JP4404428B2 - ヘモグロビン類の測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体クロマトグラフィーによるヘモグロビン類の測定方法に関し、より詳細には、カチオン交換液体クロマトグラフィーによる安定型ヘモグロビンA1cの測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液体クロマトグラフィー(以下、LCという)を用いて試料を分離する場合、溶離液として、一定の溶出力のものを1種類用いる方法や、2種以上の溶離液を用いた勾配溶出法または段階溶出法により、各成分のピークを鋭くし、分離度を改善したり、測定時間を短縮する方法が行われている。
【0003】
上記勾配溶出法(グラジエント溶離法)とは、溶離液の溶出力を弱いものからから強いものへと時間的に直線的に上昇させる方法(図13)であり、送液ポンプを複数台用いて、溶出力の異なる液を送液し、その比率を連続的に変化させることにより、全体的な溶出力を変化させる方法である。
【0004】
また、上記段階溶出法(ステップワイズ溶離法)とは、溶離液の溶出力を段階的に上昇させる方法(図14)であり、送液ポンプ1台を用い、送液ポンプの上流側で電磁弁等により溶出力の異なる液を切り替え、段階的に溶出力を変化させる方法である。
【0005】
これらの方法において、溶離液の溶出力を変化させるには、例えば、溶離液の極性、イオン強度、pHなどが挙げられる。(以上の従来の技術については、日本分析化学会関東支部編、高速液体クロマトグラフィーハンドブック、39〜40頁、117〜119頁、1985年)。
【0006】
しかしながら、各成分の性質が類似していたり、短時間で溶出することが要求されていたりする場合、勾配溶出法で勾配が大きすぎたり、段階溶出法で溶出力を上げすぎたりすると、類似した性質の成分間でピークが重なり、分離に悪影響を及ぼす恐れがある。
そこで、このような場合、ピークが重なるポイントで勾配を緩めたり、全くなくしたり、溶出力の上昇の程度を低くしたりしている。しかしながら、このような対策ではピークの鋭さがなくなったり、また、測定時間が延びたりするなど、勾配溶出法または段階溶出法の利点が発揮されない場合があった。
【0007】
一方、上記液体クロマトグラフィーは、最近臨床検査分野で広く用いられており、特に、血液試料中に含まれている夾雑成分の中から測定対象成分を分離したり、性質の似た複数の成分を相互に分離分析したり、特定の成分を分取するために用いられている。
【0008】
その中でも、糖化ヘモグロビン、特にヘモグロビンA1c(以下、HbA1cという)は糖尿病診断の指標として広く利用されている。HbA1cとは血液中の糖が赤血球に入った後に、ヘモグロビンと不可逆的に結合して生成したものであり、過去1〜2カ月間の血液中の平均的な糖濃度を反映する。
【0009】
液体クロマトグラフィー法によるHbA1cの測定は、主にカチオン交換液体クロマトグラフィー法により行われている(特公平8−7198号公報など)。溶血液試料をカチオン交換液体クロマトグラフィーにより分離すると、通常、ヘモグロビンA1a(以下、HbA1aという)及びヘモグロビンA1b(以下、HbA1bという)、ヘモグロビンF(以下、HbFという)、不安定型HbA1c、安定型HbA1c並びにヘモグロビンA0(以下、HbA0という)などのピークが出現する。なお、糖尿病の診断の指標として使用されているHbA1cは、最近では、上記のうちの安定型HbA1cであり、その割合は、全ヘモグロビンピークの面積に対する安定型HbA1cピークの面積の比率(%)として求められている。
【0010】
しかしながら安定型HbA1cピークと不安定型HbA1cピークの分離が困難であるため、通常、精度良く安定型HbA1cピークのみを測定することが困難であった。
【0011】
また、時に、アセチル化ヘモグロビン(以下、AHbという)やカルバミル化ヘモグロビン(以下、CHbという)等の「修飾ヘモグロビン」が安定型HbA1cと重なって溶離してくるという問題があった。
すなわち、カチオン交換LCによる安定型HbA1c値の測定を目的として、血液検体のヘモグロビン類を測定する際、安定型HbA1cの測定値に影響を与えないように、安定型HbA1cと溶出挙動が近似している不安定型HbA1cやAHb及びCHbピークを、安定型HbA1cピークから分離することが困難であった。
【0012】
さらに、「異常ヘモグロビン」としてヘモグロビンS(以下、HbSという)ヘモグロビンC(以下、HbCという)が知られている。HbSはヘモグロビンA(以下、HbAという)のβ鎖のN末端から6番目のグルタミン酸がバリンに置換されたものであり、HbCは同じ部位がリジンに置換されたものである。これらHbS、HbC、及び下記するHbA2は、HbA0より後に順に溶出される。
そして、これらHbS、HbCを含む検体の安定型HbA1cを測定するときには、これらのピーク面積を除いた他のヘモグロビン成分の合計ピーク面積に対する安定型HbA1cピーク面積の比率(%)を算出して求める必要がある。
【0013】
また、ヘモグロビンA2(以下、HbA2と略す)は、α鎖とδ鎖から成るヘモグロビンであり、HbFと共に地中海性貧血症(tha lassemia)においてその構成比率が正常者より高い。
そして、上記地中海性貧血症を同時に検査したい場合には、HbA2をHbA0から分離できるような溶離条件を設定する。この場合は、全ヘモグロビンに対するHbFとHbA2の構成比率が測定結果として算出される。
【0014】
しかしながら、HbA0とHbS、HbC及びHbA2とのカラムに対する保持能力が近いため、これらのピークを完全に分離するためには、時間を要していただけでなく、精度良く測定することが困難であった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来のヘモグロビン類の測定方法の問題点に鑑み、ヘモグロビン類の分離を短時間で、高分離能で行うことができ、さらに測定再現性の優れたヘモグロビン類の測定方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明(以下、本発明1という)では、カチオン交換液体クロマトグラフィーによるヘモグロビン類の測定方法において、溶出力の異なる少なくとも2種の溶離液(溶離液A及び溶離液B)を用い、溶離液AのpHが、溶離液BのpHより大きく、溶離液Aの安定型ヘモグロビンA1c溶出力が、溶離液Bの安定型ヘモグロビンA1c溶出力よりも小さいことを特徴とするヘモグロビン類の測定方法を提供する。
また、請求項2記載の本発明(以下、本発明2という)では、上記溶離液Aの浸透圧が、上記溶離液Bの浸透圧よりも小さいことを特徴とする請求項1記載のヘモグロビン類の測定方法を提供する。
