他;ダイアベトロジア,P.A.Svendsen,et,al,Diab
etologia,19,130(1980)と、ナタン他;クリニカルケ
ミケトリ,D.M.Nathan,et,al.,Clim.Chem.,28,512(198
2))がある。これらの方法は、l−A1cが一時的に結合
(シッフ塩基結合)しているため、分解しやすいことに
着目したものである。
また、市販のl−A1c除去試薬を血液に加えてから50
℃位で1〜2分間加熱してl−A1cを除去する方法が提
案されている(例えば、特開昭63−75558号公報、特開
昭63−36143号公報、特開平1−97857号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来技術のうち、分離カラムでl
−A1cとs−A1cとを分離する方法では、l−A1cとs−A
1cとを完全に分離するには1検体あたり約10〜60分もの
長い分析時間を要する。そのために多くの検体を処理す
ることは不可能に近い。また、カラムが長いので多くの
充填剤を要するのでカラムの価格が高くなるとともに、
装置が大型化する欠点がある。
また、前処理によりl−A1cを除去する方法では、前
処理が煩雑であったり、前処理に30分〜4時間を要し、
この場合も多くの検体を処理するには問題がある。
さらに、加熱処理を行う方法では、血液中のタンパク
が変性して、沈殿が生じて配管やフィルタなどが詰まっ
た場合に分析不可能になるという問題がある。
本発明の目的は、安定型A1c(s−A1c)を他のHb成分
から非常に簡単な操作で短時間に分離することができる
とともに、正確な測定値が得られ、自動化が容易で測定
精度や測定値の再現性が向上し、しかも小型で経済的な
グリコヘモグロビンの分離方法および分離装置並びに分
離カラムを提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成する本発明の特徴は、液体クロマトグ
ラフィによりグリコヘモグロビンを各成分に分離するグ
リコヘモグロビンの分離方法において、ジヒドロキシボ
ロニル基を有する充填剤が充填された分離カラムに、グ
リコヘモグロビンを含む試料を注入するステップと、前
記試料と前記充填剤とが接触するときのpHを7以下にす
るステップと、前記分離カラムにpH5乃至7の緩衝液を
流通させるステップとを有することにある。
さらに、本発明の他の特徴は、液体クロマトグラフィ
によりグリコヘモグロビンを各成分に分離するグリコヘ
モグロビンの分離方法において、ジヒドロキシボロニル
基を有する充填剤とカルボキシアルキル基を有する充填
剤とが充填された分離カラムに、グリコヘモグロビンを
含む試料を注入するステップと、試料と充填剤とが接触
するときのpHを7以下にするステップと、分離カラムに
pH5乃至7の緩衝液を流通させるステップとを有するこ
とにある。
また、本発明の他の特徴は、液体クロマトグラフィに
よりグリコヘモグロビンを各成分に分離するグリコヘモ
グロビンの分離装置において、分離カラムにジヒドロキ
シボロニル基を有する充填剤が充填されており、試料注
入手段が分離カラムにグリコヘモグロビンを含む試料を
注入し、緩衝液流通手段が分離カラムにpH5乃至7の緩
衝液を流通させ、試料と充填剤とが接触するときのpHが
7以下であることにある。
さらに、本発明の他の特徴は、液体クロマトグラフィ
によりグリコヘモグロビンを各成分に分離するグリコヘ
モグロビンの分離装置において、分離カラムにジヒドロ
キシボロニル基を有する充填剤とカルボキシアルキル基
を有する充填剤とが充填されており、試料注入手段が分
離カラムにグリコヘモグロビンを含む試料を注入し、緩
衝液流通手段が分離カラムにpH5乃至7の緩衝液を流通
させ、試料と充填剤とが接触するときのpHが7以下であ
ることにある。
また、本発明の他の特徴は、分離カラムにおいて、ジ
ヒドロキシボロニル基を有する充填剤とカルボキシアル
キル基を有する充填剤とを混合した充填剤が充填されて
いることにある。
〔作用〕
本発明によれば、ジヒドロキシボロニル基を有する充
