JP5987779B2 - 希土類酸化物粉末の製造方法 - Google Patents

希土類酸化物粉末の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セラミックスの焼結助剤、蛍光体、レーザー半導体原料、希土類元素酸化物分散強化合金等として好適な凝集がなく単分散性に優れた希土類酸化物粉末の製造方法に関する。
従来、希土類酸化物粉末の製造方法として、希土類金属の鉱酸塩水溶液に沈殿剤を添加することで不溶性沈殿を生成させ、この沈殿物を焼成して酸化物とする方法が採用されていた。しかしながら、この方法によると焼成等の熱処理の際に微粒子は互いに結合して粒成長を起こし、このような凝集粒子の結合が強固であり、その粉砕は容易ではなかった。また、結果として粒子の凝集、粒径の増大、粒度分布の広がりにつながり、セラミックスの原料として望ましいものではなかった。
なお、本発明に関連する先行技術として、特開平7−109118号公報(特許文献1)及び特開平5−116938号公報(特許文献2)が挙げられる。
特開平7−109118号公報 特開平5−116938号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、凝集がなく単分散性に優れたサブミクロンサイズの希土類酸化物粉末の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、下記の希土類酸化物粉末の製造方法を提供する。
〔1〕 希土類金属イオンを含有する水溶液に炭素数6以上20以下の飽和又は不飽和脂肪酸の塩を含有する陰イオン界面活性剤を添加し、該陰イオン界面活性剤を添加した水溶液と疎水性の有機溶媒とを混合して攪拌により油中水滴(W/O)型エマルション溶液とする工程と、該エマルション溶液に沈殿剤を添加して上記エマルション溶液の液滴サイズに対応した大きさの希土類酸化物前駆体を沈殿させる工程と、この希土類酸化物前駆体の沈殿物を上記溶液から分離し、該沈殿物を乾燥した後に上記希土類酸化物前駆体の表面が上記陰イオン界面活性剤由来の脂肪酸で表面修飾された状態で焼成して平均粒径が10nm以上1μm以下の単分散状態の希土類酸化物粉末を得る工程とを有する希土類酸化物粉末の製造方法。
〔2〕 上記希土類金属が、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする〔1〕記載の希土類酸化物粉末の製造方法。
〔3〕 上記陰イオン界面活性剤は、オレイン酸、ステアリン酸又はパルミチン酸の塩であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の希土類酸化物粉末の製造方法。
〔4〕 上記有機溶媒は、ヘキサン、シクロヘキサン、デカン、トルエン又はキシレンであることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の希土類酸化物粉末の製造方法。
〔5〕 上記有機溶媒と共に非イオン界面活性剤を添加することを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の希土類酸化物粉末の製造方法。
〔6〕 上記沈殿剤は、アンモニア水、炭酸水素アンモニウム又は蓚酸を含むことを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の希土類酸化物粉末の製造方法。
〔7〕 上記焼成処理は、乾燥した上記沈殿物を500〜1200℃に加熱するものであることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の希土類酸化物粉末の製造方法。
本発明によれば、凝集がなく単分散性に優れた(即ち、粒度分布の狭い)サブミクロンサイズの希土類酸化物粉末が得られる。
実施例1の希土類酸化物粒子の外観を示すSEM像である。 比較例1の希土類酸化物粒子の外観を示すSEM像である。 比較例2の希土類酸化物粒子の外観を示すSEM像である。
以下、本発明に係る希土類酸化物粉末の製造方法について説明する。
本発明に係る希土類酸化物粉末の製造方法は、希土類金属イオンを含有する水溶液に炭素数6以上20以下の飽和又は不飽和脂肪酸の塩を含有する陰イオン界面活性剤を添加し、該陰イオン界面活性剤を添加した水溶液と疎水性の有機溶媒とを混合して油中水滴(W/O)型エマルション溶液とする工程(エマルション化工程)と、該エマルション溶液に沈殿剤を添加して希土類酸化物前駆体を沈殿させる工程(沈殿工程)と、この希土類酸化物前駆体の沈殿物を上記溶液から分離し、乾燥した後に焼成して平均粒径が10nm以上1μm以下の希土類酸化物粉末を得る工程(焼成工程)とを有する。
以下、各工程について説明する。
(エマルション化工程)
本工程では、まず希土類金属イオンを含有する水溶液に炭素数6以上20以下の飽和又は不飽和脂肪酸の塩を含有する陰イオン界面活性剤を添加する。
