JP2002233040A - くさび形電線引留クランプ - Google Patents

くさび形電線引留クランプ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クランプ本体の口元が開くことがなく、圧縮
接続箇所で圧縮に起因する割れや材質強度劣化を起こす
心配がない安定した性能を有するくさび形電線引留クラ
ンプを提供する。 【解決手段】 クランプ本体10とくさび体20と引留
連結体30とを備えて一体的に構成されるくさび形電線
引留クランプであって、スライド面(11a,22a)ではクラ
ンプ本体10の本体開き防止角度(θまたはα)を具備
し、圧縮接続部21ではスリーブ状の拡大径の圧縮部2
1aを具備して構成されるクランプとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気電力関連の送
配電設備等において、張架された電線の径間端を把持し
て電柱や鉄塔等の支持構造物に引留めるための電線引留
クランプに係り、より詳細には、くさびを用いて電線を
クランプ本体に挟持させて引留めるタイプのくさび形電
線引留クランプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来公知の技術として、例えば、実公昭
57-28507号公報や実開平11-178179号公報などに示され
るくさび形電線引留クランプがあった。図4は、これら
従来のくさび形電線引留クランプの一例を示す図であ
る。図4(1)によると、この引留クランプは、断面略U
字またはV字対称形で内部に電線40を挿通するクラン
プ本体10と、電線径間方向に傾斜する長細平坦のスラ
イド面(摺動面)22aを有してクランプ本体10内でス
ライド(摺動)しながら楔(くさび)係合されて電線40を
押さえて把持するくさび体20と、くさび体20の端部
側から連続して引留め部側に形成される引留連結体30
とを備えて一体的に構成されている。そして、このくさ
び形電線引留クランプは、その引留連結体30が引留め
側にある鉄塔や電柱などの固定端支持物に掛止または係
着されて取り付けられ、配電線・送電線・引込み線等の
張力の大きい電線径間を形成するのに使用されている。
【0003】また図4(1)および(2)によると、クラン
プ本体10は、U字形本体の内部には電線を受け入れる
ための本体電線溝12と、側端部の内側にはくさび体2
0と、スライド係合するための電線長手方向に長細平坦
で楔傾斜のある本体スライド面11aを有する本体スラ
イド係合部11とを備えている。そして、くさび体20
は、外面には電線を受け入れて本体電線溝12と協働し
て電線を挟持するためのくさび体電線溝23と、側面に
は本体スライド面11aと面摺動して係合するためのく
さび体スライド面22aを有するくさび体スライド係合
部22と、端部側の挿入穴21cの周囲を圧縮して引留
連結体30を連結接続するための圧縮接続部21を備え
ている。そしてまた、引留連結体30は、くさび体20
の挿入穴21cに挿入されてくさび体20と接続するた
めの連結部31を備えていて、くさび体20と引留連結
体30とは、六角ダイス等を使用する機械的圧縮手段を
用いて圧縮接続され、本体10・くさび体20・引留連
結体30は一体化されて構成される。ここでの連結部3
1は、鋼ボルト等のような断面円形または多角形の充実
体の部材が用いられ、挿入穴21cに挿入される部位の
周囲に環状凹凸突起またはネジ山等を形成して、その上
から圧縮して固着することにより、電線張力が大きくか
かったときでもクランプのこの部位で抜けたり外れたり
する虞のないような設計にされている。
【0004】このような構造のくさび形電線引留クラン
プであるが、面合わせされる摺動面となる本体スライド
面11aとくさび体スライド面22aに関し、従来のク
ランプにおいては、クランプ本体10の本体開き方向の
面(P面)に対して平行な面となるようにスライド面(1
1a、22a)(W面)が設定されて形成されていた。図
4(2)は(←L5)による断面図であり、ここに示すよう
に、クランプ本体10は断面逆U字形をなしていて開口
