JP4341119B2 - 球状ニッケル粉末の製造方法 - Google Patents

球状ニッケル粉末の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は球状ニッケル微粉末の製造方法に関し、詳しくは、平均粒径が0.1μmから10μmの範囲にあり、粒度分布の狭い球状のニッケル微粉末であって、例えば、積層セラミックコンデンサ内部電極として好適に用いることができる球状ニッケル微粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品の小型化高容量化が進展するにつれて、積層セラミックコンデンサも、小型化高容量化が一層強く求められるに至っている。積層セラミックコンデンサは、チタン酸バリウム等のセラミック誘電体粉末とプロビニルプチラール等のバインダーとからなる誘電体グリーンシートにパラジウム、白金などのような内部電極のための貴金属粉末を含むペーストを印刷し、乾燥して、内部電極が交互に重なるように積層し、熱圧着し、次いで、これを適宜の寸法に裁断した後、約1300℃の温度で焼成して、脱バインダーしつつ、内部電極とセラミック誘電体とを燒結させ、この後、銀等の外部電極を形成して、製造される。
【0003】
従って、内部電極のための金属としては、セラミック誘電体が燒結する温度において溶融せず、しかも、酸化されないものであることが必要であり、かくして、従来、上述したように、白金やパラジウム等、高価な貴金属が用いられており、積層セラミックコンデンサも、高価とならざるを得ない。
【0004】
そこで、近年、卑金属であるニッケルを内部電極とする低廉な積層セラミックコンデンサが白金やパラジウムを内部電極とする上記高価な積層セラミックコンデンサに替わるものとして、実用化への研究が種々行なわれているが、ここに、大きな問題がある。
【0005】
積層セラミックコンデンサの内部電極は、内部電極に用いる金属粉の大きさによって制約を受け、その金属粉の粒径よりも薄くすることができない。内部電極の厚みは、通常、1〜2μmであるので、粒径が1μmより大きい粒子を用いるときは、電極層が不均一となり、導通不良を起こすおそれがあり、また、積層工程において、内部電極層が誘電体層を貫通して、絶縁不良を起こしたりする。従って、積層セラミックコンデンサの内部電極に用いるニッケル粉は、積層コンデンサ作成時の耐酸化性を向上させるためニッケルとしての結晶性が高く、粒径が0.1〜1μm程度であり、充填性をも考慮すれば、粒度分布が狭いものであることが強く求められる。
【0006】
このため従来、このような特性を有するニッケル微粉末を得る方法が種々提案されている。これらは大別すると以下のように分類される。(1)酸化ニッケルなどのニッケル化合物粉末を水素ガスにより還元処理する乾式還元法、(2)ニッケル塩水溶液、又はニッケル化合物スラリーをpH、温度等を制御下にヒドラジンなどを用いて還元する湿式方法、(3)ニッケル塩水溶液を超音波や2流体ノズルで霧化し、還元雰囲気下に加熱してニッケル粉末を得る噴霧分解法、および(4)高温下に塩化ニッケル蒸気を水素還元してニッケル粉末を得るCVD法。
【0007】
上記製造方法において、乾式還元法、噴霧分解法、およびCVD法では、10μm以下の粒径の均一な球状粒子を得ることが困難であり、これらの方法によって10μm以下の粒子を得る場合、分級が不可避であり、かつ10μm以下の粒子の歩留りが悪く、得られるニッケル粉末は非常に高価となる。
【0008】
また、湿式還元法では、一般に還元反応は、急速に進行するため、得られるニッケル粉末の粒径は、過度に小さくなりやすいため、有機酸やアンモニアなどの錯体形成剤を添加して還元反応速度をコントロールしている。しかし、このような錯体形成剤を使用すると、その廃液処理が困難で、得られるニッケル粉末は非常に高価となる。仮にまた、このようにして目的の球状ニッケルが得られたとしても、その結晶性は低く、実用に耐えないものとなり、それを避けるために非酸化性雰囲気下での焼成が必要となるが、その場合には、前記乾式還元法と同様の問題が避けられない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、球状ニッケル微粉末の製造における上述した問題を解決するためになされたものであって、ニッケルとしての結晶性が高く、平均粒径が0.1μm〜10μmの範囲にあり、粒度分布の狭い球状のニッケル微粉末であって、例えば、積層セラミックコンデンサ内部電極として好適に用いることができる球状ニッケル微粉末の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による球状ニッケル粉末の製造方法は、球状ニッケルまたは球状ニッケル化合物粉末に、希土類化合物を0.01〜30wt%添加する第1工程と、この工程で得られた混合物中のニッケルを水素雰囲気中で加熱還元、及びもしくは還元後さらに非酸化性雰囲気下で加熱する第2工程とからなることを特徴とする。
【0011】
また、球状ニッケル、または球状ニッケル化合物粉末に、希土類化合物を0.01〜30wt%添加する第1工程と、この工程で得られた混合物中のニッケルを水素雰囲気中で加熱還元、及びもしくは還元後さらに非酸化性雰囲気下で加熱する第2工程と、得られた混合物中の希土類化合物を酸洗、除去する第3工程からなることを特徴とする。
【0012】
ここで前述した第1工程における希土類の添加は、粉末同士の混合により行なうことができるが、好ましくは、(1)球状ニッケルまたは球状ニッケル化合物粉末の懸濁液に希土類水溶液を添加した後、苛性アルカリまたは炭酸アルカリを添加し、希土類化合物の沈殿を生成させて行なう、(2)球状ニッケルまたは球状ニッケル化合物粉末の懸濁液に、苛性アルカリまたは炭酸アルカリを添加した後、希土類水溶液を添加し、希土類化合物の沈殿を生成させて行なう、(3)球状ニッケルまたは、球状ニッケル化合物粉末の懸濁液に、希土類水溶液と、苛性アルカリまたは炭酸アルカリ水溶液とを同時に添加し、希土類化合物の沈殿を生成させて行なう、(4)球状ニッケル、または球状ニッケル化合物粉末の懸濁液に、希土類化合物を添加した後スプレードライヤーで乾燥させて行なうことができる。
【0013】
また、(1)第2工程における加熱還元は、300℃〜1000℃で行なう、(2)第2工程における非酸化性雰囲気下での加熱は、700℃〜1500℃で行なうのが好ましい。
【0014】
さらに、(1)前述した希土類化合物は、Sc、Yおよび、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sw、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luより選ばれた少なくとも1種以上である、(2)ニッケル化合物は、酸化ニッケル、炭酸ニッケルおよび水酸化ニッケルより選ばれた少なくとも1種以上で有ることが好ましい。
【0015】
尚、得られた球状ニッケル粉末は平均粒径が0.1〜10μmであることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、上記問題を解決するべく鋭意研究をおこない、(1)上記従来の乾式還元法において、ニッケル化合物を水素ガスにより還元処理する際、10μm以下の粒子の歩留りが悪いのは、生成したニッケル粉末同士の焼結や融着による粒子の粗大化がおこっているためであること、(2)希土類化合物が、上記焼結、融着を防止する効果があること、および(3)希土類化合物のイオン半径がニッケルのそれと比べて大きく、加熱還元処理等を通じてニッケルの表面に偏析するため、希土類化合物を酸で溶解し、ニッケル粉末からの分解除去が可能なことを見出した。