填剤が充填された分離カラムに、グリコヘモグロビンを
含む試料が注入されると、試料と充填剤とが接触すると
きのpHが7以下であるので、ジヒドロキシボロニル基を
有する充填剤によってグリコヘモグロビン中の不安定型
ヘモグロビン(l−A1c)がグルコースとヘモグロビン
(Hb)に分解されて、試料中から不安定型ヘモグロビン
(l−A1c)を除去することができる。さらに分離カラ
ムにpH5〜7の緩衝液を流通させると、不安定型ヘモグ
ロビン(l−A1c)が除去された溶出液を分離カラムか
ら得ることができ、不安定型ヘモグロビン(l−A1c)
の影響を受けることなく、溶出液中の安定型グリコヘモ
グロビン(s−A1c)を液体クロマトグラフィにより迅
速、安定かつ容易に分離することができる。
また、分離カラムにジヒドロキシボロニル基を有する
充填剤とカルボキシアルキル基を有する充填剤とが充填
されていれば、ジヒドロキシボロニル基を有する充填剤
により試料中から不安定型ヘモグロビン(l−A1c)を
除去するとともに、カルボキシアルキル基を有する充填
剤により試料中のヘモグロビン(Hb)を各成分に分離す
ることができる。さらに分離カラムにpH5〜7の緩衝液
を流通させると、不安定型ヘモグロビン(l−A1c)が
除去され、かつヘモグロビン(Hb)が各成分に分離され
た溶出液を分離カラムから得ることができ、溶出液中の
安定型グリコヘモグロビン(s−A1c)を、液体クロマ
トグラフィにより他のヘモグロビン(Hb)成分から短時
間で分離することができる。
また、ヘモグロビン分析用の分離カラムとして、ジヒ
ドロキシボロニル基を有する充填剤とカルボキシアルキ
ル基を有する充填剤とを混合した充填剤を充填した分離
カラムを用いることにより、不安定型ヘモグロビン(l
−A1c)の分解とヘモグロビン(Hb)の各成分への分離
を同時に行うことができる。
GHbを高速液体クロマトグラフィ(HPLC)にて分離す
る場合、充填剤として、シリカゲル、メタクリレート系
ゲル、ビニルアルコール系ゲルなどの親水性の基材に、
カルボキシメチル基などを導入した弱酸性陽イオン交換
樹脂が用いられる。このイオン交換クロマトグラフィで
は、等電点の差を利用して、Hbを各成分に分離すること
ができる。
一方、ジヒドロキシボロニル基を有する充填剤はアフ
ィニティクロマトグラフィに用いられている。ジヒドロ
キシボロニル基を有する充填剤を充填したカラムに溶離
液を流通させると、l−A1cはHbA0とグルコースとに分
解される。l−A1cは式(1)に示すようにHbのβ鎖N
末端とグルコースの還元性末端とが可逆的に結合したも
のであり、非常に不安定である。そこで、平衡が右方向
に進み、l−A1cは分解し、HbA0となる。
通常、アフィニティクロマトグラフィでは、式(2)
に示すように、固定相に導入されたジヒドロキシボロニ
ル基と1.2−シスジオール基との特異的反応を利用し
て、Hbにグルコースなどの糖が結合したグリコヘモグロ
ビンとノングリコヘモグロビン(Hb)を分離する。な
お、この反応はpH8以上で進行する。
ここではジヒドロキシボロニル基を有する充填剤をグ
リコヘモグロビンとノングリコヘモグロビンとに分離す
るためではなく、l−A1cをグルコースとHbとに分解し
て除去する目的で使用しているため、pHを8以下、好ま
しくは7以下にすることが望ましい。
なお、pH8以上ではグリコヘモグロビンが特異的にジ
ヒドロキシボロニル基と結合し、充填剤に吸着される。
HbやGHbの等電点は6.90から6.95である。(カルボキ
シアルキル基を導入した)弱酸性陽イオン交換樹脂を用
いたイオン交換クロマトグラフィによりHbやGHbを分離
する場合、溶離液としてはHbやGHbの等電点よりも低いp
Hのものを用いなければならない。従って、グリコヘモ
グロビンがジヒドロキシボロニル基と結合することはな
い。
このようにカルボキシアルキル基とジヒドロキシボロ
ニル基とを有する充填剤を用いることにより、生理的要
因、食事等により変動しやすいl−A1cの影響を受ける
ことなく、s−A1cを分離定量することができる。
