JP2000306568A - 多孔質フィルム及びそれを用いた電池用セパレータ - Google Patents

多孔質フィルム及びそれを用いた電池用セパレータ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池組立が容易でしかも耐熱性及び安全性に
優れた電池セパレータ用多孔質フィルムを提供する。 【解決手段】 多数の貫通微細孔を有するポリイミド多
孔質フィルムであって、空孔率30〜85%、平均孔径
0.01〜5μm、最大孔径10μm以下、膜厚5〜1
00μm、透気度30秒/100cc〜2000秒/1
00cc、耐熱温度200℃以上、105℃で8時間熱
処理した際の熱収縮率が±1%以下であるポリイミド多
孔質フィルムに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用セパレータ
や電解コンデンサ用隔膜等として有用な多孔質フィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電池用セパレータや電解コンデン
サ用隔膜等としてポリオレフィン系多孔質フィルムが使
用されている。特に、近年技術の高度化に伴い、リチウ
ム電池等においては高精度、高機能のセパレータが要求
されるようになってきた。
【0003】電池を例にとってみると、近年高エネルギ
ー密度、高起電力、自己放電の少ないリチウム電池のよ
うな非水電解液電池、特にリチウム二次電池が開発、実
用化されている。リチウム電池の負極としては例えば金
属リチウム、リチウムと他の金属との合金、カーボンや
グラファイト等のリチウムイオンを吸着する能力又はイ
ンターカレーションにより吸蔵する能力を有する炭素材
料、リチウムイオンをドーピングした導電性高分子材料
等が知られており、また正極としては例えば(CFxn
で示されるフッ化黒鉛、MnO2、V25、CuO、A
2CrO4、TiO2、LiCoO4、LiMn24等の
金属酸化物や硫化物、塩化物が知られている。
【0004】また、非水電解液として、エチレンカーボ
ネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクト
ン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、テト
ラヒドロフラン等の有機溶媒にLiPF6、LiBF4
LiClO4、LiCF3SO3等の電解質を溶解したも
のが使用されている。このようなリチウム二次電池の構
成材料であるセパレータの役割は、正負両極の短絡を防
止するとともに電池反応を阻害しないことにあり、前記
有機電解液に対する耐薬品性の観点から以下のようなポ
リオレフィン系多孔膜が使用されている。
【0005】ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可
塑性樹脂の単層の多孔質フィルム(特公昭46−401
19号公報、特公昭55−32531号公報、特公昭5
9−37292号公報、特海昭60−23954号公
報、特開平2−75151号公報、米国特許第3679
538号明細書等)。 分子量の異なるポリエチレン混合物やポリエチレンと
ポリプロピレンの混合物を素材とした多孔質フィルム
(特開平2−21559号公報、特開平5−33130
6号公報)。 支持体に熱可塑性樹脂や不織布を用いた多孔質フィル
ム(特開平3−245457号公報、特開平1−258
358号公報等)。 材質の異なる熱可塑性樹脂の多孔質膜が複数枚積層さ
れた積層多孔質フィルム(特開昭62−10857号公
報、特開昭63−308866号公報、特開平2−77
108号公報、特開平5−13062号公報、特公平3
−65776号公報、特開平6−55629号公報、特
開平6−20671号公報、特開平7−307146号
公報)。上記多孔質フィルムは、一般に未延伸のフィル
ムを延伸により多孔化する延伸法や、抽出可能な充填
剤、可塑剤等を配合した未延伸フィルムから溶媒で充填
剤、可塑剤を抽出して多孔化し、必要に応じて抽出前或
いは抽出後に1軸または2軸延伸を施す抽出法で製造さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】リチウム二次電池の組
立工程においては、正極シート、負極シート及びセパレ
ーターを金属製の卷回ピンを用いて渦巻状に卷回する。
この正極及び負極シート表面には、しばしば数μm程度
の凹凸が存在するため、多孔質フィルムを電池用セパレ
ータとしてリチウム電池に組込むと、極板表面の凹凸に
