JP3175910B2 - 圧縮型引留クランプ - Google Patents

圧縮型引留クランプ

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JP3175910B2 JP17012995A JP17012995A JP3175910B2 JP 3175910 B2 JP3175910 B2 JP 3175910B2 JP 17012995 A JP17012995 A JP 17012995A JP 17012995 A JP17012995 A JP 17012995A JP 3175910 B2 JP3175910 B2 JP 3175910B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,鋼心アルミ撚線から
なる送電線等の電線を耐張鉄塔に引き留めるために使用
される圧縮型引留クランプに関する。
【0002】
【従来の技術】テンションメンバである鋼心と電流通路
であるアルミ撚線との二層構造をなす鋼心アルミ撚線を
架空送電線等の電線として用いる場合,この鋼心アルミ
撚線(以下電線という)を耐張鉄塔に引き留めるため
に,鋼心アルミ撚線の二層構造に対応して,鋼クランプ
とアルミスリーブとから構成される圧縮型引留クランプ
が使用される。この種の一般的な圧縮型引留クランプ
は,ジャンパソケットを接続するためのラグ部がアルミ
スリーブの端部からほぼ直角方向に大きく突出したいわ
ゆるJEC型と呼ばれる構造をなしている。
【0003】ところで,架線工事の省力化を目的とし
て,架設すべき鉄塔の径間を予め精密に測定し,一方,
工場において架設すべき電線の弛度も考慮に入れた長さ
を精密に計尺するとともに,電線の両端部に圧縮型引留
クランプを圧縮固定してプレハブ電線とし,このプレハ
ブ電線を延線するプレハブ架線工法が知られている。こ
のプレハブ電線の延線の際,電線端部の圧縮型引留クラ
ンプにワイヤロープを連結し,鉄塔アームに吊持した金
車を通過させるが,前記のJEC型の圧縮型引留クラン
プでは,大きく突出したラグ部のために金車通過が困難
なので,図16,図17に示すように,ラグ部9がアル
ミスリーブ3に沿う形で設けられてあまり突出しない構
造のいわゆる金車通過型の圧縮型引留クランプ1が使用
されている。また,同図のように,金車通過時のクラン
プ口元(図16で左端部)部分における電線の急激な曲
がりによる電線の損傷を軽減するために,圧縮型引留ク
ランプ全長を電気的および機械的な性能を満足する範囲
で可能な限り短くした構造のものが使用されている。前
記従来の圧縮型引留クランプ1の詳細を説明すると,2
は鋼クランプ,3はアルミスリーブであり,鋼クランプ
2は,電線端部の露出鋼心部上に圧縮固定される鋼スリ
ーブ部4とアルミスリーブ3を堅固に結合させるための
波付部5と鋼クランプ2とアルミスリーブ3との間の水
密を図るためのテーパ状の密着部6と鉄塔に引き留める
ための引留部7とを一体に持つ構造であり,一方,アル
ミスリーブ3は,電線のアルミ線部および鋼クランプ2
の引留部7を除く部分の外周にわたって圧縮固定される
アルミスリーブ本体部8と,このアルミスリーブ本体部
8の引き留め端側(図16で右側)にアルミスリーブ本
体部8に沿って一体に設けた板状のラグ部9とからなっ
ている。この圧縮型引留クランプ1は,前述のJEC型
の圧縮型引留クランプに対して約80%程度の長さに短
尺化されている。
【0004】そして,上述の圧縮型引留クランプ1を精
密に定尺した電線の両端にそれぞれ圧縮固定してプレハ
ブ電線とするが,その際,アルミスリーブ3を電線のア
ルミ線部の外周に予め挿通させておき,電線端部の露出
させた鋼心上に鋼クランプ2の鋼スリーブ部4を圧縮固
定した後,前記アルミスリーブ3を鋼スリーブ部4の外
周およびアルミ線部の外周にわたって圧縮固定して鋼ク
ランプ2とアルミスリーブ3とを一体化する。このプレ
ハブ電線を延線した後,図16,図17に2点鎖線で示