分離カラムとしては、カルボキシアルキル基とジヒド
ロキシボロニル基との両方の官能基を有する充填剤を充
填したカラムを用いることができる。
また、ジヒドロキシボロニル基を有する充填剤を充填
したカラムでl−A1cを除去した後、カルボキシアルキ
ル基を有する充填剤を充填した分離カラムでHbを各成分
に分離することもできる。
逆に、カルボキシアルキル基を有する充填剤を充填し
たカラムでHbを各成分に分離した後、ジヒドロキシボロ
ニル基を有する充填剤を充填したカラムでl−A1cを除
去することもできる。
さらに、ジヒドロキシボロニル基を有する充填剤とカ
ルボキシアルキル基を有する充填剤を混合して、あるい
は段階的に(重ねて)充填した分離カラムを用いてもよ
い。
本法では従来イオン交換クロマトグラフィで用いてい
た溶離液をそのまま用いることができる。従って、溶離
条件の検討は特に必要がない。
また、前処理によりl−A1cを除去する必要がないの
で、分析操作が容易であり、かつ分析時間も前処理時間
が必要ない分短くてすむ。また、l−A1c以外のHbやGHb
の分解や変性も起こらない。
従って、このような分離カラムを用いた本発明のグリ
コヘモグロビンの分離方法では、血液中の安定型A
1c(s−A1c)を生理的要因により値の変動する不安定
型A1c(l−A1c)の影響をうけることなく、迅速、安定
(再現性良く)かつ容易に分析できる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
本発明の充填剤としては、1つの粒子に官能基として
カルボキシアルキル基とジヒドロキシボロニル基が導入
されているものを使用できる。また、カルボキシアルキ
ル基が導入された充填剤とジヒドロキシボロニル基が導
入された充填剤を同一のカラムに充填した分離カラムを
用いてもよい。またさらに、カルボキシアルキル基が導
入された充填剤とジヒドロキシボロニル基が導入された
充填剤を各々の別のカラムに充填したカラムを用いても
よい。
カルボキシアルキル基及び/またはジヒドロキシボロ
ニル基を導入する母材(基体)としては、従来から液体
クロマトグラフィに用いられている母材を用いることが
できるが、機械的強度が強い、タンパク質の非特異的吸
着が少ない(疎水性が強くない)、化学的に安定である
ものが望ましい。このような条件をみたす母材として、
メタクリレート系ゲル、ビニルアルコール系ゲルなどの
親水性の有機多孔性物質(架橋重合体)を用いることが
できる。また、溶離液としてpH7以下の緩衝液を使用す
るので、シリカゲルなどの無機多孔性物質を用いること
もできる。
上述したような母材にジヒドロキシボロニル基を導入
する方法としては、次の方法をあげることができる。上
記の母材とエピハロヒドリン、ビスエポキシド等を反応
させ、次いで、メタアミノフエニルボロン酸を反応させ
ることにより得ることができる。また、母材の水酸基に
公知の方法でカルボキシアルキル基を導入し、次いで、
該カルボキシアルキル基をアザイドに変換した後、メタ
アミノフェニルボロン酸と反応させることによっても得
ることができる。さらにまた、母材の水酸基にブロムシ
アンを反応させ、次いで、オリゴペプチドを反応させ、
さらにカルボジイミド存在下に、メタアミノフェニルボ
ロン酸を反応させることによっても得ることができる。
カルボキシアルキル基を導入する方法としては、例え
ば、モノクロロ酢酸やモノブロモ酢酸等のハロゲン化酢
酸を上記母材の水酸基に反応させる方法をあげることが
できる。
カルボキシアルキル基の導入量は充填剤の乾燥重量1g
あたり0.1〜1meqが望ましい。また、ジヒドロキシボロ
ニル基の導入量は充填剤の乾燥重量1gあたり0.1〜1meq
が望ましい。
ジヒドロキシボロニル基の定量は、例えば、ジヒドロ
キシボロニル基を有する充填剤とソルビトールを水溶液
中に共存させ、アルカリによる滴定で求めることができ
る(新実験化学講座、分析化学I、p.77、丸善)。ま
た、ジヒドロキシボロニル基を有する充填剤を過酸化水
素で処理し、遊離するホウ酸の量を前述の滴定により求