【0017】
すなわち、本発明の球状ニッケル粉末の製造方法は、球状ニッケル、またはニッケル化合物粉末に希土類化合物を0.01〜30wt%添加する第1工程と、この工程で得られた、混合物中のニッケルを水素雰囲気中で加熱、還元、及びもしくは還元後、混合物中のニッケル粒子の結晶性をさらに向上させるために、該混合物を非酸化性雰囲気で粒子の粗大化を防止しつつ加熱する第2工程とからなる。
【0018】
本発明の更なる発明は球状ニッケル粉末の製造方法は、第1工程と第2工程によって得られた混合物から、希土類化合物を酸で溶解し除去する第3工程からなる。
【0019】
以下の各工程について詳述する。
【0020】
球状ニッケルおよび球状ニッケル化合物粉末
球状ニッケルおよび球状ニッケル化合物粉末は、公知の方法で調整することが出来る。球状ニッケルは、前述した湿式還元法により調整することが出来る。すなわち、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースあるいはゼラチンなどの保護コロイドの存在下、ニッケル塩水溶液を加熱、撹拌しつつ、ヒドラジンを滴下することによって液中に球状のニッケル粒子を析出させ、これらを濾過、水洗し、乾燥させることによって、結晶性は低いが球状のニッケル粒子を得ることが出来る。又、球状ニッケル化合物粉末は、例えばエマルション法を用いた塩基性炭酸ニッケルの球状前駆体及び、これらを、球状性を維持するために、空気中で比較的低温で熱分解して得られる、球状の酸化ニッケルなどを、好ましく用いることが出来る。
【0021】
希土類の添加
添加に供される希土類は、例えば硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、及び塩化物などの各種の塩類、及び酸化物、水酸化物などである。また、球状ニッケル、及び球状ニッケル化合物は例えば、公知の方法で調製される球状のニッケル、酸化ニッケル、炭酸ニッケル、及び水酸化ニッケルなどであるが、好ましくは前述したようなものが用いられる。
【0022】
希土類化合物は、還元及び還元後の非酸化性雰囲気下での加熱中、固体として存在し、還元によって生成したニッケル粒子同士の焼結や融着を防止する効果があり、該ニッケル粒子が粗大化するのを防止する。また希土類化合物は、そのニッケル表面に偏析するため、酸により溶解除去し、ニッケル粒子と分離することが可能である。
【0023】
希土類化合物の焼結あるいは、融着防止効果を有効に発揮させるためには希土類化合物粉末と、ニッケル化合物粉末とをよく混合し、希土類化合物粒子をニッケル化合物粒子中に充分均一に分散させることが重要である。そのため例えば、次のような方法が好ましく用いられる。
【0024】
水に不溶性の希土類化合物粉末(酸化物、水酸化物、炭酸塩など)と球状ニッケル、あるいは球状ニッケル化合物粉末を純水にリバルブし、撹拌混合するか、あるいはボールミル、ビーズミル中で粉砕混合する。あるいは、リパルブした希土類化合物粉末、および同じくニッケル化合物粉末をボールミル、ビーズミルなどを用いて別々に粉砕し、引き続き両者を軽く混合粉砕する。いずれにしても、この粉砕によって、球状ニッケル及び球状ニッケル化合物の球状性が破壊されないように注意深く粉砕条件は選択されなければならない。
【0025】
球状ニッケル、または球状ニッケル化合物粉末をボールミルあるいはビーズミルなどを用いて十分分散させた懸濁液に、希土類水溶液を添加した後、苛性アルカリまたは炭酸アルカリを添加し、希土類化合物の沈殿を生成させて混合する。
【0026】
球状ニッケルまたは球状ニッケル化合物粉末をボールミルあるいはビーズミルなどを用いて十分分散させた懸濁液に、苛性アルカリまたは炭酸アルカリを添加した後、希土類水溶液を添加し、希土類化合物の沈殿を生成させて混合する。
【0027】
球状ニッケルまたは球状ニッケル化合物粉末をボールミルあるいはビーズミルなどを用いて十分分散させた懸濁液に、希土類水溶液と、苛性アルカリまたは炭酸アルカリ水溶液とを同時に添加し、希土類化合物の沈殿を生成させて混合する。
【0028】
球状ニッケルまたは球状ニッケル化合物粉末をボールミルあるいはビーズミルなどを用いて十分分散させた懸濁液に、希土類水溶液を添加した後、スプレードライヤーで乾燥させて混合する。
【0029】
このようにして得られた湿式混合物を濾過、水洗し、乾燥粉砕などを適宜行い還元などの加熱処理に供する。
【0030】
還元処理
還元時の加熱温度は300℃〜1000℃が好ましい。加熱温度が300℃以下では、十分に還元が進まず未還元のニッケル化合物が残存する。また一方、加熱温度が1000℃を超えると、本来、六方晶であるニッケルの晶癖が支配的となり、球状性が著しく崩れる。また同時に、このような高温での水素ガス還元炉は、材質的にも構造的にも高価なものとならざるを得ず好ましくない。
【0031】
非酸化雰囲気下での加熱処理
そこで、最初の水素による還元は、比較的低温で長時間かけて十分に行ない、しかる後、N2などの非酸化性雰囲気下で高温で焼きしめ、結晶性を向上させることなどの対策を必要に応じて取ることが出来る。この場合、加熱温度は700℃〜1500℃が好ましい。加熱温度が700℃以下では、ニッケルの結晶性の向上が十分でなく、一方加熱温度が1500℃以上となると、ニッケル粉末粒子が液滴となり、また希土類化合物粒子が焼結や融着を起こすため、ニッケル粒子の粗大化が進行し、かつ球状性を維持することが困難となる。
【0032】
希土類化合物の分離、除去
こうして得られた加熱物は、必要に応じて酸洗し、そこに含まれる希土類化合物を溶解し、ニッケル粉末から分離、除去する。ここで使用する酸の種類使用量は、特に制限はないが、ニッケル粉末粒子自身の溶出を極力抑制するようにしなければならない。
【0033】
以下に前駆体の具体的な調製例を示すが、これら前駆体の調製は、調製例によって何ら限定されるものではない。
【0034】
前駆体の調製1
球状ニッケルの調製
ゼラチン20gに500mlの水を加え、60℃に加熱して溶解させた。この液に、市販の塩化ニッケル(NiCl・6HO)100gを400mlの水に予め溶解させた液を加え、全量を1000mlとし、よく攪拌混合し、ニッケルとして、0.42mol/Lの水溶液を調製した。この水溶液を80℃まで加熱し、市販のヒドラジン60g(ニッケル/ヒドラジン=1/3モル比)をすばやく添加し、さらに触媒として硝酸パラジウム(50g/Las Pd)水溶液を数滴加え、反応を開始させ80℃で2時間攪拌して、ニッケルのコロイド水溶液を得た。
【0035】
このようにして得られたニッケルコロイド水溶液650gにHLB値が15ノニオン系活面活性剤ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(花王(株)製レオドールTW−O120)5gを加え、50℃にて攪拌して、溶解させた。別に、非水媒体として、沸点が約280℃のスーパースクワラン(スクアテック(株)製スクワラン)350gにHLB値が4.3のノニオン系界面活性剤ソルビタンモノオレエート(花王(株)製レオドールSP−O10)10gを加え、80℃にて攪拌して、溶解させた。
【0036】
次に、界面活性剤を溶解させたニッケルコロイド水溶液と非水媒体とを混合し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて5000rpmで10分間攪拌し、W/O型のエマルジョンを調製した。
【0037】
温度50℃において、このエマルジョンを20〜30mmHgの減圧下に吸引して、水を蒸発させ、さらに、吸引を続けて、ニッケルの油中分離液を得た。この液を濾過し、ヘキサン、メタノール及び水の順序にて十分洗浄した後、温度100℃で2時間乾燥させて、 平均粒径0.55μmの球状のニッケル粉末を得た。