よってフィルムが損傷されるという不具合が生じる場合
がある。セパレータの損傷は、電池の短絡を引き起す原
因となるため、フィルム強度の向上が重要な課題となっ
ている。
【0007】リチウム二次電池に組込まれるセパレータ
の役割の一つは、異常時に孔閉塞して電流を遮断し、電
池の発熱、発火を防ぐヒューズ機能である。ところが、
近年、大型リチウム二次電池或いはマンガン系の正極部
材を構成材料として含む一部のリチウム二次電池におい
ては、孔閉塞して電流遮断するよりもむしろ高温域にお
いても正負両極を短絡させない高い耐熱性を有するセパ
レータが求められる場合がある。このような場合、ポリ
オレフィンを素材としたセパレータでは、高分子量化或
いは架橋といった処理を施しても、耐熱性は十分とはい
えず未だ改良の余地がある。
【0008】さらに、製造工程において二軸延伸が施さ
れるセパレータには、幅方向に大きな熱収縮性を有する
という問題点があった。セパレータが、温度上昇ととも
にフィルムの幅方向に熱収縮すると幅方向の寸法が小さ
くなり、幅方向端部の電極が露出して短絡を引き起すこ
とが懸念されている。また、ゲル状高分子を構成材料と
して含むリチウム二次電池の電解質支持体にセパレータ
を用いる場合やセパレータへの機能付与を目的とした種
々の化学修飾を行う場合にもセパレータの幅方向のみな
らず機械方向も含めた熱収縮率が小さいことが好ましい
ことは容易に類推できる。
【0009】従来より、耐熱性、耐薬品性、機械的強度
に優れた高性能のガス分離膜としては、芳香族ポリアミ
ド、ポリイミド−アミド、芳香族ポリイミドなどの分離
膜が知られている。このようなガス分離膜は、例えば、
芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの
重合反応によって得られたポリアミック酸の溶液を液状
の薄膜に流延し、該薄膜を非溶媒中でイミド化しながら
析出して、芳香族ポリイミドのガス分離膜を製造する方
法(特開昭49−45152号公報)によって製造され
る。また、テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン
との重縮合反応で得られたポリアミック酸の溶液を調製
し、そのポリアミック酸の溶液で液状の薄膜を形成し、
その薄膜を非溶媒中で析出し、最後にそのポリアミック
酸の半透膜を製造する方法、ポリアミック酸の溶液で薄
膜を形成しながら一部イミド化を進めて、その薄膜を非
溶媒中で析出し、最後にそのポリアミック酸−イミドの
半透膜を加熱してイミド化を完結させてポリイミドの半
透膜を製造する方法、さらに、ポリアミック酸の液状の
薄膜を、イミド化剤含有非溶媒中で、イミド化しながら
析出し、得られたイミド膜を加熱する方法などが知られ
ている。溶媒中に溶解したポリアミック酸をフィルム状
に流延した後、非溶媒と接触させてポリアミック酸の相
分離析出を誘起する方法が知られている。
【0010】これらの製造法によるガス分離膜は、非溶
媒と接触する少なくとも一方の面に緻密層が形成され、
且つフィルム内部に数μm〜数十μmの孔が存在した不
均一構造を有する多孔質膜となる。フィルム表面に形成
された緻密層はガスの分離能を発現するが、このような
ガス分離膜を電池用セパレータとして用いた場合には、
該緻密層が電池の充放電を阻害する障壁となる。さらに
ガス分離膜のフィルム内部に存在する孔構造は、フィル
ムの断面方向に貫通するというよりもむしろ独立気泡に
なっている場合が多く、電池用セパレータに要求される
透気性という観点からも問題がある。
【0011】リチウム二次電池では、リチウムイオンが
セパレータを介して正負両極間を移動することによって
充放電が行われるため、リチウムイオンが円滑に移動で
きるフィルムの断面方向に貫通し且つ表面に緻密層の存
在しない多孔質構造が必要となる。本発明の目的は、耐
熱性、耐薬品性及び機械的強度に優れるポリイミドを用
いて、フィルム断面方向に貫通孔を有し且つ表面に緻密
層の存在しない多孔質フィルムを得ることで、電池組立
が容易でしかも耐熱性及び安全性に優れた電池セパレー
タ用多孔質フィルムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、ポリイミド前駆体溶液を溶媒置換速度調整材を
介して凝固溶媒に接触させることで、フィルム断面方向
に貫通孔を有し且つ表面に緻密層の存在しないポリイミ
ド多孔質フィルムが得られることを見出した。すなわち
本発明は、多数の貫通微細孔を有するポリイミド多孔質
フィルムであって、空孔率30〜85%、平均孔径0.