めることができる。さらにまた、ホウ酸の量を原子吸光
や発光法などにより求めてもよい。カルボキシアルキル
基は通常行われている従来公知のカルボキシル基の交換
容量の測定法により求めることができる。
カルボキシアルキル基を有する充填剤としてはカルボ
キシメチル基、カルボキシエチル基など種々の充填剤を
用いることができるが、さらに好ましくはカルボキシメ
チル基を有する充填剤を用いることができる。
本発明において用いられる充填剤の形状として、球
状、破砕状など種々あげることができるが、高分能を得
るには球状の方が望ましい。充填剤の粒径は1〜200μ
m、好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1〜10μ
mとするのがよい。
本発明のカラムとしては、内径1〜10mm、長さ20cm以
下、好ましくは内径1〜6mm、長さ2〜10cmの円筒形の
ものが望ましい。
カラムへ充填剤を充填する方法は、均一な状態に充填
でき、充填率を制御できる方法であれば従来公知の方法
でよい。充填率は充填時の圧力、充填時間を調整するこ
とにより制御できる。
溶離液としては、pH5.0〜7.0の緩衝液であれば通常グ
リコヘモグロビンを液体クロマトグラフィで分析すると
きに用いられる溶離液でよい。例えば、酢酸ナトリウム
系、リン酸ナトリウム系、リン酸カリウム系のような緩
衝液、あるいは塩化ナトリウムや硫酸ナトリウムのよう
な塩を含む溶液が用いられる。なお、尿素やグアニジン
を添加してもよい。また、アセトニトリル、エタノー
ル、メタノール、メルカプトエタノール等の有機溶媒を
混合してもよい。
溶離液の組成、例えば緩衝剤、塩、尿素、有機溶媒等
の濃度やpHは、液体クロマトグラフィにより、ヘモグロ
ビン、グリコヘモグロビン、ヘモグロビン誘導体を分析
する際、必ずしも一定である必要はない。例えば、連続
的勾配方式あるいは段階的勾配方式よって変化させるこ
ともできる。また、溶離液の送液流量も一定である必要
はなく、時間経過に従って連続的あるいは段階的に変化
させることができる。
本発明の分離カラムにより分離された溶出液中のグリ
コヘモグロビン、ヘモグロビン及びヘモグロビン誘導体
は波長415nmの可視光を測定することにより検出でき
る。また、溶離液のpHや濃度を変化させる場合、屈折率
の変化によって吸収が起こるので、リファレンスとして
グリコヘモグロビン、ヘモグロビン等の吸収のない波長
(690nm)の可視光を測定してもよい。
次に、本発明を実施例を用いて、さらに詳細に説明す
る。
(実施例1) 充填剤としては、メタクリレート系ポリマを母材と
し、これに官能基としてカルボキシメチル基とジヒドロ
キシボロニル基を導入した充填剤を使用した。
第1表は実施例1とその比較例1について、充填剤の
物性値及び圧力損失を測定した結果を示している。実施
例1の充填剤は比較例1のカルボキシメチル基を有する
充填剤に、さらにジヒドロキシボロニル基を導入したも
のである。実施例1と比較例1では粒径、比表面積やカ
ルボキシメチル基の量などはほぼ等しい。すなわち、ジ
ヒドロキシボロニル基を導入しても、粒径、比表面積、
カルボキシメチル基の量はあまり変化していない。
これら2種の充填剤を各々カラム(内径4.6mm、長さ8
0mm、ステンレス製)に充填し、分離カラムとして用い
た。充填はいずれもスラリー法に依った。スラリー溶媒
及び充填溶媒としては、80mMリン酸カリウム(pH6.20)
を使用し、充填圧力150kg f/cm2にて充填溶媒を1時間
送液した。
試料としては抗凝固剤としてエチレンジアミン四酢酸
ナトリウム液を添加して採血した健常成人の新鮮血を用
いた。この新鮮血に市販の溶血剤を加えて200倍に希釈
し、この溶血液を試料として用いた。
溶離液としては、リン酸一カリウム(KH2PO4)及びリ
ン酸二カリウム(K2HPO4)を下記濃度になるように脱液
水に溶解したものを使用した。
