JP4385457B2 - 微細球状金属ニッケル微粉末の製造方法 - Google Patents

微細球状金属ニッケル微粉末の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細球状金属ニッケル微粉末の製造方法に関し、詳しくは、平均粒径が0.05〜10μm、好ましくは、0.1μmから数μm、特に、好ましくは、0.1〜1μmの範囲にあり、粒度分布が狭く、球状で、ニッケルとしての結晶性の高い金属ニッケル微粉末であって、例えば、積層セラミックコンデンサ内部電極として好適に用いることができる微細球状金属ニッケル微粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品の小型化高容量化が進展するにつれて、積層セラミックコンデンサも、小型化高容量化が一層強く求められるに至っている。積層セラミックコンデンサは、チタン酸バリウム等のセラミック誘電体粉末とポリビニルブチラール等のバインダーとからなる誘電体グリーンシートにパラジウム、白金等のような内部電極のための貴金属粉末を含むペーストを印刷し、乾燥して、内部電極が交互に重なるように積層し、熱圧着し、次いで、これを適宜の寸法に裁断した後、約1300℃の温度で焼成して、脱バインダーしつつ、内部電極とセラミック誘電体とを焼結させ、この後、銀等の外部電極を形成して、製造される。
【0003】
従って、内部電極のための金属としては、セラミック誘電体が焼結する温度において溶融せず、しかも、酸化されないものであることが必要であり、かくして、従来、上述したように、白金やパラジウム等、高価な貴金属が用いられており、積層セラミックコンデンサも、高価とならざるを得ない。
【0004】
そこで、近年、卑金属であるニッケルを内部電極とする低廉な積層セラミックコンデンサが白金やパラジウムを内部電極とする上記高価な積層セラミックコンデンサに代わるものとして、実用化への研究が種々行なわれているが、ここに、大きな問題がある。
【0005】
積層セラミックコンデンサの内部電極は、内部電極に用いる金属粉の大きさによって制約を受け、その金属粉の粒径よりも薄くすることができない。内部電極の厚みは、通常、1〜2μmであるので、粒径が1μmよりも大きい粒子を用いるときは、電極層が不均一となり、導通不良を起こすおそれがあり、また、積層工程において、内部電極層が誘電体層を貫通して、絶縁不良を起こしたりする。従って、積層セラミックコンデンサの内部電極に用いるニッケル粉は、粒径が0.1〜1μm程度であり、充填性をも考慮すれば、粒度分布が狭いものであることが強く求められる。
【0006】
このため、従来、このような特性を有する金属ニッケル微粉末を製造する方法が種々提案されているが、いずれの方法によっても、立方体状等の晶癖を有する粒子が生成しやすい。そこで、特開平4−365806号公報には、塩化ニッケルの分圧を低くし、気相にて水素で還元することによって、微細球状金属ニッケル微粉末を製造する方法が提案されているが、製造費用が著しく高い。
【0007】
勿論、例えば、特開昭53−16437号公報に記載されているように、一般に、金属酸化物を含む種々の化合物を高温に加熱しながら、加圧水素で還元する方法も知られているが、しかし、従来、微細球状金属ニッケル微粉末を製造する方法が知られていない。
【0008】
本発明者らは、微細球状金属ニッケル微粉末を低廉に、しかも、簡単に製造するために、ニッケル塩の酸化、還元による方法に着目し、鋭意研究を重ねた結果、均一微細な粒径を有する球状炭酸ニッケル微粉末を得ることに成功し、この炭酸ニッケル微粉末を必要に応じて酸化して、酸化ニッケル微粉末とした後、これを融着防止剤の存在下に水素雰囲気下に加熱し、還元することによって、球状の金属ニッケル微粉末を歩留りよく得ることに成功して、本発明を完成したものである。
【0009】
従来、炭酸ニッケル粒子は、通常、不定形又は非球状の微粉末としてのみ、知られており、僅かに、特開平2−59432号公報に微細球状の炭酸ニッケル粒子をエマルジョンを用いて製造することが記載されている。
【0010】
このように、均一微細な粒径を有する球状の無機塩の粒子を製造するために、最近、上記特開平2−59432号公報に記載の方法を含め、W/O型のエマルジョンを反応場とする方法が注目を集めている。このような方法によれば、水溶性無機塩の水溶液を界面活性剤と共に有機溶媒に加え、攪拌して、W/O型のエマルジョンを調製し、これに適宜の中和剤(酸又はアルカリ)を混合し、上記無機塩の微小な液滴中で水不溶性の無機塩を微細な球状物として沈殿させるものである。
【0011】
しかし、このように、エマルジョンを反応場として用いる方法によれば、中和剤として用いる酸やアルカリほか、水不溶性ニッケル塩と共に副生される塩等の影響によって、エマルジョンが破壊されやすいので、反応の全体をとおして、安定な反応の場を確保することが困難であり、かくして、均一微細な粒径を球状のニッケル塩の粒子を得ることが困難である。
【0012】
また、従来、均一微細な粒径を球状のニッケル塩の粒子を得ることができたとしても、例えば、これを酸化し、還元する過程において、球状の形態を維持することができず、均一微細な球状の金属ニッケル微粉末を得ることができない。
【0013】
また、従来、特に、ニッケル化合物を水素雰囲気下に加熱、還元して、金属ニッケル粉末を得る場合、生成したニッケル粒子が相互に融着しやすく、粒径10μm以下の球状のニッケル粒子を歩留りよく得ることが困難である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、球状金属ニッケル微粉末の製造における上述した問題を解決するためになされたものであって、平均粒径が0.05〜10μm、好ましくは、0.1〜10μm、より好ましくは、0.1μmから数μm、特に、好ましくは、0.1〜1μmの範囲にあり、粒度分布が狭く、球状で、ニッケルとしての結晶性の高い金属ニッケル微粉末であって、例えば、積層セラミックコンデンサ内部電極として好適に用いることができる微細球状金属ニッケル微粉末を、生成したニッケル粒子の相互の融着を防止して、歩留りよく製造する方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明による平均粒径0.05〜10μmの微細球状金属ニッケル微粉末の製造方法の第1は、一般式(I)
Ni(CO3 ) x ・ (OH) y
(式中、x及びyはそれぞれ、0≦x≦1.5及び0≦y≦3を満たす数である。)
で表わされる炭酸ニッケル及び/又は水酸化ニッケルをアンモニア水溶液か、又はアンモニアと炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩の水溶液に溶解させ、得られたニッケル塩の水溶液を非水媒体中にて上記水溶液の液滴を含むW/O型エマルジョンとした後、この液滴中からアンモニアを含む気化性成分を除いて、液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させ、かくして、微細で球状の炭酸ニッケル粒子を得る第1の段階と、このようにして得た炭酸ニッケル粒子を酸化物換算にて0.01〜30重量%のアルカリ土類元素、アルミニウム、ケイ素及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物からなる融着防止剤の存在下に水素雰囲気下に加熱して、上記炭酸ニッケル粒子を還元する第2の段階とを有することを特徴とする。
【0016】
本発明による平均粒径0.05〜10μmの微細球状金属ニッケル微粉末の製造方法の第2は、一般式(I)
Ni(CO3 ) x ・ (OH) y
(式中、x及びyはそれぞれ、0≦x≦1.5及び0≦y≦3を満たす数である。)
で表わされる炭酸ニッケル及び/又は水酸化ニッケルをアンモニア水溶液か、又はアンモニアと炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩の水溶液に溶解させ、得られたニッケル塩の水溶液を非水媒体中にて上記水溶液の液滴を含むW/O型エマルジョンとした後、この液滴中からアンモニアを含む気化性成分を除いて、液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させ、かくして、微細で球状の炭酸ニッケル粒子を得る第1の段階と、このようにして得た炭酸ニッケル粒子を酸化性雰囲気下に加熱して、微細で球状の酸化ニッケル粒子を得、次いで、この酸化ニッケル粒子を酸化物換算にて0.01〜30重量%のアルカリ土類元素、アルミニウム、ケイ素及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物からなる融着防止剤の存在下に水素雰囲気下に加熱して、上記酸化ニッケル粒子を還元する第2の段階とを有することを特徴とする。
【0017】
即ち、この第2の方法は、第1の方法と同じく、第1の段階にて微細で球状の炭酸ニッケル粒子を得、これを第2の段階にて、先ず、熱分解して、微細で球状の酸化ニッケル粒子とした後、これを還元して、微細球状金属ニッケル微粉末を得るものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の方法においては、還元して、金属ニッケルを得るための原料ニッケル化合物として、以下に説明するように、前記一般式(I)で表わされる炭酸ニッケル、水酸化ニッケル又はこれらの混合物を原料として、特別なエマルジョン法で製造した炭酸ニッケルが用いられる。ここに、還元して、金属ニッケルを得るための原料ニッケル化合物としての上記炭酸ニッケルとは、正炭酸塩としての炭酸ニッケルと塩基性塩としての塩基性炭酸ニッケルをいうものとし、水酸化ニッケルを含んでいてもよい。
【0019】
本発明による平均粒径0.05〜10μmの微細球状金属ニッケル微粉末の製造方法は、微細球状炭酸ニッケル粒子を製造する第1の段階と、この炭酸ニッケル粒子を必要に応じて酸化性雰囲気下に加熱し、熱分解して、酸化ニッケル微粉末とした後、これを還元して、球状金属ニッケル微粉末とする第2の段階とからなる。
【0020】
(第1の段階)
先ず、微細球状炭酸ニッケル粒子を製造する第1の段階について説明する。
【0021】
本発明の方法によれば、第1の段階において、一般式(I)
Ni(CO3 ) x ・ (OH) y
(式中、x及びyはそれぞれ、0≦x≦1.5及び0≦y≦3を満たす数である。)
で表わされる炭酸ニッケル及び/又は水酸化ニッケルをアンモニア水溶液か、又はアンモニアと炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩の水溶液に溶解させ、得られたニッケル塩の水溶液を非水媒体中にて上記水溶液の液滴を含むW/O型エマルジョンとした後、この液滴中からアンモニアを含む気化性成分を除くことによって、液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させ、かくして、炭酸ニッケルの微細な球状の粒子を得る。
【0022】
本発明においては、エマルジョン法にて微細で球状の炭酸ニッケル粒子を得るための出発物質、即ち、原料として、上記一般式(I)で表わされる炭酸ニッケル、水酸化ニッケル又はこれらの混合物が用いられる。ここに、上記炭酸ニッケルとは、正炭酸塩と塩基性炭酸塩をいうものとし、これら炭酸塩は、水酸化物を含んでいてもよい。
【0023】
本発明において、上記一般式(I)で表わされる炭酸ニッケル又は水酸化ニッケル又はこれらの混合物において、ニッケルの価数は、2価でもよく、3価でもよく、また、2価と3価との中間の値でもよい。
【0024】
このような上記一般式(I)で表わされる出発物質、炭酸ニッケル、水酸化ニッケル又はそれらの混合物は、どのような手段や方法で製造されてもよい。例えば、炭酸ニッケルは、例えば、ニッケルの塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩等の無機酸塩や有機酸塩を炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の炭酸イオンを含む炭酸アルカリで中和して得ることができる。
【0025】
また、上記出発物質は、ニッケル以外の元素のイオン、例えば、鉄、銅、コバルト、マンガン、カルシウム、セリウム、イットリウム等のイオンを不純物として含んでいてもよい。
【0026】
以下、本発明においては、出発物質として用いる前記一般式(I)で表わされる炭酸ニッケル、水酸化ニッケル又はこれらの混合物を、単に、炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルという。
【0027】
更に、本発明によれば、上記炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルをアンモニア水溶液に溶解させてなる水溶液を得るに際して、ニッケルの塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩等の無機酸塩や有機酸塩をアンモニア水溶液に溶解させ、場合によっては、反応させてもよい。
【0028】
本発明によれば、炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルをアンモニア水溶液に溶解させる際に、このアンモニア水溶液は、好ましくは、アンモニアと共に炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩(以下、これらを単に炭酸(水素)塩ということがある。)を含む水溶液であることが好ましい。
【0029】
上記アルカリ金属としては、例えば、リチウム、カリウム又はナトリウムが好ましい。従って、アルカリ金属の炭酸塩又は炭酸水素塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等を挙げることができる。本発明においては、このような炭酸(水素)塩のなかでは、特に、炭酸水素アンモニウムが好ましく用いられる。
【0030】
本発明において、アンモニアと共に炭酸(水素)塩を含む水溶液に炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルを溶解させ、得られたニッケル塩の水溶液を非水媒体中にて上記ニッケル塩の水溶液の液滴を含むW/O型エマルジョンとした後、上記エマルジョン中の液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させるには、上記エマルジョンの液滴中からアンモニアを含む気化性成分を蒸発させるか、又はエマルジョンに酸を加えて、液滴を中和する。
【0031】
従って、本発明によれば、一つの態様として、アンモニアと共に炭酸(水素)塩を含む水溶液に炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルを溶解させ、得られたニッケル塩の水溶液を非水媒体中にて上記ニッケル塩の水溶液の液滴を含むW/O型エマルジョンとした後、この液滴からアンモニアを含む気化性成分(主としてアンモニアと炭酸ガス)を蒸発させることによって、エマルジョンの液滴中に炭酸ニッケルを沈殿させ、必要に応じて、エマルジョンの液滴から主として水からなる気化性成分を更に蒸発させて、液滴中の炭酸ニッケルを油中乾燥し、かくして得られた炭酸ニッケルを、例えば、遠心分離し、洗浄し、乾燥すれば、目的とする炭酸ニッケルの微細な球状の粒子を得ることができる。
【0032】
特に、本発明によれば、種々の態様のなかでも、炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルをアンモニアと共にpHが8.0〜11.5の範囲内で炭酸水素アンモニウム又は炭酸アンモニウムの水溶液に溶解させ、得られたニッケル塩の水溶液を非水媒体と混合してエマルジョンとし、次いで、このエマルジョンを減圧下に吸引して、上記ニッケル塩の水溶液からアンモニアを含む気化性成分(例えば、アンモニアと炭酸ガスや水)を蒸発させて、エマルジョンの液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させて、これを回収することによって、微細な球状の炭酸ニッケル粒子を得ることができ、この態様が最も好ましいものである。
【0033】
本発明において、炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルをアンモニア水溶液に溶解させる際の水溶液のpHは、特に限定されるものではないが、pHが8.0〜11.5の範囲にあることが好ましい。ここに、アンモニアと共に前記炭酸(水素)塩を用いることによって、炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルを溶解させる水溶液のpHを容易に調節することができ、また、炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルを容易に溶解させることができる。
【0034】
本発明において、炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルをアンモニア水溶液に溶解させて得られるニッケル塩水溶液の濃度は、特に、限定されるものではないが、通常、ニッケル金属として、0.1モル/Lから飽和濃度の範囲であり、特に、0.3〜1.2モル/Lの範囲が好ましい。
【0035】
次いで、本発明によれば、このようにして得られたニッケル塩水溶液を界面活性剤の存在下に非水媒体と共に混合攪拌して、常法に従って、エマルジョンを調製する。好ましくは、ニッケル塩水溶液により親水性の強いノニオン系界面活性剤を加え、必要に応じて、アンモニアが蒸発揮散しないように、50℃以下の温度に加熱して、溶解させる。非水媒体には、より親油性の強いノニオン系界面活性剤を加え、必要に応じて、加熱して、溶解させる。通常、分散機を用いて、非水媒体を攪拌しながら、これに上記ニッケル塩水溶液を徐々に加え、ニッケル塩水溶液の液滴を微細に分散させることによって、W/O型エマルジョンを調製することができる。
【0036】
最終的に得られる微細で球状の炭酸ニッケル粒子の平均粒径や粒度分布は、エマルジョンにおける水相(液滴)の大きさ(平均粒径)、粒度分布、更には、ニッケル塩水溶液の濃度等によって適宜に調節することができ、エマルジョンにおける液滴の大きさ(平均粒径)や粒度分布は、用いる界面活性剤の組合わせとそれぞれの量、分散機の種類、分散機による攪拌速度等によって調節することができる。このようにして、本発明によれば、得られる炭酸ニッケルの粒子の平均粒径を0.05〜100μm、好ましくは、0.1〜100μm、より好ましくは、0.1〜50μmの範囲で任意に調節することができる。
