JP4020764B2 - 分散性に優れた金属超微粉スラリー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電ペーストフィラー又は積層セラミックコンデンサ内部電極用等に用いられる分散性に優れた金属超微粉スラリーに関する。
【0002】
【従来の技術】
積層セラミックコンデンサの内部電極に用いられるニッケル超微粉等の金属超微粉は、例えば平均粒子径が0.1〜1.0μmで粒子形状がほぼ球形の純度の高い金属粉であって、有機樹脂等のバインダを加えて、ペースト化される。ペーストは内部電極層を形成するためにスクリーン印刷等により、セラミックグリーンシート上に薄層に塗布される。ペーストが塗布されたセラミックグリーンシートを数百にも積層して積層体を形成する。この積層体は、脱脂工程、焼結工程、焼成工程を経て積層セラミックコンデンサとなる。ここで平均粒子径は個数基準分布の体面積平均径(d3)を示す。
【0003】
最近の積層セラミックコンデンサは小型で大容量化を達成させるために、内部電極層を伴ったセラミックグリーンシートの積層数を数百から1000層程度にまで増加させる必要がある。この技術を完成させるために、内部電極層の厚みを従来の3μmであるものから1.5μm以下にする必要がある。
【0004】
金属超微粉の分散性が悪く、塊状物等の凝集体が存在すると、セラミックシート層を突き抜けてしまい電極が短絡した不良品となり、またたとえ突き抜けない場合でも、電極間距離が短くなることで、部分的な電流集中が発生し、積層コンデンサの寿命劣化原因となる。
【0005】
図2に従来の金属超微粉ペーストの製造工程20を示した。
【0006】
従来の化学気相法による金属超微粉の製造工程では、精製のための湿式洗浄工程後に水スラリーからの乾燥工程を経て乾燥粉とし、不可避的に凝集粒子が生成する。そのため、図2に示すペーストの製造工程20の有機溶媒への分散処理が不十分になる。このために、ボールミル、超音波分散、ロールミルなどの数種類の分散処理25を組み合わせて実施している。しかし、乾燥工程を経た金属超微粉は分散処理25の工程でも凝集しやすく分散性に劣る。従来の乾燥粉からの分散処理では金属超微粉含有量が50質量%程度のペーストを得るのが限界であった。
【0007】
金属粉精製工程21で金属超微粉の原料である金属塩化物の残留分を除去して精製し、金属水スラリーを得る。この金属水スラリーは金属粉乾燥工程22で乾燥され、金属超微粉製品、すなわち、乾燥粉23となる。この乾燥工程22で、液体架橋による力および粒子間に作用するファンデルワールス力に原因する乾燥凝集により凝集粒子が生成する。なお、次の乾燥粉を有機溶媒に分散する工程24でも凝集が起こる。乾燥工程22では金属超微粉表面に金属水酸化物が生成され、それが原因で金属超微粉は有機溶媒に対して十分な濡れ性(親油性)が得られない。よって乾燥粉を有機溶媒に分散する工程24では、有機溶媒に濡れにくい金属超微粉同士による凝集が起こる。
【0008】
乾燥粉23がユーザに納入される。ユーザで、乾燥粉23はまず有機溶媒に分散24され、最終的に粘度調整27を経てペーストとなる。上記乾燥工程22で発生した凝集粒子および有機溶媒に分散する工程24で生じた凝集粒子を破壊するためには、さらに、ボールミル処理、超音波処理、ロールミル処理等を組み合わせた分散処理25、およびろ過処理26等の工程での複雑な処理を要し、多大の手間と時間を要する。従って、金属超微粉の乾燥製品23は凝集粒子のない、分散性のよいものが要求されているが、従来、そのような要求を満足する金属スラリーは存在しなかった。
【0009】
さらに、作業者の安全衛生上の問題点として、ユーザに納入された乾燥粉23を梱包から取り出して上記のような複雑な処理をするために、大気中で取り扱う際に、金属粉塵を吸い込むおそれがあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、金属超微粉粒子の凝集を防止し、凝集粒子のない分散性に優れた導電ペースト用金属原料を提供することを目的とする。本発明の別の課題は導電ペースト作製工程における省力化を図ることであり、処理工程の一部を削除し、処理時間の短縮を図ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、有機溶媒と、親水基と親油基を有する界面活性剤を含有する金属超微粉スラリーであって、60質量%超え、95質量%未満の金属超微粉を含み、前記界面活性剤の親水基がスルホ基、スルホニルジオキシ基、硫酸塩、ポリオキシエチレン基とカルボキシル基またはポリオキシエチレン基とリン酸基のいずれか一種以上であり、前記界面活性剤の親油基が炭素数が12以上のアルキル基またはアルキルフェニル基のいずれか一種以上であって、前記界面活性剤は、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸、カルボキシル化ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸及びアルキルベンゼンスルホン酸から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする分散性に優れた金属超微粉スラリーである。
【0012】
この金属超微粉スラリーは導電ペースト用金属原料として好ましく、積層セラミックコンデンサ内部電極等に用いられる。本発明において金属超微粉とは、平均粒子径が0.1〜1.0μmで粒子形状がほぼ球形の純度の高い金属粉が適切な材料であり、化学的気相反応、すなわち、塩化金属を気化後H2などで還元して、金属粉を得る方法で製造することが好ましい。
【0013】
従来、金属超微粉と有機溶媒と界面活性剤とから成るスラリーはペースト製造工程中に中間品として存在するが、金属超微粉の含有量は50質量%程度以下を含むものであった。これは、さらに多量の金属超微粉含有量を有するスラリーが望ましいが、金属超微粉を多量に含有するようにすると、複雑な分散処理を行っても、スラリー中における金属超微粉の凝集物を破壊し、分散性を確保することが困難であった。このような凝集を生じたスラリーを導電ペースト用金属原料に用いて、セラミックコンデンサの製造に供すると、セラミックコンデンサの適切な性能を得ることが困難になるからである。
【0014】
