JP2003257484A - ポリイミド多孔質膜複合材料およびリチウムイオン電解質膜 - Google Patents
ポリイミド多孔質膜複合材料およびリチウムイオン電解質膜Info
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Abstract
イミドフィルムを基材とし、電解質との親和性を有する
ポリイミド多孔質膜複合材料および耐熱性、耐薬品性、
機械的強度に優れたポリイミドフィルムを基材とし、電
解質との親和性を有するリチウムイオン電解質膜を提供
する。 【解決手段】 両面に貫通した非直線性細孔を有するポ
リイミド多孔質膜の細孔内に電解質との親和性を有する
有機または無機材料を充填し、物理的および/または化
学的相互作用によってその形態を保持させてなるポリイ
ミド多孔質膜複合材料、および両面に貫通した非直線性
細孔を有するポリイミド多孔質膜の細孔内にリチウムイ
オンを伝導する能力を持つ電解質あるいは溶融塩と相溶
性を持つポリマ−の前駆体となるモノマ−を充填し、高
分子化してなるリチウムイオン電池電解質膜。
Description
膜を基材とするハイブリッド材料であるポリイミド多孔
質膜複合材料およびリチウムイオン電解質膜に関する。
填保持することによって新たな機能を発現するする試み
がなされている。例えば、ベ−スとなる多孔質膜とし
て、セラミックスおよびポリマ−系多孔質膜を用いたも
のが知られている。これらの多孔質膜は、耐熱性、化学
的安定性、機械的物性、寸法安定性のいずれかが劣り、
材料設計の自由度が少ないことが知られている。
力、自己放電の少ないリチウム電池のような非水電解液
電池、特にリチウムイオン二次電池が開発、実用化され
ている。リチウムイオン二次電池の負極としては例えば
金属リチウム、リチウムと他の金属との合金、カ−ボン
やグラファイト等の炭素材料、リチウムイオンをド−ピ
ングした導電性高分子材料等が知られており、また正極
としては例えばフッ化黒鉛、金属酸化物や硫化物、塩化
物が知られている。また、非水電解液として、エチレン
カ−ボネ−ト、プロピレンカ−ボネ−ト、γ−ブチロラ
クトン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、
テトラヒドロフラン等の有機溶媒にLiPF6、LiC
lO4等の電解質を溶解したものが使用されている。こ
のようなリチウムイオン二次電池の構成材料であるセパ
レ−タの役割は、正負両極の短絡を防止するとともに電
池反応を阻害しないことにあり、前記有機電解液に対す
る耐薬品性の観点からポリオレフィン系多孔膜が使用さ
れている。
ては、正極シ−ト、負極シ−ト及びセパレ−タを金属製
の卷回ピンを用いて渦巻状に卷回する。この正極及び負
極シ−ト表面には、しばしば数μm程度の凹凸が存在す
るため、多孔質フィルムを電池用セパレ−タとしてリチ
ウム電池に組込むと、極板表面の凹凸によってフィルム
が損傷されるという不具合が生じる場合がある。セパレ
−タの損傷は、電池の短絡を引き起す原因となるため、
フィルム強度の向上が重要な課題となっている。このよ
うな場合、ポリオレフィンを素材としたセパレ−タで
は、高分子量化或いは架橋といった処理を施す試みがな
されているが、耐熱性は十分とはいえず未だ改良の余地
がある。
施されるセパレ−タには、幅方向に大きな熱収縮性を有
するという問題点があった。また、セパレ−タとしてポ
リオレフィン系あるいはフッ素系樹脂を使用すると電解
質との濡れ性(親和性)が劣り、セパレ−タの細孔内に
電解質や溶融塩が満たされず空孔が残り、電池性能に悪
影響を及ぼす場合がある。
に優れた高性能のガス分離膜として芳香族ポリアミド、
ポリイミド−アミド、芳香族ポリイミドなどの分離膜が
知られている。このような分離膜は、一方の面に緻密層
を有し且つフィルム内部に数μm〜数十μmの孔が存在
した不均一構造を有する多孔質膜である。フィルム表面
に形成された緻密層はガスの分離能を発現するが、この
ようなガス分離膜を電池用セパレ−タとして用いた場合
には、該緻密層が電解質(イオン種等)の移動を妨げる
ために電池の充放電を阻害する障壁となる。
熱性、耐薬品性、機械的強度に優れたポリイミドフィル
ムを基材とし、電解質との親和性を有するポリイミド多
孔質膜複合材料を提供することである。また、この発明
