JP6166575B2 - 電極一体型セパレータ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の他の目的は、上記の電極一体型セパレータを備えた電池及びキャパシタを提供することにある。
(テープ剥離試験)
電極一体型セパレータの多孔質層表面にマスキングテープ[寺岡製作所社製、商品名「フィルムマスキングテープNo.603(#25)」、幅24mm]を貼り、直径30mm、200gf荷重のローラーで圧着した後、引張試験機を用いて剥離速度50mm/分でT型剥離を行う
(高温放置試験)
電極一体型セパレータを約6cm×10cmの概略長方形に整形して試料を作製し、前記概略長方形の直交する2辺の長さa1、b1を測定し、200℃に調温した恒温槽内に前記試料を投入し30分間放置してから、前記試料を取り出し、室温になるまで放冷した後に、前記概略長方形の直交する2辺の長さa2、b2を測定し、下記式を用いて形状変化率を計算した。
a1、a2による形状変化率(%)={|a2−a1|/a1}×100
b1、b2による形状変化率(%)も同様にして求め、これらの値の平均値を、本高温放置試験における形状変化率とした
本発明の製造方法によれば、上記電極一体型セパレータを工業的に効率よく製造できる。
本発明の電極一体型セパレータは、フィルム状電極の少なくとも片面に多孔質層が積層されている構成を有している。前記フィルム状電極は一次電池、二次電池用電極及びキャパシタ用電極から選択された少なくとも1種を含んでいればよく、その他の点では特に制限されない。
前記多孔質層(多孔質膜ともいう)は、主成分が例えば高分子成分で構成されている。前記高分子成分としては、例えば、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、芳香族ポリアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂、フッ素系樹脂等のプラスチック等が挙げられる。これらの高分子成分は単独で又は2種以上混合して使用してもよく、また、上記樹脂の共重合体(グラフト重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体等)を単独で又は組み合わせて用いることも可能である。さらに、上記樹脂の骨格(ポリマー鎖)を主鎖又は側鎖に含む重合物を用いることも可能である。このような重合物の具体例として、ポリシロキサンとポリイミドの骨格を主鎖に含むポリシロキサン含有ポリイミド等が挙げられる。
本発明の電極一体型セパレータは、フィルム状電極と多孔質層とが一体化した構造を有する電極−多孔質層積層体により構成されているため、高い機械的強度を備えている。そのため、該積層体の総厚みが、例えば100μm未満程度の薄い場合にも十分な強度を発揮できる点で有利である。また、フィルム状電極の表面に多孔質層が湿式相転換法により形成されているので、優れた空孔特性を有する。
(テープ剥離試験)
電極一体型セパレータの多孔質層表面にマスキングテープ[寺岡製作所社製、商品名「フィルムマスキングテープNo.603(#25)」、幅24mm]を貼り、直径30mm、200gf荷重のローラーで圧着した後、引張試験機を用いて剥離速度50mm/分でT型剥離を行う
(高温放置試験)
電極一体型セパレータ(電極−多孔質層積層体)を約6cm×10cmの概略長方形に整形し、前記概略長方形の直交する2辺の長さa1、b1を測定し、200℃に調温した恒温槽内に前記積層体を投入し30分間放置してから、前記積層体を取り出し、室温になるまで放冷した後に、前記概略長方形の直交する2辺の長さa2、b2を測定し、下記式を用いて形状変化率を計算した。
a1、a2による形状変化率(%)={|a2−a1|/a1}×100
b1、b2による形状変化率(%)も同様にして求め、これらの値の平均値を、本高温放置試験における形状変化率とした。
本発明の電極一体型セパレータ(電極一体型セパレータ積層体)は、フィルム状電極の表面に多孔質層を湿式相転換法を用いて形成することにより製造できる。湿式相転換法とは、多孔質層(膜)を構成すべき高分子を含む溶液(高分子溶液)を表面が平らな物体(フィルム状電極、基板、基材等)上にフィルム状に流延し、その後、これを凝固液中に導き、多孔質層(膜)を得る方法である。