金属超微粉を60質量%超え、95質量%未満含有し、分散性に優れた金属スラリーは、従来、得ることが困難であり、本発明において初めて実現したものである。金属超微粉を凝集させることなく、有機溶媒中に実質的に超微粉末の一次粒子を分散させる。
【0015】
金属超微粉の含有量の調整は、有機溶媒の添加量を調整して行う。金属超微粉含有量が95質量%を超える場合に添加する有機溶媒量では、有機溶媒が金属超微粉の周りに吸着して、有機溶媒層を形成するには不十分な量であり、局所的に金属超微粉粒子の凝集体が生成してしまい、分散性が劣化する。
【0016】
内部電極層の材料である金属超微粉の粒度分布は出来る限り小さいことが望まれる。前記した金属超微粉スラリー中の金属超微粉の粒度分布はD90で代表した場合にその値が、1.2μm未満であると、分散性がよく、緻密で平滑な電極膜が形成されるため、優れたセラミックコンデンサが得られることを見出した。ここに、D90とは金属超微粉の有機溶媒スラリーをレーザー粒度分析計を用いて、粒度分布を測定したものを、個数基準で表された粒度分布における90%の粒子径に規定される。レーザー粒度分析計は有機溶媒中の金属粒子の分散状態を評価するのに一般に用いられている。
【0017】
本発明において、前記界面活性剤は、金属超微粉に対し0.05質量%超え、2質量%未満とすればよい。前記界面活性剤の役割は、水スラリー中の金属超微粉粒子表面全体に吸着し、親油性の官能基が外側に向いたかたちで界面活性剤吸着層を金属粉表面に形成させる。親油性の官能基の作用で、水中の余属超微粉を有機溶媒中に移行させて溶媒置換を可能にすることである。さらに、有機溶媒中での金属超微粉の分散性を良好にすることである。
【0018】
従って、前記界面活性剤の含有量は、水スラリー中の金属超微粉粒子表面全体へ均一に吸着される量が適正量である。界面活性剤は金属超微粉に対し0.05質量%未満の含有量では、金属超微粉粒子表面全体へ十分に吸着されず、有機溶媒中への置換が不十分となってしまうので0.05質量%超が好ましい。一方、2質量%以上ではと金属超微粉粒子表面全体へ均一に吸着される量を十分超えているため、含有量が増加したことによる効果が小さく経済的でないので2質量%未満とするのがよい。
【0019】
前記界面活性剤の親水基は、スルホ基、スルホニルジオキシ基、ポリオキシエチレン基とカルボキシル基、又は、ポリオキシエチレン基とリン酸基のいずれか一種以上であり、前記界面活性剤の親油基は炭素数が12以上のアルキル基またはアルキルフェニル基の一種以上である。より具体的には、前記界面活性剤が、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸、カルボキシル化ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、及びアルキルベンゼンスルホン酸からなる群から選ばれる1種または2種以上である。さらにポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸を用いた場合にポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを添加すると、相乗効果により分散性の向上や溶媒置換効果が容易になる。
【0020】
前記界面活性剤の種類としては、水中に存在する金属超微粉に吸着するための親水基として、スルホ基、スルホニルジオキシ基の場合、ポリオキシエチレン基とカルボキシル基が同時に存在する場合、またはポリオキシエチレン基とリン酸基が同時に存在する場合に効果が認められる。さらに吸着した金属超微粉を有機溶媒へ置換させるための親油基として、炭素数が12以上のアルキル基、又はアルキルフェニル基に効果が認められた。さらに親油基として炭素数が12以上のアルキル基、又はアルキルフェニル基を含むものが、有機溶媒中での金属超微粉の分散性を良好にする効果が認められた。
【0021】
本発明において、有機溶媒としては特に限定しないが、通常、導電ペースト用溶剤として用いられるテルペンアルコール系、グリコール系、カルビトール系、脂肪族炭化水素系などの溶剤が好ましい。
【0022】
本発明において、前記金属超微粉としては、ニッケル、銅、銀、モリブデン、タングステン、コバルト、タンタルから選ばれる1種でもよく、また、前記金属超微粉がニッケルに、V、Cr、Nb、Mo、Ta、W、Zr、Y、La、Mg、Ti、Ba及びCaから成る群から選ばれた1又は2以上の元素を含有する合金粉末でもよく、前記金属超微粉が銅に、V、Cr、Nb、Mo、Ta、W、Zr、Y、La、Mg、Ti、Ba及びCaから成る群から選ばれた1または2以上の元素を含有する合金粉末であってもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の分散性に優れた金属超微粉スラリーを得る工程を例示したフロー図である。金属超微粉精製工程(金属水スラリー)11は、図2に示す従来技術の金属超微粉精製工程21と同様である。
【0024】
本発明のスラリー製造工程10では、金属粉乾燥工程(図2の22)を設けることなく、有機溶媒置換工程12にはいる。この工程では、金属水スラリーの水を有機溶媒と直接置換する。まず金属超微粉水スラリー(50%質量濃度)を、プロセスホモジナイザー等を用いた混合撹拌処理を実施する。これは、水中における金属超微粉の凝集体を一次粒子にまで分散させるためである。
【0025】
次いで、界面活性剤を金属超微粉質量に対して0.5質量%、有機溶媒としてターピネオールを金属超微粉質量に対して10質量%、それぞれ添加する。添加された混合溶液を、温度15℃±5℃で所定時間、プロセスホモジナイザー等で混合処理を実施する。すると金属超微粉の表面に吸着させた界面活性剤にターピネオールが吸着されることでターピネオール層が形成され、金属超微粉の周りにある水がターピネオールに置換される。
【0026】
金属超微粉を含むターピネオール層が連続相になると溶媒置換が完了する。そして金属超微粉とターピネオールと界面活性剤とから成る、金属超微粉のターピネオールスラリーが、水中に沈殿物となる。置換された水は上澄み液として分離され、上澄み液の排水により金属超微粉含有量が90質量%の金属超微粉ターピネオールスラリー(金属超微粉有機溶媒スラリー13)が得られる。
【0027】