の他の目的は、耐熱性、耐薬品性、機械的強度に優れた
ポリイミドフィルムを基材とし、電解質との親和性を有
するリチウムイオン電解質膜を提供することである。
した非直線性細孔を有するポリイミド多孔質膜の細孔内
に電解質との親和性を有する有機または無機材料を充填
し、物理的および/または化学的相互作用によってその
形態を保持させてなるポリイミド多孔質膜複合材料に関
する。また、この発明は、両面に貫通した非直線性細孔
を有するポリイミド多孔質膜の細孔内にリチウムイオン
を伝導する能力を持つ電解質あるいは溶融塩と相溶性を
持つポリマ−の前駆体となるモノマ−を充填し、高分子
化してなるリチウムイオン電池電解質膜に関する。
列記する。 1)電解質との親和性を有する有機または無機材料が、
電解質との濡れ性を有するポリマ−の前駆体を充填し高
分子化したものである上記のポリイミド多孔質膜複合材
料。
細孔を有するポリイミド多孔質膜は、例えばポリイミド
前駆体0.3〜60重量%と溶媒99.7〜40重量%
からなる溶液を調製し、前記溶液をフィルム状に流延
し、溶媒置換速度調整材を介して凝固溶媒に接触させる
ことによってポリイミド前駆体を析出、多孔質化した
後、該ポリイミド前駆体多孔質フィルムを熱処理或いは
化学処理することによって得ることができる。
ボン酸成分とジアミン成分の好ましくは芳香族化合物に
属するモノマ−を重合して得られたポリアミック酸或い
はその部分的にイミド化したものであり、熱処理或いは
化学処理することで閉環してポリイミド樹脂とすること
ができる。ポリイミド樹脂とは、後述のイミド化率が約
50〜100%、特に80〜100%の耐熱性ポリマ−
である。
溶媒は、パラクロロフェノ−ル、N−メチル−2−ピロ
リドン(NMP)、ピリジン、N,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、テトラメチル尿素、フェノ−ル、クレゾ−ル
などが挙げられる。
上記の有機溶媒中に大略等モル溶解、重合して、対数粘
度(30℃、濃度;0.5g/100mL NMP)が
0.3以上、特に0.5〜7であるポリイミド前駆体が
製造される。また、重合を約80℃以上の温度で行った
場合に、部分的に閉環してイミド化したポリイミド前駆
体が製造される。
適にはパラ−フェニレンジアミン(以下、p−PDAと
略記することもある)、メタ−フェニレンジアミンなど
の芳香族ジアミンが挙げられる。また、前記のジアミン
成分としては、ジアミノピリジンであってもよく、具体
的には、2,6−ジアミノピリジン、3,6−ジアミノ
ピリジン、2,5−ジアミノピリジン、3,4−ジアミ
ノピリジンなどが挙げられる。ジアミン成分は上記の各
ジアミンを2種以上組み合わせて使用してもよい。
適にはビフェニルテトラカルボン酸成分が挙げられ、例
えば3,3’,4,4’− ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(以下、s−BPDAと略記することもあ
る)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(以下、a−BPDAと略記することもあ
る)が好ましいが、2,3,3’,4’−又は3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、あるい
は2,3,3’,4’− 又は3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸の塩またはそれらのエステル
化誘導体であってもよい。ビフェニルテトラカルボン酸
成分は、上記の各ビフェニルテトラカルボン酸類の混合
物であってもよい。
フェニルテトラカルボン酸成分の一部あるいは全部をピ
ロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)スルホン,ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)エ−テル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
チオエ−テルあるいはそれらの酸無水物、塩またはエス
テル化誘導体などの芳香族テトラカルボン酸類で置き換
えてもよい。またこれら芳香族テトラカルボン酸成分の
