JP3130441B2 - 圧縮型引留クランプ - Google Patents

圧縮型引留クランプ

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JP3130441B2
JP3130441B2 JP4243995A JP4243995A JP3130441B2 JP 3130441 B2 JP3130441 B2 JP 3130441B2 JP 4243995 A JP4243995 A JP 4243995A JP 4243995 A JP4243995 A JP 4243995A JP 3130441 B2 JP3130441 B2 JP 3130441B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,鋼心アルミ撚線から
なる送電線等の電線を耐張鉄塔に引き留めるために使用
される圧縮型引留クランプに関する。
【0002】
【従来の技術】テンションメンバである鋼心と電流通路
であるアルミ撚線との二層構造をなす鋼心アルミ撚線を
架空送電線等の電線として用いる場合,この鋼心アルミ
撚線(以下電線という)を耐張鉄塔に引き留めるため
に,鋼心アルミ撚線の二層構造に対応して,鋼クランプ
とアルミスリーブとから構成される圧縮型引留クランプ
が使用される。この種の一般的な圧縮型引留クランプ
は,ジャンパソケットを接続するためのラグ部がアルミ
スリーブの端部からほぼ直角方向に大きく突出したいわ
ゆるJEC型と呼ばれる構造をなしている。
【0003】ところで、架線工事の省力化を目的とし
て、架設すべき鉄塔の径間を予め精密に測定し、一方、
工場において架設すべき電線の弛度も考慮に入れた長さ
を精密に計尺するとともに、電線の両端部に圧縮型引留
クランプを圧縮固定してプレハブ電線とし、このプレハ
ブ電線を延線するプレハブ架線工法が知られている。こ
のプレハブ電線の延線の際、電線端部の圧縮型引留クラ
ンプにワイヤロープを連結し、鉄塔アームに吊持した金
車を通過させるが、前記のJEC型の圧縮型引留クラン
プでは、大きく突出したラグ部のために金車通過が困難
なので、図19、図20に示すように、ラグ部9がアル
ミスリーブ3に沿う形で設けられてあまり突出しない構
造のいわゆる金車通過型の圧縮型引留クランプ1が使用
されている。また、同図のように、金車通過時のクラン
プ口元(図19で左端部)部分における電線の急激な曲
がりによる電線の損傷を軽減するために、圧縮型引留ク
ランプ全長を電気的および機械的な性能を満足する範囲
で可能な限り短くした構造のものが使用されている。前
記従来の圧縮型引留クランプ1の詳細を説明すると、2
は鋼クランプ、3はアルミスリーブであり、鋼クランプ
2は、電線端部の露出鋼心部上に圧縮固定される鋼スリ
ーブ部4とアルミスリーブ3を堅固に結合させるための
波付部5と鋼クランプ2とアルミスリーブ3との間の水
密を図るためのテーパ状の密着部6と鉄塔に引き留める
ための引留部7とを一体に持つ構造であり、一方、アル
ミスリーブ3は、電線のアルミ線部および鋼クランプ2
の引留部7を除く部分の外周にわたって圧縮固定される
アルミスリーブ本体部8と、このアルミスリーブ本体部
8の引き留め端側(図19で右側)にアルミスリーブ本
体部8に沿って一体に設けた板状のラグ部9とからなっ
ている。この圧縮型引留クランプ1は、前述のJEC型
の圧縮型引留クランプに対して約80%程度の長さに短
尺化されている。
【0004】そして,上述の圧縮型引留クランプ1を精
密に定尺した電線の両端にそれぞれ圧縮固定してプレハ
ブ電線とするが,その際,アルミスリーブ3を電線のア
ルミ線部の外周に予め挿通させておき,電線端部の露出
させた鋼心上に鋼クランプ2の鋼スリーブ部4を圧縮固
定した後,前記アルミスリーブ3を鋼スリーブ部4の外
周およびアルミ線部の外周にわたって圧縮固定して鋼ク
ランプ2とアルミスリーブ3とを一体化する。このプレ
ハブ電線を延線した後,図19,図20に2点鎖線で示
すように先端が二股状のジャンパソケット11をラグ部