【0038】
このようにして得られた粒子は、X線回折の結果、金属ニッケルであることが確認された。このときのニッケル結晶子の大きさは223Å(オングストローム)であった。また、このようにして得られたニッケル粉末は、走査型電子顕微鏡写真によれば、球状かつよく分散していることが観察された。
【0039】
前駆体の調製2
球状ニッケル化合物の調製
市販の塩基性炭酸ニッケル(NiCO3・Ni(OH)2・4H2O、以下、同じ)141gと炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3)242gとを15%アンモニア水に加え、よく撹拌して、pHが9.5の塩基性炭酸ニッケルのアンモニア一炭酸水素アンモニウム水溶液(Niとして1.1モル/L濃度)を調製した。
【0040】
このようにして得られたニッケル塩の水溶液200gにHLB値15のノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(花王(株)製レオドールTW−0120)30gを加え、50℃にて撹拌して、溶解させた。別に、非水媒体として、沸点約280℃のスーパースクワラン(スクアッテク(株)製スクワラン)800gにHLB値4.3のノニオン系界面活性剤ソルビタンモノオレエート(花王(株)製レオドールSR−O10)50gを加え、80℃にて撹拌して、溶解させた。
【0041】
次に、上記界面活性剤を溶解させたニッケル塩水溶液と非水媒体とを混合し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて5000rpmで5分間撹拌し、これを2回繰り返して、W/O型のエマルジョンを調製した。
【0042】
温度50℃において、このエマルジョンを20〜30mmHgの減圧化に吸引して、アンモニアと炭酸ガスを主成分とする気化性成分を蒸発させて、エマルジョンの液滴中に塩基性炭酸ニッケルを沈殿させた。その後、更に、上記減圧下にエマルジョンを吸引し、水を主成分とする気化性成分を蒸発させて、エマルジョンの液敵中に生じた塩基性炭酸ニッケルの球状の粒子を油中乾燥した。
【0043】
この塩基性炭酸ニッケルの粒子を遠心分離し、ヘキサン、メタノール及び水の順序にて洗浄した後、温度100℃で2時間乾燥させて、平均粒径0.55μmの均一な塩基性炭酸ニッケルの球状粒子の粉末を得た。このようにして得られた塩基性炭酸ニッケル粒子は、走査型電子顕微鏡写真によれば、球状かつよく分散していることが観察された。
【0044】
前駆体の調製3
前駆体の調製2によって得られた塩基性炭酸ニッケルを、空気中、20℃/Hrの昇温速度で、500℃まで昇温し、500℃で3時間保持することによって熱分解し、平均粒径0.45μmの均一微細な球状の酸化ニッケル粒子粉末を得た。このようにして得られた酸化ニッケル粒子は、走査型電子顕微鏡写真によれば、球状かつよく分散していることが観察された。
【0045】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明について詳述するが本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
【0046】
実施例1
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸スカンジウム4水和物(Sc(NO3)3・4H2O)1.10gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してSc2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は895Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.48μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0047】
実施例2
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)0.85gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を5Wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は911Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.42μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0048】
実施例3
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸ランタン6水和物(La(NO3)3・6H2O)0.66gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してLa2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は917Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.72μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0049】
実施例4
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸セリウム6水和物(Ce(NO3)3・6H2O)0.66gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してCe2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は886Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.62μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0050】
実施例5
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸プラセオジウム6水和物(Pr(NO3)3・6H2O)0.66gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してPr2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は935Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.58μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0051】
実施例6
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸ネオジウム6水和物(Nd(NO3)3・6H2O)0.65gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してNd2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は899Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.60μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0052】
実施例7
