JP2001177962A - 楔形引留クランプ - Google Patents

楔形引留クランプ

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JP2001177962A JP35080799A JP35080799A JP2001177962A JP 2001177962 A JP2001177962 A JP 2001177962A JP 35080799 A JP35080799 A JP 35080799A JP 35080799 A JP35080799 A JP 35080799A JP 2001177962 A JP2001177962 A JP 2001177962A
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知孝 齊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 楔体の掌握力を鋼心まで加えることができ、
電線を効果的に挟持できる楔形引留クランプを提供す
る。 【解決手段】 断面外形が楕円形を有して延在するとと
もに長さ方向に捻回させた低風圧形状を備える捻回楕円
電線10を設け、この捻回楕円電線10を挟持するとと
もに鉄塔などの設置部に装着した2つ割状のクランプ本
体の対向面内に押し込むことで捻回楕円電線10を引留
めして挟持する楔体20を設ける。この楔体20には、
捻回楕円電線10を挟持する挟持面に捻回楕円電線10
の捻回形状に合わせて凹状に形成した凹部22を設け、
この凹部22の両側面には捻回する捻回楕円電線10の
外形を固定する波形状に突出した側壁24とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、楔形引留クランプ
に係り、より詳細には架空送電線を挟持する楔形引留ク
ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電線は、一般的に断面が円形のも
のが多く使用されており、これを、例えば、鉄塔などの
所定位置に引留めたり、あるいは、クランプ把持したり
する場合に楔形引留クランプを使用している。しかし近
年、このような電線は、鉄塔に作用する荷重の回避、及
び電線横振れの抑制などの特殊な効果を期待した特殊電
線が数多く開発されている。従って、従来の楔形引留ク
ランプは、このような抗力低減、風騒音やコロナ騒音の
低減、あるいは、ギャロッピングなどの振動面に配慮し
た種々の形状を備える電線を効果的に把持できるように
形成していた。このような従来の楔形引留クランプとし
ては、例えば、第2548794号特許公報に開示され
ている。図9は、このような鉄塔に装着した従来の楔形
引留クランプを示す図である。また、図10は、図9に
示した楔形引留クランプ30の詳細を示す斜視図であ
る。また、図11は、図10に示した矢印J方向から見
たクランプ本体32に楔体60a、60bを圧入する動
作を示す動作説明図であり、図11(a)は圧入前の状
態を、図11(b)は圧入後の状態を各々示している。
また、図12は、図10に示した電線40の内部構造を
示す図である。また、図13は、図10に示した楔体6
0を示す斜視図である。
【0003】図9に示すように、従来の楔形引留クラン
プ30は、鉄塔50の所定位置に複数装着され、この所
定位置で電線40を挟持して引き留めするように形成さ
れている。また、この楔形引留クランプ30は、図10
に示すように、2つ割りに開閉可能なクランプ本体32
と、鉄塔50(図9参照)に接続される連結金具36
と、この連結金具36とクランプ本体32とを連結する
連結板34とを備えている。また、クランプ本体32内
には、テーパ形状に形成された一対の楔体60a、60
bが電線40を挟持した状態で装着されている。
【0004】ここで、一対の楔体60a、60bは、電
線40を両側から挟持してボルト1により締結するとと
もに、2つ割りに開閉するクランプ本体32を外側から
図11(a)に示すように装着する。この際、楔体60
a、60bには、側面に図11(a)に示した挿入位置
線Mが刻印されている。この挿入位置線Mは、楔体60
a、60bがボルト1により固定された位置から図11
(a)に示した間隔Lの位置に刻印されている。そし
て、楔体60a、60bは、図示されていないが圧力ゲ
ージを備えた加圧装置により、圧力ゲージが指定挿入圧
力になるまでクランプ本体32に圧入する。このように
