JPH0965557A - 圧縮型引留クランプおよび電線への圧縮型引留クランプ固定方法 - Google Patents

圧縮型引留クランプおよび電線への圧縮型引留クランプ固定方法

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JPH0965557A
JPH0965557A JP7237773A JP23777395A JPH0965557A JP H0965557 A JPH0965557 A JP H0965557A JP 7237773 A JP7237773 A JP 7237773A JP 23777395 A JP23777395 A JP 23777395A JP H0965557 A JPH0965557 A JP H0965557A
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clamp
steel
electric wire
aluminum
sleeve
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JP7237773A
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Kazuo Yokoyama
一雄 横山
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クランプ口元近傍の電線の損傷を防止する。 【解決手段】 電線13の外周にアーマーロッド50を
巻き付ける。圧縮型引留クランプ24のアルミスリーブ
22の先端側に形成した中空部22fにアーマーロッド
50を挿入する。アルミスリーブ22を圧縮すると,電
線13とアーマーロッド50とアルミスリーブ22とが
一体化される。これにより,クランプ口元近傍の電線1
3の曲げ剛性が増大し,延線時に圧縮型引留クランプ2
4が延線金車を通過する際のクランプ口元近傍の電線1
3の損傷を防止できる。なお,鋼クランプ21は電線1
3の鋼心13aに圧縮固定される。アルミスリーブ22
は鋼クランプ21の外周にも圧縮固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,鋼心アルミ撚線
からなる送電線等の電線を耐張鉄塔に引き留めるために
使用される圧縮型引留クランプ,およびこの圧縮型引留
クランプを電線に固定する電線への圧縮型引留クランプ
固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼心アルミ撚線を架空送電線として用い
る場合,電線を耐張鉄塔に引き留めるために,鋼クラン
プとアルミスリーブとからなる圧縮型引留クランプが使
用される。図23に示すように,この種の圧縮型引留ク
ランプ1は,電線13の端部の鋼心13aの外周上に圧
縮固定される鋼クランプ2と,電線13のアルミ線部1
3bおよび前記鋼クランプ2の引留部2aを除く部分の
外周にわたって被せられ圧縮により鋼クランプ2に固定
されるアルミスリーブ3とからなる構造であるが,従来
の圧縮型引留クランプ1における電線13のアルミ線部
13bとアルミスリーブ3との結合は,図示の通り,電
線13のアルミ線部13bを単にアルミスリーブ3の中
空部3a内に挿入し,アルミスリーブ3を圧縮して行っ
ていた。すなわち,アルミスリーブ3は,電線13のア
ルミ線部13bの外周に直接的に圧縮固定されて,電線
13と一体化されていた。
【0003】ところで,架線工事の省力化を目的とする
プレハブ架線工法では,電線の両端部に前記のごとき圧
縮型引留クランプ1を圧縮固定したプレハブ電線を延線
する。その場合,圧縮型引留クランプ1は,図24に示
すようにワイヤロープ11および電線13の延線張力を
受ける態様で延線用金車10を通過するが,その金車通
過の際,延線張力の垂直分力により圧縮型引留クランプ
1に大きな曲げモーメントが加わる。この大きな曲げモ