ここで、希土類金属イオンを含有する水溶液は、希土類酸化物粉末を硝酸、塩酸、酢酸等の溶液に加え、加熱還流により溶解させて得られるものでよい。このときに使用する酸は特に制限されないが、不純物の混入防止や溶解速度の観点から硝酸を用いることが好ましい。また、希土類金属イオンを含有する水溶液は、希土類硝酸塩等の希土類金属の塩を純水に溶解させたものでもよい。
上記希土類金属としては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの群から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、これらの中から目的に合わせて適宜選択するとよい。また、これに焼結助剤として目的に応じて他の金属元素を含有してもよい。
水溶液中の希土類金属イオンの濃度は0.05〜2mol/Lが好ましく、0.1〜1mol/Lが特に好ましい。希土類金属イオン濃度が0.05mol/L未満では回収される希土類酸化物粉末の量が少なく効率的でない場合があり、2mol/L超では希土類酸化物粉末の粒子の凝集が発生しやすくなるおそれがある。
上記陰イオン界面活性剤は、炭素数6以上20以下、好ましくは炭素数12以上18以下の飽和又は不飽和脂肪酸の塩を含有する乳化剤である。この脂肪酸として、炭素数が6未満の側鎖の短いものでは後述する焼成工程において希土類酸化物粒子同士の凝集を防ぐ効果が低く、炭素数が20超の長鎖のものでは水溶液での溶解が困難となり、また焼成時に炭素残渣として残って不純物となるため不適である。
この陰イオン界面活性剤は、例えばNa、K等の金属塩、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属塩、Zn等の金属塩、アンモニウム塩等の上記脂肪酸の塩の水溶液であり、含まれる塩として上記脂肪酸のナトリウム塩が好ましく、オレイン酸ナトリウムが特に好ましい。
陰イオン界面活性剤の添加量によって後述するW/O型エマルション溶液中の水滴の大きさ、最終的には希土類酸化物粒子の大きさを均一に調整することができる。この陰イオン界面活性剤の添加量は、例えば溶媒量に対し0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。陰イオン界面活性剤の添加量0.1質量%未満では粒径1μm以下の希土類酸化物粒子を形成できない場合があり、20質量%超ではこの界面活性剤の余剰分が多くなり焼成後に炭素残渣の不純物となるおそれがある。
次いで、上記陰イオン界面活性剤を添加した希土類金属イオン含有水溶液と疎水性の有機溶媒とを混合して油中水滴(W/O)型エマルション溶液とする。
ここで用いる疎水性の有機溶媒は、上記希土類金属イオンを含有する水溶液とはほとんど混和せず、上記陰イオン界面活性剤を添加した水溶液との混合、攪拌によってW/O型エマルション溶液となるものであり、その種類は特に限定されないが、後述する乾燥時に蒸発しやすい低沸点のものが好ましく、例えば水に対する溶解度が1g/100g-H2O以下のヘキサン、シクロヘキサン、デカン、トルエン又はキシレンであることが好ましい。
また、エマルション状態の安定化のために、この有機溶媒と共に非イオン界面活性剤を添加することが好ましく、例えばソルビタンモノオレアート(商品名span80、関東化学(株)製)を添加するとよい。この界面活性剤の添加量は上記有機溶媒に対する量として0.1〜20質量%が好ましい。
上記陰イオン界面活性剤を添加した水溶液と上記有機溶媒との混合(必要に応じて非イオン界面活性剤も含む)は、W/O型エマルションが形成されるように激しく攪拌することが好ましい。攪拌には、板、プロペラ等の攪拌子を回転させて溶液を攪拌する装置を用いるとよい。また、本工程における処理は室温(25℃)で行ってよい。
これにより、径のそろった微細な水滴が安定して有機溶媒中に分散したW/O型エマルション溶液が得られる。
(沈殿工程)
本工程では、上記エマルション溶液に沈殿剤を添加して希土類酸化物前駆体を沈殿させる処理を行う。
ここで用いる沈殿剤としては、上記希土類金属イオン含有水溶液において希土類金属イオンを沈殿させるものであればその種類、添加量は特に限定されないが、得ようとする希土類酸化物粉末の目的の粒子サイズ、粒子形状等により適宜選択でき、例えばアンモニア水、炭酸水素アンモニウム又は蓚酸を含むことが好ましい。
沈殿剤としてアンモニア水を用いる場合には、アンモニア水の添加量を溶存する希土類金属イオンに対し、少なくとも当量以上とし、希土類酸化物前駆体として希土類金属を含有する水酸化物あるいはその複塩の沈殿物を得る。
また、沈殿剤として炭酸水素アンモニウムを用いる場合には、炭酸水素アンモニウムの添加量を溶存する希土類金属イオンに対し、少なくとも当量以上とし、希土類酸化物前駆体として希土類金属を含有する炭酸塩あるいはその複塩の沈殿物を得る。