また、請求項3記載の本発明(以下、本発明3という)では、アルカリ性水溶液添加に対する上記溶離液Aの緩衝能が、上記溶離液Bのそれよりも小さいか、あるいは、それと等しいことを特徴とする請求項1または2記載のヘモグロビン類の測定方法を提供する。
また、請求項4記載の本発明(以下、本発明4という)では、ヘモグロビン類の測定中の溶離液送液工程において、少なくとも、上記溶離液Aを送液した後上記溶離液Bを送液する工程、あるいは、上記溶離液Bを送液した後上記溶離液Aを送液する工程が含まれることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のヘモグロビン類の測定方法を提供する。
また、請求項5記載の本発明(以下、本発明5という)では、上記溶離液A及び/又は溶離液Bにカオトロピックイオンが含有されており、かつ、pH4.0〜6.8で緩衝能を持つ有機酸、無機酸及び/又はこれらの塩が含有されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載のヘモグロビン類の測定方法を提供する。
また、請求項6記載の本発明(以下、本発明6という)では、上記溶離液A及び溶離液Bとは溶出力が異なる溶離液Cを用い、該溶離液Cは、ヘモグロビンA0を溶出するために用い、カラムに流入する際のpHが、ヘモグロビン類の等電点と等しいか、または、等電点よりアルカリ側になるように設定されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか一項に記載のヘモグロビン類の測定方法を提供する。
また、請求項7記載の本発明(以下、本発明7という)では、上記溶離液Cにカオトロピックイオンが含有されていることを特徴とする請求項6記載のヘモグロビン類の測定方法を提供する。
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0017】
本発明1は、溶出力の異なる少なくとも2種の溶離液(本明細書中では、溶離液A及び溶離液Bという)を用い、溶離液AのpHが、溶離液BのpHより大きく、溶離液Aの安定型ヘモグロビンA1c溶出力が、溶離液Bの安定型ヘモグロビンA1c溶出力よりも小さいことを特徴とする。
【0018】
本発明でいう溶離液の安定型ヘモグロビンA1c溶出力は、カチオン交換液体クロマトグラフィーによる測定において、同一ロットの安定型ヘモグロビンA1c試料を、同一カラム、同一分析条件(溶離液を除いて分析に影響する全ての条件が同じ)で、溶出力を評価する溶離液のみを用い、安定型ヘモグロビンA1cの保持時間を測定して、これを比較することにより求めることができる。
すなわち、溶離液Aと溶離液Bの場合で、安定型HbA1cの保持時間を測定したとき、保持時間がそれぞれTA 、TB であったとすると、TA >TB (つまり溶離液Bの場合より溶離液Aの場合の方が安定型HbA1cの溶出に時間がかかる)である場合、安定型ヘモグロビンA1c溶出力は、溶離液Aのほうが溶離液Bよりも小さいということになる。
上記溶離液の溶出力を変える方法としては、pHや塩濃度、イオン強度、溶液の極性を変える方法が挙げられる。
【0019】
本発明において上記溶離液AのpHが、溶離液BのpHより大きいとは、市販のpH測定装置(例えば、カスタニーLAB pHメーター(F23)、堀場製作所社製)で溶離液A及び溶離液Bを測定した場合、溶離液AのpHが溶離液BのpHより大きいということである。
具体的には、液温20℃の場合、溶離液AのpHは溶離液Bに比べて、0.001〜3.000大きいことが好ましく、さらに好ましくは、0.010〜2.500大きく、またさらには、0.020〜2.000大きいものが好ましい。
【0020】
上記溶離液A及びBは、ヘモグロビン類測定中の溶離液送液工程において、上記HbA1a、HbA1b、HbF、不安定型HbA1c、安定型HbA1c、HbA0、異常ヘモグロビン(HbS、HbC)、HbA2、及び修飾ヘモグロビン(AHb、CHb)を最適に分離できるように送液する。
【0021】
測定に用いられる溶離液としては、上記溶離液A、B以外にも近接したピークを分離するために他の溶離液を用いても良い。また、測定終了後は、カラム洗浄液、または、溶離液A、Bより溶出力の強い溶離液でカラム洗浄を行うことが好ましい。
【0022】
本発明2は、溶離液Aの浸透圧が、溶離液Bの浸透圧よりも小さいことを特徴とする。
上記溶離液Aの浸透圧が、溶離液Bの浸透圧よりも小さいとは、市販の浸透圧測定装置(例えば、オズモスタット(OM-6020)、京都第一科学社製)において、溶離液A、Bの浸透圧を測定した場合、溶離液Bの浸透圧より溶離液Aの浸透圧が小さいということである。
具体的には、上記装置において溶離液を測定した場合、溶離液Bの浸透圧は、溶離液Aに比べて24.45〜24450hPa(上記OM-6020 で測定した場合は、1〜1000mOsm、1mOsm=24.45hPa)大きく、より好ましくは、48.90〜12225hPa(2〜500mOsm)大きく、更には、122.25〜7335hPa(5〜300mOsm)大きいのが好ましい。
上記溶離液の浸透圧を変える方法としては、溶離液に酸、アルカリ、塩等を添加する方法が挙げられる。
【0023】
本発明3は、アルカリ性水溶液添加に対する溶離液Aの緩衝能が、溶離液Bのそれよりも小さいか、あるいは、それと等しいことを特徴とする。
【0024】
上記アルカリ性水溶液添加に対する溶離液Aの緩衝能が、溶離液Bのそれよりも小さいとは、例えば、溶離液A及びB各100mlに0.1モル/Lの水酸化ナトリウム1mlを添加した時、溶離液AのpH増加分(X)が、溶離液BのpH増加分(Y)と比べて同等以上であることを意味する。
本発明においては、緩衝能の差(K)を以下のように定義する。
緩衝能の差K=(溶離液AのpH増加分X)−(溶離液BのpH増加分Y) 上記、溶離液の緩衝能の差(K)は、液温20℃において、0.001〜3.000であることが好ましく、さらに好ましくは、0.002〜1.000である。
【0025】
上記溶離液には、通常、緩衝能を有する物質として、無機酸、有機酸またはこれらの塩が含まれる。
上記無機酸としては、例えば、炭酸、リン酸等が挙げられる。上記有機酸としては、例えば、カルボン酸、ジカルボン酸、カルボン酸誘導体、ヒドロキシカルボン酸、アミノ酸、カコジル酸、ピロリン酸等が挙げられる。
上記カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸等が挙げられる。上記ジカルボン酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等が挙げられる。上記カルボン酸誘導体としては、例えば、β、β−ジメチルグルタル酸、バルビツール酸、アミノ酪酸等が挙げられる。上記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、クエン酸、酒石酸、乳酸等が挙げられる。上記アミノ酸としては、例えば、アスパラギン酸、アスパラギン等が挙げられる。