楔体60a、60bが指定挿入圧力になるまで圧入され
ると、挿入位置線Mの位置が図11(b)に示すよう
に、クランプ本体32の一端側に一致する。このように
楔体60a、60bは、クランプ本体32内に圧入する
ことで電線40に予め所定の押し込み掌握力を与える。
【0005】そして、この楔体60a、60bを圧入し
たクランプ本体32は、図9に示した鉄塔50に一端側
を引き寄せて連結金具36(図10参照)により連結さ
れる。この際、楔体60a、60bは、クランプ本体3
2とともに電線40により図11(b)に示した矢印K
方向に引っ張られる。また、楔体60a、60bは、間
隔L内にテーパ形状に延在する外形(クランプ本体32
に圧入されないテーパ形状の外形)を残している。従っ
て、このテーパ形状の外形は、例えば、電線40に矢印
K方向の過大な力が加わった場合にクランプ本体32内
に押し込まれ、電線40に挟持力を加える構造になって
いる。また、このような楔体60a、60bは、図11
(b)に示したように、ボルト2によりジャンパ金具3
5が取り付けられ、電線40を鉄塔50にたるませた状
態で下方に延在させて支持(図9参照)している。
【0006】ここで、電線40は、図12に示すよう
に、断面が略円形に形成され、中心に亜鉛メッキ鋼線か
らなる鋼心42と、この鋼心42の外側を覆って断面が
円形状のアルミ線44と、このアルミ線44の外側を円
環状に覆ってブリッジ層を形成した外枠アルミ線46と
により形成されている。そして、外枠アルミ線46に
は、円環状の外側に一部突出するヒレ48a、48bを
2箇所形成している。このヒレ48a、48bは、図1
3に示すように、電線40の外周に2本平行して螺旋状
に延在している。このように電線40は、外周にヒレ4
8を螺旋状に巻き付けたように設けることで、風による
抗力低減、風騒音やコロナ騒音の低減などの効果を得る
ことができる。
【0007】また、一対の楔体60a、60bは、図1
3に示したように、電線40を挟持する両側に一対に設
けてあり、この電線40が延在する長さ方向に延在して
電線40が引っ張られる方向(図11に示した矢印K方
向)に向かって厚みが細くなるように傾斜させてテーパ
状に形成している。この一対の楔体60a、60bに
は、対向する挟持面に各々半円形状の凹部62を形成し
ている。この凹部62には、ヒレ48a、48bを嵌入
するヒレ溝64が形成されている。このヒレ溝64は、
凹部62の底部に位置する図13に示した幅Nをヒレ4
8の厚みとほぼ同じ幅に形成し、この底部から延在して
凹部62の両側面に配置される図13に示した幅Oはヒ
レ48の厚みより広く形成している。従って、楔体60
は、図13に示した幅Oを広く形成することにより電線
40が伸長した際にもヒレ48a、48bを変形するこ
となく全長にわたって良好に挟持することができる。
【0008】一方、このように楔体60にヒレ溝64を
形成した従来の楔形引留クランプとは異なり、電線にカ
ラーを装着して円形の断面形状にすることで挟持する楔
体の他の実施の形態がある。このような従来技術として
は、例えば、実公平4−12745号公報などに開示さ
れている。図14は、このようなカラーを使用して挟持
する図13に示した楔体の他の実施の形態を示す斜視図
である。また、図15は、図14に示したP−P線の断
面を示す断面図である。
【0009】図14に示すように、楔体の他の実施の形
態は、電線70を挟持する両側に一対に設けてあり、こ
の電線70が延在する長さ方向に延在し、電線70が引
っ張られる方向に向かって厚みが細くなるように傾斜さ
せてテーパ状に形成している。また、この楔体80a、
80bは、対向する挟持面にヒレ溝を形成することなく
半円形状の凹部82だけを形成している。従って、楔体
80により挟持される電線70は、楔体80の凹部82
を半円形状に形成しているため、断面形状が円形に形成
されていることが要求される。
【0010】そこで、電線70は、一対のカラー90
a、90bを装着可能に形成して楔体80により挟持で
きるように形成している。この電線70は、図15に示
すように、中心に亜鉛メッキ鋼線からなる鋼心72と、
この鋼心72の外側を覆う断面が円形状のアルミ線74
と、このアルミ線74の外側を覆って円環状のブリッジ
層を形成する外枠アルミ線76とにより形成されてい
る。そして、外枠アルミ線76には、風の抗力低減、風
騒音低減、及びコロナ騒音の低減などの効果を得るため
に外側に突出するヒレ78を設けてある。このヒレ78
は、図13に示したヒレとは異なり、電線70の外周に