また、沈殿剤として蓚酸を用いる場合には、蓚酸の添加量を溶存する希土類金属イオンに対し、少なくとも当量以上とし、希土類酸化物前駆体として希土類金属を含有する蓚酸塩あるいはその複塩の沈殿物を得る。
また、沈殿剤の添加方法についても特に限定されず目的により適宜選択すればよい。例えば、上記エマルション溶液を攪拌しながら沈殿剤を直接添加するようにしてもよいし、沈殿剤を含んだ溶液を調製し、上記エマルション溶液を攪拌しながらこの溶液を添加するようにしてもよい。いずれの場合も沈殿剤の添加後に、更に攪拌を続けながら室温(25℃)で30分間から数時間の熟成を行うとよい。
本工程の処理により、上記エマルション溶液の液滴サイズに対応した微細な希土類酸化物前駆体の沈殿物が得られる。なお、この沈殿物である希土類酸化物前駆体の表面は上記陰イオン界面活性剤由来の脂肪酸で表面修飾されていると推定される。
(焼成工程)
本工程では、上記溶液を固液分離することで希土類酸化物前駆体の沈殿物を回収し、該沈殿物を乾燥した後に焼成して平均粒径が10nm以上1μm以下の希土類酸化物粉末を得る。なお、平均粒径は、顕微鏡法による円相当径の平均値である。詳しくは、電子顕微鏡(SEM)によって観察される希土類酸化物粉末の各粒子の円相当径(粒子の投影面積と同じ面積をもつ円の直径)を測定し、その100個分の円相当径の平均値を求めたものである(以下、同じ)。
ここで、上記溶液を固液分離することで希土類酸化物前駆体の沈殿物を回収するが、この固液分離の方法としては、ろ過や遠心分離等の定法を用いればよく、特に制限されない。
次に、回収された沈殿物を乾燥させるが、その乾燥方法としては特に制限されず、オーブンや真空乾燥機等により乾燥を行えばよい。
次に、乾燥させた沈殿物を500〜1200℃、好ましくは800〜1000℃で2〜5時間焼成することが好ましい。焼成温度が500℃未満では希土類酸化物前駆体が完全には酸化せず、未反応のまま残ってしまうおそれがあり、また前駆体表面を修飾している上記陰イオン界面活性剤由来の脂肪酸が分解しきらずに炭素残渣の不純物として希土類酸化物粉体に混入してくるおそれがある。一方、焼成温度が1200℃超では希土類酸化物粒子同士の凝集を促進するおそれがあるため好ましくない。また、焼成時間が2時間未満では沈殿物の熱分解が不十分となる場合があり、5時間超では5時間程度の焼成で沈殿物の熱分解が完了していることから効率的ではない。
また、焼成雰囲気は、大気でもよいが、真空、Arガス等の不活性ガス等を適宜選択して用いてもよい。
以上の処理により、希土類酸化物前駆体が熱分解して希土類酸化物粒子となるが、該希土類酸化物前駆体の表面において上記陰イオン界面活性剤由来の脂肪酸で表面修飾されていることにより希土類酸化物粒子同士の結合が防止され、該粒子の凝集並びに粒子の粗大化を抑制することができる。そして最終的に陰イオン界面活性剤由来の脂肪酸が分解する。その結果、平均粒径が10nm以上1μm以下で、粒子同士の凝集がない単分散状態の(即ち、粒度分布が狭く粒径の揃った)希土類酸化物粉末が得られる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
酸化イットリウムを硝酸に溶解し、該希土類金属イオン溶液に純水を添加して濃度1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液100mLに調製した。この水溶液にオレイン酸ナトリウム5gを添加し、2時間攪拌した。次いで、該水溶液にシクロヘキサン1000mLと非イオン界面活性剤Span80(ソルビタンモノオレエート、関東化学(株)製)1.0gを加えて激しく攪拌すると、微小な液滴からなるW/O型エマルション溶液が得られた。次に、炭酸水素アンモニウム13gを純水50mLに溶かして水溶液とし、エマルション溶液を激しく攪拌しながらこの炭酸水素アンモニウム水溶液を滴下した。炭酸水素アンモニウム水溶液の滴下に伴い白色の沈殿が生じた。滴下完了後、攪拌を続けながら室温(25℃)で1時間の熟成を行なった。その後、生じた沈殿をブフナー漏斗で水溶液からろ別し、得られた沈殿を75℃のオーブンで12時間乾燥させた後、アルミナ坩堝に入れ800℃大気雰囲気下で3時間焼成した。こうして、9.2gの酸化イットリウム微粉末が得られた。
この粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、図1に示すように、粒径がおよそ100nmの凝集のない粒径の揃った球状の粒子群であった。顕微鏡法による円相当径としての平均値は95nmであった(n数 100個)。
[比較例1]
