JP2001152214A - 微細球状金属ニッケル微粉末の製造方法 - Google Patents

微細球状金属ニッケル微粉末の製造方法

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JP2001152214A JP33051799A JP33051799A JP2001152214A JP 2001152214 A JP2001152214 A JP 2001152214A JP 33051799 A JP33051799 A JP 33051799A JP 33051799 A JP33051799 A JP 33051799A JP 2001152214 A JP2001152214 A JP 2001152214A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】平均粒径が0.05〜10μmの範囲にあり、
積層セラミックコンデンサ内部電極として好適な微細球
状金属ニッケル粉末を製造する方法を提供する。 【解決手段】一般式 Ni(CO3 ) x ・ (OH) y (x及びyはそれぞれ、0≦x≦1.5及び0≦y≦3を
満たす数)で表わされる炭酸ニッケル及び/又は水酸化
ニッケルをアンモニア水溶液に溶解させ、得られたニッ
ケル塩の水溶液を非水媒体中にて上記水溶液の液滴を含
むW/O型エマルジョンとした後、この液滴中からアン
モニアを含む気化性成分を除いて、液滴中で炭酸ニッケ
ルを沈殿させて微細で球状の炭酸ニッケル粒子を酸化物
換算にて0.01〜30重量%のアルカリ土類元素の化合
物からなる融着防止剤の存在下に水素雰囲気下に加熱し
て、上記炭酸ニッケル粒子を還元する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細球状金属ニッ
ケル微粉末の製造方法に関し、詳しくは、平均粒径が0.
05〜10μm、好ましくは、0.1μmから数μm、特
に、好ましくは、0.1〜1μmの範囲にあり、粒度分布
が狭く、球状で、ニッケルとしての結晶性の高い金属ニ
ッケル微粉末であって、例えば、積層セラミックコンデ
ンサ内部電極として好適に用いることができる微細球状
金属ニッケル微粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子部品の小型化高容量化が進展
するにつれて、積層セラミックコンデンサも、小型化高
容量化が一層強く求められるに至っている。積層セラミ
ックコンデンサは、チタン酸バリウム等のセラミック誘
電体粉末とポリビニルブチラール等のバインダーとから
なる誘電体グリーンシートにパラジウム、白金等のよう
な内部電極のための貴金属粉末を含むペーストを印刷
し、乾燥して、内部電極が交互に重なるように積層し、
熱圧着し、次いで、これを適宜の寸法に裁断した後、約
1300℃の温度で焼成して、脱バインダーしつつ、内
部電極とセラミック誘電体とを焼結させ、この後、銀等
の外部電極を形成して、製造される。
【0003】従って、内部電極のための金属としては、
セラミック誘電体が焼結する温度において溶融せず、し
かも、酸化されないものであることが必要であり、かく
して、従来、上述したように、白金やパラジウム等、高
価な貴金属が用いられており、積層セラミックコンデン
サも、高価とならざるを得ない。
【0004】そこで、近年、卑金属であるニッケルを内
部電極とする低廉な積層セラミックコンデンサが白金や
パラジウムを内部電極とする上記高価な積層セラミック
コンデンサに代わるものとして、実用化への研究が種々
行なわれているが、ここに、大きな問題がある。
【0005】積層セラミックコンデンサの内部電極は、
内部電極に用いる金属粉の大きさによって制約を受け、
その金属粉の粒径よりも薄くすることができない。内部
電極の厚みは、通常、1〜2μmであるので、粒径が1
μmよりも大きい粒子を用いるときは、電極層が不均一
となり、導通不良を起こすおそれがあり、また、積層工
程において、内部電極層が誘電体層を貫通して、絶縁不
良を起こしたりする。従って、積層セラミックコンデン
サの内部電極に用いるニッケル粉は、粒径が0.1〜1μ
m程度であり、充填性をも考慮すれば、粒度分布が狭い
ものであることが強く求められる。
【0006】このため、従来、このような特性を有する
金属ニッケル微粉末を製造する方法が種々提案されてい
るが、いずれの方法によっても、立方体状等の晶癖を有
する粒子が生成しやすい。そこで、特開平4−3658
06号公報には、塩化ニッケルの分圧を低くし、気相に
て水素で還元することによって、微細球状金属ニッケル
微粉末を製造する方法が提案されているが、製造費用が
著しく高い。
【0007】勿論、例えば、特開昭53−16437号
公報に記載されているように、一般に、金属酸化物を含
む種々の化合物を高温に加熱しながら、加圧水素で還元
する方法も知られているが、しかし、従来、微細球状金
属ニッケル微粉末を製造する方法が知られていない。
【0008】本発明者らは、微細球状金属ニッケル微粉
末を低廉に、しかも、簡単に製造するために、ニッケル
塩の酸化、還元による方法に着目し、鋭意研究を重ねた
結果、均一微細な粒径を有する球状炭酸ニッケル微粉末
を得ることに成功し、この炭酸ニッケル微粉末を必要に
応じて酸化して、酸化ニッケル微粉末とした後、これを
融着防止剤の存在下に水素雰囲気下に加熱し、還元する
ことによって、球状の金属ニッケル微粉末を歩留りよく
得ることに成功して、本発明を完成したものである。
【0009】従来、炭酸ニッケル粒子は、通常、不定形
又は非球状の微粉末としてのみ、知られており、僅か
に、特開平2−59432号公報に微細球状の炭酸ニッ
ケル粒子をエマルジョンを用いて製造することが記載さ
れている。
【0010】このように、均一微細な粒径を有する球状
の無機塩の粒子を製造するために、最近、上記特開平2
−59432号公報に記載の方法を含め、W/O型のエ
マルジョンを反応場とする方法が注目を集めている。こ
のような方法によれば、水溶性無機塩の水溶液を界面活
性剤と共に有機溶媒に加え、攪拌して、W/O型のエマ
ルジョンを調製し、これに適宜の中和剤(酸又はアルカ
リ)を混合し、上記無機塩の微小な液滴中で水不溶性の
無機塩を微細な球状物として沈殿させるものである。
【0011】しかし、このように、エマルジョンを反応
場として用いる方法によれば、中和剤として用いる酸や
アルカリほか、水不溶性ニッケル塩と共に副生される塩
等の影響によって、エマルジョンが破壊されやすいの
で、反応の全体をとおして、安定な反応の場を確保する
ことが困難であり、かくして、均一微細な粒径を球状の
ニッケル塩の粒子を得ることが困難である。
【0012】また、従来、均一微細な粒径を球状のニッ
ケル塩の粒子を得ることができたとしても、例えば、こ
れを酸化し、還元する過程において、球状の形態を維持
することができず、均一微細な球状の金属ニッケル微粉
末を得ることができない。
【0013】また、従来、特に、ニッケル化合物を水素
雰囲気下に加熱、還元して、金属ニッケル粉末を得る場
合、生成したニッケル粒子が相互に融着しやすく、粒径
10μm以下の球状のニッケル粒子を歩留りよく得るこ
とが困難である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、球状金属ニ
ッケル微粉末の製造における上述した問題を解決するた
めになされたものであって、平均粒径が0.05〜10μ
m、好ましくは、0.1〜10μm、より好ましくは、0.
1μmから数μm、特に、好ましくは、0.1〜1μmの
範囲にあり、粒度分布が狭く、球状で、ニッケルとして
の結晶性の高い金属ニッケル微粉末であって、例えば、
積層セラミックコンデンサ内部電極として好適に用いる
ことができる微細球状金属ニッケル微粉末を、生成した
ニッケル粒子の相互の融着を防止して、歩留りよく製造
する方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による平均粒径0.
05〜10μmの微細球状金属ニッケル微粉末の製造方
法の第1は、一般式(I) Ni(CO3 ) x ・ (OH) y (式中、x及びyはそれぞれ、0≦x≦1.5及び0≦y
≦3を満たす数である。)で表わされる炭酸ニッケル及
び/又は水酸化ニッケルをアンモニア水溶液か、又はア
ンモニアと炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、
アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩の水溶液に溶
解させ、得られたニッケル塩の水溶液を非水媒体中にて
上記水溶液の液滴を含むW/O型エマルジョンとした
後、この液滴中からアンモニアを含む気化性成分を除い
て、液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させ、かくして、微細
で球状の炭酸ニッケル粒子を得る第1の段階と、このよ
うにして得た炭酸ニッケル粒子を酸化物換算にて0.01
〜30重量%のアルカリ土類元素、アルミニウム、ケイ
素及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素の
化合物からなる融着防止剤の存在下に水素雰囲気下に加
熱して、上記炭酸ニッケル粒子を還元する第2の段階と
を有することを特徴とする。
【0016】本発明による平均粒径0.05〜10μmの
微細球状金属ニッケル微粉末の製造方法の第2は、一般
式(I) Ni(CO3 ) x ・ (OH) y (式中、x及びyはそれぞれ、0≦x≦1.5及び0≦y
≦3を満たす数である。)で表わされる炭酸ニッケル及
び/又は水酸化ニッケルをアンモニア水溶液か、又はア
ンモニアと炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、
アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩の水溶液に溶
解させ、得られたニッケル塩の水溶液を非水媒体中にて
上記水溶液の液滴を含むW/O型エマルジョンとした
後、この液滴中からアンモニアを含む気化性成分を除い
て、液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させ、かくして、微細
で球状の炭酸ニッケル粒子を得る第1の段階と、このよ
うにして得た炭酸ニッケル粒子を酸化性雰囲気下に加熱
して、微細で球状の酸化ニッケル粒子を得、次いで、こ
の酸化ニッケル粒子を酸化物換算にて0.01〜30重量
%のアルカリ土類元素、アルミニウム、ケイ素及び希土
類元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物から
なる融着防止剤の存在下に水素雰囲気下に加熱して、上
記酸化ニッケル粒子を還元する第2の段階とを有するこ
とを特徴とする。
【0017】即ち、この第2の方法は、第1の方法と同
じく、第1の段階にて微細で球状の炭酸ニッケル粒子を
得、これを第2の段階にて、先ず、熱分解して、微細で
球状の酸化ニッケル粒子とした後、これを還元して、微
細球状金属ニッケル微粉末を得るものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の方法においては、還元し
て、金属ニッケルを得るための原料ニッケル化合物とし
て、以下に説明するように、前記一般式(I)で表わさ
れる炭酸ニッケル、水酸化ニッケル又はこれらの混合物
を原料として、特別なエマルジョン法で製造した炭酸ニ
ッケルが用いられる。ここに、還元して、金属ニッケル
を得るための原料ニッケル化合物としての上記炭酸ニッ
ケルとは、正炭酸塩としての炭酸ニッケルと塩基性塩と
しての塩基性炭酸ニッケルをいうものとし、水酸化ニッ
ケルを含んでいてもよい。
【0019】本発明による平均粒径0.05〜10μmの
微細球状金属ニッケル微粉末の製造方法は、微細球状炭
酸ニッケル粒子を製造する第1の段階と、この炭酸ニッ
ケル粒子を必要に応じて酸化性雰囲気下に加熱し、熱分
解して、酸化ニッケル微粉末とした後、これを還元し
て、球状金属ニッケル微粉末とする第2の段階とからな
る。
【0020】(第1の段階)先ず、微細球状炭酸ニッケ
ル粒子を製造する第1の段階について説明する。
【0021】本発明の方法によれば、第1の段階におい
て、一般式(I) Ni(CO3 ) x ・ (OH) y (式中、x及びyはそれぞれ、0≦x≦1.5及び0≦y
≦3を満たす数である。)で表わされる炭酸ニッケル及
び/又は水酸化ニッケルをアンモニア水溶液か、又はア
ンモニアと炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、
アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩の水溶液に溶
解させ、得られたニッケル塩の水溶液を非水媒体中にて
上記水溶液の液滴を含むW/O型エマルジョンとした
後、この液滴中からアンモニアを含む気化性成分を除く
ことによって、液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させ、かく
して、炭酸ニッケルの微細な球状の粒子を得る。
【0022】本発明においては、エマルジョン法にて微
細で球状の炭酸ニッケル粒子を得るための出発物質、即
ち、原料として、上記一般式(I)で表わされる炭酸ニ
ッケル、水酸化ニッケル又はこれらの混合物が用いられ
る。ここに、上記炭酸ニッケルとは、正炭酸塩と塩基性
炭酸塩をいうものとし、これら炭酸塩は、水酸化物を含
んでいてもよい。
【0023】本発明において、上記一般式(I)で表わ
される炭酸ニッケル又は水酸化ニッケル又はこれらの混
合物において、ニッケルの価数は、2価でもよく、3価
でもよく、また、2価と3価との中間の値でもよい。
【0024】このような上記一般式(I)で表わされる
出発物質、炭酸ニッケル、水酸化ニッケル又はそれらの
混合物は、どのような手段や方法で製造されてもよい。
例えば、炭酸ニッケルは、例えば、ニッケルの塩化物、
硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩等の無機酸塩や有機酸塩を炭酸
ナトリウム、炭酸アンモニウム等の炭酸イオンを含む炭
酸アルカリで中和して得ることができる。
【0025】また、上記出発物質は、ニッケル以外の元
素のイオン、例えば、鉄、銅、コバルト、マンガン、カ
ルシウム、セリウム、イットリウム等のイオンを不純物
として含んでいてもよい。
【0026】以下、本発明においては、出発物質として
用いる前記一般式(I)で表わされる炭酸ニッケル、水
酸化ニッケル又はこれらの混合物を、単に、炭酸ニッケ
ル又は水酸化ニッケルという。
【0027】更に、本発明によれば、上記炭酸ニッケル
又は水酸化ニッケルをアンモニア水溶液に溶解させてな
る水溶液を得るに際して、ニッケルの塩化物、硫酸塩、
硝酸塩、酢酸塩等の無機酸塩や有機酸塩をアンモニア水
溶液に溶解させ、場合によっては、反応させてもよい。
【0028】本発明によれば、炭酸ニッケル又は水酸化
ニッケルをアンモニア水溶液に溶解させる際に、このア
ンモニア水溶液は、好ましくは、アンモニアと共に炭酸
アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アルカリ金属の
炭酸塩若しくは炭酸水素塩(以下、これらを単に炭酸
(水素)塩ということがある。)を含む水溶液であるこ
とが好ましい。
【0029】上記アルカリ金属としては、例えば、リチ
ウム、カリウム又はナトリウムが好ましい。従って、ア
ルカリ金属の炭酸塩又は炭酸水素塩としては、例えば、
炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸カリウム、炭酸
水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等
を挙げることができる。本発明においては、このような
炭酸(水素)塩のなかでは、特に、炭酸水素アンモニウ
ムが好ましく用いられる。
【0030】本発明において、アンモニアと共に炭酸
(水素)塩を含む水溶液に炭酸ニッケル又は水酸化ニッ
ケルを溶解させ、得られたニッケル塩の水溶液を非水媒
体中にて上記ニッケル塩の水溶液の液滴を含むW/O型
エマルジョンとした後、上記エマルジョン中の液滴中で
炭酸ニッケルを沈殿させるには、上記エマルジョンの液
滴中からアンモニアを含む気化性成分を蒸発させるか、
又はエマルジョンに酸を加えて、液滴を中和する。
【0031】従って、本発明によれば、一つの態様とし
て、アンモニアと共に炭酸(水素)塩を含む水溶液に炭
酸ニッケル又は水酸化ニッケルを溶解させ、得られたニ
ッケル塩の水溶液を非水媒体中にて上記ニッケル塩の水
溶液の液滴を含むW/O型エマルジョンとした後、この
液滴からアンモニアを含む気化性成分(主としてアンモ
ニアと炭酸ガス)を蒸発させることによって、エマルジ
ョンの液滴中に炭酸ニッケルを沈殿させ、必要に応じ
て、エマルジョンの液滴から主として水からなる気化性
成分を更に蒸発させて、液滴中の炭酸ニッケルを油中乾
燥し、かくして得られた炭酸ニッケルを、例えば、遠心
分離し、洗浄し、乾燥すれば、目的とする炭酸ニッケル
の微細な球状の粒子を得ることができる。
【0032】特に、本発明によれば、種々の態様のなか
でも、炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルをアンモニアと
共にpHが8.0〜11.5の範囲内で炭酸水素アンモニウ
ム又は炭酸アンモニウムの水溶液に溶解させ、得られた
ニッケル塩の水溶液を非水媒体と混合してエマルジョン
とし、次いで、このエマルジョンを減圧下に吸引して、
上記ニッケル塩の水溶液からアンモニアを含む気化性成
分(例えば、アンモニアと炭酸ガスや水)を蒸発させ
て、エマルジョンの液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させ
て、これを回収することによって、微細な球状の炭酸ニ
ッケル粒子を得ることができ、この態様が最も好ましい
ものである。
【0033】本発明において、炭酸ニッケル又は水酸化
ニッケルをアンモニア水溶液に溶解させる際の水溶液の
pHは、特に限定されるものではないが、pHが8.0〜
11.5の範囲にあることが好ましい。ここに、アンモニ
アと共に前記炭酸(水素)塩を用いることによって、炭
酸ニッケル又は水酸化ニッケルを溶解させる水溶液のp
Hを容易に調節することができ、また、炭酸ニッケル又
は水酸化ニッケルを容易に溶解させることができる。
【0034】本発明において、炭酸ニッケル又は水酸化
ニッケルをアンモニア水溶液に溶解させて得られるニッ
ケル塩水溶液の濃度は、特に、限定されるものではない
が、通常、ニッケル金属として、0.1モル/Lから飽和
濃度の範囲であり、特に、0.3〜1.2モル/Lの範囲が
好ましい。
【0035】次いで、本発明によれば、このようにして
得られたニッケル塩水溶液を界面活性剤の存在下に非水
媒体と共に混合攪拌して、常法に従って、エマルジョン
を調製する。好ましくは、ニッケル塩水溶液により親水
性の強いノニオン系界面活性剤を加え、必要に応じて、
アンモニアが蒸発揮散しないように、50℃以下の温度
に加熱して、溶解させる。非水媒体には、より親油性の
強いノニオン系界面活性剤を加え、必要に応じて、加熱
して、溶解させる。通常、分散機を用いて、非水媒体を
攪拌しながら、これに上記ニッケル塩水溶液を徐々に加
え、ニッケル塩水溶液の液滴を微細に分散させることに
よって、W/O型エマルジョンを調製することができ
る。
【0036】最終的に得られる微細で球状の炭酸ニッケ
ル粒子の平均粒径や粒度分布は、エマルジョンにおける
水相(液滴)の大きさ(平均粒径)、粒度分布、更に
は、ニッケル塩水溶液の濃度等によって適宜に調節する
ことができ、エマルジョンにおける液滴の大きさ(平均
粒径)や粒度分布は、用いる界面活性剤の組合わせとそ
れぞれの量、分散機の種類、分散機による攪拌速度等に
よって調節することができる。このようにして、本発明
によれば、得られる炭酸ニッケルの粒子の平均粒径を0.
05〜100μm、好ましくは、0.1〜100μm、よ
り好ましくは、0.1〜50μmの範囲で任意に調節する
ことができる。
【0037】特に、本発明の好ましい態様によれば、エ
マルジョンにおける液滴の大きさ(平均粒径)や粒度分
布を調節することによって、炭酸ニッケルの均一微細な
球状の粒子を得ることができる。
【0038】エマルジョンを調製するための非水媒体
は、水不溶性で、後述する減圧下や常圧下での処理にお
いて蒸発し難く、安定であるものが好ましく、従って、
水に対する溶解度が5%以下で、水よりも沸点の高いも
のが好ましく用いられる。
【0039】このような非水媒体として、例えば、n−
オクテン、イソオクテン、スクワラン、灯油等の脂肪族
炭化水素類、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデ
カン等の脂環式炭化水素類、トルエン、エチルベンゼ
ン、イソプロピルベンゼン、クメン、メシチレン、テト
ラリン等の芳香族炭化水素類、ブチルエーテル、イソブ
チルエーテル等のエーテル類、ジクロルペンタン等のハ
ロゲン化炭化水素類、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチ
ル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミ
ル、プロピオン酸イソブチル、酪酸エチル、酪酸ブチル
等の脂肪酸エステル類、これらの混合物等を挙げること
ができる。
【0040】上記以外にも、鉱油、動植物油等の天然
油、炭化水素油、エステル油、エーテル油、含フッ素潤
滑油、含リン潤滑油、含ケイ素潤滑油等の合成油も、非
水媒体の具体例として例示することができる。
【0041】特に、本発明においては、このように、エ
マルジョン中の液滴中からアンモニアを含む気化性成分
を蒸発させて、液滴中に炭酸ニッケルを沈殿させる場合
には、上記非水媒体として、水不溶性で蒸気圧が小さい
炭化水素系有機溶媒が好ましく、具体的には、常圧で沸
点が100℃以上の脂肪族炭化水素系溶媒が好ましく用
いられる。しかし、後述するように、エマルジョンに酸
を加えて、液滴中のアンモニアを中和することによっ
て、液滴中に炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルを沈殿さ
せる場合には、上記非水媒体は、蒸気圧が小さいもので
ある必要はなく、低沸点の非水媒体を用いることができ
る。
【0042】エマルジョンを調製するために用いる界面
活性剤は、用いる非水媒体に応じて、適宜に選ばれる。
限定されるものではないが、特に、安定なエマルジョン
を得るには、前記ニッケル塩の水溶液(水相)に予めH
LB値が10以上の親水性の強い界面活性剤を溶解さ
せ、他方、非水媒体相(油相)には予めHLB値が10
以下の親油性の強い界面活性剤を溶解させて、このよう
な水相と油相を混合するのがよい。
【0043】これら界面活性剤の使用量は、エマルジョ
ンにおけるW/O比や所要の粒径等によって適宜に選べ
ばよく、特に、限定されるものではないが、通常、エマ
ルジョンに対して20重量%以下であり、好ましくは、
0.5〜15重量%の範囲である。後述するように、水相
と油相の両方に界面活性剤を溶解させる場合には、界面
活性剤の使用量は、通常、水又は非水媒体に対して、そ
れぞれ20重量%以下であり、好ましくは、0.5〜10
重量%の範囲である。
【0044】更に、エマルジョンにおけるW/O比は、
用いる非水媒体の量や性質、特に、粘度や、用いる界面
活性剤の性質、特に、HLB値にもよるが、安定なエマ
ルジョンを得るには、通常、3/2〜1/10の範囲で
あり、好ましくは、1/1〜1/5、特に、好ましく
は、1/3〜1/5の範囲である。しかし、これに限定
されるものではない。
【0045】上記エマルジョンの調製に用いるノニオン
系界面活性剤として、HLB値が10以上のものとし
て、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、
ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシ
エチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコ
ールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステ
アレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポ
リエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオ
キシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレン
オレイルエーテル等のポリオキシエチレン高級アルキル
エーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルオレ
イルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル等のポリオキシエチレン高級アルキルアリールエー
テル類等を挙げることができる。
【0046】また、HLB値が10以下のものとして、
例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパ
ルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタン
ジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビ
タンモノオレエート、ソルビタントリオレエート等のソ
ルビタン脂肪酸エステル類、グリセリンモノステアレー
