JP2007137759A - チタン酸バリウム微粒子粉末及び分散体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、凝集が抑制され、分散性に優れるとともにチタン酸バリウム微粒子粉末を得ることを目的とするとともに、経済的、且つ工業的に有利なチタン酸バリウム微粒子粉末の製造方法に関するものである。
【解決手段】 チタン酸バリウム微粒子であって、一次粒子の平均一次粒子径が10nm以上20nm未満であって球形度が1.00〜1.18であり、平均一次粒子径と平均二次粒子径との比が0.7〜6.0であるチタン酸バリウム微粒子粉末である。
【選択図】 なし
【解決手段】 チタン酸バリウム微粒子であって、一次粒子の平均一次粒子径が10nm以上20nm未満であって球形度が1.00〜1.18であり、平均一次粒子径と平均二次粒子径との比が0.7〜6.0であるチタン酸バリウム微粒子粉末である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、凝集が抑制され、分散性に優れたチタン酸バリウム微粒子粉末を得ることを目的とするものである。
近年、各種電子機器の小型化、高性能化及び軽量化に伴い、電子機器部品、例えば積層セラミックコンデンサなどの誘電材料に用いられるチタン酸バリウム粒子粉末についても特性改善が要求されている。
周知の通り、積層コンデンサには高い誘電率を有するペロブスカイト化合物のチタン酸バリウム粒子粉末が多用されており、積層コンデンサに用いられるチタン酸バリウム粒子粉末は、凝集がなく分散性に優れ、結晶性が高いことが強く要求されている。
殊に、正方晶のチタン酸バリウムは、強誘電体として用いられ、セラミックコンデンサ、ポジティブサーミスター、高周波振動子などの電子部品に用いられる
例えば、温度依存性の少ない積層コンデンサを作製するとき、チタン酸バリウム原料粉体の粒成長を抑制する場合がある。その際、高容量コンデンサを得るために、原料粉体の状態で正方晶である必要がある。
また、分散性に優れた粒子粉末とするためには、球状、殊に、可及的に真球状であることが望まれる。
また、近年、積層セラミックコンデンサの内部電極層を形成するための共材としてチタン酸バリウムが用いられている(特開2004−200450号公報など)。
チタン酸バリウム粒子粉末の製造法としては、チタン化合物とバリウム化合物を混合して1000℃以上の高温で焼成する固相反応及び溶液中でバリウムとチタンを反応させる湿式反応が知られている。
前記固相反応で得られるチタン酸バリウム粒子粉末は、平均粒子径が大きいので、焼成した粉末を粉砕して用いることから、粒度分布が悪く分散に適しているとは言い難いものであった。
一般に、正方晶のチタン酸バリウム粒子粉末を得るためには、「準安定な立方晶から安定な正方晶へ変わる温度は約800℃以上である」(BULLETIN OF THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN, Vol.47(5), 1168−1171(1974)なる記載の通り、高温で加熱処理して結晶化させる必要があった。
従来、チタン酸バリウム粒子粉末を固相反応によって製造する方法(特許文献1)、湿式反応によって製造する方法(特許文献2〜5)等の各方法が知られている。
前記諸特性を満たすチタン酸バリウム微粒子粉末は現在最も要求されているところであるが、未だ得られていない。
即ち、前出特許文献1には、混合された炭酸バリウムと酸化チタンを低酸素分圧で熱処理を行い、チタン酸バリウム粒子を得る方法が記載されているが、高温熱処理品は粒子形状が多角形であり、粒子間焼結が存在するため、必ずしも高分散性とは言い難いものである。
また、前出特許文献2には、水熱反応でチタン酸バリウム粒子粉末を製造することが記載されているが、結晶性及び一次粒子の凝集状態については考慮されておらず、分散性に優れるとは言い難いものである。
また、前出特許文献3には、一次粒子径と二次粒子径が同程度であるチタン酸バリウム粒子粉末が記載されているが、得られるチタン酸バリウム粒子粉末は立方晶であり、結晶性が高いとは言い難いものである。
また、前出特許文献4には、ブルーカイト型酸化チタンとバリウムを含むアルカリ性溶液を加熱処理してチタン酸バリウム微粉末合成を生成しているが、得られる粉末は立方晶系であり、結晶性が高いとは言い難いものである。
また、前出特許文献5には、水熱反応で立方晶チタン酸バリウム粒子粉末を製造した後、仮焼して正方晶系チタン酸バリウム粒子粉末を得ることが記載されているが、結晶化させるために仮焼温度を高くする必要があり、粒子間の焼結が起こり分散性に優れるとは言い難いものである。