01〜5μm、最大孔径10μm以下、膜厚5〜100
μm、透気度30秒/100cc〜2000秒/100
cc、耐熱温度200℃以上、105℃で8時間熱処理
した際の熱収縮率が±1%以下であることを特徴とする
ポリイミド多孔質フィルムに関する。また、本発明は、
ポリイミド前駆体0.3〜60重量%と溶媒99.7〜
40重量%からなる溶液を調製し、前記溶液をフィルム
状に流延し、溶媒置換速度調整材を介して凝固溶媒に接
触させることによってポリイミド前駆体を析出、多孔質
化した後、該ポリイミド前駆体多孔質フィルムを熱処理
或いは化学処理することを特徴とするポリイミド多孔質
フィルムの製造方法に関する。本発明のポリイミド多孔
質フィルムの製造法では、溶媒置換速度調整材として、
フィルム状に流延したポリイミド前駆体溶液の少なくと
も片面に、透気性を有する不織布或いは多孔膜を積層す
ることを特徴とする。本発明のポリイミド多孔質フィル
ムの製造法では、凝固溶媒として、ポリイミド前駆体の
非溶媒またはポリイミド前駆体の溶媒0.1〜50重量
%と非溶媒99.9〜50重量%からなる混合溶媒を用
いることを特徴とする。また、本発明は該ポリイミド多
孔質フィルムを少なくとも構成要素として必ず含む単層
または複層多孔質フィルムに関する。さらに、本発明
は、前記単層または複層多孔質フィルムからなる電池用
セパレータに関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のポリイミド前駆体とは、
テトラカルボン酸成分とジアミン成分の好ましくは芳香
族化合物に属するモノマーを重合して得られたポリアミ
ック酸或いはその部分的にイミド化したものであり、熱
処理或いは化学処理することで閉環してポリイミド樹脂
とすることができる。ポリイミド樹脂とは、後述のイミ
ド化率が約50%以上の耐熱性ポリマーである。
【0014】ポリイミド前駆体の溶媒として用いる有機
溶媒は、パラクロロフェノール、N−メチル−2−ピロ
リドン(NMP)、ピリジン、N,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、テトラメチル尿素、フェノール、クレゾール
などが挙げられる。
【0015】テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成
分は、上記の有機溶媒中に大略等モル溶解、重合して、
対数粘度(30℃、濃度;0.5g/100mL NM
P)が0.3以上、特に0.5〜7であるポリイミド前
駆体が製造される。また、重合を約80℃以上の温度で
行った場合に、部分的に閉環してイミド化したポリイミ
ド前駆体が製造される。
【0016】芳香族ジアミンとしては、例えば、下記一
般式(1)又は(2)
【0017】
【化1】
【0018】(ただし、前記一般式において、R1また
はR2は、水素、低級アルキル、低級アルコキシなどの
置換基であり、Aは、O、S、CO、SO2、SO、C
2、C(CH32などの二価の基である。)で示され
る芳香族ジアミン化合物が好ましい。なお、一般式
(1)における2つのR1は同一でも異なっていてもよ
く、同様に一般式(2)における2つのR2は同一でも
異なっていてもよい。
【0019】具体的な化合物としては、4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル(以下、DADEと略記するこ
ともある)、3,3’−ジメチル −4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル、3,3’−ジエトキシ −4,
4’−ジアミノジフェニルエーテルなどが挙げられる。
また、前記以外の芳香族ジアミンとしては、例えば下記
一般式(3)
【0020】
【化2】
【0021】で示されるジアミノピリジン化合物であっ
てもよく、具体的には、2,6−ジアミノピリジン、
3,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジ
ン、3,4−ジアミノピリジンなどが挙げられる。
【0022】ビフェニルテトラカルボン酸成分として
は、3,3’,4,4’− ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(以下、s−BPDAと略記することもあ
る)、2,3,3’,4’− ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物(以下、a−BPDAと略記することもあ