1本(図14参照)螺旋状に巻き付けたように設けてあ
る。このように、電線70は、外周に1本のヒレ78を
螺旋状に突出させて設け、前述した一対のカラー90
a、90bを装着できるように形成している。
【0011】これにより電線70は、図15に示すよう
に、カラー90を装着して断面形状を円形状に形成で
き、図14に示した楔体80で効果的に挟持できるよう
になる。ここで、図示していないが、このようなカラー
を使用するものとは異なり、ヒレの高さと同じ直径のア
ーマーロッドを巻いて全体の外形を円形としたものが知
られている。このようなアーマーロッドを使用した従来
技術としては、例えば、実公平3−14907号公報に
開示されている。
【0012】このように従来の楔形引留クランプは、電
線の外周にヒレを設けて風の抗力低減、風騒音低減、及
びコロナ騒音の低減などの効果を得ており、このような
ヒレを備えた電線を挟持するためにヒレ溝を設けた楔
体、カラー、アーマーロッドなどの把持部材を設けて効
果的に挟持していた。しかしながら、従来の楔形引留ク
ランプでは、図12乃至図15に示したように、電線4
0、70を楔体60、80により挟持する際、楔体6
0、80による掌握力が円環状のブリッジ層を備えた外
枠アルミ線46、76により鋼心42、72およびアル
ミ線44、74にまで加わらず、電線40、70の掌握
力が十分に得られないという不具合があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の楔
形引留クランプでは、図12乃至図15に示したよう
に、楔体60、80が電線40、70を挟持した際、外
枠アルミ線46、76のブリッジ層により楔体60、8
0の掌握力が鋼心42、72まで伝わらず、電線40、
70を効果的に挟持する掌握力が十分に得られないとい
う不具合があった。本発明はこのような課題を解決し、
楔体の掌握力を鋼心まで加えることができ、電線を効果
的に挟持できる楔形引留クランプを提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するために、電線にテーパ状に装着した一対の楔体を
2つ割状のクランプ本体の対向面内に押し込んで電線を
挟持する楔形引留クランプにおいて、断面外形が楕円形
を有して延在するとともに長さ方向に捻回させた低風圧
形状を備える捻回楕円電線を設け、この捻回楕円電線に
両側から挟持するように装着してクランプ本体に押し込
むことで挟持するとともに捻回楕円電線を挟持する挟持
面に捻回楕円電線の捻回形状を有した凹状の凹部を備え
る楔体を設ける。
【0015】ここで、楔体の凹部は、捻回楕円電線の楕
円断面における長軸の長さC及び短軸の長さDに対して
C+(3〜6)mmの長軸寸法及びD+(3〜6)mm
の短軸寸法によって楕円状の凹面に形成することが好ま
しい。また、楔体は、捻回楕円電線の捻回により回転す
る楕円断面の傾きに合わせて凹部の両側壁の高さを交互
に高く設けて波状に形成することが好ましい。また、捻
回楕円電線は、楔体の先端で楕円断面の長軸方向が水平
になるように配置されて短軸方向から楔体により挟持さ
れていることが好ましい。また、捻回楕円電線は、中心
に亜鉛メッキ鋼線からなる鋼心を設けてこの鋼心の外側
を硬アルミ線を寄り合わせて楕円形状に形成するととも
に長さ方向に捻回した低風圧形状の架空送電線であるこ
とが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
による楔形引留クランプの実施の形態を詳細に説明す
る。図1は、本発明による楔形引留クランプの実施の形
態に使用する楔体20を示す斜視図である。また、図2
は、図1に示した捻回楕円電線10のA−A線の断面を
示す断面図である。また、図3は、図2に示した捻回楕
円電線の断面構造を3層構造にした他の実施の形態を示
す断面図である。また、図4は、図1に示した矢印B方
向から見た側面図である。また、図5は、図4に示した
捻回楕円電線10を挟持する楔体20の挟持状態を示す
図であり、図5(a)は図4に示したE−E線断面での
状態を、図5(b)は図4に示したF−F線断面での状
態を、図5(c)は図4に示したG−G線断面での状態
を、図5(d)は図4に示したH−H線断面での状態を
各々示している。また、図6は、図4に示したG−G線
断面での捻回楕円電線10に対する楔体20の凹部22
寸法を示す断面図である。また、図7は、図1に示した
楔体20の先端部を示す斜視図である。また、図8は、