前記電極−多孔質層積層体(本発明の電極一体型セパレータ積層体の構成部材)は、例えば、高分子溶液を電極上へフィルム状に流延し、凝固液に接触させて多孔化処理を施した後、そのまま乾燥に付して電極と多孔質層との積層体を得る方法(電極−多孔質層積層体の製造工程1)または、高分子溶液を基板上へフィルム状に流延した後、凝固液に導いて多孔質フィルムを作製し、基板から剥離した該多孔質フィルムを濡れた状態で前記フィルム状電極の表面へ転写し、次いで乾燥に付すことにより多孔性フィルムが電極上に積層した積層体を得る方法(電極−多孔質層積層体の製造工程2)等により製造できるが、前者の方法がプロセスも簡単であり好ましく用いられる。なお、湿式相転換法によりフィルムを得る方法として、例えば、特開2001−145826号公報等を参照できる。
(i)電極−多孔質層積層体(電極フィルム−多孔質層積層体)の多孔質層表面に下記のテープを貼り、下記のローラーで接着部分をなぞり、テープを圧着する。
(ii)下記の万能引張試験機を用いて50mm/分の条件でT型剥離を行う。
(iii)多孔質層と電極の界面剥離の有無を観察する。
・テープ:寺岡製作所製、(商品名「フィルムマスキングテープNo.603(#25)」、24mm幅)
・ローラー:直径30mm、200gf荷重
・万能引張試験機:(株)オリエンテック社製、(商品名「TENSILON RTA−500」)
電子顕微鏡(SEM )写真から、電極−多孔質層積層体の多孔質層の表面又は断面の任意の30点以上の孔についてその面積を測定し、その平均値を平均孔面積Saveとした。孔が真円であると仮定し、下記式を用いて平均孔面積から孔径に換算した値を平均孔径とした。ここでπは円周率を表す。
表面又は内部の平均孔径[μm]=2×(Save/π)1/2
多孔質層が電極と一体化しているものは、そのままでは多孔質層内部の空孔率の測定は困難である。よって、電極の代わりにPETフィルム(帝人デュポン社製、製品名「Sタイプ」)を用い、原液をPETフィルム上にキャスト後、水中に浸積して凝固させ、次いでPETフィルムから剥離して乾燥させて得た多孔性フィルムを用いて測定し、内部の空孔率を下記式より算出した。
Vはフィルムの体積[cm3]、Wは多孔質層の重量[g]、ρは多孔質層素材の密度[g/cm3]を示す。ポリアミドイミドの密度は1.45[g/cm3]、ポリエーテルイミドの密度は1.27[g/cm3]とした。
空孔率[%]=100−100×W/(ρ・V)
多孔質層が電極と一体化しているものは、そのままでは多孔質層の透気度の測定はできない。よって、電極の代わりにPETフィルム(帝人デュポン社製、製品名「Sタイプ」)を用い、原液をPETフィルム上にキャスト後、水中に浸積して凝固させ、次いでPETフィルムから剥離して乾燥させて得た多孔性フィルムを用いて測定した。透気度は、テスター産業株式会社製のガーレー式デンソメーターB型を用い、JIS P8117に準じて測定した。秒数はデジタルオートカウンターで測定した。透気度(ガーレー値)の値が小さいほど空気の透過性が高いこと、つまり多孔質膜等における微小孔の連通性が高いことを意味する。
電極−多孔質層積層体、多孔質層(上記空孔率の測定に項に記載した方法と同様の方法で得られた多孔性フィルムで代用)を約6cm×10cmの概略長方形に整形し、直交する2辺a、bの距離を測定することによりサンプルの形状の変化を評価した。まず、初期の距離a1、b1を測定した。次に、200℃に調温した恒温槽内にサンプルを投入し30分間放置した。次にサンプルを取り出し、室温になるまで放冷した後に距離a2、b2を測定した。下記式を用いて、a、bのそれぞれの変化率を計算した。
高温放置後のaの変化率(%)={|a2−a1|/a1}×100
bの変化率も同様の方法で算出した。
ポリアミドイミド系樹脂溶液(東洋紡績社製の商品名「バイロマックスHR11NN」;固形分濃度15重量%、溶剤NMP、溶液粘度20dPa・s/25℃)100重量部に、水溶性ポリマーとしてポリビニルピロリドン(分子量5.5万)30重量部を加えて製膜用の原液とした。ガラス板上にパイオトレック社製の電極フィルム(正極用、容量1.5mAh/cm2、約15μm厚のアルミ箔基材上に約64μm厚のLiCoO2層が積層されたもの)を置き、該電極フィルム上に25℃に保持した原液をフィルムアプリケーターを使用してキャストした。キャスト時のフィルムアプリケーターとアルミ箔とのギャップは102μmで行った。キャスト後速やかに湿度約100%、温度50℃の容器中に4分間保持した。その後、水中に浸漬して凝固・洗浄し、次いで電極フィルムから剥離させることなく水中から取り出し、ポリオレフィン製不織布に載せ、室温下で自然乾燥することによって電極フィルムと多孔質層とが一体化した積層体(電極フィルム−多孔質層積層体)を得た。多孔質層の厚みは約33μmであり、積層体の総厚みは約111μmであった。