【0037】
特に、本発明の好ましい態様によれば、エマルジョンにおける液滴の大きさ(平均粒径)や粒度分布を調節することによって、炭酸ニッケルの均一微細な球状の粒子を得ることができる。
【0038】
エマルジョンを調製するための非水媒体は、水不溶性で、後述する減圧下や常圧下での処理において蒸発し難く、安定であるものが好ましく、従って、水に対する溶解度が5%以下で、水よりも沸点の高いものが好ましく用いられる。
【0039】
このような非水媒体として、例えば、n−オクテン、イソオクテン、スクワラン、灯油等の脂肪族炭化水素類、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン等の脂環式炭化水素類、トルエン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン等の芳香族炭化水素類、ブチルエーテル、イソブチルエーテル等のエーテル類、ジクロルペンタン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソブチル、酪酸エチル、酪酸ブチル等の脂肪酸エステル類、これらの混合物等を挙げることができる。
【0040】
上記以外にも、鉱油、動植物油等の天然油、炭化水素油、エステル油、エーテル油、含フッ素潤滑油、含リン潤滑油、含ケイ素潤滑油等の合成油も、非水媒体の具体例として例示することができる。
【0041】
特に、本発明においては、このように、エマルジョン中の液滴中からアンモニアを含む気化性成分を蒸発させて、液滴中に炭酸ニッケルを沈殿させる場合には、上記非水媒体として、水不溶性で蒸気圧が小さい炭化水素系有機溶媒が好ましく、具体的には、常圧で沸点が100℃以上の脂肪族炭化水素系溶媒が好ましく用いられる。しかし、後述するように、エマルジョンに酸を加えて、液滴中のアンモニアを中和することによって、液滴中に炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルを沈殿させる場合には、上記非水媒体は、蒸気圧が小さいものである必要はなく、低沸点の非水媒体を用いることができる。
【0042】
エマルジョンを調製するために用いる界面活性剤は、用いる非水媒体に応じて、適宜に選ばれる。限定されるものではないが、特に、安定なエマルジョンを得るには、前記ニッケル塩の水溶液(水相)に予めHLB値が10以上の親水性の強い界面活性剤を溶解させ、他方、非水媒体相(油相)には予めHLB値が10以下の親油性の強い界面活性剤を溶解させて、このような水相と油相を混合するのがよい。
【0043】
これら界面活性剤の使用量は、エマルジョンにおけるW/O比や所要の粒径等によって適宜に選べばよく、特に、限定されるものではないが、通常、エマルジョンに対して20重量%以下であり、好ましくは、0.5〜15重量%の範囲である。後述するように、水相と油相の両方に界面活性剤を溶解させる場合には、界面活性剤の使用量は、通常、水又は非水媒体に対して、それぞれ20重量%以下であり、好ましくは、0.5〜10重量%の範囲である。
【0044】
更に、エマルジョンにおけるW/O比は、用いる非水媒体の量や性質、特に、粘度や、用いる界面活性剤の性質、特に、HLB値にもよるが、安定なエマルジョンを得るには、通常、3/2〜1/10の範囲であり、好ましくは、1/1〜1/5、特に、好ましくは、1/3〜1/5の範囲である。しかし、これに限定されるものではない。
【0045】
上記エマルジョンの調製に用いるノニオン系界面活性剤として、HLB値が10以上のものとして、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルオレイルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレン高級アルキルアリールエーテル類等を挙げることができる。
【0046】
また、HLB値が10以下のものとして、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート等のグリセリン脂肪酸エステル類等を挙げることができる。
【0047】
このようにして、特に、炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルを炭酸(水素)塩を含むアンモニア水溶液に溶解させ、このようにして得られたニッケル塩の水溶液の液滴を非水溶媒中に微細に分散させたW/O型エマルジョンとした後、必要に応じて、加熱しながら、常圧下に攪拌又は曝気するか、又は減圧下に吸引するかして、主としてアンモニアと炭酸ガスからなる気化性成分を蒸発させることによって、エマルジョン中のニッケル塩水溶液の液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させ、必要に応じて、エマルジョン中の液滴から更に主として水からなる気化性成分を蒸発させて、その液滴中の炭酸ニッケルを油中乾燥し、かくして得られた炭酸ニッケルを、例えば、遠心分離し、洗浄し、乾燥すれば、目的とする炭酸ニッケルの微細な球状の粒子を得ることができる。
【0048】
別の態様として、特に、炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルを炭酸(水素)塩を含むアンモニア水溶液に溶解させ、このようにして得られたニッケル塩の水溶液の液滴を非水溶媒中に微細に分散させたW/O型エマルジョンとした後、必要に応じて、加熱しながら、常圧下に攪拌又は曝気するか、又は減圧下に吸引するかして、主としてアンモニアと炭酸ガスと水とからなる気化性成分を蒸発させることによって、エマルジョン中のニッケル塩水溶液の液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させ、次いで、球状の沈殿を適宜の手段、例えば、遠心分離や濾過等によって回収し、洗浄し、乾燥することによって、目的とする炭酸ニッケルの微細な球状の粒子を得ることができる。
【0049】
本発明によれば、上記エマルジョンからアンモニアを含む気化性成分を蒸発させるためには、通常、100℃以下の温度で常圧下に曝気するか、又は減圧下に吸引すればよいが、特に、エマルジョンを加熱しながら、減圧下に吸引することが好ましい。
【0050】
本発明によれば、このように、エマルジョンを減圧下に吸引する場合、温度及び圧力条件は、特に、限定されるものではないが、通常、大気圧以下、好ましくは、400mmHg以下の減圧(真空)下であればよく、他方、減圧(真空)の上限は、主として、経済性によるが、通常、5mmHg程度である。また、温度は、0〜90℃の範囲にわたってよいが、好ましくは、10〜80℃の範囲であり、最も好ましくは、20〜70℃の範囲である。
【0051】
本発明においては、エマルジョンを20〜70℃の範囲の温度に加熱しつつ、アスピレーターを用いる減圧下、従って、10〜50mmHg程度の減圧下にエマルジョンからアンモニアや、その他の気化性成分を蒸発させることによって、よい結果を得ることができる。
【0052】
しかし、本発明によれば、ニッケル塩の水溶液の液滴を含む上記エマルジョンからアンモニアを含む気化性成分を蒸発させるために、別の方法として、常圧下、エマルジョンを単に攪拌してもよい。また、別の方法として、常圧下、必要に応じて、加熱しつつ、エマルジョン中に空気を吹き込む、即ち、曝気してもよい。
【0053】
更に、本発明によれば、炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルをアンモニアと前記炭酸(水素)塩の水溶液に溶解させ、この水溶液を微細な液滴として、非水媒体中にエマルジョン化した後、このエマルジョンに酸を加えて、液滴、好ましくは、液滴中のアンモニアを中和することによって、液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させ、これを前述したようにして、油中乾燥し、かくして得られた炭酸ニッケルを、例えば、遠心分離し、洗浄し、乾燥すれば、目的とする炭酸ニッケルの微細な球状の粒子を得ることができる。
【0054】
この方法において用いる上記酸としては、無機酸及び有機酸のいずれでも用いることができる。無機酸の具体例として、例えば、硝酸、塩酸、硫酸等を挙げることができ、有機酸の具体例として、例えば、ギ酸、シュウ酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等を挙げることができる。しかし、これらのなかでは、無機酸が好ましく用いられ、特に、硝酸が好ましく用いられる。
【0055】
(第2の段階)
次に、このようにして第1の段階にて得た微細球状炭酸ニッケル粒子を原料として、目的とする微細球状金属ニッケル微粉末を製造する第2の段階について説明する。
【0056】
第2の段階においては、炭酸ニッケル粒子を、必要に応じて、酸化性雰囲気下に加熱、熱分解して、微細で球状の酸化ニッケル粒子とした後(炭酸ニッケルの熱分解工程)、上記炭酸ニッケル又はこの酸化ニッケルの粒子(以下、原料ニッケル化合物粒子ということがある。)をアルカリ土類元素、アルミニウム、ケイ素及び希土類元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の水不溶性化合物からなる融着防止剤の存在下に水素雰囲気下に加熱し、上記原料ニッケル化合物粒子を還元して、金属ニッケル粒子とし(還元工程)、必要に応じて、その後、上記金属ニッケル粒子を非酸化性雰囲気下に加熱し(金属ニッケル粉末の非酸化性雰囲気下での加熱工程)、更に、必要に応じて、上記金属ニッケル粒子から上記融着防止剤を分離、除去し(融着防止剤の除去工程)、かくして、目的とする微細球状金属ニッケル微粉末を得る。
【0057】
このようにして得られた炭酸ニッケル粒子は、必要に応じて、乾式、湿式又はこれらの組合わせによって粉砕し、これを次の還元工程に供する。
【0058】
(炭酸ニッケルの熱分解工程)
第1の段階にて得た微細球状炭酸ニッケル粒子は、これを還元する前に、必要に応じて、酸化性雰囲気下、空気中にて加熱して、酸化ニッケル粒子に熱分解してもよい。
【0059】
第1の段階で得られた炭酸ニッケル粒子には、そのエマルジョン法による製造に用いた非水媒体や界面活性剤に由来する炭素物質が付着しているおそれがあるところ、このような炭酸ニッケル粒子の熱分解によれば、上記炭素物質を除去することができると共に、いわば、粒子を焼き締めることができ、かくして、より微細で球状の酸化ニッケル粒子を得ることができる。
【0060】
本発明によれば、このような炭酸ニッケル粒子の熱分解は、空気のような酸化性雰囲気下、炭酸ニッケル粒子を5〜50℃/時の割合で、通常、400〜1000℃、好ましくは、450〜800℃の範囲の温度まで加熱し、その温度で数時間、通常、1〜10時間、加熱して行なう。
【0061】
炭酸ニッケル粒子の熱分解の後、得られた酸化ニッケル粒子は、必要に応じて、乾式、湿式又はこれらの組合わせによって粉砕し、これを次の還元工程に供する。
【0062】
(原料ニッケル化合物粒子の還元工程)
本発明によれば、アルカリ土類元素、アルミニウム、ケイ素及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物からなる融着防止剤の存在下に上記原料ニッケル化合物粒子を水素雰囲気下に加熱し、還元し、かくして、微細で球状の金属ニッケル微粉末を得る。
【0063】
本発明によれば、原料ニッケル化合物粒子を水スラリーとし、ここで、原料ニッケル化合物粒子と融着防止剤とを混合して、均一な混合物を得ることができるように、融着防止剤は、上記元素の水不溶性の化合物であることが好ましい。
【0064】
特に、本発明によれば、上記融着防止剤は、好ましくは、上記元素の水不溶性の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩又はこれらの2種以上の混合物である。上記元素のすべてについて、水酸化物又は酸化物は、本発明において、有用な融着防止剤である。しかし、水不溶性であれば、上記元素の炭酸塩や硫酸塩も、融着防止剤として用いることができる。また、酸化物は無水物でもよく、含水物でもよい。
【0065】
上記融着防止剤を構成する元素のうち、アルカリ土類元素としては、例えば、Mg、Ca、Sr又はBaを挙げることができ、特に、Mg又はCaが好ましい。
【0066】
また、希土類元素としては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb又はLuを挙げることができる。これらのなかでは、融着防止の効果にすぐれるところから、特に、Y、Sm又はPrの化合物や、これらの2種以上の混合物が好ましく用いられる。
【0067】
本発明においては、アルカリ土類元素、アルミニウム、ケイ素及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物からなるこれら融着防止剤は、単独で、又は2種以上の組合わせとして用いることができる。
【0068】
特に、本発明によれば、融着防止剤として、アルカリ土類元素の化合物としては、例えば、酸化カルシウムや酸化マグネシウムを好ましい具体例として挙げることができ、これ以外にも、炭酸カルシウムや硫酸バリウムを挙げることができる。ケイ素やアルミニウムの化合物としては、それぞれ酸化物や水酸化物が好ましい。また、希土類元素の化合物としては、例えば、水酸化物や酸化物が好ましい。
【0069】
本発明によれば、このような融着防止剤は、原料ニッケル化合物粒子の還元とその後の非酸化性雰囲気下での加熱の間、固体として存在して、原料ニッケル化合物粒子の還元によって生成した金属ニッケル粒子相互の焼結や融着を防止し、かくして、金属ニッケル粒子が粗大化するのを防止する効果を有する。このような融着防止剤は、原料ニッケル化合物粒子に対して、酸化物換算にて、通常、0.01〜30重量%、好ましくは、1〜25重量%の範囲で用いられる。
【0070】
本発明においては、原料ニッケル化合物粒子の還元に際して、融着防止剤は、原料ニッケル化合物粒子と共に存在すればよく、従って、原料ニッケル化合物粒子の還元に際して、融着防止剤をどのような手段、方法によって、原料ニッケル化合物粒子と共に存在させてもよい。即ち、融着防止剤の由来は特に制限されない。
【0071】
従って、例えば、原料ニッケル化合物粒子に直接に上記融着防止剤を加えて、乾式法にて混合してもよく、また、原料ニッケル化合物粒子と融着防止剤とを湿式法にて混合してもよい。後者の方法は、原料ニッケル化合物粒子と融着防止剤との均一な混合物を得ることができるので好ましい。
【0072】
ここで、湿式法にて原料ニッケル化合物粒子と融着防止剤との混合物を調製する場合、例えば、シリカやアルミナのように、それ自体、水不溶性である酸化物を融着防止剤として用いる場合には、これらをそのまま、原料ニッケル化合物粒子の水スラリーに加えて混合、粉砕してもよい。
【0073】
即ち、シリカやアルミナを原料ニッケル化合物粒子と共に水に分散させ、撹拌混合するか、又はボールミル、ビーズミル中で粉砕混合する。また、シリカ、アルミナ等を水に分散させ、別に、原料ニッケル化合物粒子を水に分散させ、それぞれをボールミル、ビーズミル等を用いて粉砕した後、引き続き、両者を軽く混合し、粉砕する。
【0074】
しかし、本発明によれば、原料ニッケル化合物粒子のスラリーを調製し、このような原料ニッケル化合物粒子の存在下に、酸又はアルカリによって酸化物又は水酸化物を与える水溶性塩に酸又はアルカリを作用させ、いわば、その場で融着防止剤を生成させて、原料ニッケル化合物粒子と融着防止剤との混合物を得ることが好ましい。
【0075】
例えば、ケイ素やアルミニウム、アルカリ土類元素や希土類元素の適宜の水溶性塩を水に溶解させて水溶液を得、これを原料ニッケル化合物粒子の水スラリーと混合し、用いた元素の水溶性塩に応じて、酸又はアルカリを沈殿剤として上記水スラリーに加えて、上記元素の水酸化物や酸化物を沈殿させ、混合、攪拌して、原料ニッケル化合物粒子と融着防止剤との混合物を得ることができる。沈殿剤としては、通常、塩酸のような酸や、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水等のようなアルカリが好ましく用いられる。
【0076】
アルカリ土類元素の水酸化物又は酸化物の前駆体としては、限定されるものではないか、通常、例えば、硝酸塩が好ましく用いられる。必要に応じて、塩化物も用いられる。ケイ素やアルミニウムの水酸化物又は酸化物の前駆体としては、例えば、オルトケイ酸、メタケイ酸、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等が用いられる。また、希土類元素の水酸化物又は酸化物の前駆体としては、例えば、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、塩化物等之水溶性塩が適宜に用いられる。しかし、融着防止剤の前駆体は、これらに限定されるものではない。
【0077】
本発明によれば、原料ニッケル化合物粒子と融着防止剤との均一な混合物を得るために、特に、次のような方法が好ましく用いられる。
【0078】
例えば、原料ニッケル化合物粒子をボールミル又はビーズミル等を用いて水に十分に分散させ、得られたスラリーに融着防止剤を与える前駆体としての水溶性塩、例えば、メタケイ酸ナトリウムや硝酸アルミニウム等を加えた後、スラリーに酸又はアルカリ水溶液を加えて、二酸化ケイ素や酸化アルミニウムを沈殿させて、原料ニッケル化合物粒子と混合する。
【0079】
また、例えば、原料ニッケル化合物粒子をボールミル又はビーズミル等を用いて水に十分に分散させ、得られたスラリーに酸又はアルカリ水溶液を加えた後、これに融着防止剤を与える前駆体としての水溶性塩の水溶液を加えて、二酸化ケイ素や酸化アルミニウムを沈殿させて、原料ニッケル化合物粒子と混合する。
【0080】
また、原料粒子をボールミル又はビーズミル等を用いて水に十分に分散させ、得られたスラリーに、融着防止剤を与える前駆体としての水溶性塩の水溶液と酸又はアルカリ水溶液とを同時に加えて、二酸化ケイ素や酸化アルミニウムを沈殿させて、原料ニッケル化合物粒子と混合する。
【0081】
上述した方法は、二酸化ケイ素や酸化アルミニウムを融着防止剤として用いる場合を例にとって説明したが、しかし、アルカリ土類元素や希土類元素の水不溶性化合物からなる融着防止剤と原料ニッケル化合物粒子との混合物を得る場合にも、同様に、好適に採用することができる。