ト、グリセリンモノオレエート等のグリセリン脂肪酸エ
ステル類等を挙げることができる。
【0047】このようにして、特に、炭酸ニッケル又は
水酸化ニッケルを炭酸(水素)塩を含むアンモニア水溶
液に溶解させ、このようにして得られたニッケル塩の水
溶液の液滴を非水溶媒中に微細に分散させたW/O型エ
マルジョンとした後、必要に応じて、加熱しながら、常
圧下に攪拌又は曝気するか、又は減圧下に吸引するかし
て、主としてアンモニアと炭酸ガスからなる気化性成分
を蒸発させることによって、エマルジョン中のニッケル
塩水溶液の液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させ、必要に応
じて、エマルジョン中の液滴から更に主として水からな
る気化性成分を蒸発させて、その液滴中の炭酸ニッケル
を油中乾燥し、かくして得られた炭酸ニッケルを、例え
ば、遠心分離し、洗浄し、乾燥すれば、目的とする炭酸
ニッケルの微細な球状の粒子を得ることができる。
【0048】別の態様として、特に、炭酸ニッケル又は
水酸化ニッケルを炭酸(水素)塩を含むアンモニア水溶
液に溶解させ、このようにして得られたニッケル塩の水
溶液の液滴を非水溶媒中に微細に分散させたW/O型エ
マルジョンとした後、必要に応じて、加熱しながら、常
圧下に攪拌又は曝気するか、又は減圧下に吸引するかし
て、主としてアンモニアと炭酸ガスと水とからなる気化
性成分を蒸発させることによって、エマルジョン中のニ
ッケル塩水溶液の液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させ、次
いで、球状の沈殿を適宜の手段、例えば、遠心分離や濾
過等によって回収し、洗浄し、乾燥することによって、
目的とする炭酸ニッケルの微細な球状の粒子を得ること
ができる。
【0049】本発明によれば、上記エマルジョンからア
ンモニアを含む気化性成分を蒸発させるためには、通
常、100℃以下の温度で常圧下に曝気するか、又は減
圧下に吸引すればよいが、特に、エマルジョンを加熱し
ながら、減圧下に吸引することが好ましい。
【0050】本発明によれば、このように、エマルジョ
ンを減圧下に吸引する場合、温度及び圧力条件は、特
に、限定されるものではないが、通常、大気圧以下、好
ましくは、400mmHg以下の減圧(真空)下であれ
ばよく、他方、減圧(真空)の上限は、主として、経済
性によるが、通常、5mmHg程度である。また、温度
は、0〜90℃の範囲にわたってよいが、好ましくは、
10〜80℃の範囲であり、最も好ましくは、20〜7
0℃の範囲である。
【0051】本発明においては、エマルジョンを20〜
70℃の範囲の温度に加熱しつつ、アスピレーターを用
いる減圧下、従って、10〜50mmHg程度の減圧下
にエマルジョンからアンモニアや、その他の気化性成分
を蒸発させることによって、よい結果を得ることができ
る。
【0052】しかし、本発明によれば、ニッケル塩の水
溶液の液滴を含む上記エマルジョンからアンモニアを含
む気化性成分を蒸発させるために、別の方法として、常
圧下、エマルジョンを単に攪拌してもよい。また、別の
方法として、常圧下、必要に応じて、加熱しつつ、エマ
ルジョン中に空気を吹き込む、即ち、曝気してもよい。
【0053】更に、本発明によれば、炭酸ニッケル又は
水酸化ニッケルをアンモニアと前記炭酸(水素)塩の水
溶液に溶解させ、この水溶液を微細な液滴として、非水
媒体中にエマルジョン化した後、このエマルジョンに酸
を加えて、液滴、好ましくは、液滴中のアンモニアを中
和することによって、液滴中で炭酸ニッケルを沈殿さ
せ、これを前述したようにして、油中乾燥し、かくして
得られた炭酸ニッケルを、例えば、遠心分離し、洗浄
し、乾燥すれば、目的とする炭酸ニッケルの微細な球状
の粒子を得ることができる。
【0054】この方法において用いる上記酸としては、
無機酸及び有機酸のいずれでも用いることができる。無
機酸の具体例として、例えば、硝酸、塩酸、硫酸等を挙
げることができ、有機酸の具体例として、例えば、ギ
酸、シュウ酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等
を挙げることができる。しかし、これらのなかでは、無
機酸が好ましく用いられ、特に、硝酸が好ましく用いら
れる。
【0055】(第2の段階)次に、このようにして第1
の段階にて得た微細球状炭酸ニッケル粒子を原料とし
て、目的とする微細球状金属ニッケル微粉末を製造する
第2の段階について説明する。
【0056】第2の段階においては、炭酸ニッケル粒子
を、必要に応じて、酸化性雰囲気下に加熱、熱分解し
て、微細で球状の酸化ニッケル粒子とした後(炭酸ニッ
ケルの熱分解工程)、上記炭酸ニッケル又はこの酸化ニ
ッケルの粒子(以下、原料ニッケル化合物粒子というこ
とがある。)をアルカリ土類元素、アルミニウム、ケイ
素及び希土類元素よりなる群から選ばれる少なくとも1
種の元素の水不溶性化合物からなる融着防止剤の存在下
に水素雰囲気下に加熱し、上記原料ニッケル化合物粒子
を還元して、金属ニッケル粒子とし(還元工程)、必要
に応じて、その後、上記金属ニッケル粒子を非酸化性雰
囲気下に加熱し(金属ニッケル粉末の非酸化性雰囲気下
での加熱工程)、更に、必要に応じて、上記金属ニッケ
ル粒子から上記融着防止剤を分離、除去し(融着防止剤
の除去工程)、かくして、目的とする微細球状金属ニッ
ケル微粉末を得る。
【0057】このようにして得られた炭酸ニッケル粒子
は、必要に応じて、乾式、湿式又はこれらの組合わせに
よって粉砕し、これを次の還元工程に供する。
【0058】(炭酸ニッケルの熱分解工程)第1の段階
にて得た微細球状炭酸ニッケル粒子は、これを還元する
前に、必要に応じて、酸化性雰囲気下、空気中にて加熱
して、酸化ニッケル粒子に熱分解してもよい。
【0059】第1の段階で得られた炭酸ニッケル粒子に
は、そのエマルジョン法による製造に用いた非水媒体や
界面活性剤に由来する炭素物質が付着しているおそれが
あるところ、このような炭酸ニッケル粒子の熱分解によ
れば、上記炭素物質を除去することができると共に、い
わば、粒子を焼き締めることができ、かくして、より微
細で球状の酸化ニッケル粒子を得ることができる。
【0060】本発明によれば、このような炭酸ニッケル
粒子の熱分解は、空気のような酸化性雰囲気下、炭酸ニ
ッケル粒子を5〜50℃/時の割合で、通常、400〜
1000℃、好ましくは、450〜800℃の範囲の温
度まで加熱し、その温度で数時間、通常、1〜10時
間、加熱して行なう。
【0061】炭酸ニッケル粒子の熱分解の後、得られた
酸化ニッケル粒子は、必要に応じて、乾式、湿式又はこ
れらの組合わせによって粉砕し、これを次の還元工程に
供する。
【0062】(原料ニッケル化合物粒子の還元工程)本
発明によれば、アルカリ土類元素、アルミニウム、ケイ
素及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素の
化合物からなる融着防止剤の存在下に上記原料ニッケル
化合物粒子を水素雰囲気下に加熱し、還元し、かくし
て、微細で球状の金属ニッケル微粉末を得る。
【0063】本発明によれば、原料ニッケル化合物粒子
を水スラリーとし、ここで、原料ニッケル化合物粒子と
融着防止剤とを混合して、均一な混合物を得ることがで
きるように、融着防止剤は、上記元素の水不溶性の化合
物であることが好ましい。
【0064】特に、本発明によれば、上記融着防止剤
は、好ましくは、上記元素の水不溶性の水酸化物、酸化
物、炭酸塩、硫酸塩又はこれらの2種以上の混合物であ
る。上記元素のすべてについて、水酸化物又は酸化物
は、本発明において、有用な融着防止剤である。しか
し、水不溶性であれば、上記元素の炭酸塩や硫酸塩も、
融着防止剤として用いることができる。また、酸化物は
無水物でもよく、含水物でもよい。
【0065】上記融着防止剤を構成する元素のうち、ア
ルカリ土類元素としては、例えば、Mg、Ca、Sr又
はBaを挙げることができ、特に、Mg又はCaが好ま
しい。
【0066】また、希土類元素としては、Sc、Y、L
a、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb又はLuを挙げるこ
とができる。これらのなかでは、融着防止の効果にすぐ
れるところから、特に、Y、Sm又はPrの化合物や、
これらの2種以上の混合物が好ましく用いられる。
【0067】本発明においては、アルカリ土類元素、ア
ルミニウム、ケイ素及び希土類元素から選ばれる少なく
とも1種の元素の化合物からなるこれら融着防止剤は、
単独で、又は2種以上の組合わせとして用いることがで
きる。
【0068】特に、本発明によれば、融着防止剤とし
て、アルカリ土類元素の化合物としては、例えば、酸化
カルシウムや酸化マグネシウムを好ましい具体例として
挙げることができ、これ以外にも、炭酸カルシウムや硫
酸バリウムを挙げることができる。ケイ素やアルミニウ
ムの化合物としては、それぞれ酸化物や水酸化物が好ま
しい。また、希土類元素の化合物としては、例えば、水
酸化物や酸化物が好ましい。
【0069】本発明によれば、このような融着防止剤
は、原料ニッケル化合物粒子の還元とその後の非酸化性
雰囲気下での加熱の間、固体として存在して、原料ニッ
ケル化合物粒子の還元によって生成した金属ニッケル粒
子相互の焼結や融着を防止し、かくして、金属ニッケル
粒子が粗大化するのを防止する効果を有する。このよう
な融着防止剤は、原料ニッケル化合物粒子に対して、酸
化物換算にて、通常、0.01〜30重量%、好ましく
は、1〜25重量%の範囲で用いられる。
【0070】本発明においては、原料ニッケル化合物粒
子の還元に際して、融着防止剤は、原料ニッケル化合物
粒子と共に存在すればよく、従って、原料ニッケル化合
物粒子の還元に際して、融着防止剤をどのような手段、
方法によって、原料ニッケル化合物粒子と共に存在させ
てもよい。即ち、融着防止剤の由来は特に制限されな
い。
【0071】従って、例えば、原料ニッケル化合物粒子
に直接に上記融着防止剤を加えて、乾式法にて混合して
もよく、また、原料ニッケル化合物粒子と融着防止剤と
を湿式法にて混合してもよい。後者の方法は、原料ニッ
ケル化合物粒子と融着防止剤との均一な混合物を得るこ
とができるので好ましい。
【0072】ここで、湿式法にて原料ニッケル化合物粒
子と融着防止剤との混合物を調製する場合、例えば、シ
リカやアルミナのように、それ自体、水不溶性である酸
化物を融着防止剤として用いる場合には、これらをその
まま、原料ニッケル化合物粒子の水スラリーに加えて混
合、粉砕してもよい。
【0073】即ち、シリカやアルミナを原料ニッケル化
合物粒子と共に水に分散させ、撹拌混合するか、又はボ
ールミル、ビーズミル中で粉砕混合する。また、シリ
カ、アルミナ等を水に分散させ、別に、原料ニッケル化
合物粒子を水に分散させ、それぞれをボールミル、ビー
ズミル等を用いて粉砕した後、引き続き、両者を軽く混
合し、粉砕する。
【0074】しかし、本発明によれば、原料ニッケル化
合物粒子のスラリーを調製し、このような原料ニッケル
化合物粒子の存在下に、酸又はアルカリによって酸化物
又は水酸化物を与える水溶性塩に酸又はアルカリを作用
させ、いわば、その場で融着防止剤を生成させて、原料
ニッケル化合物粒子と融着防止剤との混合物を得ること
が好ましい。
【0075】例えば、ケイ素やアルミニウム、アルカリ
土類元素や希土類元素の適宜の水溶性塩を水に溶解させ
て水溶液を得、これを原料ニッケル化合物粒子の水スラ
リーと混合し、用いた元素の水溶性塩に応じて、酸又は
アルカリを沈殿剤として上記水スラリーに加えて、上記
元素の水酸化物や酸化物を沈殿させ、混合、攪拌して、
原料ニッケル化合物粒子と融着防止剤との混合物を得る
ことができる。沈殿剤としては、通常、塩酸のような酸
や、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水
等のようなアルカリが好ましく用いられる。
【0076】アルカリ土類元素の水酸化物又は酸化物の
前駆体としては、限定されるものではないか、通常、例
えば、硝酸塩が好ましく用いられる。必要に応じて、塩
化物も用いられる。ケイ素やアルミニウムの水酸化物又
は酸化物の前駆体としては、例えば、オルトケイ酸、メ
タケイ酸、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウ
ム、メタケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、硝
酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム
等が用いられる。また、希土類元素の水酸化物又は酸化
物の前駆体としては、例えば、硝酸塩、硫酸塩、炭酸
塩、塩化物等之水溶性塩が適宜に用いられる。しかし、
融着防止剤の前駆体は、これらに限定されるものではな
い。
【0077】本発明によれば、原料ニッケル化合物粒子
と融着防止剤との均一な混合物を得るために、特に、次
のような方法が好ましく用いられる。
【0078】例えば、原料ニッケル化合物粒子をボール
ミル又はビーズミル等を用いて水に十分に分散させ、得
られたスラリーに融着防止剤を与える前駆体としての水
溶性塩、例えば、メタケイ酸ナトリウムや硝酸アルミニ
ウム等を加えた後、スラリーに酸又はアルカリ水溶液を
加えて、二酸化ケイ素や酸化アルミニウムを沈殿させ
て、原料ニッケル化合物粒子と混合する。
【0079】また、例えば、原料ニッケル化合物粒子を
ボールミル又はビーズミル等を用いて水に十分に分散さ
せ、得られたスラリーに酸又はアルカリ水溶液を加えた
後、これに融着防止剤を与える前駆体としての水溶性塩
の水溶液を加えて、二酸化ケイ素や酸化アルミニウムを
沈殿させて、原料ニッケル化合物粒子と混合する。
【0080】また、原料粒子をボールミル又はビーズミ
ル等を用いて水に十分に分散させ、得られたスラリー
に、融着防止剤を与える前駆体としての水溶性塩の水溶
液と酸又はアルカリ水溶液とを同時に加えて、二酸化ケ
イ素や酸化アルミニウムを沈殿させて、原料ニッケル化
合物粒子と混合する。
【0081】上述した方法は、二酸化ケイ素や酸化アル
ミニウムを融着防止剤として用いる場合を例にとって説
明したが、しかし、アルカリ土類元素や希土類元素の水
不溶性化合物からなる融着防止剤と原料ニッケル化合物
粒子との混合物を得る場合にも、同様に、好適に採用す
ることができる。
【0082】本発明によれば、このようにして、原料ニ
ッケル化合物粒子と融着防止剤との混合物を原料ニッケ
ル化合物粒子のスラリーを用いて湿式法にて調製したと
きには、上記スラリーを濾過、水洗し、乾燥、粉砕等を
適宜に行なって、融着防止剤を含む原料ニッケル化合物
粒子を得、これを次の還元工程に供する。
【0083】また、原料ニッケル化合物粒子をボールミ
ル又はビーズミル等を用いて水に十分に分散させ、得ら
れたスラリーに融着防止剤を与える水溶性の前駆体の水
溶液を加えた後、噴霧乾燥機を用いて、乾燥させ、原料
ニッケル化合物粒子と融着防止剤との混合物を調製する
こともできる。このような混合物は、必要に応じて、適
宜に粉砕した後、還元工程に供する。
【0084】(還元工程)次に、本発明によれば、上述
した原料ニッケル化合物粒子と融着防止剤との混合物を
水素雰囲気下、300〜1200℃の範囲の温度に加熱
して、原料ニッケル化合物粒子を還元して、微細で球状
の金属ニッケル粒子を得る。還元時の加熱温度が300
℃よりも低いときは、原料ニッケル化合物粒子が十分に
還元されず、未還元のニッケル化合物が残存する。他
方、還元時の加熱温度が1200℃を越えるときは、本
来、六方晶であるニッケルの晶癖が支配的となり、得ら
れる金属ニッケル粒子が球状性に著しく劣ることとな
る。同時に、このような高温での水素ガス還元のための
装置は、材質的にも構造的にも高価なものとならざるを
得ず、好ましくない。
【0085】(金属ニッケル粉末の非酸化雰囲気下にお
ける加熱工程)そこで、本発明によれば、上述したよう
に、原料ニッケル化合物粒子を水素雰囲気下、例えば、
300〜700℃程度の比較的低い温度で長時間にわた
って加熱して還元した後、窒素ガス等の非酸化性雰囲気
下に高温に加熱し、焼き締めて、得られる金属ニッケル
粒子の結晶性を向上させることができる。
【0086】このような非酸化雰囲気下の加熱温度は、
500〜1500℃の範囲が好ましい。加熱温度が50
0℃よりも低いときは、得られる金属ニッケルの結晶性
の向上が十分でなく、他方、加熱温度が1500℃を越
えるときは、ニッケル粒子が液滴となり、融着防止剤も
相互に焼結したり、又は融着したりするため、ニッケル
粒子の粗大化が進行し、また、球状性を維持することが
困難となる。
【0087】(融着防止剤の除去工程)本発明によれ
ば、このように、融着防止剤の存在下に、原料ニッケル
化合物粒子を還元し、得られた金属ニッケル粒子を、必
要に応じて、非酸化雰囲気下に加熱した後、必要に応じ
て、酸又はアルカリで洗浄して、上記融着防止剤を溶解
させて、金属ニッケル粒子から分離、除去してもよい。
ここに、用いる上記酸又はアルカリの種類や使用量は、
特に、制限はないが、ニッケル粒子自身の溶出を極力抑
制するようにしなければならない。
【0088】例えば、融着防止剤として、二酸化ケイ素
を用いた場合には、これらを金属ニッケル粉末から除く
には、水酸化ナトリウムのようなアルカリが好ましく用
いられる。他方、融着防止剤として、酸化アルミニウム
を用いた場合には、これらを金属ニッケル粉末から除く
には、水酸化ナトリウムのようなアルカリや、また塩酸
のような酸が好ましく用いられる。また、アルカリ土類
元素や希土類元素の水酸化物や酸化物からなる融着防止
剤を金属ニッケル粉末から除くには、塩酸のほか、酢酸
のような有機酸も好ましく用いられる。
【0089】
【実施例】以下に本発明による微細球状炭酸ニッケル粒
子のエマルジョン法による製造とこれを熱分解する酸化
ニッケル粒子の製造をそれぞれ製造例1及び2として示
すと共に、これらを用いる微細球状金属ニッケル微粉末
の製造を実施例として挙げて本発明を説明するが、本発
明はこれら製造例及び実施例により何ら限定されるもの
ではない。
【0090】また、以下の実施例及び比較例において、
原料ニッケル化合物粒子や金属ニッケル粒子の平均粒径
は、(株)堀場製作所製のレーザー回折式粒度分布測定
装置LA−500を用いて測定した。結晶子径は、理学
電機(株)製のX線回折装置RAD−IIC型を用いて、
Scherrer法により求めた。走査型電子顕微鏡写
真は、日本電子(株)製JSM−840F型を用いて観
察した。また、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの分析
は誘導結合プラズマ分析(ICP)によった。
【0091】製造例1 (微細球状炭酸ニッケル粒子の製造)市販の塩基性炭酸
ニッケル(NiCO3 ・Ni(OH)2 ・4H2 O、以
下、同じ。)141gと炭酸水素アンモニウム(NH4
HCO3 )242gとを15%アンモニア水に加え、よ
く撹拌して、pHが9.5の塩基性炭酸ニッケルのアンモ
ニア一炭酸水素アンモニウム水溶液(Niとして1.1モ
ル/L濃度)を調製した。
【0092】このようにして得られたニッケル塩の水溶
液200gにHLB値15のノニオン系界面活性剤ポリ
オキシエチレンソルビタンモノオレエート(花王(株)
製レオドールTW−O120)30gを加え、50℃に
て撹拌して、溶解させた。別に、非水媒体として、沸点
約280℃のスーパースクワラン(スクアッテク(株)
製スクワラン)800gにHLB値4.3のノニオン系界
面活性剤ソルビタンモノオレエート(花王(株)製レオ
ドールSR−O10)50gを加え、80℃にて撹拌し
て、溶解させた。
【0093】次に、上記界面活性剤を溶解させたニッケ
ル塩水溶液と非水媒体とを混合し、ホモミキサー(特殊
機化工業(株)製)を用いて5000rpmで5分間撹
拌し、これを2回繰り返して、W/O型のエマルジョン
を調製した。
【0094】温度50℃において、このエマルジョンを
20〜30mmHgの減圧化に吸引して、アンモニアと
炭酸ガスを主成分とする気化性成分を蒸発させて、エマ
ルジョンの液滴中に塩基性炭酸ニッケルを沈殿させた。
その後、更に、上記減圧下にエマルジョンを吸引し、水
を主成分とする気化性成分を蒸発させて、エマルジョン
の液敵中に生じた塩基性炭酸ニッケルの球状の粒子を油
中乾燥した。
【0095】この塩基性炭酸ニッケルの粒子を遠心分離
し、ヘキサン、メタノール及び水の順序にて洗浄した
後、温度100℃で2時間乾燥させて、平均粒径0.55
μmの塩基性炭酸ニッケル(ニッケル分43重量%)の
球状粒子の粉末を得た。このようにして得られた塩基性
炭酸ニッケル粒子は、走査型電子顕微鏡写真によれば、
球状であり、且つ、よく分散していることが観察され
た。
【0096】以下の実施例及び比較例において用いる塩
基性炭酸ニッケル粉末は、この製造例1において得たも
のである。
【0097】製造例2 (微細球状酸化ニッケル粒子の製造)球状の塩基性炭酸
ニッケル粉末を、空気中、20℃/時の昇温速度にて5
00℃まで昇温し、500℃で3時間保持し、熱分解し
て、平均粒径0.45μmの均一微細な球状の酸化ニッケ
ル粒子粉末を得た。このようにして得られた酸化ニッケ
ル粒子は、走査型電子顕微鏡写真によれば、球状であ
り、且つ、よく分散していることが観察された。
【0098】以下の実施例及び比較例において用いる酸
化ニッケル粉末は、この製造例2において得たものであ
る。
【0099】(融着防止剤としてケイ素又はアルミニウ
ムの水酸化物又は酸化物を用いた実施例) 実施例1 球状の塩基性炭酸ニッケル粉末11.6gをイオン交換水
20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビ
ーズ70gを加え、遊星ミル用いて、100rpmで1
0分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビー
ズを分離し、これを十分に洗浄し、塩基性炭酸ニッケル
を全量回収して、塩基性炭酸ニッケルの水スラリーを得
た。このスラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na
2 SiO 3 、SiO2 として100g/L)2.5mLを
加えて、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷
冷し、これに10%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、
沈殿を生成させた。
【0100】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過し、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに
対して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む塩基性
炭酸ニッケル粉末を得た。次に、この塩基性炭酸ニッケ
ル粉末めのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900
℃で3時間加熱し、上記塩基性炭酸ニッケルを還元した
後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガス
を50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安
定化処理を行なった。
【0101】このようにして得られた金属ニッケル粒子
は、結晶子径910Åであり、平均粒径0.39μmであ
った。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球
状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0102】実施例2 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
メタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO
2 として100g/L)2.5mりを加え、よく撹拌し
た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%
塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0103】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッ
ケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう
乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間加
熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却
し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時
間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行な
った。
【0104】このようにして得られた金属ニッケル粒子
は、結晶子径893Åであり、平均粒径0.45μmであ
った。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球
状で、且つ、よく分散していることが観察された。
【0105】実施例3 球状の塩基性炭酸ニッケル粉末11.6gをイオン交換水
20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビ
ーズ70gを加えて、遊星ミルを用いて、100rpm