る)が好ましいが、2,3,3’,4’− 又は3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、あるい
は2,3,3’,4’− 又は3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸の塩またはそれらのエステル
化誘導体であってもよい。ビフェニルテトラカルボン酸
成分は、上記の各ビフェニルテトラカルボン酸類の混合
物であってもよい。
【0023】また、上記のビフェニルテトラカルボン酸
成分は、前述のビフェニルテトラカルボン酸類のほか
に、テトラカルボン酸として、ピロメリット酸、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸,
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン,ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン,
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル,ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエーテル,ブタ
ンテトラカルボン酸,あるいはそれらの酸無水物、塩ま
たはエステル化誘導体などのテトラカルボン酸類を、全
テトラカルボン酸成分に対して10モル%以下、特に5
モル%以下の割合で含有してもよい。
【0024】重合されたポリイミド前駆体は、前記有機
溶媒に0.3〜60重量%、好ましくは1%〜30重量
%の割合で溶解してポリイミド前駆体溶液に調製される
(重合溶液をそのまま用いても良い)。ポリイミド前駆
体の割合が0.3重量%より小さいと多孔質膜を作製し
た際のフィルム強度が低下するので適当でなく、60重
量%より大きいと多孔質膜のイオン透過性が低下するた
め、上記範囲の割合が好適である。また、調製されたポ
リイミド前駆体溶液の溶液粘度は10〜10000ポイ
ズ、好ましくは40〜3000ポイズである。溶液粘度
が10ポイズより小さいと多孔質膜を作製した際のフィ
ルム強度が低下するので適当でなく、10000ポイズ
より大きいとフィルム状に流延することが困難となるの
で、上記範囲が好適である。
【0025】本発明の多孔質フィルムには、電池用セパ
レータとしての特性を損わない範囲において、界面活性
剤、難燃剤、着色剤、或いはガラス繊維、ケイ素系繊維
等の補強材が含まれても良い。これらの添加剤及び補強
材は上記ポリイミド前駆体溶液に適宜配合することがで
きる。
【0026】ポリイミド前駆体溶液は、フィルム状に流
延された後、少なくとも片面に溶媒置換速度調整材を配
した積層フィルムとされる。ポリイミド前駆体溶液の流
延積層フィルムを得る方法としては特に制限はないが、
該ポリイミド前駆体溶液を基台となるガラス等の板上或
いは可動式のベルト上に流延した後、流延物表面を溶媒
置換速度調整材で覆う方法、該ポリイミド前駆体溶液を
スプレー法或いはドクターブレード法を用いて溶媒置換
速度調整材上に薄くコーティングする方法、該ポリイミ
ド前駆体溶液をTダイから押出して溶媒置換速度調整材
間に挟み込み、両面に溶媒置換速度調整材を配した3層
積層フィルムを得る方法などの手法を用いることができ
る。
【0027】溶媒置換速度調整材としては、前記多層フ
ィルムを凝固溶媒と接触させてポリイミド前駆体を析出
させる際に、ポリイミド前駆体の溶媒及び凝固溶媒が適
切な速度で透過する事が出来る程度の透過性を有するも
のが好ましい。溶媒置換速度調整材の膜厚は5〜500
μm、好ましくは10〜100μmであり、フィルム断
面方向に貫通した0.01〜10μm、好ましくは0.
03〜1μmの孔が十分な密度で分散しているものが好
適である。溶媒置換速度調整材の膜厚が上記範囲より小
さいと溶媒置換速度が速すぎる為に析出したポリイミド
前駆体表面に緻密層が形成されるだけでなく凝固溶媒と
接触させる際にシワが発生する場合があるので適当でな
く、上記範囲より大きいと溶媒置換速度が遅くなる為に
ポリイミド前駆体内部に形成される孔構造が不均一とな
る。
【0028】溶媒置換速度調整材としては、具体的に
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、セルロース、テフロンなどを材料とした不織布或い