ーメントを受ける圧縮型引留クランプ1自身の強度の問
題は,圧縮型引留クランプ1の曲げ強度を十分大きく設
計することにより解決可能ではあるが,そのように設計
したとしても,電線13とクランプ口元(圧縮型引留ク
ランプ1の先端(電線側端部)近傍を指す)の間で剛性
の不連続点が存在し,剛性の小さな電線13がクランプ
口元において急激に曲げられることになり,損傷を受け
ることになる。
【0004】金車10を通過する場合には,図25に示
すように,延線張力Tとカテナリ角α,βにより垂直分
力が表され,圧縮型引留クランプ1の中央が金車10上
にある場合には,垂直荷重TV が印加されることにな
り,例えばカテナリ角α,βが各々30°とすれば,延
線張力相当の垂直荷重が印加されることになる。金車通
過時のクランプ口元近傍の電線13に印加される曲げ荷
重は,金車抱き角を60°とした場合,電線13の延線
張力の約87%の荷重となり,クランプ口元において素
線切れ等の重大な損傷が電線13に発生することにな
る。したがって,クランプ口元近傍の電線13に曲げ荷
重に対する外傷防止策を施さずには通常の延線張力によ
る金車通過は不可能となる。クランプ口元近傍の電線損
傷の防止対策として,圧縮型引留クランプ1およびクラ
ンプ口元近傍の電線13を包み込むクランププロテクタ
も使用されているが,このクランププロテクタは構造が
複雑であり,長さも長大かつ重量も重いことから,延線
後,鉄塔アームの先端部に設けられる耐張碍子連の先端
においてこのクランププロテクタを取り外す作業は,作
業能率および安全面から問題となるものである。
【0005】本発明は上記従来の欠点を解消するために
なされたもので,クランププロテクタ等のような長大か
つ重量大なる別部材を用いることなく,圧縮型引留クラ
ンプの金車通過時における電線のクランプ口元近傍の損
傷を防止することのできる圧縮型引留クランプ,および
電線への圧縮型引留クランプ固定方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は,鋼心アルミ撚線からなる電線の端部の鋼心の外周
上に圧縮固定される鋼スリーブ部と該電線を引き留める
ための引留部とを少なくとも有する鋼クランプと,前記
電線のアルミ線の部分および前記鋼クランプの前記引留
部を除く部分の外周にわたって被せられ圧縮により鋼ク
ランプに固定されるアルミスリーブとからなる圧縮型引
留クランプにおいて,前記アルミスリーブの先端側に,
電線の外周に巻き付けたアーマーロッドを挿入可能な内
径のアーマーロッド挿入用中空部を設けたことを特徴と
する。
【0007】請求項2は,請求項1の圧縮型引留クラン
プにおける鋼クランプが,電線端部の鋼心の外周上に直
接圧縮固定される鋼スリーブ部に加えて,前記鋼スリー
ブ部と同心の筒状をなし当該電線のアルミ線部の外周に
嵌挿される鋼スリーブ延長部を備えるとともに,この鋼
スリーブ延長部は,少なくとも圧縮型引留クランプ全長
の中央部Mを越え,アルミスリーブ先端側からテーパ部
の1/2の長さと電線の電流容量の伝達に必要なアルミ
スリーブの電気的必要長さの和の位置Nは越えない範囲
の位置まで延長され,さらに,前記鋼クランプの鋼スリ
ーブ部の外周に,鋼スリーブ部の長手方向両側に存在す
る大径部に両端が嵌合支持される一体円筒状カラーを嵌
挿してなることを特徴とする。
【0008】請求項3は,請求項1の圧縮型引留クラン
プを鋼心アルミ撚線からなる電線の端部に固定する電線
への圧縮型引留クランプ固定方法であって,電線の外周
にアーマーロッドを巻き付け,電線外周に巻き付けた前
記アーマーロッドをアルミスリーブの前記アーマーロッ
ド挿入用中空部に挿入し,次いで,アルミスリーブを圧
縮して,電線とアーマーロッドとアルミスリーブとを一
体化することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態を図1
〜図22に示した実施例を参照して説明する。図1は本
発明の一実施例の圧縮型引留クランプ24における鋼ク
