JP4323038B2 - 楔形引留クランプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、楔形引留クランプに係り、より詳細には架空送電線を挟持する楔形引留クランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電線は、一般的に断面が円形のものが多く使用されており、これを、例えば、鉄塔などの所定位置に引留めたり、あるいは、クランプ把持したりする場合に楔形引留クランプを使用している。しかし近年、このような電線は、鉄塔に作用する荷重の回避、及び電線横振れの抑制などの特殊な効果を期待した特殊電線が数多く開発されている。従って、従来の楔形引留クランプは、このような抗力低減、風騒音やコロナ騒音の低減、あるいは、ギャロッピングなどの振動面に配慮した種々の形状を備える電線を効果的に把持できるように形成していた。このような従来の楔形引留クランプとしては、例えば、第2548794号特許公報に開示されている。図9は、このような鉄塔に装着した従来の楔形引留クランプを示す図である。また、図10は、図9に示した楔形引留クランプ30の詳細を示す斜視図である。また、図11は、図10に示した矢印J方向から見たクランプ本体32に楔体60a、60bを圧入する動作を示す動作説明図であり、図11(a)は圧入前の状態を、図11(b)は圧入後の状態を各々示している。また、図12は、図10に示した電線40の内部構造を示す図である。また、図13は、図10に示した楔体60を示す斜視図である。
【0003】
図9に示すように、従来の楔形引留クランプ30は、鉄塔50の所定位置に複数装着され、この所定位置で電線40を挟持して引き留めするように形成されている。また、この楔形引留クランプ30は、図10に示すように、2つ割りに開閉可能なクランプ本体32と、鉄塔50(図9参照)に接続される連結金具36と、この連結金具36とクランプ本体32とを連結する連結板34とを備えている。また、クランプ本体32内には、テーパ形状に形成された一対の楔体60a、60bが電線40を挟持した状態で装着されている。
【0004】
ここで、一対の楔体60a、60bは、電線40を両側から挟持してボルト1により締結するとともに、2つ割りに開閉するクランプ本体32を外側から図11(a)に示すように装着する。この際、楔体60a、60bには、側面に図11(a)に示した挿入位置線Mが刻印されている。この挿入位置線Mは、楔体60a、60bがボルト1により固定された位置から図11(a)に示した間隔Lの位置に刻印されている。そして、楔体60a、60bは、図示されていないが圧力ゲージを備えた加圧装置により、圧力ゲージが指定挿入圧力になるまでクランプ本体32に圧入する。このように楔体60a、60bが指定挿入圧力になるまで圧入されると、挿入位置線Mの位置が図11(b)に示すように、クランプ本体32の一端側に一致する。このように楔体60a、60bは、クランプ本体32内に圧入することで電線40に予め所定の押し込み掌握力を与える。
【0005】
そして、この楔体60a、60bを圧入したクランプ本体32は、図9に示した鉄塔50に一端側を引き寄せて連結金具36(図10参照)により連結される。この際、楔体60a、60bは、クランプ本体32とともに電線40により図11(b)に示した矢印K方向に引っ張られる。また、楔体60a、60bは、間隔L内にテーパ形状に延在する外形(クランプ本体32に圧入されないテーパ形状の外形)を残している。従って、このテーパ形状の外形は、例えば、電線40に矢印K方向の過大な力が加わった場合にクランプ本体32内に押し込まれ、電線40に挟持力を加える構造になっている。また、このような楔体60a、60bは、図11(b)に示したように、ボルト2によりジャンパ金具35が取り付けられ、電線40を鉄塔50にたるませた状態で下方に延在させて支持(図9参照)している。
【0006】
