JPH071275B2 - 糖化ヘモグロビン測定用溶血試液 - Google Patents

糖化ヘモグロビン測定用溶血試液

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JPH071275B2
JPH071275B2 JP30378287A JP30378287A JPH071275B2 JP H071275 B2 JPH071275 B2 JP H071275B2 JP 30378287 A JP30378287 A JP 30378287A JP 30378287 A JP30378287 A JP 30378287A JP H071275 B2 JPH071275 B2 JP H071275B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、血液中の糖化ヘモグロビン(ヘモグロビン
A1)、特にヘモグロビンA1cの測定において用いられる
糖化ヘモグロビン測定用溶血試液に関する。
(従来の技術) 糖尿病の指標のひとつとして血液中の糖化ヘモグロビン
(ヘモグロビンA1)、特にヘモグロビンA1cが知られ、
その測定が行われている。血液中のヘモグロビンA1を測
定するときには、該ヘモグロビンA1は赤血球中に存在す
るため、通常、血液をあらかじめ溶血剤で溶血させたも
のを試料として、その測定が行われている。ヘモグロビ
ンA1cは、下記式に示されるように、ヘモグロビン(以
下、ヘモグロビンをHbで示す)のβ鎖N末端に存在する
バリンのアミノ基にグルコース1分子が非酵素的に結合
した複合体である。Hbの上記アミノ基にグルコースが結
合すると、まず、下記式に示すようなシッフ塩基である
不安定型ヘモグロビンA1c(I)が形成される 上記式(1)において、β−A−NH2はHbを示し、その
なかのNH2は、該Hbのβ鎖N末端のバリンのアミノ基を
示す。
この不安定型HbA1c(I)の生成反応は可逆反応であ
り、グルコース濃度に応じて平衡が不安定型HbA1c
(I)の生成方向もしくは解離方向に傾く。(I)は、
さらにアマドリ転位を経て、不可逆的に安定型HbA1c(I
I)に変化する。
HbA1cは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによりH
bを各Hb成分に分離し、そのODを測定することにより定
量され得るが、上記安定型HbA1c(S−HbA1c)および不
安定型HbA1c(L−HbA1c)を分離して測定することがで
きない。そのためHbA1cを安定した値で得られない。な
ぜなら、L−HbA1cは、グルコース(つまり血糖)量に
より、その量が変化し、該血糖値は、食事や運動により
急激かつ大幅に変化するためである。
上記欠点を解消するため、血液検体からL−HbA1cを除
去し、S−HbA1cのみを測定する試みがなされている。
例えば、David M.Nathanら、Clinical Chemistry,28512
〜515(1982)には、セミカルバジドおよびアニリンを
L−HbA1cの除去剤として用い、pH5.0,38℃にて30分間
血液検体を処理することが開示されている。セミカルバ
ジドは、グルコースを捕捉し、かつ求核試薬として作用
し、Hbのアミノ基と競合する。アニリンは触媒として作
用する。その結果、L−HbA1cは実質的に除去される。
しかし、L−HbA1cの除去反応が酸性側(pH 5.0)に
て、かつ比較的高温(38℃)および長時間(30分)でな
されるため、Hbの変性(例えば脱ヘム)が生じる。例え
ば、イオン交換クロマトグラフィーによる溶出パターン
を観察すると、脱ヘムによる退色に起因するピーク強度
の低下やHbA1aとHbA1bとに起因するピークの増大が観察
される。
特開昭58−210024号公報には、ジヒドロキシボリル化合
物(ホウ酸化合物)がL−HbA1cの除去剤として界磁さ
れている。このジヒドロキシボリル化合物はグルコース
のOH基をエステル化するためグルコースが系内から除去
され、その結果、L−HbA1cの解離が進行する。しか
し、L−HbA1cを除去するためには、高濃度のジヒドロ
キシボリル化合物を必要とする。例えば、溶血させた血
液を含む試料液中で約0.1〜1.0Mの割合で含有されるこ
とが必要である。このように高濃度のジヒドロキシボリ
ル化合物が含有されると、イオン交換クロマトグラフィ
ーにかける場合にそのイオン強度が通常の場合とは異な
り、その結果、分離条件が変わり、測定が困難となった
り測定条件の補正が必要となる。さらに、最適pHが約4.