この金属超微粉有機溶媒スラリー13は、乾燥工程を経ていないので、従来技術とは異なり、凝集粒子を含まない。添加する有機溶媒量を調整することで、金属超微粉の含有量も60質量%超え、95質量%未満のものを容易に得ることができる。この金属超微粉有機溶媒スラリー13はこの状態で導電ペースト用金属原料となる。ユーザーでの導電ペースト作製工程では、粘度調整14で必要量のバインダー樹脂溶液を添加することで導電ペーストが得られる。したがって、従来のような複雑な分散処理、ろ過処理等の処理を省略することができる。一般にバインダー樹脂としては、エチルセルロースが用いられる。
【0028】
本発明により導電ペースト原料が従来用いられた乾燥粉23から金属超微粉有機溶媒スラリー13となるため、乾燥粉による粉塵発生がなくなることで作業環境を改善できる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
化学的気相反応によって製造された、平均粒子径が0.4μmで、粒子形状がほぼ球形の純度の高いニッケル超微粉水スラリー(50質量%濃度)を10リットル用意する。これはニッケル超微粉精製工程11終了後のものである。次にニッケル超微粉水スラリーを、プロセスホモジナイザー(エスエムテー製)を用いた混合撹拌による予備処理を翼回転数8000rpmで30分間実施した。
【0030】
次いで、この予備処理された水スラリーに界面活性剤として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(親油基の炭素数12、日光ケミカルズ社製RLM−45)をニッケル超微粉質量に対して0.5質量%、有機溶媒としてターピネオール(ヤスハラケミカル社製)をニッケル超微粉質量に対して10質量%、それぞれ添加した。添加された混合溶液を、温度15℃±5℃で、プロセスホモジナイザー(エスエムテー製)を用いて翼回転数3000rpmで30分間混合処理を実施した。ニッケル超微粉の周りにある水がターピネオールに置換されて、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーが、水中に沈殿物として得られた。
【0031】
分離された上澄み液を排水して、ニッケル超微粉とターピネオールと界面活性剤とから成るニッケル超微粉含有量が90質量%のニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0032】
得られたニッケル超微粉のターピネオールスラリーをレーザー粒度分析計を用いて、下記に示す条件で粒度分布を測定して分散性を評価した。
【0033】
測定装置:レーザー粒度分析計(島津製作所製SALD−2100型)
測定条件:
試料質量:30.00〜36.00mg
分散溶液:ターピネオール100ml
予備分散処理:超音波ホモジナイザー(日本精機製作所製US−600型)
予備分散時間:5分間
予備分散を実施した溶液を所定の吸光度になるまで分析計内に添加する。
【0034】
分散性は、粒度分布のD90(90%径)で評価した。D90が小さいほど分散性が優れていることになる。
【0035】
分散性の評価基準
D90:2.0μm以上…××
1.5μm以上2.0μm未満…×
1.2μm以上1.5μm未満…△
1.2μm未満・・・・…○
溶媒置換性は以下の基準で評価した。
【0036】
完全に置換・・・・・・・・・・・・…○
置換不十分(上澄み液中にニッケル粉が浮遊)…△
置換不完全(ニッケル有機溶媒スラリーが形成されない)…×
(実施例2)
界面活性剤として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(親油基のアルキル基の炭素数12;日光ケミカルズ社製RLM−45)をニッケル超微粉質量に対して0.1質量%にした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0037】
(実施例3)
界面活性剤として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(親油基のアルキル基の炭素数12;日光ケミカルズ社製RLM−45)をニッケル超微粉質量に対して1.0質量%にした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0038】
(実施例4)
界面活性剤として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(親油基のアルキル基の炭素数12;日光ケミカルズ社製RLM−45)をニッケル超微粉質量に対して2.0質量%にした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0039】
(実施例5)
界面活性剤として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(親油基のアルキル基の炭素数12;日光ケミカルズ社製RLM−45)をニッケル超微粉質量に対して0.04質量%にした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0040】
(実施例6)
界面活性剤として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸(親油基のアルキル基の炭素数12;日光ケミカルズ社製RLM−45)をニッケル超微粉質量に対して0.01質量%にした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0041】
(実施例7)
ターピネオールの添加量をニッケル超微粉質量に対して25質量%にし、最終的に得られるニッケル超微粉のターピネオールスラリー中のニッケル超微粉含有量を80質量%にした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0042】
(実施例8)
ターピネオールの添加量をニッケル超微粉質量に対して6質量%にして、最終的に得られるニッケル超微粉のターピネオールスラリー中のニッケル超微粉含有量を94質量%にした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0043】
(実施例9)
ターピネオールの添加量をニッケル超微粉質量に対して42質量%にして、最終的に得られるニッケル超微粉のターピネオールスラリー中のニッケル超微粉含有量を70質量%にした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0044】
(実施例10)