部を有している。電線の張力が大きくかかってくると、
くさび体20は電線径間側方向にもぐり込んでいくが、
そのときクランプ本体10には開き方向(P1,P2)
にも応力がかかるようになる。そして、想定された応力
以上のものがそこにかかった場合には、開口部は当初の
大きさから更に広がってしまい、クランプ本体10の過
剰開きの現象が生じ、これが講じると、クランプ本体1
0は変形・損傷を起こして、くさび体20はクランプ本
体10から外れやすくなっていまう
【0005】図4(3)は、クランプ本体10が過剰に開
いたときの状態を断面で示したものである。スライド面
(11a、22a)について見てみると、過剰開きに伴な
って、クランプ本体10の本体スライド面11aは角度
が変わってくることになる。すなわち、当初の開き方向
の面(P面)を基準にして、本体スライド面(11a)のあ
る面をW'面とし、P面とW'面とのなす角度φを調べて
みると、正常のときは角度φ=0となっているが、クラ
ンプ本体10が過剰開きを起すと、角度φは0より大き
くなってしまう。すると、クランプ本体10は変形して
きて、くさび形20はずれたり脱落し易くなり、しかも
本体10の開きをさらに増長するように作用するので、
引留クランプとしての性能を満足できなくなる。すなわ
ち、P面とW'面とのなす角度φは、本体10の開きを
増長する角度として作用する。
【0006】ところで、くさび形電線引留クランプにお
ける、くさび体20と引留連結体30と連結接続では、
通常は六角ダイス等の機械的圧縮手段を用いて圧縮接続
されて連結される。このくさび体20は、端部側に圧縮
接続部21を備え、その圧縮接続部21はさらにスリー
ブ状の圧縮部21a、基体部21b、挿入穴部21cを
備えて構成される。圧縮部21aと基体部21bとは、
外形は均一なスリーブ状(電線圧縮管状)をなし、表面に
は大きな凹凸がない滑らかな円形パイプ状にして形成さ
れる。圧縮部21aは、中心内部に挿入穴部21cを有
し、引留連結体30の連結部31をここに受け入れて、
周囲から六角圧縮等により連結部31もろともに圧縮し
て連結接続をする。
【0007】図4(4)は、圧縮接続部21の(←L6)に
よる断面矢視図を示す。この図で示される主な要素は、
圧縮で断面六角状に変形された圧縮部21a、圧縮され
ず変形していない基体部21b、挿入穴部21c、圧縮
部21aの圧縮により生じた減肉空間21d、圧縮部2
1aと基体部21bとの間で圧縮により生じる境界面2
1e、引留連結体30の連結部31である。またここで
は、圧縮されない基体部21bの外径d、六角圧縮によ
り減肉化して生じる圧縮後の対辺寸法hも一緒に示され
ている。
【0008】図4(4)のように、圧縮接続部21の圧縮
部21aと基体部21bとは、圧縮前においては連続す
る断面円形のスリーブ状をなし、それらの外径寸法は圧
縮部21a・基体部21bの両方ともdの寸法で形成さ
れる。その後、圧縮部21aは六角圧縮により減肉化さ
れ、圧縮後の対辺寸法hが得られ、d>hの関係とな
る。基体部21bは圧縮されないので外径dは前のまま
の値である。ところが、このような構造とした場合で
は、圧縮部21aは六角圧縮により減肉化されているの
で、減肉空間21dが生じてしまい、圧縮部21aの六
角断面の断面積は圧縮前の外径d円形状の断面積と比較
して明らかに小さくなり塑性変形させられ、とりわけ、
圧縮部21aと基体部21bとの圧縮により生じる境界
面21eにおいては応力歪が集中して圧縮割れが生じ易
くなっているので、引留クランプとしては材質劣化や引
張り強度不足を起こす虞を生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これまで上述してきた
ように、従来のくさび形電線引留クランプでは、次のよ
うな問題点がある。 1)張架された電線の振動や異常な電線動作等により、
電線張力が変動して規定以上の張力や応力がかかったり
した場合には、断面U字形のクランプ本体が開いてしま
う現象が生じる。 2)くさび体20と引留連結体30との連結接続は、六
角ダイス等を使用する機械的圧縮手段が用いられ、この
圧縮作業により圧縮部断面での減肉化がなされて減肉空