5〜6.5、好ましくは5.0〜6.0であるため、Hbの変性が生
じるおそれがある。
L−HbA1cのその他の除去方法としては、血液検体を希
釈してグルコース濃度を下げ、L−HbA1cの解離を促進
させる方法が知られている。これを実施するには、例え
ば、赤血球を大過剰の生理食塩水でインキュベートした
り、溶血物を透析する方法が採用される。しかし、これ
らの方法はいずれも長時間を必要とするため、臨床検査
のための方法としては適切ではない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の欠点を解決するものであり、その目
的とするところは、血液検体中の安定型ヘモグロビンA1
cのみを、精度良く簡便に、かつヘモグロビンを変性さ
せることなく測定することの出来る、不安定型ヘモグロ
ビンA1cの除去もしくは解離作用と共に、赤血球の溶血
作用を有する溶血試液を提供することにある。
(問題点を解決するための手段および作用) 本発明の糖化ヘモグロビン測定用溶血試液は、血液中の
ヘモグロビンA1の測定に用いられ、該溶血試液がイリン
酸縮合体および/またはリン酸縮合体の塩からなり、不
安定型ヘモグロビンA1cをヘモグロビンとグルコースと
に解離しうる不安定型糖化ヘモグロビン解離剤とロ溶血
剤とを主成分としており、そのことにより上記目的が達
成される。
本発明の溶血試液に含有されるリン酸縮合体としては、
(HPO3)n(nは2以上の整数)で表わされるメタリン
酸、2原子以上のリンを含みP−O−P結合を有するポ
リリン酸およびそれらの類似体がある。メタリン酸とし
ては、トリメタリン酸(III)、テトラメタリン酸(I
V)などが、ポリリン酸としては、ピロリン酸(V)、
テトラポリリン酸(VI)などがある。
これらに関連する類似体としては、上記化合物が側鎖を
有する化合物やさらに複雑に縮合している化合物が挙げ
られる。例えば、下記(VII)、(VIII)および(IX)
の化合物が挙げられる。
上記化合物の他、水に溶解させるとこれらのリン酸縮合
体を生成する化合物も包含される。例えば、5酸化リン
も本発明に使用され得る。5酸化リンは、水に溶解する
と加水分解によりウルトラポリリン酸(IX)、テトラメ
タリン酸(IV)、テトラポリリン酸(VI)などに変化す
る。しかし加水分解最終産物であるモノオルソリン酸
(H3PO4)にはその効果が認められない。
上記リン酸縮合体の縮合度はL−HbA1cの除去効果から
みて2〜6が最も好ましい。しかし、より重合度の高い
化合物でも水溶液中において加水分解によりP2〜P6のリ
ン酸縮合体を生成するので使用が可能である。
これらのリン酸縮合体は、その塩であっても同等の効果
が得られる。塩の種類は特に限定されないが、例えばア
ルカリ金属やアルカリ土類金属の塩が挙げられ、Na塩、
K塩などが好適である。
本発明の溶血試液中のリン酸縮合体および/またはリン
酸縮合体の塩の血液に対する使用量は、用いられる化合
物の種類や溶血時の条件(温度、インキユベーシヨン時
間、pHなど)によって異なるが、通常、血液(全血)1m
lあたり1〜6000mgの割合である。例えば、血液検体3
μlを450μlの溶血試液にて溶血させた試料溶液中に
ピロリン酸であれば約0.1〜4.0W/V%、(W/V%は、単位
容量あたりの重量割合を表わすものとする)好ましくは
0.5〜2.0W/V%の割合で、テトラポリリン酸であれば、
約0.001〜1.0W/V%、好ましくは0.01〜0.2W/V%の割合
となるように添加される。過少であるとL−HbA1Cの解
離・除去効果が得られず、過剰であるとクロマトグラフ
イー分離時における分離が困難となる。
本発明の溶血試液中の溶血剤としては、界面活性剤が好
適に用いられる。例えば、高級脂肪族アルコール、アル
キルアリールポリエーテルアルコール、スルホネート化
合物のポリオキシエチレンエーテル、サルフエート化合
物のポリオキシエチレンエーテル、ソルビット脂肪酸エ
ステルのポリオキシエチレン付加体などがある。溶血剤
の使用量は、その種類などによっても異なるが、通常、
血液1mlあたり10〜2000mgである。例えば、溶血剤を0.0
1〜2容量%の割合で含有する溶血試液を血液1mlあたり
2〜400mlの割合で添加してインキュベートすることに
より溶血させることができる。溶血剤が過剰であるとク
ロマトグラフィーによるHbの分離が困難となる。
また、本発明の溶血試液を長期間貯蔵する場合には、防
腐剤、例えばアジ化ナトリウムなどを0.005〜0.1W/V%
程度含有させると良い。
本発明の溶血試液を用いて糖化Hbの測定をクロマトグラ
フィーにかけて行うには、まず、血液検体を溶血試液で
処理して溶血させ、Hbを含む試料を調製する。この操作
中に血液検体中のL−HbA1Cも、溶血試液中の解離剤の
作用によりHbとグルコースとに解離される。血液検体と
溶血試液との接触時のpHは酸性側であるほどL−HbA1C