は多孔膜などが用いられ、特にポリオレフィン製の微多
孔質膜を用いた際に、製造されたポリイミド多孔質フィ
ルム表面の平滑性に優れるので好適である。
【0029】複層化されたポリイミド前駆体流延物は、
溶媒置換速度調整材を介して凝固溶媒と接触させること
でポリイミド前駆体の析出、多孔質化を行う。ポリイミ
ド前駆体の凝固溶媒としては、エタノール、メタノール
等のアルコール類、アセトン、水等のポリイミド前駆体
の非溶媒またはこれら非溶媒99.9〜50重量%と前
記ポリイミド前駆体の溶媒0.1〜50重量%との混合
溶媒を用いることができる。非溶媒及び溶媒の組合わせ
には特に制限はないが、凝固溶媒に非溶媒と溶媒からな
る混合溶媒を用いた場合に析出したポリイミド前駆体の
多孔質構造が均一となるので好適である。
【0030】多孔質化されたポリイミド前駆体フィルム
は、ついで熱処理或いは化学処理が施される。ポリイミ
ド前駆体フィルムの熱処理は、溶媒置換速度調整材を取
り除いたポリイミド前駆体多孔質フィルムをピン、チャ
ック或いはピンチロール等を用いて熱収縮が生じないよ
うに固定し、大気中にて280〜500℃で5〜60分
間行われる。
【0031】ポリイミド前駆体多孔質フィルムの化学処
理は、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物を脱水剤として
用い、トリエチルアミン等の第三級アミンを触媒として
行われる。また、特開平4−339835号公報のよう
に、イミダール、ベンズイミダゾール、もしくはそれら
の置換誘導体を用いても良い。
【0032】ポリイミド前駆体多孔質フィルムの化学処
理は、ポリイミド多孔質フィルムを複層構成で製造する
場合に好適に用いられる。複層ポリイミド多孔質フィル
ムは、例えば溶媒置換速度調整材として用いるポリオレ
フィン微多孔膜表面をポリイミド多孔質層との界面接着
性を改良するためにプラズマ、電子線或いは化学処理し
た後、ポリイミド前駆体溶液流延物と複層化し、凝固溶
媒との接触によってポリイミド前駆体溶液流延物を析
出、多孔質化し、次いで化学処理を行うことで製造する
ことができる。複層ポリイミド多孔質フィルムの化学処
理は、積層する溶媒置換速度調整材の融点或いは耐熱温
度以下の温度範囲で行われることが好ましい。
【0033】熱処理或いは化学処理したポリイミド多孔
質フィルムのイミド化率は、50%以上、好ましくは7
5%以上である。イミド化率が50%より小さいと、多
孔質フィルムをセパレータとして用いた際に、電池内で
脱水による水分を発生させる可能性があるため適当でな
い。
【0034】イミド化率は赤外吸収スペクトルを用いる
方法(ATR法)により、740cm-1或いは1780
cm-1のイミド基の特性吸収と、内部標準としてのフェ
ニル基の1510cm-1の吸収との吸光度比を計算によ
り求め、別に求めたイミド化率100%のポリイミドフ
ィルムにおける対応する吸光度比との比率として百分率
(%)の単位にて示した。
【0035】このようにして製造されるポリイミド多孔
質フィルムは、前記製造条件の選択によっても多少異な
るが、空孔率30〜85%、好ましくは40〜70%、
平均孔径0.01〜5μm、好ましくは0.05〜1μ
mで最大孔径10μm以下である。空孔率が低すぎると
電池用セパレータとして使用したときの機能が十分でな
く、また大きすぎると機械的強度が悪くなる。また、平
均孔径が小さすぎると、電池用セパレータとして使用し
たときイオンの移動性が悪くなり、平均孔径が大きすぎ
るとイオンの移動性が大きすぎるので不適当である。ま
た、該ポリイミド多孔質フィルムは単層或いは複層のい
ずれの構成であってもよく、フィルム全体の膜厚が5〜
100μm、透気度30秒/100cc〜2000秒/
100ccに調製され、ポリイミド多孔質層の耐熱温度
は200℃以上、また、105℃で8時間熱処理した際
の熱収縮率は±1%以下である。ポリイミド多孔質層の
耐熱温度は200℃以上であればよく、上限温度につい
ては特に限定されないが、通常500℃以下のポリイミ
ド多孔質層が好適に使用される。なお、熱収縮率は、後
記実施例1記載の方法により求めた。
【0036】次に実施例及び比較例を示し、本発明の多
孔質フィルムについて更に詳細に説明するが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて、本発明