ここで、電線40は、図12に示すように、断面が略円形に形成され、中心に亜鉛メッキ鋼線からなる鋼心42と、この鋼心42の外側を覆って断面が円形状のアルミ線44と、このアルミ線44の外側を円環状に覆ってブリッジ層を形成した外枠アルミ線46とにより形成されている。そして、外枠アルミ線46には、円環状の外側に一部突出するヒレ48a、48bを2箇所形成している。このヒレ48a、48bは、図13に示すように、電線40の外周に2本平行して螺旋状に延在している。このように電線40は、外周にヒレ48を螺旋状に巻き付けたように設けることで、風による抗力低減、風騒音やコロナ騒音の低減などの効果を得ることができる。
【0007】
また、一対の楔体60a、60bは、図13に示したように、電線40を挟持する両側に一対に設けてあり、この電線40が延在する長さ方向に延在して電線40が引っ張られる方向(図11に示した矢印K方向)に向かって厚みが細くなるように傾斜させてテーパ状に形成している。この一対の楔体60a、60bには、対向する挟持面に各々半円形状の凹部62を形成している。この凹部62には、ヒレ48a、48bを嵌入するヒレ溝64が形成されている。このヒレ溝64は、凹部62の底部に位置する図13に示した幅Nをヒレ48の厚みとほぼ同じ幅に形成し、この底部から延在して凹部62の両側面に配置される図13に示した幅Oはヒレ48の厚みより広く形成している。従って、楔体60は、図13に示した幅Oを広く形成することにより電線40が伸長した際にもヒレ48a、48bを変形することなく全長にわたって良好に挟持することができる。
【0008】
一方、このように楔体60にヒレ溝64を形成した従来の楔形引留クランプとは異なり、電線にカラーを装着して円形の断面形状にすることで挟持する楔体の他の実施の形態がある。このような従来技術としては、例えば、実公平4−12745号公報などに開示されている。図14は、このようなカラーを使用して挟持する図13に示した楔体の他の実施の形態を示す斜視図である。また、図15は、図14に示したP−P線の断面を示す断面図である。
【0009】
図14に示すように、楔体の他の実施の形態は、電線70を挟持する両側に一対に設けてあり、この電線70が延在する長さ方向に延在し、電線70が引っ張られる方向に向かって厚みが細くなるように傾斜させてテーパ状に形成している。また、この楔体80a、80bは、対向する挟持面にヒレ溝を形成することなく半円形状の凹部82だけを形成している。従って、楔体80により挟持される電線70は、楔体80の凹部82を半円形状に形成しているため、断面形状が円形に形成されていることが要求される。
【0010】
そこで、電線70は、一対のカラー90a、90bを装着可能に形成して楔体80により挟持できるように形成している。この電線70は、図15に示すように、中心に亜鉛メッキ鋼線からなる鋼心72と、この鋼心72の外側を覆う断面が円形状のアルミ線74と、このアルミ線74の外側を覆って円環状のブリッジ層を形成する外枠アルミ線76とにより形成されている。そして、外枠アルミ線76には、風の抗力低減、風騒音低減、及びコロナ騒音の低減などの効果を得るために外側に突出するヒレ78を設けてある。このヒレ78は、図13に示したヒレとは異なり、電線70の外周に1本(図14参照)螺旋状に巻き付けたように設けてある。このように、電線70は、外周に1本のヒレ78を螺旋状に突出させて設け、前述した一対のカラー90a、90bを装着できるように形成している。
【0011】
これにより電線70は、図15に示すように、カラー90を装着して断面形状を円形状に形成でき、図14に示した楔体80で効果的に挟持できるようになる。ここで、図示していないが、このようなカラーを使用するものとは異なり、ヒレの高さと同じ直径のアーマーロッドを巻いて全体の外形を円形としたものが知られている。このようなアーマーロッドを使用した従来技術としては、例えば、実公平3−14907号公報に開示されている。
【0012】
このように従来の楔形引留クランプは、電線の外周にヒレを設けて風の抗力低減、風騒音低減、及びコロナ騒音の低減などの効果を得ており、このようなヒレを備えた電線を挟持するためにヒレ溝を設けた楔体、カラー、アーマーロッドなどの把持部材を設けて効果的に挟持していた。