上記無機酸または有機酸の塩としては、公知のもので良く、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
上記無機酸、有機酸またはこれらの塩は、複数種混合して用いても良く、無機酸と有機酸を混合して用いても良い。
上記無機酸、有機酸及び/またはこれらの塩の溶離液中の濃度、複数種用いる場合には複数種の合計の濃度は、溶離液のpHを4.0〜6.8にする緩衝作用があれば良く、1〜1000mMが好ましく、10〜500mMが特に好ましい。
【0026】
本発明4においては、ヘモグロビン類測定中の溶離液送液工程は、少なくとも、上記溶離液Aを送液した後上記溶離液Bを送液する工程、あるいは、上記溶離液Bを送液した後上記溶離液Aを送液する工程を含むものである。
【0027】
すなわち、上記送液方法とは、溶離液A、BをA−B、A−B−A、A−B−A−B、A−B−A−B−A・・・、または、B−A、B−A−B、B−A−B−A、B−A−B−A−B・・・・のように交互に流すことで、交互に流す回数、A及びBの順番は、近接したピークを分離溶離するために適宜最適なものにすることが好ましい。
また、測定に用いる溶離液としては、上記A、B以外の溶離液を組み合わせても良い。
【0028】
上記溶離液は、例えば、溶出力のより弱い溶離液AによりHbA1aからHbF付近まで溶離し、次に溶出力の強い溶離液Bに切り替えてHbA1cまでを溶離し、再び、溶離液Aを流し、その後溶出力の最も強い溶離液に切り替えてHbA0以降に溶出するヘモグロビン成分を溶出させる。このように、HbA1c溶離後、溶離液Aを再び流すことにより、HbA1cピーク近傍に、妨害ピークが出現せず、HbA1cを正確にしかも再現性良く分離溶離できる。
【0029】
本発明5では、溶離液A及び/又は溶離液Bには、カオトロピックイオン、かつ、pH4.0〜6.8で緩衝能を持つ有機酸、無機酸及び/又はこれらの塩が含有されていることを特徴とする。
【0030】
上記カオトロピックイオンとは、化合物が水溶液に溶解したときに解離により生じたイオンであり、水の構造を破壊し、疎水性物質と水が接触したときに起こる水のエントロピー減少を抑制するものである。
陰イオンのカオトロピックイオンとしては、トリブロモ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオン、チオシアン酸イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、ジクロロ酢酸イオン、硝酸イオン、臭化物イオン、塩化物イオン、酢酸イオン等が挙げられる。また、陽イオンのカオトロピックイオンとしては、バリウムイオン、カルシウムイオン、リチウムイオン、セシウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、グアニジンイオン等が挙げられる。
これらのカオトロピックイオンの中で第5の発明に用いられるものは、陰イオンとして、トリブロモ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオン、チオシアン酸イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、ジクロロ酢酸イオン、硝酸イオン、臭化物イオン等を、陽イオンとして、バリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、リチウムイオン、セシウムイオン、グアニジンイオン等を用いるのが好ましい。さらに、より好ましくは、トリブロモ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオン、ヨウ化物イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、硝酸イオン、グアニジンイオン等が用いられる。
上記溶離液中のカオトロピックイオンの濃度が、0.1mMより低いとヘモグロビン類の測定において、分離効果が低下するおそれがあり、また、3000mMよりも高いと、ヘモグロビン類の分離効果はそれ以上向上しないので、0.1mM〜3000mMが好ましく、1mM〜1000mMがより好ましく、更に、10mM〜500mMが好ましい。
また、カオトロピックイオンは複数種混合して用いても良い。
上記カオトロピックイオンは、測定試料と接触する液、例えば、溶血試薬、試料希釈液等に添加しても良い。
【0031】
また、上記溶離液のpHは、4.0〜6.8であることが好ましく、さらに好ましくは4.5〜5.8である。溶離液のpHが4未満であると、ヘモグロビン類が変性する可能性があり、pHが6.8を超えると、ヘモグロビン類のプラス荷電が減少し、陽イオン交換基に保持されにくくなり、ヘモグロビン類の分離が悪くなる。
【0032】
尚、上記溶離液のpHは、例えば、後述のpH調節剤の添加量により調節できる。
上記pHの異なる2種類以上の溶離液を、勾配溶出法、あるいは段階溶出法によって送液しても良い。
【0033】
本発明6では、上記溶離液A及び溶離液Bとは溶出力が異なる溶離液Cを用い、該溶離液CはHbA0を溶出するために用い、カラムに流入する際のpHが、ヘモグロビン類の等電点と等しいか、または、等電点よりアルカリ側になるように設定されているものを用いる。また上記溶離液Cは、HbA0以外の成分の溶出、例えば、HbSやHbCの溶出に用いることもでき、また、測定終了時におけるカラム洗浄液としても用いることができる。
【0034】
本発明6において、HbA0の溶出に際し、すなわち、HbA1cより強く充填剤に保持されたHbA等から成る「HbA0成分」を溶出するためには、カラムに流入する際のpHをヘモグロビンの等電点よりアルカリ側になるように設定した溶離液を用いるのが好ましい。この条件を実現するには、pHがヘモグロビンの等電点よりアルカリ側であるひとつの溶離液を送液する方法や、pHの異なる2種以上の溶離液を用いる方法がある。
ヘモグロビンはpHが等電点より酸性側からアルカリ側になると、総荷電がプラスからマイナスに変わるため、充填剤の陽イオン交換基との「電気的反発力によってHbA0成分を溶出」させることができる。
なお、理化学辞典(第4版、1987年9月、岩波書店、久保亮五ら編集)、1178頁に記載されているように、ヘモグロビンの等電点はpH6.8〜7.0である。そのため、HbA0成分を溶出するために、カラムに流入する際の溶離液のpHを6.8以上にすることがより好ましい。
この条件を満たすため、測定に用いる溶離液の内、少なくともひとつの溶離液のpHが6.8以上であることが必要である。本溶離液のpHは望ましくは7.0〜12.0であり、7.5〜11.0がより好ましく、更には8.0〜9.5が好ましい。溶離液のpHが6.8未満になるとHbA0成分の溶出が不十分となる。溶離液のpHは、用いる充填剤の分解が起こらない範囲に設定すれば良い。