を具体的に説明する。 実施例1 テトラカルボン酸成分としてs−BPDAを、ジアミン
成分としてDADEを用い、s−BPDAに対するDA
DEのモル比が0.994で且つ該モノマー成分の合計
重量が20重量%になるようにNMPに溶解し、40
℃、6時間重合を行ってポリイミド前駆体を得た。ポリ
イミド前駆体溶液の溶液粘度は500ポイズであった。
【0037】得られたポリイミド前駆体溶液を、ガラス
板上に厚みが約150μmになるように流延し、溶媒置
換速度調整材として透気度550秒/100ccのポリ
オレフィン製微多孔膜(宇部興産(株)製;UP−30
25)でシワの生じないように表面を覆った。該積層物
をメタノール中に5分間浸漬し、溶媒置換速度調整材を
介して溶媒置換を行うことでポリイミド前駆体の析出、
多孔質化を行った。
【0038】析出したポリイミド前駆体多孔質フィルム
を水中に15分間浸漬した後、ガラス板及び溶媒置換速
度調整材から剥離し、ピンテンターに固定した状態で、
大気中にて300℃、10分間熱処理を行った。ポリイ
ミド多孔質フィルムのイミド化率は80%であり、フィ
ルム断面方向に貫通孔を有していた。
【0039】得られたポリイミド多孔質フィルムの膜
厚、透気度、空孔率、平均孔径、突刺強度、熱収縮率の
測定結果を表1に、後述の手法で測定した電気抵抗の温
度依存性を図1に示す。電気抵抗は、200℃近傍の温
度領域で非水電解液の枯渇に伴う僅かな増加を示すが、
測定前後の多孔質フィルムの構造観察からも形状及び構
造変化が生じていなかった。図2及び図3に得られたポ
リイミド多孔膜フィルムのガラス面側と溶媒置換速度調
整材面側の表面構造の電子顕微鏡写真(3000倍)を
示す。また、図4に得られたポリイミド多孔膜フィルム
の断面構造の電子顕微鏡写真(1500倍)を示す。上
記評価の方法は以下に従って行った 透気度 JIS P8117に準じて測定した。測定装置として
B型ガーレーデンソメーター(東洋精機社製)を使用し
た。試料片を直径28.6mm、面積645mm2の円
孔に締付ける。内筒重量567gにより、筒内の空気を
試験円孔部から筒外へ通過させる。空気100ccが通
過する時間を測定し、透気度(ガーレー値)とした。 空孔率 所定の大きさに切取った多孔質フィルムの膜厚及び重量
を測定し、目付重量から空孔率を次の式(1)によって
求めた。式(1)のSは多孔質フィルムの面積、dは膜
厚、wは測定した重量、Dはポリイミドの密度を意味
し、ポリイミドの密度は1.34とした。、 式(1) 空孔率=S×d×D/w×100 平均孔径 多孔質フィルム表面の走査型電子顕微鏡写真より、50
点以上の開孔部について孔面積を測定し、該孔面積の平
均値から式(2)に従って孔形状が真円であるとした際
の平均直径を計算より求めた。式(2)のSaは孔面積
の平均値を意味する。 式(2) 平均孔径=2×(Sa/π)1/2 突刺強度 試料を直径11.28mm、面積1cm2の円孔ホルダ
ーに固定し、先端形状が0.5R、直径1mmφのニー
ドルを2mm/secの速度で下降させ突刺し、貫通荷
重を測定した。 熱収縮率 所定の長さに目盛りを記した試料を、無拘束状態で10
5℃に設定したオーブン中で8時間静置し、取出した後
の寸法を測定した。熱収縮率は次の式(3)に従う。式
(3)のL1はオーブンから取出した後のフィルム寸法
を意味し、L0は初期のフィルム寸法を意味する。 式(3) 熱収縮率=L1/L0×100 電気抵抗の温度依存性 自製の電気抵抗測定用セル(図5)を用いて、電気抵抗
の温度依存性を測定した。多孔質フィルムは、ジメトキ
シエタン/プロピレンカーボネートの1:1(vol/
vol)混合液に過塩素酸リチウムを溶解して1M/L
に調製した非水電解液に浸して脱気し、該非水電解液を
微多孔中に含ませた。この試料(セパレータ)8を二つ
のニッケル製電極3,4間に挟み込み、測定用セル内に
セットして、オーブン中で室温から2℃/minの速度
で昇温を行った。電極間の電気抵抗は日置電気(株)製
3520 LCR HiTESTERを用いて測定し
た。なお、図5中、縦断面図における4個所の締め付け
部のうち便宜上1個所のみを示した。図6に得られたポ
リイミド多孔膜フィルムについて電気抵抗の温度依存性
を測定した後の多孔膜フィルムの断面構造の電子顕微鏡
写真(1500倍)を示す。
【0040】実施例2 流延するポリイミド前駆体溶液の濃度を15重量%とし
た以外は実施例1と同様にしてポリイミド多孔質フィル