しかしながら、従来の楔形引留クランプでは、図12乃至図15に示したように、電線40、70を楔体60、80により挟持する際、楔体60、80による掌握力が円環状のブリッジ層を備えた外枠アルミ線46、76により鋼心42、72およびアルミ線44、74にまで加わらず、電線40、70の掌握力が十分に得られないという不具合があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の楔形引留クランプでは、図12乃至図15に示したように、楔体60、80が電線40、70を挟持した際、外枠アルミ線46、76のブリッジ層により楔体60、80の掌握力が鋼心42、72まで伝わらず、電線40、70を効果的に挟持する掌握力が十分に得られないという不具合があった。
本発明はこのような課題を解決し、楔体の掌握力を鋼心まで加えることができ、電線を効果的に挟持できる楔形引留クランプを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、テーパ状に形成された一対の対向する楔体を電線に装着し、2つ割状のクランプ本体の対向面内に押し込んで電線を挟持する楔形引留クランプであって、この楔体は、鋼心をとりまくアルミ線と外枠アルミ線とで、2層または3層の成型層、もしくはそれ以上の多層構造で形成され、断面外形が楕円形を有して延在するとともに長さ方向に捻回させた形状を備える捻回楕円電線に適合し、この捻回楕円電線に両側から対向して挟持するように装着してクランプ本体に押し込むことで挟持力を加え、捻回楕円電線を対向して挟持する挟持面に捻回楕円電線の捻回により回転する楕円形の断面外形に合わせた形状を有して捻回楕円電線を掌握する凹部を備え、回転する楕円形の断面外形の傾きに合わせて、凹部の両側面に高さを交互に高く設けて波状に形成した側壁が設けられる
【0015】
ここで、楔体の凹部は、捻回楕円電線の楕円断面における長軸の長さC及び短軸の長さDに対してC+(3〜6)mmの長軸寸法及びD+(3〜6)mmの短軸寸法によって楕円状の凹面に形成されることが好ましい。また、楔体は、捻回楕円電線の捻回により回転する楕円断面の傾きに合わせて凹部の両側壁の高さを交互に高く設けて波状に形成することが好ましい。また、捻回楕円電線は、楔体の先端で楕円断面の長軸方向が水平になるように配置されて短軸方向から楔体により挟持されていることが好ましい。また、捻回楕円電線は、中心に亜鉛メッキ鋼線からなる鋼心を設けてこの鋼心の外側を硬アルミ線を寄り合わせて楕円形状に形成されるとともに長さ方向に捻回した低風圧形状の架空送電線であることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明による楔形引留クランプの実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明による楔形引留クランプの実施の形態に使用する楔体20を示す斜視図である。また、図2は、図1に示した捻回楕円電線10のA−A線の断面を示す断面図である。また、図3は、図2に示した捻回楕円電線の断面構造を3層構造にした他の実施の形態を示す断面図である。また、図4は、図1に示した矢印B方向から見た側面図である。また、図5は、図4に示した捻回楕円電線10を挟持する楔体20の挟持状態を示す図であり、図5(a)は図4に示したE−E線断面での状態を、図5(b)は図4に示したF−F線断面での状態を、図5(c)は図4に示したG−G線断面での状態を、図5(d)は図4に示したH−H線断面での状態を各々示している。また、図6は、図4に示したG−G線断面での捻回楕円電線10に対する楔体20の凹部22寸法を示す断面図である。また、図7は、図1に示した楔体20の先端部を示す斜視図である。また、図8は、図7に示したI−I線の断面を示す断面図である。
【0017】