すように先端が二股状のジャンパソケット11をラグ部
9に嵌合させ,ボルトで締め付け固定する。
【0005】上記従来の金車通過型の圧縮型引留クラン
プ1は,単に圧縮型引留クランプとしての電気的および
機械的性能を満足させるという観点で設計されているこ
とから,図示のように鋼クランプ2は,その鋼スリーブ
部4が圧縮型引留クランプ1の全長(アルミスリーブ3
の口元から引留部7の連結穴7aの中心までの距離)L
の中央部Mに達しない長さのものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように圧縮型引
留クランプ1を圧縮固定したプレハブ電線の延線作業に
おいて,図18に示すように,この圧縮型引留クランプ
1が金車12を通過する際,図19に示すように,圧縮
型引留クランプ1は,当該電線13およびワイヤロープ
14の延線張力Tによる垂直分力TV を受けることにな
り,圧縮型引留クランプ1の中央部Mを中心として両側
から曲げられることになる。この場合,最大曲げモーメ
ントが生じる箇所は中央部Mであるのに対して,前述の
ように鋼クランプ2の先端は圧縮型引留クランプ1の中
央部に達しない長さであるため,すなわち中央部Mから
電線13側の部分は強度の低いアルミスリーブ3のみで
あるため,延線張力およびカテナリ角度によっては,ア
ルミスリーブ3が延線張力により塑性変形を起こして曲
がってしまう場合があった。このため,この種の金車通
過型の圧縮型引留クランプ1を使用する場合は,延線張
力およびカテナリ角度について制限を設ける必要があっ
た。また,圧縮型引留クランプ1の塑性変形による曲が
りを防止するため,主要部が強度の高い特殊鋼で製作さ
れ電線側の部分が電線の曲がりに対する保護のためにゴ
ム製であるクランププロテクタ内に圧縮型引留クランプ
1を収容して金車を通過させる方法も実用化されている
が,この方法では,クランププロテクタの取り付け,取
り外し作業が煩雑であり,しかも取り外し作業は鉄塔の
上部に連結された耐張碍子連の先端部分で行う必要があ
り容易でないことから,工数の増大が著しいという欠点
がある。
【0007】なお,このような欠点を解消するために本
出願人は先に,鋼クランプに鋼スリーブ部と同心の筒状
をなし電線のアルミ線部の外周に嵌挿される鋼スリーブ
延長部を設け,この鋼スリーブ延長部を少なくとも圧縮
型引留クランプ全長の中央部を越える長さとした圧縮型
引留クランプを特許出願した(特願平7−42439
号)が,この圧縮型引留クランプにおけるアルミスリー
ブとジャンパソケットとの接続構造は,図20,図21
に示すように,1本のボルト15は,ジャンパソケット
16の二股部16aとともにアルミスリーブ8’および
鋼クランプを貫通して締め付け固定するが,他の例えば
4本のボルト17は図示の通り,単にジャンパソケット
16の左右の二股部16aにおけるアルミスリーブ8’
の上下の空間部分を締め付ける構成としていた。このジ
ャンパソケット16は一般に純アルミ鋳物であるため,
左右の二股部16aが容易に湾曲変形し,アルミスリー
ブ8’とジャンパソケット16との電気的接続に支障を
きたすこともあり得るという問題がある。ジャンパソケ
ットの変形を防ぐためには,二股部16aの板厚を大幅
に増大させる必要があるが,その場合には重量増大によ
る作業性の低下,およびコストアップを招くという問題
が生じる。また,図21では二股部16aの外側に強度
の大なる当て板18を添わせ,二股部16a自身の強度
を補う構造としているが,この場合,ボルト個々のトル
ク管理が必要であり,鉄塔に架線された碍子連の先端部
(ライン側)での宙乗り作業において実施することが余
儀なくされることを考慮した場合,トルク管理の実施は
困難である。また,当て板は高強度のアルミ合金鍛造品
を用いる必要があり,コストアップを招き,かつ部品点
数の増大による作業性の低下も招くこともある。
【0008】本発明は上記従来の欠点を解消するために