HbA0成分の溶出に好適に用いられるpHが6.8以上で緩衝能をもつ溶離液としては、例えば、リン酸、ホウ酸、炭酸等の無機酸または、その塩;クエン酸等のヒドロキシカルボン酸、β、β−ジメチルグルタル酸等のカルボン酸誘導体、マレイン酸等のジカルボン酸、カコジル酸、等の有機酸または、その塩からなる緩衝液が挙げられる。その他、2−(N−モリホリノ)エタンスルホン酸(MES)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−エタンスルホン酸(HEPES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス−(ヒドロキシメチル)メタン(Bistris)、Tris、ADA、PIPES、Bistrispropane、ACES、MOPS、BES、TES、HEPES、HEPPS、Tricine、Bicine、グリシルグリシン、TAPS、CAPS等の一般にグッド(Good)の緩衝液といわれるものも使用できる。また、BrittonとRobinsonの緩衝液;GTA緩衝液も使用できる。また、イミダゾール等のイミダゾール類;エチレンジアミン、メチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類;グリシン、β−アラニン、アスパラギン酸、アスパラギン等のアミノ酸類;等の有機物も使用できる。
また、無機酸;有機酸;無機酸または有機酸の塩;有機物は、複数混合して用いても良く、また、有機酸、無機酸及び有機物を混合しても良い。
【0035】
本発明7の溶離液Cには、カオトロピックイオンが含有されている。すなわち、より効果的にHbA0成分を溶出するためには、上記溶離液にカオトロピックイオンを添加するのが好ましい。
添加するカオトロピックイオンの種類は、上述の発明5におけるものと同様のものがあげられる。また、その濃度は、1〜3000mMが好ましく、より好ましくは10〜1000mMであり、特に好ましくは50〜500mMの範囲である。。
【0036】
さらに本発明における上記溶離液群には、以下の物質を添加しても良い。
(1)無機塩類(塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸ナトリウム等)を添加しても良い。これらの塩類の濃度は、特に限定されないが、好ましくは1〜1500mMである。
(2)pH調節剤として、公知の酸、塩基を加えても良い。酸としては、例えば、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸等が、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。これらの酸、塩基の濃度は、特に限定されないが、好ましくは、0.001〜500mMである。
(3)メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン等の水溶性有機溶媒を混合しても良い。これらの有機溶媒の濃度は、特に限定されないが、好ましくは0〜80%(v/v)であり、カオトロピックイオン、無機酸、有機酸、これらの塩等が析出しない程度で用いるのが好ましい。
(4)アジ化ナトリウム、チモール等の防腐剤を添加しても良い。
(5)ヘモグロビンの安定剤として、公知の安定剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のキレート剤、グルタチオン、アジ化ナトリウム等の還元剤・酸化防止剤等を添加しても良い。
【0037】
本発明における上記溶離液A・B・Cでは、緩衝能を持つ物質としては、酸解離定数(pKa)が、2.15〜6.39及び6.40〜10.50の範囲に存在するものが用いるのが好ましい。すなわち、緩衝剤として、pKaを、2.15〜6.39及び6.40〜10.50の範囲に少なくとも一つずつもつ単一の物質を用いても良く、あるいは、2.15〜6.39の範囲に少なくとも一つのpKaをもつ物質と6.40〜10.50の範囲に少なくとも一つのpKaをもつ物質とを組み合わせて緩衝剤として用いても良い。また、上記緩衝剤を複数組み合わせて用いても良い。
上記緩衝剤のpKaの範囲は、測定目的のピークを分離するのに適切な溶離液のpH付近において、より優れた緩衝能を発揮できるように、2.61〜6.39及び6.40〜10.50の範囲が好ましく、より好ましくは、2.80〜6.35及び6.80〜10.00の範囲である。さらに好ましくは、3.50〜6.25及び7.00〜9.50の範囲である。
上記緩衝剤としては、例えば、リン酸、ホウ酸、炭酸等の無機物のほか、カルボン酸、ジカルボン酸、カルボン酸誘導体、ヒドロキシカルボン酸、アニリンまたはアニリン誘導体、アミノ酸、アミン類、イミダゾール類、アルコール類等の有機物が挙げられる。また、エチレンジアミン四酢酸、ピロリン酸、ピリジン、カコジル酸、グリセロールリン酸、2,4,6−コリジン、N−エチルモルホリン、モルホリン、4−アミノピリジン、アンモニア、エフェドリン、ヒドロキシプロリン、ペリジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、グリシルグリシン等の有機物でも良い。
上記カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、安息香酸等が挙げられる。
上記ジカルボン酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フタル酸、フマル酸等が挙げられる。
上記カルボン酸誘導体としては、例えば、β,β’−ジメチルグルタル酸、バルビツール酸、5,5−ジエチルバルビツール酸、γ−アミノ酪酸、ピルビン酸、フランカルボン酸、ε−アミノカプロン酸等が挙げられる。
上記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、酒石酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸等が挙げられる。
上記アニリンまたはアニリン誘導体としては、例えば、アニリン、ジメチルアニリン等が挙げられる。
上記アミノ酸としては、例えば、アスパラギン酸、アスパラギン、グリシン、α−アラニン、β−アラニン、ヒスチジン、セリン、ロイシン等が挙げられる。
上記アミン類としては、例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジエタノールアミン等が挙げられる。上記イミダゾール類としては、例えば、イミダゾール、5(4)−ヒドロキシイミダゾール、5(4)−メチルイミダゾール、2,5(4)−ジメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記アルコール類としては、例えば、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