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸サマリウム6水和物(Sm(NO3)3・6H2O)0.64gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してSm2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は910Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.56μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0053】
実施例8
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸ユーロピウム水和物(Eu(NO3)3・6H2O)0.63gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してEu2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は899Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.59μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0054】
実施例9
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸ガドリニウム6水和物(Gd(NO3)3・6H2O)0.62gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してGd2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は915Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.52μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0055】
実施例10
前駆体の調製3によって得た球状の球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸テルビウム6水和物(Tb(NO3)3・6H2O)0.62gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してTb2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は908Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.53μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0056】
実施例11
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸ジスプロシウム6水和物(Dy(NO3)3・6H2O)0.61gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してDy2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は889Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.49μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0057】
実施例12
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに塩化ホルミウム6水和物(HoCl3・6H2O)0.50gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してHo2O3を5Wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は903Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.55μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0058】
実施例13
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸エルビウム6水和物(Er(NO3)3・6H2O)0.60gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してEr2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は888Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.55μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0059】
実施例14
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸ツリウム4水和物(Tm(NO3)3・4H2O)0.55gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してTm2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は922Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.63μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0060】
実施例15
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸イッテルビウム4水和物(Yb(NO3)3・4H2O)0.55gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してYb2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は879Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.66μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0061】
実施例16
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸ルテチウム2水和物(Lu(NO3)3・2H2O)0.50gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してLu2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は900Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.58μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0062】
実施例17