9に嵌合させ,ボルトで締め付け固定する。
【0005】上記従来の金車通過型の圧縮型引留クラン
プ1は,単に圧縮型引留クランプとしての電気的および
機械的性能を満足させるという観点で設計されているこ
とから,図示のように鋼クランプ2は,その鋼スリーブ
部4が圧縮型引留クランプ1の全長(アルミスリーブ3
の口元から引留部7の連結穴7aの中心までの距離)L
の中央部Mに達しない長さのものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように圧縮型引
留クランプ1を圧縮固定したプレハブ電線の延線作業に
おいて,図21に示すように,この圧縮型引留クランプ
1が金車12を通過する際,図22に示すように,圧縮
型引留クランプ1は,当該電線13およびワイヤロープ
14の延線張力Tによる垂直分力TV を受けることにな
り,圧縮型引留クランプ1の中央部Mを中心として両側
から曲げられることになる。この場合,最大曲げモーメ
ントが生じる箇所は中央部Mであるのに対して,前述の
ように鋼クランプ2の先端は圧縮型引留クランプ1の中
央部に達しない長さであるため,すなわち中央部Mから
電線13側の部分は強度の低いアルミスリーブ3のみで
あるため,延線張力およびカテナリ角度によっては,ア
ルミスリーブ3が延線張力により塑性変形を起こして曲
がってしまう場合があった。このため,この種の金車通
過型の圧縮型引留クランプ1を使用する場合は,延線張
力およびカテナリ角度について制限を設ける必要があっ
た。また,圧縮型引留クランプ1の塑性変形による曲が
りを防止するため,主要部が強度の高い特殊鋼で製作さ
れ電線側の部分が電線の曲がりに対する保護のためにゴ
ム製であるクランププロテクタ内に圧縮型引留クランプ
1を収容して金車を通過させる方法も実用化されている
が,この方法では,クランププロテクタの取り付け,取
り外し作業が煩雑であり,しかも取り外し作業は鉄塔の
上部に連結された耐張碍子連の先端部分で行う必要があ
り容易でないことから,工数の増大が著しいという欠点
がある。
【0007】本発明は上記従来の欠点を解消するために
なされたもので,圧縮型引留クランプの金車通過時の延
線張力の垂直分力による最大曲げモーメントに対する強
度を向上させることができ,クランププロテクタを必要
とせずに圧縮型引留クランプの塑性変形による曲がりを
防止することができる圧縮型引留クランプを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の圧縮型引留クランプは,鋼心アルミ撚線からなる電
線端部の鋼心の外周上に圧縮固定される鋼スリーブ部と
該電線を引き留めるための引留部とを少なくとも有する
鋼クランプと,前記電線のアルミ線の部分および前記鋼
クランプの前記引留部を除く部分の外周にわたって被せ
られ圧縮により鋼クランプに固定されるアルミスリーブ
と,前記アルミスリーブの外周に電気的接続状態で固定
されるジャンパソケットとからなる圧縮型引留クランプ
において,前記鋼クランプは,前記鋼スリーブ部と同心
の筒状をなし当該電線のアルミ線部の外周に嵌挿される
鋼スリーブ延長部を備えるとともに,この鋼スリーブ延
長部は,少なくとも圧縮型引留クランプ全長の中央部M
を越え,アルミスリーブ先端側からテーパ部の1/2の
長さと電線の電流容量の伝達に必要なアルミスリーブの
電気的必要長さの和の位置Nは越えない範囲の位置まで
延長していることを特徴とする。
【0009】請求項5は,上記の圧縮型引留クランプに
おいて,鋼クランプの波部を鋼スリーブ部と引留部との
間に配置するとともに,この波部にジャンパソケット固
定用のボルトを挿通させるボルト挿通穴をあけたことを
特徴とする。
【0010】
【作用】上記構成の圧縮型引留クランプを電線に圧縮固
定したプレハブ電線の延線時に,圧縮型引留クランプが
金車を通過する際,圧縮型引留クランプは,当該電線お
よびワイヤロープの延線張力による垂直分力を受け,中
央部において最大曲げモーメントが生じる。しかし,こ
の中央部には鋼クランプの鋼スリーブ延長部が存在し,