【0082】
本発明によれば、このようにして、原料ニッケル化合物粒子と融着防止剤との混合物を原料ニッケル化合物粒子のスラリーを用いて湿式法にて調製したときには、上記スラリーを濾過、水洗し、乾燥、粉砕等を適宜に行なって、融着防止剤を含む原料ニッケル化合物粒子を得、これを次の還元工程に供する。
【0083】
また、原料ニッケル化合物粒子をボールミル又はビーズミル等を用いて水に十分に分散させ、得られたスラリーに融着防止剤を与える水溶性の前駆体の水溶液を加えた後、噴霧乾燥機を用いて、乾燥させ、原料ニッケル化合物粒子と融着防止剤との混合物を調製することもできる。このような混合物は、必要に応じて、適宜に粉砕した後、還元工程に供する。
【0084】
(還元工程)
次に、本発明によれば、上述した原料ニッケル化合物粒子と融着防止剤との混合物を水素雰囲気下、300〜1200℃の範囲の温度に加熱して、原料ニッケル化合物粒子を還元して、微細で球状の金属ニッケル粒子を得る。還元時の加熱温度が300℃よりも低いときは、原料ニッケル化合物粒子が十分に還元されず、未還元のニッケル化合物が残存する。他方、還元時の加熱温度が1200℃を越えるときは、本来、六方晶であるニッケルの晶癖が支配的となり、得られる金属ニッケル粒子が球状性に著しく劣ることとなる。同時に、このような高温での水素ガス還元のための装置は、材質的にも構造的にも高価なものとならざるを得ず、好ましくない。
【0085】
(金属ニッケル粉末の非酸化雰囲気下における加熱工程)
そこで、本発明によれば、上述したように、原料ニッケル化合物粒子を水素雰囲気下、例えば、300〜700℃程度の比較的低い温度で長時間にわたって加熱して還元した後、窒素ガス等の非酸化性雰囲気下に高温に加熱し、焼き締めて、得られる金属ニッケル粒子の結晶性を向上させることができる。
【0086】
このような非酸化雰囲気下の加熱温度は、500〜1500℃の範囲が好ましい。加熱温度が500℃よりも低いときは、得られる金属ニッケルの結晶性の向上が十分でなく、他方、加熱温度が1500℃を越えるときは、ニッケル粒子が液滴となり、融着防止剤も相互に焼結したり、又は融着したりするため、ニッケル粒子の粗大化が進行し、また、球状性を維持することが困難となる。
【0087】
(融着防止剤の除去工程)
本発明によれば、このように、融着防止剤の存在下に、原料ニッケル化合物粒子を還元し、得られた金属ニッケル粒子を、必要に応じて、非酸化雰囲気下に加熱した後、必要に応じて、酸又はアルカリで洗浄して、上記融着防止剤を溶解させて、金属ニッケル粒子から分離、除去してもよい。ここに、用いる上記酸又はアルカリの種類や使用量は、特に、制限はないが、ニッケル粒子自身の溶出を極力抑制するようにしなければならない。
【0088】
例えば、融着防止剤として、二酸化ケイ素を用いた場合には、これらを金属ニッケル粉末から除くには、水酸化ナトリウムのようなアルカリが好ましく用いられる。他方、融着防止剤として、酸化アルミニウムを用いた場合には、これらを金属ニッケル粉末から除くには、水酸化ナトリウムのようなアルカリや、また塩酸のような酸が好ましく用いられる。また、アルカリ土類元素や希土類元素の水酸化物や酸化物からなる融着防止剤を金属ニッケル粉末から除くには、塩酸のほか、酢酸のような有機酸も好ましく用いられる。
【0089】
【実施例】
以下に本発明による微細球状炭酸ニッケル粒子のエマルジョン法による製造とこれを熱分解する酸化ニッケル粒子の製造をそれぞれ製造例1及び2として示すと共に、これらを用いる微細球状金属ニッケル微粉末の製造を実施例として挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら製造例及び実施例により何ら限定されるものではない。
【0090】
また、以下の実施例及び比較例において、原料ニッケル化合物粒子や金属ニッケル粒子の平均粒径は、(株)堀場製作所製のレーザー回折式粒度分布測定装置LA−500を用いて測定した。結晶子径は、理学電機(株)製のX線回折装置RAD−IIC型を用いて、Scherrer法により求めた。走査型電子顕微鏡写真は、日本電子(株)製JSM−840F型を用いて観察した。また、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの分析は誘導結合プラズマ分析(ICP)によった。
【0091】
製造例1
(微細球状炭酸ニッケル粒子の製造)
市販の塩基性炭酸ニッケル(NiCO3 ・Ni(OH)2 ・4H2 O、以下、同じ。)141gと炭酸水素アンモニウム(NH4 HCO3 )242gとを15%アンモニア水に加え、よく撹拌して、pHが9.5の塩基性炭酸ニッケルのアンモニア一炭酸水素アンモニウム水溶液(Niとして1.1モル/L濃度)を調製した。
【0092】
このようにして得られたニッケル塩の水溶液200gにHLB値15のノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(花王(株)製レオドールTW−O120)30gを加え、50℃にて撹拌して、溶解させた。別に、非水媒体として、沸点約280℃のスーパースクワラン(スクアッテク(株)製スクワラン)800gにHLB値4.3のノニオン系界面活性剤ソルビタンモノオレエート(花王(株)製レオドールSR−O10)50gを加え、80℃にて撹拌して、溶解させた。
【0093】
次に、上記界面活性剤を溶解させたニッケル塩水溶液と非水媒体とを混合し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて5000rpmで5分間撹拌し、これを2回繰り返して、W/O型のエマルジョンを調製した。
【0094】
温度50℃において、このエマルジョンを20〜30mmHgの減圧化に吸引して、アンモニアと炭酸ガスを主成分とする気化性成分を蒸発させて、エマルジョンの液滴中に塩基性炭酸ニッケルを沈殿させた。その後、更に、上記減圧下にエマルジョンを吸引し、水を主成分とする気化性成分を蒸発させて、エマルジョンの液敵中に生じた塩基性炭酸ニッケルの球状の粒子を油中乾燥した。
【0095】
この塩基性炭酸ニッケルの粒子を遠心分離し、ヘキサン、メタノール及び水の順序にて洗浄した後、温度100℃で2時間乾燥させて、平均粒径0.55μmの塩基性炭酸ニッケル(ニッケル分43重量%)の球状粒子の粉末を得た。このようにして得られた塩基性炭酸ニッケル粒子は、走査型電子顕微鏡写真によれば、球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0096】
以下の実施例及び比較例において用いる塩基性炭酸ニッケル粉末は、この製造例1において得たものである。
【0097】
製造例2
(微細球状酸化ニッケル粒子の製造)
球状の塩基性炭酸ニッケル粉末を、空気中、20℃/時の昇温速度にて500℃まで昇温し、500℃で3時間保持し、熱分解して、平均粒径0.45μmの均一微細な球状の酸化ニッケル粒子粉末を得た。このようにして得られた酸化ニッケル粒子は、走査型電子顕微鏡写真によれば、球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0098】
以下の実施例及び比較例において用いる酸化ニッケル粉末は、この製造例2において得たものである。
【0099】
(融着防止剤としてケイ素又はアルミニウムの水酸化物又は酸化物を用いた実施例)
実施例1
球状の塩基性炭酸ニッケル粉末11.6gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミル用いて、100rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、塩基性炭酸ニッケルを全量回収して、塩基性炭酸ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO2 として100g/L)2.5mLを加えて、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0100】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過し、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む塩基性炭酸ニッケル粉末を得た。次に、この塩基性炭酸ニッケル粉末めのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間加熱し、上記塩基性炭酸ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0101】
このようにして得られた金属ニッケル粒子は、結晶子径910Åであり、平均粒径0.39μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0102】
実施例2
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO2 として100g/L)2.5mりを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0103】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0104】
このようにして得られた金属ニッケル粒子は、結晶子径893Åであり、平均粒径0.45μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状で、且つ、よく分散していることが観察された。
【0105】
実施例3
球状の塩基性炭酸ニッケル粉末11.6gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルを用いて、100rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、塩基性炭酸ニッケルの全量を回収して、塩基性炭酸ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)5.0mLを加えて、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0106】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%を含む塩基性炭酸ニッケル粉末を得た。次に、この塩基性炭酸ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃で3時間、加熱して、上記塩基性炭酸ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0107】
このようにして得られた金属ニッケル粒子は、結晶子径921Åであり、平均粒径0.40μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0108】
実施例4
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを、十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0109】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%有する酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0110】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径922Åであり、平均粒径0.51μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0111】
実施例5
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。この後、得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO2 として100g/L)1.5mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0112】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化ケイ素(SiO2 )3重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0113】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径933Åであり、平均粒径0.63μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0114】
実施例6
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液メタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO2 として100g/L)5.0mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0115】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して二酸化ケイ素(SiO2 )10重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0116】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径905Åであり、平均粒径0.45μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0117】
実施例7
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO2 として100g/L)10.0mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0118】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して二酸化ケイ素(SiO2 )20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0119】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径875Åであり、平均粒径0.38μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0120】
実施例8
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)3.0mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0121】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム(Al2 3 )3重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0122】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径929Åであり、平均粒径0.65μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0123】
実施例9
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。この後、得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)10.0mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0124】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム(Al2 3 )10重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0125】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径910Åであり、平均粒径0.35μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0126】
実施例10
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルで、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)20.0mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0127】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム(Al2 3 )20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0128】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径881Åであり、平均粒径0.35μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0129】
実施例11
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0130】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0131】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径220Åであり、平均粒径0.39μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0132】
実施例12