間21dが生じ、塑性変形させられていて応力歪の大き
い境界面21eにおいては圧縮割れが生じ易くなってい
て、材質劣化や引張り強度低下を起こす虞を生じる。
【0010】本発明は、上述したような従来のくさび形
電線引留クランプについての問題点に鑑みなされたもの
で、断面U字形のクランプ本体の口元が開くことがな
く、圧縮接続箇所における塑性変形・圧縮割れ・断面積
減少などにより材質劣化や引張り強度低下を起こす心配
がなく、安定した性能を将来にわたり維持できるくさび
形電線引留クランプを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明によるくさび形電線引留クランプは、次の
ような手段を用いる。 (1)断面略U字対称形で内部に電線を挿通するクラン
プ本体10と、クランプ本体10内でスライド係合され
て電線を押さえるくさび体20と、くさび体20の端部
側から連続して引留め側に形成される引留連結体30と
を備えて一体的に構成されるくさび形電線引留クランプ
であって、クランプ本体10は、本体U字内部には電線
を受け入れるための本体電線溝12と、側端部側内部に
はくさび体20とスライド係合するための電線長手方向
長細平坦の本体スライド面11aを有する本体スライド
係合部11とを備え、くさび体20は、外面には電線を
受け入れて本体電線溝12と協働して電線を挟持するた
めのくさび体電線溝23と、側面には本体スライド面1
1aと面摺動して係合するためのくさび体スライド面2
2aを有するくさび体スライド係合部22とを備え、本
体スライド面11aおよびくさび体スライド面22aと
は、クランプ本体10の本体開き方向の面に対して本体
開きを防止する角度(角度θまたは角度α)を有して構
成されるくさび形電線引留クランプとした。
【0012】(2)断面略U字対称形で内部に電線を挿
通するクランプ本体10と、クランプ本体10内とスラ
イド係合されて電線を押さえるくさび体20と、くさび
体20の端部側から連続して引留め側に形成される引留
連結体30とを備えて一体的に構成されるくさび形電線
引留クランプであって、クランプ本体10は、U字内部
には電線を受け入れるための本体電線溝12と、側端部
側内部にはくさび体10とスライド係合するための電線
長手方向長細平坦の本体スライド面11aを有する本体
スライド係合部11とを備え、くさび体20は、外面に
は電線を受け入れて本体電線溝12と協働して電線を挟
持するためのくさび体電線溝23と、側面には本体スラ
イド面11aと面摺動して係合するためのくさび体スラ
イド面22aを有するくさび体スライド係合部22と、
端部側の挿入穴21cの周囲を圧縮して引留連結体30
を連結接続するためのスリーブ状の圧縮接続部21とを
備え、さらに圧縮接続部21は基体部21bとこれより
拡大径の圧縮部21aとから構成され(外径D1>外径
D2)、引留連結体30は、くさび体20の挿入穴21
cに挿入されてくさび体20と接続するための連結部3
1を備え、くさび体20と引留連結体30とは、圧縮接
続により一体化されて構成されるくさび形電線引留クラ
ンプとした。
【0013】なおここで設計上の技術的理解のため、本
発明の拡大径圧縮部21a外径D1および基体部21b
外径D2と、従来例(図4)の基体部21b外径dとの寸
法の比較を示すと、一例として「本発明の圧縮部21a
外径D1=従来例基体部21b外径d」として構成する
ことができる。このとき外径D1>外径D2の関係があ
るから、本発明の基体部21b外径D2は、従来の外径
dより小さな外径で形成することができるので、本発明
ではこの箇所において材料の節約と軽量化に貢献でき
る。
【0014】(3)このくさび形電線引留クランプにお
いて、圧縮接続部21の基体部21bの外形寸法(D2)
は、圧縮部21aの圧縮後の対辺寸法(H)と同じもしく
は小さく設定されて構成される。(D2<H or D2=
H)
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図1〜3に示す添付図面を
参照して、本発明によるくさび形電線引留クランプの実
施の形態について詳細に説明する。図1(1)は本発明に