実施例1において、電極フィルムとして、パイオトレック社製の電極フィルム(負極用、容量1.6mAh/cm2、約10μm厚の銅箔基材上に約53μm厚のグラファイト層が積層されたもの)を用い、キャスト時のフィルムアプリケーターと銅箔とのギャップは102μmで行った点以外は実施例1と同様の操作を行って、電極フィルムと多孔質層が一体化した積層体(電極フィルム−多孔質層積層体)を得た。多孔質層の厚みは約28μmであり、積層体の総厚みは約91μmであった。
市販のポリオレフィン系セパレータとして、セルガード社製のセパレータ(厚み約25μm、品番2500)の透気度を前記方法で測定したところ237秒であった。このセパレータの高温放置試験を行ったところ、試験後にはセパレータは溶融して無孔の樹脂の塊になっておりフィルムとしての形状を保持していなかった(概略形状約52mm×約4mm、厚さ約0.5mm)。よって、高温放置後の変化率を計算するのは不可能であった。ポリオレフィン系セパレータの高温下での形状安定性が劣っていることが確認された。
ポリアミドイミド系樹脂溶液(東洋紡績社製の商品名「バイロマックスN−100H」;固形分濃度15重量%、溶剤NMP、溶液粘度60dPa・s/25℃)100重量部に、水溶性ポリマーとしてポリビニルピロリドン(分子量5.5万)15重量部を加えて製膜用の原液とした。ガラス板上に、電極フィルムとして三井金属鉱業株式会社製銅箔(商品名「3EC−HTE」、厚み18μm)の粗面を上にして置き、該電極フィルム上に25℃に保持した原液をフィルムアプリケーターを使用してキャストした。キャスト時のフィルムアプリケーターと銅箔とのギャップは89μmで行った。キャスト後速やかに湿度約100%、温度50℃の容器中に4分間保持した。その後、水中に浸漬して凝固・洗浄し、次いで銅箔から剥離させることなく水中から取り出し、ポリオレフィン製不織布に載せ、室温下で自然乾燥することによって銅箔と多孔質層とが一体化した積層体(銅箔−多孔質層積層体)を得た。多孔質層の厚みは約14μmであり、積層体の総厚みは約32μmであった。
宝泉社製リチウムイオン電池評価用セル(HSセル)を用いてリチウムイオン電池を作製した。
実施例1で作製した正極上にセパレータの機能を有する多孔質層が積層された積層体(セパレータ付き正極)を直径22mmの円形に打ち抜いた。次にパイオトレック社製の電極フィルム(負極用、容量1.6mAh/cm2、約10μm厚の銅箔基材上に約53μm厚のグラファイト層が積層されたもの)を直径16mmの円形に打ち抜いた。電極同士が短絡しないように多孔質積層体の方を一回り大きくした。各電極は80℃で30分間、真空乾燥を行った後に使用した。
窒素置換されたグローブボックス内で評価用セルを組み立てた。評価用セルは耐有機電解液性のステンレス鋼製で、下ボディの内側中央に、セパレータ面を上にしてセパレータ付き正極を配置した。このセパレータ付き正極の上面には、グラファイト面を下にして負極を配置し、その上に上ボディを被せて電解液を注入した後、ネジで締め付け、電池を密封した。電解液はキシダ化学社製の、EC(エチレンカーボネート)とDEC(ジエチルカーボネート)を1:1体積混合したものを溶媒とし、これに溶質としてLiBF4を1mol/L溶解させたものを用いた。
上記の如く作製した電池に、0.2mAの定電流でセルの電圧が4Vになるまで充電を行った。
このように充電された電池にLEDを接続したところ発光し、リチウムイオン電池として機能していることが確かめられた。
実施例4において、実施例2で作製した負極上にセパレータの機能を有する多孔質層が積層された積層体(セパレータ付き負極)を用い、正極にパイオトレック社製の電極フィルム(正極用、容量1.5mAh/cm2、約15μm厚のアルミ箔基材上に約64μm厚のLiCoO2層が積層されたもの)を用いた点以外は実施例4と同様の操作を行って、リチウムイオン電池を作製後、充電し、LEDを接続したところ発光し、リチウムイオン電池として機能していることが確かめられた。