なされたもので,第1に圧縮型引留クランプの金車通過
時の延線張力の垂直分力による最大曲げモーメントに対
する強度を向上させることができ,クランププロテクタ
を必要とせずに圧縮型引留クランプの塑性変形による曲
がりを防止することができる圧縮型引留クランプを提供
することを目的とし,第2に,アルミスリーブとジャン
パソケットとの電気的接続を確保することが容易であ
り,また,架線作業の作業性の低下やコストアップを招
くことのない圧縮型引留クランプを提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の圧縮型引留クランプは,鋼心アルミ撚線からなる電
線端部の鋼心の外周上に圧縮固定される鋼スリーブ部と
該電線を引き留めるための引留部とを少なくとも有する
鋼クランプと,前記電線のアルミ線の部分および前記鋼
クランプの前記引留部を除く部分の外周にわたって被せ
られ圧縮により鋼クランプに固定されるアルミスリーブ
と,前記アルミスリーブのジャンパソケット接合部に形
成した互いに平行な2つの接続用平坦面に電気的接続状
態で固定される二股部を持つジャンパソケットとからな
る圧縮型引留クランプにおいて,前記鋼クランプは,前
記鋼スリーブ部と同心の筒状をなし当該電線のアルミ線
部の外周に嵌挿される鋼スリーブ延長部を備えるととも
に,この鋼スリーブ延長部は,少なくとも圧縮型引留ク
ランプ全長の中央部Mを越え,アルミスリーブ先端側か
らテーパ部の1/2の長さと電線の電流容量の伝達に必
要なアルミスリーブの電気的必要長さの和の位置Nは越
えない範囲の位置まで延長され,さらに,前記アルミス
リーブとジャンパソケットとは,ジャンパソケットの二
股部にあけたボルト挿通穴およびアルミスリーブのジャ
ンパソケット接合部の前記接続用平坦面にあけたボルト
挿通穴を貫通し,かつ,鋼心の外周上に圧縮固定された
六角形断面の鋼スリーブに接触しないジャンパソケット
固定用ボルトで互いに締め付け固定されたことを特徴と
する。ここで,ジャンパソケット接合部の接続用平坦面
にあけたボルト挿通穴とは,少なくともボルト挿通穴の
穴中心が接続用平坦面にあることをいう。
【0010】
【作用】上記構成の圧縮型引留クランプを電線に圧縮固
定したプレハブ電線の延線時に,圧縮型引留クランプが
金車を通過する際,圧縮型引留クランプは,当該電線お
よびワイヤロープの延線張力による垂直分力を受け,中
央部において最大曲げモーメントが生じる。しかし,こ
の中央部には鋼クランプの鋼スリーブ延長部が存在し,
この強度の高い鋼スリーブ延長部が最大曲げモーメント
を負担するので,アルミスリーブの塑性変形による曲が
りを防止できる。そして,鋼スリーブ延長部は,電線
(鋼心アルミ撚線)のアルミ線部をそのまま嵌挿させる
太さであり断面係数が大きいので,十分大きな強度を確
保することができ,この点でも,当該圧縮型引留クラン
プの強度が向上する。また,軟鋼である鋼スリーブ延長
部に電線をそのまま(アルミ線部のまま)収容の上圧縮
接続することから,十分大きな把持力密度が得られる。
【0011】そして,ジャンパソケット固定用のボルト
はアルミスリーブの接続用平坦面を貫通するので,ボル
トをいくら強く締め付けても,ジャンパソケットの二股
部に曲げ荷重が作用することはない。したがって,二股
部が湾曲変形することはなく,単にアルミスリーブの接
続用平坦面にさらに強く密着するのみであり,電気的接
続が損なわれることはない。
【0012】
【実施例】以下,本発明の実施例を図1〜図15を参照
して説明する。図1は本発明の一実施例の圧縮型引留ク
ランプにおける鋼クランプ21のみを示す正面図,図2
はアルミスリーブ22のみを示す正面図,図3は図1の
鋼クランプ21と図2のアルミスリーブ22とを互いに
嵌合させたものであり本発明の一実施例の圧縮型引留ク
ランプ24(ただし図11,図12等で後述するジャン
パソケット23は省いている)の正面図,図4は同平面
図である。この圧縮型引留クランプ24は,図5に示す