前駆体の調製1によって得た球状ニッケル(Ni)5.0gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビー70gを加えて、遊星ミルで、100rpm、5分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、Niを全量回収したNiスラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)0.85gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を5wt%混合させたニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は955Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.35μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0063】
実施例18
前駆体の調製1によって得た球状ニッケル(Ni)5.0gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、100rpm、5分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、Niを全量回収したNiスラリーを得た。このスラリーに硝酸ユーロピウム6水和物(Eu(NO3)3・6H2O)0.63gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してEu2O3を5wt%混合させたニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は938Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.48μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0064】
実施例19
前駆体の調製1によって得た球状ニッケル(Ni)5.0gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、100rpm、5分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、Niを全量回収したNiスラリーを得た。このスラリーに硝酸ルテチウム2水和物(Lu(NO3)3・2H2O)0.50gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してLu2O3を5wt%混合させたニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は933Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.45μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0065】
実施例20
前駆体の調製2によって得た球状の塩基性炭酸ニッケル(以下NiBCと記す。43% as Ni)11.6gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、100rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiBCを全量回収したNiBCスラリーを得た。このスラリーに硝酸ネオジウム6水和物(Nd(NO3)3・6H2O)0.65gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してNd2O3を5wt%混合させたNiBC粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は822Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.53μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0066】
実施例21
前駆体の調製2によって得た球状の塩基性炭酸ニッケル(以下NiBCと記す。43% as Ni)11.6gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、100rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiBCを全量回収したNiBCスラリーを得た。このスラリーに硝酸ガドリニウム6水和物(Gd(NO3)3・6H2O)0.62gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してGd2O3を5wt%混合させたNiBC粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は911Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.63μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0067】
実施例22
前駆体の調製2によって得た球状の塩基性炭酸ニッケル(以下NiBCと記す。43% as Ni)11.6gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、100rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiBCを全量回収したNiBCスラリーを得た。このスラリーに硝酸イッテルビウム4水和物(Yb(NO3)3・4H2O)0.55gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してYb2O3を5wt%混合させたNiBC粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は890Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.59μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0068】
実施例23
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)0.51gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を3wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は916Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.63μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0069】
実施例24
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)1.70gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を10wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は890Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.38μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0070】
実施例25
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)3.40gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を20wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は900Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.38μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0071】