A液; 33mM KH2PO4 7mM K2HPO4 pH 6.2 B液; 66mM KH2PO4 14mM K2HPO4 pH 6.2 C液;160mM KH2PO4 40mM K2HPO4 pH 6.1 実験装置としては、ポンプは日立製L−6200形インテ
リジェントポンプを、インジェクタは容量10μのもの
を、検出器は日立製L−4200形UV−VIS検出器を、デー
タ処理装置は日立製D−2500形データ処理装置をそれぞ
れ使用した。
カラム温度は25℃、検出波長415nmにて測定を行っ
た。各成分の分離は下に示すようなステップワイズグラ
ジェント法に依った。
第1液:A液 0〜0.4分 第2液:A液/B液=50/50 0.5〜3.0分 第3液:C液 3.1〜3.8分 第1液:A液 3.9〜7.0分 溶離液流量:1.2ml/min 試料の注入量:10μ 上記分析条件で、実施例1の分離カラムにより得られ
たクロマトグラムを第1図に、比較例1の分離カラムに
より得られたクロマトグラムを第2図に示す。
第1図及び第2図において、ピーク1はA1a、ピーク
2はA1b、ピーク3はHbF、ピーク4は安定型A1c(s−A
1c)、ピーク5はHbAc、ピーク6は不安定型A1c(l−A
1c)をそれぞれ示している。
各ピークの同定は以下のように行った、血液と糖誘導
体とをふ置(インキュベート)することにより、種々の
グリコヘモグロビンを生成させることができるが、この
とき増大するピークを確認することにより、各ピークの
同定が可能である。
フルクトース−1,6−二リン酸、グルコース−6−リ
ン酸の添加によりピーク1(A1a)が確認され、ピルビ
ン酸の添加によりピーク2(A1b)が確認された。ま
た、血液にグルコースを添加してインキュベートした後
に試料を調製して測定したところピーク6が顕著に増大
したこと、またグルコースを添加してインキュベートし
た血液をさらに生理食塩水中で45℃で4hrインキュベー
ト後、試料を調製して測定したところピーク6が減少し
たことから、ピーク6はl−A1cであると考えられる。
なお、ピーク4は上記したようなグルコースの添加、生
理食塩水中のインキュベートにより、増減がみられなか
ったことから、s−A1cであると考えられる。また、ピ
ーク3はさい帯血の主成分と同じ挙動を示すことからHb
Fであると考えられる。
第2図の比較例1の場合ではl−A1cのピーク6が出
現している。一方、第1図では、実施例1の分離カラム
を用いた場合、完全にl−A1cが除去されている。な
お、実施例1と比較例1の分離カラムで、A1a,A1b,HbF,
s−A1c及びHbA0の各成分の保持時間はほぼ等しい。カラ
ムの圧力損失(溶離液流量:1.2ml/min)は実施例1の場
合98kg f/cm2、比較例1の場合95kg f/cm2でありほぼ等
しかった。
このように本実施例によれば、l−A1cの除去(分
解)とHbの各成分への分離を同時に行うことができるの
で、従来長い時間(15分〜4時間)を要していたl−A
1cの除去処理の時間を短縮することが可能である。ま
た、システム内で連続的にl−A1cを除去できるので、
従来のような煩雑な操作が不要となる。さらに、l−A
1cの分解に要する時間が短いので、l−A1cの除去処理
に伴って、GHbやHbが変性したり、分解したりすること
がなく、正確な測定値(s−A1cの値)を得ることがで
きる。
また、本実施例によれば、第1図より実施例1の分離
カラムでHbの各成分が充分に分離されていることが判
る。その結果、さらに短いカラムを用いたり、溶離液の
流量を大きくしたりすることにより、分析時間を一層短
縮することができる。
(実施例2) 第2表は実施例2とその比較例2について、充填剤の
物性値及び圧力損失の値を示している。実施例2及び比
較例2の分離カラムは、各々前述した実施例1及び比較
例1の充填剤を短いカラム(φ4.6×35mm)に充填した
ものである。充填法は実施例1と同様の方法で行った。
実施例2及び比較例2の分離カラムを用いて、グリコ
ヘモグロビン、ヘモグロビンを測定した。装置は実施例
1と同じものを用いた。また、試料も実施例1と同じも
のを使用した。各成分の分離は以下に示すようなステッ