ターピネオールの添加量をニッケル超微粉質量に対して65質量%にして、最終的に得られるニッケル超微粉のターピネオールスラリー中のニッケル超微粉含有量を61質量%にした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0045】
(実施例11)
界面活性剤として、カルボキシル化ポリオキシエチレンアルキルエーテル、(親油基のアルキル基の炭素数13;日光ケミカルズ社製ECT−7)にした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0046】
実施例12
界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸(親油基がアルキルフェニル基;日光ケミカルズ社製DNPP−4)にした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0047】
(実施例13
界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸(親油基がアルキルフェニル基;日光ケミカルズ社製DNPP−4)をニッケル超微粉に対して0.4質量%とポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(親油基がアルキルフェニル基;日光ケミカルズ社製NP−7.5)をニッケル超微粉質量に対して0.1質量%を混合添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0048】
(実施例14
有機溶媒として、エチレングリコールにした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のエチレングリコールスラリーを得た。
【0049】
(実施例15
有機溶媒として、エチルカルビトールにした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のエチルカルビトールスラリーを得た。
【0050】
(実施例16
有機溶媒として、脂肪族炭化水素のノルマルドデカン(n−C1227)にした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のノルマルドデカンスラリーを得た。
【0051】
(実施例17
界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ラィオン(株)製ラィポンLH−200)をニッケル超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0052】
(実施例18
金属超微粉として銅超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)を銅超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、銅超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0053】
(実施例19
金属超微粉として銀超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)を銀超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、銀超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0054】
(実施例20
金属超微粉としてモリブデン超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をモリブデン超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、モリブデン超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0055】
(実施例21
金属超微粉としてタングステン超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をタングステン超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、タングステン超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0056】
(実施例22
金属超微粉としてコバルト超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をコバルト超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、コバルト超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0057】
(実施例23
金属超微粉としてタンタル超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をタンタル超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、タンタル超微粉の夕一ピネオールスラリーを得た。
【0058】
(実施例24
金属超微粉としてニッケル−バナジウム合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をニッケル−バナジウム合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル−バナジウム合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0059】
(実施例25
金属超微粉としてニッケル−クロム合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をニッケル−クロム合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル−クロム合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0060】
(実施例26