実施例4において、実施例1で作製した正極上にセパレータの機能を有する多孔質層が積層された積層体(セパレータ付き正極)を用い、パイオトレック社製の負極用の電極フィルムの代わりに実施例2で作製した負極上にセパレータの機能を有する多孔質層が積層された積層体(セパレータ付き負極)を用いた点以外は実施例4と同様の操作を行って、リチウムイオン電池を作製後、充電し、LEDを接続したところ発光し、リチウムイオン電池として機能していることが確かめられた。
実施例4において、セパレータ付き正極と負極の間に、ポリオレフィン系セパレータのセルガード社製のセパレータ(厚み約25μm、品番2500)を配置した点以外は実施例4と同様の操作を行って、リチウムイオン電池を作製後、充電し、LEDを接続したところ発光し、リチウムイオン電池として機能していることが確かめられた。耐熱セパレータが有する耐熱性に加え、ポリオレフィン系セパレータのシャットダウン特性を付与することができた。
実施例3で作製したセパレータ付き銅箔を正極(35mm×45mmに成形)とし、アルミ箔(三菱アルミニウム社製ニッパクホイル、厚さ12μm)を負極(33mm×45mmに成形)としボルタ電池を作製した。電極同士が短絡しないように多孔質積層体の方を一回り大きくした。
このセパレータ付き正極のセパレータ面上にアルミ箔の負極を配置し、その両外側にPP板(35mm×40mmに成形)を配置しクリップで押さえつけた。これを電解液中に浸漬した。電解液は飽和食塩水(100gの水に食塩40gを加え、よく攪拌したもの)を用いた。上記の如く作製したボルタ電池の正極・負極間の電圧をテスターで測定したところ、0.48Vを示し、ボルタ電池として機能していることが確かめられた。
ポリアミドイミド系樹脂溶液(東洋紡績社製の商品名「バイロマックスHR11NN」;固形分濃度15重量%、溶剤NMP、溶液粘度20dPa・s/25℃)100重量部に、水溶性ポリマーとしてポリビニルピロリドン(分子量5.5万)30重量部を加えて製膜用の原液とした。ガラス板上に基材として、帝人・デュポン社製のPETフィルム(厚み100μm:商品名「HS74AS」)を易接着面を上にしておき、該PETフィルム上に25℃に保持した原液をフィルムアプリケーターを使用してキャストした。キャスト時のフィルムアプリケーターとPETフィルムとのギャップは51μmで行った。キャスト後速やかに湿度約100%、温度50℃の容器中に4分間保持した。その後、水中に浸漬して凝固・洗浄していると、自然とPETフィルムから多孔質層が剥離した。次いでこの剥離した多孔質層を濡れたままパイオトレック社製の電極フィルム(正極用、容量1.5mAh/cm2、約15μm厚のアルミ箔基材上に約64μm厚のLiCoO2層が積層されたもの)に転写した後、ポリオレフィン製不織布に載せ、室温下で自然乾燥することによって電極フィルムと多孔質層とが一体化した積層体(電極フィルム−多孔質層積層体)を得た。多孔質層の厚みは約30μmであり、積層体の総厚みは約108μmであった。
実施例4において、実施例9で作製した正極上にセパレータの機能を有する多孔質層が積層された積層体(セパレータ付き正極)を用い、負極にパイオトレック社製の電極フィルム(負極用、容量1.6mAh/cm2、約10μm厚の銅箔基材上に約53μm厚のグラファイト層が積層されたもの)を用いた点以外は実施例4と同様の操作を行って、リチウムイオン電池を作製後、充電し、LEDを接続したところ発光し、リチウムイオン電池として機能していることが確かめられた。
2 負極
3 セパレータ
10 電極(正極)一体型セパレータ
11 正極
12 多孔質層(一体化されたセパレータ)
13 正極集電体
14 正極活物質
20 電極(負極)一体型セパレータ
21 負極
22 多孔質層(一体化されたセパレータ)
23 負極集電体
24 負極活物質
100 電極(正極)一体型セパレータ
101 電極(正極)一体型セパレータ
102 電極(正極)一体型セパレータ
200 負極
201 負極
202 電極(負極)一体型セパレータ
Claims (12)