また、上記緩衝剤としては、2−(N−モリホリノ)エタンスルホン酸(MES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス−(ヒドロキシメチル)メタン(Bistris)、N−(2−アセトアミド)イミドジ酢酸(ADA)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、1,3−ビス(トリス(ヒドロキシメチル)−メチルアミノ)プロパン(Bistrispropane)、N−(アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、3−(N−モルフォリン)プロパンスルホン酸(MOPS)、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−エタンスルホン酸(HEPES)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−プロパンスルホン酸(HEPPS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(Tricine)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノエタン(Tris)、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、グリシルグリシン、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、グリシン、シクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸(CAPS)等の一般にグッド(Good)の緩衝液といわれるものを組成する物質も使用できる。これらの物質のpKaを表1・2に示す(引用文献:堀尾武一・山下仁平 蛋白質・酵素の基礎実験法 南江堂 1985年)。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
溶離液中の上記緩衝剤濃度は、緩衝作用がある範囲であれば良く、好ましくは1〜1000mM、より好ましくは10〜500mMである。また、上記緩衝剤は、単独でも複数混合して用いても良く、例えば、有機物と無機物を混合して用いても良い。
また、その場合、測定目的のピークを分離するにあたって用いる溶離液は、同一の緩衝剤を含むものを用いるのが好ましいが、溶離液を切り替える際の、(検出器出力の)ベースライン変動が、測定値に悪影響を与えなければ、その必要はない。
さらに、ベースライン変動をより小さくするために、上記測定目的のピークを分離するにあたって用いる溶離液は、緩衝剤の濃度も同一であるものを用いるのがより好ましい。
【0041】
(溶出方法)
本発明の溶離液は、ヘモグロビン類の分離能、特にHbAc1の分離のために特定の溶出方法を用いることができる。
すなわち、本発明の特定の局面では、HbA0よりも前に溶出するヘモグロビン類の溶出にpH4.0〜6.8の溶離液を少なくとも2種類(溶離液A、B)以上用い、HbA0の溶出に溶離液Cを用いる方法、或いは、HbA0よりも前に溶出するヘモグロビン類の溶出に少なくとも2種類(溶離液A、B)以上用い、かつ、溶出力の最も弱い溶離液を先に流し、目的のピークが最適に分離溶離されるように溶離液A、Bを交互に流す方法を用いる。
これにより、Hb類特に安定型HbA1cをシャープに溶出することができる。
【0042】
さらに、本発明の特定の局面では、安定型HbA1cの測定に悪影響を与える可能性のあるのヘモグロビン成分(HbA2、HbS、HbC等)を含む血液検体を測定する場合、上記HbA0成分を、HbAと測定に悪影響を与えるHb類(HbA2、HbS及びHbC)とに分離し、HbAを溶出させた後に、測定に悪影響を与える上記Hb類(HbA2、HbS及びHbC)を溶離させる測定方法であるので、HbA0ピークからHbA以外のヘモグロビン成分を除けることができ、より正確な安定型HbA1c(%)を算出できる。
ここで、上記HbA2、HbS、HbC等を溶離させる場合におけるHbA0を溶出するための溶離液とは、HbA2、HbS、HbC等を含みHbAを主成分とするHbA0ピークを溶出するために用いる溶離液を意味する。この場合では、HbA0を溶出するための溶離液の後に、HbA2、HbS、HbC等を溶離するために、より溶出力の強い溶離液を送液することが必要となる場合がある。
【0043】
またさらに、本発明の特定の局面では、勾配溶出法または段階溶出法によって溶離液を送液するに際し、分離対象のピークまたはピーク間の溶離タイミングを考慮して分離対象のピークまたはピーク間の分離状態が良くなるように、溶離液の溶出力を一旦低下させる。
具体的には、段階溶出法の場合、溶出力の弱い溶離液から溶出力の強い溶離液に切り替えて送液した後、溶出力の弱い溶離液に切り替え、しばらくしてから溶出力の強い溶離液に切り替えて送液する。
本発明の方法を段階溶出法によって行う場合の装置の構成例を図1に示した。溶離液A,B,C,Dは、各々溶出力の異なる(例えば、塩濃度、pH、極性等において異なる)ものであり、電磁弁1によって設定時間に各溶離液に切り替えられるように構成されている。溶離液は、送液ポンプ2により、試料注入部3から導入された試料とともにカラム4に導かれ、各成分が検出器5により検出される。各ピークの面積、高さ等はインテグレータ6により算出される。
【0044】
(充填剤)
本発明のヘモグロビン類の測定方法における陽イオン交換液体クロマトグラフィーの充填剤は、少なくとも1種以上のカチオン交換基を有している粒子よりなるものであり、例えば、高分子粒子にカチオン交換基を導入することで得られる。
【0045】
該カチオン交換基は、公知のものでよく特に制限はない。例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などのカチオン交換基等が挙げられる。また、このカチオン交換基は、複数種導入しても良い。
【0046】
上記粒子の直径は、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは1〜10μmである。
また、粒度分布は、変動係数値(CV値)(粒径の標準偏差÷平均直径×100)として、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。
【0047】
上記高分子粒子としては、例えば、シリカ、ジルコニアなどの無機系粒子;セルロース、ポリアミノ酸、キトサンなどの天然高分子粒子;ポリスチレン、ポリアクリル酸エステルなどの合成高分子粒子などが挙げられる。