この強度の高い鋼スリーブ延長部が最大曲げモーメント
を負担するので,アルミスリーブの塑性変形による曲が
りを防止できる。そして,鋼スリーブ延長部は,電線
(鋼心アルミ撚線)のアルミ線部をそのまま嵌挿させる
太さであり断面係数が大きいので,十分大きな強度を確
保することができ,この点でも,当該圧縮型引留クラン
プの強度が向上する。また,軟鋼である鋼スリーブ延長
部に電線をそのまま(アルミ線部のまま)収容の上圧縮
接続することから,十分大きな把持力密度が得られる。
【0011】請求項5において,波部がジャンパソケッ
ト固定用のボルトを挿通させるボルト挿通穴を持つボル
ト挿通部を兼ねており,専用のボルト挿通部に相当する
長さ分が短くなる。
【0012】
【実施例】以下,本発明の実施例を図1〜図18を参照
して説明する。図1は本発明の一実施例の圧縮型引留ク
ランプにおける鋼クランプ21のみを示す正面図,図2
はアルミスリーブ22のみを示す正面図,図3は図1の
鋼クランプ21と図2のアルミスリーブ22とを互いに
嵌合させたものであり本発明の一実施例の圧縮型引留ク
ランプ24(ただし後述のジャンパソケット23は省い
ている)の正面図,図4は同平面図である。この圧縮型
引留クランプ24は,図5に示す如くアルミ線部13b
の中心に鋼心13aを有する鋼心アルミ撚線からなる電
線13の端部の鋼心13aをクランプする鋼クランプ2
1と,電線13のアルミ線部13bとの電気的接続を図
るためのアルミスリーブ22と,鉄塔両側に引き留めた
電線どうしを電気的に接続するジャンパ線との電気的接
続を図るためのジャンパソケット23とからなってい
る。
【0013】前記鋼クランプ21は、図1、図3、図4
に示すように、鉄塔に引き留めるための穴26aを持つ
引留部26と、電線の鋼心部を収容する中空部27aを
有し鋼心収容後圧縮される鋼スリーブ部27と、前記引
留部26と鋼スリーブ部27との間に配置され、ジャン
パソケット23を固定するためのボルト28(図10参
照)が挿通する1つのボルト挿通穴29aを持つボルト
挿通部29と、アルミスリーブ22と鋼クランプ21と
を接続するとともに電線の鋼心部が鋼スリーブ部27へ
貫通できる中空部30aを有する波部30と、電線を収
容する中空部31aを有しアルミ線部の分担荷重を保持
できる圧縮長さを有するとともに収容後に圧縮される鋼
スリーブ延長部31とからなっている。そして、前記鋼
スリーブ部31は、図3に示すように少なくとも圧縮型
引留クランプ24の全長Lの中央部Mを越え、アルミス
リーブ22の先端側(図3で左端側)からテーパ部37
の1/2の長さと電線の電流容量の伝達に必要なアルミ
スリーブ22の電気的必要長さの和の位置Nは越えない
範囲の位置まで延長している。すなわち、鋼スリーブ延
長部31は、アルミスリーブ22の電気的必要長さの範
囲には侵入しない。したがって、アルミスリーブ22と
アルミ線部13bとの間の電気的接続状態は確保され
る。なお、アルミスリーブ22の「先端側からテーパ部
37の1/2の長さ」の部分は、円筒部分と比べて径が
十分小さく、アルミスリーブ22を圧縮した時、殆どな
いし全く圧縮されない部分であって、電線外周面に十分
強く密着せずに電気的接続は有効に行われない部分であ
り、したがって、この部分は、図3に示す通り電気的必
要長さ部分としてカウントしない。一方、テーパ部37
の大径側の1/2の長さの部分は、円筒部分と比べて径
が僅かに小さいだけなので一定の圧縮が行われ、電線外
周面にある程度強く密着して電気的接続がある程度有効
に行われるので、図3に示すように、電気的必要長さに
カウントする。
【0014】前記アルミスリーブ22は、図2、図3、
図4に示すように、鋼クランプ21と嵌合後に圧縮接続
されるアルミスリーブ圧縮部35と、先端が二股状をな
すジャンパソケット23が電気的接続状態で嵌合固定さ
れる非圧縮部分であるジャンパソケット接合部36とか
らなり、前記ジャンパソケット接合部36は、ジャンパ
ソケット23の二股部41の内面に接触する平坦面36
aを両側に持ち、かつこの平坦面36aに前記のジャン