ランプ21のみを示す正面図,図2は同平面図,図3は
アルミスリーブ22のみを示す正面図,図4は同平面
図,図5は図3の右側面図,図6は図1の鋼クランプ2
1と図3のアルミスリーブ22とを互いに嵌合させたも
のであり本発明の一実施例の圧縮型引留クランプ24の
正面図,図8は図6のA−A断面図,図9は上記圧縮型
引留クランプ24の要部の縦断面図である。この圧縮型
引留クランプ24は,図7に示す如くアルミ線部13b
の中心に鋼心13aを有する鋼心アルミ撚線からなる電
線13の端部の鋼心13aをクランプする鋼クランプ2
1と,電線13のアルミ線部13bとの電気的接続を図
るためのアルミスリーブ22とからなっている。
【0010】前記鋼クランプ21は,図1,図2,図
6,図9等に示すように,鉄塔に引き留めるための穴2
6aを持つ引留部26と,電線の鋼心部を収容する中空
部27aを有し鋼心収容後に圧縮される鋼スリーブ部2
7と,前記引留部26と鋼スリーブ部27との間に配置
され,後述のジャンパソケット23を固定するためのボ
ルト28(図16,図17参照)が挿通する1つのボル
ト挿通穴29aを持つボルト挿通部である鋼クランプ首
部29と,アルミスリーブ22と鋼クランプ21とを係
合させるための周溝部30と,電線を収容する中空部3
1aを有しアルミ線部の分担荷重を保持できる圧縮長さ
を有するとともに収容後に圧縮される鋼スリーブ延長部
31とからなっている。なお,周溝部30の鋼スリーブ
部27側には図示のように鍔状部30a(すなわち大径
部)が形成されている。そして,前記鋼スリーブ部31
は,図6に示すように少なくとも圧縮型引留クランプ2
4の全長Lの中央部Mを越え,アルミスリーブ22の先
端側(図6で左端側)からテーパ部37の1/2の長さ
と電線の電流容量の伝達に必要なアルミスリーブ22の
電気的必要長さの和の位置Nは越えない範囲の位置まで
延長している。
【0011】前記アルミスリーブ22は,図3〜図5,
図6等に示すように,鋼クランプ21と嵌合後に圧縮接
続されるアルミスリーブ圧縮部35と,図16,図17
に示すように先端が二股状をなすジャンパソケット23
が電気的接続状態で嵌合固定される非圧縮部分であるジ
ャンパソケット接合部36とからなり,前記ジャンパソ
ケット接合部36は,ジャンパソケット23の二股部4
1の内面に接触する接続用平坦面36aを両側に持ち,
かつこの接続用平坦面36aに前記のジャンパソケット
固定用のボルト28が挿通する1つのボルト挿通穴(図
示例は長穴)36bを持っている。
【0012】本発明では,図6に示すように,アルミス
リーブ22の先端側に,電線13の外周に巻き付けたア
ーマーロッド50を挿入可能な内径のアーマーロッド挿
入用中空部22fを設けている。これについて詳細は後
述する。
【0013】また,アルミスリーブ22は前記アーマー
ロッド挿入用中空部22fに続く中空部22aを持つ
が,この中空部22aは電線13が嵌合する内径を有
し,かつ,この中空部22aと前記アーマーロッド挿入
用中空部22fと合わせた長さは,当該アルミスリーブ
22のテーパ部37の1/2の長さと電気的必要長さの
和の長さを持つ。さらに,これに続く中空部22bは鋼
スリーブ延長部31が嵌合する内径を有し,さらに続く
中空部22cは後述する鋼製の一体円筒状カラー51が
嵌合する内径を有している。
【0014】さらに,アルミスリーブ22のジャンパソ
ケット接合部36の接続用平坦面36aに上下2個ずつ
合計4個のボルト挿通穴36cをあけている。このボル
ト挿通穴36cは,図18,図19に詳細を示すよう
に,この穴36cに通したジャンパソケット固定用のボ
ルト42が,鋼心13aの外周上に圧縮固定された六角
形断面の鋼スリーブ27に接触しないような上下の位置
に設けている。また,アルミスリーブ22にはアルミ栓
52をねじ込むためのアルミ栓用ねじ穴22dを設け,
かつ水抜き穴22eを設けている。
【0015】前記ジャンパソケット23は,図16,図