酸化イットリウムを硝酸に溶解し、該希土類金属イオン溶液を純水により濃度1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液100mLに調製した。この水溶液にシクロヘキサン1000mLと界面活性剤Span80(ソルビタンモノオレエート、関東化学(株)製)1.0gを加え、激しく攪拌すると微小な液滴からなるエマルション溶液が得られたが、エマルションの安定性が低く、攪拌を停止するとすぐに分解して2相溶液に分離した。次に、炭酸水素アンモニウム13gを純水50mLに溶かして水溶液とし、上記エマルション溶液を激しく攪拌しながらこの炭酸水素アンモニウム水溶液を滴下した。炭酸水素アンモニウム水溶液の滴下に伴い白色の沈殿が生じた。滴下完了後、攪拌を続けながら室温(25℃)で1時間熟成を行なった。その後、生じた沈殿をブフナー漏斗で水溶液からろ別し、得られた沈殿を75℃のオープンで12時間乾燥させた後、アルミナ坩堝に入れ800℃大気雰囲気下で3時間焼成した。こうして、9.8gの酸化イットリウム微粉末が得られた。
この粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図2に示すように、粒径がおよそ200nmから900nm程度で粒子の大きさにばらつきがあり、また粒子同士の凝集がみられた。粒子形状は球状や薄片状等が混在した不定形粒子であった。顕微鏡法による円相当径としての平均値は379nmであった(n数 100個)。
[比較例2]
酸化イットリウムを硝酸に溶解し、該希土類金属イオン溶液を純水により濃度1.0mol/Lの硝酸イットリウム水溶液100mLに調製した。この水溶液に無水酢酸ナトリウム1.5gを添加し、2時間攪拌した。該水溶液にシクロヘキサン1000mLと界面活性剤Span80(ソルビタンモノオレエート、関東化学(株)製)1.0gを加え、激しく攪拌すると微小な液滴からなるエマルション溶液が得られたが、エマルションの安定性が低く、攪拌を停止するとすぐに分解し2相溶液に分離した。次に、炭酸水素アンモニウム13gを純水50mLに溶かして水溶液とし、上記エマルション溶液を激しく攪拌しながらこの炭酸水素アンモニウム水溶液を滴下した。炭酸水素アンモニウム溶液の滴下に伴い白色の沈殿が生じた。滴下完了後、攪拌を続けながら室温(25℃)で1時間熟成を行なった。その後、生じた沈殿をブフナー漏斗で水溶液からろ別した。得られた沈殿を75℃のオーブンで12時間乾燥させた後、アルミナ坩堝に入れ800℃大気雰囲気下で3時間焼成した。こうして、9.1gの酸化イットリウム微粉末が得られた。
この粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図3に示すように、粒径がおよそ100nmから400nm程度で粒子の大きさにばらつきがあり、また粒子同士の凝集がみられた。粒子形状は球状粒子であった。顕微鏡法による円相当径としての平均値は186nmであった(n数 100個)。
なお、これまで本発明を実施形態をもって説明してきたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。

Claims (7)

  1. 希土類金属イオンを含有する水溶液に炭素数6以上20以下の飽和又は不飽和脂肪酸の塩を含有する陰イオン界面活性剤を添加し、該陰イオン界面活性剤を添加した水溶液と疎水性の有機溶媒とを混合して攪拌により油中水滴(W/O)型エマルション溶液とする工程と、該エマルション溶液に沈殿剤を添加して上記エマルション溶液の液滴サイズに対応した大きさの希土類酸化物前駆体を沈殿させる工程と、この希土類酸化物前駆体の沈殿物を上記溶液から分離し、該沈殿物を乾燥した後に上記希土類酸化物前駆体の表面が上記陰イオン界面活性剤由来の脂肪酸で表面修飾された状態で焼成して平均粒径が10nm以上1μm以下の単分散状態の希土類酸化物粉末を得る工程とを有する希土類酸化物粉末の製造方法。
  2. 上記希土類金属が、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載の希土類酸化物粉末の製造方法。
  3. 上記陰イオン界面活性剤は、オレイン酸、ステアリン酸又はパルミチン酸の塩であることを特徴とする請求項1又は2記載の希土類酸化物粉末の製造方法。
  4. 上記有機溶媒は、ヘキサン、シクロヘキサン、デカン、トルエン又はキシレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の希土類酸化物粉末の製造方法。
  5. 上記有機溶媒と共に非イオン界面活性剤を添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の希土類酸化物粉末の製造方法。
  6. 上記沈殿剤は、アンモニア水、炭酸水素アンモニウム又は蓚酸を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の希土類酸化物粉末の製造方法。
  7. 上記焼成処理は、乾燥した上記沈殿物を500〜1200℃に加熱するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の希土類酸化物粉末の製造方法。
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