で10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニア
ビーズを分離し、これを十分に洗浄し、塩基性炭酸ニッ
ケルの全量を回収して、塩基性炭酸ニッケルの水スラリ
ーを得た。このスラリーに硝酸アルミニウム水溶液(A
l(NO 3 3 、Al2 3 として50g/L)5.0m
Lを加えて、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しなが
ら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、
中和して、沈殿を生成させた。
【0106】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%を含む塩
基性炭酸ニッケル粉末を得た。次に、この塩基性炭酸ニ
ッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中9
00℃で3時間、加熱して、上記塩基性炭酸ニッケルを
還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む
窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッ
ケルの安定化処理を行なった。
【0107】このようにして得られた金属ニッケル粒子
は、結晶子径921Åであり、平均粒径0.40μmであ
った。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球
状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0108】実施例4 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを、十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収
して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリー
に硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2
3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌し
た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%ア
ンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成さ
せた。
【0109】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%有する酸
化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末を
めのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これ
を冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃
で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理
を行なった。
【0110】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径922Åであり、平均粒径0.51μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0111】実施例5 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。この後、得られたスラリーからジルコニアビ
ーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全
量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。この
スラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO
3 、SiO2 として100g/L)1.5mLを加え、よ
く撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これ
に10%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成
させた。
【0112】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化ケイ素(SiO2 )3重量%を含む酸化ニッケ
ル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳
鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加
熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却
し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時
間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行な
った。
【0113】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径933Åであり、平均粒径0.63μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0114】実施例6 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
メタケイ酸ナトリウム水溶液メタケイ酸ナトリウム水溶
液(Na 2 SiO3 、SiO2 として100g/L)5.
0mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しな
がら氷冷し、これに10%塩酸をゆっくり滴下し、中和
して、沈殿を生成させた。
【0115】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して二酸化ケイ素(SiO2 )10重量%を含む酸化ニ
ッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめの
う乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0116】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径905Åであり、平均粒径0.45μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0117】実施例7 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収
して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリー
にメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、Si
2 として100g/L)10.0mLを加え、よく撹拌
した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10
%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させ
た。
【0118】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して二酸化ケイ素(SiO2 )20重量%を含む酸化ニ
ッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめの
う乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0119】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径875Åであり、平均粒径0.38μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0120】実施例8 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収
して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリー
に硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2
3 として50g/L)3.0mLを加え、よく撹拌し
た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%ア
ンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成さ
せた。
【0121】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化アルミニウム(Al2 3 )3重量%を含む酸
化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末を
めのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これ
を冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃
で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理
を行なった。
【0122】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径929Åであり、平均粒径0.65μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0123】実施例9 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。この後、得られたスラリーからジルコニアビ
ーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全
量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。この
スラリーに硝酸アルミニウム水溶液(Al(N
3 3 、Al23 として50g/L)10.0mLを
加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷
し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和し
て、沈殿を生成させた。
【0124】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化アルミニウム(Al2 3 )10重量%を含む
酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末
をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で
3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、こ
れを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50
℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処
理を行なった。
【0125】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径910Åであり、平均粒径0.35μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0126】実施例10 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルで、200rpmで10分間粉砕し
た。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、
これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収して、
酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸
アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3
して50g/L)20.0mLを加え、よく撹拌した。こ
のスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニ
ア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0127】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化アルミニウム(Al2 3 )20重量%を含む
酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末
をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で
3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、こ
れを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50
℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処
理を行なった。
【0128】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径881Åであり、平均粒径0.35μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0129】実施例11 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収
して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリー
にメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、Si
2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌し
た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%
塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0130】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッ
ケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう
乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0131】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径220Åであり、平均粒径0.39μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0132】実施例12 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収
して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリー
にメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、Si
2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌し
た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%
塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0133】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッ
ケル粉末を得た。次に、この混合物をめのう乳鉢を用い
て粉砕し、水素気流中、500℃、10時間、加熱し
て、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、次
いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通
させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0134】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径337Åであり、平均粒径0.44μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0135】実施例13 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収
して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリー
にメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、Si
2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌し
た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%
塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0136】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッ
ケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう
乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、700℃で5時間、
加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却
し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時
間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行な
った。
【0137】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径508Åであり、平均粒径0.42μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0138】実施例14 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。この後、得られたスラリーからジルコニアビ
ーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全
量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このス
ラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 Si
3 、SiO 2 として100g/L)2.5mLを加え、
よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、1
0%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させ
た。
【0139】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%含む酸化ニッケ
ル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳
鉢を用いて粉砕し、水素気流中、1000℃で3時間、
加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却
し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時
間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行な
った。
【0140】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径938Åであり、平均粒径0.53μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれは、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0141】実施例15 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収
して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリー
に硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2
3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌し
た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%ア
ンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成さ
せた。
【0142】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これ
を冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃
で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理
を行なった。
【0143】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径282Åであり、平均粒径0.36μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0144】実施例16 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2
3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌した。
このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモ
ニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させ
た。
【0145】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、500℃で10
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、この後、
冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0146】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径355Åであり、平均粒径0.38μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0147】実施例17 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2
3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌した。
このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモ
ニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させ
た。
【0148】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、700℃で5時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0149】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径621Åであり、平均粒径0.42μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0150】実施例18 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmて10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収
して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリー
に硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2
3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌し
た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%ア
ンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成さ
せた。
【0151】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この混合物をめのう乳鉢を
用いて粉砕し、水素気流中、1000℃で3時間、加熱
して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、
次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流
通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なっ
た。
【0152】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径927Åであり、平均粒径0.46μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0153】実施例19 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収
して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリー
にメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、Si
2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌し
た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%
塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0154】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%含む酸化ニッケ
ル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳
鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時間、
加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、次いで、窒素気
流中で900℃、3時間、加熱した後、冷却し、この
後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通さ
せ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0155】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径912Åであり、平均粒径0.40μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0156】実施例20 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
メタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO
2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌し
た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%
塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0157】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッ
ケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう
乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、次いで、窒
素気流中、1100℃で3時間、加熱した後、冷却し、
この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流
通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なっ
た。
【0158】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径955Åであり、平均粒径0.37μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0159】実施例21 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
メタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO
2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌し
た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%
塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0160】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッ
ケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう
乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時
間、加熱して、還元し、次いで、窒素気流中、1500
℃で3時間、加熱した後、冷却し、この後、5%の酸素
を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金
属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0161】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径972Åであり、平均粒径0.51μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0162】実施例22 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpm、10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2
3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌した。
このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモ
ニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させ
た。
【0163】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10
時間、加熱して、還元し、次いで、窒素気流中、900
℃で3時間、加熱した後、これを冷却し、この後、5%
の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得ら
れた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0164】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径923Åであり、平均粒径0.51μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0165】実施例23 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2
3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌した。
このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモ
ニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させ
た。
【0166】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10
時間、加熱して、還元し、次いで、窒素気流中、110
0℃で3時間、加熱した後、これを冷却し、この後、5
%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得
られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0167】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径945Åであり、平均粒径0.38μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0168】実施例24 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2
3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌した。
このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモ
ニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させ
た。
【0169】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10
時間、加熱して、還元し、更に、窒素気流中、1500
℃で3時間、加熱した後、これを冷却し、この後、5%
の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得ら
れた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0170】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径977Åであり、平均粒径0.66μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0171】実施例25 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーを
撹拌しながら氷冷し、このスラリーに、メタケイ酸ナト
リウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO2 として100
g/L)2.5mLにイオン交換水を加えて50mLとし
た水溶液と10%塩酸水溶液とを同時にゆっくり滴下
し、メタケイ酸ナトリウムを中和し、沈殿を生成させ
た。このとき、スラリーのpHが3〜4になるように、
上記メタケイ酸ナトリウム水溶液と塩酸の滴下速度を調
節した。
【0172】このスラリーから上記沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッ
ケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう
乳鉢を用いて粉砕し、水素気流、900℃で3時間、加
熱して、還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸
素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた
金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0173】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径889Åであり、平均粒径0.49μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0174】実施例26 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
メタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO
2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌した
後、噴霧乾燥機を用いて乾燥して、ニッケルに対して二
酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッケル粉
末を得、これをめのう乳鉢を用いて粉砕した。
【0175】次に、この酸化ニッケル粉末を、大気中、
500℃で3時間の加熱した後、水素気流中、900℃
で3時間、加熱して、還元した。次に、これを冷却した
後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通さ
せ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0176】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径915Åであり、平均粒径0.40μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0177】実施例27 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。別に、微細シリカ(富士シリシア化学(株)
製サイロイド404)0.25gとイオン交換水20mL
に直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミ
ルを用いて、200rpmで60分間粉砕処理をした。
【0178】このようにして得られたそれぞれのスラリ
ーからジルコニアビーズを分離し、これらを十分に洗浄
し、酸化ニッケルとシリカをそれぞれ全量回収して、そ
れぞれのスラリーを得、これらのスラリーを混合し、十
分に撹拌した。
【0179】次に、これらのスラリーを濾過、洗浄し、
110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対してシリカ(S
iO2 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次
に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕
し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、還元し
た後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガ
スを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの
安定化処理を行なった。
【0180】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径929Åであり、平均粒径0.63μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0181】実施例28 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
2%アンモニア水を添加して撹拌した。このスラリーを
撹拌しながら氷冷し、このスラリーに、硝酸アルミニウ
ム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g
/L)5.0mLにイオン交換水を加えて50mLとした
水溶液をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させ
た。
【0182】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%を含む酸
化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末を
めのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3
時間、加熱して、還元した後、これを冷却し、この後、
5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、
得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0183】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径903Åであり、平均粒径0.56μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0184】実施例29 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーを
撹拌しながら氷冷し、このスラリーに、硝酸アルミニウ
ム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g
/L)5.0mLにイオン交換水を加えて50mLとした
水溶液と2%アンモニア水とを同時にゆっくり滴下し、
硝酸アルミニウムを中和して、沈殿を生成させた。この
とき、スラリーのpHが7〜8になるように、硝酸アル
ミニウム水溶液とアンモニア水の滴下速度を調節した。
【0185】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、還元した後、これを冷却し、この後、5
%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得
られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0186】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径900Åであり、平均粒径0.48μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0187】実施例30 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収し
て、酸化ニッケル水スラリーを得た。このスラリーに硝
酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3
として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌した後、
噴霧乾燥機を用いて乾燥して、ニッケルに対して酸化ア
ルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化ニッケル粉
末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を
用いて粉砕し、大気中、500℃で3時間、加熱した
後、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、還元
し、次いで、冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガ
スを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの
安定化処理を行なった。
【0188】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径916Åであり、平均粒径0.36μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0189】実施例31 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。別に、微細アルミナ(住友化学工業(株)製
AM−27)0.25gをイオン交換水20mLに直径1
mmのジルコニアビーズ70gに加え、遊星ミルを用い
て、200rpmで60分間粉砕処理をした。
【0190】このようにして得られたそれぞれのスラリ
ーからジルコニアビーズを分離し、これらを十分に洗浄
し、酸化ニッケルとアルミナをそれぞれ全量回収して、
それぞれのスラリーを得、これらのスラリーを混合し、
十分に撹拌した。次に、このスラリーを濾過、洗浄し、
110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対してアルミナ
(Al2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得
た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて
粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、還
元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒
素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケ
ルの安定化処理を行なった。
【0191】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径933Åであり、平均粒径0.52μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0192】実施例32 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
メタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO
2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌し
た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%
塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0193】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッ
ケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう
乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、
加熱して、還元した後、これを冷却し、この後、5%の
酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られ
た金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0194】次に、このようにして得られた二酸化ケイ
素を含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕
し、20%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、液温を
80℃〜90℃として、30分間撹拌した後、濾過、水
洗し、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッ
ケル粉末から二酸化ケイ素を除去したところ、金属ニッ
ケル粉末中に残存している二酸化ケイ素は、ニッケルに
対して、0.28重量%であった。
【0195】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径911Åであり、平均粒径0.42μmであっ
た。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の
走査型電子顕微鏡写真を図1に示すように、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0196】実施例33 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2
3 として50g/L)5.0mLを加えて、よく撹拌し
た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%ア
ンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成さ
せた。
【0197】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0198】次に、このようにして得られた酸化アルミ
ニウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、10%塩酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した
後、濾過、水洗し、乾燥した。この操作を2回繰り返し
て、金属ニッケル粉末から酸化アルミニウムを除去した
ところ、金属ニッケル粉末中に残存している酸化アルミ
ニウムは、ニッケルに対して、0.15重量%であった。
【0199】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径925Åであり、平均粒径0.39μmであっ
た。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の
走査型電子顕微鏡写真を図2に示すように、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0200】実施例34 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2