パソケット固定用のボルト28が挿通する1つのボルト
挿通穴(図示例は長穴)36bを持ち、当該アルミスリ
ーブ22のテーパ部37の1/2の長さおよび電気的必
要長さの圧縮部における中空部22aについては当該電
線と同等の内径を有するとともに、それ以外の中空部2
2bについては全長にわたって鋼スリーブ延長部31と
同等の内径を有している。
【0015】前記ジャンパソケット23は,図9,図1
0に示すように前述の二股部41を備え,この二股部4
1に鋼クランプ21およびアルミスリーブ22にそれぞ
れあけたジャンパソケット固定用の前記ボルト挿通穴2
9a,36bに対応する1つのボルト挿通穴41aと,
アルミスリーブ22の上下位置において二股部41のみ
を左右に貫通するボルト42(図10参照)を通すため
の例えば図示例では上下2個ずつのボルト挿通穴41b
を備えている。
【0016】なお,各部の材質については,前記鋼クラ
ンプ22は軟鋼,アルミスリーブ22は電気用アルミ鋳
物,アルミ管あるいはアルミ棒等,ジャンパソケット2
3は電気用アルミ鋳物により製作するのが好ましい。
【0017】上記の圧縮型引留クランプ24を電線13
に圧縮固定する場合、アルミスリーブ22を電線13の
アルミ線部13b上の奥にスライド挿通させた状態で、
電線13の鋼心13aを鋼クランプ21の鋼スリーブ部
27の中空部27a内に挿入すると、電線13のアルミ
線部13bの一定長さが鋼スリーブ延長部31の中空部
31aに入る。ここで、鋼スリーブ部27および鋼スリ
ーブ延長部31を圧縮して、鋼スリーブ部27を鋼心1
3a上に六角形に圧縮固定(図8参照)するとともに、
鋼スリーブ延長部31をアルミ線部13b上に圧縮固定
(図7参照)する。次いで、鋼スリーブ部27の外周
に、内周面が前記圧縮した六角形よりわずかに大きな六
角形筒面で外周面が鋼スリーブ延長部31とほぼ同径の
円形筒面である二つ割りのカラー43(図1に2点鎖線
で示す)を被せ、次いで、アルミスリーブ22を鋼クラ
ンプ21の外周上までスライド移動させてアルミ線部1
3bおよび鋼クランプ21の引留部26を除く部分の外
周に被せ、アルミスリーブ圧縮部35(アルミスリーブ
22のジャンパソケット接合部36を除く範囲)を圧縮
して、鋼クランプ21とアルミスリーブ22とを一体化
する(図6参照)。なお、図6(イ)、(ロ)は図3
A−A断面、図7(イ)、(ロ)は図3のB−B断面、
図8(イ)、(ロ)は図3のC−C断面をそれぞれ示
し、各図において(イ)は圧縮前、(ロ)は圧縮後を示
す。この時、少なくともアルミスリーブ22の電気的必
要長さの範囲には鋼スリーブ延長部31は延長していな
いので、アルミスリーブ22とアルミ線部13bとの間
の電気的接続状態は確保される。また、アルミスリーブ
22には、アルミスリーブ22と電線13のアルミ線部
13bとの直接接触部として、電気的必要長さとは別に
少なくともテーパ部37の1/2の長さは確保されてい
るので(すなわち、「先端側からテーパ部37の1/2
の長さ」の部分が、電気的必要長さとしてカウントしな
い部分として存在するので)、圧縮型引留クランプ24
の口元部分まで強固に圧縮してしまうおそれはなく、電
線13がクランプ口元部分で強い応力を受けて損傷し易
くなるおそれはない。
【0018】上記の要領で電線13の両端に圧縮型引留
クランプ24を圧縮固定するとプレハブ電線が得られる
が,図11に示すように,このプレハブ電線44の延線
時に,圧縮型引留クランプ24が金車12を通過する
際,圧縮型引留クランプ24は,図22で説明したよう
に,当該電線13およびワイヤロープ14の延線張力T
による垂直分力TV を受け,中央部Mにおいて最大曲げ
モーメントが生じる。しかし,この中央部Mには鋼クラ
ンプ21の鋼スリーブ延長部31が存在し,この強度の
高い鋼スリーブ延長部31が最大曲げモーメントを負担
するので,アルミスリーブ22の塑性変形による曲がり
を防止できる。また,鋼スリーブ延長部31は,電線
(鋼心アルミ撚線)13のアルミ線部13bをそのまま
嵌挿させる太さであり断面係数が大きいので,十分大き