図1に示すように、本発明による楔形引留クランプの実施の形態は、図9及び図10に示した従来技術と同様に、鉄塔などの設置部に連結金具(図示せず)により装着され、この連結金具に連結板(図示せず)を介して接続した2つ割りに開閉するクランプ本体(図示せず)を備えている。そして、このクランプ本体内には、テーパ形状に形成された一対の楔体20a、20bが電線を挟持した状態で押込まれている。また、本発明による楔形引留クランプの実施の形態は、図9及び図10に示した従来技術とは異なり、楔体20が挟持する電線が楕円断面を備えて延在する長さ方向に対して捻回させた低風圧形状を備える捻回楕円電線10を使用している。また、一対の楔体20a、20bは、このような捻回楕円電線10を挟持するため、従来技術とは異なり、捻回楕円電線10の捻回形状に合わせた凹部22を形成している。
【0018】
ここで、捻回楕円電線10は、図1に示したように、所定の長さに延在して長さ方向に捻回しており、図12及び図15に示した従来技術と同様に風の抗力低減、風騒音低減、及びコロナ騒音の低減などの効果を得ている。また、捻回楕円電線10は、図2に示すように、断面が楕円形状に形成され、中心に亜鉛メッキ鋼線からなる鋼心12と、この鋼心12の外側を円形状に覆うアルミ線14と、このアルミ線14の外側を図2に示した長軸の長さC及び短軸の長さDを備える楕円状に覆った外枠アルミ線16とにより形成されている。このように、捻回楕円電線10は、鋼心12の外側をアルミ線14と外枠アルミ線16とにより2層に覆った構造に形成されている。ここで、捻回楕円電線10は、前述した2層構造に限定されるものではなく、例えば、図3に示すように、鋼心の外側を3層に覆った構造に形成してもよい。
【0019】
再び、図1を参照して、このように形成された捻回楕円電線10は、両側から上下一対に配置した楔体20a、20bにより挟持される。この楔体20a、20bは、図11に示した従来技術と同様に、捻回楕円電線10を挟持してボルト(図示せず)により締結するとともに、2つ割りに開閉するクランプ本体(図示せず)に圧入するように形成している。また、楔体20a、20bは、クランプ本体に圧入する方向に傾斜するテーパ状の外形を備えている。このように楔体20a、20bは、テーパ状の外形をクランプ本体に圧入することで捻回楕円電線10に予め所定の押し込み掌握力を与えるように形成している。そして、このクランプ本体は、図9に示した従来技術のように、鉄塔の一端側に引き寄せて連結金具により連結される。
【0020】
また、楔体20a、20bは、クランプ本体内に圧入する際、図11に示した従来技術と同様に、側面に設けた挿入位置線(図示せず)の予定挿入位置まで圧入し、この圧入方向と逆方向のクランプ本体一端側に圧入されないテーパ部が残るようにしている。従って、このテーパ部は、例えば、捻回楕円電線10に過大な力が加わって引っ張られた場合、クランプ本体内に押し込まれ、捻回楕円電線10に挟持力を加える構造になっている。
【0021】
また、このような一対の楔体20a、20bには、対向する挟持面に各々捻回する捻回楕円電線10の捻回形状に合わせて凹状に形成した凹部22を備えている。この凹部22の側面は、捻回楕円電線10の捻回により回転する楕円断面(図2参照)の傾きに合わせて両側を支持する側壁24が設けてあり、この側壁24は、図4に示すように、両側で交互に高く突出した波形状に形成している。従って、このように形成された一対の楔体20a、20bは、側壁24を設けることにより、捻回して傾く捻回楕円電線10の外形を効果的に挟持することが可能になる。
【0022】
ここで、捻回楕円電線10は、鋼心12をとりまくアルミ線14と外枠アルミ線16とが成型層を備え、しかも多重層を形成して円環状のブリッジ層として外部圧力に対しては非常に強固に形成されている。このため、図12乃至図15に示した従来の楔形引留クランプでは、捻回楕円電線10の外側からアルミ線14と外枠アルミ線16とからなる外層を掌握したとしても、アルミ成型多重層を崩して中心の鋼心12を把持することができず、規定の電線掌握力を十分に得ることができない。従って、本発明による楔形引留クランプは、このような捻回楕円電線10のアルミ線14と外枠アルミ線16とからなる外層を崩して十分に鋼心12まで掌握力を加えて挟持できるように形成したものである。