3 として50g/L)5.0mLを加えて、よく撹拌し
た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%ア
ンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成さ
せた。
【0201】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化アルミニウム5重量%含む酸化ニッケル粉末を
得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用い
て粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、
上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この
後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通さ
せ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0202】次に、このようにして得られた酸化アルミ
ニウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、20%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、液温
を80℃〜90℃として30分間撹拌した後、濾過、水
洗し、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッ
ケル粉末から酸化アルミニウムを除去したところ、金属
ニッケル粉末中に残存している酸化アルミニウムは、ニ
ッケルに対して、0.12重量%であった。
【0203】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径918Åであり、平均粒径0.35μmであっ
た。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の
走査型電子顕微鏡写真を図3に示すように、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0204】(希土類元素の化合物を融着防止剤として
用いた実施例) 実施例35 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸スカンジウム4水和物(Sc(NO3 3 ・4H2
O)1.10gを加え、撹拌して、溶解させた。このスラ
リーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水を
ゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0205】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化スカンジウム(Sc2 3 )5重量%含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、還元した後、これを冷却し、この後、5
%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得
られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0206】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径895Åであり、平均粒径0.48μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0207】実施例36 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H
2 O)0.85gを加え、撹拌して、溶解させた。このス
ラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水
をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0208】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0209】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径911Åであり、平均粒径0.42μmであっ
た。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の
走査型電子顕微鏡写真を図4に示すように、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0210】実施例37 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸ランタン6水和物(La(NO3 3 ・6H2 O)
0.66gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹
拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり
滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0211】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化ランタン(La2 3 )5重量%を含む酸化ニ
ッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめの
う乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0212】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径917Åであり、平均粒径0.72μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0213】実施例38 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。この後、得られたスラリーからジルコニアビ
ーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量
を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このス
ラリーに硝酸セリウム6水和物(Ce(NO3 3 ・6
2 O)0.66gを加え、撹拌、溶解させた。このスラ
リーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水を
ゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0214】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化セリウム(Ce2 3 )5重量%を含む酸化ニ
ッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめの
う乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0215】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径886Åであり、平均粒径0.62μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0216】実施例39 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸プラセオジム6水和物(Pr(NO3 3 ・6H2
O)0.66gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリー
を撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっ
くり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0217】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化プラセオジウム(Pr2 3 )5重量%を含む
酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末
をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で
3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、こ
れを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50
℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処
理を行なった。
【0218】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径935Åであり、平均粒径0.58μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0219】実施例40 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸ネオジム6水和物(Nd(NO3 3 ・6H2 O)
0.65gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹
拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり
滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0220】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化ネオジム(Nd2 3 )5重量%含む酸化ニッ
ケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう
乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、
加熱して、還元した後、これを冷却し、この後、5%の
酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られ
た金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0221】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径899Åであり、平均粒径0.60μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0222】実施例41 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸サマリウム6水和物(Sm(NO3 3 ・6H
2 O)0.64gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0223】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化サマリウム(Sm2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0224】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径910Åであり、平均粒径0.56μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0225】実施例42 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸ユウロピウム水和物(Eu(NO3 3 ・6H
2 O)0.63gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0226】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化ユウロピウム(Eu2 3 )5重量%を含む酸
化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末を
めのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これ
を冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃
で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理
を行なった。
【0227】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径899Åであり、平均粒径0.59μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0228】実施例43 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸ガドリニウム6水和物(Gd(NO3 3 ・6H2
O)0.62gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリー
を撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっ
くり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0229】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化ガドリニウム(Gd2 3 )5重量%を含む酸
化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末を
めのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これ
を冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃
で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理
を行なった。
【0230】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径915Åであり、平均粒径0.52μmであっ
た。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の
走査型電子顕微鏡写真を図5に示すように、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0231】実施例44 球状の球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水2
0mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビー
ズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで1
0分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビー
ズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量
回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラ
リーに硝酸テルビウム6水和物(Tb(NO3 3 ・6
2 O)0.62gを加え、撹拌、溶解させた。このスラ
リーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水を
ゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0232】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化テルビウム(Tb2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流
通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なっ
た。
【0233】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径908Åであり、平均粒径0.53μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0234】実施例45 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸ジスプロシウム6水和物(Dy(NO3 3 ・6H
2 O)0.61gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0235】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化ジスプロシウム(Dy2 3 )5重量%を含む
酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末
をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で
3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、こ
れを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50
℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処
理を行なった。
【0236】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径889Åであり、平均粒径0.49μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0237】実施例46 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
塩化ホルミウム6水和物(HoCl3 ・6H2 O)0.5
0gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌し
ながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下
し、中和して、沈殿を生成させた。
【0238】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化ホルミウム(Ho2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0239】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径903Åであり、平均粒径0.55μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0240】実施例47 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸エルビウム6水和物(Er(NO3 3 ・6H
2 O)0.60gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0241】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化エルビウム(Er2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流
通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なっ
た。
【0242】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径888Åであり、平均粒径0.55μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0243】実施例48 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸ツリウム4水和物(Tm(NO3 3 ・4H2 O)
0.55gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹
拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり
滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0244】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化ツリウム(Tm2 3 )5重量%を含む酸化ニ
ッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめの
う乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0245】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径922Åであり、平均粒径0.63μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0246】実施例49 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸イッテルビウム4水和物(Yb(NO3 3 ・4H
2 O)0.55gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0247】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イッテルビウム(Yb2 3 )5重量%を含む
酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末
をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で
3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、こ
れを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50
℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処
理を行なった。
【0248】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径879Åであり、平均粒径0.66μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0249】実施例50 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸ルテチウム2水和物(Lu(NO3 3 ・2H
2 O)0.50gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0250】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化ルテチウム(Lu2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0251】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径900Åであり、平均粒径0.58μmであっ
た。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の
走査型電子顕微鏡写真を図6に示すように、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0252】実施例51 球状の塩基性炭酸ニッケル粉末11.6gをイオン交換水
20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビ
ーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、100rpmで
10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビ
ーズを分離し、これを十分に洗浄し、塩基性炭酸ニッケ
ルを全量回収して、塩基性炭酸ニッケルの水スラリーを
得た。このスラリーに硝酸ネオジム6水和物(Nd(N
3 3・6H2 O)0.65gを加え、撹拌、溶解させ
た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%ア
ンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成さ
せた。
【0253】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化ネオジム(Nd2 3 )5重量%を含む塩基性
炭酸ニッケル粉末を得た。次に、この塩基性炭酸ニッケ
ル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、90