上記高分子粒子は、導入されるイオン交換基以外の構成成分は、より親水性であることが好ましい。また耐圧性・耐膨潤性の点から架橋度の高いものが好ましい。
【0048】
上記高分子粒子へのカチオン交換基の導入は、公知の方法により行うことができるが、例えば、高分子粒子を調製後、粒子が有する官能基(水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基など)に、化学反応でカチオン交換基を粒子に導入させる方法により行うことができる。
【0049】
また、カチオン交換基を有する単量体を重合して高分子粒子を調製する方法によってもカチオン交換充填剤を調製できる。例えば、カチオン交換基含有単量体と架橋性単量体等とを混合し、重合開始剤の存在下に重合する方法などが挙げられる。
【0050】
また、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの重合性カチオン交換基含有エステルを架橋性単量体などと混合し、重合開始剤存在下で重合した後、得られた粒子を加水分解処理し、エステルをカチオン交換基に変換させてもよい。
【0051】
更に、特公平8−7197号公報に記載のように、架橋重合体粒子を調製した後、カチオン交換基を有する単量体を添加して、重合体粒子の表面付近に、該単量体を重合させても良い。
【0052】
上記充填剤はカラムに充填されて液体クロマトグラフィー測定に用いられる。上記カラムは公知のステンレス製、ガラス製、樹脂製など、特に限定されない。カラムサイズとしては、内径0.1〜50mm、長さ1〜300mmのものが好ましく、内径0.2〜30mm、長さ5〜200mmのものがより好ましい。充填剤のカラムへの充填方法は、公知の任意の方法が使用できるがスラリー充填法がより好ましい。具体的には、例えば、充填剤粒子を溶離液などの緩衝液に分散させたスラリーを送液ポンプなどによりカラムに圧入することにより行う。
【0053】
本発明方法で用いるカラムのフィルターまたはプレフィルターとしては、イナートな素材からなるフィルター、または、そのフィルターの表面がイナートな素材で覆われているフィルターを用いるのが好ましい。
【0054】
本発明でカラムのフィルターまたはプレフィルターの表面素材として用いるフィルターのイナートな素材としては、セルロースエステル、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロース、セルロースナイトレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンジフロライド、ポリスルフォン、ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン、ガラス素材、アクリル共重合体、酸化物セラミック、炭化物セラミック、窒化物セラミック、珪化物セラミック、硼化物セラミック、チタンから成る群の中から少なくとも一つ、または、複数組み合わせてなることを特徴とする。
【0055】
上記フィルターの形状は、メンブレンフィルター、繊維を積層し焼結したもの、微粒子を焼結成型したものなどがある。
【0056】
本発明に使用されるLC装置は、公知のもので良く、例えば、送液ポンプ、試料注入装置(サンプラ)、カラム、検出器等から構成される。また、他の付属装置(カラム恒温槽や溶離液の脱気装置等)が適宜付加されても良い。
【0057】
上記測定法における、他の測定条件としては、公知の条件で良く、溶離液の流速は、好ましくは0.05〜5mL/分、より好ましくは0.2〜3mL/分である。ヘモグロビン類の検出は、415nmの可視光が好ましいが、特にこれのみに限定されるわけではない。測定試料は、通常、界面活性剤等溶血活性を有する物質を含む溶液により溶血された溶血液を希釈したものを用いる。試料注入量は、血液検体の希釈倍率により異なるが、好ましくは0.1〜100μL程度である。
【0058】
【実施例】
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0059】
(実施例1)
充填剤の調製
テトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学製)450gにベンゾイルパーオキサイド2.0gを混合して溶解させ、2.5Lの4重量%ポリビニルアルコール水溶液に分散させた。
これを窒素雰囲気下で攪拌しながら昇温し、80℃で1.5時間重合させた。反応系を35℃に冷却した後、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(東京化成製)200gを添加して1時間攪拌し、再び80℃で1.3時間重合させた。
重合後、洗浄し、分級して平均粒径6.5μmの充填剤を得た。
【0060】
充填剤のカラムへの充填
得られた粒子をカラムに以下のようにして充填した。粒子0.7gを、50mMリン酸緩衝液(pH5.8)30mLに分散し、5分間超音波処理した後、よく撹拌した。全量をステンレス製の空カラム(内径4.6×35mm)を接続したパッカー(梅谷精機社製)に注入した。パッカーに送液ポンプ(サヌキ工業社製)を接続し、圧力300kg/cm2 で定圧充填した。
【0061】
ヘモグロビン類の測定
得られたカラムを用いて、以下の測定条件でヘモグロビン類の測定を行った。
測定開始より0〜2.5分の間は溶離液Bを送液し、2.5〜3.0分の間は溶離液Aを送液し、3.0〜3.1分の間は溶離液Cを送液し、3.1〜4.0分の間は溶離液Bを送液した。
流速:2.0mL/分
検出波長:415nm
試料注入量:10μL
【0062】
(測定試料)
健常人血をフッ化ナトリウム採血した全血検体から以下の試料を調製した。なお、溶血試薬として、0.1重量%ポリエチレングリコールモノ−4−オクチルフェニルエーテル(トリトンX−100)(東京化成社製)を含有させたリン酸緩衝液溶液(pH7.0)を用いた。
【0063】
(測定結果)
図2に示すように、不安定型HbA1c と安定型HbA1c が良好に分離した。ピーク1はHbA1a及びHbA1b、ピーク2はHbF、ピーク3は不安定型HbA1c、ピーク4は安定型HbA1c、ピーク5はHbA0を示す。
また、安定型HbA1c の後ろに、妨害ピークが出ず、表3に示すように、安定型HbA1c の測定再現性は、良好であった。
【0064】
【表3】
【0065】
(溶離液A,B の溶出力の評価)
測定試料は、グリゴHbコントロール(国際試薬株式会社)のレベル(II)を添付資料に基づいて調製して用いた。
測定条件は、溶出力を評価する溶離液と上記溶離液Cを用い、溶離液Cの影響が無いように、溶出力を評価する溶離液を長時間を流して、安定型HbA1c の保持時間を求めた。
その結果、溶離液A :3.0 分、溶離液B:2.2 分であった。
【0066】
(実施例2)
充填剤の調製
テトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学製)450gにベンゾイルパーオキサイド2.0gを混合して溶解させ、2.5Lの4重量%ポリビニルアルコール水溶液に分散させた。
これを窒素雰囲気下で攪拌しながら昇温し、80℃で1.5時間重合させた。反応系を35℃に冷却した後、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(東京化成製)200gを添加して1時間攪拌し、再び80℃で1.3時間重合させた。
重合後、洗浄し、分級して平均粒径6.5μmの充填剤を得た。
【0067】
充填剤のカラムへの充填
得られた粒子をカラムに以下のようにして充填した。粒子0.7gを、50mMリン酸緩衝液(pH5.8)30mLに分散し、5分間超音波処理した後、よく撹拌した。全量をステンレス製の空カラム(内径4.6×35mm)を接続したパッカー(梅谷精機社製)に注入した。パッカーに送液ポンプ(サヌキ工業社製)を接続し、圧力300kg/cm2 で定圧充填した。
【0068】
ヘモグロビン類の測定
得られたカラムを用いて、以下の測定条件でヘモグロビン類の測定を行った。
【0069】
測定開始より0〜0.6分の間は溶離液Aを送液し、0.6〜0.9分の間は溶離液Bを送液し、0.9〜1.2分の間は溶離液Aを送液し、1.2〜1.3分の間は溶離液Cを送液し、1.3〜1.8分の間は溶離液Aを送液した。
流速:2.0mL/分
検出波長:415nm
試料注入量:10μL
【0070】
(測定試料)
健常人血をフッ化ナトリウム採血した全血検体から以下の試料を調製した。なお、溶血試薬として、0.1重量%ポリエチレングリコールモノ−4−オクチルフェニルエーテル(トリトンX−100)(東京化成社製)を含有させたリン酸緩衝液溶液(pH7.0)を用いた。
a)糖負荷血:全血検体に500mg/dLのグルコース水溶液を添加し、37℃で3時間反応させ、次いで上記溶血試薬により溶血し、150倍に希釈して試料aとした。
b)CHb含有試料:全血検体10mLに、0.3重量%のシアン酸ナトリウムの生理食塩水溶液1mLを添加し、37℃で3時間反応させ、次いで上記溶血試薬により溶血し、150倍に希釈して試料bとした。
c)AHb含有試料:全血検体10mLに、0.3重量%のアセトアルデヒドの生理食塩水溶液1mLを添加し、37℃で3時間反応させ、次いで上記溶血試薬により溶血し、150倍に希釈して試料cとした。
【0071】
(測定結果)
上記測定条件により、試料を測定して得られたクロマトグラムを図3〜5に示す。図3は試料a、図4は試料b、図5は試料cを測定した結果である。ピーク6はCHb、ピーク7はAHbを示す。
図3では、ピーク3および4が良好に分離されている。また、図4ではピーク6(CHb)、図5ではピーク7(AHb)がピーク4から良好に分離されている。
【0072】
(溶離液A,B の溶出力の評価)
測定試料は、グリゴHbコントロール(国際試薬株式会社)のレベル(II)を添付資料に基づいて調製して用いた。
測定条件は、溶出力を評価する溶離液と上記溶離液Cを用い、溶離液Cの影響が無いように、溶出力を評価する溶離液を長時間を流して、安定型HbA1c の保持時間を求めた。
その結果、溶離液A :2.5 分、溶離液B:1.7 分であった。
【0073】
(浸透圧の測定)
溶離液A、Bの浸透圧を浸透圧測定装置(オズモスタット(OM-6020 )、京都第一科学社製)で測定した。その結果、溶離液A:163mOsm(3985.35hpa) 、溶離液B:220mOsm(5379hpa)であった。
【0074】
(緩衝能の差の評価)
溶離液A、Bそれぞれ100ml に0.1 モル/ Lの水酸化ナトリウム(和光純薬)1ml 添加した時のpH増加分をpH測定装置(カスタニーLABpH メーター(F23)、堀場製作所社製)で測定した。その結果、緩衝能の差は、0.002 であった。
【0075】
(実施例3)
溶離液を以下の組成としたこととカラムのフィルターにポリエチレン製のフィルター(直径5mm×厚さ1.5mm)を用いたことの他は、実施例2と同様に操作してヘモグロビン類の測定を行った。得られたクロマトグラムは図2〜4と同様に良好であった。
【0076】
(溶離液A,B の溶出力の評価)
測定試料は、グリゴHbコントロール(国際試薬株式会社)のレベル(II)を添付資料に基づいて調製して用いた。
測定条件は、溶出力を評価する溶離液と上記溶離液Cを用い、溶離液Cの影響が無いように、溶出力を評価する溶離液を長時間を流して、安定型HbA1c の保持時間を求めた。
その結果、溶離液A :2.6 分、溶離液B:1.8 分であった。
【0077】
(浸透圧の測定)
溶離液A、Bの浸透圧を浸透圧測定装置(オズモスタット(OM-6020 )、京都第一科学社製)で測定した。その結果、溶離液A:162mOsm(3960.9hpa)、溶離液B:218mOsm(5330.1hpa)であった。
【0078】
(緩衝能の差の評価)
溶離液A、Bそれぞれ100ml に0.1 モル/ Lの水酸化ナトリウム(和光純薬)1ml 添加した時のpH増加分をpH測定装置(カスタニーLABpH メーター(F23)、堀場製作所社製)で測定した。その結果、緩衝能の差は、0.050 であった。
【0079】
(比較例1)
溶離液を以下の組成としたことと送液方法を以下のようにした他は、実施例2と同様に操作してヘモグロビン類の測定を行った。
測定開始より0〜0.8分の間は溶離液Dを送液し、0.8〜1.2分の間は溶離液Eを送液し、1.2〜1.3分の間は溶離液Fを送液し、1.3〜1.8分の間は溶離液Dを送液した。
【0080】
得られたクロマトグラムを図6〜8に示す。図6は試料a、図7は試料b、図8は試料cを測定した結果である。 図3〜5に比較して、いずれもHbA1c ピークの後ろに妨害ピークが出現して、測定試料aを測定した場合、表3に示すようにHbA1c 測定再現性が実施例1〜3比べて比較例1が悪いことが明らかである。
【0081】
(溶離液D,Eの溶出力の評価)
測定試料は、グリゴHbコントロール(国際試薬株式会社)のレベル(II)を添付資料に基づいて調製して用いた。
測定条件は、溶出力を評価する溶離液と上記溶離液Fを用い、溶離液Fの影響が無いように、溶出力を評価する溶離液を長時間を流して、安定型HbA1cの保持時間を求めた。
その結果、溶離液D:2.5 分、溶離液E:1.7 分であった。
【0082】
(浸透圧の測定)
溶離液D、Eの浸透圧を浸透圧測定装置(オズモスタット(OM-6020 )、京都第一科学社製)で測定した。その結果、溶離液D:163mOsm(3985.35hpa) 、溶離液E:220mOsm(5379hpa)であった。
【0083】
(緩衝能の差の評価)
溶離液D、Eそれぞれ100ml に0.1 モル/ Lの水酸化ナトリウム(和光純薬)1ml 添加した時のpH増加分をpH測定装置(カスタニーLABpH メーター(F23)、堀場製作所社製)で測定した。その結果、緩衝能の差は、-0.002であった。