如くアルミ線部13bの中心に鋼心13aを有する鋼心
アルミ撚線からなる電線13の端部の鋼心13aをクラ
ンプする鋼クランプ21と,電線13のアルミ線部13
bとの電気的接続を図るためのアルミスリーブ22と,
鉄塔両側に引き留めた電線どうしを電気的に接続するジ
ャンパ線との電気的接続を図るためのジャンパソケット
23とからなっている。
【0013】前記鋼クランプ21は,図1,図3,図4
に示すように,鉄塔に引き留めるための穴26aを持つ
引留部26と,電線の鋼心部を収容する中空部27aを
有し鋼心収容後圧縮される鋼スリーブ部27と,前記引
留部26と鋼スリーブ部27との間に配置され,ジャン
パソケット23を固定するためのボルト28(図12参
照)が挿通する1つのボルト挿通穴29aを持つボルト
挿通部29と,アルミスリーブ22と鋼クランプ21と
を係合させるための周溝状部30と,電線を収容する中
空部31aを有しアルミ線部の分担荷重を保持できる圧
縮長さを有するとともに収容後に圧縮される鋼スリーブ
延長部31とからなっている。そして,前記鋼スリーブ
部31は,図3に示すように少なくとも圧縮型引留クラ
ンプ24の全長Lの中央部Mを越え,アルミスリーブ2
2の先端側(図3で左端側)からテーパ部37の1/2
の長さと電線の電流容量の伝達に必要なアルミスリーブ
22の電気的必要長さの和の位置Nは越えない範囲の位
置まで延長している。
【0014】前記アルミスリーブ22は,図2,図3,
図4に示すように,鋼クランプ21と嵌合後に圧縮接続
されるアルミスリーブ圧縮部35と,先端が二股状をな
すジャンパソケット23が電気的接続状態で嵌合固定さ
れる非圧縮部分であるジャンパソケット接合部36とか
らなり,前記ジャンパソケット接合部36は,ジャンパ
ソケット23の二股部41の内面に接触する平坦面36
aを両側に持ち,かつこの平坦面36aに前記のジャン
パソケット固定用のボルト28が挿通する1つのボルト
挿通穴(図示例は長穴)36bを持ち,当該アルミスリ
ーブ22のテーパ部37の1/2の長さおよび電気的必
要長さの圧縮部における中空部22aについては当該電
線と同等の内径を有するとともに,それ以外の中空部2
2bについては全長にわたって鋼スリーブ延長部31と
同等の内径を有している。
【0015】本発明では特に,アルミスリーブ22のジ
ャンパソケット接合部36の接続用平坦面36aに上下
2個ずつ合計4個のボルト挿通穴36cをあけている。
なお,接続用平坦面36aにボルト挿通穴36cをあけ
るとは,少なくともボルト挿通穴36cの穴中心が接続
用平坦面36aにあることを意味しており,図示の場合
は,ちょうど穴中心が接続用平坦面36aの上下縁に位
置している。さらに,このボルト挿通穴36cは,図1
3,図14に詳細を示すように,この穴に通したジャン
パソケット固定用のボルト42が,鋼心13aの外周上
に圧縮固定された六角形断面の鋼スリーブ27に接触し
ないような上下の位置に設けている。
【0016】前記ジャンパソケット23は,図11,図
12に示すように前述の二股部41を備え,この二股部
41に鋼クランプ21およびアルミスリーブ22にそれ
ぞれあけたジャンパソケット固定用の前記ボルト挿通穴
29a,36bに対応する1つのボルト挿通穴41a
と,アルミスリーブ22の接続用平坦面36aにあけた
前記4つのボルト挿通穴36cに対応する4つのボルト
挿通穴41bを備えている。
【0017】なお,各部の材質については,前記鋼クラ
ンプ22は軟鋼,アルミスリーブ22は電気用アルミ鋳
物,アルミ管あるいはアルミ棒等,ジャンパソケット2
3は電気用アルミ鋳物により製作するのが好ましい。
【0018】上記の圧縮型引留クランプ24を電線13
に圧縮固定する場合,アルミスリーブ22を電線13の
アルミ線部13b上の奥にスライド挿通させた状態で,
電線13の鋼心13aを鋼クランプ21の鋼スリーブ部
27の中空部27a内に挿入すると,電線13のアルミ
線部13bの一定長さが鋼スリーブ延長部31の中空部