そこで、本発明は、凝集がなく分散性に優れ、しかも誘電特性に優れている球状チタン酸バリウム微粒子粉末を経済的、且つ工業的に有利に製造することを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、一次粒子の平均一次粒子径が10以上20nm未満であって球形度が1.00〜1.18であり、平均一次粒子径と平均二次粒子径との比が0.7〜6.0であることを特徴とするチタン酸バリウム微粒子粉末である。
また、本発明は、前記チタン酸バリウム微粒子を分散体構成基材中に分散させた分散体である。
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末は、非常に微細な粒子でありながら、挙動粒子径も小さいものであり、容易に単分散することができるものである。
また、本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末を出発原料に用いることによって、微粒子でありながら高い結晶性を有するチタン酸バリウム粒子粉末を製造できることが期待できる。
本発明の構成を詳述すれば、次の通りである。
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末の平均一次粒子径(r1)は10nm以上20nm未満である。10nm未満のチタン酸バリウム微粒子粉末は現製法で工業的に製造することが困難である。好ましくは10.5〜19.5nmであり、より好ましくは10.5〜18.0nmである。
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末の球形度(長軸径/短軸径)は1.00〜1.18である。球形度が1.18を超える場合には球状とは言い難く、分散性が低下する。好ましくは1.00〜1.15、より好ましくは1.00〜1.10である。
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末の結晶性は、格子定数のa軸長(a)及びc軸長(c)を用いて格子定数比c/aで示した場合に、1.0000〜1.0025が好ましい。格子定数比c/aが1に近いほど結晶系が立方晶に近いことを示すものである。格子定数比c/aは1.0000〜1.0022であることがより好ましい。
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末の平均二次粒子径(D50)は14〜100nmが好ましい。平均二次粒子径が14nm未満のチタン酸バリウム微粒子粉末を工業的に得ることは困難である。100nmを越える場合には高分散とは言い難い。より好ましくは19〜80nm、更により好ましくは30〜70nmである。
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子の平均一次粒子径(r1)と平均二次粒子径(D50)との比(D50/r1)は0.7〜6.0である。二次粒子は一次粒子の凝集体であることから、一次粒子径と二次粒子径との比の下限値は理論的には1.0であるが、測定上の誤差及び精度を考慮すると0.7程度である。また、平均一次粒子径と平均二次粒子径との比(D50/r1)が6.0を超えると高分散とは言い難い。好ましくは1.0〜5.5、より好ましくは1.5〜5.0、更により好ましくは2.5〜5.0である。
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末のバリウムとチタンの組成比(Ba/Ti)は0.97〜1.01が好ましく、より好ましくは可及的に1.0に近いものであり、異相を含まないものである。Ba/Ti比が前記範囲外の場合には、目的とする高い誘電特性を有するチタン酸バリウム微粒子粉末を得ることが困難となる。更に好ましくは0.98〜1.00である。
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末の比表面積は10〜110m2/gが好ましい。10m2/g未満の場合には、粒子粉末が粗大となり、粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、バインダを混合する場合に、分散性が損なわれやすい。比表面積値が110m2/gを超えるチタン酸バリウム微粒子粉末を工業的に生産することは困難である。好ましくは40〜105m2/g、より好ましくは60〜100m2/gである。
次に、本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末の製造法について述べる。