17に示すように前述の二股部41を備え,この二股部
41に鋼クランプ21およびアルミスリーブ22にそれ
ぞれあけたジャンパソケット固定用の前記ボルト挿通穴
29a,36bに対応する1つのボルト挿通穴41a
と,アルミスリーブ22の接続用平坦面36aにあけた
前記4つのボルト挿通穴36cに対応する4つのボルト
挿通穴41bを備えている。
【0016】この実施例の圧縮型引留クランプ24は請
求項2の圧縮型引留クランプであり,鋼クランプ21の
六角形に圧縮された鋼スリーブ部27の外周に,内周面
が六角形で外周面が円筒状の二つ割りのアルミ製の小径
カラー43を被せ,この小径カラー43の外周に前記の
鋼製の一体円筒状カラー51を嵌挿しており,この一体
円筒状カラー51は,鋼スリーブ部27の長手方向両側
に存在する大径部(すなわち,実施例では鋼クランプ首
部29および周溝部30の片側の鍔状部30a)に両端
が嵌合支持されている。前記一体円筒状カラー51およ
び小径カラー43は,図10および図11にそれぞれ示
すように,ジャンパソケット23の二股部41およびア
ルミスリーブ22の接続用平坦面36aを貫通するボル
ト42が貫通できるための切り欠き51aおよび43a
を持つ。一体円筒状カラー51は,さらに,ジャンパソ
ケット23とアルミスリーブ22と鋼クランプ21とを
貫通するボルト28が貫通するための穴51bを持ち,
水抜き穴51cを持つ。
【0017】なお,各部の材質については,前記鋼クラ
ンプ21は軟鋼,アルミスリーブ22は電気用アルミ鋳
物,アルミ管あるいはアルミ棒等,一体円筒状カラー5
1は軟鋼,硬鋼または合金鋼等,小径カラー43は軟鋼
またはアルミ鋳物等,アルミ栓52はアルミ棒等,ジャ
ンパソケット23は電気用アルミ鋳物により製作するの
が好ましい。
【0018】上記の圧縮型引留クランプ24を電線13
に圧縮固定する場合,電線13の鋼心13aを鋼クラン
プ21の鋼スリーブ部27の中空部27a内に挿入し,
かつアルミ線部13bの一定長さを鋼スリーブ延長部3
1の中空部31aに入れる。次いで,鋼スリーブ部27
および鋼スリーブ延長部31を圧縮して,鋼スリーブ部
27を鋼心13a上に六角形に圧縮固定(図15参照)
するとともに,鋼スリーブ延長部31をアルミ線部13
b上に圧縮固定(図14参照)する。
【0019】次いで,図8,図11(イ),(ロ)に示
すように,鋼スリーブ部27の外周に前記二つ割りのア
ルミ製の小径カラー43(図1にも2点鎖線で示す)を
被せ,この小径カラー43の外周に鋼製の一体円筒状カ
ラー51を,その両端が鋼クランプ首部29および周溝
部30の鍔状部30aに嵌合支持されるように嵌挿させ
る。
【0020】次いで,電線13の外周にアーマーロッド
50を巻き付け,このアーマーロッド50を,アルミ線
部13bおよび鋼クランプ21の引留部26を除く部分
の外周に被せたアルミスリーブ22のアーマーロッド挿
入用中空部22fに挿入し,アルミスリーブ圧縮部35
(アルミスリーブ22のジャンパソケット接合部36を
除く範囲)を圧縮して,鋼クランプ21とアルミスリー
ブ22とを一体化する(図13参照)と同時に,電線1
3のアルミ線部13bとアーマーロッド50とアルミス
リーブ22とを一体化する(図12参照)。これによ
り,クランプ口元近傍の電線13の曲げ剛性を増大させ
ることができる。なお,図12(イ),(ロ)は図6の
F−F断面,図13(イ),(ロ)は図6のB−B断
面,図14(イ),(ロ)は図6のC−C断面,図15
(イ),(ロ)は図6のD−D断面をそれぞれ示し,各
図において(イ)は圧縮前,(ロ)は圧縮後を示す。
【0021】電線にアーマーロッドを巻き付けた場合の
曲げ剛性は,容易に計算で求められるが,例えばACS
R(鋼心アルミ撚線)810mm2 の曲げ剛性(EI)
は,約600kgf.m2 であるが,素線径11mmの
アルミ合金製のアーマーロッドを13本電線に巻き付け
た場合の全体の曲げ剛性は約3600kgf.m2 であ