図7に示したI−I線の断面を示す断面図である。
【0017】図1に示すように、本発明による楔形引留
クランプの実施の形態は、図9及び図10に示した従来
技術と同様に、鉄塔などの設置部に連結金具(図示せ
ず)により装着され、この連結金具に連結板(図示せ
ず)を介して接続した2つ割りに開閉するクランプ本体
(図示せず)を備えている。そして、このクランプ本体
内には、テーパ形状に形成された一対の楔体20a、2
0bが電線を挟持した状態で押込まれている。また、本
発明による楔形引留クランプの実施の形態は、図9及び
図10に示した従来技術とは異なり、楔体20が挟持す
る電線が楕円断面を備えて延在する長さ方向に対して捻
回させた低風圧形状を備える捻回楕円電線10を使用し
ている。また、一対の楔体20a、20bは、このよう
な捻回楕円電線10を挟持するため、従来技術とは異な
り、捻回楕円電線10の捻回形状に合わせた凹部22を
形成している。
【0018】ここで、捻回楕円電線10は、図1に示し
たように、所定の長さに延在して長さ方向に捻回してお
り、図12及び図15に示した従来技術と同様に風の抗
力低減、風騒音低減、及びコロナ騒音の低減などの効果
を得ている。また、捻回楕円電線10は、図2に示すよ
うに、断面が楕円形状に形成され、中心に亜鉛メッキ鋼
線からなる鋼心12と、この鋼心12の外側を円形状に
覆うアルミ線14と、このアルミ線14の外側を図2に
示した長軸の長さC及び短軸の長さDを備える楕円状に
覆った外枠アルミ線16とにより形成されている。この
ように、捻回楕円電線10は、鋼心12の外側をアルミ
線14と外枠アルミ線16とにより2層に覆った構造に
形成されている。ここで、捻回楕円電線10は、前述し
た2層構造に限定されるものではなく、例えば、図3に
示すように、鋼心の外側を3層に覆った構造に形成して
もよい。
【0019】再び、図1を参照して、このように形成さ
れた捻回楕円電線10は、両側から上下一対に配置した
楔体20a、20bにより挟持される。この楔体20
a、20bは、図11に示した従来技術と同様に、捻回
楕円電線10を挟持してボルト(図示せず)により締結
するとともに、2つ割りに開閉するクランプ本体(図示
せず)に圧入するように形成している。また、楔体20
a、20bは、クランプ本体に圧入する方向に傾斜する
テーパ状の外形を備えている。このように楔体20a、
20bは、テーパ状の外形をクランプ本体に圧入するこ
とで捻回楕円電線10に予め所定の押し込み掌握力を与
えるように形成している。そして、このクランプ本体
は、図9に示した従来技術のように、鉄塔の一端側に引
き寄せて連結金具により連結される。
【0020】また、楔体20a、20bは、クランプ本
体内に圧入する際、図11に示した従来技術と同様に、
側面に設けた挿入位置線(図示せず)の予定挿入位置ま
で圧入し、この圧入方向と逆方向のクランプ本体一端側
に圧入されないテーパ部が残るようにしている。従っ
て、このテーパ部は、例えば、捻回楕円電線10に過大
な力が加わって引っ張られた場合、クランプ本体内に押
し込まれ、捻回楕円電線10に挟持力を加える構造にな
っている。
【0021】また、このような一対の楔体20a、20
bには、対向する挟持面に各々捻回する捻回楕円電線1
0の捻回形状に合わせて凹状に形成した凹部22を備え
ている。この凹部22の側面は、捻回楕円電線10の捻
回により回転する楕円断面(図2参照)の傾きに合わせ
て両側を支持する側壁24が設けてあり、この側壁24
は、図4に示すように、両側で交互に高く突出した波形
状に形成している。従って、このように形成された一対
の楔体20a、20bは、側壁24を設けることによ
り、捻回して傾く捻回楕円電線10の外形を効果的に挟
持することが可能になる。
【0022】ここで、捻回楕円電線10は、鋼心12を
とりまくアルミ線14と外枠アルミ線16とが成型層を
備え、しかも多重層を形成して円環状のブリッジ層とし
て外部圧力に対しては非常に強固に形成されている。こ
のため、図12乃至図15に示した従来の楔形引留クラ
ンプでは、捻回楕円電線10の外側からアルミ線14と
外枠アルミ線16とからなる外層を掌握したとしても、
アルミ成型多重層を崩して中心の鋼心12を把持するこ
とができず、規定の電線掌握力を十分に得ることができ
ない。従って、本発明による楔形引留クランプは、この
ような捻回楕円電線10のアルミ線14と外枠アルミ線
16とからなる外層を崩して十分に鋼心12まで掌握力
を加えて挟持できるように形成したものである。