実施例26
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸ガドリニウム6水和物(Gd(NO3)3・6H2O)0.37gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してGd2O3を3wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は899Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.66μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0072】
実施例27
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸ガドリニウム6水和物(Gd(NO3)3・6H2O)1.24gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してGd2O3を10wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は921Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.41μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0073】
実施例28
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸ガドリニム6水和物(Gd(NO3)3・6H2O)2.48gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してGd2O3を20wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は907Å(オングストローム)であり、平均粒径は0 35μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0074】
実施例29
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)0.85gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中300℃、10時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は288Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.38μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0075】
実施例30
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)0.85gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中500℃、10時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は367Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.35μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0076】
実施例31
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)0.85gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中700℃、5時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は572Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.41μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0077】
実施例32
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)0.85gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中1000℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は955Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.45μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0078】
実施例33
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)0.85gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中300℃、10時間還元処理をした。還元後さらに、窒素気流中で700℃、5時間の加熱処理をした。その後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は773Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.40μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0079】
実施例34
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)0.85gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中300℃、10時間還元処理をした。還元後さらに、窒素気流中で900℃、3時間の加熱処理をした。その後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は913Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.40μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0080】
実施例35
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)0.85gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中300℃、10時間還元処理をした。還元後さらに、窒素気流中で1100℃、3時間の加熱処理をした。その後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は977Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.43μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0081】
実施例36