プワイズグラジェント法に依った。使用する溶離液A
液、B液、C液の組成は実施例1と同じであるが、グラ
ジェントのプログラム、溶離液の流量が実施例1と異な
る。
第1液:A液 0 〜0.2分 第2液:B液 0.3〜1.5分 第3液:C液 1.6〜1.9分 第4液:A液 2.0〜3.5分 溶離液流量:1.4ml/min 上記分析条件により、実施例2のカラムで得られたク
ロマトグラムを第3図に、比較例2のカラムで得られた
クロマトグラムを第4図にそれぞれ示す。実施例2及び
比較例2のカラムの圧力損失(溶離液流量:1.4ml/min)
は各々48kg f/cm2,47kg f/cm2であった。
第3図において、ピーク1がA1a,ピーク2がA1b,ピー
ク3がHbF,ピーク4がs−A1c,ピーク5がHbA0を示す。
また、第4図において、ピーク1がA1a,ピーク2がA1b,
ピーク3はHbF,ピーク7が(l−A1c+s−A1c),ピー
ク5がHbA0を示す。
第3図と第4図で各成分の保持時間はほぼ等しい。ま
た、第3図のピーク4(s−A1c)と第4図のピーク7
(l−A1c+s−A1c)の保持時間も等しい。ピーク面積
はピーク7の方がピーク4に比べて10%程度大きい。第
4図のピーク7の保持時間は第3図のピーク4の保持時
間と等しいが、ピーク7にはl−A1cも含まれているの
で、その分ピーク面積が大きくなったものと考えられ
る。
60検体の試料について、実施例2及び比較例2の方法
でクロマトグラムを測定し、ピーク4(s−A1c)とピ
ーク7(l−A1c+s−A1c)の面積を比較したところ、
平均で6.8%(範囲:3〜12%)だけピーク7の面積の方
が大きかった。ここでは空腹時のグリコヘモグロビンの
値を測定したが、食事をした直後はさらにl−A1cの割
合が大きくなることが考えられる。
実施例2(第3図では、l−A1cを分離カラム内で分
解しているので3.5分でA1a,A1b,HbF,s−A1c,HbA0の5成
分を分離でき、s−A1cの量を測定できる。一方、比較
例1(第2図)のようにl−A1cとs−A1cをクロマト的
に分離する場合は、同じ充填剤を用いた場合、実施例2
に比べて長いカラムを用いる必要があり、その分、分析
時間が長くなる。第2図より、比較例1の場合に1検体
の測定に要する時間は7分であり、実施例2(第3図)
の2倍の時間を要する。
以上のように、本実施例によれば、l−A1cとs−A1c
をクロマト的に分離する方法に比べて、短い時間でs−
A1cの定量を行うことができる。また、カラム長さが短
い分、充填されている充填剤の量が少ないので、カラム
の価格が安くなる。さらにまた、1検体あたり使用する
溶離液の量が少なくてすみ、ランニングコストの低減を
図ることもできる。
ここで、実施例2の分析方法での測定値と比較例1の
分析方法での測定値の比較を行った。
試料としては健常成人及び糖尿病患者の抗凝固剤の入
った新鮮血を溶血剤で希釈したものを用いた。60例につ
いて測定した結果を第5図に示す。図の横軸は実施例2
の方法により測定したs−A1cの濃度(%)、縦軸は比
較例1の方法により測定したs−A1cの濃度(%)を示
す。
実施例2の方法と比較例1の方法の相関係数γは0.99
2であった。また、相関式は実施例2の方法で得られた
s−A1cの濃度をX,比較例1の方法で得られたs−A1c
濃度をYとした場合、Y=1.03×−0.31で示され、2つ
の方法の間で非常に良い相関が得られた。
以上のように実施例2の方法は、血液中の安定型A1c
(s−A1c)を迅速に、かつ精度良く分析できる方法で
あると考えられる。
(実施例3) 第6図は本発明のグリコヘモグロビンの分離装置の一
例を示している。
試料としては抗凝固剤としてエチレンジアミン四酢酸
ナトリウム塩を添加して採血した新鮮血を用いた。この
血液を市販の溶血剤で200倍に希釈し、これをオートサ
ンプラ20のサンプルテーブル19にセットした。
分離カラム23としては比較例2で用いたものと同じも
のを使用した。カラムサイズは内径4.6mm、長さ35mmで
ある。充填剤はメタクリレート系ゲルにカルボキシメチ