一部あるいは全部を脂環族テトラカルボン酸、あるいは
それらの酸無水物、塩またはエステル化誘導体で置き換
えてもよい。
溶媒に0.3〜60重量%、好ましくは1〜30重量%
の割合で溶解してポリイミド前駆体溶液に調製される
(重合溶液をそのまま用いても良い)。また、調製され
たポリイミド前駆体溶液の溶液粘度は10〜10000
ポイズ、好ましくは40〜3000ポイズである。溶液
粘度が10ポイズより小さいと多孔質膜を作製した際の
フィルム強度が低下するので適当でなく、10000ポ
イズより大きいとフィルム状に流延することが困難とな
るので、上記範囲が好適である。
延された後、例えば少なくとも片面に溶媒置換速度調整
材を配した積層フィルムとされる。ポリイミド前駆体溶
液の流延積層フィルムを得る方法としては特に制限はな
いが、該ポリイミド前駆体溶液を基台となるガラス等の
板上或いは可動式のベルト上に流延した後、流延物表面
を溶媒置換速度調整材で覆う方法、該ポリイミド前駆体
溶液をスプレ−法或いはドクタ−ブレ−ド法を用いて溶
媒置換速度調整材上に薄くコ−ティングする方法、該ポ
リイミド前駆体溶液をTダイから押出して溶媒置換速度
調整材間に挟み込み、両面に溶媒置換速度調整材を配し
た3層積層フィルムを得る方法などの手法を用いること
ができる。
ィルムを凝固溶媒と接触させてポリイミド前駆体を析出
させる際に、ポリイミド前駆体の溶媒及び凝固溶媒が適
切な速度で透過する事が出来る程度の透過性を有するも
のが好ましい。溶媒置換速度調整材の膜厚は5〜500
μm、好ましくは10〜100μmであり、フィルム断
面方向に貫通した0.01〜10μm、好ましくは0.
03〜1μmの孔が十分な密度で分散しているものが好
適である。溶媒置換速度調整材の膜厚が上記範囲より小
さいと溶媒置換速度が速すぎる為に析出したポリイミド
前駆体表面に緻密層が形成されるだけでなく凝固溶媒と
接触させる際にシワが発生する場合があるので適当でな
く、上記範囲より大きいと溶媒置換速度が遅くなる為に
ポリイミド前駆体内部に形成される孔構造が不均一とな
る。
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、セルロ−スなどを材料とした不織布或いは多孔膜な
どが用いられ、特にポリオレフィン製の微多孔質膜を用
いた際に、製造されたポリイミド多孔質フィルム表面の
平滑性に優れるので好適である。
換速度調整材を介して凝固溶媒と接触させることでポリ
イミド前駆体の析出、多孔質化を行う。ポリイミド前駆
体の凝固溶媒としては、エタノ−ル、メタノ−ル等のア
ルコ−ル類、アセトン、水等のポリイミド前駆体の非溶
媒またはこれら非溶媒99.9〜50重量%と前記ポリ
イミド前駆体の溶媒0.1〜50重量%との混合溶媒を
用いることができる。非溶媒及び溶媒の組合わせには特
に制限はないが、凝固溶媒に非溶媒と溶媒からなる混合
溶媒を用いた場合に析出したポリイミド前駆体の多孔質
構造が均一となるので好適である。
は、ついで熱処理或いは化学処理が施される。ポリイミ
ド前駆体フィルムの熱処理は、溶媒置換速度調整材を取
り除いたポリイミド前駆体多孔質フィルムをピン、チャ
ック或いはピンチロール等を用いて熱収縮が生じないよ
うに固定し、大気中にて280〜500℃で5〜60分
間行われる。
理は、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物を脱水剤として
用い、トリエチルアミン等の第三級アミンを触媒として
行われる。また、特開平4−339835号公報のよう
に、イミダ−ル、ベンズイミダゾ−ル、もしくはそれら
の置換誘導体を用いても良い。
理は、ポリイミド多孔質フィルムを複層構成で製造する
場合に好適に用いられる。複層ポリイミド多孔質フィル
ムは、例えば溶媒置換速度調整材として用いるポリオレ
フィン微多孔膜表面をポリイミド多孔質層との界面接着
性を改良するためにプラズマ、電子線或いは化学処理し
た後、ポリイミド前駆体溶液流延物と複層化し、凝固溶
媒との接触によってポリイミド前駆体溶液流延物を析
出、多孔質化し、次いで化学処理を行うことで製造する
ことができる。複層ポリイミド多孔質フィルムの化学処
理は、積層する溶媒置換速度調整材の融点或いは耐熱温
度以下の温度範囲で行われることが好ましい。
孔質フィルムのイミド化率は、50%以上、好ましくは