の解離速度は上昇するが、pHが低すぎるとHbの変性が生
じる。さらに、極端に高いか低いpH条件下ではクロマト
グラフィーによるHbの分離が困難になる。従って、通
常、血液検体を溶血試液で処理した後のpHが4.6〜7.0、
好ましくは5.3〜6.3となるように調整される。
例えば、該溶血試液を0.001〜0.01Mリン酸緩衝液にて構
成し、適当なpH域に調整しておくのが良い。血液検体と
溶血試液との接触時間は解離剤の種類や濃度、pH条件な
どにより異なるが、通常、室温においては10分以上、好
ましくは10〜30分である。温度を上げることによる接触
時間の短縮も可能であり、例えば37℃にて約3〜7分、
50℃にて約1〜3分間インキュベートすることもでき
る。このように処理された試料は、イオン交換クロマト
グラフィー(例えば高速液体クロマトグラフィー)にか
けられ、Hbの各成分が分離されて溶出され、測定され
る。
このようなリン酸縮合体および/またはリン酸縮合体塩
によるL−HbA1Cの解離除去作用は、Hb上の2,3−DPGポ
ケットの性質に起因すると考えられる。2,3−DPGポケッ
トに関しては、Beneschら、(Biochem.Biophys.Res.Com
mun.,26,162,1967);(Chanutinら、(Arch.Biochem.B
iophys.,121:96,1967)などにより詳しく報告されてい
る。この2,3−DPGポケットはHbのβ鎖のヒスチジン、リ
ジンなどの塩基性アミノ酸残基、およびHbA1CのHbβ鎖
のN末端バリンによって形成されており、カチオン性を
帯びていることが知られている。本発明に用いられるリ
ン酸縮合体およびリン酸縮合体の塩はアニオン性を有し
かつその分子形状も適切であるため上記2,3−DPGポケッ
トに対して強力な親和性を有する。そのため、グルコー
スと競合してHbのβ鎖末端に結合する。その結果、L−
HbA1Cの解離が促進される。
このようにしてリン酸縮合体および/またはリン酸縮合
体塩のL−HbA1Cの解離作用によりL−HbA1Cが血液検体
中から除去され、S−HbA1Cのみが試料中に残留する。
この溶血試液は、Hbのイオン交換クロマトグラフィーに
よる溶出パターンに影響を与えない。そのため上記S−
HbA1Cは、従来と同様の方法でイオン交換クロマトグラ
フィーにより分離され、精度よく測定される。
(実施例) 以下に本発明を実施例につき説明する。
測定方法 以下の実施例においてHbA1の測定は、(株)京都第一科
学製のHi−Auto A1c HA−8120を用い適切条件を選択し
て測定した。このHA−8120はHPLCによるHbA1測定専用装
置であり、陽イオン交換により各Hb成分を4分間で分離
して溶出する。溶出用緩衝液は専用の溶離液(リン酸緩
衝液)が用いられる。この装置を用いたHbの溶出パター
ンは一般に第1図に示される。第1図において、P1およ
びP2はHbA1a+b成分に起因するピークであり、P3およびP
4はL−HbA1CおよびS−HbA1C成分に起因するピークで
ある。P5は他のヘモグロビン(HbA0)に起因するピーク
である。ここで、HbA1C(S型とL型との合計)は次式
で算出される。
本実施例においては同一人(健常人)の血液を使用し、
採血後直ちにヘバリンを添加したものを新鮮血液として
用いた。
リファレンス値の測定 pH6.3の0.005Mリン酸緩衝液100ml中に溶血剤としてTrit
onX−100(和光純薬製)0.1mlを加えて、解離剤を含有
しない溶血試液を調製した。この溶血試液450μlに新
鮮血液3μlを加えて溶血させた後に、上記方法により
HbA1C(L型およびS型を含む)を測定したところ、全H
b中HbA1Cは5.0%の割合で存在することがわかった。こ
の値をブランク値とした。
次に、新鮮血10mlを遠心分離して得た血球約5mlを8/32i
nchセロファンチューブ(和光純薬製)に入れ、生理食
塩水1を用いて各2回、計5時間37℃にてインキュベ
ートした。このようにしてL−HbA1Cを解離させた後、
これを約1.5μl採取し、上記溶血試液450μlを用いて
溶血させた。このサンプルについてHbA1Cを同様の方法
で測定したところ4.3%であった。この値は、血液中の
S−HbA1Cに相当すると考えられる。
実施例1 0.005Mリン酸緩衝液100ml中に溶血剤としてTritonX−10
0(和光純薬製)0.1ml、解離剤としてテトラポリリン酸
(和光純薬製)約0.1gおよび防腐剤としてアジ化ナトリ
ウム0.01gを溶解させ、塩基を加えてpHを6.3に調製し、
溶血試液を得た。この溶血試液450μlに新鮮血液3μ
lを添加し、室温で約10分間放置して溶血ならびにL−
HbA1Cの解離を行った。このサンプルのHbA1Cを測定した
ところ4.4%であった。別に、テトラポリリン酸(解離
剤)を加えない溶血試液を調製し、同様の方法でHbA1C
の測定を行った。
次に、上記溶血試液のそれぞれについてpHを7.0,5.8,5.