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末は、過剰バリウム塩溶液にチタン化合物含有溶液を添加混合してpH調整し反応させるにあたり、原料の添加速度を調整することによって得ることができる。また、前記反応後のチタン酸バリウム粒子を含むアルカリ性懸濁液を1倍超えて10倍以下に濃縮した後、100〜250℃の温度範囲で水熱処理を行い、余剰成分を水洗して得ることができる。
バリウム塩水溶液としては、水酸化バリウム、塩化バリウム及び硝酸バリウム等を使用することができる。水酸化バリウム以外はアルカリ性水溶液により中和し塩基性として使用することが好ましい。
本発明におけるチタン化合物含有溶液は、チタン塩水溶液をアルカリ性水溶液で中和、或いは加水分解して得ることができるチタン酸塩であり、それらを熱処理して酸化チタンを溶媒に邂膠したものでも可能である。チタン塩水溶液としては、四塩化チタン、硫酸チタニル及びチタンアルコキシド等を使用することができる。
アルカリ性水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化バリウム、アンモニア水等を使用することができる。
アルカリ性水溶液の添加量は、前記チタンのモル数に対して0.1〜10が好ましい。
チタンとバリウムの仕込み組成(Ba/Ti)は、バリウムが過剰となるように混合するものであり、1.0〜4.0が好ましい。1.0未満の場合にはチタン酸バリウム核粒子の生成収率が低下し、4.0を越える場合には、過剰バリウムの水洗が困難となり、バリウムの回収、再利用を行わない限り、経済的且つ環境的に好ましくない。より好ましくは1.0〜3.0である。
原料となるチタン化合物含有溶液の添加速度は、通常0.1〜10L/min、好ましくは0.3〜8L/minである。なお、チタン化合物含有溶液の固形分濃度は2〜20wt%程度である。
チタン酸バリウム粒子生成させる反応溶液は、pHが9〜14が好ましく、好ましくは11〜13.5である。温度範囲は50〜95℃が好ましい。反応温度は、通常50〜95℃、好ましくは60〜85℃である。反応時間は、通常1〜4時間、好ましくは2〜3時間である。
チタン酸バリウム粒子生成させる反応溶液の反応濃度はチタン化合物換算で0.1〜0.7mol/Lが好ましい。0.1mol/L未満の場合、収率が低く工業的ではなく、0.7mol/L以上の場合、バリウム塩水溶液中のバリウムの溶解度が低いため、Ba(OH)2が析出し、均一な液相反応を行うことが困難である。より好ましくは0.3〜0.6mol/Lである。
反応中は窒素をフローさせて、バリウム化合物と空気中の炭酸ガス等とが反応しないようにする必要がある。
本発明において水熱処理する場合、前記チタン酸バリウム粒子粉末を含有するスラリーに対し濃縮処理を行うことが好ましい。濃縮処理では、1倍を超えて10倍以下となるように行う。1倍以下の場合には、濃縮した効果がない。10倍を超える場合には、濃縮及び水熱処理が困難である。好ましくは2.0〜5.0倍、より好ましくは2.0〜4.0倍である。
濃縮後の反応溶液の濃度は0.5〜1.5mol/Lが好ましく、より好ましくは0.6〜1.4mol/Lである。
次いで、前記チタン酸バリウム粒子を含む反応溶液を水熱処理する。水熱処理の反応温度は100〜250℃が好ましい。100℃未満の場合には、緻密な球状チタン酸バリウム粒子を得ることが困難となる。250℃を超える場合、水熱容器の設計が困難である。好ましくは105〜200℃、より好ましくは105〜120℃である。水熱処理の時間は、通常、1〜16時間、好ましくは2〜10時間である。
水熱処理後の粒子は、常法に従って水洗、乾燥する。水洗することによって、過剰のバリウムを洗い流すことができる。また、不純物であるNa、K、及びClなども同時に除去することができる。
また、本発明においては、粉砕・解砕処理を行ってもよい。
次に、本発明に係る分散体について述べる。
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子は、水又は有機溶剤などの溶媒中に分散させた分散体であってもよい。
前記分散体は、前記製造法において、水洗後の懸濁液をそのまま用いる方法、水洗、乾燥後のチタン酸バリウム微粒子を常法によって、溶媒中に分散させる方法などを用いて製造することができる。
分散体中のチタン酸バリウム微粒子の量は、分散体構成基材100重量部に対して、通常0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜40重量部である。