よるくさび形電線引留クランプのくさび体20と引留連
結体30の圧縮接続前の一例を示す側面概観図であり、
図1(2)は(→L1)による圧縮接続部21の基体部21
bの断面矢視図であり、図1(3)は(←L2)による圧縮
部21aの断面矢視図である。また図2(1)は本発明に
よるくさび形電線引留クランプの一例を示す側面概観図
であり、図2(2)は(←L3)による本体10側の断面図
であり、図2(3)は(→L4)による圧縮接続部21の断
面矢視図である。そして、図3は、本発明によるくさび
形電線引留クランプを碍子装置50に連結させた取付け
状況の概観図である。なお、図1〜3に示すくさび形電
線引留クランプにおいて、その主要な構成要素や部材
が、図4で示した従来のくさび形電線引留クランプと同
じまたは均等であるものについては同一の符号を付し、
それらの重複する説明は行なわない。
【0016】図1(1)は、くさび体20と引留連結体3
0の圧縮接続前の状況を示し、このくさび体20は、引
留め端部側に圧縮接続部21を備え、その圧縮接続部2
1はさらにスリーブ状の圧縮部21a、基体部21b、
挿入穴部21cを備えて構成される。また、引留連結体
30は、鉄塔や電柱側に引留めるための引留部32と、
くさび体20と連結接続される連結部31とを有し、こ
の連結部31は挿入穴21cに挿入されて圧縮される端
部側に凹凸部31aを有する。
【0017】さて、本発明のくさび形電線引留クランプ
においては、その圧縮接続部21のスリーブ状圧縮部2
1aの外径は、基体部21bの外径より大きく設定さ
れ、拡大径の圧縮部21aとして構成される。図1(2)
は(→L1)による圧縮接続部21の基体21bの断面矢
視図であり、図1(3)は(←L2)による圧縮部21aの
断面矢視図である。これらの図に明示されているよう
に、圧縮部21aの外径D1は、基体部21bの外径D
2より大きくして設定されていて、すなわちD1>D2
の関係を有する。従来においては、従来例の図4の外径
dのように、圧縮接続部21の圧縮部21aの外径と基
体部21bの外径は一様にdで区別していなかったのに
比べ、本発明では圧縮部外径D1>基体部外径D2とし
ている。よって、六角ダイス等を使用する機械的圧縮作
業によっても、圧縮部21aと基体部21bとの圧縮に
より生じる境界面21eが極めて生じ難くなっているの
で、この箇所に起因する圧縮割れを大幅に防ぐことがで
きる。なお、ここでは圧縮接続部21は断面略円形のス
リーブ状圧縮部21aと基体部21bを想定している
が、断面略円形に限らず、断面多角形、変形丸形など種
々な断面形状であってもよい。さらに、通常は六角ダイ
スを使用する機械的圧縮作業をおこなうが、この六角ダ
イスに限らず、丸形・四角形・多角形等の種々のダイス
を用いてもよい。
【0018】図2(1)は、本発明によるくさび形電線引
留クランプの一例を示す側面概観図であり、くさび体2
0と引留連結体30とは既に圧縮接続されていて、電線
40が挿通されて組み立てられている。図2(2)は本体
10側の(←L3)による断面図であり、図2(3)は圧縮
接続部21の(→L4)による断面矢視図であり、引留連
結体30と圧縮固着された状態を示している。図2(3)
によれば、圧縮接続部21の圧縮部21aと基体部21
bに関しては、圧縮後でも基体部21bの外径寸法D2
はそのままで変わらず、圧縮部21aの外径寸法D1は
圧縮後に圧縮対辺寸法Hとなる。本発明では、圧縮部2
1aが拡大径を有する圧縮部としてD1>D2で構成さ
れていることにより、この圧縮後の対辺寸法Hを基体部
21bの外径寸法D2と比べると、H>D2、H=D
2、H<D2の何れの関係をも取りうることができる。
このなかでも、H>D2、H=D2となる寸法構成が本
発明ではもっとも好ましく、圧縮部21aと基体部21
bとの圧縮により生じる境界面21eが全く生じなくな
っているので、この箇所に起因する圧縮割れを完全に防
ぐことができる。図2(3)は、H>D2の関係にある一
例を示している。また、H<D2となる寸法構成であっ
ても、D1>D2としてあるため、従来のものに比べ
て、圧縮部21aと基体部21bとの圧縮により生じる