な強度を確保することができ,この点でも,当該圧縮型
引留クランプ24の強度が向上する。したがって,従来
のようにクランププロテクタを用いる必要がない。ま
た,通常のように電線(鋼心アルミ撚線)13に被せた
アルミスリーブを圧縮した時の把持力密度が0.4〜
0.6kgf/mm2 であるのに対して,本発明のよう
に電線13に被せた鋼スリーブ延長部31を圧縮した時
の把持力密度は約2kgf/mm2 であり,同じ把持面
積では通常の約4倍の強度が得られる。したがって,電
線13のアルミ線部13bが分担する引っ張り強度を満
足させるための圧縮長さを従来のアルミスリーブと比較
して大幅に短尺化することが可能であり,これにより圧
縮型引留クランプ全体の長さを短尺化することが可能で
あり,これにより圧縮型引留クランプ24に加わる曲げ
モーメントを大きく減少させることができる。
【0019】前記プレハブ電線を延線した後,図9,図
10に示すように,ジャンパソケット23の二股部41
を圧縮型引留クランプ24のアルミスリーブ22のジャ
ンパソケット接合部36に嵌合させ,次いで,ボルト2
8をジャンパソケット23の二股部41のボルト挿通穴
41a,アルミスリーブ22のジャンパソケット接合部
36のボルト挿通穴36b,鋼クランプ21のボルト挿
通部29のボルト挿通穴29aに貫通させナット44を
螺合させ締め付ける。次いで,ジャンパソケット23の
二股部41のボルト挿通穴41bにクランプ非貫通のボ
ルト42を貫通させ,ナット45を螺合させ,締め付け
る。こうして,ジャンパソケット23がアルミスリーブ
22に電気的接続状態で固定される。
【0020】図12〜図18に本発明の第2実施例の圧
縮型引留クランプ(請求項5の圧縮型引留クランプ)を
示す。図12はこの第2実施例の圧縮型引留クランプ2
4’(ただしジャンパソケット23は省いている)の正
面図,図13は同平面図である。また,図14(イ),
(ロ)は図12のA’−A’断面,図15(イ),
(ロ)は図12のB’−B’断面,図16(イ),
(ロ)は図12のC’−C’断面をそれぞれ示し,各図
において(イ)は圧縮前,(ロ)は圧縮後を示す。ま
た,図17,図18にこの圧縮型引留クランプ24’の
ジャンパソケットを示す。この圧縮型引留クランプ2
4’は,これらの図に示されるように,鋼クランプ2
1’の波部30’を鋼スリーブ部27’と引留部26と
の間に配置するとともに,この波部30’にジャンパソ
ケット固定用のボルト28を挿通させるボルト挿通穴2
9’aをあけた構造である。すなわち,専用のボルト挿
通部がなく,波部30’がボルト挿通部を兼ねている。
そして,アルミスリーブ22’は全長にわたって六角形
に圧縮接続し,図18に示すように六角圧縮後の相対す
る二面の圧縮面を利用して,ジャンパソケット23との
電気的接続を確保するものである。この場合,電気的接
続の信頼性を向上させるために,圧縮後の相対する二面
の表面を何らかの手段で平滑に仕上げ加工するとよい。
その他の点では図1〜図10の実施例の圧縮型引留クラ
ンプ24と基本的には同じである。
【0021】上記の圧縮型引留クランプ24’によれ
ば,ボルト挿通部として波部30’を利用し,専用のボ
ルト挿通部を無くしているので,その部分の長さが短く
なり,圧縮型引留クランプの全体長さを一層短くするこ
とができる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば,鋼クランプと一体に設
けた鋼スリーブ延長部が少なくとも圧縮型引留クランプ
全長の中央部Mを越え,アルミスリーブ先端側からテー
パ部の1/2の長さと電線の電流容量の伝達に必要なア
ルミスリーブの電気的必要長さの和の位置Nは越えない
範囲の位置まで延長しているので,圧縮型引留クランプ
の金車通過時の延線張力の垂直分力による最大曲げモー
メントに対する強度を著しく向上させることができ,ク
ランププロテクタを必要とせずに圧縮型引留クランプの
塑性変形による曲がりを防止することが可能となった。
また,鋼スリーブ延長部は,電線(鋼心アルミ撚線)の
アルミ線部をそのまま嵌挿させる太さであり断面係数が