分散体構成基材としては、水及び/又は水溶性有機溶剤、または、有機溶剤の溶媒から成り、必要に応じて、分散剤、樹脂、消泡剤、体質顔料、乾燥促進剤、界面活性剤、硬化促進剤、助剤などが配合される。分散体構成基材中の分散剤、樹脂、消泡剤、体質顔料、乾燥促進剤、界面活性剤、硬化促進剤、助剤の量は、分散体の使用用途によって適宜選択されるが、通常50重量%以下である。
<作用>
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末においては、平均一次粒子径が10nm以上20nm未満と非常に微細であって、粒子形状が球状であり、一次粒子径と二次粒子径との比が特定範囲であることが重要な点である。
本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末においては、平均一次粒子径が10nm以上20nm未満と非常に微細であって、粒子形状が球状であり、一次粒子径と二次粒子径との比が特定範囲であることが重要な点である。
本発明に係るチタン酸バリウム粒子粉末は、一次粒子径に対し二次粒子径が特定範囲であるので、微粒子でありながら凝集の程度が小さく容易に単分散することができる。
従って、一次粒子が球状であって、しかも、凝集粒子がほとんど存在しないことによって、分散性に優れたチタン酸バリウム粒子粉末とすることができたものである。
従って、一次粒子が球状であって、しかも、凝集粒子がほとんど存在しないことによって、分散性に優れたチタン酸バリウム粒子粉末とすることができたものである。
また、本発明に係るチタン酸バリウム微粒子粉末は、球状であって分散性に優れているので、熱処理を行っても焼結が抑制されており、分散性に優れたチタン酸バリウム粒子粉末を得ることが期待できる。
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
本発明において、「一次粒子」とは電子顕微鏡等で観察可能な単独で存在することができる最小粒子を表し、「二次粒子」とは複数の一次粒子が凝集又は融着して形成された溶媒中での挙動する上での最小粒子を意味する。
粒子粉末の平均一次粒子径(r1)は、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所S−4300)によって観察した写真(倍率5万倍)について、約200個の粒子から粒子径を計測した。また、球形度は、前記電子顕微鏡写真から測定した粒子の長軸径/短軸径で示した。
結晶構造は、「X線回折装置 RADIIA」(理学電機工業(株)製)(管球:Cu)を使用し、2θが10〜86°の範囲で測定し、Rietveld解析を用いて格子定数比(c/a)を算出した。
平均二次粒子径(D50)は、チタン酸バリウム粒子粉末100mgをヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液(濃度0.2wt%)に分散させ、動的光散乱法(「NIKKISO MICROTRAC UPA150:日機装社製」)又はレーザー回折・散乱法(「NIKKISO MICROTRAC HRA、MODEL9320−X100:日機装社製」)を用いて、各粒子粉末の体積換算の粒度分布から平均二次粒子径D50を測定した。ここで、D50とは粒子粉末の全体積を100%とし、粒子径に対する累積割合を求めたときの累積割合が50%となる粒子径である。
Ba/Ti組成比は、「蛍光X線分析装置Simultix12」(理学電機(株)製)を使用して測定した。
比表面積値はBET法により測定した値で示した。
<チタン酸バリウム粒子粉末の製造>
実施例1
水酸化バリウム八水塩(関東化学(株)製、97%Ba(OH)2・8H2O試薬特級)1.12kgを水に溶解、精製したものを、塩化チタン水溶液688gに滴下・中和して水酸化チタンコロイドを得た。次に、水酸化バリウム八水塩1.28kgを水に溶解、精製したものを温度70℃、pH12.5で窒素雰囲気の反応容器中に保持した。次に、前記水酸化チタンコロイドを前記水酸化バリウム水溶液に2分間かけて投入した。該混合溶液を70℃で2時間かけてチタン酸バリウムを生成した(添加速度:1l/min)。室温まで冷却した後、ヌッチェで濾液にBaイオンが認められなくなるまで水洗し、濾過、乾燥を行ってチタン酸バリウム微粒子粉末を得た。
実施例1
水酸化バリウム八水塩(関東化学(株)製、97%Ba(OH)2・8H2O試薬特級)1.12kgを水に溶解、精製したものを、塩化チタン水溶液688gに滴下・中和して水酸化チタンコロイドを得た。次に、水酸化バリウム八水塩1.28kgを水に溶解、精製したものを温度70℃、pH12.5で窒素雰囲気の反応容器中に保持した。次に、前記水酸化チタンコロイドを前記水酸化バリウム水溶液に2分間かけて投入した。該混合溶液を70℃で2時間かけてチタン酸バリウムを生成した(添加速度:1l/min)。室温まで冷却した後、ヌッチェで濾液にBaイオンが認められなくなるまで水洗し、濾過、乾燥を行ってチタン酸バリウム微粒子粉末を得た。