境界面21eが生じ難くなっているので、この箇所に起
因する圧縮割れのかなりを防ぐことができる。
【0019】このようにして、基体部21bの外径寸法
D2と、圧縮後の圧縮部21aの圧縮対辺寸法Hとの関
係は、種々様々の技術検討がなされて適宜に決定される
ものであるが、本発明のくさび形電線引留クランプにお
いては、とりわけ、くさび体20の拡大径圧縮部21a
における圧縮後の圧縮対辺寸法Hに関しては、<001
8>でも述べたように、H>D2またはH=D2となる
寸法構成が最も優れているものである。図2(1)におい
て示すのは圧縮作業後の圧縮接続部21であり、この図
によれば基体部21bの外径寸法D2と圧縮後の対辺寸
法Hとはほぼ等しく設定されている。こうすることによ
り、圧縮部断面での規定以上の減肉化や断面積の減少が
なく減肉空間21dが生じず、特に、圧縮部21aと基
体部21bとの圧縮により生じる境界面21eが全く生
じなくなっているので、この箇所に起因する圧縮割れを
完全に防ぐことができる。よって、性能を十分に満足す
る圧縮断面強度を有することができて、しかも概観上も
美的でスマートにして仕上げられるという効果も生じ
る。
【0020】ところで、図2(2)を参照するに、本発明
のくさび形電線引留クランプでは、本体スライド面11
aおよびくさび体スライド面22aとは、クランプ本体
10の本体開き方向の面に対して本体開きを防止するよ
う作用する本体開き防止角度(角度θまたは角度α)を
有して構成されている。図2(2)によれば、面どうし
が合わせされて摺動面となる本体スライド面11aとく
さび体スライド面22aについては、クランプ本体10
の本体開き方向(←P1,P2→)の面であるP面に対し
て、スライド面(11a、22a)(W面)は、本体開き防
止角度θを有するように設定される。この角度θが大き
いほど両部材の係止する効果は高くなり、本体の開きも
効果的に抑制することができる。
【0021】また、図2(2)によれば、クランプ本体
10の本体開き方向の面であるP面に対して直交するT
面が示されており、このT面は、クランプ本体10また
はくさび体20を電線径間方向に分割して左右対称立体
とする中央対称軸面であるともいえる。そして、スライ
ド面(11a、22a)(W面)はと同様であり、P'面
はの面と平行する面としている。この図によれば、中
央対称軸面(T面)とスライド面(11a、22a)(W面)
とは、本体開き防止する角度αを有している。このT面
とW面とから形成される本体開き防止角度αは、鋭角す
なわち90度より小さい角度として設定される。こんど
は、この鋭角の角度αが小さいほど、両部材の係止する
効果や本体開き防止効果が高くなる。図2から明らかな
ように、角度θと角度αとはθ+α=90度の関係とな
っている。これらの角度θと角度αの値は、適正な技術
的検討や研究により適宜に求めて効果の高い数値を設定
するとよい。
【0022】図3は、本発明によるくさび形電線引留ク
ランプを碍子装置50に連結させて引留めた状況を示す
概観図である。ここでのクランプは、電線40を挿通す
るクランプ本体10と、クランプ本体10内とスライド
係合されて電線を押さえるくさび体20と、くさび体2
0の端部側から形成される引留連結体30とを備えて一
体的に構成されている。ここで材質について述べれば、
電線40はアルミや銅等の材料が使用されていて、クラ
ンプ本体10とくさび体20とはその電線材料と同質の
ものか馴染みやすい材質のものを用いる。通常は、製作
・加工のしやすいこと、圧縮作業での割れ等の不具合が
発生しにくいことなどのため、クランプ本体10とくさ
び体20とはアルミ材料を使用するとよいが、銅や鉄を
用いて製作してもよい。また、引留連結体30は大きな
引張り強度を必要とするため、鉄鋼材料が使用される。
【0023】
【発明の効果】上述のように、本発明のくさび形電線ク
ランプによれば、次に述べる優れた効果を発揮する。な
お、次の効果の記載は請求項に対応している。 1)本発明のくさび形電線引留クランプでは、本体スラ
イド面11aおよびくさび体スライド面22aとは、ク
ランプ本体10の本体開き方向の面に対して本体開き防