り,曲げ剛性を約6倍に増大することが可能である。
【0022】また,延線張力と金車抱き角によりクラン
プ口元近傍の電線の損傷防止に必要な曲げ剛性は算出さ
れるが,より大きな曲げ剛性が必要な場合は,図20に
示すように,電線13の外周に巻き付けたアーマーロッ
ド50aの外周にさらにアーマーロッド50bを巻き付
ける。すなわち,2層巻きとすることにより曲げ剛性を
容易に増大させることができる。例えば,上記例のアー
マーロッドの外周に同一素線径のアルミ合金製のアーマ
ーロッドを19本巻き付けた2層巻きとすることによ
り,全体の曲げ剛性を約12,300kgf.m2 とす
ることができ,曲げ剛性を約20倍に増大させることが
可能である。
【0023】さらに,アーマーロッドを2層巻き構造と
し,図21に示すように下巻きアーマーロッド50aの
長さより上巻きアーマーロッド50’bの長さを短く選
定することによりクランプ口元から曲げ剛性を段階的に
変化させることが可能であり,また,アーマーロッドの
素線径,ピッチおよび本数を選定することにより容易に
クランプ口元近傍の電線の曲げ剛性を変化させることが
できる。
【0024】クランプ口元における電線損傷を防止する
ために曲げ剛性を増大させる必要がある範囲は,金車径
により異なるが,クランプ口元から約40〜60cm程
度であり,アーマーロッドの端末のバラケを考慮してア
ーマーロッドの巻き付けピッチの2〜3倍程度の長さの
アーマーロッドが好ましい。
【0025】また,前述の通り,アーマーロッドのクラ
ンプ側の端末部分は,当該アーマーロッド外径に合致す
る内径を有するアルミスリーブ22のアーマーロッド挿
入用中空部22fに収容の上,アルミスリーブ22の圧
縮により一体化され固定されるが,他端である電線側の
端末は,金車通過時の曲げに対して外周側は引っ張り,
内周側は圧縮が加わることになるため,圧縮などにより
電線に一体固定することは好ましくなく,金車通過時の
端末のバラケ防止のためにバインド締めまたはクランプ
締めとすることが好ましく,これらは,施工後に容易に
取り外せるものが好ましい。
【0026】また,図22に示すように,クランプ口元
近傍の電線の曲げ剛性をクランプ口元を最大とし,先端
の電線に向かって軸方向に連続的に低減させることも可
能であり,この場合は,アーマーロッド50’の素線と
して,素線径が一端から他端に向けて連続的に変化する
テーパ状線材を用いることにより,容易に対応可能であ
る。
【0027】なお,実施例の圧縮型引留クランプ24
は,その中央部Mに鋼クランプ21の鋼スリーブ延長部
31が存在するので,この強度の高い鋼スリーブ延長部
31が金車通過時の最大曲げモーメントを負担し,アル
ミスリーブ22の塑性変形による曲がりを防止できる。
【0028】さらに,実施例の圧縮型引留クランプ24
では,鋼スリーブ部27の外周に,鋼スリーブ部27の
長手方向両側の鋼クランプ首部29および周溝部30の
鍔状部30aに両端が嵌合支持される一体円筒状カラー
51が嵌挿されているので,この一体円筒状カラー51
が鋼心圧縮部である鋼スリーブ部27全体の補強とな
り,圧縮型引留クランプ24の一層の曲げ強度の向上が
図られる。この場合,鋼スリーブ部27自体の外径を大
きくするのでないから,アルミスリーブ22の外径を大
きくすることなく,鋼スリーブ部27の部分の曲げ強度
を向上させることができる。
【0029】さらに,実施例の圧縮型引留クランプ24
では,少なくともアルミスリーブ22の電気的必要長さ
の範囲には鋼スリーブ延長部31は延長していないの
で,アルミスリーブ22とアルミ線部13bとの間の電
気的接続状態は確保される。また,アルミスリーブ22
には,アルミスリーブ22と電線13のアルミ線部13
bとの直接接触部として,電気的必要長さとは別に少な
くともテーパ部37の1/2の長さは確保されているの
で,圧縮型引留クランプ24の口元部分まで強固に圧縮
してしまうおそれはなく,電線13がクランプ口元部分