【0023】
さらに詳しく説明すると、楔体20は、捻回する捻回楕円電線10の楕円断面に対して長軸方向に挟持する場合、図5(a)に示すように、側壁24が楕円断面の短軸方向に平行して同じ高さに形成されている。これにより一対の楔体20a、20bは、捻回楕円電線10の楕円断面に対して長軸方向に掌握力を加えて挟持する。
そして、捻回する捻回楕円電線10の楕円断面が傾いた状態で挟持する場合、図5(b)に示すように、片側の側壁24を高く形成して他方の側壁24を低く形成することで挟持している。このように側壁24の高さを異なる高さに形成することにより、一対の楔体20a、20bの内部で発生する捻回楕円電線10のズレを防止でき、掌握力が不安定になることを抑制することができる。
【0024】
また、楔体20は、捻回する捻回楕円電線10の楕円断面に対して短軸方向に挟持する場合、図5(c)に示すように、側壁24が楕円断面の長軸方向に平行して図5(a)に示した断面での側壁24と同様に同じ高さに形成されている。これにより一対の楔体20a、20bは、捻回楕円電線10の楕円断面に対して短軸方向に掌握力を加えて挟持する。
さらに、楔体20は、図5(d)に示すように、捻回楕円電線10が捻回して図5(b)に示した楕円断面と逆方向に傾いた場合、図5(b)に示した断面での側壁とは逆側の側壁24が高くなるように形成されている。従って、図5(d)に示した一対の楔体20a、20bは、図5(b)に示した断面での楔体と同様に、内部で発生する捻回楕円電線10のズレを防止し、掌握力が不安定になることを抑制することができる。
【0025】
このように、楔体20は、凹部22の両側面に波形状の側壁24を形成して捻回する捻回楕円電線10を固定することで、内部で発生する捻回楕円電線10のズレを防止して捻回楕円電線10に安定した掌握力を加えることができるとともに、図2に示したアルミ線14と外枠アルミ線16とからなるブリッジ層を崩して効果的に鋼鉄12を挟持することが可能になる。
ここで、楔体20の凹部22の形状は、図6に示すように、捻回楕円電線10の楕円断面における長軸の長さC及び短軸の長さDに対し、C+(3〜6)mmの長軸寸法及びD+(3〜6)mmの短軸寸法によって楕円状の凹面に形成することが好ましい。また、捻回楕円電線10には、図6に示した楕円断面の面積が610mm2 、810mm2 、1160mm2 等のように種々のサイズがある。例えば、610mm2 サイズの捻回楕円電線10は、楕円断面の長軸の長さCを38mm、短軸の長さDを27mmにすることが望ましく、前述したC+(3〜6)mmの長軸寸法(即ち、41〜44mm)及びD+(3〜6)mmの短軸寸法(即ち、30〜33mm)による楕円状の凹部22を備えた楔体20により挟持することが最も好ましい。
【0026】
また、捻回楕円電線10は、図9に示した従来技術のように、楔型引留クランプにより鉄塔などの設置部間に延在して引留めされており、特に、図7に示すように、楔体20の挟持方向に揺れが発生する。従って、図7に示した楔体20の先端では、捻回楕円電線10の楕円断面に対して、図8に示すように、短軸方向を挟持するように凹部22(図1参照)を形成している。このように、楔体20は、先端で挟持する捻回楕円電線10を、楕円断面に対して短軸方向に挟持することで、図5(a)に示した長軸方向に挟持する場合に比べてアルミ線14及び外枠アルミ線16の応力を低減でき、鉄塔などの設置部における抗力を減少させることができる。
【0027】
このように形成された本発明による楔型引留クランプを使用して捻回楕円電線10を挟持すると、図5に示した全ての挟持状態において、楔体20の掌握力が効果的に捻回楕円電線10に加えられ、図2に示したアルミ線14及び外枠アルミ線16により形成されたブリッジ層が崩れて鋼心12まで確実に掌握して挟持することが可能になる。