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0133】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この混合物をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、500℃、10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0134】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径337Åであり、平均粒径0.44μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0135】
実施例13
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0136】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、700℃で5時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0137】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径508Åであり、平均粒径0.42μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0138】
実施例14
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。この後、得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、10%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0139】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、1000℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0140】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径938Åであり、平均粒径0.53μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれは、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0141】
実施例15
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0142】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0143】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径282Åであり、平均粒径0.36μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0144】
実施例16
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0145】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、500℃で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、この後、冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0146】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径355Åであり、平均粒径0.38μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0147】
実施例17
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0148】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、700℃で5時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0149】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径621Åであり、平均粒径0.42μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0150】
実施例18
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmて10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0151】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この混合物をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、1000℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、次いで、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0152】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径927Åであり、平均粒径0.46μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0153】
実施例19
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルの全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0154】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、次いで、窒素気流中で900℃、3時間、加熱した後、冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0155】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径912Åであり、平均粒径0.40μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0156】
実施例20
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0157】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、次いで、窒素気流中、1100℃で3時間、加熱した後、冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0158】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径955Åであり、平均粒径0.37μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0159】
実施例21
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0160】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時間、加熱して、還元し、次いで、窒素気流中、1500℃で3時間、加熱した後、冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0161】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径972Åであり、平均粒径0.51μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0162】
実施例22
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpm、10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0163】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時間、加熱して、還元し、次いで、窒素気流中、900℃で3時間、加熱した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0164】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径923Åであり、平均粒径0.51μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0165】
実施例23
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0166】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時間、加熱して、還元し、次いで、窒素気流中、1100℃で3時間、加熱した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0167】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径945Åであり、平均粒径0.38μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0168】
実施例24
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0169】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時間、加熱して、還元し、更に、窒素気流中、1500℃で3時間、加熱した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0170】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径977Åであり、平均粒径0.66μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0171】
実施例25
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、このスラリーに、メタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO2 として100g/L)2.5mLにイオン交換水を加えて50mLとした水溶液と10%塩酸水溶液とを同時にゆっくり滴下し、メタケイ酸ナトリウムを中和し、沈殿を生成させた。このとき、スラリーのpHが3〜4になるように、上記メタケイ酸ナトリウム水溶液と塩酸の滴下速度を調節した。
【0172】
このスラリーから上記沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流、900℃で3時間、加熱して、還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0173】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径889Åであり、平均粒径0.49μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0174】
実施例26
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌した後、噴霧乾燥機を用いて乾燥して、ニッケルに対して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得、これをめのう乳鉢を用いて粉砕した。
【0175】
次に、この酸化ニッケル粉末を、大気中、500℃で3時間の加熱した後、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、還元した。次に、これを冷却した後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0176】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径915Åであり、平均粒径0.40μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0177】
実施例27
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。別に、微細シリカ(富士シリシア化学(株)製サイロイド404)0.25gとイオン交換水20mLに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで60分間粉砕処理をした。
【0178】
このようにして得られたそれぞれのスラリーからジルコニアビーズを分離し、これらを十分に洗浄し、酸化ニッケルとシリカをそれぞれ全量回収して、それぞれのスラリーを得、これらのスラリーを混合し、十分に撹拌した。
【0179】
次に、これらのスラリーを濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対してシリカ(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0180】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径929Åであり、平均粒径0.63μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0181】
実施例28
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに2%アンモニア水を添加して撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、このスラリーに、硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)5.0mLにイオン交換水を加えて50mLとした水溶液をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0182】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0183】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径903Åであり、平均粒径0.56μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0184】
実施例29
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、このスラリーに、硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)5.0mLにイオン交換水を加えて50mLとした水溶液と2%アンモニア水とを同時にゆっくり滴下し、硝酸アルミニウムを中和して、沈殿を生成させた。このとき、スラリーのpHが7〜8になるように、硝酸アルミニウム水溶液とアンモニア水の滴下速度を調節した。
【0185】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0186】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径900Åであり、平均粒径0.48μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0187】
実施例30
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収して、酸化ニッケル水スラリーを得た。このスラリーに硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)5.0mLを加え、よく撹拌した後、噴霧乾燥機を用いて乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、大気中、500℃で3時間、加熱した後、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、還元し、次いで、冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0188】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径916Åであり、平均粒径0.36μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0189】
実施例31
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。別に、微細アルミナ(住友化学工業(株)製AM−27)0.25gをイオン交換水20mLに直径1mmのジルコニアビーズ70gに加え、遊星ミルを用いて、200rpmで60分間粉砕処理をした。
【0190】
このようにして得られたそれぞれのスラリーからジルコニアビーズを分離し、これらを十分に洗浄し、酸化ニッケルとアルミナをそれぞれ全量回収して、それぞれのスラリーを得、これらのスラリーを混合し、十分に撹拌した。次に、このスラリーを濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対してアルミナ(Al2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0191】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径933Åであり、平均粒径0.52μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0192】
実施例32