で強い応力を受ける不都合はない。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば,クランプ口元近傍の電
線外周に巻き付けられたアーマーロッドがアルミスリー
ブのアーマーロッド挿入用中空部に挿入され,アルミス
リーブの圧縮により電線とアーマーロッドとアルミスリ
ーブとが一体化されているので,クランプ口元近傍の電
線の曲げ剛性を増大させることができ,金車通過時のク
ランプ口元近傍の電線の損傷を防止することができる。
この場合,アーマーロッドの素線径,本数,ピッチおよ
び巻き付け層数の選定等により,所望の曲げ剛性を容易
に得ることができる。
【0031】アーマーロッドは金車通過後において永久
設備として使用できるため,延線終了後に取り外す必要
はなく,したがって,高所作業を少なくすることがで
き,作業能率および安全面で有効である。
【0032】請求項4にようにアーマーロッドの素線を
テーパ状線材とすることで,クランプ口元近傍の電線の
曲げ剛性を,クランプ口元を最大とし連続的に減少させ
ることが可能である。この構造は,電線の損傷防止に一
層効果的である。
【0033】請求項5にようにアーマーロッドを電線の
外周に複数巻きするとともに,長手方向に層数を段階的
に変化させることで,クランプ口元近傍の電線の曲げ剛
性を,クランプ口元を最大とし段階的に減少させること
が可能である。この構造も,前記と同様に電線の損傷防
止に効果的である。
【0034】請求項2の圧縮型引留クランプによれば,
鋼スリーブ部の外周に,鋼スリーブ部の長手方向両側に
存在する大径部に両端が嵌合支持される一体円筒状カラ
ーを嵌挿したので,アルミスリーブの外径を大きくする
ことなく,鋼スリーブ部の部分の曲げ強度を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の圧縮型引留クランプにおけ
る鋼クランプの正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明の一実施例の圧縮型引留クランプにおけ
るアルミスリーブの正面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図3の右側面図である。
【図6】本発明の一実施例の圧縮型引留クランプの正面
図であり,図1の鋼クランプと図3のアルミスリーブと
を嵌合させた状態の正面図である。
【図7】上記圧縮型引留クランプが圧縮固定される鋼心
アルミ撚線からなる電線の縦断面図である。
【図8】図6におけるA−A断面図である。
【図9】図6における要部の縦断面図である。
【図10】図9等における一体円筒状カラーを示すもの
で,(イ)は正面図,(ロ)は(イ)の横断面図であ
る。
【図11】図9等における二つ割りの小径カラーを示す
もので,(イ)は一方のみの正面図,(ロ)は二つ合わ
せた状態での横断面図である。
【図12】図6におけるF−F部の断面を示すもので,
同図(イ)は圧縮前の断面図,同図(ロ)は圧縮後の断
面図である。
【図13】図6におけるB−B部の断面を示すもので,
同図(イ)は圧縮前の断面図,同図(ロ)は圧縮後の断
面図である。
【図14】図6におけるC−C部の断面を示すもので,
同図(イ)は圧縮前の断面図,同図(ロ)は圧縮後の断
面図である。
【図15】図6におけるD−D部の断面を示すもので,
同図(イ)は圧縮前の断面図,同図(ロ)は圧縮後の断
面図である。
【図16】上記圧縮型引留クランプに取り付けたジャン
パソケットの正面図である。
【図17】図16の右側面図である。
【図18】図16における要部のE−E拡大断面図であ
る。
【図19】図18におけるアルミスリーブの接続用平坦
面近傍の正面図である。
【図20】本発明の他の実施例を示す圧縮型引留クラン
プの要部の正面図である。
【図21】本発明のさらに他の実施例を示す圧縮型引留
クランプの要部の正面図である。
【図22】本発明のさらに他の実施例を示す圧縮型引留
クランプの要部の正面図である。