0℃で3時間、加熱して、上記塩基性炭酸ニッケルを還
元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒
素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケ
ルの安定化処理を行なった。
【0254】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径822Åであり、平均粒径0.53μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0255】実施例52 球状の塩基性炭酸ニッケル粉末11.6gをイオン交換水
20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビ
ーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、100rpmで
10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビ
ーズを分離し、これを十分に洗浄し、塩基性炭酸ニッケ
ルを全量回収して、塩基性炭酸ニッケルの水スラリーを
得た。このスラリーに硝酸ガドリニウム6水和物(Gd
(NO33 ・6H2 O)0.62gを加え、撹拌、溶解
させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2
%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生
成させた。
【0256】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化ガドリニウム(Gd2 3 )5重量%を含む塩
基性炭酸ニッケル粉末を得た。次に、この塩基性炭酸ニ
ッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、
900℃で3時間、加熱して、上記塩基性炭酸ニッケル
を還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含
む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニ
ッケルの安定化処理を行なった。
【0257】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径911Åであり、平均粒径0.63μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0258】実施例53 球状の塩基性炭酸ニッケル粉末11.6gをイオン交換水
20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビ
ーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、100rpmで
10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビ
ーズを分離し、これを十分に洗浄し、塩基性炭酸ニッケ
ルを全量回収して、塩基性炭酸ニッケルの水スラリーを
得た。このスラリーに硝酸イッテルビウム4水和物(Y
b(NO 3 3 ・4H2 O)0..5gを加え、撹拌、溶
解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに
2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を
生成させた。
【0259】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イッテルビウム(Yb2 3 )5重量%を含む
塩基性炭酸ニッケル粉末を得た。次に、この塩基性炭酸
ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流
中、900℃で3時間、加熱して、上記塩基性炭酸ニッ
ケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素
を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金
属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0260】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径890Åであり、平均粒径0.59μmであっ
た。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の
走査型電子顕微鏡写真を図7に示すように、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0261】実施例54 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H
2 O)0.51gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0262】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イットリウム(Y2 3 )3重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0263】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径916Åであり、平均粒径0.63μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0264】実施例55 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H
2 O)1.70gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0265】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イットリウム(Y2 3 )10重量%を含む酸
化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末を
めのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これ
を冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃
で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理
を行なった。
【0266】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径890Åであり、平均粒径0.38μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0267】実施例56 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H
2 O)3.40gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0268】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イットリウム(Y2 3 )20重量%を含む酸
化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末を
めのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これ
を冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃
で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理
を行なった。
【0269】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径900Åであり、平均粒径0.38μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0270】実施例57 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸ガドリニウム6水和物(Gd(NO3 3 ・6H2
O)0.37gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリー
を撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっ
くり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0271】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化ガドリニウム(Gd2 3 )3重量%を含む酸
化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末を
めのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これ
を冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃
で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理
を行なった。
【0272】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径899Åであり、平均粒径0.66μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0273】実施例58 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸ガドリニウム6水和物(Gd(NO3 3 ・6H2
O)1.24gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリー
を撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっ
くり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0274】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化ガドリニウム(Gd2 3 )10重量%を含む
酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末
をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で
3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、こ
れを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50
℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処
理を行なった。
【0275】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径921Åであり、平均粒径0.41μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0276】実施例59 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸ガドリニム6水和物(Gd(NO3 3 ・6H
2 O)2.48gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0277】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化ガドリニム(Gd2 3 )20重量%を含む酸
化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末を
めのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これ
を冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃
で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理
を行なった。
【0278】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径907Åであり、平均粒径0.35μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0279】実施例60 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H
2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0280】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これ
を冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃
で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理
を行なった。
【0281】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径288Åであり、平均粒径0.38μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0282】実施例61 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H
2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0283】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、500℃で10
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これ
を冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃
で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理
を行なった。
【0284】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径367Åであり、平均粒径0.35μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0285】実施例62 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H
2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0286】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、700℃で5時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0287】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径572Åであり、平均粒径0.41μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0288】実施例63 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H
2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0289】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、1000℃で3
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これ
を冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃
で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理
を行なった。
【0290】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径955Åであり、平均粒径0.45μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0291】実施例64 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H
2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0292】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、更に、窒
素気流中、700℃で5時間、加熱した後、これを冷却
し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時
間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行な
った。
【0293】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径773Åであり、平均粒径0.40μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0294】実施例65 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H
2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0295】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、更に、窒
素気流中、900℃で3時間加熱した後、これを冷却
し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時
間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行な
った。
【0296】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径913Åであり、平均粒径0.40μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0297】実施例66 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H
2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0298】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、更に、窒
素気流中、1100℃で3時間加熱した後、これを冷却
し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時
間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行な
った。
【0299】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径977Åであり、平均粒径0.43μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0300】実施例67 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H
2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0301】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、更に、窒
素気流中、1500℃で3時間加熱した後、これを冷却
し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時
間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行な
った。
【0302】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径993Åであり、平均粒径0.48μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0303】実施例68 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
炭酸水素アンモニウム(NH4 HCO3 )3.50gを加
え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷
冷し、これに予め調製した硝酸イットリウム6水和物
(Y(NO3 3 ・6H2 O)0.85gをイオン交換水
25mLに溶解させた水溶液をゆっくり滴下し、中和し
て、沈殿を生成させた。
【0304】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0305】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径898Åであり、平均粒径0.51μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0306】実施例69 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーを
撹拌しながら氷冷し、このスラリーに、予め調製した硝
酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)
0.85gをイオン交換水25mLに溶解させた水溶液と
2%アンモニア水とを同時にゆっくり滴下し、硝酸イッ
トリウムを中和して、沈殿を生成させた。このとき、ス
ラリーのpHが7〜8になるように、硝酸イットリウム
水溶液とアンモニア水の滴下速度を調節した。
【0307】上記スラリーから上記沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、、上記酸化ニッケルを還元した後、これ
を冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃
で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理
を行なった。
【0308】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径915Åであり、平均粒径0.39μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0309】実施例70 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H
2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた後、噴霧乾燥
機を用いて乾燥し、ニッケルに対して酸化イットリウム
(Y2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。
次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕
し、大気中、500℃で3時間加熱し、次いで、水素気
流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケル
を還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含
む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニ
ッケルの安定化処理を行なった。
【0310】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径922Åであり、平均粒径0.35μmであっ
た。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の
走査型電子顕微鏡写真を図8に示すように、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0311】実施例71 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。別に、酸化イットリウム(Y2 3 )0.25
gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1m
mのジルコニアビーズ70gを加え、同様に、遊星ミル
を用いて、200rpmで60分間粉砕処理をした。
【0312】このようにして得られたそれぞれのスラリ
ーからジルコニアビーズを分離し、これらを十分に洗浄
し、酸化ニッケルと酸化イットリウムをそれぞれ全量回
収して、それぞれの水スラリーを得、これらのスラリー
を混合し、十分に撹拌した。
【0313】次に、このスラリーを濾過、洗浄し、11
0℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウ
ム(Y2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得
た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて
粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、こ
の酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、
5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、
得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0314】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径907Åであり、平均粒径0.43μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0315】実施例72 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H
2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0316】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元処理をした後、
これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを5
0℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化
処理を行なった。
【0317】次に、このようにして得られた酸化イット
リウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、これを10%塩酸水溶液中に浸漬し、30分間撹
拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り
返して、金属ニッケル粉末中に含まれる酸化イットリウ
ムを除去したところ、金属ニッケル中に残存している酸
化イットリウムは、ニッケルに対して、0.11重量%で
あった。
【0318】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径931Åであり、平均粒径0.45μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0319】実施例73 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸プラセオジム6水和物(Pr(NO3 3 ・6H2
O)0.66gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリー
を撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっ
くり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0320】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化プラセオジム(Pr2 3 )5重量%を含む酸
化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末を
めのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これ
を冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃
で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理
を行なった。
【0321】次に、このようにして得られた酸化プラセ
オジムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、これを10%塩酸水溶液中に浸漬し、30分間撹
拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り
返して、金属ニッケル粉末中に含まれる酸化プラセオジ
ムを除去したところ、金属ニッケル粉末中に残存してい
る酸化プラセオジムは、ニッケルに対して、0.18重量
%であった。
【0322】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径928Åであり、平均粒径0.42μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0323】実施例74 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸テルビウム6水和物(Tb(NO3 3 ・6H
2 O)0.62gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0324】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化テルビウム(Tb2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0325】次に、このようにして得られた酸化テルビ
ウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕
し、これを10%塩酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌
した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返
して、金属ニッケル粉末から酸化テルビウムを除去した
ところ、金属ニッケル粉末中に残存している酸化テルビ
ウムは、ニッケルに対して、0.28重量%であった。
【0326】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径899Åであり、平均粒径0.47μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0327】実施例75 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸エルビウム6水和物(Er(NO3 3 ・6H
2 O)0.60gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0328】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化エルビウム(Er2 3 )5重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0329】次に、このようにして得られた酸化エルビ
ウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕
し、これを10%塩酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌
した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返
して、金属ニッケル粉末から酸化エルビウムを除去した
ところ、金属ニッケル粉末中に残存している酸化エルビ
ウムは、ニッケルに対して、0.35重量%であった。
【0330】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径927Åであり、平均粒径0.58μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
(カルシウム又はマグネシウムの化合物を融着防止剤と
して用いた実施例)
【0331】実施例76 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2
O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリー
を撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっ
くり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0332】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0333】次に、このようにして得られた酸化マグネ
シウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹
拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り
返してて、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除
去したところ、金属ニッケル粉末中に残存している酸化
マグネシウムは、ニッケルに対して、0.11重量%であ
った。
【0334】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径912Åであり、平均粒径0.36μmであっ
た。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の
走査型電子顕微鏡写真を図9に示すように、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0335】実施例77 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸カルシウム4水和物(Ca(NO3 2 ・4H
2 O)4.24gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリ
ーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆ
っくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0336】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化カルシウム(CaO)20重量%を含む酸化ニ
ッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめの
う乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0337】次に、このようにして得られた酸化カルシ
ウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕
し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌
した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返
して、金属ニッケル粉末から酸化カルシウムを除去した
ところ、金属ニッケル粉末中に残存している酸化カルシ
ウムは、ニッケルに対して、0.08重量%であった。
【0338】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径934Åであり、平均粒径0.41μmであっ
た。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の
走査型電子顕微鏡写真を図10に示すように、粒子は球
状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0339】実施例78 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2
O)1.60gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリー
を撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっ
くり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0340】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化マグネシウム(MgO)5重量%を含む酸化ニ
ッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめの
う乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0341】次に、このようにして得られた酸化マグネ
シウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹
拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り
返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去
した。
【0342】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径996Åであり、平均粒径0.78μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0343】実施例79 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2
O)3.20gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリー
を撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっ
くり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0344】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化マグネシウム10重量%を含む酸化ニッケル粉
末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を
用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱し
て、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、こ
の後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通
させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0345】次に、このようにして得られた酸化マグネ
シウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した
後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返し
て、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去し
た。
【0346】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径967Åであり、平均粒径0.62μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0347】実施例80 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2
O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリー
を撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっ
くり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0348】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中300℃で10時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0349】次に、このようにして得られた酸化マグネ
シウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹
拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り
返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去
した。
【0350】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径230Åであり、平均粒径0.46μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0351】実施例81 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2
O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリー
を撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっ
くり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0352】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、500℃で10
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これ
を冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃
で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理
を行なった。
【0353】次に、このようにして得られた酸化マグネ
シウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹
拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り
返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去
した。
【0354】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径384Åであり、平均粒径0.49μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0355】実施例82 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2
O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリー
を撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっ
くり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0356】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、700℃で5時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0357】次に、このようにして得られた酸化マグネ
シウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹
拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り
返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去
した。
【0358】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径495Åであり、平均粒径0.48μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0359】実施例83 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2
O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリー
を撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっ
くり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0360】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、更に、窒
素気流中、700℃で5時間加熱した後、これを冷却
し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時
間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行な
った。
【0361】次に、このようにして得られた酸化マグネ
シウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹
拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り
返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去
した。
【0362】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径637Åであり、平均粒径0.53μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0363】実施例84 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2
O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリー
を撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっ
くり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0364】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10
時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、更に、窒
素気流中、900℃で3時間加熱した後、これを冷却
し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時
間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行な
った。
【0365】次に、このようにして得られた酸化マグネ
シウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹
拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り
返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去
した。
【0366】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径936Åであり、平均粒径0.47μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0367】実施例85 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2
O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリー
を撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっ
くり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0368】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、これを水素気流中、300℃
で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、更
に、窒素気流中、1100℃で3時間加熱した後、これ
を冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃
で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理
を行なった。
【0369】次に、このようにして得られた酸化マグネ
シウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹
拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り
返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去
した。