止角度(θまたはα)を有して構成されるので、張架され
た電線の振動や異常な電線動作等により、電線の状態が
変化して規定以上の張力や応力がかかったても、断面U
字形のクランプ本体が開いてしまうということがない。
また、高い電線保持力が必要とされる場合であっても、
クランプ本体の開こうとする荷重が抑制されるので、設
計上、クランプ本体10の肉厚を薄厚化することがで
き、くさび形電線引留クランプ全体の軽量化やコストダ
ウンに貢献できる。
【0024】2)本発明のくさび形電線引留クランプで
は、くさび圧縮接続部21に基体21bよりも外径を拡
大した圧縮スリーブ状の拡大径圧縮部21aを備えて構
成したので、六角ダイス等を使用する機械的圧縮作業に
よっても、従来ではかなりの面積で生じていたところ
の、圧縮部21aと基体部21bとの圧縮により生じる
境界面21eが、本発明では生じ難くなっているので、
この箇所に起因する圧縮割れの多くを防ぐことができ
る。また、圧縮部断面での規定以上の減肉化や断面積の
減少がなされずに済み、材質劣化や引張り強度低下を起
こす虞を生じない。
【0025】3)本発明のくさび形電線引留クランプで
は、くさび圧縮接続部21に基体21bよりも外径を拡
大した圧縮スリーブ状の拡大径圧縮部21aを備え、し
かもくさび体20の拡大径圧縮部21aにおける圧縮後
の圧縮対辺寸法は、基体21bの外径寸法を上回るよう
設定されて構成されるので、六角ダイス等を使用する機
械的圧縮作業によっても、圧縮部21aと基体部21b
との圧縮により生じる境界面21eが全く生じなくなっ
ているので、この箇所に起因する圧縮割れを完全に防ぐ
ことができる。また、圧縮部断面での規定以上の減肉化
や断面積の減少がなく、減肉空間21dが生じず、表面
上の圧縮窪みも生じなくなり、材質劣化や引張り強度低
下を起こす虞を、極めて効果的に防止することができ
る。さらに、従来の基体部21b外径dと本発明の圧縮
部21a外径D1とを同じ程度の寸法で設計することも
できるので、そうすることにより従来のクランプに比べ
て大幅な省肉化が可能となり、軽量化・材料の節約にも
貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)は本発明によるくさび形電線引留クランプ
のくさび体20と引留連結体30の圧縮接続前の一例を
示す側面概観図であり、(2)は(→L1)による圧縮接続
部21の基体21bの断面矢視図であり、(3)は(←L
2)による圧縮部21aの断面矢視図である。
【図2】(1)は本発明によるくさび形電線引留クランプ
の一例を示す側面概観図であり、(2)およびは、
(←L3)による本体10側の断面図であり、(3)は(→
L4)による圧縮接続部21の断面矢視図である。
【図3】本発明によるくさび形電線引留クランプを碍子
装置50に連結させた取付け状況の概観図である。
【図4】(1)は従来のくさび形電線引留クランプの一例
を示す側面概観図であり、(2)は(←L5)による本体1
0側の断面図であり、(3)はクランプ本体10が過剰に
開いたときの状態の断面図であり、(4)は(→L6)によ
る圧縮接続部21の断面矢視図である。
【符号の説明】
10 クランプ本体 20 くさび体 30 引留連結体 11 本体スライド係合部 11a 本体スライド面 12 本体電線溝 21 圧縮接続部 21a 圧縮部 21b 基体部 21c 挿入穴 21d 減肉空間 21e 圧縮によって生じた圧縮部21aと基体部21bとの
境界面 22 くさび体スライド係合部 22a くさび体スライド面 23 くさび体電線溝 θ スライド面(11a,22a)W面と本体10開き方向P
面との角度 α スライド面(11a,22a)W面と中央対称軸面T面
との角度 φ スライド面(11a)W'面と本体10開き方向P面と
の角度 D1 圧縮部21aの圧縮前の外径(本発明) D2 基体部21bの外径(本発明) H 圧縮部21aの圧縮後の対辺寸法(本発明) d 従来における圧縮部21aと基体部21bの圧
縮前の外径 h 従来における圧縮部21aの圧縮後の対辺寸法 W面 クランプのスライド面(11a,22a)方向の面 W'面 本体のスライド面(11a)の面 P面 クランプ本体10の開き方向の面 P'面 P面と平行する面 T面 P面またはP'面と直交し、クランプ本体10と