得られたチタン酸バリウム粒子粉末は平均一次粒子径(r1)が14nmであって、球形度が1.09の球状粒子であり、Ba/Tiモル比が0.990、格子定数比c/aが1.0000であった。平均二次粒子径(D50)は60nmであり、一次粒子径と二次粒子径との比は4.26であった。
実施例2、3、5、6、比較例1〜2:
チタン塩化合物の種類及び添加量、バリウム塩の溶液の種類及び添加量、濃縮の程度、水熱処理の反応温度を種々変化させた以外は、前記実施例1と同様にしてチタン酸バリウム粒子粉末を得た。
チタン塩化合物の種類及び添加量、バリウム塩の溶液の種類及び添加量、濃縮の程度、水熱処理の反応温度を種々変化させた以外は、前記実施例1と同様にしてチタン酸バリウム粒子粉末を得た。
このときの製造条件を表1に、得られたチタン酸バリウム粒子粉末の諸特性を表2に示す。
実施例4:
実施例3で得られたチタン酸バリウム粒子含有アルカリ性懸濁液をチタン酸バリウム粒子の濃度で2.2倍となるように濃縮した。次いで、濃縮液(反応濃度:1.1mol/L)をオートクレーブに投入して、温度105℃で2時間水熱処理をした。室温まで冷却した後、ヌッチェで濾液にBaイオンが認められなくなるまで水洗し、濾過、乾燥を行って正方晶系のチタン酸バリウム微粒子を得た。
実施例3で得られたチタン酸バリウム粒子含有アルカリ性懸濁液をチタン酸バリウム粒子の濃度で2.2倍となるように濃縮した。次いで、濃縮液(反応濃度:1.1mol/L)をオートクレーブに投入して、温度105℃で2時間水熱処理をした。室温まで冷却した後、ヌッチェで濾液にBaイオンが認められなくなるまで水洗し、濾過、乾燥を行って正方晶系のチタン酸バリウム微粒子を得た。
得られた正方晶系のチタン酸バリウム粒子は平均一次粒子径(r1)が14nmであって、球形度が1.06の球状粒子であり、Ba/Tiモル比が0.993、格子定数比c/aが1.0021であった。平均二次粒子径(D50)は55nmであり、一次粒子径と二次粒子径との比は3.93であった。
実施例3は実施例4における水熱処理前の立方晶チタン酸バリウム粒子粉末である。
実施例7、8
まず、チタン塩化合物の種類及び添加量、バリウム塩の溶液の種類及び添加量、濃縮の程度、水熱処理の反応温度を種々変化させた以外は、前記実施例1と同様にしてチタン酸バリウム粒子粉末を得た。ついで、水熱処理前の濃縮割合、反応濃度、水熱温度及び水熱処理時間を種々変化させた以外は、実施例4と同様にして、チタン酸バリウム粒子粉末を得た。
まず、チタン塩化合物の種類及び添加量、バリウム塩の溶液の種類及び添加量、濃縮の程度、水熱処理の反応温度を種々変化させた以外は、前記実施例1と同様にしてチタン酸バリウム粒子粉末を得た。ついで、水熱処理前の濃縮割合、反応濃度、水熱温度及び水熱処理時間を種々変化させた以外は、実施例4と同様にして、チタン酸バリウム粒子粉末を得た。
比較例3:
原料のチタン酸バリウム粒子含有アルカリ性懸濁液として比較例1で得られたチタン酸バリウム粒子含有アルカリ性懸濁液を使用し、且つ、濃縮の程度、水熱処理の反応温度および時間を変えた以外は、実施例4と同様にしてチタン酸バリウム粒子を得た。このときの製造条件を表1に、得られたチタン酸バリウム粒子の諸特性を表2に示す。
原料のチタン酸バリウム粒子含有アルカリ性懸濁液として比較例1で得られたチタン酸バリウム粒子含有アルカリ性懸濁液を使用し、且つ、濃縮の程度、水熱処理の反応温度および時間を変えた以外は、実施例4と同様にしてチタン酸バリウム粒子を得た。このときの製造条件を表1に、得られたチタン酸バリウム粒子の諸特性を表2に示す。
比較例1は比較例3における水熱処理前の立方晶チタン酸バリウム粉末である。
表2に示すとおり、本発明に係るチタン酸バリウム粒子粉末は、平均一次粒子径と平均二次粒子径とが特定範囲であるので、凝集しておらず、分散性に優れていることが確認された。
本発明に係るチタン酸バリウム粒子粉末は、凝集が抑制され分散性に優れているので、各種誘電材料に好適に用いることができる。
Claims (2)
- チタン酸バリウム微粒子であって、一次粒子の平均一次粒子径が10以上20nm未満であって球形度が1.00〜1.18であり、平均一次粒子径と平均二次粒子径との比が0.7〜6.0であることを特徴とするチタン酸バリウム微粒子粉末。
- 請求項1記載のチタン酸バリウム微粒子を分散体構成基材中に分散させた分散体。
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