【0370】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径984Åであり、平均粒径0.66μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0371】実施例86 球状の塩基性炭酸ニッケル粉末11.6gをイオン交換水
20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビ
ーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、100rpmで
10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビ
ーズを分離し、これを十分に洗浄し、塩基性炭酸ニッケ
ルを全量回収して、塩基性炭酸ニッケルの水スラリーを
得た。このスラリーに硝酸マグネシウム6水和物(Mg
(NO32 ・6H2 O)6.39gを加え、撹拌、溶解
させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2
%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生
成させた。
【0372】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む塩基
性炭酸ニッケル粉末を得た。次に、この塩基性炭酸ニッ
ケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、9
00℃で3時間、加熱して、上記塩基性炭酸ニッケルを
還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む
窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッ
ケルの安定化処理を行なった。
【0373】次に、このようにして得られた酸化マグネ
シウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹
拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り
返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去
した。
【0374】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径921Åであり、平均粒径0.41μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0375】実施例87 球状の塩基性炭酸ニッケル粉末11.6gをイオン交換水
20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビ
ーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、100rpmで
10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビ
ーズを分離し、これを十分に洗浄し、塩基性炭酸ニッケ
ルを全量回収して、塩基性炭酸ニッケルの水スラリーを
得た。このスラリーに硝酸カルシウム4水和物(Ca
(NO3 2 ・4H2 O)4.24gを加え、撹拌、溶解
させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2
%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生
成させた。
【0376】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化カルシウム(CaO)20重量%を含む塩基性
炭酸ニッケル粉末を得た。次に、この塩基性炭酸ニッケ
ル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、90
0℃で3時間、加熱して、上記塩基性炭酸ニッケルを還
元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒
素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケ
ルの安定化処理を行なった。
【0377】次に、このようにして得られた酸化カルシ
ウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕
し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌
した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返
して、金属ニッケル粉末から酸化カルシウムを除去し
た。
【0378】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径944Åであり、平均粒径0.40μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0379】実施例88 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーを
撹拌しながら氷冷し、このスラリーに、予め調製した硝
酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H
2 O)6.39gをイオン交換水25mLに溶解させた水
溶液と2%アンモニア水とを同時にゆっくり滴下し、硝
酸マグネシウムを中和して、沈殿を生成させた。このと
き、スラリーのpHが11〜12になるように、硝酸マ
グネシウム水溶液とアンモニア水の滴下速度を調節し
た。
【0380】上記スラリーから上記沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0381】次に、このようにして得られた酸化マグネ
シウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹
拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り
返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去
した。
【0382】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径884Åであり、平均粒径0.39μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0383】実施例89 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
2%アンモニア水を加えて、撹拌した。このスラリーを
撹拌しながら氷冷し、このスラリーに、予め調製した硝
酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H
2 O)6.39gをイオン交換水25mLに溶解させた水
溶液をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0384】上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を
濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対
して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化
ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめ
のう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時
間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを
冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で
1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を
行なった。
【0385】次に、このようにして得られた酸化マグネ
シウムを含む金属ニッケル粉末めのう乳鉢を用いて粉砕
し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌
した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返
して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去し
た。
【0386】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径897Åであり、平均粒径0.44μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0387】実施例90 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分
離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収し
て、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに
硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2
O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた後、噴霧乾燥機
を用いて乾燥して、ニッケルに対して酸化マグネシウム
(MgO)20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。
次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕
し、大気中、500℃で3時間加熱した後、水素気流
中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを
還元した。この後、冷却し、5%の酸素を含む窒素ガス
を50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安
定化処理を行なった。
【0388】次に、このようにして得られた酸化マグネ
シウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹
拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り
返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去
した。
【0389】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径905Åであり、平均粒径0.43μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0390】実施例91 球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mL
に分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70
gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間
粉砕した。別に、酸化マグネシウム(MgO)1.0gを
イオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmの
ジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、2
00rpmで60分間粉砕処理をした。
【0391】このようにして得られたそれぞれのスラリ
ーからジルコニアビーズを分離し、これらを十分に洗浄
し、酸化ニッケルと酸化マグネシウムをそれぞれ全量回
収して、それぞれの水スラリーを得、これらを混合し、
十分に撹拌した。次に、このスラリーから固形分を濾
過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対し
て酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化ニ
ッケル粉末を得た。
【0392】次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢
を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱
して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、
この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流
通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なっ
た。
【0393】次に、このようにして得られた酸化マグネ
シウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉
砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹
拌した後、濾過、水洗、乾燥した。
【0394】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径948Åであり、平均粒径0.60μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状
であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0395】比較例1 球状の塩基性炭酸ニッケル粉末のみを水素気流中、90
0℃で3時間、加熱して、還元した後、これを冷却し、
この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流
通させて、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なっ
た。
【0396】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径995Åであり、平均粒径18.35μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は非球
状であり、相互に融着、巨大化していることが観察され
た。
【0397】比較例2 球状の酸化ニッケル粉末のみを水素気流中、900℃で
3時間、加熱して、還元した後、これを冷却し、この
後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通さ
せ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0398】このようにして得られた金属ニッケルは、
結晶子径983Åであり、平均粒径33.62μmであっ
た。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は非球
状であり、相互に融着、巨大化していることが観察され
た。
【0399】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、炭酸ニ
ッケル又は水酸化ニッケルを原料として、特別なエマル
ジョン法にて調製した炭酸ニッケル粉末を融着防止剤の
存在下に水素雰囲気下に加熱し、還元することによっ
て、平均粒径が0.1〜10μm、好ましくは、0.1μm
から数μm、特に、好ましくは、0.1〜1μmの範囲に
あり、粒度分布が狭く、ニッケルとしての結晶性の高い
微細で球状の金属ニッケル粒子を得ることができる。こ
のような金属ニッケル粉末は、例えば、積層セラミック
コンデンサ内部電極として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例32において得られた金属ニッケル
粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】は、実施例33において得られた金属ニッケル
粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】は、実施例34において得られた金属ニッケル
粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】は、実施例36において得られた金属ニッケル
粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】は、実施例43において得られた金属ニッケル
粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】は、実施例50において得られた金属ニッケル
粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】は、実施例53において得られた金属ニッケル
粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図8】は、実施例70において得られた金属ニッケル
粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】は、実施例76において得られた金属ニッケル
粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図10】は、実施例77において得られた金属ニッケ
ル粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
フロントページの続き (72)発明者 菅谷 俊宏 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社内 (72)発明者 浦隅 浩良 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社内 (72)発明者 本田 千代 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社内 (72)発明者 中尾 日六士 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社内 (72)発明者 畑中 勉 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社内 (72)発明者 大釜 信治 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社内 (72)発明者 深井 清志 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社内 (72)発明者 永野 一彦 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社内 (72)発明者 神坂 成文 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社内 (72)発明者 安倍 一允 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社内 Fターム(参考) 4K017 AA03 BA03 CA01 CA07 DA08 EH01 EH15 FB02 FB06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) Ni(CO3 ) x ・ (OH) y (式中、x及びyはそれぞれ、0≦x≦1.5及び0≦y
    ≦3を満たす数である。)で表わされる炭酸ニッケル及
    び/又は水酸化ニッケルをアンモニア水溶液か、又はア
    ンモニアと炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、
    アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩の水溶液に溶
    解させ、得られたニッケル塩の水溶液を非水媒体中にて
    上記水溶液の液滴を含むW/O型エマルジョンとした
    後、この液滴中からアンモニアを含む気化性成分を除い
    て、液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させ、かくして、微細
    で球状の炭酸ニッケル粒子を得る第1の段階と、このよ
    うにして得た炭酸ニッケル粒子を酸化物換算にて0.01
    〜30重量%のアルカリ土類元素、アルミニウム、ケイ
    素及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素の
    化合物からなる融着防止剤の存在下に水素雰囲気下に加
    熱して、上記炭酸ニッケル粒子を還元する第2の段階と
    を有することを特徴とする平均粒径0.05〜10μmの
    微細球状金属ニッケル微粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】第2の段階において、炭酸ニッケル粒子を
    水素雰囲気下に300〜1200℃の範囲の温度に加熱
    して、還元する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】第2の段階において、炭酸ニッケル粒子を
    還元した後、非酸化性雰囲気下に500〜1500℃の
    範囲の温度に加熱する請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】第2の段階において、炭酸ニッケルを還元
    した後、得られた金属ニッケル粉末から融着防止剤を除
    去する請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】アルカリ土類元素がカルシウム又はマグネ
    シウムである請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】融着防止剤がアルカリ土類元素、アルミニ
    ウム、ケイ素及び希土類元素から選ばれる少なくとも1
    種の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩又はこれ
    らの2種以上の混合物である請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】一般式(I) Ni(CO3 ) x ・ (OH) y (式中、x及びyはそれぞれ、0≦x≦1.5及び0≦y
    ≦3を満たす数である。)で表わされる炭酸ニッケル及
    び/又は水酸化ニッケルをアンモニア水溶液か、又はア
    ンモニアと炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、
    アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩の水溶液に溶
    解させ、得られたニッケル塩の水溶液を非水媒体中にて
    上記水溶液の液滴を含むW/O型エマルジョンとした
    後、この液滴中からアンモニアを含む気化性成分を除い
    て、液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させ、かくして、微細
    で球状の炭酸ニッケル粒子を得る第1の段階と、このよ
    うにして得た炭酸ニッケル粒子を酸化性雰囲気下に加熱
    して、微細で球状の酸化ニッケル粒子を得、次いで、こ
    の酸化ニッケル粒子を酸化物換算にて0.01〜30重量
    %のアルカリ土類元素、アルミニウム、ケイ素及び希土
    類元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物から
    なる融着防止剤の存在下に水素雰囲気下に加熱して、上
    記酸化ニッケル粒子を還元する第2の段階とを有するこ
    とを特徴とする平均粒径0.05〜10μmの微細球状金
    属ニッケル微粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】第2の段階において、酸化ニッケル粒子を
    水素雰囲気下に300〜1200℃の範囲の温度に加熱
    して、還元する請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】第2の段階において、酸化ニッケル粒子を
    還元した後、非酸化性雰囲気下に500〜1500℃の
    範囲の温度に加熱する請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】第2の段階において、酸化ニッケルを還
    元した後、得られた金属ニッケル粉末から融着防止剤を
    除去する請求項7に記載の方法。
  11. 【請求項11】アルカリ土類元素がカルシウム又はマグ
    ネシウムである請求項7に記載の方法。
  12. 【請求項12】融着防止剤がアルカリ土類元素、アルミ
    ニウム、ケイ素及び希土類元素から選ばれる少なくとも
    1種の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩又はこ
    れらの2種以上の混合物である請求項7に記載の方法。
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