31aに入る。ここで,鋼スリーブ部27および鋼スリ
ーブ延長部31を圧縮して,鋼スリーブ部27を鋼心1
3a上に六角形に圧縮固定(図9参照)するとともに,
鋼スリーブ延長部31をアルミ線部13b上に圧縮固定
(図8参照)する。次いで,鋼スリーブ部27の外周
に,図6,図10(イ),(ロ)に示すように内周面が
前記圧縮した六角形よりわずかに大きな六角形筒面で外
周面が鋼スリーブ延長部31とほぼ同径の円形筒面であ
る二つ割りのカラー43(図1にも2点鎖線で示す)を
被せ,次いで,アルミスリーブ22を鋼クランプ21の
外周上までスライド移動させてアルミ線部13bおよび
鋼クランプ21の引留部26を除く部分の外周に被せ,
アルミスリーブ圧縮部35(アルミスリーブ22のジャ
ンパソケット接合部36を除く範囲)を圧縮して,鋼ク
ランプ21とアルミスリーブ22とを一体化する(図7
参照)。なお,図7(イ),(ロ)は図3のB−B断
面,図8(イ),(ロ)は図3のC−C断面,図9
(イ),(ロ)は図3のD−D断面をそれぞれ示し,各
図において(イ)は圧縮前,(ロ)は圧縮後を示す。こ
の時,少なくともアルミスリーブ22の電気的必要長さ
の範囲には鋼スリーブ延長部31は延長していないの
で,アルミスリーブ22とアルミ線部13bとの間の電
気的接続状態は確保される。また,アルミスリーブ22
には,アルミスリーブ22と電線13のアルミ線部13
bとの直接接触部として,電気的必要長さとは別に少な
くともテーパ部37の1/2の長さは確保されているの
で,圧縮型引留クランプ24の口元部分まで強固に圧縮
してしまうおそれはなく,電線13がクランプ口元部分
で強い応力を受けて損傷し易くなるおそれはない。
【0019】上記の要領で電線13の両端に圧縮型引留
クランプ24を圧縮固定するとプレハブ電線が得られる
が,図15に示すように,このプレハブ電線44の延線
時に,圧縮型引留クランプ24が金車12を通過する
際,圧縮型引留クランプ24は,図19で説明したよう
に,当該電線13およびワイヤロープ14の延線張力T
による垂直分力TV を受け,中央部Mにおいて最大曲げ
モーメントが生じる。しかし,この中央部Mには鋼クラ
ンプ21の鋼スリーブ延長部31が存在し,この強度の
高い鋼スリーブ延長部31が最大曲げモーメントを負担
するので,アルミスリーブ22の塑性変形による曲がり
を防止できる。また,鋼スリーブ延長部31は,電線
(鋼心アルミ撚線)13のアルミ線部13bをそのまま
嵌挿させる太さであり断面係数が大きいので,十分大き
な強度を確保することができ,この点でも,当該圧縮型
引留クランプ24の強度が向上する。したがって,従来
のようにクランププロテクタを用いる必要がない。ま
た,通常のように電線(鋼心アルミ撚線)13に被せた
アルミスリーブを圧縮した時の把持力密度が0.4〜
0.6kgf/mm2 であるのに対して,本発明のよう
に電線13に被せた鋼スリーブ延長部31を圧縮した時
の把持力密度は約2kgf/mm2 であり,同じ把持面
積では通常の約4倍の強度が得られる。したがって,電
線13のアルミ線部13bが分担する引っ張り強度を満
足させるための圧縮長さを従来のアルミスリーブと比較
して大幅に短尺化することが可能であり,これにより圧
縮型引留クランプ全体の長さを短尺化することが可能で
あり,これにより圧縮型引留クランプ24に加わる曲げ
モーメントを大きく減少させることができる。
【0020】前記プレハブ電線を延線した後,図11〜
図14に示すように,ジャンパソケット23の二股部4
1を圧縮型引留クランプ24のアルミスリーブ22のジ
ャンパソケット接合部36に嵌合させ,次いで,ボルト
28をジャンパソケット23の二股部41のボルト挿通
穴41a,アルミスリーブ22のジャンパソケット接合
部36のボルト挿通穴36b,鋼クランプ21のボルト
挿通部29のボルト挿通穴29aに貫通させナット44
を螺合させ締め付ける。次いで,ジャンパソケット23
の二股部41の上下4つのボルト挿通穴41b,アルミ