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーにメタケイ酸ナトリウム水溶液(Na2 SiO3 、SiO2 として100g/L)2.5mLを加え、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに10%塩酸をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0193】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して二酸化ケイ素(SiO2 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0194】
次に、このようにして得られた二酸化ケイ素を含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、20%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、液温を80℃〜90℃として、30分間撹拌した後、濾過、水洗し、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から二酸化ケイ素を除去したところ、金属ニッケル粉末中に残存している二酸化ケイ素は、ニッケルに対して、0.28重量%であった。
【0195】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径911Åであり、平均粒径0.42μmであった。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の走査型電子顕微鏡写真を図1に示すように、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0196】
実施例33
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)5.0mLを加えて、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0197】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム(Al2 3 )5重量%含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0198】
次に、このようにして得られた酸化アルミニウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、10%塩酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗し、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化アルミニウムを除去したところ、金属ニッケル粉末中に残存している酸化アルミニウムは、ニッケルに対して、0.15重量%であった。
【0199】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径925Åであり、平均粒径0.39μmであった。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の走査型電子顕微鏡写真を図2に示すように、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0200】
実施例34
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸アルミニウム水溶液(Al(NO3 3 、Al2 3 として50g/L)5.0mLを加えて、よく撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0201】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化アルミニウム5重量%含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0202】
次に、このようにして得られた酸化アルミニウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、20%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、液温を80℃〜90℃として30分間撹拌した後、濾過、水洗し、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化アルミニウムを除去したところ、金属ニッケル粉末中に残存している酸化アルミニウムは、ニッケルに対して、0.12重量%であった。
【0203】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径918Åであり、平均粒径0.35μmであった。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の走査型電子顕微鏡写真を図3に示すように、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0204】
(希土類元素の化合物を融着防止剤として用いた実施例)
実施例35
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸スカンジウム4水和物(Sc(NO3 3 ・4H2 O)1.10gを加え、撹拌して、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0205】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化スカンジウム(Sc2 3 )5重量%含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0206】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径895Åであり、平均粒径0.48μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0207】
実施例36
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)0.85gを加え、撹拌して、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0208】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0209】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径911Åであり、平均粒径0.42μmであった。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の走査型電子顕微鏡写真を図4に示すように、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0210】
実施例37
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸ランタン6水和物(La(NO3 3 ・6H2 O)0.66gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0211】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化ランタン(La2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0212】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径917Åであり、平均粒径0.72μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0213】
実施例38
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。この後、得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸セリウム6水和物(Ce(NO3 3 ・6H2 O)0.66gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0214】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化セリウム(Ce2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0215】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径886Åであり、平均粒径0.62μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0216】
実施例39
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸プラセオジム6水和物(Pr(NO3 3 ・6H2 O)0.66gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0217】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化プラセオジウム(Pr2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0218】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径935Åであり、平均粒径0.58μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0219】
実施例40
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸ネオジム6水和物(Nd(NO3 3 ・6H2 O)0.65gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0220】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化ネオジム(Nd2 3 )5重量%含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0221】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径899Åであり、平均粒径0.60μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0222】
実施例41
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸サマリウム6水和物(Sm(NO3 3 ・6H2 O)0.64gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0223】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化サマリウム(Sm2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0224】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径910Åであり、平均粒径0.56μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0225】
実施例42
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸ユウロピウム水和物(Eu(NO3 3 ・6H2 O)0.63gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0226】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化ユウロピウム(Eu2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0227】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径899Åであり、平均粒径0.59μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0228】
実施例43
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸ガドリニウム6水和物(Gd(NO3 3 ・6H2 O)0.62gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0229】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化ガドリニウム(Gd2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0230】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径915Åであり、平均粒径0.52μmであった。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の走査型電子顕微鏡写真を図5に示すように、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0231】
実施例44
球状の球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸テルビウム6水和物(Tb(NO3 3 ・6H2 O)0.62gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0232】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化テルビウム(Tb2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0233】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径908Åであり、平均粒径0.53μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0234】
実施例45
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸ジスプロシウム6水和物(Dy(NO3 3 ・6H2 O)0.61gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0235】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化ジスプロシウム(Dy2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0236】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径889Åであり、平均粒径0.49μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0237】
実施例46
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに塩化ホルミウム6水和物(HoCl3 ・6H2 O)0.50gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0238】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化ホルミウム(Ho2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0239】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径903Åであり、平均粒径0.55μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0240】
実施例47
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸エルビウム6水和物(Er(NO3 3 ・6H2 O)0.60gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0241】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化エルビウム(Er2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0242】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径888Åであり、平均粒径0.55μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0243】
実施例48
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケル全量を回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸ツリウム4水和物(Tm(NO3 3 ・4H2 O)0.55gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0244】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化ツリウム(Tm2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0245】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径922Åであり、平均粒径0.63μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0246】
実施例49