3,5.0および4.6に設定し、同様にHbA1Cの測定を行っ
た。解離剤を含む溶血試液を用いたときの総Hb中のHbA
1C含有量を第2図に実線(黒プロット)で、そして、解
離剤を含まない溶血試液を用いたときのHbA1C含有量を
実線(白プロット)で示す。さらに、解離剤を含む溶血
試液を用いたときの総Hb量を第2図に一点鎖線(黒プロ
ット)で、そして解離剤を含まない溶血試液を用いたと
きの総Hb量を一点鎖線(白プロット)で示す。総Hb量
は、もとの血液中の総Hb量を100%として換算した。
第2図から、pHが低くなるにつれてHbA1C値が低くな
り、L−HbA1Cが解離・除去されていることが明らかで
あり、pH7.0〜4.6の範囲内で十分効果のあることが分か
る。しかし、pHが低くなるにつれ脱ヘムによる退色が認
められ、総Hb量が低下するのがわかる。特にテトラポリ
リン酸を含む本発明溶血試液を用いた系においてはこの
傾向が顕著であり、pH4.6における総Hb量はpH6.3の場合
の約75%である。本発明溶血試液を用いて測定する場合
には、pH6.3〜5.3の領域において、Hbが変化することな
くL−HbA1Cが解離・除去されることが明らかである。
また、この溶血試液を室温で1ケ月保存したものを使用
して、同様にHbA1Cを測定したところ、製造直後のもの
と実質的に殆ど変わらない測定値を得た。
実施例2 実施例1に準じ、テトラポリリン酸の量をそれぞれ1.0
g,0.2g,0.005g,0.005g,および0.001g含有する溶血試液
(いずれもpH6.0)を調製した。これを用いて実施例1
と同様の方法でHbA1Cの含有量を測定した。その結果を
下表に示す。
表から、テトラポリリン酸が0.005%程度の低濃度であ
ってもL−HbA1Cの除去効果が得られることがわかる。
テトラポリリン酸濃度が1.0%の場合は、クロマトグラ
ムのパターンがブロードに変化するため、濃度をやや低
くすることが望ましい。
実施例3 実施例1に準じ、テトラポリリン酸を約0.1g含有する溶
血試液(pH6.0)を調製した。これを用い、温度条件を3
7℃、50℃および60℃に設定して、それぞれ所定時間イ
ンキュベートした後にHbA1Cの測定を行った。その結果
を第3図に示す。
第3図から反応温度を上げるにつれてより迅速にL−Hb
A1Cが除去されることがわかる。しかし、60℃で3.5分間
インキュベートするとHbの変性が認められ、総Hb量が約
90%に低下した。そのため、高温で長時間インキュベー
トすることは好ましくないと考えられる。
実施例4 実施例1に準じ、ピロリン酸ナトリウム(半井化学製)
を約2.0%の割合で含有する溶血試液(pH6.0)、及びウ
ルトラポリリン酸ナトリウム(太平化学製)を約0.1%
の割合で含有する溶血試液(pH6.0)およびヘキサメタ
リン酸ナトリウムを約1.1%の割合で含有する溶血試液
(pH6.0)を調製し室温で7日間保存した。これらを用
いて実施例1と同様の方法でHbA1Cの含有量を測定した
ところ、それぞれ4.5%、4.4%および4.4%であった。
比較例1 実施例1のテトラポリリン酸の代わりにリン酸2水素ナ
トリウム(和光純薬製)を使用し、該リン酸2水素ナト
リウム約2.0%を含有しpHが6.0に調製された溶血試液を
調製した。これを用いて実施例1と同様の方法で、HbA
1Cの含有量の測定を行った。HbA1C値は5.0%であり、L
−HbA1Cが除去されていないことがわかる。
比較例2 実施例1のテトラポリリン酸の代わりにセミカルバジド
塩酸塩(和光純薬製)0.001M、アニリン(和光純薬製)
0.004Mを含むpH5.3に調製された溶血試液を調製した。
これを用いて新鮮血を溶血させ、その溶血物を60℃にて
2分間インキュベートした。これを測定したところHbA
1C含量は4.6%であった。しかし、分画パターンはかな
りブロードになり、Hbピーク総面積は当初の約70%であ
った。