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)0.85gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中300℃、10時間還元処理をした。還元後さらに、窒素気流中で1500℃、3時間の加熱処理をした。その後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は993Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.48μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0082】
実施例37
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3)3.50gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、予め調製した硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)0.85gをイオン交換水25mlに溶解させた水溶液をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は898Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.51μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0083】
実施例38
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーこのスラリーを撹拌しながら氷冷し、予め調製した硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)0.85gをイオン交換水25mlに溶解させた水溶液と、2%NH3水溶液とを同時にゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。このとき、スラリーのpHが7〜8になるように2液の滴下スピードをコントロールした。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は915Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.39μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0084】
実施例39
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)0.85gを添加し、撹拌、溶解させた後、スプレードライヤーで乾燥し、、Niに対してY2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、大気中500℃、3時間の加熱処理をした後、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は922Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.35μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0085】
実施例40
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。別に、酸化イットリウム(Y2O3)0.25gとイオン交換水20mlに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、60分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOおよびY2O3を全量回収したそれぞれのスラリーを得た。こうして得られたスラリーを混合し、十分に撹拌した。次にこれらを濾過洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は907Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.43μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0086】
実施例41
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸イットリウム6水和物(Y(NO3)3・6H2O)0.85gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してY2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。次に、これらをメノウ乳鉢を用いて粉砕し、10%塩酸水溶液中に浸漬し30分間撹拌した後、濾過、水洗し乾燥した。この操作を2回繰り返してY2O3を除去した。このときY2O3はNiに対して0.11wt%であった。又、このようにして得られたニッケルの結晶子径は931Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.45μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0087】
実施例42
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸プラセオジウム6水和物(Pr(NO3)3・6H2O)0.66gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してPr2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。次に、これらをメノウ乳鉢を用いて粉砕し、10%塩酸水溶液中に浸漬し30分間撹拌した後、濾過、水洗し乾燥した。この操作を2回繰り返してPr2O3を除去した。このときPr2O3はNiに対して0.18wt%であった。又、このようにして得られたニッケルの結晶子径は928Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.42μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0088】
実施例43
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸テルビウム6水和物(Tb(NO3)3・6H2O)0.62gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してTb2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。次に、これらをメノウ乳鉢を用いて粉砕し、10%塩酸水溶液中に浸漬し30分間撹拌した後、濾過、水洗し乾燥した。この操作を2回繰り返してTb2O3を除去した。このときTb2O3はNiに対して0.28wt%であった。又、このようにして得られたニッケルの結晶子径は899Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.47μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0089】
実施例44