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸イッテルビウム4水和物(Yb(NO3 3 ・4H2 O)0.55gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0247】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イッテルビウム(Yb2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0248】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径879Åであり、平均粒径0.66μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0249】
実施例50
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸ルテチウム2水和物(Lu(NO3 3 ・2H2 O)0.50gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0250】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化ルテチウム(Lu2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0251】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径900Åであり、平均粒径0.58μmであった。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の走査型電子顕微鏡写真を図6に示すように、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0252】
実施例51
球状の塩基性炭酸ニッケル粉末11.6gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、100rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、塩基性炭酸ニッケルを全量回収して、塩基性炭酸ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸ネオジム6水和物(Nd(NO3 3 ・6H2 O)0.65gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0253】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化ネオジム(Nd2 3 )5重量%を含む塩基性炭酸ニッケル粉末を得た。次に、この塩基性炭酸ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記塩基性炭酸ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0254】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径822Åであり、平均粒径0.53μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0255】
実施例52
球状の塩基性炭酸ニッケル粉末11.6gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、100rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、塩基性炭酸ニッケルを全量回収して、塩基性炭酸ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸ガドリニウム6水和物(Gd(NO3 3 ・6H2 O)0.62gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0256】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化ガドリニウム(Gd2 3 )5重量%を含む塩基性炭酸ニッケル粉末を得た。次に、この塩基性炭酸ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記塩基性炭酸ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0257】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径911Åであり、平均粒径0.63μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0258】
実施例53
球状の塩基性炭酸ニッケル粉末11.6gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、100rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、塩基性炭酸ニッケルを全量回収して、塩基性炭酸ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸イッテルビウム4水和物(Yb(NO3 3 ・4H2 O)0..5gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0259】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イッテルビウム(Yb2 3 )5重量%を含む塩基性炭酸ニッケル粉末を得た。次に、この塩基性炭酸ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記塩基性炭酸ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0260】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径890Åであり、平均粒径0.59μmであった。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の走査型電子顕微鏡写真を図7に示すように、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0261】
実施例54
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)0.51gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0262】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )3重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0263】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径916Åであり、平均粒径0.63μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0264】
実施例55
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)1.70gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0265】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )10重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0266】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径890Åであり、平均粒径0.38μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0267】
実施例56
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)3.40gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0268】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0269】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径900Åであり、平均粒径0.38μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0270】
実施例57
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸ガドリニウム6水和物(Gd(NO3 3 ・6H2 O)0.37gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0271】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化ガドリニウム(Gd2 3 )3重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0272】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径899Åであり、平均粒径0.66μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0273】
実施例58
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸ガドリニウム6水和物(Gd(NO3 3 ・6H2 O)1.24gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0274】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化ガドリニウム(Gd2 3 )10重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0275】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径921Åであり、平均粒径0.41μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0276】
実施例59
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸ガドリニム6水和物(Gd(NO3 3 ・6H2 O)2.48gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0277】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化ガドリニム(Gd2 3 )20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0278】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径907Åであり、平均粒径0.35μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0279】
実施例60
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0280】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0281】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径288Åであり、平均粒径0.38μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0282】
実施例61
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0283】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、500℃で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0284】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径367Åであり、平均粒径0.35μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0285】
実施例62
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0286】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、700℃で5時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0287】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径572Åであり、平均粒径0.41μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0288】
実施例63
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0289】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、1000℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0290】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径955Åであり、平均粒径0.45μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0291】
実施例64
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0292】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、更に、窒素気流中、700℃で5時間、加熱した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0293】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径773Åであり、平均粒径0.40μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0294】
実施例65
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0295】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、更に、窒素気流中、900℃で3時間加熱した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0296】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径913Åであり、平均粒径0.40μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0297】
実施例66
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0298】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、更に、窒素気流中、1100℃で3時間加熱した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0299】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径977Åであり、平均粒径0.43μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0300】
実施例67
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0301】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、更に、窒素気流中、1500℃で3時間加熱した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0302】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径993Åであり、平均粒径0.48μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0303】
実施例68
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに炭酸水素アンモニウム(NH4 HCO3 )3.50gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに予め調製した硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)0.85gをイオン交換水25mLに溶解させた水溶液をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0304】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0305】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径898Åであり、平均粒径0.51μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0306】
実施例69
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、このスラリーに、予め調製した硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)0.85gをイオン交換水25mLに溶解させた水溶液と2%アンモニア水とを同時にゆっくり滴下し、硝酸イットリウムを中和して、沈殿を生成させた。このとき、スラリーのpHが7〜8になるように、硝酸イットリウム水溶液とアンモニア水の滴下速度を調節した。