比較例3 実施例1のテトラポリリン酸の代わりに、ホウ酸(和光
純薬製)1.0%を含有するpH5.3に調製された溶血試液を
調製した。これを用いて新鮮血を同様に溶血させ溶血物
を50℃にて2分インキュベートした。これを測定したと
ころ、HbA1C含量は4.4%であった。しかし、ホウ酸濃度
を0.1%としpHを6.0に調製して同様の測定を行ったとこ
ろ、HbA1C含量は4.8%となった。このように、ホウ酸が
低濃度である場合には、充分にL−HbA1Cを除去するこ
とができない。
(発明の効果) 本発明の溶血試液は血液中の糖化ヘモグロビンの測定に
用いられるものであり、該溶血試液がイリン酸縮合体お
よび/またはリン酸縮合体の塩からなり、不安定型ヘモ
グロビンA1Cをヘモグロビンとグルコースとに解離しう
る不安定型糖化ヘモグロビン解離剤とロ溶血剤とを主成
分とするものであるので、本発明の溶血試液を用いる
と、赤血球の溶血と同様に、血液中のHbA1CのうちL−H
bA1Cが除去され、S−HbA1Cのみを精度良く簡便にかつ
ヘモグロビンを変性させることなく短時間のうちに測定
することが出来る。S−HbA1Cは、一時的な血糖の上昇
もしくは降下に左右されずに比較的安定して血液中に存
在するため、この測定値はより信頼度の高い糖尿病の指
標とされ得る。測定系を自動化することにより、さらに
効果的な臨床検査が可能となる。また、本発明の溶血試
液を用いて測定可能な検体としては、人全血ばかりでな
く赤血球試料にも適用できる。さらに、本発明溶血試液
は貯蔵安定性も良好である。
【図面の簡単な説明】
第1図は血液中のHbをイオン交換クロマトグラフィーに
より分離して測定したときの溶出パターンを示すクロマ
トグラム、第2図は異なるpH値に調整した本発明の溶血
試液において、解離剤を含む場合と含まない場合のそれ
ぞれにつき、血液を処理した後にHbを測定したときの該
pH条件とHbA1C含量との関係、および該pH条件と総Hb量
との関係を示すグラフ、第3図は本発明の溶血試液を用
いて血液中のHbA1Cを測定したときの溶血試液の反応条
件(時間及び温度)とHbA1C含量との関係を示すグラフ
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血液中の糖化ヘモグロビンの測定に用いら
    れる溶血試液であって、該溶血試液がイリン酸縮合体お
    よび/またはリン酸縮合体の塩からなり、不安定型ヘモ
    グロビンA1cをヘモグロビンとグルコースとに解離しう
    る不安定型糖化ヘモグロビン解離剤とロ溶血剤とを主成
    分とする糖化ヘモグロビン測定用溶血試液。
  2. 【請求項2】前記リン酸縮合体が、メタリン酸、ポリリ
    ン酸およびそれらの類似体のうちの少なくとも一種以上
    である特許請求の範囲第1項記載の溶血試液。
  3. 【請求項3】該溶血試液のPHが4.6〜7.0である特許請求
    の範囲第1項記載の溶血試液。
  4. 【請求項4】前記溶血剤が界面活性剤である特許請求の
    範囲第1項、第2項または第3項記載の溶血試液。
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JP2782470B2 (ja) * 1990-07-20 1998-07-30 株式会社日立製作所 グリコヘモグロビンの分離方法および分離装置並びに分離カラム
JP2010107436A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Tosoh Corp 溶血水溶液及びそれを用いたヘモグロビン類の分離方法

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JPH01143957A (ja) 1989-06-06

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