ムを得た。得られた多孔質フィルムの膜厚、透気度、空
孔率、平均孔径、突刺強度の測定結果を表2に示す。図
7に得られたポリイミド多孔膜フィルムの表面構造の電
子顕微鏡写真(5000倍)を示す。
【0041】実施例3 流延するポリイミド前駆体溶液の濃度を15重量%、凝
固溶媒にアセトンを用いた以外は実施例1と同様にして
ポリイミド多孔質フィルムを得た。得られた多孔質フィ
ルムの膜厚、透気度、空孔率、平均孔径、突刺強度の測
定結果を表2に示す。図8に得られたポリイミド多孔膜
フィルムの表面構造の電子顕微鏡写真(5000倍)を
示す。
【0042】実施例4 テトラカルボン酸成分としてs−BPDAを、ジアミン
成分としてDADEを用い、DADEに対するs−BP
DAのモル比が0.994で且つ該モノマー成分の合計
重量が5重量%になるようにパラクロロフェノールに混
合し、200℃で攪拌しながら10時間重合を行って、
部分的に閉環してイミド化したポリイミド前駆体溶液を
得た。ポリイミド前駆体溶液の溶液粘℃は800ポイズ
であった。
【0043】得られたポリイミド前駆体溶液を、ガラス
板状に厚みが300μmになるように流延し、溶媒置換
速度調製材として透気度550秒/100ccの実施例
1で使用したものと同じポリオレフィン微多孔膜(宇部
興産(株)製)でシワの生じないように流延された溶液
の表面を覆った。該積層物をアセトン中に20分間浸漬
し、溶媒置換速度調整材を介して溶媒置換を行うことで
ポリイミド前駆体の析出、多孔質化を行った。
【0044】析出したポリイミド前駆体多孔質フィルム
を40℃のメタノール中に1時間浸漬し、ガラス板及び
溶媒置換速度制御材から剥離した。剥離したフィルムを
50℃のヘキサン中に25分間浸漬した後、ピンテンタ
ーに固定した状態で、大気中にて300℃、20分間の
熱処理を行った。ポリイミド多孔質フィルムのイミド化
率は80%であり、フィルム断面方向に貫通孔を有して
いた。図9に得られたポリイミド多孔膜フィルムの表面
構造の電子顕微鏡写真(5000倍)を示す。また、図
10に得られたポリイミド多孔膜フィルムの断面構造の
電子顕微鏡写真(750倍)を示す。
【0045】比較例1 吐出幅400mm、吐出リップ開度2mmのTダイを使
用し、密度0.964、メルトインデックス0.33、
融点132℃の高密度ポリエチレン(三井化学株式会社
製 ハイゼックス5202B)を、163℃で溶融押出
した。吐出フィルムは、125℃の冷却ロールに導か
れ、25度の冷風が吹きつけられて冷却された後、10
m/minで引取られた。
【0046】この未延伸ポリエチレンフィルムは、引取
り方向を固定された状態で、125℃に保持した熱風循
環オーブン中で150秒間熱処理された。次いで熱処理
されたフィルムは、35℃に保持されたニップロール間
で50%低温延伸された。ニップロール間の長さは35
0mm、供給側のロール速度は1.2m/minであっ
た。
【0047】引続き80℃に加熱された熱風循環オーブ
ン中でロール周速差を利用して総延伸量200%まで高
温延伸された後、108℃に加熱されたロールで25%
緩和させて28秒間熱固定され、ポリエチレン多孔質フ
ィルムを得た。得られた多孔質フィルムの膜厚、透気
度、空孔率、平均孔径、突刺強度、熱収縮率の測定結果
を表1に、電気抵抗の温度依存性を図1に示す。電気抵
抗は、120℃近傍の温度領域で多孔質フィルムの孔閉
塞に伴う急激な増加を示した後、溶融、破膜した。
【0048】比較例2 実施例1において、溶媒置換速度調整材を使用しないで
凝固溶媒との接触を行った以外は同様にしてポリイミド
多孔質フィルムを得た。得られた多孔質フィルムは、凝
固溶媒との接触面及びガラス面の両平面に緻密層を有
し、フィルム内部には断面方向に貫通していない独立気
泡状の孔構造が観察された。図11に得られたポリイミ
ド多孔膜フィルムの断面構造の電子顕微鏡写真(700
倍)を示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明によると、溶媒置換速度調整材の
使用及び製膜条件の制御により、耐熱性、耐薬品性及び
機械的強度に優れるポリイミドを用いたフィルム断面方
向に貫通孔を有し且つ表面に緻密層の存在しない多孔質
フィルムを製造することが可能となった。このポリイミ
ド多孔質フィルムを使用することで、電池組立が容易で
しかも耐熱性及び安全性に優れた電池セパレータ用多孔
質フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1及び比較例1の多孔質フィルムにつ
いて測定した電気抵抗の温度依存性を示す図である。
【図2】 実施例1の多孔質フィルムのガラス面側の表
面構造を示す電子顕微鏡写真(3000倍)である。
【図3】 実施例1の多孔質フィルムの溶媒置換速度調
整材面側の表面構造を示す電子顕微鏡写真(3000
倍)である。
【図4】 実施例1の多孔質フィルムの断面構造を示す
電子顕微鏡写真(1500倍)である。
【図5】 電気抵抗測定用セルの概略図である。
【図6】 実施例1の多孔質フィルムについて電気抵抗
の温度依存性を測定した後の多孔質フィルムの断面構造
を示す電子顕微鏡写真(1500倍)である。
【図7】 実施例2のポリイミド多孔質フィルムの表面
構造を示す電子顕微鏡写真(5000倍)である。
【図8】 実施例3のポリイミド多孔質フィルムの表面
構造を示す電子顕微鏡写真(5000倍)である。
【図9】 実施例4のポリイミド多孔質フィルムの表面
構造を示す電子顕微鏡写真(5000倍)である。
【図10】 実施例4の多孔質フィルムの断面構造を示
す電子顕微鏡写真(750倍)である。
【図11】 比較例2のポリイミド多孔質フィルムの断
面構造を示す電子顕微鏡写真(700倍)である。
【符号の説明】
1:トップケース(アルミニウム製) 2:トップ集電体(ステンレス製) 3:トップ電極(ニッケル製) 4:ボトム電極(ニッケル製) 5:ボトム集電体(ステンレス製) 6:ボトムケース(テフロン製) 7:スペーサ(テフロン製) 8:セパレータ(試料) 9:六角穴付きボルト 10:蝶ナット 11:カラー(黄銅) 12:スプリング(SUS)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大矢 修生 千葉県市原市五井南海岸8−1 宇部興産 株式会社高分子研究所内 Fターム(参考) 5H021 BB01 BB04 BB09 CC00 CC02 CC04 EE01 EE02 EE23 HH00 HH01 HH02 HH03 HH06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の貫通微細孔を有するポリイミド多
    孔質フィルムであって、空孔率30〜85%、平均孔径
    0.01〜5μm、最大孔径10μm以下、膜厚5〜1
    00μm、透気度30秒/100cc〜2000秒/1
    00cc、耐熱温度200℃以上、105℃で8時間熱
    処理した際の熱収縮率が±1%以下であることを特徴と
    するポリイミド多孔質フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリイミド前駆体0.3〜60重量%と
    溶媒99.7〜40重量%からなる溶液を調製し、前記
    溶液をフィルム状に流延し、溶媒置換速度調整材を介し
    て凝固溶媒に接触させることによってポリイミド前駆体
    を析出、多孔質化した後、該ポリイミド前駆体多孔質フ
    ィルムを熱処理或いは化学処理することを特徴とするポ
    リイミド多孔質フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の溶媒置換速度調整材とし
    て、フィルム状に流延したポリイミド前駆体溶液の少な
    くとも片面に、透気性を有する不織布或いは多孔膜を積
    層することを特徴とするポリイミド多孔質フィルムの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の凝固溶媒として、ポリイ
    ミド前駆体の非溶媒またはポリイミド前駆体の溶媒0.
    1〜50重量%と非溶媒99.9〜50重量%からなる
    混合溶媒を用いることを特徴とするポリイミド多孔質フ
    ィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のポリイミド多孔質フィル
    ムを構成要素として必ず含む単層または複層多孔質フィ
    ルム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の単層または複層多孔質フ
    ィルムからなる電池用セパレータ。
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