【0307】
上記スラリーから上記沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0308】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径915Åであり、平均粒径0.39μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0309】
実施例70
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた後、噴霧乾燥機を用いて乾燥し、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、大気中、500℃で3時間加熱し、次いで、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0310】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径922Åであり、平均粒径0.35μmであった。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の走査型電子顕微鏡写真を図8に示すように、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0311】
実施例71
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。別に、酸化イットリウム(Y2 3 )0.25gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、同様に、遊星ミルを用いて、200rpmで60分間粉砕処理をした。
【0312】
このようにして得られたそれぞれのスラリーからジルコニアビーズを分離し、これらを十分に洗浄し、酸化ニッケルと酸化イットリウムをそれぞれ全量回収して、それぞれの水スラリーを得、これらのスラリーを混合し、十分に撹拌した。
【0313】
次に、このスラリーを濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、この酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0314】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径907Åであり、平均粒径0.43μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0315】
実施例72
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3 3 ・6H2 O)0.85gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0316】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化イットリウム(Y2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元処理をした後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0317】
次に、このようにして得られた酸化イットリウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%塩酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末中に含まれる酸化イットリウムを除去したところ、金属ニッケル中に残存している酸化イットリウムは、ニッケルに対して、0.11重量%であった。
【0318】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径931Åであり、平均粒径0.45μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0319】
実施例73
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸プラセオジム6水和物(Pr(NO3 3 ・6H2 O)0.66gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0320】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化プラセオジム(Pr2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0321】
次に、このようにして得られた酸化プラセオジムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%塩酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末中に含まれる酸化プラセオジムを除去したところ、金属ニッケル粉末中に残存している酸化プラセオジムは、ニッケルに対して、0.18重量%であった。
【0322】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径928Åであり、平均粒径0.42μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0323】
実施例74
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸テルビウム6水和物(Tb(NO3 3 ・6H2 O)0.62gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0324】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化テルビウム(Tb2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0325】
次に、このようにして得られた酸化テルビウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%塩酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化テルビウムを除去したところ、金属ニッケル粉末中に残存している酸化テルビウムは、ニッケルに対して、0.28重量%であった。
【0326】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径899Åであり、平均粒径0.47μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0327】
実施例75
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸エルビウム6水和物(Er(NO3 3 ・6H2 O)0.60gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0328】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化エルビウム(Er2 3 )5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0329】
次に、このようにして得られた酸化エルビウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%塩酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化エルビウムを除去したところ、金属ニッケル粉末中に残存している酸化エルビウムは、ニッケルに対して、0.35重量%であった。
【0330】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径927Åであり、平均粒径0.58μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
(カルシウム又はマグネシウムの化合物を融着防止剤として用いた実施例)
【0331】
実施例76
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2 O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0332】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0333】
次に、このようにして得られた酸化マグネシウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返してて、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去したところ、金属ニッケル粉末中に残存している酸化マグネシウムは、ニッケルに対して、0.11重量%であった。
【0334】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径912Åであり、平均粒径0.36μmであった。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の走査型電子顕微鏡写真を図9に示すように、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0335】
実施例77
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸カルシウム4水和物(Ca(NO3 2 ・4H2 O)4.24gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0336】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化カルシウム(CaO)20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0337】
次に、このようにして得られた酸化カルシウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化カルシウムを除去したところ、金属ニッケル粉末中に残存している酸化カルシウムは、ニッケルに対して、0.08重量%であった。
【0338】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径934Åであり、平均粒径0.41μmであった。また、このようにして得られた金属ニッケル粒子の走査型電子顕微鏡写真を図10に示すように、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0339】
実施例78
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2 O)1.60gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0340】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化マグネシウム(MgO)5重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0341】
次に、このようにして得られた酸化マグネシウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去した。
【0342】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径996Åであり、平均粒径0.78μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0343】
実施例79
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2 O)3.20gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0344】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化マグネシウム10重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0345】
次に、このようにして得られた酸化マグネシウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去した。
【0346】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径967Åであり、平均粒径0.62μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0347】
実施例80
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2 O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0348】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中300℃で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0349】
次に、このようにして得られた酸化マグネシウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去した。
【0350】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径230Åであり、平均粒径0.46μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0351】
実施例81
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2 O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0352】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、500℃で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0353】
次に、このようにして得られた酸化マグネシウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去した。
【0354】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径384Åであり、平均粒径0.49μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0355】
実施例82
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2 O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0356】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、700℃で5時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0357】
次に、このようにして得られた酸化マグネシウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去した。
【0358】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径495Åであり、平均粒径0.48μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0359】
実施例83
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2 O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0360】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、更に、窒素気流中、700℃で5時間加熱した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0361】
次に、このようにして得られた酸化マグネシウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去した。
【0362】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径637Åであり、平均粒径0.53μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0363】
実施例84
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2 O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0364】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、300℃で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、更に、窒素気流中、900℃で3時間加熱した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0365】
次に、このようにして得られた酸化マグネシウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去した。
【0366】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径936Åであり、平均粒径0.47μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0367】