- フィルム状電極の少なくとも片面に、連通性を有する多数の微小孔を有し、該微小孔の平均孔径が0.01〜10μmである多孔質層が湿式相転換法により前記フィルム状電極と一体に形成された電極−多孔質層積層体により構成されており、前記多孔質層の内部の空孔率が60〜80%であり、前記多孔質層のガーレー式デンソメーターを用い、JIS P8117に準じて測定した透気度が5〜60秒であり、前記多孔質層が、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、及びポリエーテルスルホン系樹脂からなる群より選択された少なくとも1種を含む電極一体型セパレータ。
- 下記テープ剥離試験により、前記フィルム状電極と前記多孔質層との間で界面剥離を起こさない請求項1記載の電極一体型セパレータ。
(テープ剥離試験)
電極一体型セパレータの多孔質層表面にマスキングテープ[寺岡製作所社製、商品名「フィルムマスキングテープNo.603(#25)」、幅24mm]を貼り、直径30mm、200gf荷重のローラーで圧着した後、引張試験機を用いて剥離速度50mm/分でT型剥離を行う - 前記多孔質層が、該多孔質層を構成すべき高分子を含む溶液を前記フィルム状電極の表面へフィルム状に流延した後、凝固液中に導き、次いで乾燥に付すことにより、前記フィルム状電極の少なくとも片面に該フィルム状電極と一体に形成されている請求項1又は2記載の電極一体型セパレータ。
- 前記多孔質層が、該多孔質層を構成すべき高分子を含む溶液を基板の表面へフィルム状に流延した後、凝固液中に導いて多孔質フィルムを作製し、基板から剥離した該多孔質フィルムを濡れた状態で前記フィルム状電極の表面へ転写し、次いで乾燥に付すことにより、前記フィルム状電極の少なくとも片面に該フィルム状電極と一体に形成されている請求項1又は2記載の電極一体型セパレータ。
- 前記高分子を含む溶液が、高分子成分8〜25重量%、水溶性ポリマー5〜50重量%、水0〜10重量%、及び水溶性極性溶媒30〜82重量%からなる混合溶液である請求項3又は4記載の電極一体型セパレータ。
- 前記多孔質層の厚みが1〜100μmである請求項1〜5の何れか1項に記載の電極一体型セパレータ。
- 下記高温放置試験における形状変化率が3%以内である請求項1〜6の何れか1項に記載の電極一体型セパレータ。
(高温放置試験)
電極一体型セパレータを約6cm×10cmの概略長方形に整形して試料を作製し、前記概略長方形の直交する2辺の長さa1、b1を測定し、200℃に調温した恒温槽内に前記試料を投入し30分間放置してから、前記試料を取り出し、室温になるまで放冷した後に、前記概略長方形の直交する2辺の長さa2、b2を測定し、下記式を用いて形状変化率を計算した。
a1、a2による形状変化率(%)={|a2−a1|/a1}×100
b1、b2による形状変化率(%)も同様にして求め、これらの値の平均値を、本高温放置試験における形状変化率とした - 請求項1〜7の何れか1項に記載の電極一体型セパレータを備えた電池。
- 請求項1〜7の何れか1項に記載の電極一体型セパレータを備えたキャパシタ。
- フィルム状電極の少なくとも片面に、連通性を有する多数の微小孔を有し、該微小孔の平均孔径が0.01〜10μmである多孔質層を湿式相転換法により前記フィルム状電極と一体に形成され、前記多孔質層の内部の空孔率が60〜80%であり、前記多孔質層のガーレー式デンソメーターを用い、JIS P8117に準じて測定した透気度が5〜60秒であり、前記多孔質層が、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、及びポリエーテルスルホン系樹脂からなる群より選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする電極一体型セパレータの製造方法。
- 前記多孔質層を構成すべき高分子を含む溶液をフィルム状電極の表面へフィルム状に流延した後、凝固液中に導き、次いで乾燥に付して前記フィルム状電極の少なくとも片面に多孔質層を前記フィルム状電極と一体に形成する工程を含む請求項10記載の電極一体型セパレータの製造方法。
- 前記多孔質層を構成すべき高分子を含む溶液を基板の表面へフィルム状に流延した後、凝固液中に導いて多孔質フィルムを作製し、基板から剥離した該多孔質フィルムを濡れた状態で前記フィルム状電極の表面へ転写し、次いで乾燥に付して前記フィルム状電極の少なくとも片面に多孔質層を前記フィルム状電極と一体に形成する工程を含む請求項10記載の電極一体型セパレータの製造方法。
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