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)6.4gとイオン交換水20mLに1mmφジルコニアビーズ70gを加えて、遊星ミルで、200rpm、10分間粉砕処理をした。粉砕後、ジルコニアビーズを分離し、十分に洗浄して、NiOを全量回収したNiOスラリーを得た。このスラリーに硝酸エルビウム6水和物(Er(NO3)3・6H2O)0.60gを添加して撹拌、溶解させた。このスラリーを撹拌しながら氷冷し、2%NH3をゆっくり滴下し中和し、沈殿を生成させた。得られた沈殿を含む固形分を濾過、洗浄し、110℃で一晩乾燥することによって、Niに対してEr2O3を5wt%混合させた酸化ニッケル粉末を得た。更に、これら乾燥物をメノウ乳鉢を用いて粉砕し、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。次に、これらをメノウ乳鉢を用いて粉砕し、10%塩酸水溶液中に浸漬し30分間撹拌した後、濾過、水洗し乾燥した。この操作を2回繰り返してEr2O3を除去した。このときEr2O3はNiに対して0.35wt%であった。又、このようにして得られたニッケルの結晶子径は927Å(オングストローム)であり、平均粒径は0.58μmであった。又、走査型電子顕微鏡写真により粒子は球状かつ、よく分散していることが観察された。
【0090】
比較例1
前駆体の調製1によって得た球状ニッケル(Ni)を、希土類と混合をせずして、水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で、1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は985Å(オングストローム)であり、平均粒径は22 82μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真により粒子は非球状で融着、巨大化していることが観察された。
【0091】
比較例2
前駆体の調製2によって得た球状の塩基性炭酸ニッケル(以下NiBCと記す。43% as Ni)を、希土類との混合をせずして水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で、1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は995Å(オングストローム)であり、平均粒径は18.35μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真により粒子は非球状で融着、巨大化していることが観察された。
【0092】
比較例3
前駆体の調製3によって得た球状の酸化ニッケル(NiO)を、希土類との混合をせずして水素気流中900℃、3時間還元処理をした。還元後冷却し、5%O2/N2ガスを50℃で、1時間流通させ、還元したニッケルの安定化処理を行なった。このようにして得られたニッケルの結晶子径は983Å(オングストローム)であり、平均粒径は33.62μmであった。また、走査型電子顕微鏡写真により粒子は非球状で融着、巨大化していることが観察された。
【0093】
実施例1〜44、及び比較例1〜3で得られた結果をまとめて表1の1および表1の2に示す。表1の1および表1の2において、希土類の混合方法について、実施例1〜36、実施例41〜44及び比較例1〜3で示した方法を通常中和法、実施例37で示した方法を逆中和法、実施例38で示した方法を同時中和法、実施例39で示した方法をスプレードライヤー法、および実施例40で示した方法を粉体混合法とそれぞれ表示する。残存希土類については、実施例41−44は分析の結果をしましたが他の実施例については分析は実施していない。走査型電子顕微鏡写真による観察は、粒子が融着し、巨大化したものを×、粒子の球状が維持され融着が少なく、また分散の良好なものを△、粒子の球状性が維持され融着がなく、又分散にすぐれたものを○として、3段階で表示する。
【0094】
尚、平均粒径は堀場製作所製のレーザー回折式粒度分布測定装置LA−500を用いて測定した。結晶子径は理学電機製のX線回折装置RAD−IIC型を用いてScherrer法により求めた。走査型電子顕微鏡写真は日本電子製、JSM−840F型を用いて観察した。また、希土類の分析はICPを用いて行った。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例2において得られたニッケル粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】は、実施例9において得られたニッケル粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】は、実施例16において得られたニッケル粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】は、実施例18において得られたニッケル粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】は、実施例22において得られたニッケル粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】は、実施例39において得られたニッケル粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
Figure 0004341119
Figure 0004341119

Claims (11)

  1. 球状ニッケルまたは球状ニッケル化合物粉末の懸濁液に、希土類化合物を0.01〜30wt%と、苛性アルカリまたは炭酸アルカリとを添加して沈殿物を生成させる第1工程と、この工程で得られた沈殿物中のニッケルを水素雰囲気中で加熱還元、及びもしくは還元後さらに非酸化性雰囲気下で加熱する第2工程とからなる球状ニッケル粉末の製造方法。
  2. さらに、得られた混合物中の希土類化合物を酸洗・除去する第3工程を含む請求項1記載の球状ニッケル粉末の製造方法。
  3. 前記希土類化合物は、硝酸塩である請求項1または2に記載の球状ニッケル粉末の製造方法。
  4. 前記第1工程において、前記希土類化合物は、希土類水溶液として添加されるものであり、
    希土類水溶液を添加した後、苛性アルカリまたは炭酸アルカリを添加して前記沈殿を生成させ請求項1〜3のいずれか一項に記載の球状ニッケル粉末の製造方法。
  5. 前記第1工程において、前記希土類化合物は、希土類水溶液として添加されるものであり、
    苛性アルカリまたは炭酸アルカリを添加した後、希土類水溶液を添加して前記沈殿を生成させ請求項1〜3のいずれか一項に記載の球状ニッケル粉末の製造方法。
  6. 前記第1工程において、前記希土類化合物は、希土類水溶液として添加されるものであり、
    希土類水溶液と、苛性アルカリまたは炭酸アルカリ水溶液とを同時に添加して前記沈殿を生成させ請求項1〜3のいずれか一項に記載の球状ニッケル粉末の製造方法。
  7. 第2工程における加熱還元、300℃〜1000℃で行う請求項1〜6のいずれか一項に記載の球状ニッケル粉末の製造方法。
  8. 第2工程における非酸化性雰囲気下での加熱、700℃〜1500℃で行う請求項1〜7に記載の球状ニッケル粉末の製造方法。
  9. 希土類化合物が、Sc、YおよびLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luより選ばれた少なくとも1種以上である請求項1〜8のいずれか一項に記載の球状ニッケル粉末の製造方法。
  10. ニッケル化合物が、酸化ニッケル、炭酸ニッケルおよび水酸化ニッケルより選ばれた少なくとも1種以上である請求項1〜のいずれか一項に記載の球状ニッケル粉末の製造方法。
  11. 得られた球状ニッケル粉末が、平均粒径0.1〜10μmである請求項1〜10のいずれか一項に記載の球状ニッケル粉末の製造方法。
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