金属超微粉としてニッケル−ニオブ合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をニッケル−ニオブ合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル−ニオブ合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0061】
(実施例27
金属超微粉としてニッケル−モリブデン合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をニッケル−モリブデン合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル−モリブデン合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0062】
(実施例28
金属超微粉としてニッケル−タンタル合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をニッケル−タンタル合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル−タンタル合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0063】
(実施例29
金属超微粉としてニッケル−タングステン合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をニッケル−タングステン合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル−タングステン合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0064】
(実施例30
金属超微粉としてニッケル−ジルコニウム合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をニッケル−ジルコニウム合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル−ジルコニウム合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0065】
(実施例31
金属超微粉としてニッケル−イットリウム合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をニッケル−イットリウム合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル−イットリウム合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0066】
(実施例32
金属超微粉としてニッケル−ランタン合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をニッケル−ランタン合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル−ランタン合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0067】
(実施例33
金属超微粉としてニッケル−マグネシウム合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をニッケル−マグネシウム合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル−マグネシウム合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0068】
(実施例34
金属超微粉としてニッケル−チタン合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をニッケル−チタン合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル−チタン合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0069】
(実施例35
金属超微粉としてニッケル−バリウム合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をニッケル−バリウム合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル−バリウム合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0070】
(実施例36
金属超微粉としてニッケル−カルシウム合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をニッケル−カルシウム合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル−カルシウム合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0071】
(実施例37
金属超微粉としてニッケル−タングステン−カルシウム合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホ.ン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をニッケル−タングステン−カルシウム合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル−タングステン−カルシウム合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0072】
(実施例38
金属超微粉としてニッケル−マグネシウム−ジルコニウム合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をニッケル−マグネシウム−ジルコニウム合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にしてニッケル−マグネシウム−ジルコニウム合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0073】
(実施例39