【0084】
(比較例2)
溶離液を以下の組成としたことの他は、比較例1と同様に操作してヘモグロビン類の測定を行った。
測定開始より0〜0.8分の間は溶離液Hを送液し、0.8〜1.2分の間は溶離液Iを送液し、1.2〜1.3分の間は溶離液Jを送液し、1.3〜1.8分の間は溶離液Hを送液した。
【0085】
得られたクロマトグラムを図9〜11に示す。図9は試料a、図10は試料b、図11は試料cを測定した結果である。 実施例1〜3及び比較例1よりも、不安定型HbA1c 、CHb 及びAHb の分離が悪くなった。
【0086】
(溶離液H,I の溶出力の評価)
測定試料は、グリゴHbコントロール(国際試薬株式会社)のレベル(II)を添付資料に基づいて調製して用いた。
測定条件は、溶出力を評価する溶離液と上記溶離液Jを用い、溶離液Jの影響が無いように、溶出力を評価する溶離液を長時間を流して、安定型HbA1c の保持時間を求めた。
その結果、溶離液H:2.5 分、溶離液I:1.7 分であった。
【0087】
(浸透圧の測定)
溶離液H、Iの浸透圧を浸透圧測定装置(オズモスタット(OM-6020 )、京都第一科学社製)で測定した。その結果、溶離液H:163mOsm(3985.35hpa) 、溶離液I:220mOsm(5379hpa)であった。
【0088】
(緩衝能の差の評価)
溶離液H、Iそれぞれ100ml に0.1 モル/ Lの水酸化ナトリウム(和光純薬)1ml 添加した時のpH増加分をpH測定装置(カスタニーLABpH メーター(F23)、堀場製作所社製)で測定した。その結果、緩衝能の差は、0.050 であった。
【0089】
(カラム耐久性の評価)
実施例1〜3及び比較例1の溶離条件で、上記測定サンプルaを100検体づつ連続測定し、カラム耐久性を評価した。
図12に示すように、実施例1〜3では、HbA1c測定値は、1000検体まで一定であったが、比較例1では連続測定するに従って、HbA1cピークに妨害ピークが重なり、測定値が次第に大きくなった。
【0090】
【発明の効果】
本発明のヘモグロビン類の測定方法は、上述の通り構成され、勾配溶出法または段階溶出法を用いたカチオン交換液体クロマトグラフィーによるヘモグロビン類の測定方法において、ヘモグロビン類の分離を短時間で、高分離能で行うことができ、さらに測定再現性の優れたヘモグロビン類の測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カチオン交換液体クロマトグラフィー装置の構成例を示す図。
【図2】実施例1の測定条件により、ヘモグロビン類の測定を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図3】実施例2の測定条件により、ヘモグロビン類の測定(試料a)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図4】実施例2の測定条件により、ヘモグロビン類の測定(試料b)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図5】実施例2の測定条件により、ヘモグロビン類の測定(試料c)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図6】比較例1の測定条件により、ヘモグロビン類の測定(試料a)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図7】比較例1の測定条件により、ヘモグロビン類の測定(試料b)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図8】比較例1の測定条件により、ヘモグロビン類の測定(試料c)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図9】比較例2の測定条件により、ヘモグロビン類の測定(試料a)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図10】比較例2の測定条件により、ヘモグロビン類の測定(試料b)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図11】比較例2の測定条件により、ヘモグロビン類の測定(試料c)を行った際に得られたクロマトグラムを示す図。
【図12】実施例1〜3及び比較例1における測定回数の増加にともなう安定型HbA1c値の変動を示す図。
【図13】勾配溶出法による溶離液の送液方法を示す図。
【図14】段階溶出法による溶離液の送液方法を示す図。
【符号の説明】
1 HbA1a及びbのピーク
2 HbFのピーク
3 不安定型HbA1cのピーク
4 安定型HbA1cのピーク
5 HbA0のピーク
6 CHbのピーク
7 AHbのピーク
8 妨害ピーク
Claims (6)
- カチオン交換液体クロマトグラフィーによるヘモグロビン類の測定方法において、
溶出力の異なる少なくとも2種の溶離液(溶離液A及び溶離液B)を用い、
溶離液AのpHが、溶離液BのpHより液温20℃で0.001〜3.000大きく、
かつ、溶離液Aの浸透圧が、溶離液Bの浸透圧よりも24.45〜24450hPa小さく、
溶離液Aの安定型ヘモグロビンA1c溶出力が、溶離液Bの安定型ヘモグロビンA1c溶出力よりも小さいことを特徴とするヘモグロビン類の測定方法。 - アルカリ性水溶液添加に対する上記溶離液Aの緩衝能が、上記溶離液Bのそれよりも小さいか、あるいは、それと等しいことを特徴とする請求項1記載のヘモグロビン類の測定方法。
- ヘモグロビン類測定中の溶離液送液工程において、
少なくとも、ヘモグロビンA1aからHbF付近までを溶離液Aで溶離し、次に溶離液Bに切り替えてHbA1cまでを溶離する工程が含まれることを特徴とする請求項1または2に記載のヘモグロビン類の測定方法。 - 上記溶離液A及び/又は溶離液Bにカオトロピックイオンが含有されており、かつ、pH4.0〜6.8で緩衝能を持つ有機酸、無機酸及び/又はこれらの塩が含有されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のヘモグロビン類の測定方法。
- 上記溶離液A及び溶離液Bとは溶出力が異なる溶離液Cを用い、該溶離液Cは、ヘモグロビンA0を溶出するために用い、カラムに流入する際のpHが、ヘモグロビン類の等電点と等しいか、または、等電点よりアルカリ側になるように設定されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載のヘモグロビン類の測定方法。
- 上記溶離液Cにカオトロピックイオンが含有されていることを特徴とする請求項5記載のヘモグロビン類の測定方法。
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