【0023】さらに詳しく説明すると、楔体20は、捻
回する捻回楕円電線10の楕円断面に対して長軸方向に
挟持する場合、図5(a)に示すように、側壁24が楕
円断面の短軸方向に平行して同じ高さに形成されてい
る。これにより一対の楔体20a、20bは、捻回楕円
電線10の楕円断面に対して長軸方向に掌握力を加えて
挟持する。そして、捻回する捻回楕円電線10の楕円断
面が傾いた状態で挟持する場合、図5(b)に示すよう
に、片側の側壁24を高く形成して他方の側壁24を低
く形成することで挟持している。このように側壁24の
高さを異なる高さに形成することにより、一対の楔体2
0a、20bの内部で発生する捻回楕円電線10のズレ
を防止でき、掌握力が不安定になることを抑制すること
ができる。
【0024】また、楔体20は、捻回する捻回楕円電線
10の楕円断面に対して短軸方向に挟持する場合、図5
(c)に示すように、側壁24が楕円断面の長軸方向に
平行して図5(a)に示した断面での側壁24と同様に
同じ高さに形成されている。これにより一対の楔体20
a、20bは、捻回楕円電線10の楕円断面に対して短
軸方向に掌握力を加えて挟持する。さらに、楔体20
は、図5(d)に示すように、捻回楕円電線10が捻回
して図5(b)に示した楕円断面と逆方向に傾いた場
合、図5(b)に示した断面での側壁とは逆側の側壁2
4が高くなるように形成されている。従って、図5
(d)に示した一対の楔体20a、20bは、図5
(b)に示した断面での楔体と同様に、内部で発生する
捻回楕円電線10のズレを防止し、掌握力が不安定にな
ることを抑制することができる。
【0025】このように、楔体20は、凹部22の両側
面に波形状の側壁24を形成して捻回する捻回楕円電線
10を固定することで、内部で発生する捻回楕円電線1
0のズレを防止して捻回楕円電線10に安定した掌握力
を加えることができるとともに、図2に示したアルミ線
14と外枠アルミ線16とからなるブリッジ層を崩して
効果的に鋼鉄12を挟持することが可能になる。ここ
で、楔体20の凹部22の形状は、図6に示すように、
捻回楕円電線10の楕円断面における長軸の長さC及び
短軸の長さDに対し、C+(3〜6)mmの長軸寸法及
びD+(3〜6)mmの短軸寸法によって楕円状の凹面
に形成することが好ましい。また、捻回楕円電線10に
は、図6に示した楕円断面の面積が610mm2 、81
0mm2 、1160mm2 等のように種々のサイズがあ
る。例えば、610mm2 サイズの捻回楕円電線10
は、楕円断面の長軸の長さCを38mm、短軸の長さD
を27mmにすることが望ましく、前述したC+(3〜
6)mmの長軸寸法(即ち、41〜44mm)及びD+
(3〜6)mmの短軸寸法(即ち、30〜33mm)に
よる楕円状の凹部22を備えた楔体20により挟持する
ことが最も好ましい。
【0026】また、捻回楕円電線10は、図9に示した
従来技術のように、楔型引留クランプにより鉄塔などの
設置部間に延在して引留めされており、特に、図7に示
すように、楔体20の挟持方向に揺れが発生する。従っ
て、図7に示した楔体20の先端では、捻回楕円電線1
0の楕円断面に対して、図8に示すように、短軸方向を
挟持するように凹部22(図1参照)を形成している。
このように、楔体20は、先端で挟持する捻回楕円電線
10を、楕円断面に対して短軸方向に挟持することで、
図5(a)に示した長軸方向に挟持する場合に比べてア
ルミ線14及び外枠アルミ線16の応力を低減でき、鉄
塔などの設置部における抗力を減少させることができ
る。
【0027】このように形成された本発明による楔型引
留クランプを使用して捻回楕円電線10を挟持すると、
図5に示した全ての挟持状態において、楔体20の掌握
力が効果的に捻回楕円電線10に加えられ、図2に示し
たアルミ線14及び外枠アルミ線16により形成された
ブリッジ層が崩れて鋼心12まで確実に掌握して挟持す
ることが可能になる。
【0028】以上、本発明による楔型引留クランプの実
施の形態を詳細に説明したが、本発明は前述した実施の
形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない
範囲で変更可能である。例えば、捻回楕円電線の断面構
造を2層または3層(図2及び図3参照)の構造に形成
した実施の形態を説明したが、これに限定されるもので
はなく、複数の層からなる多層構造に形成してもよい。
【0029】
【発明の効果】このように本発明による楔型引留クラン