金属超微粉としてニッケル−モリブデン−マンガン合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)をニッケル−モリブデン−マンガン合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、ニッケル−モリブデン−マンガン合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0074】
(実施例40
金属超微粉として銅−バナジウム合金超微粉を用い、界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)を銅−バナジウム合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、銅−バナジウム合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0075】
(実施例41
金属超微紛に銅−クロム合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)を銅−クロム合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、銅−クロム合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0076】
(実施例42
金属超微粉として銅−ニオブ合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)を銅−ニオブ合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、銅−ニオブ合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0077】
(実施例43
金属超微粉として銅−モリブデン合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン駿て親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)を銅−モリブデン合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、銅−モリブデン合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0078】
(実施例44
金属超微粉として銅−タンタル合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)を銅−タンタル合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、銅−タンタル合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0079】
(実施例45
金属超微粉として銅−タングステン合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)を銅−タングステン合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、銅−タングステン合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0080】
(実施例46
金属超微粉として銅−ジルコニウム合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)を銅−ジルコニウム合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0081】
(実施例47
金属超微粉として銅−イットリウム合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)を銅−イットリウム合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、銅−イットリウム合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0082】
(実施例48
金属超微粉として銅−ランタン合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)を銅−ランタン合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0083】
(実施例49
金属超微粉として銅−マグネシウム合金超微粉を用い、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸(親油基のアルキル基の炭素数12〜15;ライオン(株)製ライポンLH−200)を銅−マグネシウム合金超微粉質量に対して0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、銅−マグネシウム合金超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0084】
(比較例1)
従来技術のペースト中間品作製工程と同じ工程(図2の符号21、22、23、24)を経てニッケル超微粉のターピネオールスラリーを作製した。化学的気相反応によって製造された、平均粒子径が0.4μmで、粒子形状がほぼ球形の純度の高いニッケル超微粉製品(乾燥粉)1000g、ターピネオール(ヤスハラケミカル社製)をニッケル超微粉質量に対して100質量%添加してニッケル超微粉含有量が50質量%になるようにした。次いで、界面活性剤をNi超微粉質量に対して0.5質量%添加した。この混合物をケーキミキサーで1時間分散処理を行い、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。これは図2の有機溶媒に分散する工程24終了時に相当する。
【0085】
(比較例2)
ターピネオール(ヤスハラケミカル社製)の添加量を3質量%にして、ニッケル超微粉含有量を97質量%にした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0086】
(比較例3)
界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(親油基のアルキル基の炭素数10;花王社製エマルゲン707)にした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0087】