大きいので,十分大きな強度を確保することができ,こ
の点でも,圧縮型引留クランプの曲がりを防止する効果
を持つ。また,軟鋼である鋼スリーブ延長部に電線をそ
のまま(アルミ線部のまま)収容の上圧縮接続すること
から,十分大きな把持力密度が得られ,これにより圧縮
型引留クランプ全体の長さを短尺化して,圧縮型引留ク
ランプに加わる曲げモーメントを大きく減少させること
が可能であり,この点でも圧縮型引留クランプの曲がり
を防止する効果を持つ。
【0023】請求項5によれば,波部がボルト挿通部を
兼ねているので,圧縮型引留クランプの全体長さを一層
短くすることができ,これにより圧縮型引留クランプに
加わる曲げモーメントが大きく減少し,この点でも圧縮
型引留クランプの曲がりを防止する効果を持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の圧縮型引留クランプにおけ
る鋼クランプの正面図である。
【図2】本発明の一実施例の圧縮型引留クランプにおけ
るアルミスリーブの正面図である。
【図3】本発明の一実施例の圧縮型引留クランプにおけ
るジャンパソケットを除いた部分の正面図であり、図1
の鋼クランプと図2のアルミスリーブとを嵌合させた状
態の正面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】上記圧縮型引留クランプが圧縮固定される鋼心
アルミ撚線からなる電線の縦断面図である。
【図6】図3におけるA−A部の断面を示すもので、同
図(イ)は圧縮前の断面図、同図(ロ)は圧縮後の断面
図である。
【図7】図3におけるB−B部の断面を示すもので、同
図(イ)は圧縮前の断面図、同図(ロ)は圧縮後の断面
図である。
【図8】図3におけるC−C部の断面を示すもので、同
図(イ)は圧縮前の断面図、同図(ロ)は圧縮後の断面
図である。
【図9】本発明の一実施例の圧縮型引留クランプにおけ
るジャンパソケットの正面図である。
【図10】図9の右側面図である。
【図11】上記実施例構造の圧縮型引留クランプを取り
付けたプレハブ電線の延線過程において、圧縮型引留ク
ランプが金車上を通過している態様を示す正面図であ
る。
【図12】請求項5の発明の一実施例の圧縮型引留クラ
ンプにおけるジャンパソケットを除いた部分の正面図で
ある。
【図13】図12の平面図である。
【図14】図12におけるA’−A’部の断面を示すも
ので、同図(イ)は圧縮前の断面図、同図(ロ)は圧縮
後の断面図である。
【図15】図12におけるB’−B’部の断面を示すも
ので、同図(イ)は圧縮前の断面図、同図(ロ)は圧縮
後の断面図である。
【図16】図12におけるC’−C’部の断面を示すも
ので、同図(イ)は圧縮前の断面図、同図(ロ)は圧縮
後の断面図である。
【図17】請求項5の発明の一実施例の圧縮型引留クラ
ンプにおけるジャンパソケットの正面図である。
【図18】図17の右側面図である。
【19】従来の圧縮型引留クランプを示す正面図であ
る。
【図20】図19の右側面図である。
【図21】図19の圧縮型引留クランプを取り付けたプ
レハブ電線の延線過程において、圧縮型引留クランプが
金車上を通過している態様を示す正面図である。
【図22】図21の延線過程において圧縮型引留クラン
プに働く力を説明する図である。
【符号の説明】
21、21’ 鋼クランプ 22、22’ アルミスリーブ 22a、22b 中空部 23、23’ ジャンパソケット 24、24’ 圧縮型引留クランプ 26 引留部 27、27’ 鋼スリーブ部 27a 中空部 28 ジャンパソケット固定用のボルト 29 ボルト挿通部 29a ボルト挿通穴 30 波部 30a 中空部 31 鋼スリーブ延長部 31a 中空部 35 アルミスリーブ圧縮部 36 ジャンパソケット接合部36a 平坦面 36b ボルト挿通穴 37 テーパ部 41 二股部 41a ボルト挿通穴 41b ボルト挿通穴 42 ボルト 44 プレハブ電線 13 電線(鋼心アルミ撚線) 13a 鋼心 13b アルミ線部 L 圧縮型引留クランプ全長 M 圧縮型引留クランプの中央部 N テーパ部の1/2の長さとアルミスリーブの電気的