75%以上である。イミド化率が50%より小さいと、
加熱使用時に電池内で脱水による水分を発生させる可能
性があるため適当でない。
方法(ATR法)により、740cm-1或いは1780
cm-1のイミド基の特性吸収と、内部標準としてのフェ
ニル基の1510cm-1の吸収との吸光度比を計算によ
り求め、別に求めたイミド化率100%のポリイミドフ
ィルムにおける対応する吸光度比との比率として百分率
(%)の単位にて示した。
質フィルムは、前記製造条件の選択によっても多少異な
るが、両面に貫通した非直線性細孔を有し、好適には空
孔率が10〜85%、平均孔径(表面開口部)が0.0
5〜1μmである。空孔率が低すぎると機能が十分でな
く、また大きすぎると機械的強度が悪くなる。また、平
均孔径が小さすぎると有機または無機材料の充填が困難
となり、平均孔径が大きすぎると機械的強度が小さくな
るので好ましくない。また、該ポリイミド多孔質フィル
ムは単層或いは複層のいずれの構成であってもよく、フ
ィルム全体の膜厚が5〜100μm、ポリイミド多孔質
層の耐熱温度は200℃以上、また、105℃で8時間
熱処理した際の熱収縮率は±1%以下であるものが好ま
しい。
る材料として、電解質との親和性を有するポリマ−の前
駆体が挙げられる。
よびその一例であるリチウムイオン電解質膜は、例え
ば、リチウム塩を含む電解質溶液がゲル化したものであ
る。電解質溶液をゲル化させることによって、多孔質膜
(フィルム)の電解質溶液の保持力が増し、リチウムイ
オン二次電池に用いた際の液漏れを防ぐことができ、デ
ンドライトの抑制ができる。ゲル化の方法としては、上
記電解質溶液にゲル化の可能な高分子モノマ−を混合
し、これを多孔質フィルム(膜)に含浸させたのちに、
この高分子モノマ−を反応させることでゲルを生じさせ
ることによって行うことができる。
トリル、メチルメタアクリレ−ト、ポリエチレンオキサ
イドジアクリレ−ト、ポリエ−テルオリゴマ−等が挙げ
られる。また高分子モノマ−のゲル化は、用いた高分子
モノマ−に応じて、加熱、紫外線または電子線などの高
エレルギ−線の照射等を、電解質溶液を含浸させた後に
行うことによりなされる。
て得られる。リチウム塩としてはLiBF4、LiCl
O4、LiPF6、LiALO4、LiAsF6、LiCF
3SO 3等が挙げられる。また、溶剤としては、エチレン
カ−ボネ−ト、プロピレンカ−ボネ−ト、ジメチルカ−
ボネ−ト、ジエチルカ−ボネ−ト、γ−ブチロラクト
ン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アセトニ
トリル、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
ム塩の割合が、0.1〜3mol/lとなることが好ま
しい。0.1mol/l未満ではイオン伝導度が不足し
不都合となり、3mol/lを越えるとイオン伝導度は
それ以上向上しない。
リイミドフィルムを、密封容器に入れ、10Torr以下の
真空状態にして脱気する。そして十分脱気したのちに、
この密封容器内に電解質溶液を注入し、多孔質フィルム
を電解質溶液中に浸漬させ、この状態で密封容器を大気
圧以上(1気圧以上)に加圧する。こうすることによっ
て多孔質フィルムの細孔内に電解質溶液を含浸(充填)
させることができる。また、多分岐型ポリエ−テルなど
の室温で液状のマクロモノマ−のように、前駆体として
使用可能であり重合時に溶媒が不要で反応前に直接リチ
ウム塩を溶かすことも可能なものがある。このようなマ
クロモノマ−を使用する場合は、上記の脱気−電解質溶
液注入−膜浸漬−加圧の操作を前述のゲル化方法におけ
る反応−ゲル化操作の前に行い、その後重合、架橋反応
を誘起することにより、ポリイミド多孔質膜複合電解質
膜を得ることができる。
非直線性細孔であるので、電解質溶液が細孔に浸透し細
孔内に多くの電解質溶液が蓄積される。この発明のポリ
イミド多孔質膜複合材料およびその一例であるリチウム
イオン電解質膜は、リチウムイオン二次電池に用いた際
には、電解質が液だれせず、かつ十分な強度を有するも
のでるため、デンドライトの抑制ができる。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
水物とp−フェニレンジアミンとをモル比が0.998