実施例85
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2 O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0368】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを水素気流中、300℃で10時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元し、更に、窒素気流中、1100℃で3時間加熱した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0369】
次に、このようにして得られた酸化マグネシウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去した。
【0370】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径984Åであり、平均粒径0.66μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0371】
実施例86
球状の塩基性炭酸ニッケル粉末11.6gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、100rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、塩基性炭酸ニッケルを全量回収して、塩基性炭酸ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2 O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0372】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む塩基性炭酸ニッケル粉末を得た。次に、この塩基性炭酸ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記塩基性炭酸ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0373】
次に、このようにして得られた酸化マグネシウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去した。
【0374】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径921Åであり、平均粒径0.41μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0375】
実施例87
球状の塩基性炭酸ニッケル粉末11.6gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、100rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、塩基性炭酸ニッケルを全量回収して、塩基性炭酸ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸カルシウム4水和物(Ca(NO3 2 ・4H2 O)4.24gを加え、撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、これに2%アンモニア水をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0376】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化カルシウム(CaO)20重量%を含む塩基性炭酸ニッケル粉末を得た。次に、この塩基性炭酸ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記塩基性炭酸ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0377】
次に、このようにして得られた酸化カルシウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化カルシウムを除去した。
【0378】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径944Åであり、平均粒径0.40μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0379】
実施例88
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、このスラリーに、予め調製した硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2 O)6.39gをイオン交換水25mLに溶解させた水溶液と2%アンモニア水とを同時にゆっくり滴下し、硝酸マグネシウムを中和して、沈殿を生成させた。このとき、スラリーのpHが11〜12になるように、硝酸マグネシウム水溶液とアンモニア水の滴下速度を調節した。
【0380】
上記スラリーから上記沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0381】
次に、このようにして得られた酸化マグネシウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去した。
【0382】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径884Åであり、平均粒径0.39μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0383】
実施例89
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに2%アンモニア水を加えて、撹拌した。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、このスラリーに、予め調製した硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2 O)6.39gをイオン交換水25mLに溶解させた水溶液をゆっくり滴下し、中和して、沈殿を生成させた。
【0384】
上記スラリーからこの沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0385】
次に、このようにして得られた酸化マグネシウムを含む金属ニッケル粉末めのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去した。
【0386】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径897Åであり、平均粒径0.44μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0387】
実施例90
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。得られたスラリーからジルコニアビーズを分離し、これを十分に洗浄し、酸化ニッケルを全量回収して、酸化ニッケルの水スラリーを得た。このスラリーに硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO3 2 ・6H2 O)6.39gを加え、撹拌、溶解させた後、噴霧乾燥機を用いて乾燥して、ニッケルに対して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、大気中、500℃で3時間加熱した後、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した。この後、冷却し、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0388】
次に、このようにして得られた酸化マグネシウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。この操作を2回繰り返して、金属ニッケル粉末から酸化マグネシウムを除去した。
【0389】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径905Åであり、平均粒径0.43μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0390】
実施例91
球状の酸化ニッケル粉末6.4gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで10分間粉砕した。別に、酸化マグネシウム(MgO)1.0gをイオン交換水20mLに分散させ、これに直径1mmのジルコニアビーズ70gを加え、遊星ミルを用いて、200rpmで60分間粉砕処理をした。
【0391】
このようにして得られたそれぞれのスラリーからジルコニアビーズを分離し、これらを十分に洗浄し、酸化ニッケルと酸化マグネシウムをそれぞれ全量回収して、それぞれの水スラリーを得、これらを混合し、十分に撹拌した。次に、このスラリーから固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥して、ニッケルに対して酸化マグネシウム(MgO)20重量%を含む酸化ニッケル粉末を得た。
【0392】
次に、この酸化ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中、900℃で3時間、加熱して、上記酸化ニッケルを還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0393】
次に、このようにして得られた酸化マグネシウムを含む金属ニッケル粉末をめのう乳鉢を用いて粉砕し、これを10%酢酸水溶液中に浸漬し、30分間撹拌した後、濾過、水洗、乾燥した。
【0394】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径948Åであり、平均粒径0.60μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は球状であり、且つ、よく分散していることが観察された。
【0395】
比較例1
球状の塩基性炭酸ニッケル粉末のみを水素気流中、900℃で3時間、加熱して、還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させて、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0396】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径995Åであり、平均粒径18.35μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は非球状であり、相互に融着、巨大化していることが観察された。
【0397】
比較例2
球状の酸化ニッケル粉末のみを水素気流中、900℃で3時間、加熱して、還元した後、これを冷却し、この後、5%の酸素を含む窒素ガスを50℃で1時間流通させ、得られた金属ニッケルの安定化処理を行なった。
【0398】
このようにして得られた金属ニッケルは、結晶子径983Åであり、平均粒径33.62μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真によれば、粒子は非球状であり、相互に融着、巨大化していることが観察された。
【0399】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、炭酸ニッケル又は水酸化ニッケルを原料として、特別なエマルジョン法にて調製した炭酸ニッケル粉末を融着防止剤の存在下に水素雰囲気下に加熱し、還元することによって、平均粒径が0.1〜10μm、好ましくは、0.1μmから数μm、特に、好ましくは、0.1〜1μmの範囲にあり、粒度分布が狭く、ニッケルとしての結晶性の高い微細で球状の金属ニッケル粒子を得ることができる。このような金属ニッケル粉末は、例えば、積層セラミックコンデンサ内部電極として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例32において得られた金属ニッケル粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】は、実施例33において得られた金属ニッケル粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】は、実施例34において得られた金属ニッケル粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】は、実施例36において得られた金属ニッケル粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】は、実施例43において得られた金属ニッケル粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】は、実施例50において得られた金属ニッケル粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】は、実施例53において得られた金属ニッケル粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図8】は、実施例70において得られた金属ニッケル粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】は、実施例76において得られた金属ニッケル粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図10】は、実施例77において得られた金属ニッケル粒子を示す走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (12)

  1. 一般式(I)
    Ni(CO3 ) x ・ (OH) y
    (式中、x及びyはそれぞれ、0≦x≦1.5及び0≦y≦3を満たす数である。)
    で表わされる炭酸ニッケル及び/又は水酸化ニッケルをアンモニア水溶液か、又はアンモニアと炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩の水溶液に溶解させ、得られたニッケル塩の水溶液を非水媒体中にて上記水溶液の液滴を含むW/O型エマルジョンとした後、この液滴中からアンモニアを含む気化性成分を除いて、液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させ、かくして、微細で球状の炭酸ニッケル粒子を得る第1の段階と、このようにして得た炭酸ニッケル粒子を酸化物換算にて0.01〜30重量%のアルカリ土類元素、アルミニウム、ケイ素及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物からなる融着防止剤の存在下に水素雰囲気下に加熱して、上記炭酸ニッケル粒子を還元する第2の段階とを有することを特徴とする平均粒径0.05〜10μmの微細球状金属ニッケル微粉末の製造方法。
  2. 第2の段階において、炭酸ニッケル粒子を水素雰囲気下に300〜1200℃の範囲の温度に加熱して、還元する請求項1に記載の方法。
  3. 第2の段階において、炭酸ニッケル粒子を還元した後、非酸化性雰囲気下に500〜1500℃の範囲の温度に加熱する請求項1に記載の方法。
  4. 第2の段階において、炭酸ニッケルを還元した後、得られた金属ニッケル粉末から融着防止剤を除去する請求項1に記載の方法。
  5. アルカリ土類元素がカルシウム又はマグネシウムである請求項1に記載の方法。
  6. 融着防止剤がアルカリ土類元素、アルミニウム、ケイ素及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩又はこれらの2種以上の混合物である請求項1に記載の方法。
  7. 一般式(I)
    Ni(CO3 ) x ・ (OH) y
    (式中、x及びyはそれぞれ、0≦x≦1.5及び0≦y≦3を満たす数である。)
    で表わされる炭酸ニッケル及び/又は水酸化ニッケルをアンモニア水溶液か、又はアンモニアと炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩の水溶液に溶解させ、得られたニッケル塩の水溶液を非水媒体中にて上記水溶液の液滴を含むW/O型エマルジョンとした後、この液滴中からアンモニアを含む気化性成分を除いて、液滴中で炭酸ニッケルを沈殿させ、かくして、微細で球状の炭酸ニッケル粒子を得る第1の段階と、このようにして得た炭酸ニッケル粒子を酸化性雰囲気下に加熱して、微細で球状の酸化ニッケル粒子を得、次いで、この酸化ニッケル粒子を酸化物換算にて0.01〜30重量%のアルカリ土類元素、アルミニウム、ケイ素及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物からなる融着防止剤の存在下に水素雰囲気下に加熱して、上記酸化ニッケル粒子を還元する第2の段階とを有することを特徴とする平均粒径0.05〜10μmの微細球状金属ニッケル微粉末の製造方法。
  8. 第2の段階において、酸化ニッケル粒子を水素雰囲気下に300〜1200℃の範囲の温度に加熱して、還元する請求項7に記載の方法。
  9. 第2の段階において、酸化ニッケル粒子を還元した後、非酸化性雰囲気下に500〜1500℃の範囲の温度に加熱する請求項7に記載の方法。
  10. 第2の段階において、酸化ニッケルを還元した後、得られた金属ニッケル粉末から融着防止剤を除去する請求項7に記載の方法。
  11. アルカリ土類元素がカルシウム又はマグネシウムである請求項7に記載の方法。
  12. 融着防止剤がアルカリ土類元素、アルミニウム、ケイ素及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩又はこれらの2種以上の混合物である請求項7に記載の方法。
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