プによれば、楔体の掌握力が効果的に捻回楕円電線に加
えられて鋼心まで確実に掌握して挟持することができる
ため、アルミ線により形成されたブリッジ層を効果的に
崩すことができ、このアルミ線に掌握力が集中して切断
してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による楔形引留クランプの実施の形態に
使用する楔体を示す斜視図。
【図2】図1に示した捻回楕円電線のA−A線の断面を
示す断面図。
【図3】図2に示した捻回楕円電線の断面構造を3層構
造にした他の実施の形態を示す断面図。
【図4】図1に示した矢印B方向から見た側面図。
【図5】図4に示した捻回楕円電線を挟持する楔体の挟
持状態を示す図。
【図6】図4に示したG−G線断面での捻回楕円電線に
対する楔体の凹部寸法を示す断面図。
【図7】図1に示した楔体の先端部を示す斜視図。
【図8】図7に示したI−I線の断面を示す断面図。
【図9】鉄塔に装着した従来の楔形引留クランプを示す
図。
【図10】図9に示した楔形引留クランプの詳細を示す
斜視図。
【図11】図10に示した矢印J方向から見た楔形引留
クランプを示す側面図。
【図12】図10に示した電線の内部構造を示す図。
【図13】図10に示した楔体を示す斜視図。
【図14】カラーを使用して挟持する図13に示した楔
体の他の実施の形態を示す斜視図。
【図15】図14に示したP−P線の断面を示す断面
図。
【符号の説明】
10 電線 12 鋼心 14 アルミ線 16 外枠アルミ線 20a、20b 楔体 22 凹部 24 側壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 貢 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内 (72)発明者 西田 英司 神奈川県横浜市青葉区あざみ野南2−11− 16 旭電機株式会社内 Fターム(参考) 5G367 EA02 ED02 EF02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電線にテーパ状に装着した一対の楔体を
    2つ割状のクランプ本体の対向面内に押し込んで前記電
    線を挟持する楔形引留クランプにおいて、断面外形が楕
    円形を有して延在するとともに長さ方向に捻回させた低
    風圧形状を備える捻回楕円電線を設け、この捻回楕円電
    線に両側から挟持するように装着して前記クランプ本体
    に押し込むことで挟持するとともに前記捻回楕円電線を
    挟持する挟持面に前記捻回楕円電線の捻回形状を有した
    凹状の凹部を備える楔体を設けたことを特徴とする楔形
    引留クランプ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の楔形引留クランプにお
    いて、 前記楔体の凹部は、前記捻回楕円電線の楕円断面におけ
    る長軸の長さC及び短軸の長さDに対し、C+(3〜
    6)mmの長軸寸法及びD+(3〜6)mmの短軸寸法
    によって楕円状の凹面に形成したことを特徴とする楔形
    引留クランプ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の楔形引留クランプにお
    いて、 前記楔体は、前記捻回楕円電線の捻回により回転する楕
    円断面の傾きに合わせて前記凹部の両側面に高さを交互
    に高く設けて波状に形成した側壁を設けたことを特徴と
    する楔形引留クランプ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の楔形引留クランプにお
    いて、 前記捻回楕円電線は、前記楔体の先端で楕円断面の長軸
    方向が水平になるように配置されて短軸方向から前記楔
    体により挟持されていることを特徴とする楔形引留クラ
    ンプ。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の楔形引留クランプにお
    いて、 前記捻回楕円電線は、中心に亜鉛メッキ鋼線からなる鋼
    心を設けて前記鋼心の外側を硬アルミ線を寄り合わせて
    楕円形状に形成するとともに長さ方向に捻回した低風圧
    形状の架空送電線であることを特徴とする楔形引留クラ
    ンプ。
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