ル基を導入したものを用いた(粒径4.5μm)。また、
前処理カラム22(l−A1c除去カラム)としてはメタク
リレート系ゲルにジヒドロキシボロニル基を導入した充
填剤(粒径8μm)を用いた。前処理カラムのサイズは
内径4.6mm、長さ10mmである。実施例2で用いたカラム
(メタクリレート系ゲルにカルボキシメチル基とジヒド
ロキシボロニル基を導入したもの、粒径4.5μm)を使
用する場合は、このカラム1本でl−A1cの除去とHbの
各成分への分離を行うので、前処理カラム22は必要な
い。カラム恒温槽24の温度は30℃に設定した。溶離液と
しては実施例2で示した1液8、2液9、3液10を使用
した。
第6図中、実線の矢印は試料あるいは溶離液等の液体
の流れを示す。一方、鎖線の矢印は信号の流れを示す。
各成分の分離は以下に示すようなステップワイズグラ
ジェント法に依った。
1液:A液 0 〜0.2分 2液:B液 0.3〜1.5分 3液:C液 1.6〜1.9分 1液:A液 2.0〜3.5分 溶離液流量:1.4ml/min サンプルテーブル19にセットされた試料は、吸引ノズ
ル18と試料輸送管27を介して、シリンジ14によってサン
プルループ16に入り、計量される。洗浄液11は3方バル
ブ15を介して供給される。6方バルブ17を切替ることに
よって、サンプルループ16にて計量された試料はフィル
タ21を通って、前処理カラム22に送られ、引き続き分離
カラム23に入る。
溶離液第1液8、第2液9、第3液10は3方電磁弁12
を介して送液ポンプ13によって、フィルタ12を通って、
前処理カラム22に送られた後、分離カラム23に供給され
る。分離カラム23からの溶出液をUV−VIS検出器25で波
長415nm及び690nm(リファレンス測定用)における吸光
度を測定した。
このグラジェント条件では、第3図に示したようなク
ロマトグラムを得ることができる。すなわち、第3図の
ようにヘモグロビンを1サイクル3.5分でA1a,A1b,HbF,s
−A1c及びHbA0に分離できる。クロマトグラムよりデー
タプロセッサ(データ処理装置)26にて、トータルのHb
に対するs−A1cの割合(百分率)を求めた。
このように本発明は、l−A1cの除去をシステム内に
て連続的に行うことができるので、自動化が容易であ
る。また、自動的にl−A1cを除去できるので、測定精
度がよい(測定値の再現性がよい)。また、操作が簡単
である。
第7図に本発明の装置の主なシステム構成を、第8図
に比較例3の装置のシステム構成の一様態例を示す。第
8図に示すように、比較例3ではオートサンプラのサン
プルテーブル19にセットされた試料は試料輸送管27を介
してサンプルループ16にて計量された後、6方バルブ17
を切替ることにより、試料はl−A1c除去部28に導入さ
れる。そしてl−A1c除去部28にて加熱処理などをする
ことにより、血液中のl−A1cが除去あるいは低減され
る。l−A1cが除去された試料は分離カラム23に入る。
一方、溶離液8〜9は3方電磁弁12を介し送液ポンプ13
によって分離カラム23に供給される。分離カラム23から
の溶出液をUV−VIS検出器25にて検出する。このよう
に、比較例3の分離カラムに充填されている充填剤は例
えばシリカゲルやメタクリレート系ゲルにカルボキシル
基を導入したイオン交換樹脂であり、l−A1cの除去作
用を有さないので、カラムに注入する前にl−A1cの除
去部を設けなければならない。これに対して、本発明の
分離カラムはヘモグロビンやグリコヘモグロビンの分離
とl−A1cの除去と2つの作用を有するので、第7図に
示すように、l−A1cの除去機構を設ける必要がない。
従って、本発明の装置の方が装置構成が単純であり、装
置を小型化できる。
〔発明の効果〕 本発明によれば、l−A1cの除去とHbの各成分への分
離を同一の分離カラムにて、あるいはシステム内で連続
的に行うことができるので、従来長い時間(15分〜4時
間)を要していたl−A1cの分解に要する時間を短縮す
ることができる。