くさび体20とを電線径間方向に分割して左右対称立体と
する中央対称軸面。
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Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面略U字対称形で内部に電線を挿通す
    るクランプ本体と、前記クランプ本体内でスライド係合
    されて電線を押さえるくさび体と、前記くさび体の端部
    側から連続して引留め側に形成される引留連結体とを備
    えて一体的に構成されるくさび形電線引留クランプであ
    って、 前記クランプ本体は、本体内部には電線を受け入れるた
    めの本体電線溝と、側端部側内部には前記くさび体とス
    ライド係合するための電線長手方向長細平坦の本体スラ
    イド面を有する本体スライド係合部とを備え、 前記くさび体は、外面には電線を受け入れて本体電線溝
    と協働して電線を挟持するためのくさび体電線溝と、側
    面には前記本体スライド面と面摺動して係合するための
    くさび体スライド面を有するくさび体スライド係合部と
    を備え、 前記本体スライド面および前記くさび体スライド面は、
    前記クランプ本体の本体開き方向に対して本体開きを防
    止する角度を有して構成されることを特徴とするくさび
    形電線引留クランプ。
  2. 【請求項2】 断面略U字対称形で内部に電線を挿通す
    るクランプ本体と、前記クランプ本体内でスライド係合
    されて電線を押さえるくさび体と、前記くさび体の端部
    側から連続して引留め側に形成される引留連結体とを備
    えて一体的に構成されるくさび形電線引留クランプであ
    って、 前記クランプ本体は、本体内部には電線を受け入れるた
    めの本体電線溝と、側端部側内部には前記くさび体とス
    ライド係合するための電線長手方向長細平坦の本体スラ
    イド面を有する本体スライド係合部とを備え、 前記くさび体は、外面には電線を受け入れて本体電線溝
    と協働して電線を挟持するためのくさび体電線溝と、側
    面には前記本体スライド面と面摺動して係合するための
    くさび体スライド面を有するくさび体スライド係合部
    と、端部側の挿入穴の周囲を圧縮して連結接続するため
    のスリーブ状の圧縮接続部とを備え、さらに前記圧縮接
    続部は基体部とこれより拡大径の圧縮部とから構成さ
    れ、 前記引留連結体は、前記くさび体の前記挿入穴に挿入さ
    れて圧縮接続される連結部を備え、 前記くさび体と前記引留連結体とは、圧縮接続により一
    体化されて構成されることを特徴とするくさび形電線引
    留クランプ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のくさび形電線引留クラ
    ンプにおいて、 前記圧縮接続部の前記基体部の外形寸法は、前記圧縮部
    の圧縮後の対辺寸法以下として設定されて構成されるこ
    とを特徴とするくさび形電線引留クランプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007209087A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Asahi Electric Works Ltd 楔式引留クランプ
CN102354940A (zh) * 2011-10-29 2012-02-15 浙江左易电力设备有限公司 集束电缆楔形耐张线夹
US8428438B2 (en) 2002-06-28 2013-04-23 The Directv Group, Inc. Apparatus for viewing television with pause capability

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