スリーブ22の接続用平坦面36aにあけた上下4つの
ボルト挿通穴36cにジャンパソケット固定用のボルト
42を貫通させ,ナット45を螺合させ,締め付ける。
こうして,ジャンパソケット23がアルミスリーブ22
に電気的接続状態で固定される。この場合,ジャンパソ
ケット固定用のボルト42はアルミスリーブ22の接続
用平坦面36aを貫通するので,ボルト42をいくら強
く締め付けても,ジャンパソケット23の二股部41が
湾曲変形することはなく,単にアルミスリーブ22の接
続用平坦面36aにさらに強く密着するのみである。し
たがって,電気的接続が損なわれることはない。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば,鋼クランプと一体に設
けた鋼スリーブ延長部が少なくとも圧縮型引留クランプ
全長の中央部Mを越え,アルミスリーブ先端側からテー
パ部の1/2の長さと電線の電流容量の伝達に必要なア
ルミスリーブの電気的必要長さの和の位置Nは越えない
範囲の位置まで延長しているので,圧縮型引留クランプ
の金車通過時の延線張力の垂直分力による最大曲げモー
メントに対する強度を著しく向上させることができ,ク
ランププロテクタを必要とせずに圧縮型引留クランプの
塑性変形による曲がりを防止することが可能となった。
また,鋼スリーブ延長部は,電線(鋼心アルミ撚線)の
アルミ線部をそのまま嵌挿させる太さであり断面係数が
大きいので,十分大きな強度を確保することができ,こ
の点でも,圧縮型引留クランプの曲がりを防止する効果
を持つ。また,軟鋼である鋼スリーブ延長部に電線をそ
のまま(アルミ線部のまま)収容の上圧縮接続すること
から,十分大きな把持力密度が得られ,これにより圧縮
型引留クランプ全体の長さを短尺化して,圧縮型引留ク
ランプに加わる曲げモーメントを大きく減少させること
が可能であり,この点でも圧縮型引留クランプの曲がり
を防止する効果を持つ。
【0022】そして,ジャンパソケット固定用のボルト
はアルミスリーブの接続用平坦面を貫通するので,ボル
トをいくら強く締め付けても,ジャンパソケットの二股
部に曲げ荷重が作用して二股部が湾曲変形することはな
く,アルミスリーブとジャンパソケットとの電気的接続
を確実に実現することができる。ジャンパソケットの二
股部に曲げ荷重が作用しないので,二股部の厚みを電流
容量からのみ設定することができ,板厚を最小限に抑え
ることができる。このため,重量増大を避けることがで
き,重量増大に伴う作業性の低下,およびコストアップ
を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の圧縮型引留クランプにおけ
る鋼クランプの正面図である。
【図2】本発明の一実施例の圧縮型引留クランプにおけ
るアルミスリーブの正面図である。
【図3】本発明の一実施例の圧縮型引留クランプにおけ
るジャンパソケットを除いた部分の正面図であり,図1
の鋼クランプと図2のアルミスリーブとを嵌合させた状
態の正面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】上記圧縮型引留クランプが圧縮固定される鋼心
アルミ撚線からなる電線の縦断面図である。
【図6】図3におけるA−A断面図である。
【図7】図3におけるB−B部の断面を示すもので,同
図(イ)は圧縮前の断面図,同図(ロ)は圧縮後の断面
図である。
【図8】図3におけるC−C部の断面を示すもので,同
図(イ)は圧縮前の断面図,同図(ロ)は圧縮後の断面
図である。
【図9】図3におけるD−D部の断面を示すもので,同
図(イ)は圧縮前の断面図,同図(ロ)は圧縮後の断面
図である。
【図10】図9等における2つ割りのカラーを示すもの
で,(イ)は2つ割りのカラーの一方のみを示す正面
図,(ロ)は2つ合わせた状態の右側面図である。
【図11】本発明の一実施例の圧縮型引留クランプにお
けるジャンパソケットの正面図である。
【図12】図11の右側面図である。