また、l−A1cを除去するための煩雑な処理を行う必
要がないので、操作が非常に簡単になる。
さらに、l−A1cの分解とともに他のGHbやHbが変性す
ることがないので、正確な測定値(s−A1cの値)を得
ることができる。
さらにまた、l−A1cの除去をシステム内にて連続的
に行うことができるので、自動化が容易となりこれによ
り、測定精度や測定値の再現性が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られたクロマトグラム、第2図は
比較例1で得られたクロマトグラム、第3図は実施例2
で得られたクロマトグラム、第4図は比較例2で得られ
たクロマトグラム、第5図は実施例2の方法で測定した
安定型A1c(s−A1c)の値と比較例1の方法で測定した
s−A1cの値の相関関係を示す図であり、第6図は本発
明の分析装置の一例であり、第7図は本発明の分離装置
の要部構成図、第8図は比較例3の分離装置の要部構成
図である。 1……A1a、2……A1b、3……HbF、4……安定型A
1c(s−A1c)、5……HbA0、6……不安定型A1c(l−
A1c)、7……(l−A1c+s−A1c)、8……溶離液
1、9……溶離液2、10……溶離液3、11……洗浄液、
12……三方電磁弁、13……送液ポンプ、14……シリン
ジ、15……3方バルブ、16……サンプルループ、17……
6方バルブ、18……吸引ノズル、19……サンプルテーブ
ル、20……オートサンプラ、21……フィルタ、22……前
処理カラム(l−A1c除去カラム)、23……分離カラ
ム、24……恒温槽、25……UV−VIS検出器、26……デー
タプロセッサ、27……試料輸送管、28……l−A1c除去
反応部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−36143(JP,A) 特開 昭56−40694(JP,A) 特開 昭63−75558(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 14/805 C07K 1/16 - 1/22 G01N 30/88

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体クロマトグラフィによりグリコヘモグ
    ロビンを各成分に分離するグリコヘモグロビンの分離方
    法において、ジヒドロキシボロニル基を有する充填剤が
    充填された分離カラムに、グリコヘモグロビンを含む試
    料を注入するステップと、前記試料と前記充填剤とが接
    触するときのpHを7以下にするステップと、前記分離カ
    ラムにpH5乃至7の緩衝液を流通させるステップとを有
    することを特徴とするグリコヘモグロビンの分離方法。
  2. 【請求項2】前記分離カラムに、カルボキシアルキル基
    を有する充填剤が充填されたことを特徴とする請求項
    (1)のグリコヘモグロビンの分離方法。
  3. 【請求項3】液体クロマトグラフィによりグリコヘモグ
    ロビンを各成分に分離するグリコヘモグロビンの分離装
    置において、ジヒドロキシボロニル基を有する充填剤が
    充填された分離カラムと、前記分離カラムにグリコヘモ
    グロビンを含む試料を注入する試料注入手段と、前記分
    離カラムにpH5乃至7の緩衝液を流通させる緩衝液流通
    手段とを備え、前記試料と前記充填剤とが接触するとき
    のpHが7以下であることを特徴とするグリコヘモグロビ
    ンの分離装置。
  4. 【請求項4】前記分離カラムに、カルボキシアルキル基
    を有する充填剤が充填されたことを特徴とする請求項
    (3)のグリコヘモグロビンの分離装置。
  5. 【請求項5】ジヒドロキシボロニル基を有する充填剤と
    カルボキシアルキル基を有する充填剤とを混合した充填
    剤が充填されていることを特徴とする分離カラム。
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