必要長さの和の位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−84135(JP,U) 実開 昭54−114096(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 7/02 301 H02G 1/02 301

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼心アルミ撚線からなる電線端部の鋼心
    の外周上に圧縮固定される鋼スリーブ部と該電線を引き
    留めるための引留部とを少なくとも有する鋼クランプ
    と,前記電線のアルミ線の部分および前記鋼クランプの
    前記引留部を除く部分の外周にわたって被せられ圧縮に
    より鋼クランプに固定されるアルミスリーブと,前記ア
    ルミスリーブの外周に電気的接続状態で固定されるジャ
    ンパソケットとからなる圧縮型引留クランプにおいて,
    前記鋼クランプは,前記鋼スリーブ部と同心の筒状をな
    し当該電線のアルミ線部の外周に嵌挿される鋼スリーブ
    延長部を備えるとともに,この鋼スリーブ延長部は,少
    なくとも圧縮型引留クランプ全長の中央部Mを越え,ア
    ルミスリーブ先端側からテーパ部の1/2の長さと電線
    の電流容量の伝達に必要なアルミスリーブの電気的必要
    長さの和の位置Nは越えない範囲の位置まで延長してい
    ることを特徴とする圧縮型引留クランプ。
  2. 【請求項2】 前記アルミスリーブは,鋼クランプと嵌
    合後に圧縮接続されるアルミスリーブ圧縮部と,先端が
    二股状をなすジャンパソケットが電気的接続状態で嵌合
    固定される非圧縮部分であるジャンパソケット接合部と
    からなり,前記ジャンパソケット接合部は,ジャンパソ
    ケットの二股部の内面に接触する平坦面を持ち,かつこ
    の平坦面にジャンパソケット固定用のボルトが挿通する
    1つのボルト挿通穴を持ち,当該アルミスリーブのテー
    パ部の1/2の長さおよび電気的必要長さの圧縮部にお
    ける中空部については当該電線と同等の内径を有すると
    ともに,それ以外の中空部については全長にわたって鋼
    スリーブ延長部と同等の内径を有することを特徴とする
    請求項1記載の圧縮型引留クランプ。
  3. 【請求項3】 前記鋼クランプは,引留部,ジャンパソ
    ケットを固定するためのボルトが挿通する1つのボルト
    挿通穴を持つボルト挿通部,電線の鋼心部を収容する中
    空部を有し鋼心収容後圧縮される鋼スリーブ部,アルミ
    スリーブと鋼クランプとを接続するとともに電線の鋼心
    部が鋼スリーブ部へ貫通できる中空部を有する波部,電
    線を収容する中空部を有しアルミ線部の分担荷重を保持
    できる圧縮長さを有するとともに電線収容後に圧縮され
    る鋼スリーブ延長部とからなることを特徴とする請求項
    1記載の圧縮型引留クランプ。
  4. 【請求項4】 前記ジャンパソケットは,鋼クランプお
    よびアルミスリーブにそれぞれあけたジャンパソケット
    固定用のボルト挿通穴に対応する1つのボルト挿通穴
    と,アルミスリーブの上下位置において二股部のみを左
    右に貫通するボルトを通すための複数個のボルト挿通穴
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の圧縮型引留ク
    ランプ。
  5. 【請求項5】 前記鋼クランプの波部を鋼スリーブ部と
    引留部との間に配置するとともに,この波部にジャンパ
    ソケット固定用のボルトを挿通させるボルト挿通穴をあ
    けたことを特徴とする請求項1記載の圧縮型引留クラン
    プ。
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