【0028】
以上、本発明による楔型引留クランプの実施の形態を詳細に説明したが、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、捻回楕円電線の断面構造を2層または3層(図2及び図3参照)の構造に形成した実施の形態を説明したが、これに限定されるものではなく、複数の層からなる多層構造に形成してもよい。
【0029】
【発明の効果】
このように本発明による楔型引留クランプによれば、楔体の掌握力が効果的に捻回楕円電線に加えられて鋼心まで確実に掌握して挟持することができるため、アルミ線により形成されたブリッジ層を効果的に崩すことができ、このアルミ線に掌握力が集中して切断してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による楔形引留クランプの実施の形態に使用する楔体を示す斜視図。
【図2】図1に示した捻回楕円電線のA−A線の断面を示す断面図。
【図3】図2に示した捻回楕円電線の断面構造を3層構造にした他の実施の形態を示す断面図。
【図4】図1に示した矢印B方向から見た側面図。
【図5】図4に示した捻回楕円電線を挟持する楔体の挟持状態を示す図。
【図6】図4に示したG−G線断面での捻回楕円電線に対する楔体の凹部寸法を示す断面図。
【図7】図1に示した楔体の先端部を示す斜視図。
【図8】図7に示したI−I線の断面を示す断面図。
【図9】鉄塔に装着した従来の楔形引留クランプを示す図。
【図10】図9に示した楔形引留クランプの詳細を示す斜視図。
【図11】図10に示した矢印J方向から見た楔形引留クランプを示す側面図。
【図12】図10に示した電線の内部構造を示す図。
【図13】図10に示した楔体を示す斜視図。
【図14】カラーを使用して挟持する図13に示した楔体の他の実施の形態を示す斜視図。
【図15】図14に示したP−P線の断面を示す断面図。
【符号の説明】
10 電線
12 鋼心
14 アルミ線
16 外枠アルミ線
20a、20b 楔体
22 凹部
24 側壁

Claims (4)

  1. テーパ形状に形成された一対の対向する楔体を電線に装着し、2つ割状のクランプ本体の対向面内に押し込んで、前記電線を挟持する楔形引留クランプにおいて、
    前記楔体は、
    鋼心をとりまくアルミ線と外枠アルミ線とで、2層または3層の成型層、もしくはそれ以上の多層構造で形成され、断面外形が楕円形を有して延在するとともに長さ方向に捻回させた形状を備える捻回楕円電線に適合し、
    この捻回楕円電線に両側から対向して挟持するように装着して、前記クランプ本体に押し込むことで挟持力を加え、
    前記捻回楕円電線を対向して挟持する挟持面に、前記捻回楕円電線の捻回により回転する楕円形の断面外形に合わせた形状を有して前記捻回楕円電線を掌握する凹部を備え、
    前記回転する楕円形の断面外形の傾きに合わせて、前記凹部の両側面に高さを交互に高く設けて波状に形成した側壁が設けられる、ことを特徴とする楔形引留クランプ。
  2. 請求項1に記載の楔形引留クランプにおいて、
    前記楔体の凹部は、前記捻回楕円電線の楕円断面における長軸の長さC及び短軸の長さDに対し、C+(3〜6)mmの長軸寸法及びD+(3〜6)mmの短軸寸法によって楕円状の凹面に形成されることを特徴とする楔形引留クランプ。
  3. 請求項1に記載の楔形引留クランプにおいて、
    前記捻回楕円電線は、前記楔体の先端で楕円断面の長軸方向が水平になるように配置されて短軸方向から前記楔体により挟持されていることを特徴とする楔形引留クランプ。
  4. 請求項1に記載の楔形引留クランプにおいて、
    前記捻回楕円電線は、中心に亜鉛メッキ鋼線からなる鋼心を設けて前記鋼心の外側を硬アルミ線を寄り合わせて楕円形状に形成されるとともに、長さ方向に捻回した低風圧形状の架空送電線であることを特徴とする楔形引留クランプ。
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