【図13】図11における要部のE−E拡大断面図であ
る。
【図14】図13におけるアルミスリーブの接続用平坦
面近傍の正面図である。
【図15】上記実施例構造の圧縮型引留クランプを取り
付けたプレハブ電線の延線過程において,圧縮型引留ク
ランプが金車上を通過している態様を示す正面図であ
る。
【図16】従来の圧縮型引留クランプを示す正面図であ
る。
【図17】図16の右側面図である。
【図18】図16の圧縮型引留クランプを取り付けたプ
レハブ電線の延線過程において,圧縮型引留クランプが
金車上を通過している態様を示す正面図である。
【図19】図18の延線過程において圧縮型引留クラン
プに働く力を説明する図である。
【図20】他の従来の圧縮型引留クランプにおけるジャ
ンパソケットの正面図である。
【図21】図20における右側面図である。
【符号の説明】
21 鋼クランプ 22 アルミスリーブ 22a,22b 中空部 23 ジャンパソケット 24 圧縮型引留クランプ 26 引留部 27 鋼スリーブ部 27a 中空部 28 ジャンパソケット固定用のボルト 29 ボルト挿通部 29a ボルト挿通穴 30 周溝状部 31 鋼スリーブ延長部 31a 中空部 35 アルミスリーブ圧縮部 36 ジャンパソケット接合部 36a 接続用平坦面 36b ボルト挿通穴 36c ボルト挿通穴 37 テーパ部 41 二股部 41a ボルト挿通穴 41b ボルト挿通穴 42 ボルト 44 プレハブ電線 13 電線(鋼心アルミ撚線) 13a 鋼心 13b アルミ線部 L 圧縮型引留クランプ全長 M 圧縮型引留クランプの中央部 N テーパ部の1/2の長さとアルミスリーブの電気的
必要長さの和の位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−70418(JP,A) 特開 平8−140252(JP,A) 実開 昭51−99197(JP,U) 実開 昭53−62693(JP,U) 実開 昭54−84591(JP,U) 実開 昭57−101524(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 7/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼心アルミ撚線からなる電線端部の鋼心
    の外周上に圧縮固定される鋼スリーブ部と該電線を引き
    留めるための引留部とを少なくとも有する鋼クランプ
    と,前記電線のアルミ線の部分および前記鋼クランプの
    前記引留部を除く部分の外周にわたって被せられ圧縮に
    より鋼クランプに固定されるアルミスリーブと,前記ア
    ルミスリーブのジャンパソケット接合部に形成した互い
    に平行な2つの接続用平坦面に電気的接続状態で固定さ
    れる二股部を持つジャンパソケットとからなる圧縮型引
    留クランプにおいて,前記鋼クランプは,前記鋼スリー
    ブ部と同心の筒状をなし当該電線のアルミ線部の外周に
    嵌挿される鋼スリーブ延長部を備えるとともに,この鋼
    スリーブ延長部は,少なくとも圧縮型引留クランプ全長
    の中央部Mを越え,アルミスリーブ先端側からテーパ部
    の1/2の長さと電線の電流容量の伝達に必要なアルミ
    スリーブの電気的必要長さの和の位置Nは越えない範囲
    の位置まで延長され,さらに,前記アルミスリーブとジ
    ャンパソケットとは,ジャンパソケットの二股部にあけ
    たボルト挿通穴およびアルミスリーブのジャンパソケッ
    ト接合部の前記接続用平坦面にあけたボルト挿通穴を貫
    通し,かつ,鋼心の外周上に圧縮固定された六角形断面
    の鋼スリーブに接触しないジャンパソケット固定用ボル
    トで互いに締め付け固定されたことを特徴とする圧縮型
    引留クランプ。
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