で且つ該モノマ−成分の合計重量が9.5重量%になる
ようにNMPに溶解し、40℃、6時間重合を行ってポ
リイミド前駆体を得たポリイミド前駆体溶液を、鏡面研
磨を施したSUS板上に流延し、媒置換速度調整材とし
て透気度550秒/100ccのポリオレフィン製微多
孔膜(宇部興産社製;UP−3025)で表面を覆い、
該積層物をイソプラパノ−ル中に9分間浸漬し、ポリイ
ミド前駆体の析出、多孔質化を行った。
を水中に15分間浸漬した後、SUS板及び溶媒置換速
度調整材から剥離し、ピンテンタ−に固定した状態で、
大気中にて450℃、20分間熱処理を行った。ポリイ
ミド多孔質フィルムのイミド化率は82%であり、フィ
ルム断面方向に貫通孔を有していた。得られたポリイミ
ド多孔質フィルムの膜厚、空孔率、平均孔径、熱収縮率
の測定結果を次に示す。 膜厚:30μm 空孔率:45% 平均孔径:0.18μm 熱収縮率:0.14%
及び重量を測定し、目付重量から空孔率を次式によって
求めた。式中のSは多孔質フィルムの面積、dは膜厚、
wは測定した重量、Dはポリイミドの密度を意味し、ポ
リイミドの密度は1.34とした。 空孔率=S×d×D/w×100
子顕微鏡写真より、50点以上の開孔部について孔面積
を測定し、該孔面積の平均値から次式に従って孔形状が
真円であるとした際の平均直径を計算より求めた。式中
のSaは孔面積の平均値を意味する。 平均孔径=2×(Sa/π)1/2
料を、無拘束状態で105℃に設定したオ−ブン中で8
時間静置し、取出した後の寸法を測定した。熱収縮率は
次式に従う。式中のL1はオ−ブンから取出した後のフ
ィルム寸法を意味し、L0は初期のフィルム寸法を意味
する。 熱収縮率=L1/L0×100
で得られたポリイミド多孔質膜を容器に入れ、ポリエチ
レングリコ−ルジアクリレ−ト(分子量:2000)と
ポリエチレングリコ−ルモノアクリレ−ト(分子量:4
00)とを6:4の重量比率で混合した前駆体混合物3
0重量部と四フッ化ホウ酸リチウム6重量部、1,2−
ジメトキシエタン32重量部およびγ−ブチロラクトン
32重量部を混合した混合液で浸漬し、ポリイミド多孔
質膜細孔内部まで該液が充分浸入するように攪拌、混合
した。内部に浸入した電解質前駆体が染み出さないよう
に膜を取り出し、電子線量6Mradの電子線を照射し
て重合反応および架橋反応を行って、イオン伝導性を有
するポリイミド多孔質膜複合電解質膜を作製した。得ら
れた電解質膜は、ポリイミド多孔質膜と複合しない電解
質膜と比べ物理化学的に安定であり機械強度に優れ、イ
オン伝導性は遜色ない値を示した。
性、ハンドリング性が高い複合材料が得られる。特に寸
法安定性と機械的強度に優れているので、正極と負極と
の接合プロセスにおける作業性を大きく向上させること
ができる。また、この発明によれば、耐熱性のポリイミ
ド多孔質膜を使用しているため、高温においてもリチウ
ム電池の電極の短絡が起こらず、安全性が向上したリチ
ウムイオン電解質膜が得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】両面に貫通した非直線性細孔を有するポリ
イミド多孔質膜の細孔内に電解質との親和性を有する有
機または無機材料を充填し、物理的および/または化学
的相互作用によってその形態を保持させてなるポリイミ
ド多孔質膜複合材料。 - 【請求項2】電解質との親和性を有する有機または無機
材料が、電解質との濡れ性を有するポリマ−の前駆体を
充填し高分子化したものである請求項1に記載のポリイ
ミド多孔質膜複合材料。 - 【請求項3】両面に貫通した非直線性細孔を有するポリ
イミド多孔質膜の細孔内にリチウムイオンを伝導する能
力を持つ電解質あるいは溶融塩と相溶性を持つポリマ−
の前駆体となるモノマ−を充填し、高分子化してなるリ
チウムイオン電池電解質膜。
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---|---|---|---|
JP2002052696A JP2003257484A (ja) | 2002-02-28 | 2002-02-28 | ポリイミド多孔質膜複合材料およびリチウムイオン電解質膜 |
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