【図23】従来の圧縮型引留クランプを示す正面図であ
る。
【図24】従来の圧縮型引留クランプにおける問題点を
説明する図であり,延線時に圧縮型引留クランプが金車
を通過している状態の図である。
【図25】図24のように圧縮型引留クランプが金車を
通過している際に,圧縮型引留クランプおよび電線に働
く曲げ荷重について説明する図である。
【符号の説明】
21 鋼クランプ 22 アルミスリーブ 22a,22b,22c 中空部 22f アーマーロッド挿入用中空部 24 圧縮型引留クランプ 26 引留部 27 鋼スリーブ部 27a 中空部 29 鋼クランプ首部(大径部) 30 周溝部 30a 鍔状部(大径部) 31 鋼スリーブ延長部 31a 中空部 35 アルミスリーブ圧縮部 37 テーパ部 13 電線(鋼心アルミ撚線) 13a 鋼心 13b アルミ線部 L 圧縮型引留クランプ全長 M 圧縮型引留クランプの中央部 N テーパ部の1/2の長さとアルミスリーブの電気的
必要長さの和の位置 50,50’,50a,50b,50’b アーマー
ロッド 51 一体円筒状カラー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼心アルミ撚線からなる電線の端部の鋼
    心の外周上に圧縮固定される鋼スリーブ部と該電線を引
    き留めるための引留部とを少なくとも有する鋼クランプ
    と,前記電線のアルミ線の部分および前記鋼クランプの
    前記引留部を除く部分の外周にわたって被せられ圧縮に
    より鋼クランプに固定されるアルミスリーブとからなる
    圧縮型引留クランプにおいて,前記アルミスリーブの先
    端側に,電線の外周に巻き付けたアーマーロッドを挿入
    可能な内径のアーマーロッド挿入用中空部を設けたこと
    を特徴とする圧縮型引留クランプ。
  2. 【請求項2】 上記鋼クランプが,電線端部の鋼心の外
    周上に直接圧縮固定される鋼スリーブ部に加えて,前記
    鋼スリーブ部と同心の筒状をなし当該電線のアルミ線部
    の外周に嵌挿される鋼スリーブ延長部を備えるととも
    に,この鋼スリーブ延長部は,少なくとも圧縮型引留ク
    ランプ全長の中央部Mを越え,アルミスリーブ先端側か
    らテーパ部の1/2の長さと電線の電流容量の伝達に必
    要なアルミスリーブの電気的必要長さの和の位置Nは越
    えない範囲の位置まで延長され,さらに,前記鋼クラン
    プの鋼スリーブ部の外周に,鋼スリーブ部の長手方向両
    側に存在する大径部に両端が嵌合支持される一体円筒状
    カラーを嵌挿してなることを特徴とする請求項1記載の
    圧縮型引留クランプ。
  3. 【請求項3】 請求項1の圧縮型引留クランプを鋼心ア
    ルミ撚線からなる電線の端部に固定する電線への圧縮型
    引留クランプ固定方法であって,電線の外周にアーマー
    ロッドを巻き付け,電線外周に巻き付けた前記アーマー
    ロッドをアルミスリーブの前記アーマーロッド挿入用中
    空部に挿入し,次いで,アルミスリーブを圧縮して,電
    線とアーマーロッドとアルミスリーブとを一体化するこ
    とを特徴とする電線への圧縮型引留クランプ固定方法。
  4. 【請求項4】 前記アーマーロッドの素線が,アルミス
    リーブのアーマーロッド挿入用中空部側が太く反対側が
    細いテーパ状線材からなることを特徴とする請求項3記
    載の電線への圧縮型引留クランプ固定方法。
  5. 【請求項5】 前記アーマーロッドを電線の外周に複数
    巻きするとともに,各層のアーマーロッドは,アルミス
    リーブのアーマーロッド挿入用中空部側が多層で反対側
    が段階的に少い層となるように巻き付けることを特徴と
    する請求項3記載の電線への圧縮型引留クランプ固定方
    法。
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