(比較例4)
界面活性剤として、ソルビタン脂肪酸エステル(親水基がソルビタン基;花王社製レオドールSP−030)にした以外は実施例1と同様にして、ニッケル超微粉のターピネオールスラリーを得た。
【0088】
上記の個々の結果を表1〜表5にまとめた。
【0089】
導電性ペーストとしての分散性と導電性ペースト作製工程での省力化を確認するために、本発明で得られた金属超微粉スラリーを原料として導電ペーストを作製した。
【0090】
(本発明例1)
実施例1のニッケル超微粉含有量が90質量%のニッケル超微粉のターピネオールスラリー100質量部に、ターピネオールに12質量%のエチルセルロースを含有させたバインダー樹脂溶液10質量部を添加し、撹拌機で30分間混合し、ニッケル粉が約80質量%になるように粘度調整を行い導電ペーストを得た。
【0091】
(本発明例2)
実施例17のニッケル超微粉含有量が90質量%のニッケル超微粉のターピネオールスラリーを原料として用い、他の条件は上記本発明例1と同様にして導電ペーストを得た。
【0092】
(本発明例3)
実施例19の銅超微粉含有量が90質量%の銅超微粉のターピネオールスラリーを原料として用い、他の条件は上記本発明例1と同様にして導電ペーストを得た。
【0093】
従来技術として、比較例1のニッケル超微粉含有量が50質量%のニッケル超微粉のターピネオールスラリー100質量部に、ターピネオールに12質量%のエチルセルロースを含有させたバインダー樹脂溶液10質量部を添加し、撹拌機で1時間分散処理を行った後、3本ロールミルを5回パスさせたものをカートリッジフィルター式加圧ろ過装置でろ過処理を行った後、ニッケル粉が約45質量%になるように粘度調整を行い導電ペーストを得た。
【0094】
分散性の評価は、得られた導電ペーストを乾燥膜厚が1〜2μmになるように、手刷り式スクリーン印刷でガラス板上に塗布した後、乾燥炉で乾燥させて得られた乾燥塗膜表面に現われる突起物を計数した。評価面積が1cm×lcm四方に存在する突起物数で評価した。突起物数が少ないほど分散性が優れている。上記で得られた導電ペーストの組成および分散性評価結果の比較を表6に示した。
【0095】
表1〜表5に示すように、本発明の金属超微粉スラリーは、金属含有量が高く、分散性に富むことが明白である。表3から、本発明の金属超微粉スラリーを原料として導電ペーストを作製した場合、工程の省力化が可能で、金属含有量が高く、分散性が優れた導電ペーストが得られることが明白である。
【0096】
【表1】
Figure 0004020764
【0097】
【表2】
Figure 0004020764
【0098】
【表3】
Figure 0004020764
【0099】
【表4】
Figure 0004020764
【0100】
【表5】
Figure 0004020764
【0101】
【表6】
Figure 0004020764
【0102】
【発明の効果】
本発明によれば、凝集粒子がなく、金属超微粉の含有量が著しく高い、分散性の優れた導電ペースト用金属超微粉有機溶媒スラリーが提供される。この金属超微粉有機溶媒スラリーは、従来の導電ペースト作製工程が省力化され、処理工程の一部を不要とし、処理時間の短縮を図ることができるという効果を奏する。さらに乾燥粉による粉塵を吸い込むおそれのある作業がなくなるので、作業環境性にも優れており、安全衛生上の価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術の製造工程を示すフローシートである。
【図2】 実施例の製造工程を示すフローシートである。
【符号の説明】
10 本発明の金属超微紛スラリーの製造工程
11 金属超微粉精製工程(金属水スラリー)
12 有機溶媒置換工程
13 金属超微粉有機溶媒スラリー
14 粘度調整
20 従来の金属超微粉ペーストの製造工程
21 金属超微粉精製工程(金属水スラリー)
22 金属超微粉乾燥工程
23 金属超微粉製品(乾燥粉)
24 有機溶媒に分散
25 分散処理
26 濾過処理
27 粘度調整

Claims (6)

  1. 有機溶媒と、親水基と親油基を有する界面活性剤を含有する金属超微粉スラリーであって、60質量%超え、95質量%未満の金属超微粉を含み前記界面活性剤の親水基がスルホ基、スルホニルジオキシ基、ポリオキシエチレン基とカルボキシル基またはポリオキシエチレン基とリン酸基であり、親油基が炭素数が12以上のアルキル基またはアルキルフェニル基であって、前記界面活性剤は、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸、カルボキシル化ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸及びアルキルベンゼンスルホン酸から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする分散性に優れた金属超微粉スラリー。
  2. 前記した金属超微粉スラリー中の金属超微粉の粒度分布D90の値が、1.2μm未満であることを特徴とする請求項1記載の分散性に優れた金属超微粉スラリー。
  3. 前記界面活性剤は、金属超微粉に対して0.05質量%超え、2質量%未満であることを特徴とする請求項1又は2記載の分散性に優れた金属超微粉スラリー。
  4. 前記金属超微粉がニッケル、銅、銀、モリブデン、タングステン、コバルト、タンタルから選ばれる1種である請求項1〜3のいずれかに記載の分散性に優れた金属超微粉スラリー。
  5. 前記金属超微粉がニッケルに、V、Cr、Nb、Mo、Ta、W、Zr、Y、La、Mg、Ti、Ba及びCaから成る群から選ばれた1又は2以上の元素を含有する合金粉末であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分散性に優れた金属超微粉スラリー。
  6. 前記金属超微粉が銅に、V、Cr、Nb、Mo、Ta、W、Zr、Y、La、Mg、Ti、Ba及びCaから成る群から選ばれた1または2以上の元素を含有する合金粉末であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の分散性に優れた金属超微粉スラリー。
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